JP2001335471A - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JP2001335471A
JP2001335471A JP2000151724A JP2000151724A JP2001335471A JP 2001335471 A JP2001335471 A JP 2001335471A JP 2000151724 A JP2000151724 A JP 2000151724A JP 2000151724 A JP2000151724 A JP 2000151724A JP 2001335471 A JP2001335471 A JP 2001335471A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離シートの剥離作業と貼付剤の患部への貼
付作業とを同時に行う場合に、剥離シートの剥離が容易
であり短時間できれいに且つ確実に患部に貼着すること
ができ、一方、非使用時には剥離シートがめくれること
なく確実に粘着剤層が保護されている貼付剤を提供する
こと。 【解決手段】 支持体と、該支持体上に積層された粘着
剤層と、該粘着剤層の全面に貼着された剥離シートと、
を備えた貼付剤であって、前記剥離シートの剛軟度が2
0〜100mm、引張り強度が5〜30N/cm、伸び
率が250〜750%であり、前記剥離シートと前記粘
着剤層と間の180度剥離力が0.03〜0.4N/4
0mmであり、且つ前記剥離シートに所定の間隔をもっ
て形成された切れ目部を有することを特徴とする貼付
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貼付剤に関するもの
であり、より詳しくは、剥離シートを有する貼付剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢化社会が進む一方で事務の合
理化による各種コンピュータの使用頻度が増加し、その
結果、腰、肩、膝、肘等に痛みを訴える人が増加する傾
向にある。そして、これらの対症療法としてパップ剤や
硬膏剤等の貼付剤が広く利用されている。
【0003】従来より、貼付剤としては、支持体上に薬
物を含有する粘着剤層が積層され、さらに粘着剤層を保
護するための剥離シートが粘着剤層の全面に貼着されて
いるものが一般的である。このような構成を有する貼付
剤は隅部を爪等で探って剥離シートを剥がした後患部に
貼着されるが、剥離シートが剥がれにくく、剥離作業に
多くの時間を浪費したり剥離作業中に貼付剤がよじれて
絡み付いて使用できなくなる等の問題点を有している。
【0004】そこで、剥離シートの剥離性を改善して貼
付剤の利便性を向上させるために様々な試みがなされて
おり、その一つとして、剥離シートの所定の部分に設け
られた切断部または切れ目部から剥離シートがめくれる
ようにし、露出した粘着剤層を患部にあてながら剥離シ
ートを剥がすことによって剥離シートの剥離作業と貼付
剤の貼着作業とを同時に行うことが可能な貼付剤が提案
されている。
【0005】特開平10−265372号公報には、剥
離シートに連続切込み線を設け、剥離シートの剛軟度を
70〜150mm、剥離シートと粘着剤層との180度
剥離力を1〜10g/15mmとすることによって剥離
シートの剥離性が向上した貼付剤が開示されている。し
かしながら、上記の貼付剤のように剥離シートに連続切
込み線を設けると確かに剥離シートの剥離性は向上する
が、貼付剤の非使用時にも剥離シートが切断部からめく
れて粘着剤層が露出しやすくなり、粘着剤層の露出部か
ら薬効成分が揮発して使用時に十分な薬効効果が得られ
ないという欠点がある。
【0006】また、特開平8−112305号公報に
は、剥離シートに所定の間隔をもって形成された切れ目
部と、該切れ目部の両端に形成されたエンボス加工部
と、を備えた貼付剤が開示されている。しかしながら、
上記の貼付剤であっても、貼付剤の絡み付きやシワが生
じることなく短時間でよりきれいに且つ確実に患部に貼
着するための剥離シートの剥離性と、非使用時に角部等
がめくれたりすることなく粘着剤層を保護するための剥
離シートの剥離防止性と、を十分にバランスよく満足す
るには未だ十分なものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の有する課題に鑑みてなされたものであり、剥離シート
の剥離作業と貼付剤の患部への貼着作業とを同時に行う
場合に剥離シートの剥離が容易であり短時間できれいに
且つ確実に患部に貼着することができ、一方、非使用時
には剥離シートがめくれることなく確実に粘着剤層が保
護されている貼付剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、剥離シートの剛軟
度、引張り強度、伸び率、及び剥離シートと粘着剤層と
の間の剥離力が一定条件を満足し、且つ剥離シートに所
定の間隔をもって切れ目部を有する貼付剤が、使用時に
おける剥離シートの剥離性と非使用時における剥離シー
トの剥離防止性という相反する特性を十分にバランスよ
く満足することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の貼付剤は、支持体と、
該支持体上に積層された粘着剤層と、該粘着剤層の全面
に貼着された剥離シートと、を備えた貼付剤であって、
前記剥離シートの剛軟度が20〜100mm、引張り強
度が5〜30N/cm、伸び率が250〜750%であ
り、前記剥離シートと前記粘着剤層と間の180度剥離
力が0.03〜0.4N/40mmであり、且つ前記剥
