JP2001311807A - 光拡散性シート、その製造方法および透過型スクリーン - Google Patents

光拡散性シート、その製造方法および透過型スクリーン

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JP2001311807A
JP2001311807A JP2000128304A JP2000128304A JP2001311807A JP 2001311807 A JP2001311807 A JP 2001311807A JP 2000128304 A JP2000128304 A JP 2000128304A JP 2000128304 A JP2000128304 A JP 2000128304A JP 2001311807 A JP2001311807 A JP 2001311807A
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light
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sheet
diffusion
particles
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JP2000128304A
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English (en)
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Yoshiaki Murayama
義明 村山
Makoto Matsumoto
誠 松本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異方拡散性に優れた光拡散シート、光透過性
に優れ、モアレ現象の発現がなく、十分に広い異方拡散
性を有する透過型スクリ−ンを提供する。 【解決手段】 長軸方向断面における長軸の長さ(L
1)と短軸の長さ(L2)とが特定関係式を満足し、短
軸方向断面における長軸の長さ(L3)と短軸の長さ
(L4)とが特定の関係式を満足する略回転楕円形状を
有する拡散粒子が、該拡散粒子の屈折率と屈折率差が
0.06以上である屈折率を有する透光性樹脂中に0.
01〜100g/mの濃度で含有されている光拡散性
シートおよびこれを光拡散層として用いた透過型スクリ
ーン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明用カバー、グ
レージング、導光板、看板等や、プロジェクションテレ
ビやマイクロフィルムリーダーなどのスクリーンとして
好適に使用される光拡散性シートおよびこれを拡散層と
して使用した透過型スクリーンに関する。さらに詳しく
は、光拡散性に優れた光拡散シートおよびその製造方
法、並びに、モアレ現象の発生がなく、十分に広い異方
拡散性を有する透過型スクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光拡散性シートとしては、メタク
リル樹脂やポリカーボネート樹脂等に無機系や有機系の
光拡散材を分散含有されたシートが一般的に使用されて
おり、照明器具のカバー、看板、導光板、グレージン
グ、プロジェクションテレビ用のスクリーン等に広く使
用されている。
【0003】光拡散材としては、光拡散性シートや透過
型スクリーンの光拡散性が高く、かつ全光線透過率の高
い光利用効率に優れること、色温度が適性であること、
さらにランプイメージ、CRT、液晶プロジェクターな
どの光源イメージが透けて観察されるシースルー、部分
的に帯状の明るい部分が観察されるホットバンドなどの
ないことが要求されている。
【0004】このような光拡散材としては、例えば、特
開昭60−46503号公報に記載のようなシリカ、白
雲母、アルミナ、炭酸カルシウムおよびガラスビーズな
どの無機系光拡散材や、特開昭61−4762号公報に
記載ののようなアクリル系樹脂、スチレン系樹脂などか
らなる樹脂ビーズ等が使用されている。
【0005】また、光透過性と光拡散性とのバランスを
とることを目的として、特開平1−172801号公
報、特開平2−194058号公報、特開平3−207
743号公報、特開平5−39401号公報、特開平6
−107881号公報特開平10−87941号公報等
