JP2001353775A - ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルムの製造方法

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亘 合田
Hideyuki Yamauchi
英幸 山内
Motoyuki Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偏光フィルムを正確に検査し得る離型フィルム
として熱寸法安定性に優れ、かつフィルム幅方向におい
て均一な物性を有するポリエステルフィルムの製造方法
を得ること。 【解決手段】主配向軸がフィルムの幅方向であり、かつ
レターデーション(Re)値が1000nm以上である
ポリエステルフィルムを浮遊熱処理方式によって非接触
状態で弛緩熱処理を行うことを特徴とするポリエステル
フィルムの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルフィ
ルムの製造方法に関するものであり、特に偏光板の離型
フィルム用ポリエステルフィルムの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、偏光板は通常図1に示す如く偏光
フィルム1、表面保護フィルム2、粘着剤層3、離型フ
ィルム4より構成される。偏光フィルム1は、沃素、二
色性染料などの偏光素子をポリビニルアルコール系フィ
ルムの如き親水性フィルムに吸着配向せしめた偏光軸と
吸着軸とを有する偏光子を上下よりセルロース系フィル
ムで被服するか、或いはアクリル系樹脂をコーティング
して設けられる。2は表面保護フィルムで、該フィルム
2はポリエステルフィルムのような透湿性が少なく、伸
び等の変形が少ない透明なプラスチックフィルムが使用
されている。表面保護フィルム2と偏光フィルム1は接
着剤(図示省略)で被着されており、該接着剤は表面保
護フィルム2とは強固に接着するが、偏光フィルム1と
は経日でも容易に離型し得るものが使用されている。3
は偏光フィルム1を液晶セル(図示省略)に粘着するた
めの感圧型粘着剤等よりなる粘着剤層で、4はポリエス
テルフィルム等からなる離型フィルムである。
【0003】該偏光板の製造に際しては、予め原料であ
る偏光フィルム1の光の透過率や偏光度或いはヘイズ等
の光学特性を検査し使用してはいるものの、偏光板への
製造工程での偏光フィルムへの機械的応力、異物混入、
付着等により欠陥が生じる可能性がある。このため最終
製品での異物混入や欠陥検査では、クロスニコル法(偏
光板を2枚延伸軸を直交させ、その間に離型フィルムが
挟まれた状態で、透過光を観察する方法)による人間の
目視検査を行っている。しかしながら、従来の偏光板は
離型フィルムとして用いているポリエステルフィルムの
光学的異方性および偏光フィルムとの接着工程において
粘着剤中の溶媒を加熱除去する際の熱収縮が原因で、正
確な目視検査が困難となり、異物混入や欠陥を見逃す事
態が生じている。
【0004】該離型フィルム用のポリエステルフィルム
の製造方法においては、ポリエステルフィルムを長手方
向に延伸した後、その幅方向に延伸する逐次2軸延伸方
式が採用されるのが通常である。
【0005】このような製造方法において、該フィルム
幅方向への延伸機としてはテンターが用いられている。
この従来の製膜技術であるテンター法では、テンター内
での延伸、熱処理時にフィルム長手方向に生じる応力差
の結果、フィルム幅方向に関して均一な物性を有さない
ボーイング現象が生じていた。
【0006】このボーイング現象とは、該フィルムをテ
ンター内で延伸、熱処理時にフイルム長手方向におい
て、ポアソン比に基づく収縮力および熱収縮応力などに
起因して発生すると考えられており、現象としては、テ
ンター前でフィルム幅方向にマジック(登録商標)で引
いた直線が、テンター後では、フィルム長手方向に弓な
り状に引き戻された形をして出てくるような挙動を示す
ことである。このボーイング現象のためテンター法にて
幅方向に延伸、熱処理されたフィルムはフィルム幅方向
において配向角の位置依存性があり、中央部から離れる
ほど配向角(フィルム幅方向と主配向軸のなす角度)が
大きくなる特徴を有していた。
【0007】上述したボーイング現象の影響の大きなフ
ィルムを偏光板の離型フィルムに適用した場合、クロス
ニコル法の直交座標にフィルム幅方向、長手方向をそれ
ぞれ合わせて目視検査を行うと、フィルム幅方向中央部
については配向角が小さいため該用途への適用に際し問
題とはならないが端部については配向角が大きくなるた
め色相変化及び光の透過現象が生じ、偏光フィルムの異
物混入や欠陥を正確に検査し難いとの不都合を有してい
た。
【0008】この問題を引き起こすボーイング現象の対
策が従来から検討されてきたので、以下に説明する。
【0009】例えば、特公昭39−29214号公報に
は加熱ロールを用いた熱処理方法が開示されている。し
