JP2001314414A - 移植片固定装置による移植片を固定するための方法 - Google Patents

移植片固定装置による移植片を固定するための方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移植片固定装置および挿入部材の組合せ体を
使用して骨に移植片を固定する方法を提供する。 【解決手段】 上記の固定装置は骨またはその他の身体
表面部分に組織移植片を固定するために有用である。こ
の移植片固定装置は接続部材により接続されている2個
の移植部材を備えている。これらの移植部材はこれらを
貫通する長手方向の通路をそれぞれ有している。同様
に、上記の挿入部材は長手方向の通路を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明が関係する技術分野は
外科固定装置であり、特に、組織移植片を骨に固定する
ための外科固定装置である。
【0002】
【従来の技術】組織工学に関連する医療技術は迅速に進
歩している。特に、例えば、膝関節から軟骨細胞および
線維軟骨細胞を採取するような、人体から細胞を収集す
ることが今日において知られている。その後、これらの
自系細胞は生体吸収性の基質上で実験室環境内において
培養される。一般に、この基質は置換する必要のある組
織部分とほぼ同一の形状を有している。適正な環境条件
での適当な培養培地内における一定の十分な時間経過後
において、収集した細胞は基質上で成長して、患者の身
体内において置換する必要の有る組織部分とほぼ同一の
物理的形状を有する組織の移植可能な部分を形成する。
その後、このような基質上の細胞により構成されている
(あるいは、細胞を伴わない基質のみにより構成されて
いる)組織工学的処理により形成された構造は縫合線、
骨膜被膜材、またはフィブリン接着剤を含む従来におい
て既知の外科固定装置(fasteners)により骨の部位に固
定される。
【0003】このような組織工学的方法の利点は多くあ
り、例えば、その内の重要な利点として、生活軟骨組織
を軟骨移植片に置き換えることが現在において可能であ
ることである。さらに、イン・ビトロにおいて成長した
軟骨組織は患者の自系軟骨組織と同一であるために、組
織移植片の拒否傾向を最小化できる。
【0004】既存の基質固定装置はその目的用途に対し
て適応しているが、その使用において幾つかの不都合が
伴う。先ず、これらの固定装置は骨または軟質組織に対
する基質の固定用に特別に構成されておらず、多様な外
科処理において使用可能に構成されている意味で、これ
らの固定装置は一般用であることである。別の不都合点
として、最少侵襲性の関節鏡処理においてこれらの装置
の内の大部分の使用が困難になることが含まれる。さら
に別の不都合点として、骨膜組織弁として使用するため
の骨膜の組織片を収集することの困難さおよび外科的な
手間、このような収集処理に伴う患者の罹病率の相当な
高さ、およびこのような薄くて柔らかい材料を周囲組織
に縫合する困難さ等が含まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、組織工学的に
処理して形成した組織を骨またはその他の係留部位に効
果的に固定して当該組織が患者の体内において継続的に
成長し再生することを可能にする新規な固定装置が当該
技術分野において要望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の目的は
組織工学的に処理して作成した組織を骨またはその他の
係留部位に効果的に固定することにより当該組織が継続
的に成長し再生するような固定装置を提供することであ
る。
【0007】本発明の別の目的は関節鏡処理または切開
処理により容易に設置できる骨部位に基質を固定するた
めの装置を提供することである。
【0008】本発明のさらに別の目的は縫合線または縫
合線の結び目を必要としない骨の部位に基質を固定する
ための装置を提供することである。
【0009】本発明のさらに別の目的は患者の体内の一
定の場所に上記の装置を用いて基質を固定するための外
科的方法を提供することである。
【0010】従って、本発明は移植片固定装置を開示す
る。本発明による移植片固定装置は第1の移植部材およ
び第2の移植部材を有している。これらの部材は細長い
形状をしており、好ましくは、円筒形状を有している。
さらに、これらの部材はそれぞれ先端部、基端部、およ
び長手軸を有している。加えて、各移植部材の全長にわ
たって延在する長手方向の通路が備えられている。ま
た、これらの部材はそれぞれ外表面部を有している。さ
らに、これらの移植部材は第1の端部および第2の端部
および中央部分を有する棒状部材を介して互いに接続し
ている。この棒状部材の第1の端部は第1の移植部材の
基端部から延出しており、棒状部材の第2の端部は第2
の移植部材の基端部から延出している。好ましくは、こ
の棒状部材は比較的剛性であり、例えば、逆「U」字形
状のような種々の幾何学的形状を有するように構成可能
である。しかしながら、この棒状部材は柔軟性であって
もよい。ただし、この棒状部材は上記の移植部材を互い
に対して一定の距離で維持する。さらに、棒状部材の中
央部分は組織工学的に処理して形成した基質移植片の一
部分に係合するように構成されている。好ましい実施形
態において、上記の移植部材は、当該移植部材を予め形
成した骨の穴の中に移植した後に、骨の部位またはその
他の係留部位からの離脱阻止を補助するために当該移植
部材の各外表面部から延出する一連の***部を有してい
る。
【0011】本発明のさらに別の態様は組織工学的に処
理して形成した基質を含む基質を骨に固定するための本
発明の移植片固定装置を使用する方法である。
【0012】本発明のさらに別の態様は固定装置および
挿入部材の組合せにより構成されている移植片固定装置
の組合せ体である。この固定装置は第1の移植部材であ
る。この移植部材は長手軸、基端部、先端部、外表面
部、および当該移植部材を貫通する長手方向の通路を有
している。この固定部材はさらに第2の移植部材を有し
ている。この第2の移植部材は長手軸、基端部、先端
