JP2001342499A - ハロゲン化芳香族化合物が付着した部材用の洗浄剤組成物及び該洗浄剤組成物を用いた洗浄処理方法 - Google Patents

ハロゲン化芳香族化合物が付着した部材用の洗浄剤組成物及び該洗浄剤組成物を用いた洗浄処理方法

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JP2001342499A
JP2001342499A JP2000164483A JP2000164483A JP2001342499A JP 2001342499 A JP2001342499 A JP 2001342499A JP 2000164483 A JP2000164483 A JP 2000164483A JP 2000164483 A JP2000164483 A JP 2000164483A JP 2001342499 A JP2001342499 A JP 2001342499A
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Tatsuro Amano
達郎 天野
Toshiyoshi Tojun
敏孔 戸潤
Hiroshi Wada
寛 和田
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Neos Co Ltd
Mitsui and Co Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
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Tokyo Electric Power Co Inc
Neos Co Ltd
Mitsui and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリ塩化ビフェニール等のハロゲン化芳香族化
合物が付着した部材の洗浄において、洗浄性に優れ、且
つ該化合物の分解処理に影響の少ない洗浄剤組成物及び
洗浄処理方法の提供を目的とする。 【解決手段】沸点が、非プロトン性極性溶剤の沸点より
5℃以上離れ、且つ化学抽出分解法の反応温度より高い
沸点を有する飽和炭化水素系溶剤を含有することを特徴
とする、ハロゲン化芳香族化合物が付着した部材用の洗
浄剤組成物及び洗浄処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビフェニ
ール(以降、PCBと略す)等のハロゲン化芳香族化合
物が付着したトランス,コンデンサ等の部材用の洗浄剤
組成物及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PCB等のハロゲン化芳香族化合物は、
優れた電気絶縁特性を有するものであるため、過去にお
いてトランス、コンデンサ等の電気絶縁体として広く利
用されていた。また、熱媒体、感圧紙(登録商標)など
としても広く利用されていた。しかしながら、PCB等
のハロゲン化芳香族化合物はその強い毒性のため、現
在、法律によりその製造、輸入、使用が厳しく規制され
ている。
【0003】このようなPCB等のハロゲン化芳香族化
合物の処理については、PCBの処分基準に関する通知
(昭和51・3・17環水企38・環整18)による
と、PCB等の有機ハロゲン化芳香族化合物が付着した
トランス、コンデンサの部材、例えば鋼、銅、アルミ、
紙、木等の洗浄処理において、トリクロルエチレン、テ
トラクロルエチレン又はこれらと同等以上の洗浄力を有
する洗浄液で処理することを定めている。しかしなが
ら、トリクロルエチレンやテトラクロルエチレン等の塩
素系有機溶剤は、発ガン性等の疑いがあるとする第2種
特定化学物質であり、かつ地下水汚染の問題等も発生し
ており、完全密閉系による使用以外は取り扱いが困難な
状況となってきている。また、オゾン層への影響を及ぼ
すため環境的にも問題がある。
【0004】また、n−ヘキサンは、塩素等を含有しな
い、ハロゲン化芳香族化合物汚染物の洗浄剤として知ら
れているが、引火点が−26℃と非常に低く発火性の危
険が大であり、実験室規模の用途以外においては使用が
困難であるという問題がある。
【0005】本発明者等は、長年ハロゲン化芳香族化合
物の化学抽出分解法を研究し、ハロゲン化芳香族化合物
を、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたはス
ルフォラン等の非プロトン性極性溶剤中で、アルカリ処
理することにより、ハロゲン化芳香族化合物を分解する
知見を報告している(特開平6−25691号公報、特
開平7−8572号公報、特開平7−289656号公
報、特開平9−253602号公報)。しかしながら、
ハロゲン化芳香族化合物を電気絶縁体として含有するト
ランス等を洗浄する場合には、洗浄剤が前記アルカリ処
理に悪影響を与えるという問題があった。例えば、特開
平11−106792号公報にはβ−オキシエチルメチ
ルエーテルと酢酸n−ブチルを混合した洗浄剤が提案さ
れているが、洗浄後の洗浄液を前記の化学抽出分解法に
よる分解処理に供した場合には、該洗浄剤自身が反応
し、アルカリ処理を阻害する結果となる。
