JP2001313008A - 電池缶およびその製造方法並びに電池 - Google Patents

電池缶およびその製造方法並びに電池

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JP2001313008A
JP2001313008A JP2000131127A JP2000131127A JP2001313008A JP 2001313008 A JP2001313008 A JP 2001313008A JP 2000131127 A JP2000131127 A JP 2000131127A JP 2000131127 A JP2000131127 A JP 2000131127A JP 2001313008 A JP2001313008 A JP 2001313008A
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cup body
nickel
thickness
manufacturing
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Katsuhiko Mori
克彦 森
Masatoshi Uno
正敏 羽野
Akira Hashimoto
彰 橋本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】材料コストを低減でき、且つしごきダイスなど
の金型の寿命を十分に確保しながら製造できる構成を備
えた電池缶およびその電池缶を生産性よく製造できる方
法および電池を提供する。 【解決手段】電池缶1は、鉄を主体とする金属からなる
鋼板2を基材とし、鋼板2における容器内面側にニッケ
ル層3が0.1 〜10μmの厚みに形成されているととも
に、鋼板2における容器外面側にアルミニウム層4が0.
1 〜10μmの厚みに形成されている。電池缶1の製造方
法は、鉄を主体とする金属からなる鋼板2の一面にニッ
ケル層3を、且つ他面にアルミニウム層4をそれぞれめ
っき処理により加工形成した素材板を、アルミニウム層
4を外側に配置して深絞り加工して、中間カップ体7を
製作し、この中間カップ体7をDI加工して製缶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ乾電池や
ニッケルカドミウム蓄電池或いはリチウム二次電池など
の各種電池の外体ケースとして用いられる電池缶および
その電池缶を生産性良く安価に製造できる製造方法並び
に電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ノート型パソコンや携帯電話機な
どの各種コードレス機器が日常生活において広く汎用さ
れており、これらの駆動電源としては電池が用いられて
いる。これらコードレス機器において電池の占めるスペ
ースは非常に大きく、機器の小型化や軽量化を図るため
に、電池自体も小型化や軽量化しながら電池性能を高め
るために、電池缶の高容量化が要求されている。
【0003】ところが、電池缶の外形は国際規格で規定
されているため、電池缶の高容量化を図るためには、電
池缶の肉厚を薄くする必要がある。これに対し、従来の
電池缶の素材として一般に用いられていたクラッド材
は、少なくとも2種の板材を接合して製作されるので、
板材の肉厚を薄くすると破断などが生じ易いため、薄肉
化するのに限界がある。そこで、近年では、電池缶の素
材として、SPCE材(アルミキルド鋼板)の両側表面
にニッケルめっきを施したニッケルめっき鋼板が主に採
用されている。
【0004】一方、電池缶の製造方法としては、一般
に、トランスファプレス機による深絞り加工および抜き
加工を10〜13工程繰り返すことによって所定形状の電池
缶を製作する、いわゆるトランスファ絞り加工法と、プ
レス機による深絞り工程によって中間カップ体を製作し
た後、絞りダイスを用いた絞り工程および複数のしごき
ダイスを用いたしごき工程によって前記中間カップ体か