部、外表面部、および当該移植部材を貫通する長手方向
の通路を有している。各移植部材は上記長手方向の通路
を囲む基端側環状面部をその基端部において有してい
る。さらに、上記第1の移植部材および第2の移植部材
を接続する接続部材が備えられている。この接続部材は
中央部分、第1の移植部材から延出している第1の端
部、および第2の移植部材から延出している第2の端部
を有している。
【0013】さらに、一対の挿入部材が備えられてい
る。各挿入部材は基端部、先端側テーパー状端部、およ
び当該装置を貫通する長手方向の通路を有する部材であ
る。各移植部材の先端部は挿入部材の基端部に係合して
いる。
【0014】本発明の別の態様は挿入部材が各移植部材
の先端部に取り付けられている上記の組合せ体である。
【0015】本発明のさらに別の態様は上記の組合せ体
を用いて基質を組織、特に、骨に取り付ける方法であ
る。この方法において、移植片固定装置の組合せ体およ
び一対の挿入部材が供給される。この固定装置は第1の
移植部材を有しており、当該移植部材は長手軸、基端
部、先端部、外表面部、および当該部材を貫通する長手
方向の通路を有している。さらに、この固定装置は第2
の移植部材を有しており、当該第2の移植部材は長手
軸、基端部、先端部、外表面部、および当該部材を貫通
する長手方向の通路を有している。さらに、第1の移植
部材および第2の移植部材の各基端部において長手方向
の通路の基端側開口部を囲む最適な基端側環状面部が備
えられている。接続部材が第1の移植部材および第2の
移植部材を接続しており、当該接続部材は中央部分、第
1の移植部材から延出する第1の端部、および第2の移
植部材から延出する第2の端部を有している。上述した
ように、一対の挿入部材がさらに供給される。各挿入部
材は基端部、先端側テーパー状端部、および当該装置を
貫通する長手方向の通路を有している。各移植部材の先
端部は挿入部材の基端部に係合している。必要に応じ
て、挿入部材は各移植部材の先端部の中に成形されてい
る。次に、上記の固定装置および各挿入部材の組合せ体
が一対の離間したプロング部(prongs)または熊手部を
有する挿入装置に取り付けられ、当該プロング部はそれ
ぞれ先端部分および当該先端部分から延出する尖った先
端部を有しており、各プロング部が各移植部材および挿
入部材の通路の中にそれぞれ収容されるようになってい
て、各プロング部の先端部が各挿入部材の先端部よりも
先端側に延出して、各移植部材の先端部が各挿入部材の
基端部に係合するようになっている。このようにして、
基質が骨の上に配置される。その後、移植部材および挿
入部材が基質を貫通して骨の中に送り込まれることによ
り、基質が骨に対して固定される。
【0016】本発明のさらに別の態様は上記の方法であ
り、当該方法において、上記挿入装置のプロング部上へ
の取り付けの前に、上記挿入部材が上記移植部材に取り
付けられて、この組合せ体が1段階でプロング部上に取
り付けられる。
【0017】本発明の上記およびその他の特徴および利
点が以下の説明および図面によりさらに明らかになる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の移植片固定装置は吸収性
および非吸収性の材料を含む慣用的な生体許容性の材
料、並びに、生体崩壊性の材料により作成できる。利用
できる非吸収性の材料としては、ステンレス・スチー
ル、ポリエチレン、テフロン(登録商標)(Teflon)、
ニチノール(Nitinol)、非吸収性ポリマー、その他の生
体許容性の金属材、セラミック材、およびこれらの組合
せ等のような慣用的な生体許容性の材料が含まれる。ま
た、本発明の移植片固定装置を製造するために使用でき
る吸収性の材料は効果的に成形処理または加工処理が行
なえる当該技術分野において既知の慣用的な生体吸収性
または生体再吸収性の材料を一般的に含む。これらの生
体吸収性および生体再吸収性の材料としては、ポリ(乳
酸)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリグ
リコール酸、ポリガラクタン酸、およびその他の既知の
生体許容性で生体吸収性のポリマーおよび生体再吸収性
のポリマー、セラミック材、複合材、およびこれらの組
合せおよび等価物等が含まれる。
【0019】図1および図2において、本発明の移植片
固定装置10の好ましい実施形態を示している。移植片
固定装置10は移植部材20を有して示されている。各
移植部材20は細長い部材として示されており、好まし
くは、概ね円筒形の形状を有している。さらに、各部材
20は円錐形、ピラミッド形、多角形、立方体、球形等
の別の幾何学的形状を有することもできる。各移植部材
20は先端部22および基端部24を有して示されてい
る。また、各移植部材20は外表面部28および長手軸
29を有している。さらに、各部材20はこれを貫通す
る長手方向の通路35を有している。また、これらの移
植部材20は必要に応じて備えられる円錐台形の端部3
0および基端側端面部32を有して示されている。この
端面部32は平坦であることが好ましいが、傾斜状、凹
状、凸状等にすることもできる。端面部32は通路35
に連通する中央円形開口部36を有している。好ましく
は、この中央開口部36は円形断面を有しているが、楕
円形、多角形、正方形、長方形、およびこれらの組合せ
等の別の幾何学的形状を有することもできる。さらに、
各移植部材20は通路35に連通する円形開口部38を
有する先端側端面部37を有して示されている。必要に
応じて備えられる円錐台形の端部30を伴う場合に示さ
れるように、環状の端面部37は開口部38の周囲にお
いてその厚さが最小になるが、円錐台形の端部30を採
用しなければ、その厚さはさらに増加する。さらに、組
織係合エッジ部44を有する一連の必要に応じて備えら
れる突出部40が各移植部材20の表面28から延出し
ている。これらの突出部40が無い場合は、各部材20
の表面28は滑らかである。
【0020】装置10は各移植部材20を接続する移植
片保持部材または接続部材50を有している。この保持
