JP2001348486A - アスファルト系組成物、アスファルト系接着剤、アスファルト系組成物による舗装補修方法、及びアスファルト系組成物を用いた構造物の施工方法 - Google Patents
アスファルト系組成物、アスファルト系接着剤、アスファルト系組成物による舗装補修方法、及びアスファルト系組成物を用いた構造物の施工方法Info
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- JP2001348486A JP2001348486A JP2000171453A JP2000171453A JP2001348486A JP 2001348486 A JP2001348486 A JP 2001348486A JP 2000171453 A JP2000171453 A JP 2000171453A JP 2000171453 A JP2000171453 A JP 2000171453A JP 2001348486 A JP2001348486 A JP 2001348486A
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Abstract
性の良いアスファルト系組成物、この材料を用いた道路
補修方法等を提供する。 【解決手段】 ストレートアスファルトにガソリンを添
加して常温で液状の第1次組成物を生成し、発泡剤を混
合させて常温で液状の第2次組成物3を生成し、第2次
組成物3を舗装部1の亀裂部2の内部に注入し、次に上
方から加熱されたアスファルト系舗装材料4を敷設して
第2次組成物3を加熱し微小な気泡5を発生させ、ガソ
リン成分を気泡5とともに外部に排出させて第2次組成
物3に所要の接着力を発揮させ、第2次組成物3を亀裂
部2の内壁やアスファルト系舗装材料4に接着させ、第
2次組成物3とアスファルト系舗装材料4を硬化させる
ことにより、舗装の亀裂を補修する。
Description
成物、このアスファルト組成物を用いたアスファルト系
接着剤、及びこのアスファルト系組成物による舗装補修
方法、及びこのアスファルト系組成物を用いた構造物の
施工方法に関するものである。
る自動車などからの荷重の繰り返しにより徐々に破損
し、路面に塑性変形や亀裂(ひび割れ、クラック)が発
生し、進行していく。このため、所要の道路状態となる
ように維持するための補修作業が必要となる。
以下のような対策がとられる。まず、亀裂部やその周囲
に、圧縮空気や圧力をかけた水等を吹き付けて清掃す
る。次に、液状のシール材を亀裂の上方から噴霧器等で
散布する。これにより、シール材は、亀裂の内部に浸透
して注入される。シール材は、時間の経過により硬化
し、亀裂の内部は硬化したシール材で充填され、補修が
完成する。
系素材に有機溶剤が添加されて液状にされたもの(以
下、「アスファルト系液状シール材」という。)等が用
いられる場合がある。このようなアスファルト系液状シ
ール材は、亀裂内への注入後、時間が経過すると、有機
溶剤が蒸発して粘度が高くなるため、接着効果が発揮さ
れ、亀裂の内壁に強固に付着してシール効果を果たす。
た従来のアスファルト系液状シール材は、気象条件によ
っては、有機溶剤があまり蒸発せず、シール材の表面は
皮膜状に硬化してもシール材内部に有機溶剤が封入され
た状態で残留したり、粘度が高いまま維持されるため亀
裂内壁等に付着しにくい、といった問題があった。
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、有
機溶剤の蒸発を促進し舗装亀裂内への付着性の良いアス
ファルト系組成物、この材料を用いた道路補修方法等を
提供することにある。
め、本発明に係る第1のアスファルト系組成物は、アス
ファルト系素材に、20〜70重量%の揮発性の石油精
製留分を添加し、前記アスファルト系素材の粘度を一時
的に低下させて常温で液状の第1次組成物を生成し、次
いで前記第1次組成物に常温において0.5〜30重量
%の発泡剤を混合させて常温で液状の第2次組成物を生
成し、前記第2次組成物を加熱することにより微小な気
泡を発生させることを特徴とする。
組成物は、アスファルト系素材に、20〜70重量%の
揮発性の石油精製留分と、0.5〜30重量%の発泡剤
を同時に添加して前記アスファルト系素材の粘度を一時
的に低下させ常温で液状の中間組成物を生成し、前記中
間組成物を加熱することにより微小な気泡を発生させる
ことを特徴とする。
て、好ましくは、前記アスファルト系素材は、ストレー
トアスファルトである。
において、好ましくは、前記アスファルト系素材は、石
油系溶剤抽出油を50〜70重量%、石油系又は石炭系
若しくは天然系樹脂を25〜45重量%、ゴム系素材を
0.5〜5.0重量%、ナフテン酸を0.3〜4.0重
量%含む。
において、好ましくは、前記ゴム系素材は、熱可塑性ゴ
ム、又はエチレン酢酸ビニル共重合樹脂を含む。
において、好ましくは、前記揮発性の石油精製留分は、
ガソリン又は灯油である。
において、好ましくは、前記第1次組成物は、カットバ
ックアスファルトである。
において、好ましくは、前記発泡剤は、N,N’ジニト
ロソペンタメチレンテトラミンと、アゾジカルボンアミ
ドを含む。
は、アスファルト系素材に、20〜70重量%の揮発性
の石油精製留分を添加し、前記アスファルト系素材の粘
度を一時的に低下させて常温で液状の第1次組成物を生
成し、次いで前記第1次組成物に常温において0.5〜
30重量%の発泡剤を混合させて常温で液状の第2次組
成物を生成し、前記第2次組成物を加熱して微小な気泡
を発生させ、接着性を阻害する溶剤成分を前記気泡とと
もに外部に排出させることにより、所要の接着力を発揮
することを特徴とする。
による舗装補修方法は、アスファルト系素材に、20〜
70重量%の揮発性の石油精製留分を添加し、前記アス
ファルト系素材の粘度を一時的に低下させて常温で液状
の第1次組成物を生成し、次いで前記第1次組成物に常
温において0.5〜30重量%の発泡剤を混合させて常
温で液状の第2次組成物を生成し、前記第2次組成物を
アスファルト混合物又はコンクリートからなる舗装の亀
裂の内部に注入し、次いで前記亀裂内に注入された第2
次組成物の上方から加熱されたアスファルト系舗装材料
を注入又は敷設し、前記アスファルト系舗装材料の熱に