【0006】また、ハロゲン化芳香族化合物の分解処理
後の廃液については、ハロゲン化芳香族化合物の濃度を
測定し、法令等に従った管理が必要となる。その際、ハ
ロゲン化芳香族化合物の分析には、簡易測定方法として
GC−ECD(電子捕獲型検出器ガスクロマトグラフ)
が有効であることが知られている。化学抽出分解法にて
処理された廃液に洗浄剤が含まれることは当然想定され
るが、GC−ECD測定に際しても測定に悪影響のない
洗浄剤の登場が望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PCB等の
ハロゲン化芳香族化合物が付着した部材の洗浄におい
て、洗浄性に優れ、且つ該化合物の分解処理に影響の少
ない洗浄剤組成物及び洗浄処理方法の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、本発明の
洗浄剤組成物を用いることにより、PCB等のハロゲン
化芳香族化合物が付着した部材等の洗浄性に優れ、かつ
化学抽出分解法による分解処理に影響が少ない洗浄液が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記の洗浄剤組成物及び
洗浄方法を提供するものである。 項1.沸点が、非プロトン性極性溶剤の沸点より5℃以
上離れ、且つ化学抽出分解法の反応温度より高い沸点を
有する飽和炭化水素系溶剤を含有することを特徴とす
る、ハロゲン化芳香族化合物が付着した部材用の洗浄剤
組成物。 項2.非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤が205℃以
上且つ1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点
より5℃以上低い沸点を有するパラフィン系溶剤又はナ
フテン系溶剤である項1に記載の洗浄剤組成物。 項3.非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤がn−ドデカ
ン又はC12〜C13のイソパラフィンである項1に記載の洗
浄剤組成物。 項4.非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤が213℃以
上215℃以下の沸点を有するナフテン系溶剤である項
1に記載の洗浄剤組成物。 項5.非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤が1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノンの沸点より5℃以上高く
且つ270℃未満の沸点を有するパラフィン系溶剤又は
ナフテン系溶剤である項1に記載の洗浄剤組成物。 項6.非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤がn−テトラ
デカン又はC14〜C15のイソパラフィンである項1に記載
の洗浄剤組成物。 項7.非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤が240℃以
上250℃以下の沸点を有するナフテン系溶剤である項
1に記載の洗浄剤組成物。 項8.項1〜7に記載の洗浄剤組成物を用いて、部材に
付着したハロゲン化芳香族化合物を溶解させた後、化学
抽出分解法によるハロゲン化芳香族化合物の分解処理を
行うハロゲン化芳香族化合物が付着した部材の洗浄処理
方法。
【0010】
【発明の実施の形態】化学抽出分解法は、例えば特開平
7−8572号公報及び特開平6−25691号公報に
開示されている。
【0011】反応温度は、処理される飽和炭化水素系溶
剤、非プロトン性極性溶剤、ハロゲン化芳香族化合物の
沸点等によって適宜選択され、PCB等のハロゲン化芳
香族化合物、飽和炭化水素系溶剤及び非プロトン性極性
溶剤の沸点のいずれか一番小さい温度未満である。通
常、PCB等のハロゲン化芳香族化合物の沸点(約30
0℃)は、飽和炭化水素系溶剤又は非プロトン性極性溶
剤の沸点より高いため、反応温度の上限は、飽和炭化水
素系溶剤又は非プロトン性極性溶剤の沸点のどちらか低
い方の温度未満である。反応温度の下限は、反応を阻害
しない限り特に制限されないが、反応性を考慮すると1
00℃以上であることが好ましい。
【0012】通常、飽和炭化水素に比べ、化学抽出分解
法に用いられる非プロトン性極性溶剤の方が高価である
ため、連続してハロゲン化芳香族化合物の分解処理を行
う場合に、分解処理後の反応液から非プロトン性極性溶
剤を回収し再利用することは、経済的に有利である。反
応液から非プロトン性極性溶剤の回収する方法として
は、特に制限されないが、一般的には蒸留処理が用いら
れる。
【0013】反応液中の非プロトン性極性溶剤を蒸留に
より回収する場合に、非プロトン性極性溶剤とともに反
応液中に存在する飽和炭化水素系溶剤の沸点が、非プロ
トン性極性溶剤の沸点近傍であると、蒸留による非プロ
トン性極性溶剤の回収率が低下するため望ましくない。
回収率を考慮すると、飽和炭化水素系溶剤の沸点は、非
プロトン性極性溶剤の沸点から5℃以上離れていること
が望ましい。