部材50は第1の端部52、第2の端部54、および中
央部分55を有する棒状部材として示されている。第1
の端部52は第1の移植部材20の基端側端面部32か
ら延出しており、第2の端部54は別の移植部材20の
基端側端面部32から延出している。保持部材50の各
端部52および54は必要に応じて外表面部28の任意
の部分から延出または当該部分に取り付けることができ
る。好ましくは、接続部材50は上部セグメント55お
よび足部セグメント56を含む3個のセグメントに屈曲
または分かれた形状である。上部セグメント55は足部
セグメント56に対してほぼ垂直に示されている。接続
部材50は逆「U」字形状を有していることが好ましい
が、この接続部材50は半円形、円弧形、湾曲状、三角
形、多角形、U字形状、およびこれらの組合せ等を含む
別の幾何学的形状を有していてもよい。接続部材50の
端部52および54は移植部材20に対して永久的に取
り付けられていてもよく、あるいは、従来的な様式で当
該部材20に対して取り付けられていてもよい。さら
に、接続部材50は剛性または柔軟性を有することがで
きる。この接続部材50は骨またはその他の身体部分の
表面上において組織工学的に処理して作成した基質を効
果的に保持するための十分な表面積を有している。好ま
しくは、接続部材50は円形断面を有しているが、楕円
形、多角形、正方形、長方形、およびこれらの組合せ等
を含む別の幾何学的断面形状を有していてもよい。さら
に、接続部材50は剛性または柔軟性であってよく、単
一のフィラメント状構造を有するか、多数個の内部接続
したフィラメントまたは部材を有することができる。
【0021】図3乃至図8において、外科処理における
本発明の移植片固定装置10の使用方法を説明する。先
ず、図3において、初期的な工程、すなわち、本発明の
移植片固定装置10を使用して組織工学的に処理して作
成した組織を含む基質の設置を行なう前の工程は、例え
ば、膝関節部内の肋軟骨下骨等の骨210に2個の中ぐ
り穴200を穴あけ、または、「タップ立て」すること
である。これらの中ぐり穴200は底部208および開
口した上部202および側壁部205を有する円筒形の
穴として示されている。必要に応じて、これらの中ぐり
骨穴200は底部の無いまたは開口状の底部を有する連
続的な通路を有する骨管であってもよい。「スラップ・
ハンマー」部分として当業界において慣用的に呼ばれる
基端側部分を有する図10に示すような装置400を使
用することにより各中ぐり穴200にタップを立てるこ
とが特に好ましい。本明細書において使用する用語の
「タップ立て(tapping)」または「タップ(tap)」
は、装置400の軸部405の先端部415から延出す
る先端の尖ったプロング部または突出部420を骨の部
位の上方に配置し、装置400の基端部410を(「ス
ラップ・ハンマー」の)摺動自在なハンマー・ハンドル
450(当該ハンドル450は軸部460上において基
端部410と基端側停止部470との間を摺動する)に
より軽くたたくまたは打つことにより、骨の中ぐり穴2
00を形成することを意味すると定義されている。軸部
460の先端部415は基端部410に接続している。
基端側停止部470は基端部410に取り付けられてい
る。ハンマー・ハンドル450は把持部分451、カラ
ー455および長手方向の通路457を有している。な
お、当該技術分野における熟練者であれば、同様の先端
の尖った装置、すなわち、爪状の先端部を有する任意の
装置を骨の中ぐり穴に「タップ立て」するために使用で
きることが理解できると考える。加えて、好ましいと言
うわけではないが、1回に1個の骨の中ぐり穴を「タッ
プ立て」してもよい。外科医が骨に中ぐり穴を穿設する
ことを決めた場合に、任意の慣用的な外科穴あけ装置を
使用できる。さらに、中ぐり穴200を骨210に形成
した後に、組織工学的に処理して形成した組織を含む基
質220が図4に示すように外科医により骨の表面部分
201の上に配置される。次に、移植片固定装置10が
挿入装置250上に取り付けられる。この挿入装置25
0は、図11に示すように、基端部262および先端部
264を有する細長い棒状部材260として示されてい
る。棒状部材260の先端部264には深さ停止部29
0が取り付けられている。この深さ停止部290は棒状
部材260の長手軸251に対して垂直に取り付けた概
ね長方形の部材として示されている。さらに、この深さ
停止部290は底部292を有している。このプレート
状部材である深さ停止部290の底部292から一対の
平行で互いに離間した取付用プロング部270が延出し
ている。各取付用プロング部270は先端の尖った先端
部277および基端部272を有している。さらに、各
プロング部270は基端側部分273および先端側部分
275を有している。基端側部分273は先端側部分2
75よりも大きな断面寸法を有していて、先端側部分2
75の全体が各移植部材20の通路35の中に挿入可能
になっているが、基端側部分273は当該通路35の中
に挿入できないようになっている。さらに、挿入装置2
50は「スラップ・ハンマー部分」を有して示されてお
り、このスラップ・ハンマー部分は基端部262から延
出している基端側軸部300、および基端部262と基
端側停止部330との間の軸部300上において摺動可
能なハンマー・ハンドル320(「スラップ・ハンマ
ー」)により構成されている。ハンマー・ハンドル部材
320は把持部分325、端部カラー327、および長
手方向の通路329を有して示されている。上記の移植
片固定装置10は、各取付用プロング部270上に移植
部材20をそれぞれ摺動させることにより、この挿入装
置250に取り付けられて、当該プロング部270の各
先端部分275が移植部材20の長手方向の通路35の
中に係合されて、尖った先端部277が先端側端面部3
7の端面から先に突出する。その後、図5および図6に
示すように、挿入装置250が操縦されて、移植片固定
装置10が基質220の中に挿入されてプロング部27
0上に取り付けた移植部材20を中ぐり穴200の中に
移動することにより骨210の中に進入して、各移植部
