JP2001312709A - Ic実装体 - Google Patents

Ic実装体

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JP2001312709A
JP2001312709A JP2000131108A JP2000131108A JP2001312709A JP 2001312709 A JP2001312709 A JP 2001312709A JP 2000131108 A JP2000131108 A JP 2000131108A JP 2000131108 A JP2000131108 A JP 2000131108A JP 2001312709 A JP2001312709 A JP 2001312709A
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card
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film
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JP2000131108A
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Toshikazu Nagura
敏和 名倉
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べて製造コストを大幅に低減できる
IC実装体を提供することを目的とする。 【解決手段】 このインレットシートは、熱融着性を有
する熱可塑性樹脂製の支持体1の一方の表面にループア
ンテナを含む銅箔の回路パターン2bが形成され、支持
体1の他方の表面にはACF20によりベアチップ状態
のICチップ6aと接続された銅箔の回路パターン2c
が形成されている。インレットシートの両面の回路パタ
ーン2b,2cは、回路パターン2cの銅箔が支持体1
を突き抜けて反対面に設けた回路パターン2bの銅箔に
接合することにより、電気的に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のIC実装体は、銀行
カード、ポイントカード等に使用される接触型ICカー
ドと呼ばれるもの、乗車券、テレホンカード、荷物タグ
等に使用されデータの交信等を外部電波で行なう非接触
型ICカードと呼ばれるもの、及び接触型と非接触型の
両方の機能を併せ持つコンビ型ICカードと呼ばれるも
の等に関するものである。これらのIC実装体はいわゆ
るデータキャリアとも呼ばれており、通称ICカードと
呼ばれるが、必ずしもカード形態をとるものだけでな
く、物に貼り付けられるシート状のものや容器に封入さ
れたものも含んでいる。この明細書でもICカードをカ
ード状以外の形態のものも含むIC実装体の意味で使用
している。
【0002】
【従来の技術】接触型ICカードは金銭のやり取りなど
セキュリティーが高く、本人が使用する意志を確認する
のに適している。非接触型及びコンビ型はデータのやり
取りを電波で行なうことができるため、例えば従来の切
符、定期券等、磁気記録層が片面に設けられている乗車
券に代わる記録媒体として注目されている。特に荷物、
部品を移動しながら非接触で管理したり、改札通過の際
に、一々乗車券を取り出す必要がなく、定期入れや鞄等
の中からでも情報交換できるため、利便性が大きく向上
するものと期待されている。
【0003】ICカードと呼ばれている新しい情報記録
媒体は、現在市場に広く出回っているクレジットカー
ド、銀行カード、ポイントカード、テレホンカード等の
カード状或いはシート状の形状のものを初めとして、種
々の形態をとるが、その中にICが組み込まれているも
のを総称している。
【0004】ICカードは大きく分けて接触型、非接触
型及び両方の機能をもったコンビ型の3種類に分けられ
る。接触型とはカード表面に端子が設けられており、そ
の端子を通じて信号のやり取りを行なうものである。現
在使い捨てタイプはヨーロッパ等でテレホンカードとし
て広く流通している。また、情報の書き換え可能なタイ
プをマネーカードとして、使用する実験が各国で行なわ
れており、金融関係で使用されるカードとして注目され
ている。
【0005】1チップ型の接触型ICカードは、プラス
チックカードにモジュール化されたICチップ1個を搭
載した単純な構造となっている。プラスチックカード
は、ICモジュールが搭載される部分に予めICモジュ
ールが入る大きさと深さの穴を開けておく方法と、イン
ジェクションによって成形する方法がある。穴を開ける
方法は1枚物のプラスチックカードにザグリ機で彫る方
法や、2枚のシートのうちの1枚に貫通穴を開け貼り合
わせる方法がある。現在1チップ型が主流であるが、機
能別に複数部品を含んでいる接触型ICカードもある。
複数部品を含んでいる接触型ICカードでは、部品間の
接続や特殊な端子等との接続のために回路パターンが使
用されている。
【0006】一方、非接触型ICカードは、電池内蔵の
ものと、外部からの電磁波で電力を得て動作するタイプ
にさらに分けられる。電池内蔵のものは、非接触型IC
カードから発信する電波の出力が大きい。これに対し
て、外部から電磁波により電力を得て駆動するタイプの
非接触型ICカードは、カードからの発信出力が小さ
く、通信距離を最大にするためには、リーダ・ライタと
のマッチングを最適化する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のIC
実装体に比べて製造コストを大幅に低減することのでき
るICカードを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るIC実装体
は、電子部品を搭載したインレットシートを備えたもの
であって、そのインレットシートは電気絶縁性で熱可塑
性をもつフィルム状支持体と、このフィルム状支持体に
搭載された電子部品と、このフィルム状支持体の一方の
面の少なくとも一部を覆い前記電子部品と電気的に接続
された第1の導体と、このフィルム状支持体の他方の面
の少なくとも一部を覆う第2の導体とを備え、第1の導
体と第2の導体の少なくとも一方はその少なくとも一部
が金属薄層であり、その金属薄層の一部が支持体中に陥
没し支持体を貫通して他方の導体と電気的に接続された
ものである。
【0009】インレットシートの支持体が熱可塑性フィ
ルムであるので、一方の導体の金属薄層と他方の導体と
の電気的接続を、金属薄層の一部を支持体中に陥没させ
支持体を貫通させて行なうことができ、簡便である。ま
た、支持体がプリント基板の場合には、基板の表側の導
体と裏側の導体とはメッキスルーホールを介して接続さ
れるので、メッキ液の廃棄や使用後のプリント基板の廃
棄により環境が汚染される。しかし、本発明のように金
属薄層の一部を支持体中に陥没させ支持体を貫通させて
支持体の表側の導体と裏側の導体とを接続することによ
り、メッキが不要になって環境に対する負荷が少なくな
る。
【0010】
【発明の実施の形態】支持体が、APET系(アモルフ
ァスPET)、ABS(アクリルニトリル−ブタジエン
−スチレン)系、PC(ポリカーボネート)系、塩化ビ
ニル系及びポリマーアロイ系の熱変形温度が200℃以
下の樹脂の中から選択された少なくとも1種の樹脂製で
あると、金属薄層の一部を支持体中に陥没させ支持体を
