JP2001311916A - コンタクトレンズおよびその製造方法 - Google Patents

コンタクトレンズおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2001311916A
JP2001311916A JP2000131985A JP2000131985A JP2001311916A JP 2001311916 A JP2001311916 A JP 2001311916A JP 2000131985 A JP2000131985 A JP 2000131985A JP 2000131985 A JP2000131985 A JP 2000131985A JP 2001311916 A JP2001311916 A JP 2001311916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact lens
colored
lens
color
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000131985A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideharu Kataoka
秀春 片岡
Takashi Nagamura
隆司 長村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON OPTICAL KK
Original Assignee
NIPPON OPTICAL KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON OPTICAL KK filed Critical NIPPON OPTICAL KK
Priority to JP2000131985A priority Critical patent/JP2001311916A/ja
Publication of JP2001311916A publication Critical patent/JP2001311916A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多種多様化している生活様式に適合しつつ予
期せぬ紛失を防止し、しかも保守や管理が簡便なコンタ
クトレンズを提供する。 【解決手段】 レンズの素材が有する色とは異なる色の
着色部を離散的に備えることで、自然物の中に置かれた
ときにそれら自然物と明らかな区別がなされ、簡単に判
別することができ、不測の紛失を防止することができ
る。また、離散的という特異な着色部は、装着時に多種
多様な印象を対人に与えることができ、変化に富んだ生
活に適合した装飾品としての付加価値が発生する。特
に、着色部が人工的な形状であれば、自然物との峻別は
より容易となって紛失防止の効果が顕著となり、着色部
が虹彩や角膜などの疾病に起因するものとの誤解を招く
こともなくなる。また、着色部を左右眼に装着する一対
のコンタクトレンズで相違する構成とすれば、一対のレ
ンズを左右判別が簡便となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角膜に直接装着し
て使用されるコンタクトレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズの素材が有する色とは異な
る色彩を施したコンタクトレンズが知られている。これ
らのカラーコンタクトレンズは、虹彩欠損や虹彩切除な
どの虹彩異常に対処するための医療用、角膜白点などに
対処するための整容用、そして日常使用の眼鏡から正式
の場にそぐう眼鏡に取り替えるのと同様の身だしなみ用
などに利用されている。
【0003】従って従来のカラーコンタクトレンズは、
角膜を透かして視認される一般的な虹彩と同様の模様あ
るいは単一色彩をコンタクトレンズ全面あるいは瞳孔部
分を除く環状部分全体に対して施すことでこれらの要望
に応えていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のコンタ
クトレンズは、医療や整容などに重点を置いて技術開発
がなされてきたため、身だしなみ用、日常生活用として
の機能は不十分であり、近年の多様化した生活や個人の
嗜好に対応できるものではなかった。すなわち、従来の
コンタクトレンズは、身だしなみ用を含めて一般的な虹
彩の色彩や模様を模倣したものであり、ごく自然な色彩
や模様をしている。このため、激しい運動時や着脱時な
どにコンタクトレンズを誤って落としたとき、周囲の自
然物との見分けが困難となり紛失しやすい。また、近
視、遠視、乱視、老視などの屈折異常のためにコンタク