材20が中ぐり穴200の中に係合すると共に、保持部
材50の組織係合部分55が基質220に係合して、基
質220が骨210の表面201に対して固定状態で係
合する。必要であれば、装置10の挿入前に、穴を基質
220の中に形成することができる。その後、図7に示
すように、挿入装置250を基端側に後退させることに
より、取付用プロング部270が各移植部材20の通路
35から引き抜かれて、移植片固定装置10が骨の中ぐ
り穴の中に係合した状態で留まり、基質220が骨21
0の表面201に対して係合した状態で保持される。挿
入装置250の「スラップ・ハンマー」部分は各プロン
グ部270の取り外しを補助できる。図8は骨の表面2
01上に基質220を保持した状態で骨210の中に係
合した装置10を示している断面図である。
【0022】図12は基質220を固定するために備え
られた本発明の多数個の固定装置を有する骨210の表
面201に取り付けた基質220を示している図であ
る。なお、十分に有効な固定を行なうのに必要な固定装
置10の数、解剖構造学的配置、および配向は基質の移
植の寸法および種類、組織の種類、患者の年齢、患者の
欠陥部の寸法、固定装置の寸法、固定装置の構成材料、
および修復部位における組織上の負荷等により変化す
る。
【0023】当該技術分野における熟練者であれば、本
発明の固定装置の寸法が装置の特定の構成、その構成材
料、装置の特定の用途、および外科処理の種類等を含む
多数の可変の条件により変化することが理解できると考
える。同様に、これらの装置と共に固定される基質の寸
法も変化する。本明細書の一部分である各図面は本発明
の装置および方法を概略的、かつ、例示的に示している
に過ぎず、各図面に示す装置および基質の実際の寸法は
実用時において変更可能である。
【0024】以下の実施例は本発明の原理および実施を
例示するが、本発明の原理および実施は当該実施例に限
られない。
【0025】実施例 完全に滅菌処理した装置および設備、および従来的な麻
酔処理およびプロトコルの使用を含む標準的な無菌の外
科技法による外科処理用に6頭のヒツジを用意した。そ
の後、外科医はこれら6頭の骨格的に成育した各羊の中
央大腿顆の重量支持領域上および右側の後膝関節(膝)
の中の滑車溝内に7mmの直径の軟骨(全厚軟骨)欠損
部を形成した。肋軟骨下の骨の露出またはこれへの侵入
を防ぐための深さ停止部を有する特別製のドリルにより
これらの欠損部を形成した。その後、全ての欠損部の基
底表面を特別性のミクロピック器具により微小骨折化さ
せて細胞移動用の接近領域を形成した。これらの被検体
を以下のような各2頭ずつの3個のグループに分離し
た。 グループ1:本発明の移植片固定装置により固定したコ
ラーゲン基質により充填された欠損部 グループ2:9−0吸収性Vicryl(商標)縫合線により
固定したコラーゲン基質により充填した欠損部(断続的
かがり縫い技法、基質当たり約12本の糸) グループ3:未充填欠損部(対照グループ)
【0026】さらに、任意の後膝関節内の両方の欠損部
は同一の治療を受け、対照として作用する。
【0027】グループ1の2頭の羊は、欠損部が形成さ
れて微小骨折化処理が行われた後に、穴あけ装置400
を用いて本発明の1個の移植片固定装置を受容するため
に肋軟骨下骨において必要とされる2個の中ぐり穴を形
成した。1個のポリジオキサノン装置(先端部から先端
部までの距離=4mm)のみを使用して各基質を取り付
けた。中ぐり穴を形成するために、上記の穴あけ装置を
欠損部の中央に配置し、その矢状面内に配向して、穴あ
け器具が肋軟骨下骨内に数ミリメートル進入するまで繰
り返してスラップ・ハンマーによりかるく打つまたは
「たたいた(tapped)」。次に、塩類溶液により飽和し
た直径7mmの円形のコラーゲン基質を欠損部の中に配
置した後に、吸い取り乾燥により過剰の塩類溶液を除去
した。その後、挿入装置250に本発明の移植片固定装
置10を装填して、当該固定装置10および挿入装置2
50を基質の上方の中央に配置してその矢状面内に配向
した。次に、外科医は挿入装置250の先端部を基質の
中に徐々に進行させて既に形成した中ぐり穴に対する位
置決めを行った。このようにして、外科医が穴と挿入装
置の先端部との間の位置合わせを終えると、ハンマーを
用いて挿入装置250(および固定装置10の移植部材
20)を基質の中および肋軟骨下骨の中に完全に進入さ
せる。この挿入装置250は移植部材20が深く挿入し
過ぎることを防止するための深さ停止部を有していて、
移植部材20の基質の中における適正な配置が確実に行
なえるようになっている。この挿入処理は2個の移植部
材の間の接続用保持部材50がコラーゲン基質を初期的
に押圧し始めて下層の肋軟骨下骨に対する確実な固定が
示された時に完了する。任意の後膝関節内の2個の欠損
部をそれぞれ基質および固定装置により修復した後に、
この後膝関節を閉鎖して羊を自然回復させた。この結
果、外科医は、本発明の固定装置(グループ1)により
基質を取り付けるために約1分かかり、縫合線単独およ
び必要な縫合線の操作および結び目の形成(グループ
2)により基質を取り付けるために約15分かかること
が分かった。
【0028】外科処理を完了してから2週間後に、上記
の膝関節部を外科的に切開して調べた。これらの関節部
の肉眼による評価から、本発明の移植片固定装置により
保持した4個の基質は全て完全に無傷であることが分か
った。しかしながら、縫合線のみにより保持した4個の
基質は全て部分的にのみ無傷であり、平均で、約30%
の縫合線が任意の基質において破壊されていた。
【0029】さらに、多数個の保持部材を有する本発明
の固定装置の別の実施形態を図9に示す。この装置30
0は一対の移植部材310を有して示されている。これ
らの移植部材310は長手軸311、先端部314、お
よび基端部312を有する概ね円筒形の部材である。各
移植部材310は長手方向の通路320を有して示され
ている。また、各移植部材310は先端側の円錐台形状
の端部330、外表面部350、および外表面部350
から外側に延出している***部355を有して示されて
