JP2001316703A - ステンレス鋼粉末、微小ステンレス鋼コンテナ及びそれらの製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼粉末、微小ステンレス鋼コンテナ及びそれらの製造方法

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JP2001316703A
JP2001316703A JP2000176119A JP2000176119A JP2001316703A JP 2001316703 A JP2001316703 A JP 2001316703A JP 2000176119 A JP2000176119 A JP 2000176119A JP 2000176119 A JP2000176119 A JP 2000176119A JP 2001316703 A JP2001316703 A JP 2001316703A
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steel powder
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Megumi Ameyama
惠 飴山
Seiichiro Imai
清一郎 今井
Ryuji Sanada
龍司 真田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メカニカルミリングにより加工されるステン
レス鋼粉末の用途の拡大を図ることができ、メカニカル
ミリング後に粉末単体での利用も可能となるステンレス
鋼粉末、触媒や薬剤等を収容するのに用いる微小ステン
レス鋼コンテナ及びそれらの製造方法を提供すること。 【解決手段】 オーステナイト系ステンレス鋼の原料粉
末に数分間乃至数百時間常温でメカニカルミリングを施
し、粉末の表面層のみをフェライト化させた冷間加工済
ステンレス鋼粉末。上記冷間加工済ステンレス鋼粉末を
熱処理することにより、粉末の表面層にフェライト相又
はマルテンサイト相と炭化物とを分布させた熱処理済ス
テンレス鋼粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーステナイト系
ステンレス鋼粉末の表面層をフェライト化又はマルテン
サイト化したステンレス鋼粉末及びその製造方法に関す
る。本発明は、また、上記ステンレス鋼粉末の表面層以
外の部位を抽出してなる微小ステンレス鋼コンテナ及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】新素材の作製や材料の高い機能化のため
の方法として、混合した素粉末や合金粉末をアトライタ
ーやボールミルを用いてミリングし、大きなひずみエネ
ルギーを与えて非平衡化するメカニカルアロイングやメ
カニカルミリングなどの非平衡粉末冶金プロセスが注目
されている。
【0003】例えば、従来、ステンレス鋼の原料粉末に
数分間乃至数100時間常温でメカニカルミリングを施
して冷間加工済ステンレス鋼粉末を製造することが提案
されている(特開平10−195502号公報参照)。
この方法では、メカニカルミリングによって原料粉末に
ひずみが与えられることにより元の結晶が破壊され、時
間の経過とともに粉末内部で再結晶が始まる。そして、
再結晶後の結晶の平均粒子径は数10nm乃至数100
nmと極めて微細なものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の方法では、
メカニカルミリングの作用を粉末内部にまで及ぼすこと
を目的としていた。その場合、原料粉末として、例え
ば、数10μm乃至数100μm程度の、粒子径の十分
小さいものを使用し、かつ粉末に十分大きな加工エネル
ギー(ミリング時間、回転数等)を与えるようにしてい
た。また、ミリング後は粉末同士が凝着状態となり、粉
末単体の状態での利用が困難であった。
【0005】本発明では、メカニカルミリングによりス
テンレス鋼粉末を加工するに際して、加工エネルギーを
従来より小さくすることで、主として粉末の表面層のみ
にメカニカルミリングの作用を及ぼすようにして、メカ
ニカルミリングにより加工されるステンレス鋼粉末の用
途の拡大を図ること、メカニカルミリング後に粉末単体