貫通させて他方の導体との電気的接続を行なうにも、イ
ンレットシートを両面から挟んで一体化する樹脂材料層
との接合を行なうにも好都合であり、好ましい。また、
金属薄層の支持体との接着面側を易接着処理しておくこ
とも好ましい。
【0011】インレットシートを両面から挟んで一体化
する樹脂材料層は、被覆層1層とすることもできるし、
インレットシートに接する中間層と、その中間層を被う
被覆層とからなる積層構造とすることもできる。場合に
よっては、被覆層上に必要に応じて使用される他の被覆
層がさらに設けられることがある。これらの樹脂材料層
の少なくとも一層が支持体と同じ樹脂材料により構成さ
れていると、接着剤層等の使用を避けることができるの
で、コストダウンの点から好ましい。さらに、これらの
樹脂材料層の全てが支持体と同じ樹脂材料により構成さ
れていると、接着剤層等の使用を避けてコストダウンを
図る上でさらに好ましく、また、外観上も各層が一体化
して見えるのでより好ましい。
【0012】本発明は接触型、非接触型、コンビ型のど
のICカードにおいても使用可能であるが、なかでも本
発明を使用する上で好適な非接触型カードとその中に使
用される回路基材について説明する。まず、回路基材か
らインレットシートの形成までを説明する。
【0013】1.回路基材からインレットシートの形成
までの材料工程 回路基材の平面図及び断面図をそれぞれ図1及び図2に
示した。図1は本発明に使用される回路基材の平面図で
あり、図2はそのA−A’断面図である。以下図を参照
しながら説明する。金属薄層としての金属箔2が支持体
1に熱融着により接着されて回路基材が構成されてい
る。回路基材上の金属箔2はその一部がエッチング等に
より除去されて回路パターンが形成される。
【0014】このように回路パターンの形成された回路
基材の平面図及び断面図をそれぞれ図3及び図4に示し
た。図3はエッチング後の回路基材の平面図であり、図
4はそのA−A’断面図である。支持体1の上に回路パ
ターン2bが形成されており、支持体1にはICチップ
を搭載するための穴6aが開けられている。なおエッチ
ング等により回路パターンを形成した後の回路基材をエ
ッチング前の回路基材と区別して呼ぶときは「エッチン
グ回路基材」という。
【0015】このエッチング回路基材にICチップやコ
ンデンサなどの電子部品を搭載したシートを「インレッ
トシート」と呼ぶ。このインレットシートを図5、図6
に示した。図5はインレットシートの平面図であり、図
6はそのB−B’断面図である。図7は図6に示した円
部分のIC搭載部分の拡大断面図である。図7におい
て、樹脂封止されたICチップ6に接続された、導体と
しての金属板の端子7が支持体1の裏面側に配置され、
ICチップ6は支持体1の穴6aに嵌め込まれて裏面側
から表面側に突出している。支持体1の表面側に設けら
れた金属箔の回路パターン2bの一部が支持体1に陥没
し、支持体1を貫いて端子7に接続されている状態が示
されている。金属箔の回路パターン2bはアンテナ回路
である。
【0016】回路パターン2bの金属箔と端子7との間
は、溶接により直接接合することもできるし、はんだや
めっきなどの接合材を介して接合することもできる。こ
の例では、はんだ5を介して接合されている。後に図1
0の実施例で説明するように、ICチップはベアチップ
の状態で搭載することもできる。支持体1の表と裏の両
側の導体を金属箔とすることもできる。
【0017】以下、本発明の回路基材からインレット
シートまでの製造工程を中心に、順を追って説明し、そ
の後ICカードの組立てについて説明する。まず回路
基材を構成している金属箔、支持体及び熱融着について
詳細に説明する。 〔金属箔〕使用される金属箔2は、電解法、圧延法、精
密圧延法、打箔法(主に美術工芸用)で製造された、ア
ルミ箔、銅箔、金箔、銀箔、亜鉛箔、ニッケル箔、錫
箔、合金箔等が好ましい。これらの金属箔は、一般に基
材と接着する側に化学処理、物理処理等により表面凹凸
を設けて接着強度を向上させる表面処理を行なうのが好
ましい。この表面処理を易接着処理と呼んでいる。この
表面処理による凹凸は大きい方が接着強度は高いが、あ
まり大きいと金属箔の強度が弱くなったり、熱可塑性フ
ィルムの溶融した樹脂が凹部に十分進入しなくなったり
することがある。薄い金属箔を使用する場合などは金属
箔表面に細かい凹凸が生じ細線の再現性に問題が出てく
る可能性がある。また、通常、金属箔は空気によって表
面酸化されるので、酸化防止処理をすることが好まし
い。
【0018】一般にエッチングパターンに使用される金
属箔は銅箔が多い。銅箔には圧延銅箔(精密圧延法を含
む)と電解銅箔が一般的である。圧延銅箔は繰り返しの
屈曲に対して機械的強度が良好であり、コンピーュータ
のハードディスクやプリンターなど可動部分の配線など
に適している。電解銅箔は圧延銅箔に比較すると耐屈曲
性能が悪いが、コストが安い。本発明のICカードで
は、屈曲するような使用は行なわないので、電解銅箔で
あっても十分使用可能である。
【0019】電解銅箔は硫酸銅溶液を原料とし、硫酸銅
溶液の中の回転するドラム上に電気的に銅を析出させ、
これを巻き取って銅箔とする。できた銅箔は、ドラム面
の光沢が転写した光沢面と反対側の粗面となり、その後
の工程で光沢面には防錆処理と耐熱処理、粗面には他の
基材との接着性向上のための化学的、物理的な粗面化処
理をするのが好ましい。圧延箔は2〜4段の圧延機(精
密圧延の場合は6〜20段)によって金属条を圧延した
ものであり、通常、両面とも高い平滑性がある。なお精
密圧延箔は、膜厚の均一性が良好なので細かいパターン
に使用されている。圧延直後のままであると接着性が弱
いため電解銅箔と同様に片面を化学的、物理的な粗面化
処理、反対面を防錆、耐熱処理することが好ましい。
【0020】〔支持体〕支持体1は熱融着性を有する電
気絶縁性の熱可塑性樹脂から選択される。樹脂は高分子
化合物の集合体である。樹脂は、室温では部分的に高分
子の一部が規則的に折りたたまれた結晶構造と、結晶構
造をもたないアモルファス状態から構成されている。高
分子同士は弱い分子間力で結合されているため、高分子
の構造や分子量に依存して樹脂の熱的な挙動が決定され
る。樹脂の温度が高くなることで高分子の集合構造が緩
み、柔らかくなるものを熱可塑性高分子と定義してい
る。一方高分子鎖に熱により反応する官能基を含む高分
子は、熱により官能基が反応し高分子に網目構造が生
じ、高分子間は強い結合が生まれるため、温度を上昇さ
せても流動化することは難しい。このような高分子を熱
硬化型高分子と定義されれている。また紫外線や電子線
を用いてこのような網目構造をもつ線硬化高分子もあ
る。
【0021】フィルム状支持体は無延伸、1軸延伸、2
軸延伸等の製造方法で製造されているが、一般に延伸さ
れると樹脂の分子配向方向が揃うため、丈夫なフィルム
が得られることが知られている。しかしながら、ある温
度条件で配向し室温で使用する場合には問題はないが、
別のある温度以上になる環境で使用すると配向していた
分子が元に戻ろうとするのでフィルムの収縮が発生しカ
ールなどのトラブルとなる可能性が高い。
【0022】本発明では、支持体に熱可塑性樹脂を用い
る。樹脂は一見同じような固体であるが、実際は水と油
の様に単純には混ざり合わない組み合わせが多い。同種
の樹脂であれば熱融着する可能性があるが、凝集エネル