離シートに所定の間隔をもって形成された切れ目部と互
いに隣接する切れ目部の間に形成された連結部とを有す
ることを特徴とするものである。
【0010】本発明によれば、剥離シートの剛軟度を2
0〜100mm、引張り強度を5〜30N/cm、伸び
率を250〜750%、前記剥離シートと粘着剤層と間
の180度剥離力を0.03〜0.4N/40mmと
し、且つ前記剥離シートに所定の間隔をもって切れ目部
を設けることによって、貼付剤の使用時における剥離シ
ートの剥離性と非使用時における剥離シートの剥離防止
性という相反する特性が十分にバランスよく達成され
る。したがって、剥離シートの剥離作業と貼付剤の患部
への貼着作業とを同時に行う場合に剥離シートを容易に
剥がして短時間できれいに且つ確実に患部に貼着するこ
とができ、一方、非使用時には剥離シートがめくれるこ
となく粘着剤層を保護することができる。
【0011】なお、ここでいう剛軟度とは、JIS L
1085に規定されるカンチレバー法により測定され
る値[mm]をいう。
【0012】また、本発明にかかる引張り強度及び伸び
率とは、それぞれJIS Z 1702に準ずる方法に
より、幅10mmの短冊状の試験片を用い、つかみ幅5
0mm、引張り速度300mm/minで試験片を引っ
張り、破断したときの荷重[N/cm]及び伸び率
[%]をいう。
【0013】さらに、本発明にかかる180度剥離力と
は、JIS C 2107に準ずる方法により、レオメ
ーターを用いて、剥離後の剥離シートと貼付剤とのなす
角が180度となるように、つかみ幅40mm、引っ張
り速度300mm/minの条件で貼付剤から剥離シー
トを剥離させたときの荷重[N/40mm]をいう。
【0014】本発明の貼付剤においては、互いに隣接す
る切れ目部の間に形成された連結部の長さ(a)と切れ
目部の長さ(b)との比がa:b=1:8〜1:25で
あることが好ましい。連結部の長さと切れ目部の長さと
の比が前記の範囲内であると、非使用時における剥離シ
ートの分断及びその結果生じる粘着剤層の露出を十分に
抑制しながら、使用時における剥離シートの分断及び剥
離の容易性がより高められる傾向にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、場合により図面を参照しつ
つ本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0016】図1は本発明の貼付剤の好適な一実施形態
を示す斜視図であり、図2はその要部断面図である。貼
付剤1は支持体2と、支持体2上に積層された粘着剤層
3と、粘着剤層3の全面に貼着された剥離シート4と、
からなるものである。そして、本発明の貼付剤1におい
ては、剥離シート4の剛軟度が20〜100mm、引張
り強度が5〜30N/cm、伸び率が250〜750
%、剥離シート4と粘着剤層3との間の180度剥離力
が0.03〜0.4N/40mmであり、且つ剥離シー
ト4には所定の間隔をもって、すなわち連結部6を介し
て切れ目部5が設けられている。
【0017】本発明にかかる剥離シートの剛軟度は、前
述の通り20〜100mmであり、好ましくは30〜7
0mmである。剥離シートの剛軟度が20mm未満であ
ると貼付剤を貼着する際に剥離シートが支持体をしっか
りと保持することができなくなり、貼付剤がよじれて絡
み付いたり貼着後の貼付剤にシワが寄ったりするように
なる。他方、剥離シートの剛軟度が100mmを超える
と剥離シートが硬くなり、その結果、貼付剤を短時間で
きれい且つ容易に貼着しにくくなる。
【0018】また、本発明にかかる剥離シートの引張り
強度は、前述の通り5〜30N/cmであり、好ましく
は10〜25N/cmである。剥離シートの引張り強度
が小さくなるにしたがって剥離シートの分断が容易とな
る傾向にあるが、前記下限値未満であると貼付剤の製造
時や貼付剤を取り出す場合等に加えられる微小の外力に
よっても剥離シートが分断してしまい、貼付剤の絡み付
きや分断部分からの薬効成分の揮発の原因となる。他
方、剥離シートの引張り強度が前記上限値を超えると剥
離シートの分断に強い力を要し、貼付剤を貼着する際の
使用感や作業効率が悪くなる。
【0019】さらに、本発明にかかる剥離シートの伸び
率は、前述の通り250〜750%であり、好ましくは
300〜600%である。剥離シートの伸び率が小さく
なるにしたがって剥離シートの分断が容易となる傾向に
あるが、250%未満であると貼付剤の製造時や貼付剤
を包装袋から取り出す場合等に加えられる微小の外力に
よっても剥離シートが分断してしまい、貼付剤の絡み付
きや分断部分からの薬効成分の揮発の原因となる。他
方、剥離シートの伸び率が750%を超えると剥離シー
トが十分に伸びているにもかかわらず剥離シートが分断
されにくくなり、貼付剤を貼着する際の使用感や作業効
率が悪くなる。
【0020】さらにまた、本発明にかかる剥離シートと
粘着剤層との間の180度剥離力は、前述の通り0.0
3〜0.4N/40mmであり、好ましくは0.05〜
0.3N/40mmである。剥離シートと粘着剤層との
間の180度剥離力が前記下限値未満であると貼付剤の
製造時や保管時に剥離シートが剥がれやすくなり、貼付
剤の絡み付きや剥離部分からの薬効成分の揮発の原因と
なる。他方、180度剥離力が前記上限値を超えると剥
離シートが貼付剤から剥がれにくくなり、貼付剤を貼着
する際の使用感や作業効率が低下し、また貼付剤が絡み
付いたりシワが寄りやすくなったりしてきれいに貼着し
にくくなる。
【0021】本発明に使用される剥離シートとしては、
剛軟度、引張り強度及び伸び率が上記の条件を全て満足
し、粘着剤層を確実に保護することが可能なものである