ら所定形状の電池缶を製作するDI(drawing とirong
、つまり絞り加工としごき加工の両方)加工法とが採
用されている。
【0005】上記DI加工法は、トランスファ絞り加工
法に比較して、工程数の削減により生産性が向上し、中
間カップ体をしごき加工する工程において側周壁のみを
引き延ばして薄肉とできることから、内容積が大となる
ので、充填剤を増大させることによる容量アップに応じ
て電池特性が向上し、且つ軽量化を図ることができるな
どの長所を有しているので、その利用率が近年において
高まっている。
【0006】したがって、近年の多くの電池缶は、上述
の要求を満たすことを目的として、ニッケルめっき鋼板
をDI加工することによって製造されている。例えば、
特開平4-34175 号公報に記載の電池缶の製造方法では、
板状鉄素材の両側表面に厚みが3〜5μmのニッケルめ
っき層を形成したニッケルめっき鋼板をDI加工してお
り、このニッケルめっき鋼板を深絞り加工することによ
って製作した中間カップ体を、多段配置した複数のしご
きダイス内にカップリングパンチの押動によって連続的
に通過させ、最終的に電池缶の内外面のニッケルめっき
層の厚みが約1.5 〜2.5 μmになるまで展延することに
より、製缶している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電池缶の素材として用いられるニッケルめっき鋼板は、
鉄を主体とする金属からなる板状素材の両面にそれぞ
れ、比較的高価なニッケルによるめっき層を3〜5μm
もの比較的大きいめっき厚に形成しているので、材料コ
ストが高くつき、ひいては電池缶が高価なものとなる課
題がある。このようにニッケルめっき層の厚みを比較的
大きく設定しているのは、DI加工した後に得られる電
池缶の内外面にピンホールが発生するのを抑制し、且つ
ニッケルめっき層の厚みを安定して確保することを目的
としているためである。もし仮に、コストの低減を目的
として、電池としたときの内面側のニッケルめっき層を
薄くした場合には、ピンホールが発生し易くなって耐蝕
性が悪化するので、特に、強アルカリ性の電解液を用い
るアルカリ乾電池などの電池缶では、板状素材の鉄など
が電解液に溶解される不具合が生じてしまう。
【0008】また、ニッケルめっき鋼板をDI加工する
に際しては、中間カップ体の側周壁における特に外面側
が複数のしごきダイスによって肉厚が小となるように強
制的に展延される。ところが、中間カップ体の側周壁の
外周表面には、硬度が高く、加工性の悪い金属であるニ
ッケルによるめっき層が形成されているので、多段に配
置された各しごきダイスは、その内周表面の磨耗が激し
いために、寿命が短縮される問題がある。具体的には、
ニッケルめっき鋼板をDI加工して電池缶を製作する絞
り兼しごき機に用いられるしごきダイスの寿命が、電池
缶の個数にして100 万個と言われている。
【0009】そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑み
てなされたもので、材料コストを低減でき、且つしごき
ダイスなどの金型の寿命を十分に確保しながら製造でき
る構成を備えた電池缶およびその電池缶を生産性よく製
造できる方法および電池を提供することを目的とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電池缶は、鉄を主体とする金属からなる鋼
板を基材とし、前記鋼板における容器内面側にニッケル
層が0.1 〜10μmの厚みに形成されているとともに、前
記鋼板における容器外面側にアルミニウム層が0.1 〜10
μmの厚みに形成されていることを特徴としている。
【0011】この電池缶では、高価なニッケル層が鋼板
に対し容器内面側にのみ形成されているだけであるか
ら、材料コストが大幅に低減して安価なものとなり、ま
た、ニッケル層およびアルミニウム層の各々の厚みがそ
れぞれ0.1 〜10μmの範囲内に設定されているので、ピ
ンホールの発生に起因する耐蝕性の悪化や、各々の機械
