JP2001349441A - シールリングコンビネーション - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールリングコンビネーションであって、軸
方向で互いに隣接する個々の２つのリング４，５が設け
られており、リング４，５がそれぞれ複数のリングセグ
メント４′，５′から成っており、カバーリング４が半
径方向で分割されていて入口側の半径方向溝７によって
圧力軽減されており、本来のシールリング５がほぼ接線
方向に延びる切片に分割されている形式のシールリング
コンビネーションを改良し、従来技術で公知の欠点を回
避し、特に熱負荷を減少しながら長時間シール作用の改
善を達成する。 【解決手段】 カバーリング４がシールリング５に向い
た側に周方向に延びる支持肩部９を備えており、支持肩
部９に、シールリング５がカバーリング４に向いた旋削
部１１の、周方向に延びる外周面１０で載設されてお
り、カバーリング４が支持肩部９の側に設けられた、圧
力側６と接続している内周溝１２によって十分に負荷軽
減されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特に往復ピストン
圧縮機の、往復運動するピストンロッドのシリンダ貫通
孔をシールするためのシールリングコンビネーションで
あって、シールリングコンビネーションが、シールしよ
うとする構成部材の貫通孔において共通のケーシング切
込部に配置された、軸方向で互いに隣接する個々の２つ
のリングを備えており、これらのリングがそれぞれ共通
の周囲ばねによって、シールしようとする構成部材に適
合された複数のリングセグメントから成っており、リン
グのうち、シールしようとする側に向いたカバーリング
が半径方向で分割されていて、カバーリングが入口側の
半径方向溝によって圧力軽減されており、本来のシール
リングがほぼ接線方向に延びる切片に分割されている形
式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】このような形式のシールリングコンビネ
ーションもしくはシールリング対は、たとえばピストン
ロッドのための高性能圧力シールとして、往復ピストン
圧縮機のシリンダ底部を通る貫通孔に使用される。ＢＴ
リングとして公知のこのような配置構成では、シールし
ようとする圧力に向いた側の第１のリング（カバーリン
グと呼ばれる）が半径方向の切片によって３つに分割さ
れており、この場合個々のセグメントは載設された周囲
ばねによってまとめて保持され、これによってリングは
全体でピストンロッドに接触して保持される。入口側の
半径方向溝によって、入口圧力は両側のリングの外側に
おける周面スペース全体に作用するので、主に接線方向
に延びる３つの切片によって分割されている本来の第２
のシールリングも、外側から、シールしようとする圧力
で負荷され、シールしようとする構成部材に押圧されて
いる。入口側のカバーリングは、その半径方向分割に基
づいて、初期の走入および分割ギャップの閉鎖のあと
で、往復運動する構成部材によってもはや十分に摩耗し
ない。もちろんシールリングは入口圧と、載設されてい
る周囲ばねとによって、接線方向の分割に基づいて走入
後でもさらにシールしようとする構成部材に直接圧着さ
れ、ひいては引き続き摩耗され、したがって摩擦熱によ
る相応の温度負荷が生じる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の課
題は、冒頭で述べたような形式のシールリングコンビネ
ーションを改良し、従来技術で公知の欠点が回避されて
おり、特に熱負荷を減少しながら長時間シール作用の改
善が達成されるようなものを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
の本発明の装置によれば、カバーリングがシールリング
に向いた側に周方向に延びる支持肩部を備えており、支
持肩部に、シールリングがカバーリングに向いた旋削部
の、周方向に延びる外周面で載設されており、カバーリ
ングが支持肩部の側に設けられた、圧力側と接続してい
る内周溝によって十分に負荷軽減されている。

【０００５】

【発明の効果】本発明のように構成されていると、カバ
ーリングに支持肩部を設けること、もしくはシールリン
グの旋削部の周方向に延びる外周面と前記支持肩部とが
協働することによって、シールシングは、走入段階にお
いて、シールしようとする構成部材に面した内周面で、
制限もしくは制御されてシールリングが支持肩部によっ
て支持されるまでしか磨耗しない。この結果、時間が経
つにつれてシールしようとする構成部材に対する減少す
る圧着に基づいて僅かしか拡大しないリングギャップを
備えた極めて効果的なシールラビリンスが生じる。ま
た、このリングギャップによってはさらに有利には、大
抵はパックを成して配置された複数の前記コンビネーシ
ョンを介した減圧の均等化が得られる。入口側のカバー
リングの十分な圧力低減に基づいて、カバーリングは、
シールしようとする入口圧によって実質的にもはや付加
的にシールしようとする構成部材に圧着されず、これに
よって磨耗もしくは適当な熱発生が減少される。