かし、この方法ではフィルムの両端部が拘束されること
なく加熱ロールによって熱処理されるのでフィルムの幅
方向の収縮が生じるという問題がある。
【0010】特公昭42−9273号公報にはフィルム
幅方向に温度勾配を与えながら熱処理する方法が開示さ
れており、特開昭62−18327号公報および特開昭
62−183328号公報にはフィルムの両端部を強制
的に加熱して熱処理する方法が開示されている。
【0011】しかし、これらの方法では設備が複雑とな
り、運転条件の調整時間が長くなるため有効可動率が低
下するなどの欠点がある。
【0012】また、特開昭50−73978号公報には
幅延伸機内での延伸工程と熱処理工程の間にニップロー
ルにより幅延伸後のフィルムを熱処理する方法が開示さ
れており、特公昭63−24459号公報にはニップロ
ールによってフィルムの中央部を強制的に前進させる方
法が開示されている。しかし、これらの方法ではフィル
ムが高温のロールと接触して損傷することが致命的な問
題として指摘されている。
【0013】さらに、特開平3−130126号公報、
特開平3−130127号公報、特開平4−14291
6号公報、特開平4−142917公報および特開平6
−262675号公報などには、幅延伸工程と熱処理工
程の間に冷却工程を設けたものが開示されているが、ボ
ーイング現象の抑制に十分な効果を有さないだけでな
く、設備の増加およびエネルギーの消費などにより生産
性が低下する欠点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情下に鑑み、
本発明は、熱寸法安定性を満足させながらクロスニコル
法による偏光フィルムを正確に目視検査し得る離型フィ
ルムとして熱寸法安定性に優れ、かつフィルム幅方向に
おいて均一な物性を有するポリエステルフィルムの製造
方法を提供せんとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、上述した課題
を解決する本発明のポリエステルフィルムの製造方法
は、主配向軸がフィルムの幅方向にあり、かつ下記
(1)式に示されるレターデーション(Re)値が10
00nm以上であるポリエステルフィルムを浮遊熱処理
方式によって非接触状態で弛緩熱処理を行うことを特徴
とするものである。
【0016】 Re=Δn・d ………式(1) (ただし、式(1)で、Δnは、フィルムの可視光(波
長λ=590nm)での複屈折であり、dはフィルムの
厚み(nm)である。)
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、更に詳細
に説明をする。
【0018】本発明のポリエステルフィルムの製造方法
は、特に、一定の条件のもとで、浮遊熱処理方式によっ
て非接触状態で弛緩熱処理を行うものである。
【0019】本発明におけるポリエステルフィルムに用
いられるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸または
脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする
ポリエステルである。ここで、芳香族ジカルボン酸とし
て例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,
4-ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニル
ジカルボン酸、4,4′-ジフェニルエーテルジカルボン
酸、4,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げる
ことができる。脂肪族ジカルボン酸としては例えばアジ
ピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等
を挙げることができる。中でも好ましくはテレフタル
酸、イソフタル酸を挙げることができる。
【0020】これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、
2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香
酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。また、ジオ
ール成分としては例えば、エチレングリコール、1,2-プ
ロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオー
ル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,
2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジ
メタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキ
レングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェ
ニル)プロパン等を挙げることができる。中でもエチレ
ングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール
成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよ
い。
【0021】本発明のポリエステルフィルムに用いられ
るポリエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフ
タレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタ
レートとの共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよ
びその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその
共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレート
およびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレート
およびその共重合体等を挙げることができ、特にポリエ
チレンテレフタレートが特に好ましい。
【0022】本発明におけるポリエステルは、従来から
知られている方法で製造することができる。例えば、酸
成分をジオール成分と直接エステル化反応させた後、こ
の反応の生成物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分
を除去しつつ重縮合させることによって製造する方法
や、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとジ
オール成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様
に重縮合させることによって製造する方法等がある。こ
の際、必要に応じて、反応触媒として従来公知のアルカ
リ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物を用いる
こともできる。
【0023】本発明において浮遊熱処理に供するフィル
ムは、主配向軸がフィルムの幅方向にあり、かつ下記
(1)式で示されるレターデーション(Re)値が10
00nm以上であるポリエステルフィルムであることが
必要である。
【0024】ここで、レターデーションとは次式で表さ
れるフィルムの光学的特性を指す。
【0025】 Re=Δn・d ………式(1) (ただし、式(1)で、Δnは、フィルムの可視光(波
長λ=590nm)での複屈折であり、dはフィルムの
厚み(nm)である。)すなわち、直線偏光した光が、
延伸されたポリエステルフィルムなどの複屈折体に入射
すると、一般に、互いに直交する振動方向を有し、しか
も速度を異にする2つの偏光波のみが通過する。この速
度を異にすることから2つの偏光波に位相差が生じる。
この位相差をレターデーション(以下「Re」と言う)
とよぶ。
【0026】このRe値は、クロスニコル法での目視検
査において干渉色や光透過に影響を与えるものであり、
該Reが可視光の波長領域420〜760nmに近づく
とMichel−Levy干渉色図表から分かるように
干渉色が濃く出るため、クロスニコル法による目視検査
では昜検査性の障害となる。このことから、1000n
m未満のポリエステルフィルムでは、該浮遊熱処理時に
分子鎖の弛緩に伴う配向緩和が起こると、異方性が低減
し、複屈折も減少する。その結果、(1)式におけるR
e値が減少する。したがって、該浮遊熱処理に供するポ
リエステルフィルムは、Re値が減少しても可視光の波
長領域に近づかない1000nm以上はあることが必要
であり、より好ましくはMichel−Levy干渉色
の縞次数がより高い1500nm以上であれば、干渉色
の目視検査に与える障害にはならない。
【0027】浮遊熱処理方式を行う装置としてはフロー
ティングドライヤーまたはエアーキャンドライシステム
などが挙げられる。該装置は、従来のテンター法とは異
なりフィルム両端部をクリップで把持しない搬送方式を
用いるためボーイング現象が生じ難い利点がある。
【0028】また、主配向軸がフィルム長手方向で、該
レターデーション値が1000nm以上のものは、フィ
ルム生産収率性が悪く、好ましくない。
【0029】かかるポリエステルは、上記溶融ポリマー
を押出機に供給して、T型口金等を用いてシート状に溶
融押出しする。その後、キャスティングドラム上で冷却
固化した未延伸フィルムを樹脂組成物のガラス転移転以
上の温度で延伸する方法などで得られる。該延伸の方法
は、いかなる方法であってもよく、幅方向の一方向に延
伸する方法、長手方向に延伸した後幅方向に延伸する方
法、幅方向に延伸した後長手方向に延伸する方法、ある
