JP2001352604A - パラレルハイブリッド車両 - Google Patents

パラレルハイブリッド車両

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JP2001352604A
JP2001352604A JP2000167933A JP2000167933A JP2001352604A JP 2001352604 A JP2001352604 A JP 2001352604A JP 2000167933 A JP2000167933 A JP 2000167933A JP 2000167933 A JP2000167933 A JP 2000167933A JP 2001352604 A JP2001352604 A JP 2001352604A
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engine
torque
speed
generator
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JP2000167933A
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Masahito Fujikawa
雅人 藤川
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JATCO Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】手動変速装置を搭載した車両をハイブリッド化
し、高効率な走行を可能とする。 【解決手段】トルク合成機構である差動装置3内の直結
クラッチ36を解放したまま、エンジン1、モータ/発
電機2、手動変速機4の入力軸がそれぞれ分離独立して
いる状態で、モータ/発電機2及びエンジン1の運転状
態を制御して手動変速操作に対応する。ギヤを抜くとき
には、モータ発電機トルクTM/G を零とし、エンジン1
を空転させる。ギヤを入れるときには、モータ/発電機
トルクTM/ G 及びエンジントルクTE を制御して、変速
装置入力軸回転数を車速、目標変速比に応じた回転数に
シンクロさせる。変速レバー並びにその周囲にスイッチ
を設け、変速の意思、ギヤ抜け、要求ギヤ段、ギヤ入り
を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと、発電
機を兼ねる電動機とを備えたパラレルハイブリッド車両
に関し、特に変速装置が手動変速装置であるパラレルハ
イブリッド車両に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来のパラレルハイブリッド車両として
は、例えば特開平10−304513号公報に記載され
るものがある。この従来例に記載されるものは、エンジ
ンの出力トルクと、電動発電機の出力トルクとを、遊星
歯車機構からなるトルク合成機構によって合成し、それ
を変速装置を介して駆動輪に伝達する。このパラレルハ
イブリッド車両では、例えば発進加速は、低回転で出力
トルクが大きい電動発電機を電動機として用いて行い、
その後、前述のように電動発電機の出力トルクとエンジ
ンの出力トルクとを合成して用い、更に高速領域になる
と、電動発電機をオフとし、エンジンの出力トルクだけ
で走行する。このようなパラレルハイブリッド車両で
は、電動発電機の回転数がエンジンの回転数に到達した
ら、両者、より具体的には両者に連結されている遊星歯
車機構の各要素を直結クラッチで直結し、出力トルク制
御の応答性を高めるようにしている。また、車両減速時
には、路面反力トルクで電動発電機を回転させ、当該電
動発電機を発電機として機能させることで電力を蓄え
る、所謂回生作動させるように構成されている。即ち、
パラレルハイブリッド車両では、電動発電機の運転状
態、即ち回転数や出力トルクを制御することにより、よ
り効率のよい走行、例えば高い加速力や低燃費を達成す
ることを目的としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
パラレルハイブリッド車両は、原則的に変速装置が自動
変速装置である。しかしながら、車種によっては、未だ
変速装置の自動化がさほど要求されていないものもあ
り、そうした車両では、当然ながら手動変速装置が用い
られるため、パラレルハイブリッド化が困難である。即
ち、手動変速装置では、運転者がどのタイミングで手動
変速操作を行うか分からない、運転者が次にどの変速段
を選択する(要求する)か分からない、などの問題があ
り、少なくともこれらが明確にならないと、少なくとも
電動発電機の運転状態、即ち回転数やトルクの制御がで
きず、パラレルハイブリッド化する目的を失う。
【0004】本発明は、前記諸問題を解決すべく開発さ
れたものであり、エンジンに並設された電動発電機を制
御することにより、手動変速装置を搭載する車両をパラ
レルハイブリッド化して、高効率な走行を可能とするパ
ラレルハイブリッド車両を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に係るパラレルハイブリッド
車両は、エンジンと、発電機及び電動機の両機能を備え
た電動発電機と、手動変速装置と、前記エンジンの出力
及び電動発電機の出力トルクを合成して出力するトルク
合成機構と、少なくとも前記電動発電機の運転状態を制
御する制御手段とを備え、前記トルク合成機構は、遊星
歯車機構と、当該遊星歯車機構の少なくとも二つの要素
を締結することで、前記エンジン及び電動発電機及び手
動変速装置の入力軸を直結する直結クラッチとを備え、
前記制御手段は、手動変速操作時に、前記直結クラッチ
を解放し、且つ前記遊星歯車機構の一要素と手動変速装
置の入力軸とが直結された状態で、前記電動発電機の運
転状態を制御することを特徴とするものである。
【0006】また、本発明のうち請求項2に係るパラレ
ルハイブリッド車両は、前記請求項1の発明において、
運転者の前記手動変速操作の意思を検出する変速操作意
思検出手段を備え、前記制御手段は、前記変速操作意思
検出手段で運転者の手動変速操作意思が検出されたとき
に、前記電動発電機のトルクを零又は略零に制御する電
動発電機トルク制御手段とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0007】また、本発明のうち請求項3に係るパラレ
ルハイブリッド車両は、前記請求項2の発明において、
手動変速装置の現在のギヤ段を検出する現在ギヤ段検出
手段と、車速を検出する車速検出手段とを備え、前記制
御手段は、前記変速操作意思検出手段で運転者の手動変
速操作意思が検出されたときに、前記手動変速機の入力
軸の回転数が、現在のギヤ段と車速とに応じた回転数に
なるように、前記エンジンのトルクを制御するエンジン
トルク制御手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0008】また、本発明のうち請求項4に係るパラレ
ルハイブリッド車両は、前記請求項3の発明において、
前記変速操作意思検出手段は、変速レバーへの入力を検
出するセンサ又はスイッチで構成されることを特徴とす
るものである。また、本発明のうち請求項5に係るパラ
レルハイブリッド車両は、前記請求項1乃至4の発明に
おいて、運転者の前記手動変速操作によってギヤが抜け
たことを検出するギヤ抜け検出手段と、当該手動変速操
作によって運転者が次に要求しているギヤ段を検出する
要求ギヤ段検出手段と、車速を検出する車速検出手段
と、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検
出手段と、電動発電機の回転数を検出する電動発電機回
転数検出手段とを備え、前記制御手段は、前記ギヤ抜け
検出手段でギヤ抜けが検出されたときに、前記要求ギヤ
段検出手段で検出された要求ギヤ段に応じた目標変速比
及び前記車速検出手段で検出された車速及び前記エンジ
ン回転数検出手段で検出されたエンジン回転数及び電動
発電機回転数検出手段で検出された電動発電機回転数に
基づいて、前記手動変速機の入力軸の回転数が、前記要
求ギヤ段と車速とに応じた回転数になるように、前記電
動発電機のトルクを制御する電動発電機トルク制御手段
とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明のうち請求項6に係るパラレ
ルハイブリッド車両は、前記請求項5の発明において、
前記電動発電機トルク制御手段は、所定時間後のエンジ
ンの回転数の変化を予測し、電動発電機のトルクを制御
することを特徴とするものである。また、本発明のうち
請求項7に係るパラレルハイブリッド車両は、前記請求
項5又は6の発明において、前記制御手段は、前記ギヤ
抜け検出手段でギヤ抜けが検出されたときに、前記要求
ギヤ段検出手段で検出された要求ギヤ段に応じた目標変
速比及び前記車速検出手段で検出された車速及び前記エ
ンジン回転数検出手段で検出されたエンジン回転数に基
づいて、前記エンジンのトルクを制御するエンジントル
ク制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明のうち請求項8に係るパラレ
ルハイブリッド車両は、前記請求項5乃至7の発明にお
いて、前記ギヤ抜け検出手段は、変速レバーの位置を検
出するセンサ又はスイッチで構成されることを特徴とす
るものである。また、本発明のうち請求項9に係るパラ
レルハイブリッド車両は、前記請求項5乃至8の発明に
おいて、前記要求ギヤ段検出手段は、変速レバーの位置
を検出するセンサ又はスイッチと、変速レバーへの入力
を検出するセンサ又はスイッチとで構成されることを特
徴とするものである。
【0011】また、本発明のうち請求項10に係るパラ
レルハイブリッド車両は、前記請求項7の発明におい
て、前記エンジントルク制御手段は、エンジン回転数と
手動変速装置の入力軸回転数との差が小さくなるように
エンジントルクを制御することを特徴とするものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のパラレルハイブリ
ッド車両駆動装置の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であ
り、エンジン1及び発電機及び電動機として作用する電
気的回転駆動源としての3相誘導モータ/発電機で構成
される交流式のモータ/発電機(電動発電機)2の出力
側が、夫々、トルク合成機構である差動装置3の入力側
に連結され、この差動装置3の出力側がトルクコンバー
タ等の発進装置を搭載していない手動変速装置4の入力
側に接続され、手動変速装置4の出力側が図示しない終
減速装置等を介して駆動輪5に連結されている。ちなみ
に、本実施形態では、後述するようにエンジンの出力を
切断するためのクラッチが必要ないので、ダミーのクラ
ッチペダルを設ける場合を除いて、運転席にはアクセル
ペダルとブレーキペダルしか配置されていない。
【0013】ここで、エンジン1はエンジン用コントロ
ーラECによって制御され、モータ/発電機2は、ステ
ータとロータとを有し、充電可能なバッテリやコンデン
サで構成される蓄電装置6に接続されたモータ/発電機
駆動回路7によって駆動制御される。モータ/発電機駆
動回路7は、蓄電装置6に接続されたチョッパ7aと、
このチョッパ7aとモータ/発電機2との間に接続され
た例えば6つのサイリスタを有し直流を3相交流に変換
するインバータ7bとで構成され、チョッパ7aに後述
するモータ/発電機用コントローラ12からのデューテ
ィ制御信号DSが入力されることにより、このデューテ
ィ制御信号DSに応じたデューティ比のチョッパ信号を
インバータ7bに出力する。このインバータ7bは、図
示しないモータ/発電機2のロータの回転位置を検出す
る位置センサの回転位置検出信号に基づいて、モータ/
発電機2の正回転時には電動機として作用させ、逆回転
時には発電機として作用させるように、その回転に同期
した周波数で駆動する3相交流を形成するように、例え
ば前記各サイリスタのゲート制御信号を形成する。ちな
みに、モータ/発電機2はエンジン1同様、車両を駆動
するためにも用いられるので、車両を駆動する側への回
転方向を正回転とし、その逆方向への回転方向を逆回転
と定義する。
【0014】また、差動装置3は、図2に示すように、
トルク合成機構として遊星歯車機構21を備えて構成さ
れている。この遊星歯車機構21は、エンジン1とモー
タ/発電機2との間で差動機能を発現しながらトルク合
成機構をなすものである。そして、サンギヤSと、その
外周側に等角間隔で噛合する複数のピニオンPと、各ピ
ニオンPを連結するピニオンキャリアCと、ピニオンP
の外側に噛合するリングギヤRとを備え、この遊星歯車
機構21のリングギヤRがエンジン1(図ではENG)
に連結され、同じく遊星歯車機構21のサンギヤSがモ
ータ/発電機2のロータに連結され、同じく遊星歯車機
構21のピニオンキャリアCが手動変速装置4(図では
T/M)の入力軸22に連結されている。
【0015】また、前記遊星歯車機構21のサンギヤ
S、即ちモータ/発電機2とキャリアC、即ち手動変速
装置3との間には、両者を締結することでモータ/発電
機2とエンジン1とを直結する直結クラッチ36が介装
されている。なお、前記直結クラッチ36の締結解放
は、当該直結クラッチ36への作動流体圧を制御する圧
力制御弁のソレノイド36aへの制御信号によって制御
されており、当該ソレノイド36aへの直結クラッチ制
御信号CSが高レベルにあるとき、直結クラッチ36が
締結され、当が直結クラッチ制御信号CSが低レベルに
あるとき、直結クラッチ36が解放される。また、前記
直結クラッチ制御信号CSは、前記低レベルと高レベル
との間で無段階に調整可能であり(実質的にはディジタ
ル化される)、直結クラッチ36の締結状態は、半締結
の状態で、種々の締結力を発現することができる。ま
た、前記遊星歯車機構21のピニオンキャリヤC、即ち
変速装置4の入力側とケース14との間には、当該ピニ
オンキャリヤC、及び変速装置4の回転方向を正回転に
のみ規制し、逆回転では締結して、当該逆回転を許容し
ないワンウエイクラッチOWCが介装されている。
【0016】また、本実施形態では、エンジン1内での
爆発振動を抑制するために、本実施形態では、エンジン
1の出力側にダンパー17を介装している。さらに、前
記手動変速装置4は、この実施形態では、5つの前進用
ギヤ段と、1つの後退用ギヤ段とを有する。なお、この
手動変速装置4は、後述するように運転席近傍に設けら
れた変速レバーを手動操作することにより、ギヤを入れ
たり(ギヤ段を選択する)、ギヤを抜いたり(ギヤ段の
選択を外す、又はギヤ段を選択しない)して手動変速操
作する。
【0017】また、エンジン1及びモータ/発電機2に
は、その出力軸の回転数を検出するエンジン回転数セン
サ8及びモータ/発電機回転数センサ9が設けられてお
り、これら回転数センサ8及び9の回転数検出値NE
びNM/G は、前記モータ/発電機2及び直結クラッチ3
6を制御するモータ/発電機用コントローラ12に供給
される。また、後述する変速レバー位置検出スイッチ1
0の検出信号並びに変速レバー入力方向検出スイッチ1
5の検出信号も、このモータ/発電機用コントローラ1
2に供給される。
【0018】また、このモータ/発電機用コントローラ
12は、前記エンジン用コントローラECとも相互通信
を行い、例えばエンジン1の運転状態、即ちスロットル
開度TVOや吸入空気量、空燃比、点火時期、冷却水温
などの情報を、エンジン信号ESとして入力するように
構成されている。また、このエンジン用コントローラE
Cは、前記モータ/発電機用コントローラ12からエン
ジントルクの要求があった場合には、その要求に応じて
エンジントルクを制御するように構成されている。な
お、前記モータ/発電機回転数センサ9では、モータ/
発電機2の正回転、逆回転も検出することができる。
【0019】前記変速レバー位置検出スイッチ10は、
例えば図3に示すように、選択可能なギヤ段として、図
示左側上段に1速段、左側下段に2速段、中側上段に3
速段、中側下段に4速段、右側上段に5速段、右側下段
に後退段が配置してあるとき、上段の1速段位置、3速
段位置、5速段位置をロッドで連結し、そのロッドに取
付けられた上段完全変速位置変速レバー位置検出スイッ
チ10Aと、下段の2速段位置、4速段位置、後退段位
置をロッドで連結し、そのロッドに取付けられた下段完