での利用も可能にすること等を技術的課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明の請求
項1の冷間加工済ステンレス鋼粉末は、オーステナイト
系ステンレス鋼の原料粉末に数分間乃至数百時間常温で
メカニカルミリングを施し、粉末の表面層のみをフェラ
イト化させたことを特徴とするものである。
【0007】請求項2の冷間加工済ステンレス鋼粉末
は、請求項1の構成において、原料粉末の平均粒子径を
数10μm乃至数mm程度としたことを特徴としてい
る。なお、本明細書では、平均粒子径数mm程度の比較
的大きな粒子も粉末と呼ぶ。
【0008】請求項3の冷間加工済ステンレス鋼粉末
は、請求項1の構成において、上記表面層のフェライト
の結晶粒径が数nm乃至数十nmであることを特徴とし
ている。
【0009】請求項4の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項1乃至3のいずれかの冷間加工済ステンレス鋼粉
末を基準温度以下の低温で熱処理することにより、粉末
の表面層にフェライト相と炭化物とを分布させたことを
特徴とするものである。なお、この熱処理は、粉末単体
毎に行ってもよく、一定量の粉末を所望形状の型内に収
容して加熱することにより、熱処理と同時に所望形状の
ステンレス鋼部材を製作するようにしてもよい。
【0010】請求項5の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項4の構成において、上記冷間加工済ステンレス鋼
粉末を基準温度近傍の基準温度より低い温度で熱処理す
ることにより、粉末の表面層にフェライト相と炭化物の
他にオーステナイト相を分布させたことを特徴とするも
のである。この場合、熱処理を上記基準温度付近で行う
ことで、オーステナイト相の分布させることができ、か
つ熱処理温度を調整することでオーステナイト量等を調
整することができる。一方、熱処理を上記基準温度より
かなり低い温度で行うと、粉末の表面層に主としてフェ
ライト相と炭化物のみが分布することになる。
【0011】請求項6の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項1乃至3のいずれかの冷間加工済ステンレス鋼粉
末を基準温度以上の高温で熱処理することにより、粉末
の表面層にマルテンサイト相と炭化物とを分布させたこ
とを特徴とするものである。この場合、メカニカルミリ
ングによりフェライト化した粉末の表面層が高温での熱
処理によりオーステナイト相と炭化物とが分布した状態
に変化するが、その後、常温に戻る過程で上記オーステ
ナイト相がマルテンサイト相に変態するように熱処理及
び冷却条件等を調整する。なお、この場合も、熱処理
は、粉末単体毎に行ってもよく、一定量の粉末を所望形
状の型内に収容して加熱することにより、熱処理と同時
に所望形状のステンレス鋼部材を製作するようにしても
よい。
【0012】請求項7の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項6の構成において、上記冷間加工済ステンレス鋼
粉末を基準温度近傍の基準温度より高い温度で熱処理す
ることにより、粉末の表面層にマルテンサイト相と炭化
物の他にオーステナイト相を分布させたことを特徴とす
るものである。この場合、熱処理を上記基準温度付近で
行うことで表面層にオーステナイト相を分布させ、請求
項6のものに比べて粉末の表面層の硬度を小さくするこ
とができる。一方、熱処理を上記基準温度よりかなり高
い温度で行うと、粉末の表面層に主としてマルテンサイ
ト相と炭化物のみが分布することになる。
【0013】請求項8の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項4又は6の構成において、上記基準温度が大略5
00乃至600°Cであることを特徴としている。
【0014】請求項9の微小ステンレス鋼コンテナは、
請求項4乃至8のいずれかの熱処理済ステンレス鋼粉末
に電解腐食を施すことにより、粉末の表面層以外の部位
を抽出し、残存した表面層により形成したことを特徴と
するものである。
【0015】請求項10の冷間加工済ステンレス鋼粉末
の製造方法は、オーステナイト系ステンレス鋼の原料粉
末に数分間乃至数百時間常温でメカニカルミリングを施