的特性の増加に伴う強度面の低下が防止される。さら
に、この電池缶は、容器内面側に耐アルカリ腐食性に強
いニッケル層を有しているので、強アルカリ性の電解液
を用いる電池に適用する場合に、電解液に対して高い信
頼性を確保できるとともに、容器外面側のアルミニウム
層の厚みを鋼板が発錆しない程度の薄い厚みに形成する
ことにより、アルミニウム層の割合を小さくし、高い強
度を保持できる。しかも、この電池缶は、容器外面側に
加工性に優れたアルミニウム層を有しているので、生産
性に優れたDI加工で製造する場合に各しごきダイスの
寿命を十分に確保できる利点がある。
【0012】上記発明の電池缶におけるニッケル層およ
びアルミニウム層がめっき処理により加工形成されてい
ることが好ましい。これにより、0.1 μm程度の薄い厚
みに設定しても、容易に形成できる。これに対しクラッ
ド材では、厚みを薄くすると破断し易いことから、0.1
μm程度の薄い厚みに形成することができない。
【0013】本発明の電池缶の製造方法は、鉄を主体と
する金属からなる鋼板の一面にニッケル層を、且つ他面
にアルミニウム層をそれぞれめっき処理により加工形成
して素材板を製作する工程と、前記素材板を、前記アル
ミニウム層を外側に配置して深絞り加工することによ
り、中間カップ体を製作する工程と、前記中間カップ体
に、少なくとも一つの絞りダイスによる絞り加工と多段
配置した複数のしごきダイスによるしごき加工とを施す
ことにより、前記中間カップ体の側周壁を所定の厚みに
展延して所定の外径を有する形状に塑性変形させ、電池
缶を製作する工程とを有していることを特徴としてい
る。
【0014】この電池缶の製造方法では、中間カップ体
の側周壁における各しごきダイスに直接的に触れてしご
かれる外周面に、ニッケルよりも硬度の低いアルミニウ
ム層が形成されているので、各しごきダイスの磨耗が従
来のニッケルめっき鋼板からなる中間カップ体をしごき
加工する場合に比較して格段に軽減され、各しごきダイ
スの寿命を十分に確保することができる。また、中間カ
ップ体を絞り加工およびしごき加工するので、工程数の
削減により生産性が向上するとともに、中間カップ体の
側周壁が延伸されてその厚みが底壁に比較して薄くな
り、大きな内容積を有した電池缶を得られる。DI加工
による底壁に対する側周壁の厚み比は0.2〜0.7で
ある。さらに、鋼板の両面にニッケル層およびアルミニ
ウム層をめっき処理により予め形成した素材板を深絞り
加工して中間カップ体を製作し、この中間カップ体をD
I加工するので、所要のめっき厚を確保することができ
る。
【0015】本発明の電池は、本発明の製造方法を経て
製造した電池缶に発電要素が収容され、前記電池缶の開
口部が封口された構成を有している。この電池は、電池
缶の材料コストの大幅な低減に伴って相当のコストダウ
ンを達成でき、強アルカリ性の電解液に対して高い信頼
性を確保でき、電池缶の外面側のアルミニウム層が薄い
ことにより、厚み全体に占める鉄の割合が高くなること
によって高い強度を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1(a)は
本発明の一実施の形態に係る電池缶1を示す側面図、
(b)は(a)のA部の拡大断面図である。この電池缶
1は、(b)に示すように、基材となる鋼板2における
容器内面側にニッケル層3が、容器外面側にアルミニウ
ム層4がそれぞれ形成されてなる板素材を用いて製缶さ
れたものである。
【0017】鋼板2は、鉄を主体とした金属、例えば、
SPCE材またはSUS(ステンレス鋼板)からなり、
その厚みが0.3 〜0.4 mm程度に設定されている。ニッ
ケル層3は、めっき処理により0.1 〜10μmの範囲内の
厚みに形成されている。アルミニウム層4は、めっき処
理により0.1 〜10μmの範囲内の厚みに形成されてい
る。鋼板としてステンレス鋼板を用いた場合は、耐蝕性
が強いのでニッケル層の厚みは薄くできる。
【0018】上記電池缶1は、高価なニッケル層3が鋼