【0014】例えば、非プロトン性極性溶剤として、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを使用した場
合には、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸
点より5℃以上高い沸点を有する飽和炭化水素系溶剤と
して、n−テトラデカン、C14〜C15のイソパラフィ
ン、沸点が1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの
沸点より5℃以上高く且つ270℃未満であるナフテン
系溶剤(特に沸点が240〜250℃のナフテン系溶
剤)等が好ましく使用される。また、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノンの沸点より5℃以上低い沸点を
有する飽和炭化水素系溶剤として、n−ドデカン、C12
〜C13のイソパラフィン、沸点が205℃以上且つ1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点より5℃以
上低いナフテン系溶剤(特に沸点が213〜215℃の
ナフテン系溶剤)、等が好ましく使用される。
【0015】本発明において、非プロトン性極性溶剤と
しては、ハロゲン化芳香族化合物を非芳香族炭化水素か
ら抽出できるものであれば特に限定されない。好ましく
は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフ
ォラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ト
リメチレングリコール、ブチレングリコール及びこれら
の低級アルキルエーテルからなる群から選択される少な
くとも1種である。より好ましくは、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン、スルフォラン及びこれらの混
合物である。さらに好ましくは、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノンである。なお、低級とは、炭素数1
〜5をいう。
【0016】アルカリ物質は、反応に悪影響を及ぼさな
い限り特に制限されない。好ましくは、苛性ソーダ、苛
性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシ
ド及び水酸化カルシウムからなる群から選択された少な
くとも1種である。
【0017】反応時間は、溶剤の種類、反応温度、ハロ
ゲン化芳香族化合物の種類・濃度、アルカリ物質の種類
・濃度等に応じて適宜選択される。例えば、PCBの場
合には、処理条件にもよるが、数分〜6時間程度で、法
律に定められた定量検出限界(0.5ppm)以下に分
解することが可能である。
【0018】本発明の洗浄剤組成物は、PCB等のハロ
ゲン化芳香族化合物が付着した部材の洗浄に適してい
る。特に、PCB等のハロゲン化芳香族化合物が付着し
たトランス、コンデンサ等の洗浄に適している。
【0019】ハロゲン化芳香族化合物としては、特に制
限されないが、トランス、コンデンサ等に付着したもの
が挙げられる。好ましいのはPCBである。
【0020】本発明の洗浄処理方法は、本発明の洗浄剤
組成物にハロゲン化芳香族化合物が付着したトランス、
コンデンサ等を接触させハロゲン化芳香族化合物を抽出
することによって洗浄し、抽出液を非プロトン性極性溶
剤に、アルカリ物質の存在下で接触させることによっ
て、ハロゲン化芳香族化合物を分解する。
【0021】本発明の洗浄剤組成物によるトランス、コ
ンデンサ等の洗浄方法としては、浸漬、撹拌、循環、揺
動、超音波、シャワー等の洗浄方法が可能である。好ま
しい洗浄方法は、洗浄対象物の素材(材質)、大きさ、
形状、汚染物の性状等に応じて適宜選択される。トラン
ス等の洗浄では、大きさや形状もまちまちであり、洗浄
対象物の素材も多岐にわたっている。このため、そのま
ま洗浄できる場合もあるし、適時、状況に応じて、解
体、破砕、分別等の処理を行った後、洗浄できる場合も
ある。
【0022】ハロゲン化芳香族化合物を抽出した本発明
の処理剤組成物に、アルカリ条件下で非プロトン性極性
溶剤に接触させる方法としては、特に限定されないが、
混合等が使用される。反応時間、温度等は前記の通りで
あり、使用されるアルカリ物質は前記の通りである。
【0023】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物及び処理方法によ
れば、ハロゲン化芳香族化合物が付着した部材を洗浄性
に優れ、ハロゲン化芳香族化合物の分解が可能であり、
非プロトン性極性溶剤の再利用が可能である。また、ハ
ロゲン化芳香族化合物の含有量を測定に使用されるGC
−ECD(電子捕獲形検出器ガスクロマトグラフ)等に
悪影響を及ぼさない。従って、本発明の洗浄剤組成物
は、PCB等のハロゲン化芳香族化合物が付着したトラ
ンス,コンデンサ等の容器及び部材等の洗浄性に優れ、
かつ化学抽出分解法による分解処理に影響の少ない洗浄
剤である。該洗浄剤組成物を用いることにより、環境に
影響のあるトリクロルエチレンやテトラクロルエチレン
等の塩素系有機溶剤を使用する必要がなくなり、かつ化
学抽出分解法による分解処理と組み合わせることによ