全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10Bと、左側
中段部、つまりニュートラル位置の左方に設けられた左
側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10L
と、中側中段部、つまりニュートラル位置の中央に設け
られた中側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ
10Cと、右側中段部、つまりニュートラル位置の右方
に設けられた右側不完全変速位置変速レバー位置検出ス
イッチ10Rとで構成される。
【0020】つまり、例えば1速段から2速段に手動シ
フトアップ操作する場合には、まずON状態にある上段
完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10AがOF
Fとなり、次いで左側不完全変速位置変速レバー位置検
出スイッチ10LがOFFから一時的にONになって更
にOFFとなり、次に下段完全変速位置変速レバー位置
検出スイッチ10BがONとなる。また、例えば4速段
から5速段に手動シフトアップ操作する場合には、まず
ON状態にある下段完全変速位置変速レバー位置検出ス
イッチ10BがOFFとなり、次いで中側不完全変速位
置変速レバー位置検出スイッチ10CがOFFから一時
的にONになって更にOFFとなり、次いで右側不完全
変速位置変速レバー位置検出スイッチ10RがOFFか
ら一時的にONになって更にOFFとなり、次に上段完
全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10AがONと
なる。また、例えば4速段から3速段に手動シフトダウ
ン操作する場合には、まずまずON状態にある下段完全
変速位置変速レバー位置検出スイッチ10BがOFFと
なり、次いで中側不完全変速位置変速レバー位置検出ス
イッチ10CがOFFから一時的にONになって更にO
FFとなり、次に上段完全変速位置変速レバー位置検出
スイッチ10AがONとなる。
【0021】これに対して、前記変速レバー入力方向検
出スイッチ15は、図4に示すように、変速レバーの握
り部30の内部に、当該握り部30を運転者が握り、変
速レバーを前記図3のギヤ段に向けて操作したとき、そ
れと同じ方向に縦横に配設された4つのスイッチ15
A、15B、15L、15Rからなる。このうち、上方
変速レバー入力方向検出スイッチ15Aは、変速レバー
を図示上方(図3にも同様に対応)に操作しようとする
ときにONとなり、同様に下方変速レバー入力方向検出
スイッチ15Bは変速レバーを図示下方に操作しようと
するときにONとなり、左方変速レバー入力方向検出ス
イッチ15Lは変速レバーを図示左方に操作しようとす
るときにONとなり、右方変速レバー入力方向検出スイ
ッチ15Rは変速レバーを図示右方に操作しようとする
ときにONとなる。
【0022】従って、例えば前記1速段から2速段に手
動シフトアップ操作するとき、まず前記上段完全変速位
置変速レバー位置検出スイッチ10AがONの状態で、
前記下方変速レバー入力方向検出スイッチ15BがON
になれば、運転者はこれから1速段をギヤ抜きしようと
している、つまり変速しようとしていると判定でき、更
に前記左側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ
10LがOFFから一時的にONになった後、前記下方
変速レバー入力方向検出スイッチ15BがONであれ
ば、運転者はこれから2速段を選択(要求)しようとし
ていると判定できる。また、例えば前記4速段から5速
段に手動シフトアップ操作するとき、まず前記下段完全
変速位置変速レバー位置検出スイッチ10BがONの状
態で、前記上方変速レバー入力方向検出スイッチ15B
がONになれば、運転者はこれから4速段をギヤ抜きし
ようとしている、つまり変速しようとしていると判定で
き、更に前記右側不完全変速位置変速レバー位置検出ス
イッチ10RがOFFから一時的にONになった後、前
記上方変速レバー入力方向検出スイッチ15AがONで
あれば、運転者はこれから5速段を選択(要求)しよう
としていると判定できる。また、例えば前記4速段から
3速段に手動シフトダウン操作するとき、まず前記下段
完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10BがON
の状態で、前記上方変速レバー入力方向検出スイッチ1
5BがONになれば、運転者はこれから4速段をギヤ抜
きしようとしている、つまり変速しようとしていると判
定でき、更に前記中側不完全変速位置変速レバー位置検
出スイッチ10CがOFFから一時的にONになった
後、前記上方変速レバー入力方向検出スイッチ15Aが
ONであれば、運転者はこれから3速段を選択(要求)
しようとしていると判定できる。なお、運転者が選択
(要求)使用としているギヤ段の判定(検出)方法は、
必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、前記
4速段から5速段に手動シフトアップ操作するとき、前
記中側不完全変速位置変速レバー位置検出スイッチ10
CがOFFから一時的にONになった後、前記左方変速
レバー入力方向検出スイッチ15RがONであれば、運
転者はこれから5速段を選択(要求)しようとしている
と判定できる。
【0023】前記モータ/発電機用コントローラ12
は、少なくとも入力側インタフェース回路12a、演算
処理装置12b、記憶装置12c及び出力側インタフェ
ース回路12dを有するマイクロコンピュータ12eで
構成されている。入力側インタフェース回路12aに
は、エンジン回転数センサ8のエンジン回転数検出値N
E 、モータ/発電機回転数センサ9のモータ/発電機回
転数検出値NM/G 、変速レバー位置検出スイッチ10の
変速レバー位置検出信号RS、変速レバー入力方向検出
スイッチ15の変速レバー入力方向検出信号DS、及び
エンジン用コントローラECのエンジン信号ESが入力
されている。
【0024】演算処理装置12bは、例えばキースイッ
チ(図示せず)がオン状態となって所定の電源が投入さ
れることにより作動状態となり、先ず初期化を行って、
モータ/発電機2への駆動デューティ制御信号MS及び
発電デューティ制御信号GSをオフ状態とすると共に、
直結クラッチ36へのクラッチ制御信号CSもオフ状態
とし、その後、発進加速時や減速時にエンジン回転数検
出値NE 、モータ/発電機回転数検出値NM/G 、変速レ
バー位置検出信号RS及び変速レバー入力方向検出信号
DS等に基づいてモータ/発電機2及び直結クラッチ3
6を制御する。
【0025】記憶装置12cは、演算処理装置12bの
演算処理に必要な処理プログラムを予め記憶していると
共に、演算処理装置12bの演算過程で必要な各種デー
タを記憶する。出力側インタフェース回路12dは、演
算処理装置12bの演算結果である駆動デューティ制御
信号MS及び発電デューティ制御信号GSと直結クラッ
チ制御信号CSとをモータ/発電機駆動回路7及びソレ
ノイド36aに供給する。ちなみに、前記モータ/発電
機2では、逆起電圧を利用することにより、車両に制動
力を付与することも可能である。このモータ/発電機2
の制動トルク増加制御は、モータ/発電機2が発電機と
して作用しているときにはモータ/発電機駆動回路7の
チョッパ7aに供給するデューティ制御信号DSのデュ
ーティ比を大きくして発生する逆起電圧を増加させるこ
とにより制動トルクを増加させる。また、モータ/発電
機2が電動機として作用しているときには、デューティ
制御信号DSのデューティ比を小さくして駆動トルクを
減少させることにより制動トルクを増加させる。また、
モータ/発電機2の制動トルク減少制御は、上記とは逆
に、モータ/発電機2が発電機として作用しているとき
には、デューティ制御信号DSのデューティ比を小さく
して発生する逆起電力を減少させることにより制動トル
クを減少させ、モータ/発電機2が電動機として作用し
ているときには、デューティ制御信号DSのデューティ
比を大きくして駆動トルクを増加させることにより制動
トルクを減少させる。
【0026】次に、前記モータ/発電機用コントローラ
12内で行われる数ある演算処理のうちから、前記手動
