JP2001325876A - ヒュ−ズ素子 - Google Patents
ヒュ−ズ素子Info
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Abstract
ヒュ−ズ素子において、ヒュ−ズ内蔵電気部品の鉛フリ
−はんだによる安定な実装やヒュ−ズ溶断作動時の電気
部品の炭化・燃焼防止を満足に保証しつつ、そのヒュ−
ズ素子のSn系での鉛フリ−化を良好に達成する。 【解決手段】Snに、Ag、Cu、Ni、Ge、Al等
の他の金属元素の二種以上を配合した液相線温度300
℃〜550℃の多元合金を細線に加工した。
Description
し、特に、コンデンサやトランジスタ等の電気部品に内
蔵して使用するヒュ−ズ素子として有用なものである。
を電気部品本体に接続し、これらを樹脂モ−ルド等によ
り封止することがある。例えば、タンタルコンデンサに
おいては、万一の極性誤装着による過電流を未然に防止
するために、コンデンサ素子にヒュ−ズ素子を接続し、
これらを樹脂でモ−ルドしている。また、パワ−トラン
ジスタにヒュ−ズ素子を接続し、これらを樹脂で封止す
ることも知られている。
は、ヒュ−ズ溶断時のヒュ−ズ素子の発熱温度で加熱さ
れる。而して、その電気部品本体やモ−ルド樹脂の炭化
・燃焼を防止するために、その発熱温度を所定温度以下
に抑える必要がある。すなわち、溶断電流をi、溶断時
間をtm、ヒュ−ズ素子の溶断時温度をTm、同じく抵
抗をR、同じくヒュ−ズ素子の単位長さ当たりの熱容量
をK、周囲温度をθとすると、ほぼ
ロ−法またはフロ−法により、回路基板に実装される。
ロ−法には、Pb−Sn系はんだが使用されており、そ
の実装温度は220℃〜230℃とされていた。従来、
上記ヒュ−ズ素子には、実装温度よりも高い固相線温度
の合金を使用するとの前提に基づき、Pb−1〜10S
n、Pb−0.5〜10Sn−1〜5Ag、Pb−1〜
20In、Pb−1〜20In−1〜5Ag、Pb−
0.5〜5In−0.1〜5Cu等のPb系合金(融点
260℃〜330℃)を使用している。これらの合金系
のヒュ−ズ素子では、固相線温度が前記実装温度よりも
高いから、ヒュ−ズ内蔵電気部品の安全な実装を保証で
きる。また、液相線温度が330℃程度であり、ヒュ−
ズ素子の前記溶断時温度Tmを充分に低くでき、ヒュ−
ズ素子を、電気部品本体やモ−ルド樹脂の炭化・燃焼を
発生させることなく、安全に溶断作動させることができ
る。
器からの鉛イオンの溶出による環境汚染を防止するため
に、鉛フリ−はんだの使用が要請され、Sn−Ag系、
Sn−Cu系、Sn−In系、Sn−Bi系等の鉛フリ
−はんだが開発されている。これらの鉛フリ−はんだを
使用しての実装温度は、Pb−Snはんだ使用の場合よ
りも高く、最高で280℃が予定されている。このはん
だの鉛フリ−化に対応して、上記ヒュ−ズ素子において
も、鉛フリ−化が要請されるが、従来のように固相線温
度が実装温度よりも高い合金を使用することを前提とし
てヒュ−ズ素子の鉛フリ−化を行うと、実装温度280
℃よりも高い固相線温度の合金がヒュ−ズ素子に使用さ
れることになる。而して、そのヒュ−ズ素子の液相線温
度が従来のPb系ヒュ−ズ素子の液相線温度よりもかな
り高くなり、前記ヒュ−ズ素子の溶断時温度Tmが高く
なって、ヒュ−ズ溶断時に電気部品本体若しくはモ−ル
ド樹脂に炭化・燃焼が生じ易くなって危険である。
電気部品に内蔵させるヒュ−ズ素子において、ヒュ−ズ
内蔵電気部品の鉛フリ−はんだによる安定な実装やヒュ
−ズ溶断作動時の電気部品の炭化・燃焼防止を満足に保
証しつつ、そのヒュ−ズ素子のSn系での鉛フリ−化を
良好に達成することにある。
子は、Snに、Ag、Cu、Ni、Ge、Al等の他金
属元素の二種以上を配合した液相線温度300℃〜55
0℃の多元合金を細線に加工したことを特徴とする構成