【０００６】本発明の別の有利な実施形態によれば、シ
ールリングが記載の形式で周方向に延びる支持肩部によ
ってカバーリングに支持されるので、シールリングの、
シールしようとする構成部材に面している内周面の幅
が、カバーリングの幅よりも小さく、有利にはカバーリ
ングの幅の半分よりも小さくなっている。これによって
発生する摩擦熱はさらに減少され、したがってこのよう
なシールリングコンビネーションは、別の能動的な冷却
装置の設けられていないシールパッキンにおける使用に
も特に適している。

【０００７】本発明の別の有利な実施形態によれば、カ
バーリングはその内周面に、軸方向に延びる溝状の凹設
部を圧力側から内周溝まで備えており、これによってカ
バーリングの、前述の圧力低減が走入状態でも簡単な形
式で確保される。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図示の
実施例を用いて詳しく説明する。

【０００９】図１に示したシールリングコンビネーショ
ンは、図示していない往復ピストン圧縮機の、往復運動
するピストンロッド２のシリンダ貫通孔１をシールする
ために役立つ。シールしようとする構成部材２の貫通孔
１における共通のケーシング切込部３に配置された、互
いに軸方向で隣接する、主として個々の２つのリング
４，５が設けられており、これらのリング４，５は、図
２および図３に関して説明する形式で、複数のリングセ
グメントから成っており、リング４，５のうち、シール
しようとする側６に向いたカバーリング４は半径方向で
分割されていて、しかも入口側の半径方向溝７によって
負荷軽減されており、本来のリング５はほぼ接線方向に
延びる切片に分割されている。各リング４，５の独立し
たリングセグメント４′，５′はそれぞれ共通の周囲ば
ね８によって、シールしようとする構成部材２に圧着さ
れるかもしくはまとめて保持される。

【００１０】カバーリング４はシールリング５に向いた
側に、周方向に延びる支持肩部９を供えており、この支
持肩部９に、シールリング５は、カバーリング４に向い
た旋削部１１の、周方向に延びる外周面１０で載設され
ており、これによってシールリング５は入り込んだ状態
で、カバーリング４とほぼ１つのユニットを形成してお
り、このユニットは極めて効果的なラビリンスパッキン
を形成する。構成部材２（たとえばピストンロッド）に
対するカバーリング４の、摩擦に基づく磨耗をできるだ
け僅かに維持するために、カバーリング４は支持肩部９
の側に設けられた、シールしようとする圧力側６と接続
している内周溝１２によって圧力軽減されており、この
場合内周面１３に、追加的に、図２および図３に特に判
りやすく示された軸方向に延びる溝状の凹設部１４が圧
力側６から内周溝１２までにわたって設けられており、
この凹設部１４はカバーリング４が入り込んだ状態で
も、圧力軽減を保証する。

【００１１】この場合シールしようとする構成部材２上
でシールする、シールリング５の内周面１５の幅は、カ
バーリング４の幅の半分よりも小さくなっており、これ
は一方では迅速な走入および僅かな摩擦熱の発生を意味
しており、しかも他方ではカバーリング４の支持肩部９
への、シールリング５の載設に関して、安定性の問題が
生じ得ない。

【００１２】図１から判るように、縦横に延びる矢印１
６で示された、シールしようとする圧力側６の圧力は、
カバーリング４の半径方向端面と、カバーリング４およ
びシールリング５の外周面と、カバーリング４の大部分
の内周面とに均等に作用する。破線の矢印１７で示され
た外側圧力もしくは追従圧力（Folgedruck）に関する減
圧は、シールリング５の後方の半径方向の端面に沿って
（この端面はケーシング切込３の適当な壁部に接触して
いる）、ならびにシールリング５の内周面１５に沿って
（この内周面はシールしようとするピストンロッド２と
協働している）行われる。特に内周面１５の減圧区間が
短く、シールリング５が支持肩部９に載設されたあと
で、このシールリングはもはや入口圧力もしくは周囲ば
ね８によって、シールしようとする構成部材２に圧着さ
れないので、同一の複数のシールリングコンビネーショ
ンが相前後して配置された場合、減圧は全てのリング対
を介して均等化される。