変速装置4の手動変速操作時に行われる演算処理につい
て、図5のフローチャートを伴って説明する。この演算
処理は、前記モータ/発電機用コントローラ12内の演
算処理装置12bで、所定制御時間ΔT毎のタイマ割込
によって行われる。また、このフローチャートでは特に
通信のステップを設けていないが、必要な情報やプログ
ラムは随時入力インターフェース12aを介して外部や
記憶装置12cから読込まれ、演算処理中の情報は随時
記憶装置12cに記憶される。
【0027】この演算処理では、まずステップS1で、
ギヤ抜け完了フラグF2 が“0”のリセット状態である
か否かを判定し、当該ギヤ抜け完了フラグF2 がリセッ
ト状態である場合にはステップS2に移行し、そうでな
い場合にはステップS3に移行する。前記ステップS2
では、変速操作意思フラグF1 が“0”のリセット状態
であるか否かを判定し、当該変速操作意思フラグF1
リセット状態である場合にはステップS4に移行し、そ
うでない場合にはステップS5に移行する。
【0028】前記ステップS4では、同ステップ内で行
われる個別の演算処理に従って、例えば前記何れかの方
向の変速レバー入力方向検出スイッチ15がON状態で
あるか否かなどを用いて、運転者が変速操作しようとし
ているか否かを判定し、運転者が変速操作しようとして
いるときにはステップS6に移行し、そうでない場合に
はステップS7に移行する。この変速操作意思の検出
は、前述したように何れかの完全変速位置の変速レバー
位置検出スイッチ10がONの状態で、何れかの方向の
変速レバー入力方向検出スイッチ15がONである、つ
まり何れかのギヤ段が選択されている状態で、運転者が
変速レバーの握り部に手をかけていることで検出され
る。なお、変速操作意思の検出手段としては、これ以外
にも、後述するように本実施形態ではエンジンの出力を
断続するためのクラッチが必要ないので、例えばダミー
のクラッチペダルを設け、運転者が当該クラッチペダル
を踏み込んだら、変速操作の意思があると判定するよう
にしてもよい。
【0029】前記ステップS6では、同ステップ内で行
われる個別の演算処理に従って、前記直低レベルの直結
クラッチ制御信号CSを前記ソレノイド36aに供給す
るなどにより、直結クラッチ36を解放してからステッ
プS8に移行する。前記ステップS8では、前記変速操
作意思フラグF1 を“1”にセットしてからステップS
9に移行する。
【0030】一方、前記ステップS7では、同ステップ
内で行われる個別の演算処理に従って、エンジントルク
E 、モータ/発電機トルクTM/G を通常制御してから
メインプログラムに復帰する。このトルク通常制御と
は、例えば前述のように、運転者によるアクセル開度か
ら要求する駆動トルクを求め、その駆動トルクを、車速
に応じて、エンジンとモータ/発電機とにどのように配
分すべきかを求め、夫々のトルクが得られるように制御
すると共に、それらの出力トルクの組合せの割合を、前
記差動装置3の直結クラッチ36の締結力で制御して、
所望する駆動トルクが得られるようにする。
【0031】また、前記ステップS5では、同ステップ
内で行われる個別の演算処理に従って、前記直結クラッ
チ36を解放状態に維持(ホールド)する、つまり前記
直結クラッチ制御信号CSを低レベルに維持してから前
記ステップS9に移行する。前記ステップS9では、同
ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、例えば
前記ディーティ制御信号DSを“0”とするなどによ
り、モータ/発電機トルクTM/G を“0”としてからス
テップS10に移行する。
【0032】前記ステップS10では、同ステップ内で
行われる図6の演算処理に従って、エンジン回転数NE
を現在ギヤ段及び車速に応じた変速装置入力軸回転数に
シンクロ制御、つまり同期化又は略同期化してからステ
ップS11に移行する。前記ステップS11では、前記
ギヤ抜け完了フラグF2 が“0”のリセット状態である
か否かを判定し、当該ギヤ抜け完了フラグF2 がリセッ
ト状態である場合にはステップS12に移行し、そうで
ない場合にはステップS13に移行する。
【0033】前記ステップS12では、同ステップ内で
行われる個別の演算処理に従って、例えば前記完全変速
位置の変速レバー位置検出スイッチ10がすべてOFF
状態であることなどを用いて、ギヤ抜けが完了したか否
かを判定し、ギヤ抜けが完了している場合にはステップ
S14に移行し、そうでない場合にはメインプログラム
に復帰する。具体的には、前記二つの完全変速位置の変
速レバー位置検出スイッチ10が何れもOFF状態であ
ることは、運転者が変速レバーを操作して、ギヤを抜い
てしまったことに他ならないから、それを用いてギヤ抜
けの完了を判定すればよい。
【0034】前記ステップS14では、前記ギヤ抜け完
了フラグF2 を“1”にセットしてから前記ステップS
13に移行する。また、前記ステップS3では、同ステ
ップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記ステッ
プS5と同様に、前記直結クラッチ36を解放状態に維
持(ホールド)する、つまり前記直結クラッチ制御信号
CSを低レベルに維持してから前記ステップS13に移
行する。
【0035】前記ステップS13では、同ステップ内で
行われる個別の演算処理に従って、例えば前記不完全変
速位置の変速レバー位置検出スイッチ10及び変速レバ
ー入力方向検出スイッチ15の検出信号を用いて、運転
者の次の要求ギヤ段を検出してからステップS15に移
行する。要求ギヤ段の検出方法は前述の通りである。前
記ステップS15では、同ステップ内で行われる個別の
演算処理に従って、推定エンジントルクTE を算出して
からステップS16に移行する。具体的には、例えば周
知のエンジン回転数NE を変数とし、スロットル開度T
VOをパラメータとする二次元マップによって凡そのエ
ンジントルクを推定し、更にエンジンへの吸入空気量、
空燃比、点火時期、或いは冷却水温などを用いて、それ
を補正することで、そのときのエンジントルクTE を推
定することができる。
【0036】前記ステップS16では、同ステップ内で
行われる図7の演算処理に従って、前記手動変速装置4
の入力軸回転数を、要求ギヤ段、車速に応じた回転数に
シンクロ(同期)させてからステップS17に移行す
る。この処理の詳細は後段に詳述するが、必要なのは回
転数の同期であるものの、重要なのはモータ/発電機2
並びにエンジン1の出力トルクの制御である。即ち、所
謂ギヤを入れるためには、前記手動変速装置4の入力軸
回転数を、車速及び次の要求ギヤ段に応じた回転数に同
期又は略同期させる必要があるが、それはエンジン1の
出力トルク並びに特にモータ/発電機2の出力トルクを
制御することによって成立するのである。
【0037】前記ステップS17では、同ステップ内で
行われる個別の演算処理に従って、例えば前記完全変速
位置及び不完全変速位置の変速レバー位置検出スイッチ
10の検出信号から、ギヤ入りが完了したか否かを判定
し、ギヤ入りが完了している場合にはステップS18に
移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰す
る。
【0038】前記ステップS18では、前記変速操作意
思フラグF1 及びギヤ抜け完了フラグF2 を共に“0”
にリセットしてからステップS19に移行する。前記ス
テップS19では、同ステップ内で行われる図8の演算
処理に従って、前記直結クラッチ36の締結制御を行っ
てからステップS20に移行する。前記ステップS20
では、前記ステップ7と同様に、エンジントルクTE
モータ/発電機トルクTM/G を通常制御に戻してからメ
インプログラムに復帰する。
【0039】次に、前記ステップS10で行われる個別
の演算処理について、図6を用いて説明する。図6は、
演算処理の内容をブロック化したものである。この演算
処理では、前記現在ギヤ段から現在変速比が得られるか
ら、この現在変速比を用い、それを車速に乗じ、更に二
次減速比(最終減速比)を乗じたものを、タイヤ転がり
動半径で除して変速装置入力軸回転数が得られる。本実
施形態では、手動変速操作中、常時、前記直結クラッチ
36を解放して、エンジン1及びモータ/発電機2と、