であり、他の金属元素の配合量はAg:5〜30重量
%、Cu:1〜15重量%、Ni:0.5〜5重量%、
Ge:1〜10重量%、Al:1〜10重量%とされ
る。本発明に係るヒュ−ズ素子の好適な構成は、Ag5
〜30重量%、Cu1〜15重量%、残部Snである多
元合金を細線に加工したことを特徴とする。
0℃であり、鉛フリ−はんだによる実装温度260℃〜
280℃よりも低いが、ヒュ−ズ素子の液相線温度が3
00℃以上であってその実装温度よりも高くされている
ために、実装時にヒュ−ズ素子が完全な液状に成らずに
半溶融状態になり、ヒュ−ズ電極に対する濡れ性が悪
く、かつヒュ−ズ素子の線径が50μm〜150μmと
細く表面張力による線状保持力(線径をr、表面張力を
fとすれば、f/r)が大きいために、後述の実施例か
ら明らかなように、ヒュ−ズ素子の実質的な損傷なく、
ヒュ−ズ素子内蔵電気部品を実装できる。
℃以下としてあるから、後述の実施例から明らかなよう
に、前記のTmを600℃以下に抑えることができ、電
気部品本体若しくはモ−ルド樹脂を炭化・燃焼させるこ
となく、ヒュ−ズ素子を安全に溶断作動させ得る。ま
た、Snと上記の他金属元素一種との2元合金で液相温
度を300℃〜550℃とするには、他金属元素の配合
量を多くする必要があり、例えばSn−Ag二元合金の
場合、Ag配合量を10〜55重量%以上にする必要が
あり、Ag25重量%以上で合金の脆弱化が顕著になる
が、本発明に係るヒュ−ズ素子では、Snに、Ag、C
u、Ni、Ge、Al等の他金属元素を二種以上配合し
ており、後述の実施例と比較例との対比から明らかなよ
うに、他金属元素の少ない配合量で液相線温度を上げる
ことができ、ヒュ−ズ素子の脆弱化をそれだけよく抑え
得、実装時の曲げや製線時のボビン巻取り時にヒュ−ズ
素子が折損するのを良好に防止できる。
実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るヒ
ュ−ズ素子を内蔵させたコンデンサの一例を示してい
る。図1において、1はタンタルコンデンサ素子、2は
陽極リ−ド導体である。3は配線板であり、一対の電極
31,32を有し、その電極間に本発明に係るヒュ−ズ
素子aを接続し、一方の電極31をコンデンサ素子1の
陰極に接合し、他方の電極32にリ−ド導体4を接合し
てある。5は封止樹脂層、例えばエポキシ樹脂層であ
る。上記ヒュ−ズ素子と電極との接合には、抵抗溶接、
ワイヤボ−ルボンディング、ウェッジボンディング等を
用いることができる。
タ、チップ抵抗等の他の電気部品と共に鉛フリ−はんだ
を使用してリフロ−法やフロ−法によって回路板に温度
230℃〜280℃で実装される。
nにAg、Cu、Ni、Ge、Al等の他金属元素の二
種以上を配合して液相線温度を300℃〜550℃に調
整した多元合金が使用され、他金属元素の配合量がA
g:5〜30重量%、Cu:1〜15重量%、Ni:
0.5〜5重量%、Ge:1〜10重量%、Al:1〜
10重量%とされる。下限値未満では、液相線温度が3
00℃以下となり、上限値を越えると、液相線温度が5
50℃以上となるからである。また、線径は通常50μ
m〜150μmとされる。
℃〜230℃であり、前記実装温度230℃〜280℃
のもとで半溶融状態になり、液相中に固相粒体が混在し
た状態となり、濡れ性が悪く、実装加熱中での電極への
濡れ広がりによるヒュ−ズ素子の細りを僅かにとどめ
得、実装終了時での冷却凝固でほぼ元の太さに保持でき
る。従って、上記のヒュ−ズ内蔵コンデンサを、ヒュ−
ズ素子の固相線温度温度よりも高い実装温度240℃〜
280℃という鉛フリ−はんだによるリフロ−法または
フロ−法でも、ヒュ−ズ素子を安定に保持しつつ実装で
きる。
サに内蔵させる理由は、万一の極性誤接続によって過電
流が流れるのを防止するためであり、遮断電流をi、遮