板2に対し容器内面側にのみ形成されているだけである
から、従来の電池缶の一般的な素材であるニッケルめっ
き鋼板が鋼板の両面にニッケル層を形成しているのに比
較して、安価なものとなる。また、ニッケル層3および
アルミニウム層4の各々の厚みをそれぞれ0.1 〜10μm
の範囲内に設定しているのは、仮に0.1 μm以下に設定
した場合にピンホールが発生し易くなって耐蝕性が悪く
なり、10μm以上に設定した場合にニッケルおよびアル
ミニウムの各々の機械的特性が増加して強度面が低下す
るためである。例えば、鋼板2として用いるSPCE材
のヤング率は、約21×1010Pa と比較的大きい値
であるのに対して、アルミニウムのヤング率は僅かに
7.03×1010Pa である。
【0019】また、ニッケル層3およびアルミニウム層
4は、鋼板2の電池としたときの内面側および外面側に
何れもめっき処理により形成されているので、0.1 μm
程度の薄い厚みに設定しても、容易に形成できる。これ
に対しクラッド材では、厚みを薄くすると破断し易いこ
とから、0.1 μm程度の薄い厚みに形成することができ
ない。但し、アルミニウム層4は、アルミニウムの溶解
温度は660 °C程度であるから、溶融したアルミニウム
槽に片面のみ浸漬し塗着する手段で形成してもよい。
【0020】さらに、この電池缶1は、内面側に耐アル
カリ腐食性に強いニッケル層3を有しているので、強ア
ルカリ性の水酸化カリウムなどを電解液としているアル
カリ乾電池やニッケルカドミウム電池に用いた場合に、
電解液に対して従来のニッケルめっき鋼板で製缶した電
池缶と同様の高い信頼性を確保できる。一方、電池缶1
の外面側は、電解液に触れないので、アルミニウム層4
を鋼板2が発錆しない程度の薄い厚みに形成すれば足
り、このようにヤング率の低いアルミニウム層4は、可
及的に小さい厚みに形成することによって高い強度を保
持する。
【0021】上記電池缶1は、ニッケルに比較して硬度
が低いアルミニウム層4を容器外面側に有しているの
で、生産性に優れたDI加工で製造する場合の加工性に
優れており、つぎに、上記電池缶1の製造方法について
説明する。図2は、図1の電池缶1をDI加工法により
製缶するための絞り兼しごき機を示す概略断面図であ
る。この絞り兼しごき機は、前工程において製作されて
送給されてくる中間カップ体7に、1段の絞り加工およ
び3段のしごき加工を一挙に施して、図1に示した電池
缶1を製作する。なお、中間カップ体7は、周知の工程
を経ることから図示を省略しているが、フープ状として
プレス機に供給される電池缶素材を、所定形状に打ち抜
いたのちに、深絞り加工を行うことにより製作される。
【0022】この絞り兼しごき機は、中間カップ体搬送
部8、カッピングパンチ9、ダイス機構10およびスト
リッパ17を備えて構成されており、ダイス機構10
は、絞りダイス11および第1ないし第3しごきダイス
12〜14がカッピングパンチ9の軸心と同心となる配
置で直列に配列された構成になっている。中間カップ体
搬送部8により搬送されてカッピングパンチ9に相対向
する成形箇所に位置決めされた中間カップ体7は、実線
で図示する位置からダイス機構10内を通過する方向に
進行するカッピングパンチ9で押動されることにより、
先ず絞りダイス11によって、2点鎖線で示すように、
その形状がカッピングパンチ9の先端形状に沿った形状
になるように絞られる。この絞り加工によって、中間カ
ップ体7は若干小径、且つ胴長に塑性変形されるが、そ
の肉厚における変化は殆どない。
【0023】中間カップ体7は、カッピングパンチ9の
押動がさらに進むことにより、第1しごきダイス12に
よって第1段のしごき加工が施されて、側周壁が展延さ
れて肉厚が小となるとともに加工硬化よって硬度が高め
られる。さらにカッピングパンチ9の押動が進むと、中
間カップ体7は、第1しごきダイス12よりも内径が小
さい第2しごきダイス13によって次の第2段のしごき
加工が施され、続いて、第2しごきダイス13よりも内