のように、シリコーン系の光拡散材を使用した光拡散性
シートや組成物が種々提案されている。
【0006】一方、背面投写型プロジェクションテレビ
においては、投写された画像を観察側の広い角度範囲で
明るく観察することが要求されており、特に水平方向に
広く拡散し、垂直方向にはそれより狭い範囲ではあるが
適度に拡散するようにした視野範囲に異方性のある透過
型スクリーンが用いられている。
【0007】このような透過型スクリーンとしては、シ
ートの片面または両面に垂直方向に延びたレンチキュラ
ーレンズを並設するとともに、シート中に更に光拡散材
を含有させ、レンチキュラーレンズにより光を水平方向
には広く拡散し、光拡散材により垂直方向にもある程度
光拡散させるようにしたレンチキュラーレンズシートが
一般的に用いられている。
【0008】近年、透過型スクリーンと組み合わせて用
いられる投写像源としては、CRTに代わって、LCD
やDMDといったマトリックス状の画素構造を用いて表
示を行うデバイスを用いたプロジェクターが普及してき
ている。このようなプロジェクターは、その構造上、C
RTプロジェクターのように地磁気の影響を受けること
がなく、静止画を観察することの多いパソコンなどのコ
ンピューターの表示装置のための画像光源としては極め
て好ましい。
【0009】このようなLCDやDMDをプロジェクタ
ーとして用いる透過型スクリーンにおいては、比較的近
接した位置から観察するパソコンモニターのような14
〜40インチ程度の比較的小さい面積のものにも使用さ
れるため、投写画素とレンチキュラーレンズとの周期的
構造どうしの干渉によって発生するモアレ現象を解消す
ることが要求される。
【0010】このようなモアレ現象に関して、特にLC
DやDMDを用いたプロジェクター用のスクリーンに限
らず、背面投写型プロジェクションテレビなどで使用さ
れている透過型スクリーンとして、特開昭62−236
286号公報、特開平3−168630号公報、特公平
7−117818号公報では、投写画素とレンチキュラ
ーレンズとのピッチ比を最適化させることでモアレ現象
を解消する方法が提案されており、特開平2−1233
42号公報、特開平2−212880号公報では、投写
画素に対してレンチキュラーレンズを傾斜させることに
よってモアレ現象を解消させることが提案されている。
【0011】しかしながら、レンチキュラーレンズの周
期的構造と投写画素ピッチとによって発生するモアレ現
象は、両者のピッチを最適化することによってある程度
は解消させることができるものの、XGAクラスやSX
GAクラス以上の高画素数の場合や14〜40インチ程
度の比較的小さい画面に投影する場合には、透過型スク
リーンに投写された画像を構成する画素のピッチが非常
に小さくなるため、モアレ現象を解消させるためにはレ
ンチキュラーレンズのピッチを0.1mm以下程度に非
常に細かくすることが必要となる。しかし、このように
細かいレンチキュラーレンズを製造するためには、レン
ズ金型の製造が極めて困難となったり、金型の寿命が短
くなったり、精確なレンズ形状を転写することができな
いなどの問題点を有している。
【0012】そこで、このようなレンチキュラーレンズ
を形成せずに、前述したような光拡散材を分散させた拡
散シートを用いた透過型スクリーンも提案されている
が、上記のようなモアレ現象の発生は抑止できるもの
の、前述のような光拡散性シートと同様の問題点を有し
ているとともに、光拡散材として球状のものを使用して
いるために十分に広い視野角を確保することは困難であ
った。
【0013】このような問題点を解決する目的で、特開
昭59−176734号公報や米国特許4983016
号公報には、繊維状あるいは棒状の光拡散材を透光性樹
脂中に略同一方向に配列させ、レンチキュラーレンズと
同様の異方拡散性を付与することが提案されている。し
かし、このように繊維状あるいは棒状の光拡散材を透光
性樹脂中に分散させたものでは、光拡散材の配列方向を
一方向に揃えることは困難であり、モアレ現象の発現は
なくなるものの十分な異方拡散性を付与することはでき
なかった。また、特開平2−199444号公報には透
明シリコーン樹脂粒子を含有したシートを延伸によって
粒子を棒状に変形させ略同一方向に配列させることが提
案されているが、拡散材の変形が適切に行われていない
ため十分な異方拡散性を付与することはできず、実用化