手動変速装置4の入力軸とが直結されない状態に維持し
ているので、エンジントルクTE は主にモータ/発電機
2のロータを回転、或いはこの実施形態ではそれと遊星
歯車機構21のリングギヤRやサンギヤSを回転させる
ことに消費され、実質的に手動変速機4の入力軸にはト
ルクが流れない。
【0040】しかしながら、例えば運転者がアクセルペ
ダルを踏込んだまま、手動変速操作を行うような場合、
それに伴ってエンジン1の回転数が増速したのではエネ
ルギー損が生じるし、これに続いてギヤを入れるときに
も、手動変速装置4の入力軸回転数に応じてエンジン回
転数NE を制御する必要があるため、ここではエンジン
回転数NE が手動変速装置4の入力軸回転数に等しくな
るようにエンジントルクTE の制御を行う。ここでは、
前記変速装置入力軸回転数から現在のエンジン回転数を
減じて回転数差を求め、この変速装置入力軸回転数差に
対し、PID制御、即ち比例・積分・微分制御の各ゲイ
ンを乗じて、目標エンジントルクを得る。そして、本実
施形態では、前述のようにエンジン用コントローラEC
との相互通信によりエンジントルクの制御が可能である
から、この目標エンジントルクを指令値として出力す
る。
【0041】次に、前記ステップS16で行われる個別
の演算処理について、図7を用いて説明する。図7も、
演算処理の内容をブロック化したものである。この演算
処理では、前記要求ギヤ段から次の目標変速比が得られ
るから、この目標変速比を用い、それを車速に乗じ、更
に二次減速比(最終減速比)を乗じたものを、タイヤ転
がり動半径で除して変速装置入力軸目標回転数が得られ
る。本実施形態では、手動変速操作中、常時、前記直結
クラッチ36を解放して、エンジン1及びモータ/発電
機2と、手動変速装置4の入力軸とを直結しない状態に
維持しているので、実際の変速装置入力軸実回転数はエ
ンジントルクTE とモータ/発電機トルクTM/G によっ
て決まる。つまり、これ以前は、モータ/発電機トルク
M/G が“0”であるから、前述のようにエンジントル
クTE はモータ/発電機2及び遊星歯車機構21のリン
グギヤRを回転することに消費されているが、モータ/
発電機2がトルクを発生すると、手動変速装置4の入力
軸であるピニオンキャリアCを或る回転数で回転させる
ことができる。
【0042】ここで、本実施形態では、前述のように推
定エンジントルクTE を算出しているが、通常は手動変
速操作時に運転者がアクセルペダルを解放しているた
め、この演算処理の間にもエンジントルクもエンジン回
転数も低下し続けているはずであり、より正確には、制
御出力が発現するまで、即ち制御応答時間などの所定時
間を見込んだ分のエンジン回転数の変化を、変速装置入
力軸回転数の変化に盛り込むのが望ましい。そこで、本
実施形態では、前記推定エンジントルクをエンジン慣性
モーメントIで除してエンジン回転角加速度を求め、更
にこれに所定時間Δtを乗じてエンジン回転数変化量を
求め、これをエンジン回転数に和して推定エンジン回転
数を算出する。ピニオンキャリアCの回転数はリングギ
ヤRの回転数を(1/(1+α))(α:ギヤ比=サンギ
ヤ歯数/リングギヤ歯数)倍したものと、サンギヤSの
回転数を(α/(1+α))倍したものとの和で表れ、ピ
ニオンキャリアCは変速装置入力軸に、リングギヤRは
エンジン1に、サンギヤSはモータ/発電機2に接続さ
れているので、変速装置入力軸回転数=(1/(1+
α))×エンジン回転数+(α/(1+α))×モータ/発
電機回転数として、変速装置入力軸実回転数を算出す
る。
【0043】そして、前記変速装置入力軸目標回転数か
ら前記変速装置入力軸実回転数を減じて変速装置入力軸
回転数差を得、この変速装置入力軸回転数差に対し、P
ID制御の各ゲインを乗じて目標モータ/発電機トルク
を求め、この目標モータ/発電機トルクを指令値として
出力する。一方、前述と同様に、手動変速操作中、エン
ジン回転数を変速装置入力軸目標回転数に近づけておく
ため、前記変速装置入力軸目標回転数からエンジン回転
数を減じた回転数差に対し、個別のPID制御の各ゲイ
ンを乗じて目標エンジントルクを求め、それを指令値と
して出力する。
【0044】次に、前記図5の演算処理のステップS1
9で行われる直結クラッチ締結制御について図8を用い
て説明する。この図8のうち、図8aは、前述のように
エンジントルクの制御が可能な場合の演算処理のフロー
チャートである。この演算処理では、まずステップ19
1で、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従っ
て、変速装置入力軸回転数をエンジン回転数と見なし、
スロットル開度とエンジン回転数とから目標変速装置入
力軸トルククT* Erを算出する。
【0045】次に、ステップS192に移行して、前記
ギヤ比α及び傾き補正定数Kを用いて、下記1式に従っ
て、目標モータ/発電機トルクT* M/G 、目標エンジン
トルクT* E を算出し、指令値を出力する。なお、傾き
補正定数Kは、エンジン回転数NE よりモータ/発電機
回転数NM/G の方が小さく、これを直結クラッチ締結、
つまりエンジン1とモータ/発電機2とを直結するため
にエンジン回転数NEと同等まで大きくするための補正
トルクである。
【0046】 T* M/G =(α/(1+α))・T* Er+K T* E =(1/(1+α))・T* ErーK ……… (1) 次に、ステップS193に移行して、エンジン回転数N
E とモータ/発電機回転数NM/G との差の絶対値が、直
結クラッチ締結のための所定値ΔN以下であるか否かを
判定し、当該差の絶対値が所定値ΔN以下である場合に
はステップS194に移行し、そうでない場合には前記
ステップS191に移行する。
【0047】前記ステップS194では、同ステップ内
で行われる個別の演算処理に従って、例えば前記高レベ
ルの直結クラッチ制御信号CSを出力してから前記図5
の演算処理のステップS20に移行する。以上がエンジ
ントルク制御可能な場合の直結クラッチ再締結制御であ
るが、エンジントルクを制御しない場合には、図8aの
代わりに図8bの演算処理を用いる。この演算処理で
は、前記ステップS191及びステップS192がステ
ップS195に置換されている。
【0048】このステップS195では、前記推定エン
ジントルクTE から下記2式に従って目標モータ/発電
機トルクT* M/G を算出し、指令値を出力する。 T* M/G =α・TE +K ……… (2) 前記図5乃至図7の演算処理によれば、前記直結クラッ
チ36が締結されており、前記変速操作意思フラグF1
もギヤ抜け完了フラグF2 もリセットされている状態
で、運転者が変速レバーに手をかけると、ステップS1
からステップS2、ステップS4を経てステップS6に
移行し、ここで直結クラッチ36を解放し、次いでステ
ップS8で変速操作意思フラグF1 をセットする。従っ
て、これ以後は、ステップS2からステップS5に移行
し、常時、直結クラッチ36を解放状態に維持する。ま
た、前記変速操作意思は、運転者が変速レバーに手をか
け、握り部に何らかの入力を及ぼした時点で、前記変速
レバー入力方向検出スイッチ15によって迅速且つ正確
に検出される。
【0049】一方、前記ステップS9ではモータ/発電
機トルクTM/G を“0”とすることにより、エンジント
ルクTE は当該モータ/発電機2のロータ並びに遊星歯
車機構21のリングギヤRやサンギヤSを回転すること
に消費されるので、結果的に手動変速装置4の入力軸ト
ルクは“0”となるため、例えば手動変速装置内で噛合
するギヤ段を結合するためのギヤスプラインとスリーブ
スプラインとの歯面圧が低減され、当該スリーブが移動
可能となるので、運転者はギヤを抜くことが可能とな
る。但し、この時点で、俄にモータ/発電機トルクT
M/G が“0”となっている、即ち変速装置入力軸トルク
が“0”になっているわけではないので、運転者はギヤ
を抜くことはできず、また前記ギヤ抜け完了フラグF2
もリセットされたままであるから、ステップS11から
ステップS12を経てメインプログラムに復帰する。な
お、本実施形態では、前述のように、続くギヤ抜け以後
の対応のためにも、ステップS10で、前記図6の演算
処理に従い、エンジン回転数を現在ギヤ段、車速に応じ