より前記第2次組成物を加熱して微小な気泡を発生さ
せ、前記第2次組成物の接着性を阻害する溶剤成分を前
記気泡とともに外部に排出させて前記第2次組成物に所
要の接着力を発揮させ、前記第2次組成物を前記舗装の
亀裂の内壁に接着させるとともに、前記第2次組成物を
前記アスファルト系舗装材料に接着させ、前記第2次組
成物と前記アスファルト系舗装材料を硬化させることに
より、前記舗装の亀裂を補修することを特徴とする。
修方法において、好ましくは、前記気泡が前記アスファ
ルト系舗装材料の表面に到達したときに、前記アスファ
ルト系舗装材料の表面に粒子状部材を散布することによ
り、前記気泡の近傍又は内部に前記粒子状部材が接着さ
れ、前記アスファルト系舗装材料の表面を粗面とするこ
とにより、硬化後のアスファルト系舗装材料と車輪タイ
ヤとの間の摩擦係数を増加させる。
舗装補修方法において、好ましくは、前記第2次組成物
は、前記第1次組成物に常温において0.5〜30重量
%の発泡剤を混合させるとともに、0.5〜40重量%
の油性物質又は付加型液状シリコーンゴムを混合させる
ことによって生成され、寒冷地における凍結により、前
記第2次組成物が前記舗装の亀裂の内壁から剥離するこ
と、又は前記第2次組成物が前記アスファルト系舗装材
料から剥離することを防止する。
舗装補修方法において、好ましくは、前記第2次組成物
は、前記第1次組成物に常温において0.5〜30重量
%の発泡剤を混合させるとともに、0.1〜10重量%
のシランカップリング剤を混合させることによって生成
され、前記第2次組成物が前記舗装の亀裂の周囲の舗装
骨材とアスファルト系組成物を接合接着させる。
を用いた構造物の施工方法は、アスファルト系素材に、
20〜70重量%の揮発性の石油精製留分を添加し、前
記アスファルト系素材の粘度を一時的に低下させて常温
で液状の第1次組成物を生成し、次いで前記第1次組成
物に常温において0.5〜30重量%の発泡剤を混合さ
せて常温で液状の第2次組成物を生成する第1工程と、
次いで、骨材を床状に敷設して予め形成した被填充体に
前記第2次組成物を流し込み前記骨材の相互間の間隙を
填充させる第2工程と、次いで、冷却により前記第2次
組成物を硬化させ、硬化した前記第2次組成物である硬
化物と前記骨材とにより、鉄道における道床部、道路に
おける舗装、港湾構造物における床状部、空港構造物に
おける床状部、埋立地における床状部、建築物における
床状部、又は農業用構造物における床状部のうちのいず
れか又はこれらの適宜の組み合わせである構造物を形成
させる第3工程を有することを特徴とする。
詳細に説明する。
トに、ガソリンを添加し、ストレートアスファルトの粘
度を一時的に低下させて常温で液状の第1次組成物を生
成し、次いでこの第1次組成物に常温において下記の成
分を含む発泡剤を混合させて生成した常温で液状の第2
次組成物が挙げられる。ここに、ストレートアスファル
トは、アスファルト系素材に相当している。また、ガソ
リンは、揮発性の石油精製留分に相当しており、ストレ
ートアスファルトを液状化させることで有機溶剤の役割
を果たしている。ガソリンの混入量、混入比率は、スト
レートアスファルトの重量に対して約20〜70重量%
程度が好ましい。
207に記載されている石油アスファルトのうちの1種
類で、原油から常圧蒸留装置で軽質分(ガソリン等)を
除去し、さらに減圧蒸留装置で重油等を除去した残留物
を所定の品質としたものである。
分類され、例えば、日本道路協会では、針入度40〜6
0のもの、針入度60〜80のもの、針入度80〜10
0のもの、針入度100〜120のものの4種類を舗装
用石油アスファルトと定めている。
に規定する試験法により、規定の温度(例えば25°
C)、規定の荷重(例えば100グラム)、及び規定の
貫入時間(例えば5秒間)で、規定の形状の針をアスフ
ァルトに貫入させ、その貫入深度を1/10mm単位で
表わした値であり、一般に針入度の値が小さいほど硬い
アスファルトであることを示している。第1実施形態に
用いるストレートアスファルトの針入度は、40〜12
0までのものが使用可能である。
ニトロソペンタメチレンテトラミンと、アゾジカルボン
アミドを含んでいる。
ミン(N,N’−dinitrosopentamet
hylentetramine)は、以下に示す化学式
を持つアミンであり、DPTと略称される。
carbonamide)は、 H2NOCN=NCONH2 の化学式を持つアミドであり、ADCAと略称される。
アスファルトの重量に対して約0.6〜25重量%程
度、液状の第1次組成物の重量に対して約0.5〜30
重量%程度が好ましい。
0°Cの温度程度に加熱すると、発泡剤の作用により、
微小な気泡が多数発生する。この気泡は、第2次組成物
の外部へ脱出しようとするが、この際、この気泡中にガ
ソリンが気化して入り込む。したがって、気泡が外部に
排出されると、ガソリンも一緒に外部に排出される。こ
のような気泡の作用により、第2次組成物内のガソリン
の排出が促進される。ガソリンは、ストレートアスファ
ルトの粘度を低下させて液状化させている有機溶剤の役
割を担っている。このため、ガソリンが減少すれば、ス
トレートアスファルトの粘度が増大し、接着力あるいは
付着性が強まる。この状態の第2次組成物は、接着剤と
して利用することができる。
装の補修を行うことができる。図1は、本発明の一実施
形態であるアスファルト系組成物による舗装補修方法の
内容を説明する概念図である。
字状の断面を有する溝状の亀裂部2が存在する場合を考
える。この場合、舗装部1は、ストレートアスファルト
等の石油アスファルトと砕石等の骨材を混合して練り混
ぜたアスファルト混合物を用いるアスファルト舗装であ
ってもよいし、セメントと砕石・砂等の骨材と水を混合
して練り混ぜたコンクリートを用いるコンクリート舗装
であってもよい。
から、圧縮空気や圧力をかけた水等(図示せず)を、亀
裂部2の表面に吹き付け、ゴミや破片等を除去して清掃
を行う。
液状の第2次組成物3を、舗装部1の亀裂部2の上方か
ら、噴霧器等(図示せず)で散布する。これにより、第
2次組成物3は、亀裂部2の内部に浸透して注入され、
亀裂部2の内壁表面に皮膜状になって付着する。
の内部に注入された第2次組成物3の上方から、加熱さ
れたアスファルト系舗装材料4を注入又は敷設する。こ
のアスファルト系舗装材料4としては、ストレートアス