ギーの異なる樹脂同士とは相溶即ち熱融着するのはかな
り難しい。本発明での支持体に使用するフィルムは、熱
と圧力で容易に貫通する絶縁材料であればどのようなフ
ィルムでもよい。
【0023】一般にはPET、PEN(ポリナフタレン
テレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスルフィ
ド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ポリイ
ミドフィルム等が支持体として使用され、接着剤で銅や
アルミニウムの金属箔等と接着して使用している。本発
明でもこれらの材料を使用して両面を電気的に接続する
ことが可能である。
【0024】一方PC(ポリカーボネート)、ABS
(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン)、PVC
(塩化ビニル)等の熱変形温度が200℃以下の樹脂
は、金属箔に直接ラミネートも可能である。なお、本発
明において熱変形温度をいう場合はすべてASTM D
648で規定される熱変形温度のことをいう。このよう
な、金属箔に直接ラミネートが可能であるその他の熱可
塑性樹脂はPVC、PET−G、PP(ポリプロピレ
ン)、PE(ポリエチレン)等が挙げられる。なお、ポ
リイミド等は、溶剤キャスト法などで製造されるため、
融点や熱変形温度がない。このような樹脂は温度を上げ
ると溶融せずに炭化する。
【0025】回路基材単独で考えた場合は以上のような
耐熱性の比較的高い支持体も使用可能であるが、その後
のカード組立て工程においては、一般に200℃以下の
熱でインレットシートと被覆層等を貼り合わせる方が製
造の容易性から好ましい。また、耐熱性の比較的高い樹
脂を使用した場合、カード組立て工程において接着剤を
使用しないことが困難になるので、コスト低減効果が得
られにくくなる。
【0026】以上に述べた理由から、本発明では接着剤
をなるべく使用しないでカード組立てをする構成・工程
を使用すれば更なるコストダウン効果が得られるので、
熱変形温度が200℃以下の熱可塑性樹脂を支持体にす
ることが好ましい。さらにカール制御、作業性、電力、
コストダウン等が改善できるため、熱変形温度が150
℃以下の熱可塑性樹脂を支持体にすることがより好まし
い。このように熱変形温度が低ければ、金属箔の酸化防
止の点からも好ましい。また使用する金属箔の溶融温度
が低い場合に、金属箔の溶融等防止の点からも好まし
い。結局このような樹脂は上記の熱可塑性樹脂の中でA
PET(アモルファスPET)系、ABS(アクリルニ
トリル−ブタジエン−スチレン)系、PC(ポリカーボ
ネート)系、塩化ビニル系及びポリマーアロイ系等であ
る。APET系(アモルファスPET)は通常のPET
に含まれるエチレングリコールをシクロヘキサンジオー
ルに置換することでテレフタル酸の結晶化を少なくし
た、すなわちアモルファス状のPETである。本発明の
支持体には上記熱可塑性樹脂のフィルム状及び溶融した
樹脂を金属箔上に直接設けてシート状にした支持体の使
用が可能である。
【0027】本発明のフィルム状の支持体は透明、半透
明又は不透明のいずれでもよく、また色は無色、有色又
は白色のいずれでもよい。これらのフィルムを使用用途
によって使い分けることができる。半透明フィルム及び
不透明なフィルムは通常、樹脂の中に無機顔料や有機顔
料を配合したものがある。配合される無機顔料の代表的
なものとしては、単独或いは複数混合で酸化チタン、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカなどがあり、有機
顔料はフィルム樹脂の種類によって色々なものが用いら
れているが、基本的にはフィルム樹脂とは相溶しない種
類で可視光線を乱反射する大きさと屈折率をもつ樹脂が
選ばれるのが好ましい。透明フィルムも透明性を損なわ
ない量の顔料を配合しているものもある。フィルム中に
は上記顔料以外にも可塑剤、帯電防止剤等、各種添加剤
が配合されている。支持体表面は、接合加工の脱気のた
めにエンボス加工等を行なうことも好ましい。一方の本
発明の金属箔上に直接熱可塑性樹脂層を設けた構造によ
る支持体は、その構成材料などは上記フィルム状で供給
されている支持体と同じものが使用可能である。
【0028】〔接着〕本発明は金属箔と支持体を接着剤
や糊を使用して接着した回路基材を用いたものだけでな
く、接着剤や糊を使用せずに熱と圧力によって直接接着
した回路基材を用いたものも含んでいる。接着剤や糊を
使用して接着する場合、接着剤や糊としては、ポリエス
テル、ポリウレタン、アクリル、フェノール、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、デンプン、ポリビニルアルコール、S
BR(スチレンブタジエンゴム)、塩化酢酸ビニル等、
金属箔とフィルムを接着できるものであればいかなるも
のも用いることができる。
【0029】金属箔と支持体を直接接着した回路基材の
場合は、金属箔と支持体が接着されているのは、金属箔
表面の微細な凹凸に熱可塑性フィルムを熱と圧力によっ
て楔状に押し込んでいるためである。この方法は、接着
剤で貼り合わせた回路基材や金属層をめっき或いは蒸着
により形成した回路基材と比べて、金属箔と支持体との
接着強度が弱くなり、粘着シールやセロハンテープのよ
うに容易に剥離できるものもある。このような回路基材
では、通常の半田付けやリフローを行なったり、プリン
ターケーブル等に用いられる機械的な応力が繰り返しか
かる部品を装着したり、電気機器や自動車内のかなりの
高温条件下で使用したりすると、金属箔−支持体間の接
着が容易に破壊される。したがって、このような条件下
での使用は困難である。
【0030】しかしながら、本発明の回路基材はカード
として使用されるため以上のような電気機器に比べて大
きな応力が掛からない使用方法であるばかりか、ICカ
ードに使用される被覆層等の部材があるため最終製品と
なったときに強度に全く問題がなくなることが分かっ
た。この接着には、支持体をフィルム状のシートとして
金属箔と貼り合わせることによって接着する方法と、金
属箔上に支持体となる熱可塑性樹脂を溶融して押し出し
て接着させる2つの方法が挙げられる。
【0031】[金属箔とフィルム状支持体を貼り合わせ
る方法]フィルム状支持体を使用し、ヒートプレスでフ
ィルムごとに金属箔と熱圧着したり、ヒートロール間で
ロール状支持体とロール状金属箔とを連続的に熱圧着す
ることができる。シート状のフィルムをヒートプレスで
貼り合わせる場合、2枚のプレス板の間に挟んだ金属箔
と支持体に熱と圧力を加えて行なうのが好ましい。層間
に空気が残ると、エッチングの際にレジスト面の反対
側、すなわち接着面側からエッチング液が回り込みパタ
ーンの欠損不良を生じるため、プレス内を減圧状態にし
て貼り合わせるのが好ましい。
【0032】フィルム状支持体をロール状で貼り合わせ
る場合は、加熱、加圧された金属、樹脂、コットン、セ
ラミックなどの素材でできた2本のロールの間で金属箔
と支持体を貼り合わせるのが好ましい。ロール状に巻き
取られる場合支持体が銅箔表面(平滑面)と貼り付かな
いように冷却を十分に行なう必要がある。どの方法も支
持体の両面に金属箔を貼り合わせることもできる。その
場合、一度に3層を貼り合わせることもできるし、片面
に金属箔を貼り合わせた回路基材の他の面に他の金属箔