し、粉末の表面層のみをフェライト化させることを特徴
とするものである。
【0016】請求項11の熱処理済ステンレス鋼粉末の
製造方法は、請求項10の方法により製造された冷間加
工済ステンレス鋼粉末を低温で熱処理することにより、
粉末の表面層にフェライト相と炭化物とを形成させるこ
とを特徴とするものである。
【0017】請求項11の熱処理済ステンレス鋼粉末の
製造方法は、請求項10の方法により製造された冷間加
工済ステンレス鋼粉末を低温で熱処理することにより、
粉末の表面層にフェライト相と炭化物とを分布させるこ
とを特徴とするものである。
【0018】請求項12の熱処理済ステンレス鋼粉末の
製造方法は、請求項11の方法において、粉末の表面層
にフェライト相と炭化物の他にオーステナイト相を分布
させることを特徴とするものである。
【0019】請求項13の熱処理済ステンレス鋼粉末の
製造方法は、請求項10の方法により製造された冷間加
工済ステンレス鋼粉末を高温で熱処理することにより、
粉末の表面層にマルテンサイト相と炭化物とを分布させ
ることを特徴としている。
【0020】請求項14の熱処理済ステンレス鋼粉末の
製造方法は、請求項13の方法において、粉末の表面層
にマルテンサイト相と炭化物の他にオーステナイト相を
分布させることを特徴とするものである。
【0021】請求項15の微小ステンレス鋼コンテナの
製造方法は、請求項11乃至14のいずれかの方法によ
り製造された熱処理済ステンレス鋼粉末に電解腐食を施
すことにより、粉末の表面層以外の部位を抽出し、残存
した表面層により微小ステンレスコンテナを形成するこ
とを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1にメカニカルミリングに用い
るアトライタ1を示す。アトライタ1は、外周部に冷却
水の循環通路2が形成された水冷容器3内に、多数の鋼
球4を収容し、水平方向に延びる攪拌棒5が交差状に取
り付けられた垂直方向の軸6を上記水冷容器3の中央に
回転自在に配置してなる装置である。上記水冷容器3内
に、不図示のステンレス鋼粉末と、Arガス、Nガス
又はHガス等のいずれかの不活性ガスを封入して、軸
6を回転させることにより、上記ステンレス鋼粉末にメ
カニカルミリングを施すようになっている。
【0023】図2にメカニカルミリングに使用できる他
の装置である遊星型ボールミル7の概略平面図を示す。
円形の基台8は、不図示の第1駆動手段によりその中央
の軸10を中心に回転駆動されるようになっている。ま
た、1対の円筒容器11(ポット)は各々不図示の第2
駆動手段により基台8に対して回転自在とされている。
【0024】そして、各円筒容器11内にステンレス鋼
粉末と多数の鋼球(共に図示せず)を収容し、適宜のガ
スを封入した上で、基台8を上記第1駆動手段により回
転(公転)させながら各円筒容器11を上記第2駆動手
段により回転(自転)させることにより、ステンレス鋼
粉末にメカニカルミリングを施すようになっている。
【0025】ここで、メカニカルミリングを施すステン
レス鋼粉末(原料粉末)の組成の一例を表1に示す。こ
のステンレス鋼粉末は、日本工業規格のSUS316L
のオーステナイト系ステンレス鋼であり、プラズマ回転
電極法等により作製される。なお、プラズマ回転電極法
とは、不活性ガス雰囲気中で高速回転する被溶解材(消
耗電極)にプラズマアークを用いて溶解し、溶解された
流体金属を電極の回転による遠心力で飛散させ、概略球
形の粉末粒子を作製する方法である。
【0026】
【表1】
【0027】本発明者は、図2に示したような遊星型ボ
ールミル7を用いて、上記表1の組成のステンレス鋼粉
末にメカニカルミリングを施す実験を行った。以下、そ
の実験条件及び結果につき説明する。遊星型ボールミル
7の各円筒容器11としてはSUS316のステンレス
鋼製で容積が500ミリリットルのものを使用した。ま
た、各円筒容器11内にSUS304のステンレス鋼か
らなる不図示のボールを100個挿入した。各ボールの
直径は9.8mm、質量は3.6gであった。そして、
各円筒容器11内に表1のステンレス鋼粉末を200g
挿入し、各円筒容器11を毎分250回転の回転速度で
回転させることにより、メカニカルミリングを施した。
なお、ミリング時間は100時間と200時間の2通り
の場合を実施した。
【0028】ここで、ミリング時間を100時間とした