限り特に制限はないが、具体的には、無延伸ポリプロプ
レン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ
エチレンテルフタレート(PET)、ポリブチレンテレ
フタレート(PBT)、ポリエチレン、ポリエステル、
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のプラ
スチックフィルム、合成樹脂、合成紙、合成繊維等をシ
リコン加工したシリコン加工紙;アルミ箔、クラフト紙
にポリエチレン等をラミネート加工したラミネート加工
紙、等の加工紙を無色のままあるいは所望の色に着色し
て用いることができる。ここで、かかる剥離シートの厚
みは好ましくは10μm〜75μm、より好ましくは1
2μm〜40μm、更に好ましくは15μm〜35μm
である。剥離シートの厚みが10μm未満であると、剥
離の際には剥離シートが滑って摘みにくく、また剥離シ
ートが粘着剤層に絡み付いたりして使用感が低下する傾
向にあり、加えて、製造時には、剥離シートが容易に分
断されたり剥離シートに皺が寄ったりして作業性が低下
する傾向にある。他方、剥離シートの厚みが75μmを
超えると、剥離シート剥離シートを摘まみやすくなるも
のの、分断が困難になる傾向にあり、加えて、製造時に
原反シートを切断することが困難になり、作業性が低下
する傾向にある。
【0022】本発明に使用される剥離シートは、図1及
び図2に示すように所定の間隔をもって形成された切れ
目部5と、隣接する2つの切れ目部5と5の間に形成さ
れた連結部6と、を有するものである。ここで、切れ目
部5の長さ(a)と連結部の長さ6(b)との比は好ま
しくはa:b=1:5〜1:25、より好ましくは1:
8〜1:25、さらに好ましくはa:b=1:8〜1:
20、最も好ましくは1:8〜1:15である。切れ目
部5の長さ(b)が連結部6の長さ(a)の5倍未満で
あると、貼付剤を貼着する際には剥離シートが分断しに
くく使用感が悪くなり、また、貼付剤の製造時には原反
シートの切断が困難となって作業効率が低下する傾向に
ある。他方、切れ目部5の長さ(b)が連結部6の長さ
(a)の25倍を超えると、貼付剤の製造時あるいは保
管時において剥離シートが分断されやすくなり、剥離シ
ートが分断部分からめくれて貼付剤の絡み付きが発生し
たり分断部分から薬効成分が揮発して貼付剤の薬効効果
が低下したりする傾向にある。
【0023】また、本発明にかかる切れ目部5の設けら
れる位置に特に制限はないが、例えば剥離シート4の略
中央部あるいはその周辺部において剥離シート4を横切
るように設けることができる。切れ目部5の形状として
は図1及び図2に示す直線状の他、S字状、波形状、鋸
刃状等が挙げられ、特に切れ目部がS字状、波形状又は
鋸刃状であると、所定の間隔をもって形成された突出片
を摘んで剥離シートを貼付剤からスムーズに剥がすこと
ができ、貼着時の利便性が向上するので好ましい。
【0024】さらに、図1及び図2には示していない
が、本発明においては剥離シート4の全面又は表面の一
部にエンボス加工部を設けることが好ましい。エンボス
加工の施された剥離シートを用いると、剥離シートの分
断、剥離作業において手が滑りにくくなるので、作業効
率がより高くなる傾向にある。なお、エンボス加工部の
形状は、滑りにくく手で摘みやすいものである限り特に
制限はないが、具体的には格子状、丸形状、角形状、星
形状等が挙げられる。また、剥離シート表面の一部にエ
ンボス加工を施す場合、その位置に特に制限はないが、
例えば切れ目部の両端部から幅10〜20mmの部分の
ように剥離シートを分断する際に手で摘みやすい箇所に
エンボス加工部を設けることによって、手を滑らせるこ
となくより確実に剥離シートを分断することができる。
また、後述するように、剥離シートを分断すると剥離シ
ートが切れ目部からめくれ上がるので、切れ目部近傍に
エンボス加工部を設けることによって分断後にめくれ上
がった剥離シートをより確実にはがすことが可能とな
る。なお、剥離シートの分断方法を明確にするために、
剥離シート表面の切れ目部を挟む両側に矢印等の図形や
文字、記号等を印刷した表示部を設けることも可能であ
る。
【0025】本発明に使用される支持体としては織布、
編布、不織布、不織紙、又はこれらの積層体等の伸縮性
又は非伸縮性のものが挙げられ、その材料としては、
紙、綿、***、黄麻等の靭皮繊維、マニラ麻等の葉脈繊
維等のセルロース繊維;羊毛等の獣毛繊維、絹繊維、羽
毛繊維等の天然繊維;レーヨン、キュプラ等の再生セル
ロース繊維、再生タンパク繊維等の再生繊維;酢酸セル
ロース繊維、プロミックス等の半合成繊維;ナイロンア
ラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエ
ステル繊維、アクリル繊維等、ポリエチレンやポリプロ
ピレン等のポリオレフィン繊維;ポリビニルアルコール
繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、
ポリウレタン繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリテト
ラフルオロエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズビ
スチアゾール(PBT)繊維、ポリイミド繊維、等を使
用することができる。これらの支持体は、厚さ、伸び、
引張り強度、作業性等の物理的性質や貼着時の感触、患
部の密閉性、薬物の支持体への移行性等を考慮して適宜
選択されるが、所定の伸縮性を有する支持体、より具体