断時間をtm、ヒュ−ズ素子の溶断時温度をTm、同じ
く抵抗をR、同じくヒュ−ズ素子の単位長さ当たりの熱
容量をK、周囲温度をθとすると、ほぼ前記の式(1)
が成立する。而るに、本発明に係るヒュ−ズ素子におい
ては、後述の実施例から明らかなように、線径50μm
φ〜150μmφのもとで、2〜6Aを数msecの遮断時
間で、かつ、ヒュ−ズ素子の溶断時温度600℃以下で
過電流を遮断でき、タンタル焼結体の発煙温度600℃
以下で安全に溶断作動させ得る。
うにタンタルコンデンサに装着して使用することの外、
回路板のヒュ−ズ電極にヒュ−ズ素子単体を前記したリ
フロ−法またはフロ−法により実装する形態でも使用す
ることができる。また、本発明に係るヒュ−ズ素子は、
リフロ−法またはフロ−法により実装した後での補修や
あと付けでも、鏝で安全にはんだ付けすることもでき
る。これらの場合、ヒュ−ズ素子が曲げをうけるが、充
分な柔軟性を有し、折損なく、スム−ズに、装着、実装
またはあと付けできる。
性を有する多元合金を使用しているから、前記50〜1
50μmφの線引き加工をスム−ズに行うことができ
る。この線引き加工の外、回転液中紡糸法によっても製
造できる。すなわち、回転ドラムの内周面に遠心力によ
り形成保持された冷却液層に、ノズルから噴射した溶融
ジェットを冷却液層の周速と同速・同方向で入射させ、
この液層入射ジェットを冷却液層で急冷・凝固させて紡
糸することもできる。この場合、ノズルから冷却液層に
至る空間でのジェットは、ノズルの円形形状が溶融金属
の表面張力により保持されて円形断面となる。更に、ジ
ェットの表面張力による円形保持力を冷却液層の動圧
(ジェットを扁平化しようとする圧力)よりも大とする
ように、冷却液層周速、ジェットの冷却液層入射角等を
調整してあり、冷却液層に入射されたジェットも、断面
円形を保持しつつ冷却・凝固されていく。従って、線径
50μmφ〜150μmφという細線のヒュ−ズ素子を
容易に製造できる。これらの製線中、ボビンへの巻取り
を必要とするか、充分な柔軟性のために、折損なく、ス
ム−ズに巻き取ることができる。
mのドラムを200rpmで回転させて約1600ml
の水を層状に形成し、この冷却液層中に、ヒ−タにて溶
融させた組成材を窒素ガス加圧により、石英ガラスノズ
ルからジェットとして上記冷却液層周速と同速度で噴射
して紡糸する方法により、表1に示すSn−Ag−Cu
合金で線径ほぼ100μmφの細線を製造し、これをヒ
ュ−ズ素子とした。
n−40重量%Agの二元とした以外、上記実施例に同
じとした。
度及び液相線温度、抵抗値変化率、電流遮断特性(遮断
時間及び温度)及び柔軟性を測定したところ、表1の通
りであった(試料数20個の平均値)。
加熱速度10℃/minとした。 〔抵抗値変化率〕温度280℃のもとでの実装の可否を
評価するためのものである。図2に示すように、セラミ
ック基板61にAgペ−ストの塗布・焼成により対電極
62,62を設け、両電極間にヒュ−ズ素子aを載置
し、更に各電極62に錫メッキ銅線63を溶接し、その
溶接熱で各電極とヒュ−ズ素子aとの間を溶接した試料
を10分間、280℃に保持し、10分時の初期に対す
る抵抗値変化率を測定した。 〔遮断電流特性〕ヒュ−ズ素子に5Aの電流を通電し、
遮断時間と遮断時のヒュ−ズ素子温度を測定した。 〔柔軟性〕長さ約100mmのヒュ−ズ素子を180°
で折り曲げ、折れなかったときを合格、折れたときを不
合格とした。
け始め温度(固相線温度)が実装最高280℃より低く
ても、液相線温度が300℃以上であり、温度280℃
のもとでは完全に液化せずに半溶融状態となり、かかる
半溶融状態では濡れ性が低くて細くなり難く、本発明に
係るヒュ−ズ素子を内蔵させた電気部品を280℃とい
う高い温度のもとで実装してもそのヒュ−ズ素子を実質
的な細り無く安定に保持できる。このことは、抵抗変化
