JP2001317497A - 共鳴によって生じる振動を抑制するための装置を含むターボ機 - Google Patents

共鳴によって生じる振動を抑制するための装置を含むターボ機

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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ターボ機の騒音を減少すること。 【解決手段】 本発明のターボ機は、ターボ機の軸に沿
った対称性の壁部によって限定される空気流又はガス流
の径路上に複数の羽根段階を含み、壁部１０が空気流の
外側にほぼ対称的な構造の空洞１１と連通する開口部１
３を備え、空洞が少なくとも１個のパイプ４に接続さ
れ、対称性弱化手段が、たとえば、空洞１１内に部分的
に突出するようパイプ４に取り付けられた管１５の一部
の形で空洞内に設けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気流又はガス流
の径路上に複数の羽根段階を含むターボ機に関する。
【０００２】
【従来の技術】この種のターボ機では、１個又はそれ以
上の空洞が空気流の外側に設けられ、この空洞はターボ
機の軸に沿った空気流を限定する対称性の壁内に形成さ
れた複数の開口部を通じて空気流と連通している。排気
弁を含むパイプは一般に空洞に接続され、ターボ機の安
定した作動を向上させるため、又は補助的需要を満たす
ために、ターボ機が部分的負荷のもとで作動していると
きに空気流の一部を抽出し外部に排出する。したがって
空洞の体積は、定期的な抽出が実行できるのに充分なも
のでなければならない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、空洞を通る空
気又はガスは境界層剪断を起こすために、ある速度範囲
で空洞内で共鳴を引き起こす可能性がある。
【０００４】このような共鳴は、空洞の構造がほぼ対称
性であると増強される。空洞は、ターボ機の軸に対して
対称性であることがあり、またその周辺部に規則的に配
置されたパターン、表面突起、又は他の突起部材を組込
み、反復対称性となる。排気弁へ空気を抽出するため
に、又はターボ機のタービンのディスクや羽根を冷却す
るためにパイプが接続されており、これによって対称性
は弱められているが、空洞内の共鳴を確実に防止するに
は不充分である。
【０００５】共鳴には大きな欠点があり、羽根破損の危
険を生じることがある。したがって本発明は、上に述べ
たような空洞内での回転性音波の発生を解消又は防止
し、したがって、前記空洞内の共鳴による欠点を抑制す
るための手段を含むターボ機に関連している。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によるターボ機
は、ターボ機の軸に沿った対称性の壁に限定された空気
流又はガス流の径路上に複数の羽根段階を含むターボ機
であり、前記壁部は、空気流の外側にあるほぼ軸対称性
又は反復対称性構造の空洞と連通する開口部を備えてい
る。対称性弱化手段は、前記空洞内に設けられている。
【０００７】対称性弱化手段は、さまざまな形をとるこ
とができる。本発明の好ましい第１の実施例では、対称
性弱化手段は、空洞内に部分的に突出するよう空洞に接
続されたパイプ内に取り付けられたスペーサを含んでい
る。
【０００８】スペーサは、できれば作動中の振動を制限
するために前記パイプに圧入されていることが好まし
い。
【０００９】スペーサは、外側から前記パイプ内に圧入
された管の一部であると有利である。
【００１０】本発明の第２の実施例では、対称性弱化手
段は、その凸側が空洞の内側を向いている限局的な凸部
を空洞内に含んでいる。
【００１１】凸部は、空洞の外壁又は内壁を部分的に打
抜き加工して得ることができる。本発明の他の実施例で
は、対称性弱化手段は特定の箇所で空洞の外壁の内面に
固定された部材、例えば、空洞の外壁の内面又は空洞の
内壁に溶接された金属薄板の一部を含んでいる。
【００１２】本発明の他の実施例では、対称性弱化手段
は空洞の外壁を貫通し空洞内に突出するねじを含んでい
る。
【００１３】
【発明の実施の形態】本発明は、添付の図面に非限定的
な例のみを用いて示した以下の本発明の実施例について
の説明を読めば、さらによく理解されるであろう。
【００１４】図１および図２に示すように、本発明によ
るターボ機は、第１セットの回転羽根２を備えた空気取
入口１を備えている。
【００１５】ターボ機の外壁３は、周囲空気の流れの一
部を排出するパイプのための接続差込口４を備えてい
る。
【００１６】図２の断面図には回転軸５が示され、これ
にターボ機の第１圧縮段階の回転羽根６が取り付けられ
ている。固定ハブ７は固定方向羽根８を備えている。矢
印９は空気流を示している。
【００１７】壁部１０は外側で空気流を限定し、ターボ
機の軸に対して対称に配置されている。構造上、ターボ
機の軸に対してほぼ対称の空洞１１は、壁部１０と外壁
１２の間に限定され、実質的に回転羽根６の位置にあ
る。壁部１０の辺縁部には、空洞１１と空気流とを連通
させる複数の開口部１３がある。開口部１３は、細長
い、半月形の、又は円形の溝でもよい。もちろん、別の
実施例では空洞１１は反復対称性構造でもよく、すなわ
ち空洞の内側に規則的に配置され、したがって、空洞内
で共鳴が生じやすくなるような複数のパターン又は他の
構成要素を含んでいてもよい。
【００１８】図２の断面図には、図示されていない手段
によって制御される排気弁１４が示されている。弁１４
は、空洞１１内の特定の位置で壁部１２に取り付けられ
ている差込口４の下流にある。
【００１９】排気弁１４は、開いているときは、一定の
負荷のもとでターボ機の作動を向上させるために空気流
の一部を抽出しこれを外部に排出する。排気弁１４が閉