のレベルには至っていないものであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、拡
散粒子の透光性樹脂への分散性に優れ、異方拡散性に優
れた光拡散シートを提供するとともに、液晶プロジェク
ターなどと組み合わせて使用される透過型スクリーンに
おいて、モアレ現象の発現がなく、十分に広い異方拡散
性を有する透過型スクリ−ンを提供することを目的とす
るものである。
【0015】
【課題を解決させるための手段】本発明者等は、このよ
うな状況に鑑み、光拡散性シートとして特定形状の光拡
散材を特定量含有させることによって、光拡散性シート
の光拡散性を向上させることができるとともに、透過型
スクリーンの光拡散層として使用した場合にも、十分に
広い異方拡散性を確保できることを見出し、本発明に到
達したものである。
【0016】すなわち、本発明の光拡散性シートは、長
軸方向断面における長軸の長さ(L1)と短軸の長さ
(L2)とが前記式(1)の関係を満足し、短軸方向断
面における長軸の長さ(L3)と短軸の長さ(L4)と
が前記式(2)の関係を満足する略回転楕円形状を有す
る拡散粒子が、略一軸方向に揃った状態で拡散粒子の屈
折率と屈折率差が0.06以上である屈折率を有する透
光性樹脂中に0.01〜100g/mの濃度で含有さ
れていることを特徴とするものである。また、本発明の
透過型スクリーンは、上記のような光拡散性シートを光
拡散層として用いたことを特徴とするものである。さら
に、本発明の光拡散シートの製造方法は、体積平均粒径
1〜8μmの球状拡散粒子を、前記球状拡散粒子の屈折
率と屈折率差が0.06以上である屈折率を有する透光
性樹脂中に含有するプラスチックシートを、透光性樹脂
のガラス転移温度以上で、透光性樹脂の弾性率が球状拡
散粒子の弾性率より大きい温度領域で少なくとも一軸方
向に延伸することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照にしながら、本
発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の光拡散
性シート1を示したもので、図2は本発明の光拡散シー
ト1中に含有される球状拡散粒子2を示したものであ
る。図中、3は光拡散性シート1の基材を構成する透光
性樹脂であり、4は球状拡散粒子2を構成するシリコー
ン系ゴム球状粒子4、5はシリコーン系ゴム球状粒子4
の表面に形成された樹脂層である。
【0018】本発明において、使用される球状拡散粒子
2としては、このようなコア−シェル構造のものに限定
されるものではなく、アクリル系樹脂、スチレン系樹
脂、シリコーン樹脂などの有機物からなるものを適宜選
択して使用することができる。中でも、変形のしやすい
弾性を有するシリコーン樹脂等が好ましく、コア球状粒
子4の表面が樹脂層5で被覆されたコア−シェル構造を
有するものが特に好ましい。特に、シリコーン系ゴム球
状粒子4の表面に樹脂層5としてポリオルガノシルセス
キオキサン樹脂からなるものが好ましい。また、コア−
シェル構造の場合には、コア球状粒子4とシェル樹脂層
5の体積比率は、コア球状粒子4の特性を充分発揮させ
るため、コア球状粒子4の体積比が50%以上となるよ
うにすることが好ましい。
【0019】コア−シェル構造の球状拡散粒子2を用い
る場合には、コアを構成するシリコーン系ゴム球状粒子
4として、光拡散性シート1としての衝撃強度をより向
上させるのため、その硬さがJIS A硬さで60未満
であるものを用いることが好ましい。このように硬さが
60未満と比較的柔軟なシリコーン系ゴム球状粒子4を
用いた場合であっても、ポリオルガノシルセスキオキサ
ン樹脂からなる樹脂層5がその表面に形成されているた
め、透光性樹脂への分散性に優れた球状拡散粒子2が得
られる。
【0020】このようなシリコーン系ゴム球状粒子は分
子構造式中に一般式(4)で示される線状オルガノポリ
シロキサンブロックを有するゴム弾性をもつ球状のシリ
コーン硬化物からなるものなどが挙げられる。
【0021】
【化1】 なお、上記一般式(4)において、Rはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェ
ニル基、トリル基などのアリール基、ビニル基、アリル
基などのアルケニル基、β−フェニルエチル基、β−フ