ファルト系又はブローンアスファルト系を加熱して液状
化させたもの等が用いられる。加熱温度は、約150°
C〜260°C程度である。
スファルト系舗装材料4からの熱により、第2次組成物
4は約150°C〜260°C程度まで加熱され、内部
の発泡剤の作用により、微小な気泡5が多数発生する。
これらの気泡5は、第2次組成物3からアスファルト系
舗装材料4の中に入り込み、外部へ脱出しようとする
が、この際、これらの気泡5中に第2次組成物3の中の
ガソリンが気化して入り込む。したがって、気泡5が外
部に排出されると、ガソリンも一緒に外部に排出され
る。
成物3内のガソリンの排出が促進される。ガソリンは、
第2次組成物3中のストレートアスファルトの粘度を低
下させることにより液状化させている有機溶剤の役割を
担っている。換言すれば、ガソリンは、第2次組成物3
の接着性を阻害している。このため、ガソリンが減少す
れば、第2次組成物3中のストレートアスファルトの粘
度が増大し、第2次組成物3の接着力あるいは付着性が
強まる。この作用により、第2次組成物3は、舗装部1
の亀裂部2の内壁に強固に接着する。同時に、第2次組
成物3は、アスファルト系舗装材料4にも強固に接着す
る。この状態の第2次組成物3は、アスファルト系接着
剤に相当している。
ば、図1(E)に示すように、第2次組成物3とアスフ
ァルト系舗装材料4は4´のように硬化し、舗装部1の
亀裂部2の内部は、硬化したアスファルト系舗装材料4
´で充填され、亀裂は補修される。
装材料4´の表面付近の拡大断面図である。この図1
(E)に示すように、硬化したアスファルト系舗装材料
4´の表面には、表面に到達して外部へ排出された気泡
がはじけることによって形成された凹部6が多数存在し
ており、これによって硬化したアスファルト系舗装材料
4´の表面は粗面となっている。したがって、硬化後の
アスファルト系舗装材料4´と、自動車等の車輪タイヤ
との間の摩擦係数が増加するから、スリップ事故等の防
止に役立つ。
他の構成によっても実現可能である。例えば、ガソリン
のかわりに、灯油(ケロシン)を用いてもよい。一般的
には、揮発性の石油精製留分であればよく、他の物質、
例えば、トルエン、キシレン等の石油ナフサ系の有機溶
剤であってもよい。これらの有機溶剤の添加量、添加比
率は、ストレートアスファルトの重量に対して約20〜
70重量%程度が好ましい。
現可能である。本発明の第2実施形態としては、第1次
組成物としてカットバックアスファルトを用い、次いで
この第1次組成物に、第1実施形態の場合と同様の成分
を含む発泡剤を常温において0.5〜30重量%混合さ
せて生成した常温で液状の第2次組成物が挙げられる。
アスファルトに、ガソリンや灯油(ケロシン)等の揮発
性の石油精製留分を20〜70重量%程度添加したもの
であり、これらの軽質油を加えることにより、ストレー
トアスファルトの粘度を一時的に低下させて常温で液状
の瀝青材料としたものである。
として使用するストレートアスファルトの性質、添加す
る揮発性の石油精製留分(有機溶剤)の組成や量によっ
て変化する。揮発性の石油精製留分の蒸発量、蒸発速度
は、これらが軽質なほど、周囲の気温が高いほど、周囲
の風通しがよいほど多く、速い。日本道路協会規格で
は、揮発性の石油精製留分の蒸発速度の大小によって、
カットバックアスファルトをRC、MCの2種類に分類
し、さらにそれぞれを60°Cにおける動粘度(cs
t)によって70、250、800、3000の4種類
に分類し、合計8種類定めている。
実施形態と同様の作用・効果を発揮する。すなわち、第
2実施形態の第2次組成物を約150°C〜260°C
の温度程度に加熱すると、発泡剤の作用により、微小な
気泡が多数発生し、気泡が第2次組成物の外部へ脱出し
ようとする際に、第2次組成物内のガソリンも一緒に外
部に排出される。このため、第2次組成物内のストレー
トアスファルトの粘度が増大し、接着力あるいは付着性
が強まり、この状態の第2次組成物は、接着剤として利
用することができる。また、この第2次組成物の性質を
利用して、図1に示したようにして舗装の補修を行うこ
とができる。
現可能である。本発明の第3実施形態としては、第1実
施形態におけるストレートアスファルトの代わりに、ス
トレートアスファルトと同様の性質を有するアスファル
ト系素材を用い、このアスファルト系素材に、上記と同
様の揮発性の石油精製留分を20〜70重量%程度添加
し、アスファルト系素材の粘度を一時的に低下させて常
温で液状の第1次組成物を生成し、次いでこの第1次組
成物に、上記と同様の発泡剤を常温において0.5〜3
0重量%混合させて生成した常温で液状の第2次組成物
が挙げられる。
油系溶剤抽出油を50〜70重量%含み、かつ石油系又
は石炭系若しくは天然系樹脂を25〜45重量%含み、
かつゴム系素材を0.5〜5.0重量%含み、かつナフ
テン酸を0.3〜4.0重量%含むものが挙げられる。
1月30日石油連盟発行の「石油製品のできるまで」第
101頁、図6−1「一般的な潤滑油製造工程」に記載
されているような、原油から潤滑油を製造する過程にお
いて、溶剤抽出によって得られる芳香族及びナフテン族
に富んだ油状物質をいう。この石油系溶剤抽出油は、一
般に、沸点(大気圧下)が350°C以上、粘度が5〜
100cst/100°C(好ましくは30〜100c
st/100°C)、針入度(JIS K2207)が
1000以上、軟化点(JIS K2207)が20°
C以下のものである。特に、芳香族成分とナフテン族成
分の合計が45体積%以上(環分析による)を占め、引
火点が220°C以上のものが好ましい。
規定する試験法により、規定の金属製環の内部に填充し
たアスファルトの上に質量3.5グラムの鋼球を載せて
水中に入れ、連続的に加熱した場合に、鋼球の自重によ
りアスファルトが25mmだけ降下したときの温度(°
C)で表わした値であり、規定の条件下でのアスファル
トのコンシステンシーを示す指標であり、一般に軟化点
の値が高いほど硬いアスファルトであることを示してい
る。
石油系物質、石炭系物質、その他の天然物質、又はこれ
らの適宜の組み合わせを出発物質とする固体樹脂をい
い、一般に、分子量が約200〜3000程度の重合物
で、脂肪族、芳香族、脂環式化合物、又はこれらの適宜
の組み合わせの1元ないし3元(共)重合物である。