場合のメカニカルミリングによる加工前後のステンレス
鋼粉末の電子顕微鏡による写真を示す。図3は加工前の
ステンレス鋼粉末の断面、図4は加工前のステンレス鋼
粉末の表面である。また、図5及び図6は各々加工後の
ステンレス鋼粉末の断面及び表面である。図3と図5を
比較すると、加工後には、粉末表面層に粉末内部とは異
なる組織が形成されていることが分かる。
【0029】図7に、上記100時間の加工の前後のス
テンレス鋼粉末について、表面と断面の双方でのX線反
射角度とX線強度の関係を求めた結果を示す。粉末表面
では体心立方構造相(bcc相)のピークが観察され、
粉末断面では面心立方構造相(fcc相)のピークが観
察される。これはメカニカルミリングによって粉末表面
層の面心立方構造相(オーステナイト相)が体心立方構
造相に変態したものと考えられる。
【0030】図8は100時間メカニカルミリング後の
粉末の表面層近傍を拡大して示す顕微鏡写真である。同
図から、表面層では体心立方構造相(フェライト相)が
分布し、表面層と内部との境界付近では体心立方構造相
と面心立方構造相(オーステナイト相)とが混在し、内
部では面心立方構造相が分布していることが分かる。
【0031】表面側の微細な結晶粒の外見が滑らかな形
状をしていることから、上記体心立方構造相は加工誘起
マルテンサイトとは異なるメカニズムにより生成したフ
ェライト粒であると考えられる。このフェライト粒は、
メカニカルミリングによりラス状のオーステナイト相が
分断、球状化され、界面エネルギーの増大によってフェ
ライト化したものと考えられる。
【0032】このように、本発明では、メカニカルミリ
ングにより、オーステナイト系ステンレス鋼粉末の表面
層のみをフェライト化させるようにしたので、加工に要
するエネルギー(ミリング時間や円筒容器11の回転速
度等)を従来より緩やかにできるとともに、原料粉末と
して従来より粒子径の大きなものも使用可能となり、メ
カニカルミリングの対象となる粒子径範囲も広くなる。
また、加工エネルギー等を調整することで、表面層のフ
ェライト量を調整でき、ひいては加工後の粉末の磁気特
性も調整できるようになる。
【0033】次に、200時間メカニカルミリング後の
ステンレス鋼粉末に各種温度で熱処理を施した結果を図
9乃至図14の顕微鏡写真に示す。図9は500°Cで
熱処理を施した場合、図10乃至図14は各々600°
C、700°C、800°C、900°C、1000°
Cで熱処理を施した場合であって、熱処理時間は全て1
時間である。また、図15に200時間ミリング後60
0°Cで1時間熱処理を行った熱処理済ステンレス鋼粉
末の表面から大略15μmの位置の拡大顕微鏡写真を示
す。数十nmのフェライト等軸粒と微細炭化物粒子によ
る組織となっていいる。ただし、炭化物粒子は非常に微
細であるため、図15の写真からは判別が困難である。
【0034】メカニカルミリング後に熱処理を行った場
合、熱処理温度によりステンレス鋼粉末の表面層に異な
る結晶構造が現れることが確認された。すなわち、55
0°C乃至600°C程度を基準温度として、それより
低温域では表面層にフェライト相と炭化物とが現れ、基
準温度より高温域では表面層にマルテンサイト相と炭化
物とが現れた。
【0035】これは、低温の熱処理では、メカニカルミ
リングによりステンレス鋼粉末の表面層に生成されたフ
ェライト相が熱処理後もそのまま残存するのに対して、
高温の熱処理では、粉末の表面層に生成されたフェライ
ト相が熱処理により一旦オーステナイト相に戻った後、
冷却の過程でマルテンサイト相に変態したものと考えら
れる。いずれの場合も、炭化物の量は、原料粉末に添加
する炭素の量や、炭化物を生成させやすいTi、Nb、
Mo等の元素の添加量を調整することにより調整でき
る。
【0036】図16にステンレス鋼粉末の熱処理温度と
発熱量との関係を測定した結果を示す。約550°Cの
位置に発熱量のピークがあり、これにより、約550°
Cの温度が、熱処理後に表面層にフェライト相(と炭化
物)が現れるかマルテンサイト相(と炭化物)が現れる
かの境界温度であることが分かる。
【0037】なお、ミリング条件又は熱処理条件等によ
っては、表面層にオーステナイト相を一定の割合で分布
させて、低温域での熱処理後に表面相にフェライト相、
オーステナイト相及び炭化物が現れるようにしたり、高