ェニルプロピル基などのアラルキル基、クロロメチル
基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの1価ハ
ロゲン化炭化水素基、さらにはエポキシ基、アミノ基、
メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基など
の反応性基含有の有機基から選択される1種または2種
以上の炭素数1〜20の1価の有機基から選択される基
で、その90モル%以上がメチル基であることが好ましい
ものであり、aは5未満では線状オルガノポリシロキサ
ンの特徴が十分に出ないため、内部応力低下および潤滑
性向上の効果が十分に得られなくなるし、aの最大値は
特に定めるものではないが、実際に5000より大きい
とシリコーン系ゴム微粒子の製造が困難となるために、
aは5〜5000、好ましくは10〜1000の数であ
る。
【0022】このシリコーン系ゴム球状粒子4の表面に
被覆される樹脂層としては、次の一般式(5)で示され
るポリオルガノシルセスキオキサン樹脂などが挙げられ
る。
【0023】
【化2】 なお、上記一般式(5)において、この式中のRがメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキ
ル基、フェニル、トリル基などのアリール基、ビニル
基、アリル基などのアルケニル基、β−フェニルエチル
基、β−フェニルプロピル基のようなアラルキル基、ク
ロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基な
どの1価ハロゲン化炭化水素基、さらにはエポキシ基、
アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロ
キシ基などの反応性基を有する有機基から選択される1
種または2種以上からなる炭素数1〜20より成る1価
の有機基であるオルガノシルセスキオキサン単位を構成
単位とする樹脂状の重合物である。なお、このRはそ
の50モル%以上がメチル基であることが好ましいが、
他の基が含有されていると、本発明のシリコーン微粒子
の基材との相溶性、潤滑特性などがさらに改良されるこ
とが期待され、また上記したRSiOS/2単位の他
にその被覆性を損なわない範囲で少量のR SiO
2/2単位、R SiO1/2単位、SiO単位が
含有されていてもよい。このようなコア−シェル構造の
球状拡散粒子2は、例えば特開平7−196815号公
報に記載されているような方法によって製造することが
できる。
【0024】本発明において、球状拡散粒子2の体積平
均粒子径は1〜8μmであることが好ましく、より好ま
しくは1.5〜7μm、さらに好ましくは2〜6μmの
範囲である。これは、球状拡散粒子2の体積平均粒子径
が1μmより小さい場合には、散乱により透過光が黄色
く着色したりシースルーが発生しやすくなり、逆に8μ
mより大きい場合には光拡散性が低下するとともに、所
要の光拡散性を得ようとすると必要な添加量が多くなり
過ぎて光拡散性シート1の製造が困難になったり、衝撃
強度が低下したりするためである。
【0025】光拡散性シート1においては、球状拡散粒
子2と透光性樹脂3との屈折率差Δnが0.06以上で
あり、好ましくは0.065以上である。これは、屈折
率差Δnが0.06より小さい場合には、光拡散性の低
下により視野角が狭くなり、所要の光拡散性を得ようと
すると必要な添加量が多くなり過ぎて、全光線透過率が
低下したり、光拡散性シート1の製造が困難になった
り、衝撃強度が低下したりするためである。
【0026】球状拡散粒子2は、透光性樹脂3中に0.
01〜100g/mの範囲の含有量で分散される。こ
の球状拡散粒子2の含有量は、目的とする光拡散性を発
現させるためにこの範囲内で適宜添加量は決定される
が、含有量が0.01g/m未満であると、光拡散性
が弱くなり十分な拡散性を得ることができなくなる傾向
にあり、逆に100g/m超えると、光拡散性が強く
なり過ぎて、全光線透過率が低下したり、光拡散性シー
ト1の製造が困難になったり、衝撃強度が低下したりす
るためである。
【0027】また、本発明においては、光拡散性シート
1のコントラストを向上させる目的で、球状拡散粒子2
とともに、透光性樹脂3中にカーボンブラックやネオジ
ウム化合物等のような顔料や染料等の光吸収剤を適宜選
択して添加することができる。使用する光吸収剤の光吸