いる。さらに、各移植部材310は第1の端部342お
よび第2の端部344をそれぞれ有する一対の保持部材
または接続部材340により接続されている。
【0030】本発明の固定装置のさらに別の実施形態を
図13乃至図17に示す。この移植片固定装置500は
一対の移植部材520を有して示されている。各移植部
材520は細長い部材で、好ましくは、概ね円筒形状を
有している部材として示されている。なお、これらの移
植部材520は円錐形、ピラミッド形、多角形、立方
体、球形等を含む別の幾何学的形状を有することができ
る。さらに、各移植部材520は先端部522および基
端部524を有して示されている。また、各移植部材5
20は外表面部528および長手軸529を有してい
る。さらに、各移植部材520はこれらを貫通する長手
方向の通路535を有している。加えて、各移植部材5
20は必要に応じて備えられる円錐台形状の端部53
0、および基端側端面部532を有して示されている。
この端面部532は平坦であることが好ましいが、この
端面部532は傾斜状、凹状、凸状等であってもよい。
各端面部532は通路535に連通する中央円形開口部
536を有して示されている。好ましくは、この中央円
形開口部536は円形断面を有しているが、楕円形、多
角形、正方形、長方形、およびこれらの組合せ等を含む
別の幾何学的形状の断面を有することもできる。さら
に、各移植部材520は通路535に連通する円形開口
部538を有する先端側端面部537を有して示されて
いる。好ましくは、この先端側端面部537は鋭いエッ
ジ形状を有しているが、丸み付けした形状または平坦な
形状を有する種々の幅を有することもできる。必要に応
じて備えられる円錐台形の端部530を伴う場合に示さ
れるように、環状の端面部537は開口部538の周囲
においてその厚さが最小になるが、円錐台形の端部53
0を採用しなければ、その厚さはさらに増加する。しか
しながら、好ましいとは言えないが、円錐台形の端部5
30の場合であっても、その端面部537は既に説明し
たように種々の幅を有することが可能である。さらに、
組織係合エッジ部544を有する一連の必要に応じて備
えられる突出部540が各移植部材520の外表面部5
28から延出している。これらの突出部540が無けれ
ば、各移植部材520の外表面部528は滑らかになる
が、この外表面部528は粗い状態であってもよく、円
錐、半球、棒状部分、フック等およびこれらの等価物の
ような種々の慣用的な突出部を有していてもよい。
【0031】さらに、装置500は各移植部材520を
接続している移植片保持部材550を有して示されてい
る。この保持部材または接続部材550は、好ましく
は、卵形断面を有する帯状部材である。この保持部材5
50は第1の端部552、第2の端部554、および中
央部分555を有して示されている。第1の端部552
は第1の移植部材520の基端側端面部532から延出
して示されているが、第2の端部554は別の移植部材
520の基端側端面部532から延出して示されてい
る。また、第1の端部552の一部分557は外表面部
528の一部分539から延出しており、第2の端部5
54の一部分558もまた外表面部528の一部分53
9から延出している。保持部材550の各端部552お
よび554は、必要であれば、外表面部528の任意の
部分から延出でき、あるいは、当該任意の部分に取り付
けることができる。好ましくは、接続部材550は上部
セグメント555および足部セグメント556を含む3
個のセグメントに屈曲または分かれた形状である。この
場合に、上部セグメント555は円弧形状の部材として
示されており、各足部セグメント556は端面部532
に対して垂直であるのが好ましい。接続部材550は逆
「U」字形状を有しているのが好ましいが、この接続部
材550は半円形、円弧状、湾曲状、三角形、多角形、
V字形状等、およびこれらの組合せを含む別の幾何学的
形状を有することができる。接続部材550の各端部5
52および554は各移植部材520に対して永久的に
取り付けることができ、あるいは、例えば、ボール・ア
ンド・ソケット式関節、プラグ式関節等のような種々の
慣用的様式で各移植部材520に取り外し可能に取り付
けることができる。接続部材550は剛性または柔軟性
を有することができる。また、接続部材550は骨また
はその他の身体部分の表面上において組織工学的に処理
して作成した基質を効果的に保持するための十分な表面
積を有している。好ましくは、接続部材550は卵形断
面を有しているが、円形、楕円形、多角形、正方形、長
方形、およびこれらの組合せ等を含む別の幾何学的断面
形状を有していてもよい。さらに、接続部材550は剛
性または柔軟性であってよく、単一のフィラメント状構
造を有するか、多数個の内部接続したフィラメントまた
は部材を有することができる。
【0032】本発明の別の態様は本発明の固定装置と共
に使用する場合に有用な先端側挿入部材(装置)であ
る。図18に示すように、挿入部材600は基端部61
0および先端部620を有するほぼ円筒形の部材として
示されているが、この挿入部材600は別の形状も有し
得る。基端部610は平坦な端面部612を有してい
る。さらに、円錐台形の端部630が先端部620から
先端側に延出して示されている。必要であれば、先端部
620はテーパー状または湾曲状の任意の形状を有する
ことができるが、当該先端部620から延出する円錐台
形の端部を有することが好ましい。この円錐台形の端部
630は外表面部632および先端部640を有して示
されている。さらに、挿入部材600は外表面部650
を有している。また、挿入部材600の中に、長手方向
の通路660が当該通路に連通する円形の第1の開口部
665および先端部640における第2の開口部667
を伴って延在している。挿入部材600は本発明の固定
装置と組み合わせて使用されて骨の中に固定装置を係合
するのと同時に骨の中に中ぐり穴をタップ立てすること
により、固定装置を挿入する前に中ぐり穴を形成する別
の工程の必要性を排除する。
【0033】図19乃至図21において、既に述べた挿