を貼り合わせることもできる。
【0033】シート状で貼り合わせるときは、ホットプ
レート内を脱気して空気のない状態で熱及び圧力をかけ
て貼り合わせるので、貼り合わせるシート面は表面を粗
らして空気が逃げやすいようにしてあることが好まし
い。そのために熱可塑性樹脂フィルムは表面に細かい物
理的なエンボスをすることにより凹凸を設けることが好
ましい。
【0034】ロール状で貼り合わせる場合も、同じよう
に、使用する各フィルムの性能によって貼りあわせの条
件を最適化するのが好ましい。ロール状で貼り合わせる
場合、ヒートプレスでシート状のフィルムを貼り合わせ
るような支持体表面の凹凸はなくてもかまわない。また
適度なテンションを加えて貼りあわせを行なうことでカ
ールを防止するのが好ましい。
【0035】[熱可塑性樹脂を金属箔上に溶融押し出し
する方法]金属箔と支持体との接着を溶融押し出しで行
なう方法は以下のようである。金属箔上に溶融して設け
る樹脂支持体の形成方法は、溶融押し出しラミネーショ
ンとも呼ばれ、ペレット状で供給された樹脂をギアポン
プなどで送れるような溶融粘度になる温度に加熱して溶
融し、金属ダイの隙間から薄く溶融した樹脂を金属箔上
に押し出し、支持体を形成するのが好ましい。供給する
ペレットには、フィルム支持体で使用されていた樹脂と
同様の顔料、可塑剤、帯電防止剤等各種添加剤が配合さ
れているのが好ましい。ペレットは乾燥機など熱で溶融
する前に予め樹脂内に含有される水分を加熱乾燥して使
用するのが好ましい。水分が十分に除かれていないと樹
脂内に気泡が発生し、支持体形成時に泡などの不良の原
因になる。樹脂は温度が高いほど溶融粘度が低くなり作
業性が向上するが、あまり高くしすぎると樹脂によって
は焦げることがある。また粘度の温度依存性が高く吐出
量に大きく影響するので、温度コントロールを最適にす
ることが重要である。金属箔上に溶融押し出された熱可
塑性樹脂は、冷却されることで接着・粘着性を失うの
で、適当な冷却装置、例えばクーリングロールなどの比
較的簡単で安価な装置によっても、支持体として形成さ
れる。樹脂を金属箔上に溶融押し出ししてシートを接着
する方法は製造条件によるが、金属箔上に樹脂を押し出
した後、完全に冷却される前に2本のロール等で挟んで
圧力をかけることがより好ましい。
【0036】以上のような2つの方法による支持体と金
属箔の接着についてさらに詳しく以下に説明する。金属
箔と支持体との接着強度は、金属箔上の微細な凹凸に、
熱で溶融した支持体を構成する熱可塑性樹脂が入り込ん
だ物理的な貼付け力による強度であるためか、JISX
6301に準拠して剥離強度を測定すると6N/cm以
下で、簡単に剥離できる強度である。この剥離強度が1
N/cm以下であっても、例えば0.1N/cm程度あ
れば、次のインレットシートに組立てする際にも問題な
く使用可能であった。すなわち、金属箔と支持体の剥離
強度が以上のように比較的弱い数値であっても、エッチ
ング工程で剥離せず、またユーザに使用される製品とし
てのICカードに組立てた後において、JISX630
1に準拠した引っ張り、伸縮、耐湿度等の試験を行なっ
ても層間剥離等の強度的な問題が生じないことが分かっ
た。
【0037】さらに、金属箔の支持体との接着表面側に
易接着処理を行なうことは上記の剥離強度を高める上で
好ましい。金属箔の易接着処理は化学的な酸処理やエン
ボス等の物理的処理を行なって凹凸を設けることで行な
われ、数μmから数十μm程度の幅と深さの溝が金属箔
に形成される。金属箔を支持体と接着する上ではこの程
度の凹凸で十分効果が得られる。
【0038】熱、圧力及び時間の接着条件は使用するシ
ートによって異なるが、本発明で使用する熱可塑性樹脂
シートは熱変形温度が200℃以下のものを使用するこ
とが好ましいが、その場合、各シートのもつ融点よりあ
まり高い温度条件で貼りあわせを行なうと、シートが大
きく変形して穴が開いたり、樹脂が流れてしまうことが
あるので注意を要する。接着後の回路基材は、支持体の
材質及び接着条件によりカールを生じる場合がある。カ
ールを防止するためには、接着条件や支持体の熱処理或
いは金属箔の種類を選ぶことで解決することが可能であ
る。
【0039】〔インレットシート〕以上のようにして支
持体と金属箔を接着して得られた回路基材の金属箔の一
部をエッチングにより取り除いて必要な回路パターンを
形成した後、図5、図6に示したように、ICモジュー
ルをはんだづけ、ACF、溶接等により回路基材に装着
してインレットシートを得ることができる。インレット
シートは以下に説明する非接触型ICカードの組立て時
の心臓部品となる。
【0040】回路パターンの形成は次のように行なうこ
とができる。回路基材の金属箔上に感光樹脂層を設け、
ネガ又はポジの写真フィルムやクロム膜により形成した
回路パターンのマスクを用いてその回路パターンをその
感光樹脂層に焼き付けたり、又は印刷やレタリング等の
各種方法で回路パターンを回路基材の金属箔上に直接描
く。このようにして形成された回路パターンをマスクと
して、回路パターン部分を除いて不要な金属部分を第二
塩化鉄溶液等を使用して所謂エッチングにより溶かし出
すことにより、金属箔による必要な回路パターンを形成
してエッチング回路基材を製作することができる。
【0041】エッチング回路基材上に残る金属箔部分の
面積は、回路のパターンの形状にもよるが、後に説明す
るICカードの組立て時に熱融着によって回路基材と他
の被覆層等を接合する場合は、樹脂材料間の接合部分が
十分確保できるように、エッチング後の残存する金属箔
の面積がカード面積全体の90%以下になるようにする
ことが好ましい。回路基材は、金属箔を両面に貼り合わ
せた回路基材から作ることもできる。このような回路基
材では回路基材に平面コンデンサを形成することが可能
になる。平面コンデンサは非接触型ICカードにおいて
周波数を正確に合わせるためのチューニングを行なうと
きに非常に有用な部品となるものである。金属箔を両面
に貼り合わせた回路基材はスルーホールめっき或いは機
械的に導通する方法で両方の金属箔を導通させて立体的
な回路を構成して利用することも可能である。
【0042】本発明では上記のような方法を使用しない
で両面の回路を接続することができる。すなわち、熱と
圧力によって支持体を貫通させて両面の回路を導通させ
る。方法としては半田ごてなどのヒーターや高周波など
の一般的に使用されている加熱方法を用いることで金属
同士の熱圧着、溶接や導電性材料を間に挟んだ導通が可
能となる。さらに好ましくは抵抗溶接によって局部的に
瞬間熱を加えることで支持体の変形を最小限にすること
ができるので、耐熱性の低い材料を使用するには都合が
よい。抵抗溶接の方式は、対向した電極で被溶接物を
貫いて電流を流して溶接する方式(図7(b)参照)、
並列に並べた電極間で電流を流して溶接する方式、
電極の先端が狭い幅で繋がっており、その部分で抵抗発
熱が起こる方式、との複合形式(図10参照)が
ある。また、電気の制御の仕方も交流、コンデンサー、
トランジスター、直硫インバーター、交流インバーター
などの方式があるが、本発明で使用する微細な部分の溶
接は交流インバーターが好ましい。
【0043】以下、インレットシート製作に係るIC等
の部品についてそれぞれ簡単に説明する。 [IC]本発明で使用されるICチップは135KH
z、4.9MHz、6.5MHz、13.56MHz、2.