収特性は特に限定されないが、目的に応じて波長別選択
吸収性を持たせてもよい。
【0028】本発明に使用される透光性樹脂3として
は、透明性の樹脂であれば特に限定されるものではない
が、例えば、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、メタ
クリレートとスチレンとの共重合体(MS樹脂)、ポリ
カーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。中
でも高い透明性を有するメタクリル系樹脂が好ましい。
また、高い衝撃強度が要求される用途に使用する場合に
は、耐衝撃性メタクリル系樹脂も好ましく用いることが
できる。本発明においては、光拡散性シート1の厚みは
特に限定されないが、透過型スクリーンのように高い解
像度を要求される用途に使用する場合は、3mm以下と
することが好ましい。
【0029】次に、本発明の光拡散性シート1の製造方
法について説明する。図3に、本発明の光拡散性シート
1の製造工程の一例を示した。まず、所定の配合割合で
球状拡散粒子2、透光性樹脂3および必要に応じて各種
添加剤を混合した原料をホッパー13から押出機14に
供給し、押出機14内でスクリュー15によって加熱混
練されながらダイス16へ供給される。次いで、樹脂シ
ートとしてダイス16から吐出されニップロールR1と
R2によってニップされ所定の厚さとされた後、ロール
R3から補助ロール17を経て引取ロール18によって
引取られ光拡散性シート1が製造される。
【0030】ここで、ロールR3の回転速度をニップロ
ールR1およびR2よりも速くすることによって、ダイ
ス16から吐出された樹脂シートの延伸を行う。ニップ
ロールR1、R2とロールR3の回転速度差は、ダイス
16から吐出される樹脂シートの粘度、目的とする光拡
散性シート1の厚さ等に応じて所望の延伸倍率となるよ
うに適宜設定される。この延伸倍率は1.2〜7倍とす
ることが好ましく、より好ましくは1.5〜5倍の範囲
である。また、延伸時の樹脂温度は、透光性樹脂3の種
類に応じて設定されるが、球状被覆粒子2の弾性率より
も透光性樹脂3の弾性率が高くなるような温度領域に設
定され、例えば、110〜190℃程度の範囲とするこ
とが好ましく、より好ましくは120〜170℃の範囲
である。このような温度領域で球状拡散粒子2を含有し
た樹脂シートを延伸することによって、球状拡散粒子2
が透光性樹脂3の延伸変形に追随してラクビーボール状
の一軸回転楕円形状に変形される。なお、本発明におい
ては、延伸を容易に行うためにニップロールR1、R2
とロールR3との間に補助加熱ゾーンあるいは冷却ゾー
ンを設けてもよい。
【0031】本発明においては、光拡散性シート1は、
幅方向(TD方向)に一軸延伸してもよいし、必要に応
じて2軸延伸を行ってもよい。また、キャスト法等によ
って無延伸シートを製造した後に、一軸または二軸延伸
を行って球状拡散粒子2を変形させてもよい。
【0032】本発明の光拡散性シート1は、上記のよう
な製造方法によって、図1に示したように略回転楕円形
状の拡散粒子2が略一軸方向に揃った状態で均一に分散
されている。この拡散粒子2は、その長軸の長さが1.
5〜20μm、短軸の長さが0.5〜10μmであるこ
とが十分な異方拡散性を付与する観点から好ましい。よ
り好ましくは、その長軸の長さが3〜15μm、短軸の
長さが1〜7μmの範囲である。なお、略一軸方向に揃
った状態で拡散粒子2が分散されているとは、略回転楕
円形状の拡散粒子2の長軸が略同じ方向に揃って分散さ
れていることをいう。
【0033】また、拡散粒子2は、その長軸方向断面に
おける長軸の長さ(L1)と短軸の長さ(L2)との比
(L1/L2)が1.2〜3の範囲であることが好まし
く、さらに好ましくは2〜2.5の範囲である。これ
は、L1/L2が1.2未満であると十分な異方拡散性
を付与することができない傾向にあり、逆に3を超える
と非常に高い延伸倍率での延伸が必要となり光拡散性シ
ート1の製造が困難となる傾向にあるためである。
【0034】また、拡散粒子2の短軸方向の断面形状
は、その長軸の長さ(L3)と短軸の長さ(L4)との
比(L3/L4)が1.1以下であることが好ましく、
より好ましくは1.05以下の範囲である。これは、L
3/L4が1.1を超えると、拡散粒子2の扁平化によ