トレンズを利用している者は、その両眼共にコンタクト
レンズを装着することが一般的であるが、両眼共に全く
同一程度の屈折異常であることは稀である。このため、
多くのコンタクトレンズの使用者は、左右視力の矯正の
ために見た目には全く同一であって同一の保守が必要な
一対のコンタクトレンズを左右別々に保守、管理しなけ
ればならない不自由を余儀なくされていた。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされ、多種多様化している生活様式に適合しつつ予期
せぬ紛失を防止し、しかも保守や管理が簡便なコンタク
トレンズを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した課題を解決するため、本発明のコンタクトレンズ
は、レンズの素材が有する色とは異なる色の複数の着色
部を離散的に備えることを特徴とする。かかるコンタク
トレンズは、その離散的な着色部のために自然物の中に
置かれたとき、それら自然物と区別することが容易であ
る。従って、簡単に判別することができ、不測の紛失を
防止することができる。また、離散的という特異な着色
部は、装着時に多種多様な印象を対人に与えることがで
き、変化に富んだ生活に適合した装飾品としての付加価
値が発生する。
【0007】ここで、コンタクトレンズの材質などは、
公知の種々の材料が利用可能であり、酸素非透過性ハー
ドコンタクトレンズのMMA(メタルメタクリレー
ト)、酸素透過性ハードコンタクトレンズのSMA(シ
ロキサニルメタクリレート)やFMA(フルオロメタク
リレート)、含水性ソフトコンタクトレンズのHEMA
(ハイドロキシエチルメタクリレート),N−VP(N
−ビニルピロリドン),DMAA(ジメチルアクリアミ
ド),GMA(グリセロールメタクリレート)、非含水
性ソフトコンタクトレンズのシリコンラバー,ブチルア
クリレート,ジメチルシロキサン、生体親和性コンタク
トレンズのコラーゲン,アミノ酸共重合体などに適用で
きる。
【0008】この他、コンタクトレンズ用の重合性モノ
マーとしては、一般的に用いられるラジカル重合可能な
化合物が考えられ、例えばビニル基、アリル基、アクリ
ル基、またはメタクリル基を分子中に1個以上含む化合
物で、通常ハードコンタクトレンズまたはソフトコンタ
クトレンズ材料として使用されている物質ならばどのよ
うなものでも利用可能である。具体的には、アルキルア
クリレート、シロキサニルアクリレート、フルオロアル
キルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、
ポリエチレングリコールアクリレート、ビニルアクリレ
ート等のアクリル酸エステル類、スチレンの誘導体、N
−ビニルラクタム、(多価)カルボン酸ビニル等のビニ
ル化合物等を考えることができる。さらに具体的には、
例えば、スチレン、アクリル酸、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、フェニ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、メタクリル酸、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ート、フェニルメタクリレート、2−メタクリロイルオ
キシエチルコハク酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシブチルメタクリレート、フマル酸およびそれら
のエステル類、メタクリロニトリル、N,N−ジメチル
アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等を用い
ることが可能である。
【0009】さらに架橋剤として、エチレングリコール
ジメタアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、プロピ
レングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート、グリセリンジア
クリレート、ジビニルベンゼンジアリルフタレート、ジ
エチレングリコールビスアリルカーボネート等の多官能
モノマーを用いることができる。
【0010】上記の構成を有する本発明のコンタクトレ
ンズは、以下の態様を採ることもできる。まず、着色部
は、幾何学的な形状でとすることができる。ここで幾何
学的な形状とは、ハート形、星形、円形、四角形、三角
形、千鳥格子などの広く知られた形状、表意文字、表音
文字、音符や交通標識など所定の観念を想起させる記号
など、人間によって案出された形状である。この様な幾
何学的な形状は、自然界に存在する形状を人間の観念に
よって抽象化したり、特定の意志や意味を伝えるために