り、ハロゲン化芳香族化合物及びそれにより汚染された
部材全てを処理することが可能となる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。
【0025】PCB含有絶縁油付着部材洗浄試験(洗浄
試験1) 実施例1 n−ドデカンを主成分とする炭化水素系混合溶剤を洗浄
溶剤として、PCB含有絶縁油(PCB含有量約1,0
00ppm)を用いて超音波洗浄試験を実施した。テス
トピースとしては、トランス中に含まれる接着絶縁紙
(50mm×50mm)を2枚ずつ使用し、PCB含有
絶縁油に一昼夜浸漬後、浸漬超音波洗浄試験を実施し
た。洗浄は、室温で最大20分とした。洗浄液中及び部
材に含まれるPCB含有量の測定には、GC−ECDを
用い、初期PCB付着量から超音波洗浄時間に対する洗
浄除去率を算出した。試験結果を図1に示す。
【0026】実施例2 n−ドデカンを主成分とする炭化水素系混合溶剤に代え
て、沸点が213〜215℃であるナフテン系溶剤を使
用した以外は実施例1と同様に算出した。試験結果を図
1に示す。
【0027】実施例3 n−ドデカンを主成分とする炭化水素系混合溶剤に代え
て、n−テトラデカンを主成分とする炭化水素系混合溶
剤を使用した以外は実施例1と同様に算出した。試験結
果を図2に示す。
【0028】実施例4 n−ドデカンを主成分とする炭化水素系混合溶液に代え
て、沸点が240〜250℃であるナフテン系溶剤を使
用した以外は実施例1と同様に算出した。試験結果を図
2に示す。
【0029】比較例1 n−ドデカンを主成分とする炭化水素系混合溶剤に代え
て、トリクロロエチレン(特級)を使用した以外は実施
例1と同様に算出した。試験結果を図1及び2に示す。
【0030】比較例2 n−ドデカンを主成分とする炭化水素系混合溶剤に代え
て、テトラクロロエチレン(特級)を使用した以外は実
施例1と同様に算出した。試験結果を図1及び2に示
す。
【0031】高濃度PCB付着部材の洗浄試験(洗浄試
験2) 実施例5 実施例1又は2の洗浄溶剤を用い、PCB含有絶縁油に
代えて、カネクロールKC−300(鐘淵化学工業株式
会社製:コンデンサ等に広く用いられた3塩素化物を中
心としたPCB)又はカネクロールKC−1000(鐘
淵化学工業株式会社製:大型トランス等に広く用いられ
た5塩素化物を中心としたPCBであるカネクロールK
C−500と3塩素化ベンゼンとの混合物であり、PC
B含有量は約70重量%)を用い、超音波洗浄時間を最
大60分とした以外は、洗浄試験1と同様とした。実施
例1及び2で使用された洗浄溶剤は、高濃度PCBであ
るKC−300及びKC−1000に対しても優れた洗
浄能力を有することが確認された。KC−300の試験
結果を図3に、KC−1000の試験結果を図4に示
す。
【0032】実施例6 実施例1又は2の洗浄溶剤に代えて実施例3又は4の洗
浄溶剤を用いた以外は、実施例5と同様に試験した。K
C−300の試験結果を図5に、KC−1000の試験
結果を図6に示す。
【0033】化学抽出分解法への影響確認 実施例7 KC−300の化学抽出分解処理において、実施例1、
2、3又は4の洗浄溶剤が混入した場合を想定して影響
確認試験を行った。分解処理条件は、KC−300を1
0g、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを90
g、KOHを38g、洗浄溶剤(実施例1、2、3又は
4)を10g混合した反応系で、処理温度200℃,処
理時間6時間で行なった。分解処理後の残存総PCB濃
度の測定には、高分解能GC−MSを用いて行なった。
その結果、実施例1、2、3又は4で使用された洗浄溶
剤が混入しても、残存総PCB濃度は高分解能GC−M
Sの検出限界以下(50ppb以下)となり、該洗浄溶
剤がハロゲン化芳香族化合物の分解処理に悪影響を与え
ないことが確認された。
【0034】実施例8 KC−300をKC−1000に代えた以外は実施例7
と同様にした。その結果、実施例1、2、3又は4で使
用された洗浄溶剤が混入しても、残存総PCB濃度は高
分解能GC−MSの検出限界以下(50ppb以下)と
なり、該洗浄溶剤がハロゲン化芳香族化合物の分解処理
に悪影響を与えないことが確認された。
【0035】GC−ECD測定への阻害性 PCB等のハロゲン化芳香族化合物を定量する分析手法
(前処理として発煙硫酸を用いる方法、参考文献;「絶
縁油中低塩素化PCB迅速分析手法の確立」,環境と測
定技術,Vol.25, No.7 (1998))を用いて、実施例1、
2、3又は4のGC−ECD測定を行なった。その結
果、特異的なピークは検出されず、PCBの微量分析を
行う際に阻害のないことが確認された。なお、分析条件
は次のとおりである。 ガスクロマトグラフィー:日立263−30 カラム:OV−17(2m) 温度条件:220℃(3塩素化物定量時)及び180℃
(1又は2塩素化物定量時) 前処理:上記参考文献に記載されている発煙硫酸を用い
る方法
【0036】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、PCB等のハ
ロゲン化芳香族化合物が付着したトランス、コンデンサ