入部材600および固定装置500の組合せを示してい
る。最初に、固定装置500が装置400の軸部405
の先端部415から延出するプロング部700に取り付
けられる。各プロング部700は軸部405の先端部4
15から延出している第1の円筒形部分710として示
されている。さらに、各円筒形部分710は基端部71
1および先端部712、および受容溝715を有して示
されている。さらに、各第1の部分711の先端部71
2から中央ピン部分720が延出している。この中央ピ
ン部分720は基端部722および先端部724を有し
て示されている。さらに、この中央ピン部分720の先
端部724から先端側ピン部材730が先端側に延出し
ている。この先端側ピン部材730は基端部732およ
び先端側の尖った端部734を有している。
【0034】必要であれば、挿入部材600を移植部材
520の先端部内に成型またはこれに取り付けることに
より、図31および図32に示すような一体構造を形成
してもよい。加えて、挿入部材600は接着、セメント
剤処理、機械的固定、摩擦嵌め等およびこれらと等価の
処理による慣用的な様式で移植部材520の先端部に取
り付けることができる。
【0035】固定部材600および本発明の固定装置5
00のような固定装置の組合せは以下のような様式で基
質を骨に固定するために使用される。最初に、固定装置
500の各移植部材520が装置400の各プロング部
700上に配置されて、足部部材556が第1の部分7
10(図21参照)内の溝715の中に少なくとも部分
的に係合し、各プロング部700の中間部分720が各
移植部材520の通路535の中に係合すると共に、各
ピン部材730が各移植部材520の先端部から延出す
る。その後、挿入部材600が各ピン部材730の上方
に配置されて、各ピン部材730が各通路660の中に
係合し、尖った穴あけ用の端部734が挿入部材660
の先端部640から先に延出する。その後、装置400
および固定装置500と挿入部材600とにより構成さ
れている組立体が骨210の上に配置された組織基質2
20の上方に配置される。その後、穴あけ用の先端部が
基質220を貫通して押し出されて骨210の表面21
1に接触する。装置400のスラップ・ハンマー部分
は、中ぐり穴200が骨に形成されると、穴あけ用先端
部734、挿入部材600、および移植部材520を骨
210の中に駆動するように係合している。その後、装
置400を基端側に後退させることにより、各プロング
部700の中間部分720が各移植部材520から取り
外され、ピン部材730が各挿入部材600から取り外
されて、挿入部材600および移植部材520が(図2
0に示すように)骨に固定した状態で留まる。このこと
により、単一工程による基質220の骨210に対する
固定が完了し、この処理において、骨の中ぐり穴は挿入
部材600および固定装置500を骨に据え付けるのと
同時に形成される。
【0036】本発明の固定装置を挿入する際に従来的な
遠隔視覚化用の外科処理方法を採用することが特に好ま
しい。例えば、体内空孔部または関節部にガス注入しな
がら、当該関節部または体内空孔部の中にトロカール・
カニューレを介して検査鏡が挿入される。
【0037】挿入部材600は一般に骨を骨折または破
壊することなく骨の中に駆動できるような丈夫で、硬
い、生体吸収性の材料により形成されている。このよう
な挿入部材600を作成するために使用できる種類の材
料の例としては、ポリ(乳酸)、ポリグリコール酸、リ
ン酸三カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸四カルシ
ウム、およびヒドロキシアパタイト、およびこれらの任
意のコポリマーおよび混合物が含まれる。好ましいとは
言えないが、チタン、ステンレス・スチール、セラミッ
ク、ニチノール(Nitinol)等、およびこれらの等価物
のような生体吸収性または生体崩壊性でない慣用的な生
体許容性の材料により上記の挿入部材を作成することが
可能である。上記の挿入部材600は中ぐり穴200の
形成を補助すると共に、移植部材520の保護に役立
つ。
【0038】図22および図23は本発明の装置400
に対応する廃棄可能な先端部組立体800を示している
図である。この廃棄可能な組立体800を使用する場合
は、装置400の軸部405の先端部415がネジ41
8を有しているのが好ましいが、例えば、差込ピン式取
付手段、係止レバーおよびタブ、オス形およびメス形の
係合部分等の別の慣用的な着脱自在の取付手段が使用で
きる。図22乃至図25に示すように、組立体800は
基端部811および先端部817を有するハウジング8
10により構成されている。このハウジング810はそ
の中に中空の空孔部を有して示されている。さらに、空
孔部815は基端側開口部812および先端側開口部8
20に連通して示されている。また、ハウジング810
は外表面部822を有している。好ましくは、この外表
面部822はギザギザ状になっていて、ハウジング81
0の把持および回転が容易に行なえるようになってい
る。さらに、ハウジング810は先端側端面部825を
有して示されている。外表面部822はこの端面部82
5に向かってテーパー状になっているテーパー状部分8
23を有している。また、ネジ部819が空孔部815
の中の内側面部818に形成されている。さらに、組立
体800は駆動ピン部材830を有して示されている。
各駆動ピン部材830はその基端部831に取り付けら
れた基端側円板部材832、軸部分834、および先端
側の尖った端部838を有している。組立体800は装
置400の先端部415に以下の様式で取り付けられ
る。すなわち、各ピン830を空孔部834および各開
口部820の中に挿入して、その各軸部分834および
先端側の穴あけ用端部838を端面部825から延出さ
せて、各円板部材832が各環状の凹部840の中に収
容されるようにする。その後、ハウジング810を先端
部415のネジ部418に取り付けて当該ネジ部418
を対応するネジ部819に係合させ、さらにこれらをネ
ジ係合することにより、円板部材832の基端側端面部