た変速装置入力軸回転数にシンクロするように、当該エ
ンジントルクを制御している。
【0050】前記フローを繰り返すうちに、モータ/発
電機トルクTM/G が“0”となり、変速装置入力軸トル
クが“0”となるので、その時点で運転者はギヤを抜く
ことが可能となる。実際のギヤ抜けは、前記完全変速位
置の変速レバー位置検出スイッチ10で迅速且つ正確に
検出することができる。このようにしてギヤ抜け完了が
検出されたら、ステップS12からステップS14に移
行し、ここでギヤ抜け完了フラグF2 をセットする。従
って、これ以後は前記ステップS1からステップS3を
経てステップS13に移行するフローになり、これ以後
も直結クラッチ36は解放状態に維持される。
【0051】前記ステップS13では、例えば前述のよ
うに、ONとなる不完全変速位置の変速レバー位置検出
スイッチ10及びその後のON状態の変速レバー入力方
向検出スイッチ15から、迅速且つ正確に要求ギヤ段を
検出する。次いで、ステップS15で推定エンジントル
クTE を算出し、続くステップS16で、前記図7の演
算処理に従ってモータ/発電機トルクTM/G 及びエンジ
ントルクTE を制御することにより、変速装置入力軸回
転数のシンクロ制御を行う。前述のように、車速、目標
変速比に応じた回転数に手動変速装置4の入力軸回転数
に同期又は略同期すれば、例えば運転者が要求するギヤ
段のギヤとスリーブとを同じ又は略同じ回転速度とし、
当該スリーブスプラインをギヤスプラインに噛合可能と
することで、運転者はギヤを入れることが可能となる。
【0052】しかも、本実施形態では、直結クラッチ3
6が解放されている状態で、エンジン回転数NE 並びに
モータ/発電機回転数NM/G が、変速装置入力軸回転数
であるピニオンキャリアの回転数にどのように影響する
のかを考慮し、更に前記推定エンジントルクの応答時間
を見込んで、その推定エンジントルクによってエンジン
回転数NE がどのように変化するのかを推定し、所定時
間後の推定エンジン回転数から変速装置入力軸実回転数
を算出しているため、適切な目標モータ/発電機トルク
を得て、変速装置入力軸回転数を目標値に速やかに一致
させて、ギヤ入りのタイミングを早めることができる。
しかも、制御する対象は、トルクが大きく且つ慣性トル
クの小さいモータ/発電機2であるため、前記変速装置
入力軸回転数フィードバック制御の応答性を高めること
ができ、変速装置入力軸回転数を目標値により一層速や
かに一致させることができ、ギヤ入りのタイミングも早
めることができる。但し、この時点で、俄に変速装置入
力軸回転数が、要求ギヤ段及び車速に応じた回転数に同
期又は略同期するわけではないので、運転者はギヤを入
れることができず、ステップS17からメインプログラ
ムに復帰するフローが繰り返される。
【0053】また、この間も、前記図7の演算処理によ
って、ギヤ入り後の直結クラッチ再締結に備え、エンジ
ン回転数を前記要求ギヤ段に応じた変速装置入力軸目標
回転数に一致するようにエンジントルクをフィードバッ
ク制御している。なお、このエンジントルクのフィード
バック制御は以下のような効果も有する。即ち、手動変
速操作時に、例えば運転者が手動変速操作に適するアク
セル操作、つまりアクセルペダルの踏込みを緩める、或
いはアクセルペダルから足離しするなどすればよいが、
例えばアクセルペダルを踏込んだまま、手動変速操作を
行おうとするような場合、エンジン1の回転数が増加す
るため、図7の演算処理のうち、モータ/発電機トルク
のフィードバック制御だけでは、目標モータ/発電機ト
ルクが負の方向に大きくなりすぎてしまう。モータ/発
電機2に十分な容量があれば、その大きな目標モータ/
発電機トルクを発生させることも可能であるが、そのよ
うなモータ/発電機2は容積も大きく、コストも高い。
モータ/発電機2の容積やコストを低減しようとするな
らば、逆にエンジントルクを制御する必要があるので、
本実施形態では、エンジントルクを制御している。
【0054】一方、前記フローを繰り返すうちに、変速
装置入力軸回転数が、要求ギヤ段及び車速に応じた回転
数に同期又は略同期し、運転者がギヤ入りを完了する
と、前記完全変速位置或いは不完全変速位置の変速レバ
ー位置検出スイッチ10の検出信号から、当該ギヤ入り
が迅速且つ正確に検出される。そして、図5の演算処理
では、ステップS17からステップS18に移行して、
変速操作意思フラグF1並びにギヤ抜け完了フラグF2
を共にリセットし、次いでステップS19で直結クラッ
チ締結制御を行い、次いでステップS20でエンジント
ルクTE 、モータ/発電機トルクTM/G を通常制御に戻
して、一連の手動変速操作時の制御を完了する。
【0055】図9は、手動シフトアップ操作時における
前記手動変速操作開始からギヤ入りまでのエンジン回転
数、変速装置入力軸回転数、モータ/発電機回転数の共
線図である。例えば手動変速操作開始時を破線、ギヤ抜
けを実線、ギヤ入りを二点鎖線とし、×印のある状態が
直結クラッチ締結、ない状態が解放であるとして、アク
セルペダルが手動変速操作に合わせて解放されていると
すると、手動変速操作開始と同時に直結クラッチが解放
され、エンジン回転数は変速装置入力軸回転数と一致す
るように制御されており、ギヤ抜けまでは、モータ/発
電機トルクが“0”となるので、速やかにギヤ抜けが完
了する。
【0056】一方、要求ギヤ段が検出された時点で、そ
のときの車速と当該要求ギヤ段に応じた目標変速比とか
ら変速装置入力軸目標回転数が決まる。しかしながら、
アクセルペダルが解放されているために、この間もバッ
クトルクによってエンジン回転数は減速し続ける。そこ
で、前記図7の演算処理によって、エンジン回転数の変
化を予測し、その推定エンジン回転数、変速装置入力軸
目標回転数、モータ/発電機回転数からモータ/発電機
トルクをフィードバック制御することにより、変速装置
入力軸回転数の目標値への一致を早め、ギヤ入りのタイ
ミングを早めることができると共に精度よく行えるので
ある。
【0057】次に、前記図5の演算処理のステップS1
9で行われる図8の演算処理の作用について説明する。
図10は、前記図9に引き続き、ギヤ入りから直結クラ
ッチ締結に至るエンジン回転数、変速装置入力軸回転
数、モータ/発電機回転数の共線図である。図におい
て、実線がギヤ入り、二点鎖線が直結クラッチ締結状態
であるとし、前記図9と同様に、×印のある状態が直結
クラッチ締結、ない状態が解放であるとする。
【0058】まず、図8bの演算処理によって、エンジ
ントルクを制御しない場合を考える。モータ/発電機ト
ルクは、前記エンジントルクに対し、遊星歯車機構のギ
ヤ比α倍前記傾き補正定数を和して設定される。同図か
ら、エンジン回転数より小さいモータ/発電機回転数を
当該エンジン回転数と同等又は略同等にするためには、
共線図における傾きを補正するトルクが必要になること
が分かる。この補正トルク分が前記傾き補正定数に設定
される。
【0059】このとき、変速装置入力軸に入力されるト
ルクを考えると、エンジントルクT E とモータ/発電機
トルクTM/G との和が変速装置入力軸に入力されること
になる。つまり、それまでエンジントルクTE のみが変
速装置入力軸に入力されていたとすると、モータ/発電
機トルクTM/G も変速装置入力軸に入力され、結果的に
変速装置入力軸トルクは(1+α)倍されることにな
り、駆動力が変動する。
【0060】やがて、モータ/発電機回転数がエンジン
回転数と同等又は略同等になると、図8bの演算処理の
ステップS193からステップS194に移行して、直
結クラッチ36が締結される。これに対し、図8aの演
算処理では、まずステップS191で、そのときの変速
装置入力軸回転数をエンジン回転数と見なし、スロット
ル開度とエンジン回転数とに基づいて目標変速装置入力
軸トルクを設定し、次のステップS192では、この目
標変速装置入力軸トルクに対し、遊星歯車機構のトルク
増幅率(α/(1+α))倍に、傾き補正定数を和した値
を目標モータ/発電機トルクとし、遊星歯車機構のトル
ク増幅率(1/(1+α))倍から、傾き補正定数を減じ
た値を目標エンジントルクとしている。即ち、この目標
モータ/発電機トルクと目標エンジントルクとの合算値
は、あくまでも前記目標変速装置入力軸トルクであるの