〜C9の石油樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂等が
挙げられる。これらのうち、C4〜C9の石油樹脂として
は、C 4,C5混合系石油樹脂、1,3ペンタジエン系石
油樹脂、C5/C9共重合系石油樹脂、水添シクロペンタ
ジエン系石油樹脂、水添C9系石油樹脂、水添ロジング
リセリンエステル等が挙げられる。また、テルペン樹脂
としては、β−ピネン、ピネン/ジペンテン等が挙げら
れる。石炭系樹脂としては、クマロンインデン樹脂、キ
シレン樹脂等を挙げることができる。また、天然系樹脂
としては、各種樹脂酸エステルを挙げることができる。
これらの各種樹脂は、いずれも、軟化点(環球式)が8
0〜180°C、比重が1.0以上、針入度が10以下
のものが好ましい。
性ゴム、又はエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹
脂)が挙げられる。熱可塑性ゴムとしては、末端セグメ
ントとしてポリスチレンセグメントを有し、ゴム成分セ
グメントとして、例えばポリブタジエンセグメント、ポ
リイソプレンセグメント、ポリエチレンセグメント、ブ
チレンセグメント等を有する鎖状又は枝状のブロック共
重合体が挙げられる。熱可塑性ゴムの代表例としては、
SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体)、SEBS(スチレン−エチレン/ブチ
レン−スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。こ
れらの熱可塑性ゴムは、分子量が80000以上、ポリ
スチレン含有量が10〜50体積%、比重が0.9以上
のものが好ましい。
テン環(シクロパラフィン環の側鎖の末端にカルボキシ
ル基が結合したもの)を有するカルボン酸類を総称する
ものであり、化学構造上単一の化合物ではなく、主とし
て飽和単環カルボン酸類、飽和二環カルボン酸類、及び
脂肪族カルボン酸類を含む。石油酸ともいわれる。ナフ
テン環は、主として五員環、六員環、及び七員環であ
る。このナフテン酸としては、特に、酸価が50〜30
0mg KOH/g、引火点(COC)が150°C以
上のものが好ましい。
合も、上記した第1、第2実施形態と同様の作用・効果
を発揮する。すなわち、第3実施形態の第2次組成物を
約150°C〜260°Cの温度程度に加熱すると、発
泡剤の作用により、微小な気泡が多数発生し、気泡が第
2次組成物の外部へ脱出しようとする際に、第2次組成
物内のガソリンも一緒に外部に排出される。このため、
第2次組成物内のストレートアスファルトの粘度が増大
し、接着力あるいは付着性が強まり、この状態の第2次
組成物は、接着剤として利用することができる。また、
この第2次組成物の性質を利用して、図1に示した方法
と同じ方法により舗装の補修を行うことができる。
ファルト系素材に、揮発性の石油精製留分と発泡剤を同
時に添加してアスファルト系素材の粘度を一時的に低下
させ常温で液状の中間組成物を生成し、中間組成物を加
熱することにより微小な気泡を発生させて接着剤として
用い、舗装補修等に使用するようにしてもよい。
現可能である。本発明の第4実施形態としては、上記各
実施形態で説明したアスファルト系組成物(第2次組成
物)を、図1に示した舗装補修方法以外の舗装補修方法
に用いる例が挙げられる。
に示した舗装補修方法において、気泡5がアスファルト
系舗装材料4の表面に到達したとき(図1(D)参照)
に、アスファルト系舗装材料4の表面に砂、又は他の粒
子状部材を散布することにより、気泡5の近傍又は内部
にこの粒子状部材を接着させ、アスファルト系舗装材料
4の表面をさらに積極的に粗面とさせるものである。こ
のようにすることにより、硬化後のアスファルト系舗装
材料4´と車輪タイヤとの間の摩擦係数をより積極的に
増加させることができる。
現可能である。本発明の第5実施形態としては、上記各
実施形態で説明したアスファルト系組成物(第2次組成
物)を、図1に示した舗装補修方法以外の舗装補修方法
に用いる例が挙げられる。
に示した舗装補修方法において、接着剤として用いる第
2次組成物3を、上記の各実施形態における第1次組成
物に常温において0.5〜30重量%の発泡剤を混合さ
せるとともに、油性物質又は付加型液状シリコーンゴム
を混合させることによって生成するようにしたものであ
る。このようにすることにより、寒冷地における凍結作
用によって、第2次組成物3が舗装部1の亀裂部2の内
壁から剥離すること、あるいは、第2次組成物3が硬化
したアスファルト系舗装材料4´から剥離することを防
止することができる。
混入量、混入比率は、液状の第2次組成物の重量に対し
て約0.5〜40重量%程度が好ましい。
°C以下であり、粘度指数100以上の潤滑油が挙げら
れる。
は、素反応として下記の式で示されるヒドロシリル化反
応により架橋を起こし、エラストマーとなるものであ
る。
に示す化学式を有する。
て官能基含有シリコーンオイルを含み、架橋剤としてハ
イドロジェンポリシロキサンを含み、硬化触媒として白
金(Pt)化合物を用い、さらに反応抑制剤、補強剤、
添加剤を含む。
基としては、脂肪族不飽和結合を含有していればよく、
例えばビニル基、メチル基、フェニル基、フッ素置換ア
ルキル基(例えばトリフロロプロピル基など)が用いら
れる。この官能基含有シリコーンオイルは、オクタメチ
ルテトラシロキサンなどのオルガノポリシロキサン環状
体を、KOH、CsOH、R4NOH、R4POH等のア
ルカリ触媒の存在下で加熱して行う平衡化反応によって
合成することができる。
分子中にSiH結合を有する比較的低分子量のポリマー
であり、通常は1分子中に3個以上のSiH基を有する
ものが用いられる。このポリマーの合成方法は、上記し
た官能基含有シリコーンオイルの合成方法と基本的には
同様であるが、分子中にSiHを有するため、平衡化触
媒としては、硫酸、トリフロロメタンスルホン酸等の強
酸が用いられる。
リコーンオイルの可溶の白金錯体、例えば、アルコール
変性錯体、メチルビニルポリシロキサン錯体等が挙げら
れる。
テトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサ
ン変性アセチレンアルコール、ハイドロパーオキサイド