833を先端部415の先端側端面部416に接触させ
る。外科処理に使用後に、この組立体800を取り外し
て廃棄する。その後、新しい処理毎に、別の新しい滅菌
処理した組立体800を洗浄および滅菌処理した装置4
00と共に使用する。
【0039】図26乃至図30において、挿入装置25
0に取り付けるための廃棄可能な先端部組立体900を
示している。この挿入装置250は端面部265および
ネジ部266を有する先端部264を有して示されてい
る。また、組立体900はハウジング950を有して示
されている。このハウジング950は基端部952、先
端部956、および外表面部954を有している。さら
に、先端部956からプレート部材960が延出してい
る。このプレート部材960は先端側端面部962を有
して示されている。外表面部954は必要に応じて備え
られるギザギザ状の表面およびプレート部材960に向
かってテーパー状になっている先端側テーパー状部分9
57を有して示されている。ハウジング950は内部空
孔部955を有して示されている。さらに、ハウジング
950は空孔部955に連通する基端側開口部951お
よび当該空孔部955に連通する各先端側開口部970
を有している。また、ハウジング950はその内側表面
部958に延在する内部ネジ部959を有して示されて
いる。さらに、先端部956におけるハウジング950
の内部において、凹状の溝980が備えられている。組
立体900は挿入装置250の先端部264に以下の様
式で取り付けられる。すなわち、各ピン910を空孔部
950および開口部970の中に挿入して、その基端側
部材922を溝980の中に係合させる。また、各ピン
910の各部分920および930を各開口部970の
中に延在させる。なお、各部分920は溝925を有し
て示されている。その後、ハウジング950を先端部2
64上にネジ係合させて、ネジ部266をハウジング9
50の対応する内部ネジ部959に係合する。先端部2
64の先端側端面部265を各ピン910の基端側部材
922の上面部923に係合するまでハウジング950
を締め付ける。外科処理の後に、組立体900を装置2
50から取り外して廃棄する。その後、新しい処理毎
に、別の滅菌処理した組立体900を洗浄および滅菌処
理した装置250と共に使用する。
【0040】本発明の固定装置、および当該固定装置と
挿入部材との組合せ、および当該装置および組合せを用
いる方法は多くの利点を有する。この利点として、組織
工学的処理により形成した組織またはその他の組織の基
質を固定するための迅速で日常的な方法を提供すること
が含まれる。上記の固定装置および組合せは、これらが
縫合線の結び目形成の必要性を排除するので、最少の外
科切開を必要として患者の羅病率を大幅に減少する関節
鏡外科処理において使用できる。加えて、上記の固定装
置および組合せは、周囲組織を貫通させる必要がある
(従って損傷する)従来的な縫合線による軟骨欠損部用
の基質の従来的な固定様式とは異なって、周囲の正常な
軟骨性組織を損傷することなく優れた基質固定を行なえ
ることを示した。
【0041】以上、本発明をその詳細な実施形態に基づ
いて図示し且つ説明したが、当該技術分野における熟練
者であれば、形態および詳細部分における種々の変形が
特許請求の範囲および実施態様に記載する本発明の範囲
および趣旨に逸脱することなく行なえることが理解でき
る。
【0042】本発明の実施態様は以下の通りである。 (1)前記移植部材がそれらの各外表面部から延出する
一連の***部を有している請求項1に記載の方法。 (2)前記接続部材が中央部分および足部部材を有する
形状に形成されており、各足部部材が前記移植部材の長
手軸に対して概ね平行であり、前記中央部分が足部部材
に対して概ね垂直である請求項1に記載の方法。 (3)前記接続部材が半円形状を有している請求項1に
記載の方法。 (4)前記移植部材がさらに前記第1の移植部材の先端
部および前記第2の移植部材の先端部からそれぞれ延出
している円錐台形の端部を備えている請求項1に記載の
方法。 (5)前記移植部材が円筒形の形状を有している請求項
1に記載の方法。
【0043】(6)前記各プロング部の先端側端部が前
記プロング部の先端部から延出している穴あけ用端部に
より構成されている請求項1に記載の方法。 (7)前記各プロング部が一定断面を有する先端部およ
び一定断面を有する基端部を備えており、当該基端部の
断面が先端部の断面よりも大きい請求項1に記載の方
法。 (8)前記各プロング部が円形断面を有している請求項
1に記載の方法。 (9)前記挿入部材がポリ(乳酸)、ポリグリコール
酸、リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸四
カルシウム、およびヒドロキシアパタイト、およびこれ
らのコポリマーおよび混合物から成る群から選択される
生体吸収性材料により構成されている請求項1に記載の
方法。 (10)前記挿入部材がチタン、ステンレス・スチー
ル、セラミック、ニチノール(Nitinol)から成る群か
ら選択される生体許容性材料により構成されている請求
項1に記載の方法。
【0044】(11)前記挿入装置の各プロング部に取
り付ける前に、前記挿入部材が前記各移植部材に固定さ
れる請求項1に記載の方法。 (12)前記挿入部材が前記固定装置と同時成形されて
いる実施態様(11)に記載の方法。 (13)前記挿入部材が接着により固定される実施態様
(11)に記載の方法。 (14)遠隔視覚化検査鏡を用いることにより行なわれ
る請求項1に記載の方法。
【0045】
【発明の効果】従って、本発明によれば、組織工学的に
処理して形成した組織を骨またはその他の係留部位に効
果的に固定して当該組織が患者の体内において継続的に
成長し再生することを可能にする新規な固定装置および
当該装置の使用方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移植片固定装置の斜視図である。
【図2】線2−2に沿う図1の移植片固定装置の断面図
である。
【図3】本発明の移植片固定装置を用いて基質を骨に固