案出されたものであり、自然界に存在する形状と異なっ
ている。従って、自然物との峻別は容易となって紛失防
止の効果が顕著となる。また、コンタクトレンズの着色
部が、虹彩や角膜などの疾病に起因するものとの誤解を
招くこともなくなる。
【0011】複数の着色部の形状は、互いに同一形状と
しても良いし、互いに形状が異なるものとすることもで
きる。前者にあっては着色部の製作が容易となり、後者
にあっては、識別がより容易となる。また、コンタクト
レンズに上下左右の別を付けることができる。
【0012】また、複数の着色部は、対称的に配置して
もよいし、非対称的に配置してもよい。前者にあって
は、対称性が識別の容易さを醸成することがあり、後者
にあってはコンタクトレンズに上下左右の別を付けるこ
とができる。なお、対称性は、複数の着色部の集合に対
して考えることもできるが、通常円形に作られるコンタ
クトレンズのレンズ形状に対する対称性(同心性)を考
えることもできる。この結果、複数の着色部を、該着色
部の集合としては対称的に配置し、かつレンズに対して
は非同心的に配置するといった構成も考えることができ
る。
【0013】着色部が離散的に配置されるコンタクトレ
ンズは、眼球および/または瞼との相互作用により眼球
との位置関係が所定位置となる特定形状に形成すること
ができる。一般的に屈折異常を矯正するために使用され
るコンタクトレンズは、コンタクトレンズと角膜との間
に介在する涙液との相互作用により複合的な屈折作用を
奏し、瞳孔との位置関係や回転位置などは問題とならな
い。他方、離散的に着色部が存在する本発明のコンタク
トレンズは、その着色部の形状あるいは着色部の離散的
な配置状態などによって前述のように自然物との相違を
表現するものである。この様な着色部による表現は、上
下あるいは左右が逆になるなどその見方によっては意味
をなさないもの、例えば逆さになったハート、トーン記
号のように本来の意味を失ったり、伝達できず、却って
滑稽にさえ映るものもある。そこで、眼球および/また
は瞼との相互作用により眼球との位置関係が所定位置と
なるように特定されるコンタクトレンズに上述の着色部
を設けるならば、その着色部に求めた効果を確実に奏す
ることができる。なお、この様な眼球との位置関係を所
定位置とするコンタクトレンズは、特開昭57−210
319号公報などに開示される技術に限らず、何れの技
術を利用するものであってもよい。
【0014】更に着色部は、特定波長の光に反応する材
質とすることができる。ここで、特定波長の光とは紫外
線、赤外線、可視光などの光であり、日常生活上で容易
に取り扱うことができるものであることがより好まし
い。また、反応とは、その特定波長の光に起因して着色
部が発光したり変色したりするなどの変化である。この
様な材質により構成された着色部は、特定波長の光が照
射されることでその存在を容易に知ることができる。こ
のため、眼球にコンタクトレンズが存在していることの
認識を自他共に容易としたり、コンタクトレンズの紛失
時に特定波長の光を照射して簡単に探し出すことができ
る。また、複数個を組としたコンタクトレンズに異なる
反応の着色部を設けることで、自然な状態では左右何れ
に装着するものであるか判別不可能なコンタクトレンズ
に対し、特定波長の光を照射することで左右何れに装着
するものであるかを見分ける識別表示としても利用でき
る。また、着色部の一部にのみこうした特殊なインクを
用い、ブラックライトなどを当てたときのみ、そのイン
クが蛍光を発するようにすること可能である。こうした
インク(染料)としては、フローレスセインといった材
料が知られている。
【0015】また、本発明のコンタクトレンズセット
は、複数個のコンタクトレンズを組としたコンタクトレ
ンズセットであって、レンズの素材が有する色とは異な
る色の複数の着色部を、レンズ面に離散的に配置すると
共に、該着色部の色彩、形状、離散的な配置状態の少な
くとも一つは、前記組としたコンタクトレンズにおいて
相違していることを要旨としている。
【0016】この様な構成によれば、左右のコンタクト
レンズや片眼用の複数個のコンタクトレンズを、同じよ
うに保守、管理していても、組としたコンタクトを簡単
に判別することができ、簡便に取り扱うことができる。
なお、色彩、形状、離散的な配置状態の1以上が相違す
るとは、例えばいずれか一つのコンタクトレンズにのみ
着色部が存在しない場合を含む概念である。
【0017】以上のような優れた効果を発揮するコンタ
クトレンズを製造するコンタクトレンズの製造方法の発
明は、コンタクトレンズの素材と同一または異なるモノ
マーに所定の色素を混合してインクを製造し、このイン
クを、所定の形状の複数かつ離散的に配置された凹部に
充填し、該凹部のインクをパッドにて採取してコンタク