温域での熱処理後に表面相にマルテンサイト相、オース
テナイト相及び炭化物が現れるようにすることもでき
る。
【0038】その場合、表面層にフェライト又はマルテ
ンサイト相と炭化物のみを分布させる場合と比べて、表
面層の硬度を幾分低下させることができ、用途によって
表面層にオーステナイト相を分布させるか否か、或いは
オーステナイト相をどの程度の割合で分布させるかを選
択できる。
【0039】上記のような熱処理は、例えば、後述する
ステンレス鋼コンテナを作製する場合等のように粉末単
体毎に行ってもよく、また、一定量のステンレス鋼粉末
を所望形状の型内に充填し、熱処理と同時に所望形状の
ステンレス鋼部材を焼結、作製することもできる。
【0040】次に、メカニカルミリング後のステンレス
鋼粉末を単体で熱処理した後、微小ステンレス鋼コンテ
ナを作製する手順を説明する。図17に示すように、単
体毎に熱処理済みの多数のステンレス鋼粉末12を白金
又はステンレス鋼等からなる皿13(電極)上に載置
し、この皿13をビーカ等の容器14内に収容してエッ
チング液15を容器14内に充填し、皿13と他方の電
極16との間で通電することにより、電解腐食によるエ
ッチングを個々の粉末12に施す。エッチング液15
は、熱処理済みの粉末12のオーステナイト相の部分の
みを溶出できるものであればよく、例えば、過塩素酸と
酢酸を1:9程度の割合で混合した混合液を使用する。
【0041】これにより、エッチング後の1つの粉末1
2を図18及び図19に拡大して示すように、粉末12
の表面層17のみが残存し、内部が除去されて微小ステ
ンレス鋼コンテナ18が形成される。コンテナ18は、
その直径が元の粉末12の直径(例えば、数10μm乃
至数mm程度)と略等しい微細なものとなる。
【0042】なお、熱処理後の粉末12の表面層17
は、上記のようにフェライト相又はマルテンサイト相と
炭化物により形成されるが、実際には、この表面層17
のところどころに空隙や一部残存したオーステナイト相
が残存しているため、電解腐食の過程で、これらのオー
ステナイト相の部分に孔17aが形成され、粉末12の
内部のオーステナイト相の部分が孔17aから溶出し
て、ところどころに孔17aを有するコンテナ18が形
成される。
【0043】このようなコンテナ18は、例えば、高温
環境で使用する触媒を内部に充填して使用したり、薬剤
を内部に充填して、人体等の生体内にコンテナ18ごと
挿入して使用する等の各種用途に利用できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の冷間加工済ステンレス鋼粉末は、オーステナイト(面
心立方構造)系ステンレス鋼の原料粉末に数分間乃至数
百時間常温でメカニカルミリングを施し、粉末の表面層
のみをフェライト(体心立方構造)化させたものであ
り、加工の程度により、粉末の表面層に分布するフェラ
イト量を任意に調整できるようになる。また、オーステ
ナイト相が非磁性であるのに対しフェライト相は磁性を
有するから、フェライト量に調整することにより、冷間
加工済ステンレス鋼粉末の磁気特性を調整できる。
【0045】請求項2の冷間加工済ステンレス鋼粉末
は、請求項1の構成において、原料粉末の平均粒子径を
数10μm乃至数mm程度としたものである。すなわ
ち、本発明では、主として粉末の表面層のみに加工を施
すようにしたので、従来より粒子径の大きな粉末をもメ
カニカルミリングの対象とすることができるようにな
る。これにより、メカニカルミリングを、従来より幅広
い粒子径範囲の粉末に対して適用できるようになる。
【0046】請求項3の冷間加工済ステンレス鋼粉末
は、請求項1の構成において、上記表面層のフェライト
の結晶粒径が数nm乃至数十nmであるから、表面層に
十分微細なフェライトの結晶を分布させることができ
る。これにより、冷間加工済スランレス鋼粉末の機械的
特性、磁気的特性を良好なものとすることができる。
【0047】請求項4の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項1乃至3のいずれかの冷間加工済ステンレス鋼粉
末を低温で熱処理することにより、粉末の表面層にフェ
ライト相と炭化物とを分布させたものであり、熱処理後
も表面層にフェライト相を分布させることができる。そ
の場合、熱処理条件(熱処理温度等)や炭素の含有量等