じているときには、空気流が一定の範囲内の速度で開口
部１３を通過する際に境界層剪断が起こるために、空洞
１１で共鳴が生じる。
【００２０】本発明によれば、空洞１１内での回転性音
波の発生は、空洞１１の軸に対する対称性を意図的にま
た大幅に弱化させることによって防止される。これは差
込口４が存在するためにすでに生じている対称性の弱化
を上回っている。
【００２１】図２の実施例では、対称性弱化手段は、パ
イプ４内に圧入された管１５の一部を含んでいる。管１
５はできれば外側から圧入されていることが好ましく、
管１５の外縁部の放射状ショルダ１６がパイプ４の円錐
部１７に接するまで管１５は押込まれ、これによって管
１５の最終位置が定まる。
【００２２】この最終組立て位置では、管１５は壁部１
２を超えて部分的に空洞１１内に突出しているが、内壁
１０には接触していない。これは、排気弁１４が開いて
いるときに空洞１１内の空気流を不当に攪乱するのを防
ぐためである。
【００２３】図３の実施例は、外壁１２の一部に凸部１
８があり、その凸側が空洞１１の内側を向いている点だ
けが図２の実施例と異なっている。この部分は、できれ
ば外壁１２を構成する金属薄板を部分的に打抜き加工し
て得ることが好ましい。したがって、図２にあるように
パイプ４が空洞１１内のもう一つの箇所に備えられてい
ると、すでに対称性は弱化されているが、この打抜き加
工部１８によって対称性がさらに弱化される。
【００２４】図４に示す実施例は、放射状に配置された
金属薄板１９の一部が空洞１１の外壁１２の内側に溶接
されている点で図３の実施例と異なっている。したがっ
て、溶接された金属薄板部１９は空洞１１内に突出し、
空洞１１内で回転性音波が発生するのを防ぐ。当然、パ
イプ４は空洞１１内の他の位置に配置することができ
る。溶接された金属薄板１９は、図４で例示されている
実施例では正方形であるが、その寸法は、溶接された金
属薄板部１９が外壁１２から内壁１０に向かって伸びて
いるが、内壁１０には接触しない程度の大きさである。
あるいは、溶接された金属薄板部１９を内壁１０に固定
し、外壁１２に向かって伸びるようにすることもでき
る。
【００２５】図５の実施例は、ねじ２０が空洞１１の外
壁１２を貫通し、ある特定の距離だけ前記空洞１１内に
突出している点で図４の実施例と異なっている。この取
り付けを容易にするために、外壁１２には、ねじ２０の
ねじ山と噛合うことができるねじ山を備えた部分１３が
あり、ねじ２０の頭部２１は外壁１２の外側にある。
【００２６】空洞１１内に突出しているねじ２０の寸法
は、前記ねじが放射状の内壁１０に向かって伸びている
が内壁１０には接触しない程度の大きさである。
【００２７】例示によって説明してきた全ての実施例で
は、ターボ機内の流速とは無関係に、回転性音波の発生
を防ぎ、また空洞内の共鳴を防ぐために、対称性弱化手
段が対称性の空洞内に導入されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ターボ機の外側側面図である。
【図２】 図１のターボ機の部分的断面図であり、本発
明の第１の実施例を示す図である。
【図３】 図２と同様の断面図であり、本発明の第２の
実施例を示す図である。
【図４】 図２と同様の断面図であり、本発明の第３の
実施例を示す図である。
【図５】 図２と同様の断面図であり、本発明の第４の
実施例を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ターボ機の軸に沿った対称性の壁によっ
    て限定される空気流又はガス流の径路上に複数の羽根段
    階を含み、前記壁部が空気流の外側にあるほぼ軸対称又
    は反復対称構造の空洞１１と連通する開口部１３を備え
    たターボ機において、対称性弱化手段が前記空洞内に設
    けられていることを特徴とするターボ機。
  2. 【請求項２】 前記対称性弱化手段が、前記空洞内に部
    分的に突出するよう前記空洞に接続されたパイプ内に取
    り付けられたスペーサを含むことを特徴とする請求項１
    に記載のターボ機。
  3. 【請求項３】 前記スペーサが前記パイプに圧入されて
    いることを特徴とする請求項２に記載のターボ機。
  4. 【請求項４】 前記スペーサが管１５の一部であること
    を特徴とする請求項２又は３に記載のターボ機。
  5. 【請求項５】 前記対称性弱化手段が、その凸側が前記
    空洞の内側を向いているような前記空洞の限局的凸部１
    ８を含むことを特徴とする請求項１に記載のターボ機。
  6. 【請求項６】 前記凸部が、前記空洞の外壁を部分的に
    打抜き加工して得られることを特徴とする請求項５に記
    載のターボ機。
  7. 【請求項７】 前記対称性弱化手段が、特定の箇所で前
    記空洞の外壁の内面に固定された部材１９を含むことを
    特徴とする請求項１に記載のターボ機。
  8. 【請求項８】 前記対称性弱化手段が、特定の箇所で前
    記空洞の内壁に固定された部材を含むことを特徴とする
    請求項１に記載のターボ機。
  9. 【請求項９】 前記部材が、前記空洞の前記壁部に溶接
    された金属薄板の一部であることを特徴とする請求項７
    又は８に記載のターボ機。
  10. 【請求項１０】 前記対称性弱化手段が、前記空洞の外
    壁を貫通し、前記空洞内に突出しているねじ２０を含む
    ことを特徴とする請求項１に記載のターボ機。
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DK1134361T3 (da) 2006-10-02
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