的にはJIS L 1096の方法に準拠して測定され
た伸縮率が縦及び/又は横方向に10〜300%である
支持体を用いることが好ましい。このような支持体を用
いると、支持体と剥離シートとの伸び率の差によって、
支持体とともに剥離シートを引張るだけで剥離シートの
分断及び粘着剤層からの剥離を容易に行うことができ
る。他方、非伸縮性の支持体を用いる場合にも、剥離シ
ートと粘着剤層の滑りを利用して剥離シートを分断・剥
離することができ、貼着時の利便性が向上するので好ま
しい。
【0026】上記の支持体の中でも、ポリエステル繊維
の不繊布は薬効成分への影響が少ないという点で特に好
ましく用いられ、目付が好ましくは30〜150g/m
2、更に好ましくは35〜120g/cm2、特に好まし
くは40〜100g/m2のものが用いられる。また、
支持体を構成する糸の太さは0.1〜2デニールのもの
が好ましく用いられる。糸の太さが前記の範囲内であれ
ば、肘、膝、顔面等の動きが大きく皮膚の伸縮が激しい
場所に貼着する場合であっても貼付剤が剥がれにくく使
用感が向上する傾向にある。
【0027】また、本発明に使用される支持体の厚み
は、支持体が繊布、編布、ポリエステル以外の不繊布、
又は不繊紙である場合は0.3〜3mmであることが好
ましく、ポリエステル不繊布を用いる場合は1±0.5
mmであることが好ましい。
【0028】本発明において上記の支持体上に積層され
る粘着剤層としては、薬物を常温で長時間皮膚表面に固
定し得る粘着力を有し、且つ軟化して膏体が皮膚に付
着、残存しない程度に凝集性を有するものが好ましく、
水、増粘剤、湿潤剤、充填剤やその他必要に応じて架橋
剤、重合剤、溶解補助剤、吸収促進剤、薬効補助剤、安
定化剤、抗酸化剤、乳化剤、薬剤等が添加される。
【0029】本発明にかかる膏体に使用する増粘剤とし
ては、水分30〜80質量%を安定に保持でき、かつ保
水性を有することが好ましい。具体例としては、グァー
ガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン
酸、アルギン酸ナトリウム、寒天、アラビアガム、トラ
ガカントガム、カラヤガム、ペクチン、澱粉等の植物
系、ザンサンガム、アカシアガム等の微生物系、ゼラチ
ン、コラーゲン等の動物系等の天然高分子、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム系のセルロース系、可溶性デンプ
ン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン
等のデンプン系等の半合成高分子、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタクリレート
等のビニル系、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリ
ウム等のアクリル系、その他ポリエチレンオキサイド、
メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体等の合
成高分子等の水溶性高分子等が好適に用いられる。特
に、このような増粘剤としては、ゲル強度が強く且つ保
水性が優れるポリアクリル酸ナトリウムが好ましく用い
られ、さらに平均重合度が20000〜70000のポ
リアクリル酸ナトリウムが好ましく用いられる。平均重
合度が20000より小さくなるにつれ乏しくなり十分
なゲル強度が得られなくなる傾向があり、また平均重合
度が70000より大きくなるにつれ増粘効果が強すぎ
作業性が低下する傾向にあり、何れも好ましくない。ま
た、前記水溶性高分子のうちの2種類以上を併用するこ
とにより、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムの強イオ
ン高分子との間に高分子コンプレックスを形成し、より
一層ゲル強度の大きい弾性ゲルを得ることができる。
【0030】本発明にかかる膏体に使用する湿潤剤とし
ては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトー
ル等の多価アルコールが挙げられ、充填剤としては、カ
オリン、酸化亜鉛、タルク、チタン、ベンナイト、珪酸
アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、メタ珪酸アルミ
ニウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等が挙げら
れる。
【0031】また、溶解補助剤又は吸収促進剤として、
炭酸プロピレン、クロタミトン、l−メントール、ハッ
カ油、リモネン、ジイソプロピルアジペート等や、薬効
補助剤として、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコー
ル、l−メントール、チモール、ハッカ油、リモネン、
ノニル酸ワニリルアミド、トウガラシエキス等を本発明
にかかる膏体に添加してもよい。更に必要に応じて、本
発明にかかる膏体に安定化剤や抗酸化剤、乳化剤等を添
加してもよい。
【0032】その他必要に応じて、本発明にかかる膏体
に架橋剤や重合剤等を添加し、膏体(粘着剤)を強固に
するとともに保水性を持たせることができる。このよう
な架橋剤や重合剤は、増粘剤等の種類に応じて適宜選択
できる。例えば、増粘剤にポリアクリル酸又はポリアク
リル酸塩を適用した場合は、分子中に少なくとも2個の
エポキシ基を有する化合物、Ca、Mg、Al等の塩酸
塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の無機酸塩、クエン酸
塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、ステアリン酸塩等の有機
酸塩、酸化亜鉛、無水珪酸等の酸化物、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物等の多価金属化
合物が好適に用いられる。また、増粘剤にポリビニルア
ルコールを適用した場合は、アジピン酸、チオグリコー
ル酸、エポキシ化合物(エピクロルヒドリン)、アルデ
ヒド類、N−メチロール化合物、Al、Ti、Zr、S
n、V、Cu、B、Cr等の化合物等の錯化物等が好適
に用いられる。また、増粘剤にポリピロリドンを適用し
た場合は、メチルビニルエステル/無水マレイン酸共重
合体、ポリアシッド化合物又はアルカリ金属塩(ポリア
クリル酸やタンニン酸及びその誘導体)等が好適に用い
られる。また、増粘剤にポリエチレンオキサイドを適用
した場合は、パーオキサイド、ポリスルホンアザイド等
が好適に用いられる。また、増粘剤にメチルビニルエー
テル/無水マレイン酸共重合体を適用した場合は、多官
能ヒドロキシ化合物、ポリアミン、ヨウ素、ゼラチン、
ポリビニルピロリドン、鉄、水銀、鉛塩等が好適に用い
られる。また、増粘剤にゼラチンを適用した場合は、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジアルデヒドデ
ンプン等のアルデヒド類、グリオキサール、ブタジエン
オキシド等のジエポキシド類、ジビニルケトン等のジケ
トン類、ジイソシアネート類が好適に用いられる。
【0033】本発明の貼付剤に薬剤を保持させる場合に
は、前記の粘着剤層に薬剤を配合すればよい。このよう
な薬剤としては、例えば、全身麻酔剤、睡眠、鎮痛剤、
解熱消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン剤、興奮・覚醒
剤、精神神経用剤、局所麻酔剤、骨格筋弛緩剤、自立神
経用剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、強心剤、不
整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張
剤、カルシウム拮抗剤、抗殺菌剤、寄生性皮膚疾患用
剤、皮膚軟化剤、抗生物質、解毒剤、鎮咳剤、鎮痒剤、
催眠剤、精神活力剤、ぜんそく剤、ホルモン分泌促進
剤、抗潰瘍剤、制癌剤、ビタミン剤等が挙げられ、これ
らの薬剤にはサリチル酸メチル、サリチル酸グリコー
ル、l−メントール、トウガラシエキス、ノニル酸ワニ
リルアミド、ハッカ油、ジクロフェナック、イブプロフ
ェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ロキソプロフ
ェン、スリンダク、トルメチン、ロベンザリット、ペニ
シラミン、フェンプフェン、フルルビプロフェン、スプ
ロフェン、フェルビナク、ケトロラク、オキサプロジ
ン、エトドラク、ザルトプロフェン、テニダップ、ピロ
キシカム、ペンタゾシン、塩酸ブプレノルフィン、酒石
酸ブトルファノール等の非ステロイド系抗炎症薬;プレ
ドニゾロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、ベタ
メタゾン、フルオシニド、フルオシノロンアセトニド、
吉草酸酢酸プレドニゾロン、ジプロピオン酸デキサメタ
ゾン、吉草酸ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、
吉草酸ベタメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸クロ
ベタゾン、酪酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾ
ン、コハク酸デキサメタゾン、プレドニゾロン21−
(2E、6E)ファルネシート、吉草酸ヒドロコルチゾ
ン、酢酸ジフロラゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、
ジプロピオン酸ベタメタゾン、アムシノド、吉草酸デキ
サメタゾン、ハルシノニド、ブテソニド、プロピオン酸
アルクロメタゾン等のステロイド系抗炎症薬、等の薬物
が有効成分として含有される。ここで、上記の薬物は必
要に応じて2種類以上を併用してもよく、また、エステ
ル体、アセタール体、アミド体等の誘導体、あるいは医
学的に許容される無機塩、有機塩の形態で使用してもよ
い。さらに、本発明の貼付剤に使用される薬物の量はあ
らかじめ設定された有効量を患部に適用できるように適
宜選択される。また、貼付剤には、上記の薬物の他に美
白成分、美肌成分等を配合させることも可能である。
【0034】本発明の貼付剤をパップ剤に適用する場合
の粘着剤層の好適な一例として、以下の組成: 増粘剤:20〜50質量%(より好ましくは10〜15
質量%) 湿潤剤:5〜40質量% 充填剤:0〜20質量% 水:10〜80質量% 溶解補助剤:0〜8質量% 薬剤:0〜5質量%(好ましくは0.5〜5質量%) を有するものが挙げられる。粘着剤層の組成が前記の範
囲内であると、皮膚密着性が良い;有効成分の皮膚吸収
性が高い;水分が可及的に多く含有される;常温又はそ
の付近の温度においてだれない;貼付剤を剥がすときに
痛みを感じない;貼付剤を剥がした後の患部に汚れが残
ったりべとついたりしない、といった特性が非常に高水
準をもって達成される傾向にある。
【0035】また、本発明の貼付剤を硬膏剤等に適用す
る場合、この基材としては、アクリル系共重合体、A−
B−A型ブロック共重合体、脂環族系石油樹脂、軟化剤