径がさらに小さい第3しごきダイス14によって次の第
3段のしごき加工が施されて、側周壁1aが順次展延さ
れて肉厚がさらに小となるとともに硬度が高められる。
中間カップ体7が最終段の第3しごきダイス14内を通
過し終えることによって製作完了した電池缶1は、スト
リッパ17によって絞り兼しごき機から取り外される。
【0024】上記DI加工における第1ないし第3しご
きダイス12〜14によるしごき工程では、この工程中
の最終段の第3しごきダイス14の部分を拡大した円内
の図示から明らかなように、中間カップ体7の側周壁7
aを強制的に順次展延してその厚みを薄くするよう加工
される。一般的なDI加工では、中間カップ体7の厚み
が3.5 μm程度の側周壁7aを1.2 〜1.5 μm程度の厚
みになるようしごき加工される。したがって、各しごき
ダイス12〜14には、一般にかなりの圧力が加わるこ
とになる。
【0025】ところが、中間カップ体7の側周壁7aに
おける各しごきダイス12〜14に直接的に触れてしご
かれる外周面には、ニッケルよりも硬度の低いアルミニ
ウム層4が形成されているので、各しごきダイス12〜
14の磨耗は、従来のニッケルめっき鋼板からなる中間
カップ体をしごき加工する場合に比較して格段に軽減さ
れる。そのため、各しごきダイス12〜14は、ニッケ
ルメッキ鋼板からなる中間カップ体をしごき加工する場
合に比較して寿命が大幅に延びる。具体的には、ニッケ
ルめっき鋼板からなる中間カップ体をDI加工する場合
の各しごきダイス12〜14の寿命は、電池缶の個数に
して約100 万個であるのに対して、上記実施の形態の電
池缶1を製作する場合の各しごきダイス12〜14の寿
命は、電池缶の個数にして約500 万個と従来の5倍に延
びることが確認できた。なお、中間カップ体7の側周壁
7aの内面には硬度の高いニッケル層3が形成されてい
るが、カップリングパンチ9は、側周壁7aの内周面を
保形する状態に受けるだけであるから、磨耗の影響を殆
ど受けない。
【0026】また、この電池缶1の製造方法では、DI
加工法により中間カップ体7を絞り加工およびしごき加
工するので、工程数の削減により生産性が向上するとと
もに、中間カップ体7の側周壁7aが延伸されてその厚
みが底壁に比較して薄くなり、大きな内容積を有した電
池缶1を得られる。したがって、電池缶1には、より多
くの正極合剤や活物質を充填することができるから、充
放電特性などの電池性能が向上する。また、この製造方
法では、鋼板2の両面にニッケル層3およびアルミニウ
ム層4をめっき処理により予め形成した素材板を深絞り
加工して中間カップ体7を製作し、この中間カップ体7
をDI加工しているので、電池缶1に製缶後のニッケル
層3およびアルミニウム層4に所要のめっき厚を確保で
きる。これに対し、例えば、鉄製の素材板を所望形状の
電池缶に成形した後にめっき処理する場合には、缶内に
おけるめっき液の流動不足から特に缶内面において十分
なめっき厚を確保できない不都合が生じる。
【0027】図3は単3型アルカリ乾電池を示す一部切
欠き断面図であり、この乾電池の電池缶18は、上記実
施の形態の製造方法により製缶されたものである。正極
を兼ねる電池缶18の内部には、正極活物質である二酸
化マンガンと導電剤である黒鉛と電解質の水酸化カリウ
ムとを混練してペレット状に成型された複数個の正極合
剤19が加圧状態で挿入されている。その正極合剤19
の内方中空部にはセパレータ20が挿入され、そのセパ
レータ20の内側には、電解液であるか性カリの水溶液
と、粘性物質および亜鉛粉末からなる負極ゲル状物質2
1とが注入されている。
【0028】電池缶18の開口部は、防爆機構を備えた
封口体22の中央部に、負極集電体23と負極端子底板
24とを一体化した部品をワッシャ27を間に圧入状態
に介在させてなる組立体が挿入されたのちに、封口体2
2の嵌合部に強く密着させることによって封口されてい
る。正極を兼ねる電池缶18の底部には正極端子28が
一体形成されている。また、電池缶18の外周面には外