トレンズの成型型に転写し、該転写された成型型にてコ
ンタクトレンズの少なくとも一方面の成型を行なうこと
を特徴とする。
【0018】かかる製造法によれば、コンタクトレンズ
の素材と同一または異なるモノマーに所定の色素を混合
したインクを所定の形状で、所定の離散的な配置状態の
凹部に充填し、この凹部のインクをパッドにて採取して
コンタクトレンズの成型型にプリントし、プリントされ
た成型型にてコンタクトレンズの少なくとも一方面の成
型を行なう。従って、この製造方法によれば、複数の着
色部を、コンタクトレンズに離散的に設けることが容易
となる。こうした成型型を用いたコンタクトレンズの製
造方法としては、回転するモールドの中にコンタクトレ
ンズの材料となるモノマーを注入して遠心力によってこ
れを拡げて重合するスピンキャスティング法、凹型にコ
ンタクトレンズの材料を流し込んで凸型を合わせて成型
するモールディング法などが知られている。また、近年
では、米国特許4,555,372号公報に開示される
ように、その前面を型により形成し後面をレースカット
する製造方法や、その逆に後面を型により形成して前面
をレースカットする製法などが提案されており、本発明
のコンタクトレンズの製造方法としては、これらの方法
のいずれも採用することができる。
【0019】ここで、色素としては、Iron oxide,Tita
nium dioxide,Phthalocyanine green,Phthalocyanine
blue,Reactive Red11,Reactive Yellow86,Reactive
Black5等を単体または適宜配合したものが利用でき
る。また、インクを注入する凹部としては、微細加工の
容易な金属板が利用でき、特に銅板が適している。イン
クを採取するパッドとしては、モノマーに対して科学的
に安定した物性を有する軟質ポリマーなどの材質が適し
ており、特にシリコンが好適である。インクをプリント
する成型型としては、ポリビニール製樹脂が適している
が、他に金属製の型なども用いることができる。この様
にして製造されるコンタクトレンズは、その着色部の製
造に当たって大幅な製造工程の追加・改変を必要としな
い。また、形成される着色部をコンタクトレンズと全く
同一のモノマーから形成すれば、光学的特性を同一と
し、屈折異常の矯正用のコンタクトレンズとして利用可
能となる。異なるモノマーを用いれば、そのモノマーの
特性を着色部に利用することができる。かかる構成で
は、着色用に用いる色素をモノマーに混合するため、そ
の着色部はコンタクトレンズと完全一体となり、たとえ
色素の成分が単独では涙液などによって劣化する性質の
ものであっても使用することができる。
【0020】なお、コンタクトレンズの製造方法として
は、上記の成型を伴う手法の他に、前面(外界からの光
線が最初に接触する面)と後面(角膜に接触する面)と
をポリマーから削り出すレースカット法がある。この製
造方法を採用する場合には、所望の形状のコンタクトレ
ンズを予め削りだしておき、これに後から、着色部を環
状に配置すれば、本発明のコンタクトレンズを得ること
ができる。この場合の着色部の配置は、レンズ前面側ま
たは後面側を削りだした後、この面にインクを転写し、
インクの重合を行ない、表面研磨後、反対側の面を切削
するといった手法を用いて行なえば良い。
【0021】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成及び作
用を一層明らかにするために、以下本発明のコンタクト
レンズについて、その実施の形態を説明する。図1は、
本発明の実施例であるコンタクトレンズ10の正面図で
ある。図示するように本実施例のコンタクトレンズ10
は、円形の外形をしており、全体的には無色透明であっ
て所望の光学特性を有する一般的なコンタクトレンズで
ある。図中に点線で示す仮想線は、このコンタクトレン
ズ10の光学効果を有する光学部12とその外周に位置
するベベル14との境界線であり、ベベル14には4つ
の星形の着色部16が等間隔、すなわち90度毎に離散
的に配置されている。従って、この着色部16はコンタ
クトレンズ10の光学特性には全く影響を与えることな
く、単に印としてのみ機能する。
【0022】この様に構成されるコンタクトレンズ10
は、角膜に装着したときには多種多様な印象を対人に与
えることができ、変化に富んだ生活に適合した装飾品と
しての付加価値が発生する。また、意図的にあるいは不
用意に角膜から取り外したときには、その離散的な着色
部16のために、周辺の自然物と明らかな区別が可能と
なっている。したがって、簡単にその存在を認識するこ
とができ、不測の紛失などを防止することができる。し
かも、着色部16は星形という極めて人工的な形状であ