率が10%以下と充分に小さいことから確認できる。
は、液相線温度が550℃以下であり充分に低く、溶断
時のヒュ−ズ素子の温度を600℃以下に抑え得て電気
部品や封止樹脂の炭化・燃焼を防止できることは、表1
の電流遮断特性の溶断時温度からも確認できる。また、
比較例1との対比から、二元合金で実施例相当の特性を
得るには、柔軟性の悪化が避けられず、コンデンサへの
装着作業や製線上から工業的使用が困難であるが、本発
明によれば、かかる障害なく円滑に工業的使用できるこ
とが明らかである。
5Cuに対し、Sn−20Ag−1Niとした以外、上
記実施例3に同じとした。
5Cuに対し、Sn−20Ag−4Geとした以外、上
記実施例3に同じとした。
温度、抵抗値変化率、電流遮断特性(遮断時間及び温
度)及び柔軟性を測定したところ、表2の通りであっ
た。
iやGeの置換有用性が確認できる。Alについても、
同様に確認済みである。
Niとした以外、上記実施例1に同じとした。
記実施例1に同じとした。この実施例品及び比較例2の
固相線温度及び液相線温度、抵抗値変化率、電流遮断特
性(遮断時間及び温度)及び柔軟性を測定したところ、
表3の通りであった。
柔軟性をSn−Cu−Niの三元により解消できること
が明らかである。Sn−Cu−Niや上記Sn−Ag−
Cuの外、Sn−Cu−Ge、Sn−Cu−Alについ
ても、その有効性を確認済みである。
e−4.5Alとした以外、上記実施例1に同じとし
た。
7Alとした以外、上記実施例1に同じとした。
温度、抵抗値変化率、電流遮断特性(遮断時間及び温
度)及び柔軟性を測定したところ、表4の通りであっ
た。
記Sn−Ag−Cu、Sn−Ag−Ge、Sn−Ag−
Niと同様に有効であることが明らかである。これら以
外の請求項1に属する三元系の有効性も確認済みであ
る。
の電気部品に内蔵させるヒュ−ズ素子において、ヒュ−
ズ内蔵電気部品の鉛フリ−はんだによる安定な実装及び
ヒュ−ズ溶断作動時の電気部品の炭化・燃焼防止、更に
は、ヒュ−ズ素子の容易な取扱いや製線性等の点を満足
に保証しつつそのヒュ−ズ素子のSn系での鉛フリ−化
を可能にでき、鉛フリ−化による環境保全上、極めて有
用である。
す図面である。
Claims (3)
- 【請求項1】Snに、Ag、Cu、Ni、Ge、Alの
二種以上を配合した液相線温度300℃〜550℃の多
元合金を細線に加工したことを特徴とするヒュ−ズ素
子。 - 【請求項2】Agが5〜30重量%、Cuが1〜15重
量%、Niが0.5〜5重量%、Geが1〜10重量
%、Alが1〜10重量%である請求項1記載のヒュ−
ズ素子。 - 【請求項3】Ag5〜30重量%、Cu1〜15重量
%、残部Snである多元合金を細線に加工したことを特
徴とするヒュ−ズ素子。
Priority Applications (1)
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CN104303336A (zh) * | 2012-08-02 | 2015-01-21 | 株式会社Lg化学 | 用于二次电池的连接元件和包括连接元件的电池模块和电池组 |
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2000
- 2000-05-16 JP JP2000143461A patent/JP4429476B2/ja not_active Expired - Fee Related
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GB2433944B (en) * | 2004-10-15 | 2008-12-24 | Alpha Fry Ltd | Solder alloy |
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