って十分な異方拡散性を付与することができない傾向に
あるためである。
【0035】本発明の拡散シート1は、上記のような略
回転楕円形状の被覆拡散粒子2が略一軸方向に揃った状
態で均一に分散されているため、水平方向の拡散半値幅
(αH)と垂直方向の拡散半値幅(αV)の差(αH−
αV)が10度以上となり、この光拡散性シート1をプ
ロジェクションテレビの透過型スクリーンの光拡散層と
して使用した場合に、レンチキュラーレンズを使用する
ことなく十分な異方拡散性が得られる。なお、αH−α
Vは12度以上であることが好ましい。また、αH−α
Vが大きくなりすぎると透過型スクリーンとしてのゲイ
ンが低下する傾向にあり20度以下の範囲とすることが
好ましい。
【0036】本発明の光拡散性シート1は、その少なく
とも一方の表面にレンチキュラレンズ、フレネルレン
ズ、プリズムなどのレンズを形成してレンズシートとす
ることもできる。このように、光拡散性シート1の少な
くとも一方の表面にレンズ形状を付与することによっ
て、光拡散性シート1に分散されている拡散粒子2では
得られない配光特性を光拡散性シート1に付与すること
ができたり、拡散粒子2による光拡散特性を部分的にあ
るいは全体的に補強することができる。付与されるレン
ズ形状としてはレンチキュラーレンズ、サーキュラーフ
レネルレンズ、リニアフレネルレンズ、プリズムなどが
好適な例として挙げられるが、これに限定されるもので
はなく他の種々のレンズ形状を付与してもよい。また、
一方の表面にレンチキュラーレンズ、他方の表面にフレ
ネルレンズを形成するなど、目的に応じて種々のレンズ
を組み合わせることもできる。このようなレンズ形状の
付与は、プレス成形や紫外線などの活性エネルギー線硬
化性組成物を用いた光硬化による賦型など公知の技術を
用いて行なうことができる。
【0037】上記のように光拡散シート1の表面にレン
ズを形成してレンズシートとする場合、光拡散性シート
1の方向はレンズシート付与する異方拡散性により適宜
決定される。例えば、光拡散性シート1にフレネルレン
ズを形成してフレネルレンズシートとし、光拡散性シー
ト1によってレンチキュラーレンズと同様の水平方向の
拡散性が大きい異方拡散性を付与しようとする場合に
は、略回転楕円形状の被覆拡散粒子2の配向方向(略一
軸方向に揃った被覆拡散粒子2の長軸の方向)が垂直方
向となるように配置すればよい。また、光拡散性シート
1にレンチキュラーレンズを形成してレンチキュラーレ
ンズシートとし、光拡散性シート1によって垂直方向の
拡散性を付与しようとする場合には、略回転楕円形状の
被覆拡散粒子2の配向方向(略一軸方向に揃った被覆拡
散粒子2の長軸の方向)が水平方向となるように配置す
ればよい。
【0038】次に、前述のような光拡散性シート1を光
拡散層として使用した本発明の透過型スクリーンについ
て、図4〜6を参照して説明する。なお、図4〜6に示
した実施形態では、略回転楕円形状の被覆拡散粒子2の
配向方向(略一軸方向に揃った被覆拡散粒子2の長軸の
方向)が垂直方向となるように光拡散性シート1を配置
し、レンチキュラーレンズと同様の水平方向の拡散性が
大きい異方拡散性を付与するものである。
【0039】図4は、光拡散性シート1が最も光源側に
光拡散層1として配置され、順次観察側に向けて偏光フ
ィルム7、透光性プラスチックシート8、反射防止層9
が積層一体化されて構成された透過型スクリーン10で
ある。光拡散性シート1、偏光フィルム7、透光性プラ
スチックシート8、反射防止層9は、透明な接着層6を
介して積層一体化されている。このような構成による透
過型スクリーン10は、観察側表面に反射防止層9を形
成することにより外光の写り込みを軽減し観察しやすい
画像を得ることができる。
【0040】図5は、予め透光性プラスチックシート8
と光拡散性シート(光拡散層)1が積層一体化されてお
り、この一体化されたシートの光拡散層1側を光源側に
配置し、順次観察側に向けて偏光フィルム7、反射防止
層9が積層されて構成された透過型スクリーン11であ
る。透光性プラスチックシート8と光拡散性シート1の
積層一体化は、加熱プレス成形、共押出し法、透明な接
着層を用いた接着などの公知の方法を用いて行うことが
できる。透光性プラスチックシート8、偏光フィルム
7、反射防止層9は、透明な接着層6を介して積層一体
化されている。
【0041】このような構成による透過型スクリーン1