を調整することにより、熱処理後のフェライト量や炭化
物量を調整することができる。そして、上記フェライト
量の調整により、磁気特性を所望の値に調整することが
できる。
【0048】請求項5の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項4の構成において、上記冷間加工済ステンレス鋼
粉末を基準温度近傍の基準温度より低い温度で熱処理す
ることにより、粉末の表面層にフェライト相と炭化物の
他にオーステナイト相を形成させたものであるから、請
求項3のものに比べてステンレス鋼粉末の表面層の硬度
を幾分低くすることができる。そして、熱処理条件等に
よって表面層におけるフェライト相とオーステナイト相
の割合を調整することにより、ステンレス鋼粉末の表面
層の硬度を所望の値に調整することができる。
【0049】請求項6の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項1乃至3のいずれかの冷間加工済ステンレス鋼粉
末を基準温度以上の高温で熱処理することにより、粉末
の表面層にマルテンサイト相(体心立方構造)と炭化物
とを形成させたものであるから、加工の程度や熱処理条
件等により、マルテンサイト量を任意に調整できるよう
になる。また、オーステナイト相が非磁性であるのに対
しマルテンサイト相は磁性を有するから、マルテンサイ
ト量に調整することにより、冷間加工済ステンレス鋼粉
末の磁気特性を任意に調整できる。
【0050】請求項7の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項6の構成において、上記冷間加工済ステンレス鋼
粉末を基準温度近傍の基準温度より高い温度で熱処理す
ることにより、粉末の表面層にマルテンサイト相と炭化
物の他にオーステナイト相を形成させたものであるか
ら、請求項6のものに比べてステンレス鋼粉末の表面層
の硬度を幾分低くすることができる。そして、熱処理条
件等により表面層におけるマルテンサイト相とオーステ
ナイト相の割合を調整することにより、ステンレス鋼粉
末の表面層の硬度を任意に調整することができる。
【0051】請求項8の熱処理済ステンレス鋼粉末は、
請求項4又は6の構成において、上記基準温度が大略5
00乃至600°Cである。係る基準温度以下の低温域
で熱処理を行った場合は、粉末の表面層にフェライト相
が分布し、係る基準温度以上の高温域で熱処理を行った
場合は、粉末の表面層にマルテンサイト相が分布するこ
とが本発明者の実験により明らかになっている。
【0052】請求項9の微小ステンレス鋼コンテナは、
請求項4乃至8のいずれかの熱処理済ステンレス鋼粉末
に電解腐食を施すことにより、オーステナイト系ステン
レス鋼からなる粉末の表面層以外の部位を抽出し、残存
した表面層により形成したものである。係るコンテナ
は、高耐熱性、高耐食性を有し、例えば、内部に触媒等
を充填して高温環境等で用いたり、内部に薬剤を充填し
て生体内に挿入する等、種々の用途に利用することが可
能である。
【0053】請求項10の冷間加工済ステンレス鋼粉末
の製造方法は、オーステナイト系ステンレス鋼の原料粉
末に数分間乃至数百時間常温でメカニカルミリングを施
し、粉末の表面層のみをフェライト化させるようにした
ので、加工の程度により、表面層のフェライト量を任意
に調整できる。また、オーステナイト相が非磁性である
のに対しフェライト相は磁性を有するから、フェライト
量を調整することにより、冷間加工済ステンレス鋼粉末
の磁気特性を任意に調整できる。さらに、本発明では、
主として粉末の表面層のみに加工を施すようにしたの
で、従来より粒子径の大きな粉末をもメカニカルミリン
グの対象とすることができる。これにより、従来より幅
広い粒子径範囲の粉末に対してメカニカルミリングを適
用できるようになる。
【0054】請求項11の熱処理済ステンレス鋼粉末の
製造方法は、請求項10の方法により製造された冷間加
工済ステンレス鋼粉末を基準温度より低い低温で熱処理
することにより、粉末の表面層にフェライト相と炭化物
とを形成させるようにしたので、熱処理後も粉末の表面
層にフェライト相を分布させることができる。その場
合、熱処理条件(熱処理温度等)や炭素の含有量等を調
整することにより、熱処理後のフェライト量や炭化物量
を調整することができる。