等が挙げられる。
面処理補強性シリカ、シリコーンオイルに可溶なレジン
等が用いられる。
又は水酸化物、カーボンファンクショナルシラン、シロ
キサン、シリコーンオイル、生ゴム、金属脂肪酸塩、さ
らには、シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化
アルミニウム等のセラミックス等が使用される。
現可能である。本発明の第6実施形態としては、上記各
実施形態で説明したアスファルト系組成物(第2次組成
物)を、図1に示した舗装補修方法以外の舗装補修方法
に用いる例が挙げられる。
に示した舗装補修方法において、接着剤として用いる第
2次組成物3を、第1次組成物に常温において発泡剤を
混合させるとともに、シランカップリング剤を混合させ
ることによって生成するようにしたものである。このよ
うにすることにより、第2次組成物3が舗装部1の亀裂
部2の周囲の舗装骨材どうしを接着させる、という効果
がある。
は、液状の第2次組成物の重量に対して約0.1〜10
重量%程度が好ましい。
や炭素繊維等の界面の接着性を高め、その結果、複合材
料の特性を向上させるために用いられる材料をいい、シ
ランカップリング剤は、シランSiH4を主体とするも
のをいう。このうち、アルキルシランが用いられる。ア
ルキルシランは、下記の式で代表されるものであり、非
官能性の有機基を持つシランである。 CH3−(CH2)n−SiX3 n=0〜17 X=OCH3,OC2H5,Cl
Xのケイ素官能基は加水分解性基である。加水分解性基
は、ほとんどはアルコキシ基であり、ケイ素に直接結合
している。加水分解性基は、加水分解し、無機表面へ結
合、縮合という過程をへて作用する。
第2次組成物を生成する場合に混入してもよいし、第2
次組成物を舗装部の亀裂部の内部に注入する際に、単独
で同時に散布又は注入するようにしてもよい。このよう
にしても、舗装部の亀裂の周囲の舗装骨材どうしを接着
させることができる。
現可能である。本発明の第7実施形態としては、上記各
実施形態で説明したアスファルト系組成物(第2次組成
物)を、図1に示した舗装補修方法以外の方法に用いる
例が挙げられる。
方法である。施工される構造物としては、鉄道における
道床部、道路における舗装、港湾構造物における床状
部、空港構造物における床状部、埋立地における床状
部、建築物における床状部、又は農業用構造物における
床状部のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせ
である構造物が対象となる。
上記した各実施形態の第2次組成物を用いる。この第2
次組成物の生成工程が第1工程である。次に、砕石等の
骨材を床状に敷設して予め被填充体を形成しておき、こ
の被填充体に上記の第2次組成物を流し込み、骨材の相
互間の間隙を填充させる(第2工程)。次いで、冷却に
より第2次組成物を硬化させ、硬化した第2次組成物
(以下、「硬化物」という。)と骨材とにより上記の構
造物を形成させる(第3工程)。
して具体的に説明する。なお、以下の各実施例は例示で
あり、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
上記各実施形態のアスファルト系組成物について、実際
に実験を行ったものの例を以下に示す。
度120)を用い、このストレートアスファルトの重量
に対し57.0重量%のガソリンを添加し、アスファル
ト系素材の粘度を一時的に低下させて常温で液状の第1
次組成物を生成した。次に、この第1次組成物に、常温
において3.0重量%の発泡剤を混合させて常温で液状
の第2次組成物を生成した。発泡剤としては、永和化成
工業株式会社製の発泡剤「エクセラーAK#2」を使用
した。この発泡剤「エクセラーAK#2」には、N,
N’ジニトロソペンタメチレンテトラミンと、アゾジカ
ルボンアミドが含まれている。また、第2次組成物を生
成するにあたり、第1次組成物の重量に対し1.0重量
%のシリコーン系粘着剤を混合した。シリコーン系粘着
剤としては、GE東芝シリコーン株式会社製の「シリコ
ーンPSA6574」を使用した。このシリコーン系粘
着剤「シリコーンPSA6574」には、付加型液状シ
リコーンゴムが含まれている。また、第2次組成物にあ
たり、第1次組成物の重量に対し0.5重量%のシラン
カップリング剤を混合した。シランカップリング剤とし
ては、GE東芝シリコーン株式会社製の「XR31−B
1410」を使用した。以下、このようにして生成した
本実施例の第2次組成物を「TDプライマー」という。
例(アスファルト乳剤)について、道路舗装の目地のプ
ライマーとして用いた場合の剥離抵抗性能試験を行い、
その効果を検証した。
し、目地材の剥離抵抗性を試験することを目的とした。
このため、アスファルト舗装道路の状態を再現した下地
材としてアスファルトコンクリート板(密粒度13、寸
法:300×300×50mm)を用いた。以下、これ
を「アスコン板」という。また、コンクリート舗装を再
現した下地材としてセメントコンクリート板(寸法:3
00×300×50mm)を用いた。以下、これを「セ
メコン板」という。
板、セメコン板のそれぞれについて、 第1供試体…プライマーをまったく塗布しないもの 第2供試体…比較例(アスファルト乳剤)をプライマー
として塗布したもの 第3供試体…実施例(TDプライマー)をプライマーと
して塗布したもの を作製した。
ファルト乳剤)の塗布量は、アスコン板、セメコン板の
いずれについても、1m2当り0.4kgとした。ま
た、実施例のプライマー(TDプライマー)の塗布量
は、アスコン板については、1m 2当り0.17kgと
し、セメコン板については、1m2当り0.26kgと
した。
ー(アスファルト乳剤)を塗布した後、約4時間経過さ
せ、自然乾燥させた。また、第3供試体については、実
施例のプライマー(TDプライマー)を塗布した後、5
分間自然乾燥させた。その後、第1供試体については、
下地材の上に直接に、また第2、3供試体については各
プライマーの上に、250°Cの加熱ブローンアスファ
ルト系の目地材を5mmの厚さで流し込み、常温下で2
日間養生させて硬化させた。
エポキシ樹脂を塗布し、その上に金属製の治具(寸法:
40×40mm)を載せて接着した。次に、金属製治具
の外周に切り目を入れて供試体とした。第1供試体(プ