で、モータ/発電機トルクTM/G が入力されても駆動力
が変動することはない。
【0061】このように、本実施形態では、モータ/発
電機2の運転状態、例えば回転数やトルクを制御するこ
とにより、直結クラッチ36を解放し、手動変速装置4
の入力軸が、トルク増幅機構である遊星歯車機構21の
ピニオンキャリアCにのみ直結している状態で、手動変
速操作に対応することができるので、手動変速装置を搭
載した車両をパラレルハイブリッド化して、高効率な走
行を可能とすることができる。
【0062】また、トルク合成機構である差動装置3内
の直結クラッチ36、つまり遊星歯車機構締結用直結ク
ラッチを締結することで、エンジン1、モータ/発電機
2、手動変速装置4の入力軸を直結することができるの
で、手動変速装置の入力軸に、エンジン回転始動用のク
ラッチを介装する必要がなく、その分だけレイアウトの
自由度が高まる。例えば、図11には、トルク合成機構
である差動装置がないパラレルハイブリッド車両の概略
構成を示しており、図11aはエンジンの出力を切断す
るためのクラッチがないもの、図11bはエンジンの出
力を切断するためのクラッチがあるものを示している。
この種のパラレルハイブリッド車両は、前述のようにエ
ンジンの回転を停止した状態で、モータ/発電機の出力
トルクだけで車両を発進し、車速がある程度になった
ら、当該モータ/発電機の回転トルクでエンジンの回転
を始動し、その後、エンジンとモータ/発電機の合成ト
ルク、或いはエンジンの出力トルクのみで車両を走行さ
せるような制御を行うことで、走行効率を高め、高い加
速力、低燃費、排ガスのクリーン化を図っている。する
と、トルク合成機構内に、遊星歯車機構の要素締結用ク
ラッチ、本実施形態の直結クラッチ36がない場合、ど
うしても手動変速装置の入力軸に、それを動力源と断続
するためのクラッチが必要になる。その点、本実施形態
では、前記差動装置3内の直結クラッチ36で、それを
代用することにより、手動変速装置4の入力軸にクラッ
チを設ける必要がないのである。
【0063】また、トルク合成機構である差動装置3内
の直結クラッチ36を解放したまま、手動変速操作に対
応できる、つまり手動変速装置4の入力軸と、エンジン
1、モータ/発電機2とを遮断した状態でモータ/発電
機2の運転状態だけを制御すればよいので、トルクが大
きく、且つ慣性トルクが小さいモータ/発電機2では、
回転数もトルクも制御し易く、例えばギヤ入れのときの
回転数制御やトルク制御を容易にしてギヤ入れのタイミ
ングを早めると共に精度よく行うこともできる。また、
ギヤ入れのときにエンジントルクをフィードバック制御
することにより、駆動力の変動を抑制防止することがで
きる。
【0064】以上において、変速レバー位置検出スイッ
チ10及び変速レバー入力方向検出スイッチ15及び図
5の演算処理のステップS4が本発明の変速操作意思検
出手段を構成し、以下同様に、変速レバー位置検出スイ
ッチ10及び図5の演算処理のステップS12がギヤ抜
け検出手段を構成し、変速レバー位置検出スイッチ10
及び変速レバー入力方向検出スイッチ15及び図5の演
算処理のステップS13が要求ギヤ段検出手段を構成し
ている。
【0065】なお、前記各実施形態では、コントローラ
にマイクロコンピュータを用いた場合について説明した
が、これに代えて各種の演算回路を使用することも可能
である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係るパラレルハイブリッド車両によれば、直結ク
ラッチを解放し、且つ前記遊星歯車機構の一要素と手動
変速装置の入力軸とが直結された状態で、例えばギヤを
抜くときには、電動発電機のトルクを零にするとか、ギ
ヤを入れるときには、手動変速装置の入力軸回転数を、
要求するギヤ段に応じた回転数にするといったように、
電動発電機の運転状態を制御することにより、手動変速
操作に対応することができ、手動変速装置を搭載した車
両をパラレルハイブリッド化して、高効率な走行を可能
とすることができる。特に、トルク合成機構内の直結ク
ラッチを解放し、エンジンと電動発電機とが分離されて
いる状態で、トルクが大きく、且つ慣性トルクの小さい
電動発電機の回転数やトルクなどの運転状態を制御する
ことは容易であるから、短時間な手動変速操作にも十分
対応することが可能となる。
【0067】また、本発明のうち請求項2に係るパラレ
ルハイブリッド車両によれば、運転者の手動変速操作意
思が検出されたときに、前記トルク合成機構の直結クラ
ッチが解放すると共に、電動発電機のトルクを零又は略
零に制御する構成としたため、エンジンの出力トルクは
電動発電機又は電動発電機及びトルク合成機構の遊星歯
車機構の一部を回転することに略消費され、結果的に短
時間で手動変速装置の入力軸のトルクが零又は略零とな
り、例えば手動変速装置内のギヤスプラインとスリーブ
スプラインとの歯面圧を低減し、当該スリーブを移動可
能とすることができ、運転者は容易にギヤを抜くことが
できる。
【0068】また、本発明のうち請求項3に係るパラレ
ルハイブリッド車両によれば、運転者の手動変速操作意
思が検出されたときに、手動変速機の入力軸の回転数
が、現在のギヤ段と車速とに応じた回転数になるよう
に、エンジンのトルクを制御する構成としたため、短時
間で且つ正確に手動変速装置の入力軸のトルクを零又は
略零とすることができる。
【0069】また、本発明のうち請求項4に係るパラレ
ルハイブリッド車両によれば、変速レバーへの入力を検
出するセンサ又はスイッチで変速操作意思を検出する構
成としたため、迅速且つ正確に変速操作意思を検出する
ことが可能となる。また、本発明のうち請求項5に係る
パラレルハイブリッド車両によれば、ギヤ抜けが検出さ
れたときに、目標変速比及び車速及びエンジン回転数及
び電動発電機回転数に基づいて、手動変速機の入力軸の
回転数が、要求ギヤ段と車速とに応じた回転数になるよ
うに、電動発電機のトルクを制御する構成としたため、
例えば運転者が要求するギヤとスリーブとを同じ又は略
同じ回転速度とし、当該スリーブスプラインをギヤスプ
ラインに噛合可能とすることで、運転者はギヤを入れる
ことができる。特に、エンジンと電動発電機とが分離さ
れた状態にあることにより、トルクが大きく且つ慣性ト
ルクの小さい電動発電機のトルクを使って回転あわせを
行っているため、より迅速に且つ正確に制御を行うこと
ができる。
【0070】また、本発明のうち請求項6に係るパラレ
ルハイブリッド車両によれば、例えば制御応答時間など
に相当する所定時間後のエンジンの回転数の変化を予測
し、電動発電機のトルクを制御する構成としたため、例
えばアクセルペダル解放により変化するエンジン回転数
を見越して、手動変速装置の入力軸の回転数を、要求ギ
ヤ段と車速とに応じた回転数によりよく一致させること
が可能となる。
【0071】また、本発明のうち請求項7に係るパラレ
ルハイブリッド車両によれば、ギヤ抜けが検出されたと
きに、目標変速比及び車速及びエンジン回転数に基づい
て、エンジンのトルクを制御する構成としたため、例え
ば運転者が適切なアクセル操作を行わなくても、エンジ
ン回転数の上昇を抑制することができ、回転数あわせの
際、電動発電機で消費するエネルギを小さくすることが
できる。
【0072】また、本発明のうち請求項8に係るパラレ
ルハイブリッド車両によれば、変速レバーの位置を検出
するセンサ又はスイッチでギヤ抜けを検出する構成とし
たため、ギヤが抜けたことを迅速且つ正確に検出するこ
とができる。また、本発明のうち請求項9に係るパラレ
ルハイブリッド車両によれば、変速レバーの位置を検出
するセンサ又はスイッチと、変速レバーへの入力を検出
するセンサ又はスイッチとで、運転者の要求するギヤ段
を検出する構成としたため、要求ギヤ段を迅速且つ正確
に検出することができる。
【0073】また、本発明のうち請求項10に係るパラ
レルハイブリッド車両によれば、エンジン回転数と手動
変速装置の入力軸回転数との差が小さくなるようにエン
ジントルクを制御する構成としたため、例えばギヤ入り
後にトルク合成機構の直結クラッチを締結する際、エン
ジントルクのうち、電動発電機で消費しなければならな
い分が小さくなるので、その分だけ電動発電機の容量を
小さくすることができ、小型化、低コスト化を更に促進