【0055】請求項12の熱処理済ステンレス鋼粉末の
製造方法は、請求項11の方法において、上記冷間加工
済ステンレス鋼粉末を基準温度近傍の基準温度より低い
温度で熱処理することにより、粉末の表面層にフェライ
ト相と炭化物の他にオーステナイト相を分布させたもの
であるから、請求項11の場合に比べてステンレス鋼粉
末の表面層の硬度を幾分低くすることができる。
【0056】請求項13の熱処理済ステンレス鋼粉末の
製造方法は、請求項10の方法により製造された冷間加
工済ステンレス鋼粉末を高温で熱処理することにより、
粉末の表面層にマルテンサイト相と炭化物とを分布させ
るようにしたので、熱処理後も粉末の表面層にマルテン
サイト相を分布させて、表面層の硬い粉末とすることが
できる。
【0057】請求項14の熱処理済ステンレス鋼粉末の
製造方法は、請求項13の方法において、上記冷間加工
済ステンレス鋼粉末を基準温度近傍の基準温度より低い
温度で熱処理することにより、粉末の表面層にマルテン
サイト相と炭化物の他にオーステナイト相を分布させる
ようにしたので、請求項13の場合に比べてステンレス
鋼粉末の表面層の硬度を幾分低くすることができる。
【0058】請求項15の微小ステンレス鋼コンテナの
製造方法は、請求項11乃至14のいずれかの方法によ
り製造された熱処理済ステンレス鋼粉末に電解腐食を施
すことにより、粉末の表面層以外の部位を抽出し、残存
した表面層により微小ステンレスコンテナを形成するよ
うにしたので、例えば、触媒等を充填する耐熱微粒子カ
プセルや、薬剤等を充填して生体内に挿入する高強度生
体用金属カプセル等として利用できる微小ステンレスコ
ンテナを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で使用できるメカニカルミ
リング装置としてのアトライタを示す概略斜視図。
【図2】他のメカニカルミリング装置としての遊星型ボ
ールミルを示す概略平面図。
【図3】メカニカルミリング前のステンレス鋼粉末の断
面を示す顕微鏡写真。
【図4】メカニカルミリング前のステンレス鋼粉末の表
面を示す顕微鏡写真。
【図5】メカニカルミリング後のステンレス鋼粉末の断
面を示す顕微鏡写真。
【図6】メカニカルミリング後のステンレス鋼粉末の表
面を示す顕微鏡写真。
【図7】メカニカルミリング前後のステンレス鋼粉末に
ついて、表面と断面の双方でのX線反射角度とX線強度
の関係を求めた結果を示すグラフ。
【図8】メカニカルミリング後の粉末の表面層近傍を拡
大して示す顕微鏡写真。
【図9】500°Cで熱処理後のステンレス鋼粉末を示
す顕微鏡写真。
【図10】600°Cで熱処理後のステンレス鋼粉末を
示す顕微鏡写真。
【図11】700°Cで熱処理後のステンレス鋼粉末を
示す顕微鏡写真。
【図12】800°Cで熱処理後のステンレス鋼粉末を
示す顕微鏡写真。
【図13】900°Cで熱処理後のステンレス鋼粉末を
示す顕微鏡写真。
【図14】1000°Cで熱処理後のステンレス鋼粉末
を示す顕微鏡写真。
【図15】熱処理済ステンレス鋼粉末の表面から大略1
5μmの位置付近の顕微鏡写真。
【図16】ステンレス鋼粉末の熱処理温度と発熱量との
関係を測定した結果を示すグラフ。
【図17】熱処理済みのステンレス鋼粉末にエッチング
を施して微小ステンレス鋼コンテナを作製する様子を示
す説明図。
【図18】上記微小ステンレス鋼コンテナを示す拡大斜
視略図。
【図19】上記微小ステンレス鋼コンテナを示す拡大断
面略図。
【符号の説明】
12 熱処理済みステンレス鋼粉末 18 微小ステンレス鋼コンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25F 3/02 C25F 3/02 B 3/06 3/06 3/14 3/14 (72)発明者 真田 龍司 滋賀県草津市野路東1丁目1番1号 立命 館大学 びわ こ・くさつキャンパス 理 工学部内 Fターム(参考) 4K018 BA17 BB03 BB06 BC01 BC08 BC09 BC15 BD10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼の原料粉
    末に数分間乃至数百時間常温でメカニカルミリングを施
    し、粉末の表面層のみをフェライト化させたことを特徴
    とする冷間加工済ステンレス鋼粉末。