るため、自然物との峻別はより容易であり、かつ、着色
部16が意図的になされたものであって虹彩や角膜など
の疾病に起因するものとの誤解を招くこともない。
【0023】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。第2実施例のコンタクトレンズは、図1に示したコ
ンタクトレンズ10と、図2に示すコンタクトレンズを
20とからなる。図2は、コンタクトレンズ10と同時
に使用される一対のコンタクトレンズの他方のコンタク
トレンズ20の正面図である。このコンタクトレンズ2
0の光学効果を有する光学部22の外周に位置するベベ
ル24には、4つの三日月形の着色部26が90度毎に
離散的に配置されている。従って、この着色部26もコ
ンタクトレンズ20の光学特性には全く影響を与えるこ
となく、単に印としてのみ機能する。この様なコンタク
トレンズ10と一対となるコンタクトレンズ20は、前
述したコンタクトレンズ10が奏する効果を発揮するこ
とは勿論のこと、その着色部26の形状がコンタクトレ
ンズ10の着色部16と相違するためにコンタクトレン
ズ10,20を同時に洗浄、殺菌などの保守を行った
り、同一箇所に管理しても左右どの眼球に適合するもの
であるかを簡単に判別することができる。しかも、一対
のコンタクトレンズ10,20の着色部16,26の形
状は、星形、三日月形という天体を連想させる相互補完
の形状であるため、相乗効果として対人に与える印象が
深まり、より一層の人工的、意図的な表現が可能とな
る。
【0024】上記のごときコンタクトレンズ10,20
は、モールディング法により簡単に製造することができ
る。製造に用いるプラスチック製型30によりコンタク
トレンズ10,20を成型している断面図を、図3とし
て示した。また、製造工程を図4に示した。製造工程
は、図示するように大きくは、準備工程PROVとコン
タクトレンズの成形工程MOLD、およびその後の工程
SUFに分かれている。まず準備工程PROVでは、モ
ールディング用のプラスチック型30の製造と、図柄転
写用の銅板の製作と、インクの調合とが行なわれる。
【0025】準備工程PROVにおけるプラスチック製
型30の製造(工程S100)は、図3に示した凹型の
雌型32と凸型の雄型34とを、型製造器により製造す
るのである。これは、雌型32,雄型34の形状のキャ
ビティを有する型製造器に、ポリビニール製樹脂を注入
することにより行なわれる。この結果、モールディング
用の雌型32と雄型34とが得られる。雌型32の表面
は、できあがるコンタクトレンズのフロントカーブの元
になる形状とされており、他方雄型34の凸部は角膜と
の接触部となるために均一でなめらかな面(ベースカー
ブBC)とされている。なお雌型32,雄型34の表面
を更に滑らかにするために、プラズマ加工などを行なっ
ても良い。
【0026】また、準備工程PROVにおける銅板の製
作(工程S110)は、銅板表面に、刻線による図柄を
彫り込むことにより行なわれる。実施例の銅板には、図
1および図2に示したのと同一の図柄が彫り込まれてい
る。この図柄には、後述するようにインクが塗布されて
残存し、転写に供される。これは、版画におけるドライ
ポイントと同様の手法である。なお、銅板への刻線の彫
り込みは、手作業によっても良いし、NCなどの自動化
された工作機械によっても良い。
【0027】準備工程PROVの残りの作業は、インク
を調合する工程である(工程S120)。インクは、色
素としてReactive Red11を使用し、コン
タクトレンズ10,20の主たる材料であるヘマと同一
のモノマーと混合する。ここでは、赤色の色素を用いた
が、混合する色素を適宜選択すれば、インクは、種々の
色に調合することができる。以上の各工程(工程S10
0ないし120)により、コンタクトレンズ製造の準備
が整ったことになる。
【0028】次にコンタクトレンズの成形工程MOLD
について声明する。準備工程PROVで準備したインク
を銅板に塗布し(工程S200)、その後銅板表面のイ
ンクをぬぐい取る(工程S210)。この結果、銅板に
は、その刻線の凹部にのみインクが残っていることにな
る。次に、シリコン製のパッドをこの銅板の表面に押し
つける(工程S220)。シリコン製のパッドは弾力に
富むので、押しつけることにより変形し、刻線内部のイ
ンクは、パッドの表面に採取される。そこで次に、この
シリコン製のパッドを、図3に示す雄型34の凸部に押
し当てる(工程S230)。パッド表面のインクは、こ
の結果、凸部表面に転写される。さらに、この雄型34
を、50度〜60度Cの状態に置き、インクを乾燥させ
る(工程S240)。
【0029】他方、コンタクトレンズとなるモノマーを
調合し(工程S250)、これにより成形を行なう。本