を有するものが好適に用いられる。さらに、A−B型ブ
ロック共重合体やその他ポリブテンゴム、ブチルゴム、
シリコーンゴム、天然ゴム、スチレンーブタジエンコポ
リマー、NBRポリイソブチレン、ポリアルキアクリレ
ート、合成イソプレン等の熱可塑性弾性剤等や、テルペ
ン系樹脂、石油系樹脂、ロジン、水添ロジン、ロジン・
水添ロジンエステル等の粘着付与剤、流動パラフィン、
オリーブ油、大豆油、牛脂、トン脂等の動植物油、ポリ
ブデン、液状ポリイソブチレン、低級イソプレン、ワッ
クス等の接着力・保持力調整剤、酸化チタン、酸化亜
鉛、メタケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、リン酸
カルシウム等の充填剤が配合される。A−B−A型ブロ
ック共重合体やA−B型ブロック共重合体としては、モ
ノビニル置換芳香属化合物Aと共役ジオレフィン共重合
体Bとのブロック共重合体が好適に用いられ、その配合
量は粘着剤組成物中10〜40質量%であり、好ましく
は15〜30質量%である。前記ブロック共重合体の配
合比が前記の範囲内であれば、薬効成分の相溶性や投錨
力、粘着力が向上するとともに油状成分による凝集力を
改善することができるが、かかる範囲から外れるにした
がって、これらの効果が低下する傾向がある。
【0036】なお、本発明の貼付剤において支持体上に
積層する粘着剤層の厚み(塗工厚)は、0.1mm〜3
mmが好ましい。粘着剤層の厚みが3mmを超えると膏
体に含まれる薬剤の放出性が悪くなる傾向にあり、他
方、0.1mm未満では皮膚への接着性が劣り、剥がれ
の原因となる傾向にある。
【0037】また、本発明の貼付剤における支持体と粘
着剤層とを含む厚さは、0.5mm〜5mmが好まし
い。支持体と粘着剤層とを含む厚さが5mmを超えると
貼着時に衣類等に貼付剤の端が引っかかり、剥がれやす
くなる傾向にあり、他方、0.5mm未満では貼付剤に
支持性がなくなり、貼付剤が絡み付いたりシワが寄った
りして短時間できれい且つ容易に貼着することが困難と
なる傾向にある。
【0038】さらに、本発明の貼付剤においては、その
角が円弧状に切断されていることが好ましい。剥離シー
トを剥がした後の貼付剤は、一旦一部がめくれ、剥がれ
てしまうと、その部分に皮膚の角層やほこりが付着し、
再度貼着することは難しい。特に、パップ剤の形状が長
方形である場合は、角が衣類等に引っかかり真っ先にめ
くれ、剥がれやすい傾向にある。そこで、パップ剤の角
を円弧状にし、衣類等に引っかかりにくくすることが好
ましく、それによって剥離の発生がより十分に防止され
る傾向にある。
【0039】さらにまた、本発明の貼付剤においてその
角を円弧状にする場合、円弧は曲率半径(R)が5mm
〜20mmであることが好ましい。この半径(R)が5
mm未満の場合は、貼着時の剥がれの低減が十分に達成
されない傾向にあり、他方、20mmを超えている場合
は、角から剥がれ落ちる現象の発生は防止されるものの
製造時のムダが多く製造コストが高くなり、実益に乏し
い傾向にある。
【0040】なお、従来の貼付剤においては、その角を
円弧状にすることによって剥離防止効果が得られる一方
で剥離シートの剥がれにくさも増大するという欠点があ
ったが、本発明の貼付剤においては、前述の通り使用時
における剥離シートの剥離性と非使用時における剥離シ
ートの剥離防止性という相反する特性が十分にバランス
よく満足されることから、剥離シートを切れ目部分にお
いて分断、剥離することが容易であり、しかも本発明の
貼付剤が本来的に有する剥離防止性と角が円弧状となっ
ていることによる剥がれにくさとが相俟って、剥離防止
効果を相乗的に向上せしめることが可能となる。
【0041】以上のような構成を有する本発明の貼付剤
について、以下にその使用方法の一例を説明する。図3
は図1に示す貼付剤の剥離シートを分断する作業を示す
説明図であり、図4は図1に示す貼付剤を患部に貼着す
る作業を示す説明図である。先ず、図3に示すように、
貼付剤1の両端を摘み、支持体2と共に剥離シート4を
引っ張り切れ目部5を少し折り曲げることによって、剥
離シート4を切れ目部5に沿って左右に分断することが
できる。分断された剥離シート4は、切れ目部5の部分
を少し折り曲げるだけで剥離シートの弾性によって分断
された部分からめくれ上がり、粘着剤層3が露出する。
次に、図4に示すように、この露出された粘着剤層3を
患部にあてながら、めくれた剥離シート4の各片を左右
に引っ張り剥がすことによって、剥離シート4の剥離作
業と患部への貼付剤1の貼着作業とが同時に行われる。
このように、本発明の貼付剤を用いることによって、絡
み付いたりシワが寄ったりすることなく短時間できれい
に且つ容易に患部に貼着することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明の
内容をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例
に何ら限定されるものではない。
【0043】実施例1 以下の手順に従って、図1に示す貼付剤を作製した。
【0044】支持体として伸縮性を有するポリエステル
不繊布(目付:100g/m2、糸の太さ:1デニー
ル)を使用した。また、増粘剤としてポリアクリル酸ナ
トリウム5質量%、ポリビニルアルコール2質量%、カ
オリン2質量%、グリセリン10質量%、水酸化アルミ
ニウム0.5質量%、薬物としてケトプロフェン0.5
質量%、水80質量%をそれぞれ配合し、混合したもの
を膏体として使用した。そして、この支持体上に膏体を
展延して粘着剤層を作製した。
【0045】次に、剥離シートとして無延伸ポリプロピ