装ラベル29が巻き付け状態で貼着されている。
【0029】上記アルカリ乾電池は、その電池缶18が
実施の形態の製造方法によって製缶されているから、高
価なニッケル層3が鋼板2に対し内面側にのみ形成され
ているだけであり、材料コストの大幅な低減に伴って相
当のコストダウンを達成できる。また、電池缶18の側
周壁の内面側には、耐アルカリ腐食性に強いニッケル層
3を有しているので、強アルカリ性の水酸化カリウムな
どの電解液に対して従来のニッケルめっき鋼板からなる
電池缶と同様の高い信頼性を確保できる。一方、電池缶
18の外面側は、鋼板2が発錆しない程度の薄い厚みの
アルミニウム層4が形成されているので、高い強度を有
する。
【0030】図4はニッケルカドミウム蓄電池を示す一
部破断した斜視図であり、この電池の電池缶30も上記
実施の形態の製造方法により製缶されたものである。こ
の電池缶30の内部に収容された電極群31は、水酸化
ニッケルを主成分とする正極活物質が芯材に塗着されて
なる正極電極板32と、水素吸蔵合金粉を主成分とする
負極活物質が芯材に塗着されてなる負極電極板33と
が、これらの間にセパレータ34を介在して積層した状
態で渦巻き状に巻回されてなる。電池缶30には、上記
電極群31が収容されたのちに、電解液(図示せず)が
注液され、その開口部が、封口板38、安全弁39、絶
縁ガスケット41および金属キャップ40を組み立てて
なる封口体37で密閉されている。
【0031】このニッケルカドミウム蓄電池においても
上記アルカリ乾電池と同様の効果を得られる。すなわ
ち、この電池は、電池缶30の材料コストの大幅な低減
に伴って相当のコストダウンを達成でき、強アルカリ性
の電解液に対し電池缶30の内面のニッケル層によって
高い信頼性を確保でき、電池缶30の外面側に形成した
薄い厚みのアルミニウム層4によって高い強度を有す
る。また、電池缶30の製造に際しては、DI加工によ
って高い生産性で製造しながらも、しごきダイスなどの
金型の寿命を十分に確保できる。
【0032】図5は円筒型リチウム二次電池を示す縦断
面図であり、この電池の電池缶42も上記実施の形態の
製造方法により製缶されたものである。この電池缶42
内には、正極電極板44および負極電極板45がこれら
の間にセパレータ46を介在して積層した状態で渦巻き
状に巻回されてなる電極群43が収容されている。正極
電極板44からは正極リード47が引き出されて封口板
48に接続され、負極電極板45からは負極リード49
が引き出されて電池缶42の底部に接続されている。電
極群43の上下部にはそれぞれ絶縁リング50,50が
設けられている。電池缶42の開口部は、電解液(図示
せず)を注液したのちに、安全弁51を設けた封口板4
8および絶縁パッキング52によって封口されている。
【0033】このリチウム二次電池では、腐食性の強い
電解液に対して電池缶42の内周のニッケル層によって
高い信頼性を確保できる。また電池缶42の材料コスト
の大幅な低減に伴って相当のコストダウンを達成でき、
電池缶42の外面側に形成した薄い厚みのアルミニウム
層4によって高い強度を有する効果を得られる。また、
電池缶42の製造に際しては、DI加工によって高い生
産性で製造しながらも、しごきダイスなどの金型の寿命
を十分に確保できる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明の電池缶によれば、
高価なニッケル層を鋼板に対し容器内面側にのみ形成す
る構成としたので、材料コストが大幅に低減して安価な
ものとなり、また、鋼板の内外面のニッケル層およびア
ルミニウム層の各々の厚みをそれぞれ0.1 〜10μmの範
囲内に設定したので、ピンホールの発生に起因する耐蝕
性の悪化や、各々の機械的特性の増加に伴う強度面の低
下が防止される。さらに、この電池缶は、容器内面側に
耐アルカリ腐食性に強いニッケル層を有しているので、
強アルカリ性の電解液を用いる電池に適用する場合に、
電解液に対して高い信頼性を確保できるとともに、容器