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパラレルハイブリッド車両の一実施形
態を示す概略構成図である。
【図2】図1のパラレルハイブリッド車両の模式図であ
る。
【図3】変速レバー位置検出スイッチの概略構成図であ
る。
【図4】変速レバー入力方向検出スイッチの概略構成図
である。
【図5】図1のコントローラ内で行われる手動変速操作
時の演算処理のフローチャートである。
【図6】図5の演算処理内で行われるマイナプログラム
のブロック図である。
【図7】図5の演算処理内で行われるマイナプログラム
のブロック図である。
【図8】図5の演算処理で行われるマイナプログラムの
フローチャートである。
【図9】手動変速操作開始からギヤ入れまでの共線図で
ある。
【図10】ギヤ入れから直結クラッチ締結までの共線図
である。
【図11】他のパラレルハイブリッド車両の模式図であ
る。
【符号の説明】
1はエンジン 2はモータ/発電機(電動発電機) 3は差動装置 4は変速装置 5は駆動輪 6は蓄電装置 7はモータ/発電機駆動回路 8はエンジン回転数センサ 9はモータ/発電機回転数センサ 10は変速レバー位置検出スイッチ 11はスロットル開度センサ 12はモータ/発電機用コントローラ 15は変速レバー入力方向検出スイッチ 17はダンパー 21は遊星歯車機構 36は直結クラッチ Sはサンギヤ Pはピニオン Rはリングギヤ Cはピニオンキャリア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60K 41/00 301 B60K 41/00 301D 41/28 41/28 F02D 29/00 H F02D 29/00 29/02 D 29/02 B60K 9/00 E Fターム(参考) 3D039 AA01 AA02 AA03 AB27 AC01 AC06 AC21 AC33 AD06 AD11 AD53 3D041 AA26 AA32 AA53 AB01 AC01 AC11 AC16 AC18 AD01 AD02 AD04 AD05 AD07 AD14 AD31 AE02 AE16 AE32 AF01 AF03 3G093 AA04 BA03 BA15 BA19 CB08 DA01 DA05 DA06 DA09 DB11 EA02 EA03 EB01 EB03 EC02 EC03 FA04 FA08 FA10 FA12 FB01 FB02 5H115 PC06 PG04 PI13 PI16 PI24 PI29 PU09 PU22 PU23 PU25 PV09 PV25 QN03 QN22 QN23 QN24 RB21 RE03 SE04 SE05 SE08 SE09 TB03 TB10 TD20 TE02 TE03 TE04 TE06 TE08 TO02 TO04 TO30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと、発電機及び電動機の両機能
    を備えた電動発電機と、手動変速装置と、前記エンジン
    の出力及び電動発電機の出力トルクを合成して出力する
    トルク合成機構と、少なくとも前記電動発電機の運転状
    態を制御する制御手段とを備え、前記トルク合成機構
    は、遊星歯車機構と、当該遊星歯車機構の少なくとも二
    つの要素を締結することで、前記エンジン及び電動発電
    機及び手動変速装置の入力軸を直結する直結クラッチと
    を備え、前記制御手段は、手動変速操作時に、前記直結
    クラッチを解放し、且つ前記遊星歯車機構の一要素と手
    動変速装置の入力軸とが直結された状態で、前記電動発
    電機の運転状態を制御することを特徴とするパラレルハ
    イブリッド車両。
  2. 【請求項2】 運転者の前記手動変速操作の意思を検出
    する変速操作意思検出手段を備え、前記制御手段は、前
    記変速操作意思検出手段で運転者の手動変速操作意思が
    検出されたときに、前記電動発電機のトルクを零又は略
    零に制御する電動発電機トルク制御手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載のパラレルハイブリッド車
    両。
  3. 【請求項3】 手動変速装置の現在のギヤ段を検出する
    現在ギヤ段検出手段と、車速を検出する車速検出手段と
    を備え、前記制御手段は、前記変速操作意思検出手段で
    運転者の手動変速操作意思が検出されたときに、前記手
    動変速機の入力軸の回転数が、現在のギヤ段と車速とに
    応じた回転数になるように、前記エンジンのトルクを制
    御するエンジントルク制御手段とを備えたことを特徴と
    する請求項2に記載のパラレルハイブリッド車両。
  4. 【請求項4】 前記変速操作意思検出手段は、変速レバ
    ーへの入力を検出するセンサ又はスイッチで構成される
    ことを特徴とする請求項3に記載のパラレルハイブリッ
    ド車両。
  5. 【請求項5】 運転者の前記手動変速操作によってギヤ
    が抜けたことを検出するギヤ抜け検出手段と、当該手動
    変速操作によって運転者が次に要求しているギヤ段を検
    出する要求ギヤ段検出手段と、車速を検出する車速検出
    手段と、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転
    数検出手段と、電動発電機の回転数を検出する電動発電
    機回転数検出手段とを備え、前記制御手段は、前記ギヤ
    抜け検出手段でギヤ抜けが検出されたときに、前記要求
    ギヤ段検出手段で検出された要求ギヤ段に応じた目標変
    速比及び前記車速検出手段で検出された車速及び前記エ
    ンジン回転数検出手段で検出されたエンジン回転数及び
    電動発電機回転数検出手段で検出された電動発電機回転
    数に基づいて、前記手動変速装置の入力軸の回転数が、
    前記要求ギヤ段と車速とに応じた回転数になるように、
    前記電動発電機のトルクを制御する電動発電機トルク制
    御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何
    れかに記載のパラレルハイブリッド車両。
  6. 【請求項6】 前記電動発電機トルク制御手段は、所定
    時間後のエンジンの回転数の変化を予測し、電動発電機
    のトルクを制御することを特徴とする請求項5に記載の
    パラレルハイブリッド車両。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記ギヤ抜け検出手段
    でギヤ抜けが検出されたときに、前記要求ギヤ段検出手
    段で検出された要求ギヤ段に応じた目標変速比及び前記
    車速検出手段で検出された車速及び前記エンジン回転数
    検出手段で検出されたエンジン回転数に基づいて、前記
    エンジンのトルクを制御するエンジントルク制御手段を
    備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載のパラレ
    ルハイブリッド車両。
  8. 【請求項8】 前記ギヤ抜け検出手段は、変速レバーの
    位置を検出するセンサ又はスイッチで構成されることを
    特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載のパラレルハ
    イブリッド車両。
  9. 【請求項9】 前記要求ギヤ段検出手段は、変速レバー
    の位置を検出するセンサ又はスイッチと、変速レバーへ
    の入力を検出するセンサ又はスイッチとで構成されるこ
    とを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載のパラレ
    ルハイブリッド車両。
  10. 【請求項10】 前記エンジントルク制御手段は、エン
    ジン回転数と手動変速装置の入力軸回転数との差が小さ
    くなるようにエンジントルクを制御することを特徴とす
    る請求項7に記載のパラレルハイブリッド車両。
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