レン(厚さ:30μm、剛軟度:20mm、引張り強
度:5N/cm、伸び率:280%)を使用した。この
剥離シートを上記の粘着剤層の全面に貼着し、剥離シー
トの略中央部に連結部の長さ(a)と切れ目部の長さ
(a)との比がa:b=1:8となるように直線状の切
れ目部を設けて目的の貼付剤(長辺:14cm、短辺:
10cm)を得た。得られた貼付剤の剥離シートと粘着
剤層との間の180度剥離力は0.15N/40mmで
あった。
【0046】実施例2 実施例1で使用した剥離シートの代わりに無延伸ポリプ
ロピレンからなる剥離シート(厚さ:50μm、剛軟
度:50mm、引張り強度:22N/cm、伸び率:7
30%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼
付剤を作製した。得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤
層との間の180度剥離力は0.05N/40mmであ
った。
【0047】実施例3 実施例1で使用した剥離シートの代わりにポリエチレン
(PE)からなる剥離シート(厚さ:40μm、剛軟
度:60mm、引張り強度:14.7N/cm、伸び
率:410%)を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て、貼付剤を作製した。得られた貼付剤の剥離シートと
粘着剤層との間の180度剥離力は0.3N/40mm
であった。
【0048】実施例4 実施例1で使用した剥離シートの代わりにポリエチレン
からなる剥離シート(厚さ:50μm、剛軟度:80m
m、引張り強度:26N/cm、伸び率:600%)を
用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製
した。得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の
180度剥離力は0.4N/40mmであった。
【0049】実施例5 実施例1で使用した剥離シートの代わりに無延伸ポリプ
ロピレンからなる剥離シート(厚さ:100μm、剛軟
度:100mm、引張り強度:30N/cm、伸び率:
310%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、
貼付剤を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シー
トと粘着剤層との間の180度剥離力は0.3N/40
mmであった。
【0050】実施例6 剥離シートの連結部の長さ(a)と切れ目部の長さ
(b)との比がa:b=1:5となるように切れ目部を
設けたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製
した。
【0051】実施例7 剥離シートの連結部の長さ(a)と切れ目部の長さ
(b)との比がa:b=1:15となるように切れ目部
を設けたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作
製した。
【0052】比較例1 実施例1で使用した剥離シートの代わりに無延伸ポリプ
ロピレンからなる剥離シート(厚さ:20μm、剛軟
度:15mm、引張り強度:4N/cm、伸び率:24
0%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付
剤を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと
粘着剤層との間の180度剥離力は0.1N/40mm
であった。
【0053】比較例2 実施例1で使用した剥離シートの代わりにポリエチレン
からなる剥離シート(厚さ:80μm、剛軟度:120
mm、引張り強度:43N/cm、伸び率:310%)
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作
製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤
層との間の180度剥離力は0.3N/40mmであっ
た。
【0054】比較例3 実施例1で使用した剥離シートの代わりに延伸ポリプロ
ピレンからなる剥離シート(厚さ:50μm、剛軟度:
80mm、引張り強度:35N/cm、伸び率:150
%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤
を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと粘
着剤層との間の180度剥離力は0.05N/40mm
であった。
【0055】比較例4 実施例1で使用した剥離シートの代わりに延伸ポリプロ
ピレンからなる剥離シート(厚さ:30μm、剛軟度:
50mm、引張り強度:15N/cm、伸び率:130
%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤
を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと粘
着剤層との間の180度剥離力は0.5N/40mmで
あった。
【0056】比較例5 実施例1で使用した剥離シートの代わりにシリコン処理
した延伸プロピレンからなる剥離シート(厚さ:40μ
m、剛軟度:45mm、引張り強度:26N/cm、伸
び率:420%)を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、貼付剤を作製した。得られた得られた貼付剤の剥