外面側のアルミニウム層の厚みを鋼板が発錆しない程度
の薄い厚みに形成でき、高い強度を保持できる。しか
も、この電池缶は、容器外面側に加工性に優れたアルミ
ニウム層を有しているので、生産性に優れたDI加工で
製造する場合に各しごきダイスの寿命を十分に確保でき
る利点がある。
【0035】また、本発明の電池缶の製造方法によれ
ば、各しごきダイスの磨耗を格段に軽減でき、各しごき
ダイスの寿命を十分に確保することができる。また、中
間カップ体を絞り加工およびしごき加工するので、工程
数の削減により生産性が向上するとともに、中間カップ
体の側周壁が延伸されてその厚みが底壁に比較して薄く
なり、大きな内容積を有した電池缶を得ることができ
る。さらに、鋼板の両面にニッケル層およびアルミニウ
ム層をめっき処理により予め形成した素材板を深絞り加
工して得た中間カップ体をDI加工するので、内外面に
所要のめっき厚を確保した電池缶を得ることができる。
【0036】本発明の電池によれば、電池缶の材料コス
トの大幅な低減に伴って相当のコストダウンを達成で
き、強アルカリ性の電解液に対して高い信頼性を確保で
き、電池缶の外面側の薄い厚みのアルミニウム層によっ
て高い強度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施の形態に係る電池缶を
示す側面図、(b)は(a)のA部の拡大断面図。
【図2】同上の電池缶の製造方法を具現化した製造装置
を示す概略断面図。
【図3】単3型アルカリ乾電池を示す一部切欠き断面
図。
【図4】ニッケルカドミウム蓄電池を示す一部破断した
斜視図。
【図5】円筒型リチウム二次電池を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 電池缶 2 鋼板 3 ニッケル層 4 アルミニウム層 7 中間カップ体 7a 中間カップ体の側周壁 11 絞りダイス 12〜14 しごきダイス 18,30,42 電池缶 19 正極合剤(発電要素) 21 負極ゲル状物質(発電要素) 22,37 封口体 31,43 電極群(発電要素) 48 封口板
フロントページの続き (72)発明者 橋本 彰 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA09 BB03 CC06 CC10 DD09 KK01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄を主体とする金属からなる鋼板を基材
    とし、前記鋼板における容器内面側にニッケル層が0.1
    〜10μmの厚みに形成されているとともに、前記鋼板に
    おける容器外面側にアルミニウム層が0.1 〜10μmの厚
    みに形成されていることを特徴とする電池缶。
  2. 【請求項2】 ニッケル層およびアルミニウム層がめっ
    き処理により加工形成されている請求項1に記載の電池
    缶。
  3. 【請求項3】 鉄を主体とする金属からなる鋼板の一面
    にニッケル層を、且つ他面にアルミニウム層をそれぞれ
    めっき処理により加工形成して素材板を製作する工程
    と、 前記素材板を、前記アルミニウム層を外側に配置して深
    絞り加工することにより、中間カップ体を製作する工程
    と、 前記中間カップ体に、少なくとも一つの絞りダイスによ
    る絞り加工と多段配置した複数のしごきダイスによるし
    ごき加工とを施すことにより、前記中間カップ体の側周
    壁を所定の厚みに展延して所定の外径を有する形状に塑
    性変形させ、電池缶を製作する工程とを有していること
    を特徴とする電池缶の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造方法を経て製造し
    た電池缶に発電要素が収容され、前記電池缶の開口部が
    封口されてなる電池。
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