実施例では、最終的にコンタクトレンズ10,20とな
る素材として、Hydroxyethyl Mathacrylate (通称「ヘ
マ」)を用いている。このモノマーを、成分の調整後に
雌型32の凹部に適量入れ(工程S260)、工程S2
00ないし240により、表面にインクがプリントされ
た雄型34を、図3に示すように装着して固定する(工
程S270)。そして、固定されたプラスチック製型3
0をオーブンに入れて、70度〜80度で加熱する(工
程280)。加熱することにより、モノマーは、重合し
コンタクトレンズ10,20の大まかな形状が成型され
る。このとき、色素が調合された図柄のインクも重合
し、コンタクトレンズに一体となる。成型後に雌型32
を取り外すと(工程290)、雄型34には、図1,図
2に示した着色部16,26を有するコンタクトレンズ
10,20が固定された状態で、得られる。以上でコン
タクトレンズの成形工程MOLDは完了する。
【0030】コンタクトレンズを成形する重合性モノマ
ーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート97
重量部、エチレングリコールジメタクリレート2重量
部、アゾビス(2,4ージメチルバレロニトリル)0.
3重量部をよく混合し、この混合物の脱気、窒素置換を
行なったものを使用することもできる。この混合物を上
記の雌型32,雄型34に充填し、これを熱風循環式の
恒温槽内に投入して、40℃で8時間、80℃で5時間
程度加熱しても、コンタクトレンズの成形は完了する。
【0031】こうして成形を終えたコンタクトレンズ1
0,20について、雌型32を取り外した後、雄型34
を旋盤に取り付け、コンタクトレンズ10,20の光学
特性を決定するフロントカーブ(FC)や周縁部のカッ
トなどの切削加工ならびに前面および周縁部のエッジな
どの研磨(工程S300)などを行なう。周縁部の研磨
などにより、コンタクトレンズには、ベベルが設けられ
る。こうして外形が整えられたコンタクトレンズ10,
20は、純水中で膨潤させ洗浄した後、生理食塩水に浸
漬して所定量の吸水をさせる(工程S310)。こうし
てコンタクトレンズは完成するが、製品として扱うため
に、さらに検査を行なった後、プリスター容器やバイア
ルビンに入れて滅菌処理を行って完成品とする(工程S
320)。
【0032】以上のような製造方法によれば、通常の片
面モールディング・片面切削法と比較してインクの製造
と雄型34への転写という僅かな製造工程の追加だけ
で、上述した優れた効果のコンタクトレンズ10,20
を製造することができる。また、コンタクトレンズ1
0,20に形成される着色部16,26は、コンタクト
レンズ10,20と全く同一の部材からなっている。従
って、光の透過率は異なるものの、屈折率などのその他
の光学的特性は同一となり、屈折異常の矯正用のコンタ
クトレンズとして利用可能となる。しかも、着色用に用
いる色素をモノマーに混合するため、その着色部はコン
タクトレンズと完全一体となり、たとえ色素の成分が単
独では涙液などによって劣化する性質のものであっても
使用することができる。
【0033】以上、本発明が実施される形態を説明した
が、本発明はこうした実施例に何等限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々な
る様態で実施し得ることは勿論である。例えば、離散的
な図柄は、星形や三日月形状などに限定されるものでは
なく、クローバやハート型など、様々な形状が採用可能
である。また、これらの図形は、コンタクトレンズの完
成後、後からフロントカーブ面に着色するといった手法
で形成しても良い。また、着色するのでなければ、レー
ザ等で、表面に乱反射面を形成することにより、図柄を
設けることも可能である。また、図柄を形成する色素と
しては、蛍光材料等、特定の波長の光を当てることで別
の波長の光を発するようなものを用いることもできる。
こうした色素を用いれば、環境や照明装置により、コン
タクトレンズの色が変わると言った演出ができる。ま
た、コンタクトレンズを紛失したときに、特定の波長の
光を照射するライトなどを使うことで、容易をこれを見
い出すことができる。ブラックライトとこれにより蛍光
発光する色素とを組み合わせて用いれば、暗い部屋で瞳
だけが特定の色に輝いたり、更にそこに特定の図柄を浮
かび上がらせるといったことも可能である。
【0034】更に、上記実施例では、コンタクトレンズ
10,20の製造方法として片面モールディング・片面
切削という手法を用いたが、コンタクトレンズ10,2
0の両面をモールドにより完成するキャスティング法や
スピンキャスト法などの製造方法により、離散的な着色
部を有するコンタクトレンズを製造することができる。