等の容器及び部材等の洗浄性に優れ、かつ化学抽出分解
法による分解処理に影響の少ない洗浄剤である。該洗浄
剤組成物を用いることにより、環境に影響のあるトリク
ロルエチレンやテトラクロルエチレン等の塩素系有機溶
剤を使用する必要がなくなり、かつ化学抽出分解法によ
る分解処理と組み合わせることにより、ハロゲン化芳香
族化合物及びそれにより汚染された部材全てを処理する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2及び比較例1、2のPCB含有絶
縁油付着部材洗浄試験の結果を示すグラフである。
【図2】実施例3、4及び比較例1、2のPCB含有絶
縁油付着部材洗浄試験の結果を示すグラフである。
【図3】実施例1又は2で使用された洗浄溶剤のKC−
300に対する洗浄効果を示すグラフである。
【図4】実施例1又は2で使用された洗浄溶剤のKC−
1000に対する洗浄効果を示すグラフである。
【図5】実施例3又は4で使用された洗浄溶剤のKC−
300に対する洗浄効果を示すグラフである。
【図6】実施例3又は4で使用された洗浄溶剤のKC−
1000に対する洗浄効果を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 天野 達郎 東京都千代田区大手町1丁目2番1号 三 井物産株式会社内 (72)発明者 戸潤 敏孔 神奈川県横浜市鶴見区江ケ崎町4番1号 東京電力株式会社エネルギー・環境研究所 内 (72)発明者 和田 寛 滋賀県甲賀郡甲西町大池町1番1 株式会 社ネオス内 Fターム(参考) 2E191 BA13 BC05 BD11 3B201 AA46 AB01 BB01 BB95 CD22 4H003 DA15 DB01 DC04 ED03 FA45

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸点が、非プロトン性極性溶剤の沸点より
    5℃以上離れ、且つ化学抽出分解法の反応温度より高い
    沸点を有する飽和炭化水素系溶剤を含有することを特徴
    とする、ハロゲン化芳香族化合物が付着した部材用の洗
    浄剤組成物。
  2. 【請求項2】非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル
    −2−イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤が20
    5℃以上且つ1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
    の沸点より5℃以上低い沸点を有するパラフィン系溶剤
    又はナフテン系溶剤である請求項1に記載の洗浄剤組成
    物。
  3. 【請求項3】非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル
    −2−イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤がn−
    ドデカン又はC12〜C13のイソパラフィンである請求項1
    に記載の洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル
    −2−イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤が21
    3℃以上215℃以下の沸点を有するナフテン系溶剤で
    ある請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル
    −2−イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤が1,
    3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点より5℃以
    上高く且つ270℃未満の沸点を有するパラフィン系溶
    剤又はナフテン系溶剤である請求項1に記載の洗浄剤組
    成物。
  6. 【請求項6】非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル
    −2−イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤がn−
    テトラデカン又はC14〜C15のイソパラフィンである請求
    項1に記載の洗浄剤組成物。
  7. 【請求項7】非プロトン性極性溶剤が1,3−ジメチル
    −2−イミダゾリジノンで、飽和炭化水素系溶剤が24
    0℃以上250℃以下の沸点を有するナフテン系溶剤で
    ある請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7に記載の洗浄剤組成物を用い
    て、部材に付着したハロゲン化芳香族化合物を溶解させ
    た後、化学抽出分解法によるハロゲン化芳香族化合物の
    分解処理を行うハロゲン化芳香族化合物が付着した部材
    の洗浄処理方法。
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