54GHz帯である。これらのカードに装着するIC
は、チップの回路面を上向きにして貼り付けてある金属
板電極にワイヤーボンディングした上にエポキシ樹脂等
で封止されたモジュールといわれる形態と、チップにバ
ンプを設けただけのベアチップの形態がある。一般にモ
ジュールはコストが高いが、電極や封止樹脂で保護され
ているため機械的な力に対して信頼性が高い。それに対
し、ベアチップは接続部分の加工が簡素化されているの
で、コストは低いが信頼性が劣る。図5に示したIC6
はモジュール化されたICである。
【0044】ベアチップに用いられるバンプは金、はん
だ等の金属系或いは導電性ペーストによって構成されて
いることが好ましい。金バンプは、ワイヤーボンダーの
技術を応用した方法、メッキ法、スパッタ法がある。金
バンプは製法によって形状に特徴がある。メッキ、スパ
ッタ法では丸又は円柱状であり、ワイヤーボンダーで製
造したバンプの形状はワイヤーを途中で切るため、独特
の形をしている。また導電性ペーストによる樹脂バンプ
は、スクリーン印刷、ディスペンサー等によりチップ上
に形成される。
【0045】モジーュルはハンダ付け、ワイヤーボンデ
ィング、カシメなどでアンテナ回路と接続する。ベアチ
ップの場合、BGA(ボールグリッドアレイ)、ACF
(異方導電性フィルム)、ACP(異方導電性ペース
ト)等の上からチップを押さえつけて硬化させる方法が
採られる。BGAを使用する場合、ハンダボールをアン
テナ接点上に設け、その上からバンプ付きチップを押し
込み、ハンダをリフローさせて固着させる。またBGA
の代りに樹脂バンプを印刷することも可能である。ベア
チップが装着、検査された後、機械的強度向上のために
アンダーフィルと呼ばれる熱硬化型樹脂がベアチップと
基板の間に流し込まれ再び加熱硬化される場合もある。
【0046】[ACF]ACFは異方導電性フィルムの
略号であり、熱硬化性樹脂の中に導電性粒子が分散した
構造である。ACPはACFの樹脂がペースト状のもの
である。導電性粒子として、金属粉はもとより、銀粒子
に樹脂をコーティングした粒子、樹脂粒子に金メッキさ
れたものも使用されている。ACFはアンテナ回路の接
点部分に片面を接合した後、表面のセパレーターを剥が
し、その上からベアチップを貼付けることで、バンプと
アンテナ回路が導電性粒子を通して導電性を得ることが
できる。バンプがない部分は導電粒子が疎であるため、
電気的に導通が難しい。また、ACFがベアチップ全面
に敷かれていることもあるので、封止樹脂は必要としな
いこともある。ACFはチップ実装時に加熱硬化し、貼
付けられたベアチップを固定することができる。
【0047】本発明の回路基材にICチップを実装する
場合、ACFなどの上から150℃を超える熱を加える
ことが多い。本発明で支持体として使用できる熱可塑性
樹脂の中ではこの温度より低い融点をもつものもある
が、回路基材のごく一部に熱が加わるだけであるので、
多少の変形は生じるが実装は可能である。
【0048】[はんだ]はんだは鉛-錫等を主成分とす
る比較的低融点の合金であり、電気回路の接続では最も
一般的な材料である。現在はんだは大きく分けて共晶は
んだ、低温はんだ、環境問題対策の銀などを使用した鉛
フリーはんだがあり、その中でも合金比率を変更して用
途別に細分化されている。はんだは材料の品種だけでな
く、その形状も多種多様である。例えば線はんだ、棒は
んだ、球状はんだ、特殊な用途にはリング状、テープ
状、シート状などもあり、太さ、厚さ、大きさが異なる
ものがある。またクリームはんだと呼ばれる、粉体のは
んだとフラックスを練りこんだはんだもあり、印刷用や
ディスペンサー用として利用されている。はんだの塗布
方法は、半田ごてによるもの、はんだ槽によるもの、印
刷によるもの、ディスペンサーによるもの、はんだボー
ルのマウンターによるものなどが挙げられる。半田ごて
によるもの、はんだ槽によるもの以外は、リフロー、熱
線など後工程で熱を加えて溶解させる。
【0049】最近の電子回路は高密度化が進み、細密パ
ターンが多くなってきている。したがって、はんだ量の
制御も重要となってきており、細密パターンを接続する
には、はんだ量が精密に制御されているはんだボールが
適している。はんだボールの製造はアトマイズ法等で行
なわれる。アトマイズ法とは、溶解したはんだを霧状に
噴霧し、はんだの表面張力で球状になったところで固化
させるものであり、その後分級する。また最近では線は
んだを正確に切り取り、溶融させて球状にする方法も開
発されている。
【0050】2.ICカード化材料・工程 本発明の回路基材を使用したインレットシートから最終
製品のカードになるまでに使用される材料・工程を以下
に述べる。まず初めに、ICカードの基本的な構成図を
図8に示す。図8は本発明のICカードの断面図であ
る。本発明の回路基材からなるインレットシート(支持
体1、金属箔の回路2b、はんだ5、IC6、端子7か
ら構成されている)の両面に接着層10又は中間層11
を介して被覆層3a、3bが接合されている。被覆層3
a、3bには通常、印刷層14、その外側に保護層13
が設けられている。目視可能情報記録層12は、使用さ
れる表示方法によって保護層13の上面又は下面に適宜
設けることが可能である。図9にも本発明のICカード
の別の例の断面図を示した。この例では、構造部材がイ
ンレットシートと被覆層3aだけからなる最も簡単なI
Cカードの構成となっている。本発明では図9のような
単純な構成でもICカードとして問題なく使用すること
が可能であり、大幅なコストダウンが可能となった。
【0051】〔被覆層〕被覆層3a、3bは完成したI
Cカードの最外殻の構造的な強度が要求される基材であ
り、印刷、磁気層、保護層等を設けることができる。フ
ィルム状或いはシート状のポリエステル、ポリカーボネ
ート、ABS、APET、塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレ
ン、ポリマーアロイ、エンジニアリングプラスチック等
のプラスチックフィルム、銅、アルミニウムなどの金属
板、紙、網などの単体或いは複合体、ガラス繊維や紙を
エポキシ樹脂等で含浸した基材等が使用できる。また、
カードの積層構成によっては、支持体を兼ねることもあ
る。被覆層は用途によって透明、半透明、不透明のもの
が使用できる。半透明、不透明のプラスチックフィルム
は、流通しているほとんどのものが酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、有機顔料などの白色顔料が樹脂中に練り込ま
れているか、表面に印刷や塗工が設けられている。
【0052】被覆層3a,3bは接着層10を使用すれ
ば、ほとんどの材質に貼り合わせることができる。しか
しながら、本発明の回路基材を使用した場合、支持体1
で使用される熱変形温度以下(200℃以下)の熱融着
性の樹脂を被覆層3a,3bに用いると、接着層10を
使用せずに樹脂同士が融着し、ICカードを組立てるこ
とができるのでコストダウンの点から好ましい。
【0053】〔接着層〕接着層10は支持体1と被覆層
3a,3bや、被覆層3a,3bと中間層11等とを接
着して1枚のシートにする機能をもつ層である。接着方
法にはラミネート法とインジェクション法がある。ラミ
ネート法は回路基材作成と同じ方法でフィルムを積層し
ホットプレス等で貼り合わせる方法であり、接着層10
に使用される接着剤樹脂は、ポリエステル、ABS、ア
クリル、ポリウレタン等の一般に使用されているドライ
ラミネート用接着剤や、ホットメルト樹脂で且つ熱硬化
型樹脂、吸湿硬化型樹脂、及び線硬化樹脂が好ましい。
カードを規定の厚さに調整するため、被覆層3aa,3
bや支持体1の厚さ調整と共にこれらの樹脂の塗布量を
調整する必要が生じてくる。特にホットメルト接着剤は
粘度が高いため厚塗りに適しており、カードの厚さを稼