0、11は、偏光フィルム7により外光が約1/2にカ
ットされコントラストの高い画像を得ることができると
ともに、反射防止層9により外光の写り込みを軽減し観
察しやすい画像を得ることができる。また、偏光フィル
ム7よりも光源側に光拡散性層1を配置することによっ
ても、画像のコントラストが高めるられている。従っ
て、透過型スクリーン10、11の構成に代えて、光拡
散層1を透光性プラスチックシート8の偏光フィルム7
側に配置することもできる。使用される偏光フィルム7
は、市販されているヨウ素系、染料系などの通常の偏光
フィルムが使用可能であるが、画像のコントラストをよ
り高めるためには、偏光度が96%以上である偏光フィ
ルムを使用することが好まし。また、偏光フィルム7の
透過偏光軸は、液晶プロジェクターのように光源からの
投写光が偏光光の場合には、投写光の偏光軸の方向と一
致する方向で使用することが好ましい。このように偏光
フィルム7を設置することによって、表示性能を損なう
ことなく外光の影響によるコントラストの低下を効果的
に防止することができる。
【0042】反射防止層9は、偏光フィルム7の表面に
無機薄膜のドライコーティング、有機薄膜のウエットコ
ーティングを施したり、トリアセチルセルロースフィル
ムやポリエチレンテレフタレートフィルムなどの透明フ
ィルムに予め反射防止膜が形成された反射防止フィルム
を透明な接着層6を介して接着することによって形成す
ることができる。本発明においては、反射防止膜に代え
て防眩機能を有する被覆層を形成することによっても同
等の機能を果たすことができる。このように反射防止層
9を形成した場合、透過型スクリーンとしての正反射率
が3%以下であることが好ましく、さらに好ましくは
2.5%以下である。また、このような反射防止層9に
代えて、あるいは併用して耐擦傷性を付与するハードコ
ート層や帯電防止機能を付与する帯電防止層を形成する
こともできる。
【0043】透光性プラスチックシート8は、透過型ス
クリーンの機械的強度を高めて取扱を容易にするととも
に、その信頼性を高めるために使用されるものであり、
光拡散性シート1を構成する透光性樹脂3と同様の樹脂
からなるシートを使用することができる。なお、この透
光性プラスチックシート8に光拡散シート1を積層一体
化する場合には、一体化したシートの反りや剥離などの
発生を防止するためには、透光性プラスチックシート8
を構成する樹脂と透光性樹脂3とを同一にすることが好
ましい。また、画像のコントラストを高めるために、透
光性プラスチックシート8中に光吸収剤などを添加し、
透光性プラスチックシート8に光吸収性を付与すること
もできる。この場合、各波長別の光吸収特性は、フラッ
ト状(NDフィルター様)の吸収特性でも良いし、また
は、映像源からの投写光の波長以外の波長を選択的に吸
収するような、選択的吸収剤を使用してもよい。
【0044】各層を積層一体化するために使用される透
明な接着層6は被着体双方に密着性があって、無色もし
くは有色透明であれば、特に限定されるものではなく、
例えば、感圧型接着剤、水系接着剤、UV型接着剤など
を使用することができる。
【0045】図6は、図4あるいは図5に示した透過型
スクリーン10、11から偏光フィルム7を除いた構成
からなる透過型スクリーン12を示したものである。こ
の透過型スクリーン12においては、透光性プラスチッ
クシート8中にコントラストを高めるための光吸収剤を
添加したものが使用される。この場合、各波長別の光吸
収特性は、フラット状(NDフィルター様)の吸収特性
でもよいし、映像源からの投写光の波長以外の波長を選
択的に吸収するような、選択的吸収剤を使用してもよ
い。使用されれる透光性プラスチックシート8として
は、その全光線透過率が40〜70%の範囲であること
が好ましく、さらに好ましくは45〜65%の範囲であ
る。これは、全光線透過率が70%を超える場合には、
画像のコントラストが低下する傾向にあり、逆に45%
未満の場合にはスクリーンゲインが低下して、画像が暗
くなる傾向にあるためである。
【0046】なお、本発明の透過型スクリーンにおいて
は、光源側の表面あるは観察側の表面にリニアフレネル
レンズやサーキュラーフレネルレンズを形成したり、フ
レネルレンズシートを配置することによって、水平方向
における集光特性を付与することができ、斜め方向から
映像を観察した場合でも画面全体の輝度分布を均一化さ