モノマーの重合も、加熱重合以外の重合方法、たとえは
光照射による重合なども利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるコンタクトレンズ10の
正面図である。
【図2】コンタクトレンズ10と対をなすコンタクトレ
ンズ20の正面図である。
【図3】コンタクトレンズ10,20をモールディング
法により製造するプラスチック製型30の断面説明図で
ある。
【図4】コンタクトレンズの製造工程を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10,20…コンタクトレンズ 12,22…光学部 14,24…ベベル 16,26…着色部 30…プラスチック製型 32…雌型 34…雄型

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズの素材が有する色とは異なる色の
    複数の着色部を、レンズ面に離散的に配置したコンタク
    トレンズ。
  2. 【請求項2】 前記着色部は、幾何学的な形状であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  3. 【請求項3】 前記複数の着色部の形状は、同一形状で
    あることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレン
    ズ。
  4. 【請求項4】 前記複数の着色部は、形状が異なること
    を特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  5. 【請求項5】 前記複数の着色部は、対称的に配置され
    た請求項1記載のコンタクトレンズ。
  6. 【請求項6】 前記複数の着色部は、非対称的に配置さ
    れた請求項1記載のコンタクトレンズ。
  7. 【請求項7】 前記複数の着色部は、該着色部の集合と
    しては対称的に配置され、かつレンズに対しては非同心
    的に配置された請求項1記載のコンタクトレンズ。
  8. 【請求項8】 着色部が離散的に配置されるコンタクト
    レンズは、眼球および/または瞼との相互作用により眼
    球との位置関係が所定位置となる特定形状に形成された
    請求項6または請求項7記載のコンタクトレンズ。
  9. 【請求項9】 着色部は特定波長の光に反応する材質で
    ある請求項1ないし請求項3何れか記載のコンタクトレ
    ンズ。
  10. 【請求項10】 着色部は、所定強度以上の光に反応す
    る材質である請求項1ないし請求項3何れか記載のコン
    タクトレンズ。
  11. 【請求項11】 少なくとも複数個のコンタクトレンズ
    を組としたコンタクトレンズセットであって、 レンズの素材が有する色とは異なる色の複数の着色部
    を、レンズ面に離散的に配置すると共に、 該着色部の色彩、形状、離散的な配置状態の少なくとも
    一つは、前記組としたコンタクトレンズにおいて相違し
    ているコンタクトレンズセット。
  12. 【請求項12】 コンタクトレンズの製造方法であっ
    て、 コンタクトレンズの素材と同一または異なるモノマーに
    所定の色素を混合してインクを製造し、 このインクを、所定の形状の複数かつ離散的に配置され
    た凹部に注入し、 該凹部のインクをパッドにて採取してコンタクトレンズ
    の成型型に転写し、 該転写された成型型にてコンタクトレンズの少なくとも
    一方面の成型を行なうコンタクトレンズの製造方法。
JP2000131985A 2000-05-01 2000-05-01 コンタクトレンズおよびその製造方法 Pending JP2001311916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000131985A JP2001311916A (ja) 2000-05-01 2000-05-01 コンタクトレンズおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000131985A JP2001311916A (ja) 2000-05-01 2000-05-01 コンタクトレンズおよびその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009091886A Division JP2009151340A (ja) 2009-04-06 2009-04-06 ソフトコンタクトレンズおよびソフトコンタクトレンズセット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001311916A true JP2001311916A (ja) 2001-11-09