ライマーの無いもの)についても同様にして作製した。
供試体の断面構造を図2に示す。図2において、Pは引
張加重である。
と、剥離状態の観察を行った。引張強度試験は、恒温室
内で、温度を0°C、20°C、30°C、40°Cの
4段階とし、建研式引張試験機(建設省建築研究所で開
発された引張試験機)を用いて治具に引張力を与え、目
地材等が剥離するまでの強度を測定した。
着面での剥離率を求めた。この剥離率は、全体の剥離面
積をS1とし、目地材と下地材の接着面における剥離面
積をS2としたとき、下式 剥離率(%)=(S2/S1)×100 により算出した。
図3は、アスコン板供試体の場合の恒温室内温度0°C
と20°Cにおける引張強度値である。図3から、0°
Cと20°Cにおいては、プライマーの有無にかかわら
ず、各供試体は同様の引張強度値を示すことがわかっ
た。
と20°Cの場合は、目視観察すると、プライマーと目
地材の接着面での剥離は発生しておらず、治具と目地材
との境界(エポキシ樹脂)での破壊や、目地材の内部で
の破壊が観察された。したがって、プライマーと目地材
の接着面での実際の剥離抵抗(引張強度)は、図3の値
よりも大きいと推定される。恒温室内温度が30°Cと
40°Cの場合は、引張強度が小さく、引張試験機の測
定限界以下であった。
恒温室内温度20°C〜40°Cにおける目地材接着面
での剥離率と温度の関係を示すグラフである。この場合
には、実施例のプライマー(TDプライマー)を塗布し
たもの(図4における1点鎖線)が最も目地材接着面で
の剥離率が小さく、下地材への接着効果が大きいことが
わかった。
恒温室内温度0°Cと20°Cにおける引張強度値を示
している。下地材がセメコン板の場合は、恒温室内温度
が0°Cでは、実施例のプライマー(TDプライマー)
の場合も比較例のプライマー(アスファルト乳剤)の場
合も、プライマー無しの場合よりも約2倍の引張強度を
有することがわかり、プライマーの効果を確認すること
ができた。また、恒温室内温度が20°Cの場合は、プ
ライマーの有無にかかわらず、各供試体は同様の引張強
度値を示すことがわかった。
と20°Cの場合も、目視観察すると、プライマーと目
地材の接着面での剥離は発生しておらず、治具と目地材
との境界(エポキシ樹脂)での破壊や、目地材の内部で
の破壊が観察された。したがって、この場合も、プライ
マーと目地材の接着面での実際の剥離抵抗(引張強度)
は、図5の値よりも大きいと推定される。恒温室内温度
が30°Cと40°Cの場合は、引張強度が小さく、引
張試験機の測定限界以下であった。
恒温室内温度20°C〜40°Cにおける目地材接着面
での剥離率と温度の関係を示すグラフである。この場合
も、実施例のプライマー(TDプライマー)を塗布した
もの(図6における1点鎖線)が最も目地材接着面での
剥離率が小さく、下地材への接着効果が大きいことがわ
かった。
メコン板供試体の恒温室内温度0°Cの場合の引張強度
値からもわかるように、下地材と目地材との接着を行う
ためには、プライマーを用いることが効果的であること
が確認できた。また、目地材接着面での剥離率の値から
わかるように、実施例のプライマー(TDプライマー)
の方が、比較例のプライマー(アスファルト乳剤)より
も、目地材接着面での剥離抵抗性にすぐれていることが
確認できた。さらに、実施例のプライマー(TDプライ
マー)は、5分間の乾燥時間でも良好なプライマー効果
を発揮でき、現場での施工性も非常にすぐれていること
が確認できた。
してストレートアスファルトを用い、このストレートア
スファルトに、57重量%の揮発性のガソリン(石油精
製留分)を添加し、アスファルト系素材の粘度を一時的
に低下させて常温で液状の第1次組成物を生成した。し
かし、添加する石油精製留分の比率は、57重量%に限
定されるものではない。他の実験等により、添加する石
油精製留分の比率は、20〜70重量%の範囲であれ
ば、アスファルト系素材の粘度を一時的に低下させて常
温で液状の第1次組成物を生成することができることが
確認されている。
に、常温において3.0重量%の発泡剤(N,N’ジニ
トロソペンタメチレンテトラミンと、アゾジカルボンア
ミドが含む)を混合させて常温で液状の第2次組成物を
生成した。しかし、混合する発泡剤の比率は、3.0重
量%に限定されるものではない。他の実験等により、混
合する発泡剤の比率は、0.5〜30重量%の範囲であ
れば、第2次組成物を加熱することにより微小な気泡を
発生させることができることが確認されている。
成物を生成し、その後、第1次組成物に発泡剤を混合さ
せて第2次組成物を生成した。しかし、第2次組成物の
生成方法は、この方法に限定されるものではない。他の
実験等により、アスファルト系素材に、20〜70重量
%の石油精製留分と、0.5〜30重量%の発泡剤を同
時に添加してアスファルト系素材の粘度を一時的に低下
させ常温で液状の中間組成物を生成した場合でも、この
中間組成物を加熱することにより微小な気泡を発生させ
ることができることが確認されている。この中間組成物
は、実施例の方法における第2次組成物に相当するもの
である。
系素材としてストレートアスファルトを用いている。し
かし、アスファルト系素材は、ストレートアスファルト
に限定されるものではない。他の実験等により、アスフ
ァルトの代用品となるアスファルト代替用組成物を用い
ても、上記の実施例の場合と同様な性質を有するアスフ
ァルト系組成物を生成することができることが確認され
ている。このアスファルト代替用組成物としては、特開
平4−100862号公報に記載されているものが挙げ
られる。上記公報に記載されているアスファルト代替用
組成物は、下記の組成を有している。各成分の具体的内
容は、上記の実施形態で説明した通りである。 石油系溶剤抽出油 50〜70重量%、 石油系又は石炭系若しくは天然系樹脂 25〜45重量%、 ゴム系素材 0.5〜5.0重量%、 ナフテン酸 0.3〜4.0重量%
精製留部としてガソリンを用いている。しかし、揮発性
の石油精製留部は、ガソリンに限定されるものではな
い。他の実験等により、灯油(ケロシン)を用いても、
上記の実施例の場合と同様な性質を有するアスファルト
系組成物を生成することができることが確認されてい
る。また、灯油以外の物質、例えば、トルエン、キシレ