  2. 【請求項2】 原料粉末の平均粒子径が数10μm乃至
    数mm程度であることを特徴とする請求項1記載の冷間
    加工済ステンレス鋼粉末。
  3. 【請求項3】 上記表面層のフェライトの結晶粒径が数
    nm乃至数十nmであることを特徴とする請求項1記載
    の冷間加工済ステンレス鋼粉末。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの冷間加工済
    ステンレス鋼粉末を基準温度以下の低温で熱処理するこ
    とにより、粉末の表面層にフェライト相と炭化物とを分
    布させたことを特徴とする熱処理済ステンレス鋼粉末。
  5. 【請求項5】 上記冷間加工済ステンレス鋼粉末を基準
    温度近傍の基準温度より低い温度で熱処理することによ
    り、上記粉末の表面層にフェライト相と炭化物の他にオ
    ーステナイト相を分布させたことを特徴とする請求項4
    記載の熱処理済ステンレス鋼粉末。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかの冷間加工済
    ステンレス鋼粉末を基準温度以上の高温で熱処理するこ
    とにより、粉末の表面層にマルテンサイト相と炭化物と
    を分布させたことを特徴とする熱処理済ステンレス鋼粉
    末。
  7. 【請求項7】 上記冷間加工済ステンレス鋼粉末を基準
    温度近傍の基準温度より高い温度で熱処理することによ
    り、粉末の表面層にマルテンサイト相と炭化物の他にオ
    ーステナイト相を分布させたことを特徴とする請求項6
    記載の熱処理済ステンレス鋼粉末。
  8. 【請求項8】 上記基準温度が500乃至600°C程
    度であることを特徴とする請求項4又は6記載の熱処理
    済ステンレス鋼粉末。
  9. 【請求項9】 請求項4乃至8のいずれかの熱処理済ス
    テンレス鋼粉末に電解腐食を施すことにより、粉末の表
    面層以外の部位を抽出し、残存した表面層により形成し
    たことを特徴とする微小ステンレス鋼コンテナ。
  10. 【請求項10】 オーステナイト系ステンレス鋼の原料
    粉末に数分間乃至数百時間常温でメカニカルミリングを
    施し、粉末の表面層のみをフェライト化させることを特
    徴とする冷間加工済ステンレス鋼粉末の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10の方法により製造された冷
    間加工済ステンレス鋼粉末を低温で熱処理することによ
    り、粉末の表面層にフェライト相と炭化物とを分布させ
    ることを特徴とする熱処理済ステンレス鋼粉末の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 粉末の表面層にフェライト相と炭化物
    の他にオーステナイト相を分布させることを特徴とする
    請求項11記載の熱処理済ステンレス鋼粉末の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項10の方法により製造された冷
    間加工済ステンレス鋼粉末を高温で熱処理することによ
    り、粉末の表面層にマルテンサイト相と炭化物とを分布
    させることを特徴とする熱処理済ステンレス鋼粉末の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 粉末の表面層にマルテンサイト相と炭
    化物の他にオーステナイト相を分布させることを特徴と
    する請求項13記載の熱処理済ステンレス鋼粉末の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 請求項11乃至14のいずれかの方法
    により製造された熱処理済ステンレス鋼粉末に電解腐食
    を施すことにより、粉末の表面層以外の部位を抽出し、
    残存した表面層により微小ステンレスコンテナを形成す
    ることを特徴とする微小ステンレス鋼コンテナの製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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