ぐのに好ましい。接着剤は被覆層3a,3bやインレッ
トシートなどに直接塗布することもできるが、ホットメ
ルト樹脂接着剤は室温ではゴム状のシートとして製造す
ることができ、セパレーター紙などの上に予めフィルム
状に形成しておき、そのセパレーター紙などを剥がして
使用するようにすることもできる。接着層は場合によっ
てはウェットラミネート用接着剤で各フィルムを接着さ
せることも可能である。
【0054】インジェクション法は、被覆層3a,3b
の間に熱溶融した樹脂を注入してカードを成形する方法
であり、被覆層3a,3bと一体化したインレットシー
トを同時に封入することができる。使用される樹脂は被
覆層3a,3bを接着する接着剤となるとともに構成材
ともなることが可能なものである。接着剤に使用する樹
脂はラミネート法で使用される樹脂と同等のものが使用
可能であるが、被覆層3a,3b−支持体1間のような
狭い空間を数箇所の樹脂供給口を通して樹脂が広がるた
め、ラミネート法のホットメルト接着剤に比較すると樹
脂の溶融粘度が低いことが好ましい。
【0055】〔中間層〕被覆層3a,3bと同様の層を
最外層に使用せず、中間部分に使用する場合、この層を
中間層11と呼ぶ。中間層11も被覆層3a,3bと同
様の材料によって構成することが可能であり、勿論支持
体1と同様の材料も使用可能である。
【0056】〔目視可能情報記録層〕目視可能情報記録
層12は非接触型ICカードの残額、シリアル番号等の
情報を、肉眼で確認できる文字情報として記録する必要
がある場合に設けられる層で、レーザーで物理的に文字
を作成する場合、錫等の蒸着膜を形成しその膜を熱破壊
して記録する場合、ロイコ染料等の感熱発色型の染料を
塗布して記録層を形成し、その層に熱記録するタイプ等
の1回だけ記録するものと、感熱タイプ、樹脂タイプ、
磁気タイプ、電場タイプ等の書き換え可能な表示層を設
けることも可能である。
【0057】〔保護層〕保護層13は通常、印刷や目視
可能情報記録層等を保護するために設けられる層で、各
種印刷、塗工により保護層13を設ける場合と、オーバ
ーレイフィルムを貼り合わせる方法が可能である。印
刷、塗工により保護層13を設ける場合は1種以上のポ
リビニルアセタール、ポリビニルブチラール、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、エポキシ樹脂等の樹脂から形成される場合と、こ
れらの樹脂にアルミニウム、酸化チタン等の無機顔料
や、シリコーン、ポリエチレン、ポリスチレン微粒子等
の有機顔料や、潤滑剤等を分散させた塗料、インクから
形成される場合がある。オーバーレイフィルムは透明の
フィルムで、印刷層より厚いので、印刷などの保護は良
好である。
【0058】〔印刷層〕通常、印刷層14は透明な保護
層13の下に施され、カードに装飾性を持たせるための
図柄や、カード使用約款や、機械による読み取りのため
の可視バーコード等を印刷する層である。印刷は、カー
ド状態になってからと、被覆層3a,3bに予め耐熱性
の良好な印刷をしておく場合がある。予め印刷する場合
は、カード成型時の熱によって基材が拡大又は収縮をす
る場合があるので、予め収縮又は拡大した図柄で印刷を
行なったり、予め熱処理などで寸法安定化した基材に印
刷したりするのが好ましい。
【0059】〔成型〕非接触型ICカードの成形はラミ
ネート法と射出成形法がある。ラミネート法は被覆層シ
ート、ICが実装されているインレットシート、シート
糊等を重ねあわせホットプレス等で加熱、圧着すること
ができる。この時接着剤を軟化、硬化させるため加熱す
るが、成型条件を選ばないと、カードがカールしたり、
ICチップを破壊する場合がある。中間層、接着層、イ
ンレットシートなどのICチップ部分に穴を開けてカー
ドの厚みを均一にするのが好ましい。ラミネーターでは
成型時に、真空脱泡して成型するのが好ましい。
【0060】一方、インジェクション法では、型枠の中
にセットされた表裏2枚の被覆層3a,3bの間に溶融
した樹脂を射出して成形することができる。インレット
シートは、予め片側の被覆層3a又は3bに仮止めして
おく。射出される樹脂は小さな穴から高圧で押し出され
るため、一般に注入口がシートの中心にあり、その注入
口から放射状に樹脂の配向が起こる可能性がある。被覆
層3a,3bの厚さ、樹脂の種類、押出速度、溶融粘
度、加熱/冷却条件等を最適化しないとカールが発生す
る可能性がある。
【0061】本発明において被覆層3a,3bに熱融着
性のある樹脂を使用した場合には、回路基材が熱融着性
をもっているため、ヒートプレスを使用して貼り合わせ
る場合、ヒートプレス中でこれらの熱可塑性樹脂が一旦
溶融し、相互に融着し一体となる。このような耐熱性が
低いフィルム状の熱可塑性樹脂をフリーの状態でその融
点以上にすると、原形をとどめないほどフィルムが大き
く変形することがあるが、プレス板の中で加熱される場
合はその形状が維持されるのでより好ましい。
【0062】〔打ち抜き〕成型されたシートからカード
化するには電動、空圧、油圧プレスに取り付けたトムソ
ン刃、雄雌刃で1枚ずつのカードに切断することができ
る。
【0063】〔ICカードの他の構成例〕以上の例では
接着層10を使用してICカードを組立てる例を説明し
た。しかし、被覆層3a,3bや必要に応じて使用する
中間層11に支持体1と同様に熱融着性の熱可塑性樹脂
を使用すれば、それらの熱融着性の熱可塑性樹脂製の層
3a,3b,11、支持体1間の接合を熱による貼り合
せによって行なうことができるのでコストダウンの点で
好ましい。また特に、同じ樹脂を使用した場合はより接
着性が高まるのでさらに好ましい。この場合、各層の熱
収縮率や弾性率や色調等まで同じにできるため、カード
の断面は断層がなくカードの見栄えがよいばかりでな
く、光学的にカードを検出するシステム、例えば枚数計
での誤作動が起こりにくい。さらに各層の弾性率が同じ
になるためか、接着剤層を使用して製造したカードより
カード切断面のつぶれ具合が少なく、機械的にカードを
搬送する場合などに好ましい。さらに、支持体1、被覆
層3a,3b、必要に応じて使用する中間層11の全て
を熱融着性の熱可塑性樹脂によって構成し、全ての接合
を熱による貼り合せによって行なうことによって非常に
大きな大きなコストダウンが可能となる。
【0064】〔まとめ〕従来のICカードに使用されて
いる回路基材は、フィルム基材にポリイミド、PET、
PEN、エンジニアリングプラスチック等の、耐熱性が
高く、且つ物理的な強度が高い丈夫なフィルムを使用し
ている。これらのフィルム上に接着剤を使用して張り合
わせるか、蒸着、めっきなどの方法で直接金属箔が形成
されて回路基材が作製されていた。
【0065】本発明では、従来使用されていた、耐熱性
が高く強度も大きいシートや、金属箔と容易に接合も可
能な比較的耐熱性の低い熱可塑性樹脂シートを使用し、
両面の回路を熱と圧力でシートを貫通させて容易に接続
することが可能となった。また比較的耐熱性の低い熱可
塑性樹脂シートを使用すれば金属箔接合のための接着剤
等も不要な回路基材を使用したことでコスト低減を実現
することも可能である。さらにICカードに組立てる場
合においては、被覆層等を適切に選択することで、この
組立て工程での接着層の使用を無くすこと又は減らすこ
とも可能であるので更なるコスト低減も可能となった。
【0066】本発明者は種々の試行の結果、比較的耐熱
性の低い熱可塑性樹脂を支持体に使用して、金属箔を接
合した回路基材を内蔵したICカードやタグであって
も、回路基材と少なくとも一層の被覆層の組み合わせや
樹脂などのケースに入れて使用すれば、この被覆層を含
むカードやケースの機械的構成に守られ、内部の電子部
品及びエッチング回路は使用中、製造中に破壊されるこ
となく十分な強度が確保できることが分かった。
【0067】特に本発明ではモジュール化されたICチ
ップの使用も可能としているので、実装後のICチップ