【００１３】図２には、載設された周囲ばね８を備え
た、それぞれ３つのリングセグメント４′もしくは５′
から成るカバーリング４およびシールリング５が示され
ている。図３には、内側の凹設部１４の領域におけるカ
バーリング４の半径方向分割、ならびに前述の圧力低減
のためにカバーリング４の内周面に配置された内周溝１
２が特に判りやすく示されている。カバーリング４の入
口側の半径方向溝７は、カバーリング４の入口側の端面
が、ケーシング切込３の、カバーリング４に対応配置さ
れた半径方向のケーシング壁に接触している場合にも、
図１に示した圧力低減状態を確保している。

【００１４】同様に図２および図３には、シールリング
５の接線方向の分割が示されている。これによってシー
ルリング５は、初期の走入のあとでも、内周面１５で、
シールしようとする構成部材２に対して引き続き所望の
形式で摩耗可能である。なぜならばそれぞれ隣接するリ
ングセグメント５′によって、半径方向に分割されたカ
バーリング４よりもかなりあとでストップされるからで
ある。

【００１５】図示して説明したシールリングコンビネー
ションに基づいて、記載の構成をした実施例で減少され
た、シールしようとする構成部材に対する圧着力によっ
て、パッキン部分における熱発生の減少が得られる。圧
着力の減少によって、圧力が高い場合、一方では個々の
シールリング対にある程度の漏れが生じるが、他方、こ
れによって有利には、このような形式の複数のシールリ
ング対を備えたパッキン長さ全体にわたって連続的な減
圧が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】組み込まれた状態の本発明のシールリングコン
ビネーションを示す断面図である。

【図２】本発明のシールリングコンビネーションの斜視
図である。

【図３】本発明のシールリングコンビネーションの斜視
図である。

【符号の説明】

１ シリンダ貫通孔、 ２ ピストンロッド、 ３ ケ
ーシング切込部、 ４，５ リング、 ４′，５′ リ
ングセグメント、 ６ 圧力側、 ７ 溝、８ 周囲ば
ね、 ９ 支持肩部、 １０ 外周面、 １１ 切削
部、 １２ 内周溝、 １３ 内周面、 １４凹設部、
１５ 内周面、 １６ 矢印、 １７矢印

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シールリングコンビネーションであっ
   て、該シールリングコンビネーションが、シールしよう
   とする構成部材（２）の貫通孔（１）において共通のケ
   ーシング切込部（３）に配置された、軸方向で互いに隣
   接する個々の２つのリング（４，５）を備えており、こ
   れらのリング（４，５）がそれぞれ共通の周囲ばね
   （８）によって、シールしようとする前記構成部材
   （２）に適合された複数のリングセグメント（４′，
   ５′）から成っており、前記リング（４，５）のうち、
   シールしようとする側に向いたカバーリング（４）が半
   径方向で分割されていて、該カバーリング（４）が入口
   側の半径方向溝（７）によって圧力軽減されており、本
   来のシールリング（５）がほぼ接線方向に延びる切片に
   分割されている形式のものにおいて、 前記カバーリング（４）が前記シールリング（５）に向
   いた側に周方向に延びる支持肩部（９）を備えており、
   該支持肩部（９）に、前記シールリング（５）が前記カ
   バーリング（４）に向いた旋削部（１１）の、周方向に
   延びる外周面（１０）で載設されており、前記カバーリ
   ング（４）が前記支持肩部（９）の側に設けられた、圧
   力側（６）と接続している内周溝（１２）によって十分
   に負荷軽減されていることを特徴とする、シールリング
   コンビネーション。
2. 【請求項２】 前記シールリング（５）の、シールしよ
   うとする前記構成部材（２）上でシールしている内周面
   （１５）の幅が、前記カバーリング（４）の幅よりも小
   さく、たとえば前記カバーリング（４）の幅の半分より
   も小さくなっている、請求項１記載のシールリングコン
   ビネーション。
3. 【請求項３】 前記カバーリング（４）がその内周面
   （１３）で、前記圧力側（６）から前記内周面（１２）
   にわたって軸方向の溝状の凹設部（１４）を備えてい
   る、請求項１または２項記載のシールリングコンビネー
   ション。