Family

ID=18640777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000131985A Pending JP2001311916A (ja) 2000-05-01 2000-05-01 コンタクトレンズおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001311916A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011527029A (ja) * 2008-07-02 2011-10-20 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド 三日月パターンを含む着色コンタクトレンズ
JP2014238496A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 株式会社日本エデン コンタクトレンズ
WO2016024354A1 (ja) * 2014-08-14 2016-02-18 株式会社日本エデン コンタクトレンズ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011527029A (ja) * 2008-07-02 2011-10-20 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド 三日月パターンを含む着色コンタクトレンズ
JP2014238496A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 株式会社日本エデン コンタクトレンズ
WO2016024354A1 (ja) * 2014-08-14 2016-02-18 株式会社日本エデン コンタクトレンズ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2657443C (en) Tinted contact lenses having iris patterns with enhanced depth
JP6797536B2 (ja) 美容用コンタクトレンズ内の環形状クリア層
CN103543538B (zh) 具有重复的波纹图案的眼科透镜
CN109991757B (zh) 具有光环效应的角膜接触镜片
JP2009008848A (ja) コンタクトレンズとその製造方法
TWI639041B (zh) 具有珠光鞏膜之隱形眼鏡
TW200916307A (en) Tinted contact lenses having a depth effect
JP2016206667A (ja) 多層パターンを持つコンタクトレンズ
JP2001311915A (ja) コンタクトレンズおよびその製造方法
CN103547959B (zh) 具有明亮染色的巩膜的接触镜片
JP2004021244A (ja) カラーコンタクトレンズ及びその提供方法
JP2001311916A (ja) コンタクトレンズおよびその製造方法
US11520166B2 (en) Cosmetic contact lens with reversible effects
JP2009151340A (ja) ソフトコンタクトレンズおよびソフトコンタクトレンズセット
JP6448104B1 (ja) ピンホールコンタクトレンズ及びピンホールコンタクトレンズの製造方法
CN103492931A (zh) 具有阴影效果的接触镜片
TW202237756A (zh) 改良美容效果的隱形眼鏡
JPH0224098Y2 (ja)
JP2012155295A (ja) 老眼矯正体及び老眼矯正方法
JP2013011846A (ja) 老眼矯正体及び老眼矯正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070625

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070724

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070925

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071002

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20071026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090406