はエポキシ樹脂封止等で補強の必要がなく、低温で変形
するPET-G、ABSを使用していてもICチップが
補強された信頼性の高い丈夫なカードやタグが可能とな
った。なお、従来からICカードに使用されている回路
基材のフィルム基材にポリイミド、PET、PEN、エ
ンジニアリングプラスチック等の耐熱性が高く、且つ物
理的な強度が高い丈夫なフィルムを使用されている理由
は、もともと自動車用や電気製品など過酷な条件で使用
されるものを流用しているためではないかと推量され
る。
【0068】また、被覆層並びに必要に応じて使用され
る他の被覆層や中間層の少なくとも一層を、回路基材を
構成する熱可塑性フィルムと同様の熱融着可能な樹脂を
選択した場合、ICカードの組立てにおいて、そのよう
な層を接着するうえで接着剤層を使用することなく熱に
より貼着することができるので、一層のコストダウンを
行なうことができる。そのような場合でも、層間の剥離
強度をJISX6301に準拠して測定した際に6N/
cm以上の剥離強度が得られ、各層を構成するフィルム
自身の強度より大きい剥離強度であることが確かめられ
た。
【0069】またさらに被覆層並びに必要に応じて使用
される他の被覆層や中間層の全てを、回路基材を構成す
る熱可塑性フィルムと同じ種類のものを選択した場合、
全ての層を接着するうえで接着剤層を使用することなく
熱により貼着することができるので、非常に大きなコス
トダウンを行なうことができる。勿論このような場合で
も上記のような十分な剥離強度を有していることはいう
までもない。
【0070】本発明では回路基材の支持体の材質と外部
表面シートに使用する被覆層の材質を熱融着可能な熱可
塑性樹脂にすることができ、エッチング後は支持体が回
路基材の両面に露出するため熱による融着で回路基材と
被覆層を一体化することが可能である。カードを一体化
することによりカードのJISX6301で規定されて
いる層間剥離強度は6N/cm以上を満足するものとな
り、さらに強引に剥離しようとする場合は基材自身の破
壊を生じるようになる。本発明のインレットシートは樹
脂モールド等で作成した丈夫なケースに入れて使用する
ことも可能である。樹脂モールド等では、機械的強度は
カードの厚さの制限がないので、非常に丈夫にすること
が可能であることはいうまでもない。
【0071】
【実施例】以下に本発明に係るIC実装体製造の具体例
を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。以下の実施例に説明したIC実装体は、実施例
に説明されている以外にカード及びタグの両方に使用が
可能である。
【0072】(実施例1)図8に示したICカードとほ
ぼ同様の断面構造のICカードを作製した。実際の断面
構造は図8における接着層10及び中間層11を使用し
ない構造であった。その他は図8のものと同一の構造と
した。
【0073】〔インレットシートの作製〕支持体1とし
て50μmのAPET(PET−G製、熱変形温度67
℃、エビロン太平化学社の製品)を使用した。この支持
体1に、接着面の凹凸を化学処理で設けた1/2ozの
銅箔2(厚さ18μm、表面粗さ9μm、福田金属箔工
業社の製品)を温度150℃、圧力10Kg/cm2の
条件でホットプレスし、貼り合わせ回路基材を得た。銅
箔2と支持体1の層間剥離強度はJISX6301に準
拠して測定すると0.7N/cmであった。この回路基
材に感光性ドライフィルム(リストンFX−130、デ
ュポンMRCドライフィルム社の製品)を貼り付け、ポ
ジフィルムに作成した回路パターンを紫外線露光装置で
焼き付け、現像、エッチングしてループアンテナの回路
2bを形成した。この回路形成のためのエッチング後に
残った銅箔の面積は25%であった。
【0074】モジュールのチップ部分が入るように、チ
ップ部分より少し大きい穴6aをインレットシートにあ
けた。図5〜図7に示されるように、その穴6aに、モ
ジュール化され端子部7を備えたICチップモジュール
(MIFAREチップ/シーメンス社製)6を嵌め込ん
だ。図7の(a)部分に示されるように、約220℃に
加熱し先端が0.5mmφの半田ごてを用い、ループア
ンテナ2aの両末端の端子をその半田ごてに2Kgの荷
重をかけて加圧し、ループアンテナ2aの銅箔がPET
-G支持体を突き抜けてその下に設けたモジュール6の
端子部7上に設けたはんだ5と接合して電気的に接続さ
せ、インレットシートを得た。モジュール6は予め端子
部7と接続する部分に共晶はんだ5を設けておいた。
【0075】ループアンテナ2aの銅箔と端子部7との
接合は、はんだ等の接合材を使用しなくても、直接接合
させることもできる。その方法として、抵抗溶接法を利
用することができる。抵抗溶接法を本発明に適用する場
合は、図7の(b)部分に示されるように、金属箔2b
と端子部7との接合部位を抵抗溶接機の電極52,54
で局所的に加圧して抵抗値を高めるとともに、その部分
に通電させることにより発熱させて溶融接続させる。i
は電流である。本発明では支持体1が熱可塑性をもつフ
ィルム状のものであるので、金属箔2bを局所的に加圧
して支持体1に陥没させて支持体1に穴をあけた後、通
電することにより、容易に電気的接続を施すことができ
る。裏面側にも金属箔パターンを配置した場合、表裏の
金属箔パターン間をはんだ等の接合材を使用した接合に
よっても、抵抗溶接法による直接接合によっても接続す
ることができる。
【0076】〔非接触型ICカードの作製〕上記のイン
レットシートと、カード全体の厚さを750μmにする
ため、接着層を使用せずに表裏の層の厚さをそれぞれ3
50μmになるように被覆層3a、3bと重ねあわせ、
ホットプレスを使用して温度150℃、圧力10Kg/
cm2の条件で両側から貼り合わて熱融着した。この被
覆層3a,3bはいずれもインレットシート作製におい
て使用した支持体1と同一のAPET(PET−G、熱
変形温度67℃、エビロン太平化学社の製品)を使用し
た。冷却後、カード状に打ち抜き、非接触型ICカード
とした。カードの層間剥離強度はJISX6301に準
拠して測定すると12N/cmであり、6N/cm以上
であった。
【0077】(実施例2) (インレットシートの作製)図10に示されるように、
実施例1と同様にして、ただしここでは支持体1の一方
の表面にループアンテナを含む銅箔の回路パターン2b
を形成し、支持体1の他方の表面にはICチップ6aと
接続される銅箔の回路パターン2cを形成する。ICチ
ップ6aはベアチップの状態でインレットシート上の回
路パターン2cの端子部分にACF20を挟んで200
℃、10秒間、500gの荷重を加えて加圧することに
より実装した。
【0078】インレットシートの両面に設けた回路パタ
ーン2b,2cは、互いに接続できる位置に配置してお
き、ICチップ6aを実装した面から回路パターン2c
の銅箔が支持体1を突き抜けて反対面に設けた回路パタ
ーン2bの銅箔に接合するように、抵抗溶接機の電極5
3,54を使用して両面の回路2b,2cを接続しイン
レットシートを得た。
【0079】回路2b,2cを接続する方法を詳細に説
明する。ここで使用する電極53は、電極の先端が狭い
幅で繋がり、その部分で抵抗発熱する方式のものであ
る。抵抗溶接機からの電流は最初で示されるように電
極53の一方から他方に流れて電極53の先端の細くな
った部分が抵抗発熱し、この熱と電極に加えられた圧力
により回路パターン2cを通して基材1を溶融し、両面
の回路パターン2b,2cを接触させる。電極53,5
4が回路パターン2b,2cを通して電気的に接触する
と、電流がで示されるように電極53から電極54に
向って流れることで、回路パターン2b,2cが溶接さ
れる。なお、両面回路パターン2b,2cの接合は、製
造工程によっては、チップ実装面と反対側から行なって
もよいし、両面から行なってもよい。またチップ実装前
に行なってもよい。