いは長手方向、幅方向同時に延伸する方法、また長手方
向の延伸、幅方向の延伸を複数回組み合わせて行っても
よい。
【0030】ここで、特に、主配向軸をフィルム幅方向
に向けるために、延伸倍率は少なくとも長手方向に1倍
以上、幅方向に2.5倍以上に延伸するのが好ましく、
より好ましくは長手方向を2.0倍以上とし、幅方向を
3.5以上とすることで偏光板の離型フィルムを得るた
めの好適な本発明のポリエステルフィルムを得ることが
でき、さらに次いで、延伸されたフィルムを熱処理する
際に、浮遊熱処理方式により行うことが重要である。
【0031】なお、延伸後のフィルムに直接、浮遊熱処
理を行うと、該熱処理時に非常に大きな寸法変化を生じ
やすく、フィルムの平面性が失われやすいので浮遊熱処
理に先立ち、テンター法で予備熱処理を施しておくこと
が好ましい。該予備熱処理温度、時間は求める特性によ
っても種々選択できるが、ポリエチレンテレフタレート
フィルムの場合、延伸温度より高く、かつボーイングの
生じにくい温度として90〜150℃であることが好ま
しい。
【0032】本発明では、浮遊熱処理方式によって非接
触状態で弛緩熱処理を行うことを必要とする。浮遊熱処
理方式を行う装置としてはフローティングドライヤーま
たはエアーキャンドライシステムなどが挙げられる。該
装置は、従来のテンター法とは異なりフィルム両端部を
クリップで把持しない搬送方式を用いるためボーイング
現象が生じ難い利点がある。
【0033】また、浮遊熱処理はノズルから熱風を噴出
する浮遊熱処理装置を用いるのが実際的であるが、該ノ
ズルから吹き出す熱風の風速は10m/s以上であるこ
とが好ましい。このノズルからの熱風の風速を調整する
ことでエアーフローティション(非接触)搬送を行い、
基材にすり傷やロールによる熱しわやマーキングを付け
ることなく弛緩熱処理を行うことを可能とする。そのた
め、上記の条件以外では、エアーフローティション搬送
が容易に行えない欠点を有する。搬送張力は1kg/m
程度の低荷重で走行させるのが好ましい。これは、張力
が大きすぎると、フィルム幅方向に収縮が起き、フィル
ムの平面性が失われるからである。
【0034】さらに、該ポリエステルフィルムは、ポリ
エチレンテレフタレートであってもよく、この場合、離
型フィルムとして偏光フィルムとの接着工程において粘
着剤中の溶媒を加熱除去する温度(120℃以上)に耐
えうる熱寸法安定性を有することが望まれるため、該浮
遊熱処理装置の熱処理温度が140〜240℃であるこ
とが好ましい。該ポリエステルフィルムの熱処理温度
は、より好ましくは180℃以上である。 [特性の測定方法]以下の説明において、フィルムの特
性は以下の方法で測定した。 (1)Re値および配向角:自動複屈折計(新王子製紙
(株)製KOBRA−21ADH)を用いて測定した。
ボーイング状況は、フィルム幅方向の直線における一方
の端部から1/6、1/2、5/6に相当する位置での
配向角の最大値と最小値との差を尺度ととして以下の基
準で評価した。
【0035】○2度未満の範囲 :幅方向にボ
ーイングなし。
【0036】△2度以上6度未満の範囲 :幅方向にボ
ーイングが僅かにあり。
【0037】×6度以上 :幅方向にボ
ーイングあり。 (2)熱寸法変化率:サンプルを1×10cmに切り出
し、ギアオーブン(TABAI社製GHPS−222)
で150℃、10分間の条件で熱処理する前後のフィル
ム長手方向、幅方向それぞれを万能投影機(77−7ニ
コン社製E04)で正確に測長することにより求めた。 (3)目視検査状況:図2に示すようにクロスニコル下
に該フィルムを配置し、白色光源で光干渉の影響を以下
の基準で評価した。すなわち、図2は、クロスニコル法
による本実験の目視検査の概要説明図であり、5は偏光
子、6はフィルム、7は検光子、8は白色光源、9は検
査する人の目である。なお、偏光子、検光子は、図1に
示した離型フィルムと表面保護フィルムを用いていない
偏光板である。実際の偏光板目視検査においては、5の
偏光子と図1に示した偏光板離型フイルムに相当する6
のフィルムが粘着層を介して貼り合わせあれたものが検
査される側の偏光板である。
【0038】評価は以下のクラス分けに従い行った。
【0039】良 :光干渉なし。
【0040】可 :光干渉はあるが検査可能 不可:光干渉あり検査不可能
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1〜4 ポリエチレンテレフタレートを溶融して口金から押出
し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、
縦方向に2.5倍延伸し、続いてステンターにて幅方向
に3.57倍延伸し、さらに該ステンターの熱処理ゾー
ンで140℃で熱処理した。厚み32μm、Re値14
35nm、150℃、10分の条件下での長手方向、幅
方向熱寸法変化率がそれぞれ18.5、11.1%の該
二軸配向ポリエステルフィルムをさらにフローティング