定するための外科処理を示している図である。
【図4】本発明の移植片固定装置を用いて基質を骨に固
定するための外科処理を示している図である。
【図5】本発明の移植片固定装置を用いて基質を骨に固
定するための外科処理を示している図である。
【図6】本発明の移植片固定装置を用いて基質を骨に固
定するための外科処理を示している図である。
【図7】移植部材を骨の中ぐり穴の中に移植した後の本
発明の移植片固定装置の図であり、当該装置が基質を骨
の表面に対して固定している状態を示している図であ
る。
【図8】線8−8に沿う骨の中に移植した図7の移植片
固定装置の断面図である。
【図9】2個の接続部材を有する本発明の移植片固定装
置の別の実施形態を示している図である。
【図10】本発明の移植片固定装置における移植可能な
部材を据え付けることのできる骨の中ぐり穴を作成する
のに有用な装置の斜視図である。
【図11】骨に作成した中ぐり穴の中に本発明の装置を
移植するのに有用な装置の斜視図である。
【図12】本発明の幾つかの移植片固定装置により骨に
固定された組織工学的処理により形成された基質を示し
ている図である。
【図13】本発明の移植片固定装置の別の実施形態の斜
視図である。
【図14】図13の移植片固定装置の側面図である。
【図15】図14の移植片固定装置の端面図である。
【図16】線16−16に沿う図15の移植片固定装置
の断面図である。
【図17】線17−17に沿う図14の移植片固定装置
における組織保持部材の断面図である。
【図18】本発明の移植片固定部材を挿入するために有
用な挿入部材の斜視図である。
【図19】挿入装置、移植片固定装置、および2個の挿
入部材の分解斜視図である。
【図20】挿入装置を取り外す前の、挿入装置の先端
部、移植片固定装置、および骨の中に係合した挿入部材
の側面図である。
【図21】挿入装置におけるプロング部の図20の線2
1−21に沿う断面図、および当該プロング部の長手方
向の溝の中に係合した保持部材の部分を示している図で
ある。
【図22】本発明の挿入装置の先端部の分解斜視図であ
り、本発明の固定装置を受容するための骨の中ぐり穴を
形成する取り外し可能な先端部組立体を示しており、当
該組立体が端部部材およびピンを有している図である。
【図23】線23−23に沿う図22の組立体の端部部
材の断面図である。
【図24】図22の組立体の端部組立体の斜視図であ
り、完全に組み立てられて使用できる状態を示している
図である。
【図25】線25−25に沿う図24の端部組立体の断
面図である。
【図26】骨の中ぐり穴の中に本発明の移植片保持部材
を挿入するのに有用な取り外し可能な先端部組立体を有
する本発明の挿入装置の分解斜視図であり、当該挿入装
置は端部組立体および2個のピンを有しており、挿入部
材と共に使用する場合に、当該装置は骨の中ぐり穴を最
初に形成することなく骨の中に直接的に固定装置を据え
付けるために使用できる。
【図27】線27−27に沿う図26の端部組立体の断
面図である。
【図28】完全に組み立てられて取り付けられた状態の
端部組立体およびプロング部を有する図26の挿入装置
の先端部の斜視図である。
【図29】線29−29に沿う図28の挿入装置の先端
部の断面図である。
【図30】線30−30に沿う図29の挿入装置の断面
図である。
【図31】各移植部材の先端部の中に成形された挿入部
材を有する本発明の固定装置を示している図である。
【図32】図31の固定装置の断面図である。
【符号の説明】
10 移植片固定装置 20 移植部材 50 移植片保持部材(接続部材) 250 挿入装置 600 挿入部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ビクター・エフ・ジャナス アメリカ合衆国、08831 ニュージャージ ー州、トワスプ、モンロー、チェリー・ブ ロッサム・ドライブ 38 (72)発明者 ケバー・エス・テンヒューセン アメリカ合衆国、08853 ニュージャージ ー州、ネシャニック・ステーション、バミ ューダ・ドライブ 715

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基質を組織に取り付けるための方法にお
    いて、固定装置および一対の挿入部材の組合せ体により
    構成されている移植片固定装置を供給する工程から成
    り、 (I)前記固定装置が、 第1の移植部材により構成されており、当該第1の移植
    部材が長手軸、基端部、先端部、外表面部、およびこれ
    らを貫通する長手方向の通路を有しており、さらに、 第2の移植部材により構成されており、当該第2の移植
    部材が長手軸、基端部、先端部、外表面部、およびこれ
    らを貫通する長手方向の通路を有しており、さらに、 前記第1の移植部材および第2の移植部材を接続する接
    続部材により構成されており、当該接続部材が中央部
    分、前記第1の移植部材から延出している第1の端部、
    および前記第2の移植部材から延出している第2の端部
    を有しており、 (II)前記挿入部材が、それぞれ、 基端部、先端側のテーパー状端部、およびこれらを貫通
    する長手方向の通路を有する部材により構成されてお
    り、 前記各移植部材の各先端部が前記挿入部材の各基端部に
    係合しており、さらに、 前記組合せ体を一対の離間するプロング部を有する挿入
    装置に取り付ける工程から成り、当該プロング部が先端
    部およびこれらから延出している先端側端部を有してい
    て、各プロング部が各移植部材の通路の中に収容され
    て、各プロング部の先端側端部が前記挿入部材の先端部
    から先に延出するようになっており、さらに、 基質を骨の表面上に配置する工程と、 前記移植部材を前記基質を通して骨の中に挿入すること
    により、中ぐり穴を骨に形成すると共に移植部材を骨の
    中に据え付けることにより基質を骨に固定する工程とか
    ら成る方法。
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