【0080】(非接触ICカード/タグの作製)図11
に示されるように、実施例2のインレットシートを、A
BSの射出成形でできた容器30の中に接着剤32を用
いて固定し、容器30を熱融着で密閉して非接触ICカ
ード/タグとした。
【0081】(実施例3)実施例2のインレットシート
は種々の形態のICカードやタグに使用することができ
る。図12は図11と同様に、インレットシートを容器
に収納して非接触ICカード/タグとする例を示したも
のである。図12(A)は、一端部に開口をもつ偏平な
容器にインレットシートをスライドさせて入れ、その開
口を蓋36で閉じるようにしたものである。図12
(B)は、一端部に開口をもつチューブ38にインレッ
トシートを丸めて入れ、その開口を挟んで閉じるように
したものである。
【0082】(実施例4)図13は実施例2のインレッ
トシートを物品に貼り付けるタグとして使用した実施例
である。図13(A)はこのインレットシートを粘着紙
40に貼り付け、インレットシートの上から剥離紙42
を貼り付けたものである。ICチップ6aはベアチップ
であるため、その上面には補強板44として金属板やセ
ラミック板等を貼り付けておくのが好ましい。図13
(B)も同様であるが、この場合はICチップ6aが粘
着紙40側になるようにしてインレットシートを粘着紙
40に貼り付け、インレットシートの上から剥離紙42
を貼り付けたものである。図13(A)、(B)のタグ
は、剥離紙42を剥がし、粘着紙40の粘着剤によっ
て、インレットシートが内側になるように物品に貼り付
けて使用する。
【0083】(実施例5)図14は実施例2のインレッ
トシートを他の形態のICカード又はタグとしたもの実
施例である。図14(A)はインレットシートをケース
46に入れ、封止用樹脂をその容器に流し込むことによ
ってインレットシートをケース46内に封止したもので
ある。 図14(B)は容器を使用せずにインレットシ
ートを樹脂49で封止したものである。
【0084】〔カード読み取りテスト手順の概要〕まず
実施例の非接触型ICカード(又はタグ)の共振周波数
を測定した。図15に、この共振周波数測定の状態を示
した。図15はICカードの共振周波数測定状態を示す
概略図である。ネットワークアナライザー101(型式
R3754B/アドバンテスト社の製品)に直径5cm
のループアンテナ102を接続した測定器によってIC
カード9の共振周波数を測定し、13.56MHzであ
ることを確認した。
【0085】次に通信距離を測定した。図16に、この
通信距離測定の状態を示した。図16はICカード9の
通信距離測定状態を示す概略図である。パソコン141
に接続したシーメンス社製リーダ・ライタ142を用い
て90mmの距離から通信できることを確認した。以上
のように、本発明に係るICカードは、カードの層間剥
離強度、共振周波数、通信距離等を満足するICカード
であることが確かめられた。
【0086】
【発明の効果】以上のように本発明に係るIC実装体
は、そのインレットシートが電気絶縁性で熱可塑性をも
つフィルム状支持体と、このフィルム状支持体に搭載さ
れた電子部品と、このフィルム状支持体の一方の面の少
なくとも一部を覆い電子部品と電気的に接続された第1
の導体と、このフィルム状支持体の他方の面の少なくと
も一部を覆う第2の導体とを備え、第1の導体と第2の
導体の少なくとも一方はその少なくとも一部が金属薄層
であり、その金属薄層の一部が支持体中に陥没し支持体
を貫通して他方の導体と電気的に接続されたものとした
ので、インレットシートの製造コストが低いIC実装体
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用される回路基材を示す平面図で
ある。
【図2】 図1の回路基材のA−A’断面図である。
【図3】 エッチング後の回路基材を示す平面図であ
る。
【図4】 図3の回路基材のA−A’断面図である。
【図5】 本発明に使用されるインレットシートを示す
平面図である。
【図6】 図5のインレットシートのA−A’断面図で
ある。
【図7】 図6に示した円部分のIC搭載部分を電気的
接続の接合方法とともに示す拡大断面図である。
【図8】 本発明のICカードの一実施例を示す断面図
である。
【図9】 本発明のICカードの他の実施例を示す断面
図である。。
【図10】 他の実施例のインレットシートを電気的接
続の接合方法とともに示す断面図である。
【図11】 同実施例のインレットシートを使用したI
Cカード又はタグを示す断面図である。
【図12】 (A)は同実施例のインレットシートを使
用した他のICカード又はタグを製造途中の状態で示す
断面図、(B)はさらに他のICカード又はタグを製造
途中の状態で示す斜視断面図である。
【図13】 (A)は同実施例のインレットシートを使
用したタグの一例を示す断面図、(B)はタグの他の例
を示す断面図である。
【図14】 (A)は同実施例のインレットシートを使
用したさらに他のICカード又はタグを示す断面図、
(B)はさらに他のICカード又はタグを示す断面図で
ある。
【図15】ICカード/タグの共振周波数測定の状態を
示す概略図である。
【図16】ICカード/タグの通信距離測定の状態を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 支持体 2b,2c 金属箔による回路パターン 3a,3b 被覆層 6,6a IC 7 端子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を搭載したインレットシートを
    備えたIC実装体であって、 前記インレットシートは電気絶縁性で熱可塑性をもつフ
    ィルム状支持体と、このフィルム状支持体に搭載された
    前記電子部品と、このフィルム状支持体の一方の面の少
    なくとも一部を覆い前記電子部品と電気的に接続された
    第1の導体と、このフィルム状支持体の他方の面の少な
    くとも一部を覆う第2の導体とを備え、 第1の導体と第2の導体の少なくとも一方はその少なく
    とも一部が金属薄層であり、前記一方の導体の金属薄層
    の一部が前記支持体中に陥没し前記支持体を貫通して他
    方の導体と電気的に接続されていることを特徴とするI
    C実装体。
  2. 【請求項2】 前記両導体はその少なくとも一部が金属
    薄層であり、両導体の金属薄層とそれらの間に存在する
    前記支持体とによりコンデンサを構成している請求項1
    に記載のIC実装体。
  3. 【請求項3】 前記導体は接着剤層を介して前記支持体
    に接着している請求項1又は2に記載のIC実装体。
  4. 【請求項4】 前記導体は接着剤層を介さずに前記支持
    体に直接接着している請求項1又は2に記載のIC実装
    体。
  5. 【請求項5】 前記金属薄層の前記支持体との接着面側
    が易接着処理されている請求項4に記載のIC実装体。
  6. 【請求項6】 第1の導体と第2の導体との電気的接合
    部分は互いの金属が溶融して接合したものである請求項
    1〜5のいずれかに記載のIC実装体。
  7. 【請求項7】 第1の導体と第2の導体との電気的接合
    部分は低融点の金属、低融点の合金、導電性接着剤およ
    び異方導電性接着剤のいずれか一つを介在させて接合し
    ている請求項1〜5のいずれかに記載のIC実装体。
  8. 【請求項8】 前記支持体は、APET系、ABS系、
    PC系、塩化ビニル系及びポリマーアロイ系からなる樹
    脂群であって、熱変形温度が200℃以下のものから選
    択された少なくとも1種の樹脂製である請求項1〜7の
    いずれかに記載のIC実装体。
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