ン等の石油ナフサ系の有機溶剤も使用可能であること
が、他の実験等により確認されている。揮発性の石油精
製留分の働きは、アスファルト系素材を溶解させる点に
あると考えられるから、アスファルト系素材への添加比
率は、上記した比率(アスファルト系素材の重量に対し
て約20〜70重量%)がそのまま適用できると考えら
れる。
マーに限定されるものではない。他の実験等により、第
1次組成物としてカットバックアスファルトを用いて
も、上記の実施例の場合と同様な性質を有するアスファ
ルト系組成物を生成することができることが確認されて
いる。カットバックアスファルトは、ストレートアスフ
ァルトに、ガソリンや灯油(ケロシン)等の揮発性の石
油精製留分を添加したものだからである。この場合の石
油精製留分の添加率は、上記の率(ストレートアスファ
ルトの重量に対して約20〜70重量%)がそのまま適
用できると考えられる。
に、第1次組成物の重量に対し1.0重量%のシリコー
ン系粘着剤(付加型液状シリコーンゴムを含む)を混合
するとともに、第1次組成物の重量に対し0.5重量%
のシランカップリング剤を混合した。しかし、これら
は、本発明のアスファルト系組成物の必須の混合成分で
はない。他の実験等により、シリコーン系粘着剤とシラ
ンカップリング剤の両方をまったく混合しない場合であ
っても、本発明のアスファルト系組成物の基本的な顕著
な効果、すなわち、第2次組成物を加熱することにより
微小な気泡が発生するという効果は十分発揮されること
が確認されている。
明のアスファルト系組成物を用いて道路舗装の補修を行
う場合に、寒冷地における凍結により、第2次組成物が
舗装の亀裂の内壁から剥離すること、又は第2次組成物
がアスファルト系舗装材料から剥離することを防止する
作用(以下、「寒冷地での凍結剥離防止作用」とい
う。)を補助する点にある。この作用は、シリコーン系
粘着剤だけでなく、上述した付加型液状シリコーンゴム
を含む物質を混合することによっても発揮されること
が、他の実験等により確認されている。さらに、これら
以外にも、上述した油性物質混合することによっても同
様の作用が発揮されることが、他の実験等により確認さ
れている。また、油性物質又は付加型液状シリコーンゴ
ムの混合率も、上記した実施例のプライマーの例(第1
次組成物の重量に対し1.0重量%)に限定されるもの
ではない。他の実験等により、混合する油性物質又は付
加型液状シリコーンゴムの比率は、0.5〜40重量%
の範囲であれば、上記した寒冷地での凍結剥離防止作用
を発揮できることが確認されている。
は、本発明のアスファルト系組成物を用いて道路舗装の
補修を行う場合に、第2次組成物が前記舗装の亀裂の周
囲の舗装骨材とアスファルト系組成物を接合接着させる
作用(以下、「接合接着作用」という。)を補助する点
にある。この作用は、実施例で用いたもの以外のシラン
カップリング剤を混合することによっても発揮されるこ
とが、他の実験等により確認されている。他のシランカ
ップリング剤の成分は、上述の通りである。また、シラ
ンカップリング剤の混合率も、上記した実施例のプライ
マーの例(第1次組成物の重量に対し0.5重量%)に
限定されるものではない。他の実験等により、混合する
シランカップリング剤の比率は、0.1〜10重量%の
範囲であれば、上記した接合接着作用を発揮できること
が確認されている。
例に限定されるものではない。上記各実施形態及び実施
例は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載され
た技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用
効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の
技術的範囲に包含される。
アスファルト系素材に、揮発性の石油精製留分を添加
し、このアスファルト系素材の粘度を一時的に低下させ
て常温で液状の第1次組成物を生成し、次いで第1次組
成物に常温において発泡剤を混合させて常温で液状の第
2次組成物を生成し、この第2次組成物を用い、第2次
組成物を加熱することにより微小な気泡を発生させるよ
うにしたので、接着剤として利用する場合には、所要の
接着力を発揮し、舗装の亀裂を補修する場合に好適であ
る。また、骨材を床状に敷設して予め形成した被填充体
に第2次組成物を流し込み骨材の相互間の間隙を填充さ
せることにより、強固な床状の構造物を迅速に構築する
ことができ、骨材からなる床状の構造物の沈下を有効に
防止することができ、かつ工事費用も低廉な価格に抑え
ることができる。
物による舗装補修方法の内容を説明する概念図である。
抗性試験の供試体の断面図である。
抗性試験の結果を説明するグラフであり、アスコン板供
試体の場合の温度0°Cと20°Cにおける引張強度値
である。
抗性試験の結果を説明するグラフであり、アスコン板供
試体の場合の温度20°C〜40°Cにおける目地材接
着面での剥離率と温度の関係を示すグラフである。
抗性試験の結果を説明するグラフであり、セメコン板供
試体の場合の温度0°Cと20°Cにおける引張強度値
である。
抗性試験の結果を説明するグラフであり、セメコン板供
試体の場合の温度20°C〜40°Cにおける目地材接
着面での剥離率と温度の関係を示すグラフである。
Claims (14)
- 【請求項1】 アスファルト系素材に、20〜70重量
%の揮発性の石油精製留分を添加し、前記アスファルト
系素材の粘度を一時的に低下させて常温で液状の第1次
組成物を生成し、次いで前記第1次組成物に常温におい
て0.5〜30重量%の発泡剤を混合させて常温で液状
の第2次組成物を生成し、前記第2次組成物を加熱する
ことにより微小な気泡を発生させることを特徴とするア
スファルト系組成物。 - 【請求項2】 アスファルト系素材に、20〜70重量
%の揮発性の石油精製留分と、0.5〜30重量%の発
泡剤を同時に添加して前記アスファルト系素材の粘度を
一時的に低下させ常温で液状の中間組成物を生成し、前
記中間組成物を加熱することにより微小な気泡を発生さ
せることを特徴とするアスファルト系組成物。 - 【請求項3】 請求項1記載のアスファルト系組成物に
おいて、 前記アスファルト系素材は、ストレートアスファルトで
あることを特徴とするアスファルト系組成物。 - 【請求項4】 請求項1記載のアスファルト系組成物に