ドライヤーで走行張力1kg重/60cm幅、熱処理時
間9秒で弛緩熱処理を施した。実施例1〜4の弛緩熱処
理条件とそれによって得られた離型フィルムの物性値の
結果を表1に示す。 比較例1〜5 ポリエチレンテレフタレートを溶融して口金から押出
し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、
縦方向に2.5倍延伸し、続いてステンターにて幅方向
に3.57倍延伸し、さらに該ステンターの熱処理ゾー
ンで熱処理した。実施例とは異なるこの浮遊熱処理方式
を用いない従来の熱処理条件とそれによって得られた離
型フィルムの物性値の結果を表2に示す。
【0042】なお、比較例4、5は幅方向の延伸後に冷
却工程を設けて熱処理したものである。 比較例6、7 ポリエチレンテレフタレートを溶融して口金から押出
し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、
縦方向に3.3倍延伸し、続いてステンターにて幅方向
に3.3倍延伸し、さらに該ステンターの熱処理ゾーン
で140℃で熱処理した。厚み33μm、Re値361
nm、150℃、10分の条件下での長手方向、幅方向
熱寸法変化率がそれぞれ18.47、17.24%の該
二軸配向ポリエステルフィルムをさらにフローティング
ドライヤーで走行張力1kg重/60cm幅、熱処理時
間9秒で弛緩熱処理を施した。比較例6、7の弛緩熱処
理条件とそれによって得られた離型フィルムの物性値の
結果を表2に示す。
【0043】表1、2に示した結果から明らかなよう
に、本発明の製造方法により150℃の温度条件下で熱
寸法変化率3%未満の熱寸法安定性を有し、フィルム幅
方向に関してボーイングが起こらない偏光板の離型フィ
ルムを供することができた。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムの製造方
法により、偏光フィルムを正確に目視検査し得る離型フ
ィルムとして熱寸法安定性に優れ、かつフィルム幅方向
において均一な物性を有するポリエステルフィルムを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光板の構成を示した概要モデル図である。
【図2】クロスニコル法による目視検査を示す概要図で
ある。
【符号の説明】
1:偏光フィルム 2:表面保護フィルム 3:粘着剤層 4:離型フィルム 5:偏光子 6:フィルム 7:検光子 8:白色光源 9:検査する人の目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:00 C08L 67:00 Fターム(参考) 2H049 BA02 BB44 BB54 BC03 BC09 4F071 AA46 AH19 BB07 BC01 BC17 4F210 AA24 AC03 AD05 AD08 AG01 AH73 AK01 AR06 AR08 QA02 QA03 QC06 QG01 QG18 QW12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主配向軸方向がフィルムの幅方向にあり、
    かつ下記式(1)に示されるレターデーション(Re)
    値が1000nm以上であるポリエステルフィルムを、
    浮遊熱処理方式によって非接触状態で弛緩熱処理を行う
    ことを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。 Re=Δn・d ………式(1) (ただし、式(1)で、Δnは、フィルムの可視光(波
    長λ=590nm)での複屈折であり、dはフィルムの
    厚み(nm)である。)
  2. 【請求項2】浮遊熱処理装置が、フローティングドライ
    ヤーまたはエアーキャンドライシステムである請求項1
    に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】浮遊熱処理が、風を送り出すノズルを有す
    る浮遊処理装置でありノズル風速が10m/秒以上のも
    のにより行われることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】該ポリエステルフィルムが、ポリエチレン
    テレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項
    1、2または3に記載のポリエステルフィルムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】浮遊熱処理を、熱処理温度120℃以上で
    行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載
    のポリエステルフィルムの製造方法。
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