離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.01
N/40mmであった。
【0057】このようにして得られた貼付剤を用いて以
下に示す官能評価試験を実施した。
【0058】試験例1 実施例1〜5及び比較例1〜5の各貼付剤について、健
康な成人男女20名が被検者となり、各被検者が各貼付
剤を左右に引っ張り剥離シートを分断、剥離し、貼付部
位(膝)に貼着する際の使用感を以下の基準: 5:非常に剥がしやすい 4:剥がしやすい 3:比較的剥がしやすい 2:剥がしにくい 1:非常に剥がしにくい に基づいて評価した。各貼付剤について得られた評点の
平均値を表1に示す。
【0059】剥離シートの剛軟度、引張り強度、伸び
率、及び剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力
が全て上記の本発明の条件を満足する実施例1〜5の貼
付剤はいずれも切れ目部以外の箇所において剥離シート
がめくれることなく剥離シートを容易に分断、剥離する
ことができ、貼着時における使用感が良好であることが
確認された。
【0060】一方、比較例1〜5の貼付剤を用いた場合
は良好な使用感を得ることができなかった。具体的に
は、比較例1の貼付剤の場合は剥離シートが軟らかいた
めに貼付剤を支持することが困難であり、貼着時におけ
る貼付剤の絡み付きやシワが発生しやすかった。比較例
2の貼付剤の場合は剥離シートが分断されにくく、また
剥離シートが硬いために貼付部分に沿ってスムーズに貼
着することが困難であった。比較例3の貼付剤の場合は
剥離シートの分断に非常に強い力を要した。比較例4の
貼付剤の場合は剥離シートが剥がれにくく、貼着の際に
貼付剤の絡み付きやシワが発生しやすかった。比較例5
の貼付剤の場合は剥離シートの分断は容易であったが、
剥離シートの剥離性が過剰に高く、貼着時に貼付剤を支
持することが困難であった。また、比較例5の貼付剤に
おいては角部から剥離シートがめくれる現象が見られ
た。
【0061】試験例2 実施例1、6、7の各貼付剤について、健康な成人男女
20名が被検者となり、各被検者が各貼付剤を左右に引
張り剥離シートを分断した場合の分断容易性(分断のし
やすさ)を以下の基準: 5:非常に分断しやすい 4:分断しやすい 3:比較的分断しやすい 2:分断しにくい 1:非常に分断しにくい に基づいて評価した。得られた評点の平均値を表1に示
す。
【0062】表1に示すように、実施例1、6、7の貼
付剤はいずれも高い分断容易性を有することが確認され
たが、中でも実施例1及び7は特に高い分断容易性を示
した。
【0063】試験例3 実施例1〜5及び比較例1〜5の貼付剤をそれぞれ剥離
シートが貼着された状態でアルミ箔包装袋に入れてヒー
トシールにて密封した。このアルミ箔包装袋を40℃、
75%RHの条件下で1ヶ月間保管した後、包装袋から
貼付剤を取り出して粘着剤層と剥離シートとの間の剥離
の有無を以下の基準: ○:粘着剤層と剥離シートとの間に剥離が全く認められ
なかった ×:粘着剤層と剥離シートとの間に一部剥離が認められ
た に基づいて目視にて評価した。その結果を表1に示す。
【0064】表1に示すように、実施例1〜5の貼付剤
はいずれも非使用時において剥離シートの剥離が認めら
れなかった。
【0065】このように、実施例1〜7の貼付剤におい
ては、使用時の高い剥離性と非使用時の高い剥離防止性
とが十分にバランスよく達成されていることが確認され
た。これに対して、比較例1〜5の貼付剤の場合は、使
用時の剥離性又は非使用時の剥離防止性の少なくとも一
方が不十分であり、良好な使用感が得られなかった。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、剥
離シートの剥離作業と貼付剤の患部への貼付作業とを同
時に行う場合に、剥離シートの剥離が容易であり短時間
できれいに且つ確実に患部に貼着することができ、一
方、非使用時には剥離シートがめくれることなく確実に
粘着剤層が保護されている貼付剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貼付剤の好適な一実施形態を示す斜視
図である。
【図2】図1に示す貼付剤の要部断面図である。
【図3】図1に示す貼付剤の剥離シートを分断する作業
の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示す貼付剤を患部に貼着する作業の一例
を示す説明図である。
【符号の説明】
1…貼付剤、2…支持体、3…粘着剤層、4…剥離シー
ト、5…切れ目部、6…連結部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体上に積層された粘着
    剤層と、該粘着剤層の全面に貼着された剥離シートと、
    を備えた貼付剤であって、前記剥離シートの剛軟度が2
    0〜100mm、引張り強度が5〜30N/cm、伸び
    率が250〜750%であり、前記剥離シートと前記粘
    着剤層と間の180度剥離力が0.03〜0.4N/4
    0mmであり、且つ前記剥離シートに所定の間隔をもっ
    て形成された切れ目部を有することを特徴とする貼付
    剤。
  2. 【請求項2】 前記剥離シートにおいて、互いに隣接す
    る切れ目部の間に形成された連結部の長さ(a)と切れ
    目部の長さ(b)との比がa:b=1:8〜1:25で
    あることを特徴とする、請求項1に記載の貼付剤。
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