おいて、 前記アスファルト系素材は、 石油系溶剤抽出油を50〜70重量%、 石油系又は石炭系若しくは天然系樹脂を25〜45重量
%、 ゴム系素材を0.5〜5.0重量%、 ナフテン酸を0.3〜4.0重量%含むことを特徴とす
るアスファルト系組成物。 - 【請求項5】 請求項4記載のアスファルト系組成物に
おいて、 前記ゴム系素材は、熱可塑性ゴム、又はエチレン酢酸ビ
ニル共重合樹脂を含むことを特徴とするアスファルト系
組成物。 - 【請求項6】 請求項1記載のアスファルト系組成物に
おいて、 前記揮発性の石油精製留分は、ガソリン又は灯油である
ことを特徴とするアスファルト系組成物。 - 【請求項7】 請求項1記載のアスファルト系組成物に
おいて、 前記第1次組成物は、カットバックアスファルトである
ことを特徴とするアスファルト系組成物。 - 【請求項8】 請求項1記載のアスファルト系組成物に
おいて、 前記発泡剤は、N,N’ジニトロソペンタメチレンテト
ラミンと、アゾジカルボンアミドを含むことを特徴とす
るアスファルト系組成物。 - 【請求項9】 アスファルト系素材に、20〜70重量
%の揮発性の石油精製留分を添加し、前記アスファルト
系素材の粘度を一時的に低下させて常温で液状の第1次
組成物を生成し、次いで前記第1次組成物に常温におい
て0.5〜30重量%の発泡剤を混合させて常温で液状
の第2次組成物を生成し、前記第2次組成物を加熱して
微小な気泡を発生させ、接着性を阻害する溶剤成分を前
記気泡とともに外部に排出させることにより、所要の接
着力を発揮することを特徴とするアスファルト系接着
剤。 - 【請求項10】 アスファルト系素材に、20〜70重
量%の揮発性の石油精製留分を添加し、前記アスファル
ト系素材の粘度を一時的に低下させて常温で液状の第1
次組成物を生成し、次いで前記第1次組成物に常温にお
いて0.5〜30重量%の発泡剤を混合させて常温で液
状の第2次組成物を生成し、前記第2次組成物をアスフ
ァルト混合物又はコンクリートからなる舗装の亀裂の内
部に注入し、次いで前記亀裂内に注入された第2次組成
物の上方から加熱されたアスファルト系舗装材料を注入
又は敷設し、前記アスファルト系舗装材料の熱により前
記第2次組成物を加熱して微小な気泡を発生させ、前記
第2次組成物の接着性を阻害する溶剤成分を前記気泡と
ともに外部に排出させて前記第2次組成物に所要の接着
力を発揮させ、前記第2次組成物を前記舗装の亀裂の内
壁に接着させるとともに、前記第2次組成物を前記アス
ファルト系舗装材料に接着させ、前記第2次組成物と前
記アスファルト系舗装材料を硬化させることにより、前
記舗装の亀裂を補修することを特徴とするアスファルト
系組成物による舗装補修方法。 - 【請求項11】 請求項10記載のアスファルト系組成
物による舗装補修方法において、 前記気泡が前記アスファルト系舗装材料の表面に到達し
たときに、前記アスファルト系舗装材料の表面に粒子状
部材を散布することにより、前記気泡の近傍又は内部に
前記粒子状部材が接着され、前記アスファルト系舗装材
料の表面を粗面とすることにより、硬化後のアスファル
ト系舗装材料と車輪タイヤとの間の摩擦係数を増加させ
ることを特徴とするアスファルト系組成物による舗装補
修方法。 - 【請求項12】 請求項10記載のアスファルト系組成
物による舗装補修方法において、 前記第2次組成物は、前記第1次組成物に常温において
0.5〜30重量%の発泡剤を混合させるとともに、
0.5〜40重量%の油性物質又は付加型液状シリコー
ンゴムを混合させることによって生成され、寒冷地にお
ける凍結により、前記第2次組成物が前記舗装の亀裂の
内壁から剥離すること、又は前記第2次組成物が前記ア
スファルト系舗装材料から剥離することを防止すること
を特徴とするアスファルト系組成物による舗装補修方
法。 - 【請求項13】 請求項10記載のアスファルト系組成
物による舗装補修方法において、 前記第2次組成物は、前記第1次組成物に常温において
0.5〜30重量%の発泡剤を混合させるとともに、
0.1〜10重量%のシランカップリング剤を混合させ
ることによって生成され、前記第2次組成物が前記舗装
の亀裂の周囲の舗装骨材とアスファルト系組成物を接合
接着させることを特徴とするアスファルト系組成物によ
る舗装補修方法。 - 【請求項14】 アスファルト系素材に、20〜70重
量%の揮発性の石油精製留分を添加し、前記アスファル
ト系素材の粘度を一時的に低下させて常温で液状の第1
次組成物を生成し、次いで前記第1次組成物に常温にお
いて0.5〜30重量%の発泡剤を混合させて常温で液
状の第2次組成物を生成する第1工程と、 次いで、骨材を床状に敷設して予め形成した被填充体に
前記第2次組成物を流し込み前記骨材の相互間の間隙を
填充させる第2工程と、 次いで、冷却により前記第2次組成物を硬化させ、硬化
した前記第2次組成物である硬化物と前記骨材とによ
り、鉄道における道床部、道路における舗装、港湾構造
物における床状部、空港構造物における床状部、埋立地
における床状部、建築物における床状部、又は農業用構
造物における床状部のうちのいずれか又はこれらの適宜
の組み合わせである構造物を形成させる第3工程を有す
ることを特徴とするアスファルト系組成物を用いた構造
物の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000171453A JP3799216B2 (ja) | 2000-06-08 | 2000-06-08 | アスファルト系組成物、アスファルト系接着剤、アスファルト系組成物による舗装補修方法、及びアスファルト系組成物を用いた構造物の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000171453A JP3799216B2 (ja) | 2000-06-08 | 2000-06-08 | アスファルト系組成物、アスファルト系接着剤、アスファルト系組成物による舗装補修方法、及びアスファルト系組成物を用いた構造物の施工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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