せることもできる。
【0047】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、以下の実施例および比較例で得られた透過
型スクリーンの評価方法は次の通りとした。
【0048】全光線透過率(Tt)及びヘーズ(Haz
e) 村上色彩技術研究所社製ヘーズメーターHR−100を
用いて測定した。スクリーンゲイン(Go ) 試料をシャープ社製液晶プロジェクターXVE−500
によって一定照度で照らし、反対側の面の輝度の比をト
プコン社製の色彩輝度計BM−7により測定した。照度
と輝度の比をスクリーンゲイン(Go)とした。
【0049】αH値 上記測定より得られたスクリーンゲイン(Go)の1/
2のゲインが得られる水平方向の拡散視野角をαHとし
た。αV値 上記測定より得られたスクリーンゲイン(Go)の1/
2のゲインが得られる垂直方向の拡散視野角をαVとし
た。
【0050】実施例1 メタクリル樹脂(三菱レイヨン社製アクリペットVH#
001、屈折率1.49)中に、光拡散材としてシリコ
ーン系ゴム球状粒子の表面にポリオルガノシルセスキオ
キサン樹脂からなる樹脂層が形成された球状被覆粒子
(信越化学工業社製KMP600、体積平均粒子径5μ
m、シリコーン系ゴム球状粒子の屈折率1.40、JI
S A硬さ30、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂
の屈折率1.42)を2重量%添加し、ヘンシェルミキ
サーを用いて混合した。この混合物を図3に示した製造
装置を用い、ニップロールR1、R2とロールR3間の
樹脂温度が150℃となるようにし、樹脂シートの延伸
倍率が1.9倍となるようにニップロールR1、R2と
ロールR3の回転速度を調整して、被覆拡散粒子の添加
量が17.4g/m、厚さ0.73mmの光拡散性シ
ートを製造した。
【0051】得られた光拡散性シートは、表1に示した
断面形状(100個の被覆拡散粒子の平均値)の被覆拡
散粒子が略一軸方向に揃った状態で均一に分散してい
た。また、レオメーター(レオメトリックス社製RDA
−II)を用いて、角周波数0.5rad/sにてメタ
クリル樹脂および被覆拡散粒子の貯蔵弾性率を測定した
ところ、それぞれ2074710dyn/cm、30
498dyn/cmであり、メタクリル樹脂の貯蔵弾
性率が高いものであった。
【0052】さらに、得られた光拡散性シートの全光線
透過率、ヘイズ値、スクリーンゲイン(Go)、水平方
向の拡散半値角(αH)および垂直方向の拡散半値角
(αV)を測定し、その結果を表2に示した。
【0053】実施例2 延伸倍率を3.6倍とした以外は、実施例1と同様の方
法で被覆拡散粒子の添加量が13.1g/m、厚さ
0.55mmの光拡散性シートを製造した。また、得ら
れた光拡散性シートの全光線透過率、ヘイズ値、スクリ
ーンゲイン(Go)、水平方向の拡散半値角(αH)お
よび垂直方向の拡散半値角(αV)を測定し、その結果
を表2に示した。
【0054】実施例3 延伸倍率を1.4倍とした以外は、実施例1と同様の方
法で被覆拡散粒子の添加量が22.8g/m、厚さ
0.96mmの光拡散性シートを製造した。また、得ら
れた光拡散性シートの全光線透過率、ヘイズ値、スクリ
ーンゲイン(Go)、水平方向の拡散半値角(αH)お
よび垂直方向の拡散半値角(αV)を測定し、その結果
を表2に示した。実施例1および2と比較すると異方拡
散性は低いものであった。
【0055】比較例1 吐出した樹脂シート延伸しなかった以外は、実施例1と
同様の方法で被覆拡散粒子の添加量が23.8g/
、厚さ1.00mmの光拡散性シートを製造した。
また、得られた光拡散性シートの全光線透過率、ヘイズ
値、スクリーンゲイン(Go)、水平方向の拡散半値角
(αH)および垂直方向の拡散半値角(αV)を測定
し、その結果を表2に示した。実施例のものと比較する
と異方拡散性は極めて低いものであった。
【0056】
【表1】
【表2】 実施例4 反射防止層としてTACフィルムの一方の面に反射防止
膜、他方の面に接着層を形成した反射防止フィルム(日
本油脂社製リアルック2201)を、接着層を介して厚
み4mmの透明なメタクリル樹脂板(三菱レイヨン社製
アクリライト#001)の一方の面にラミネート法によ
り積層した。次いで、透明メタクリル樹脂板の反射防止
フィルムを積層した面の反対側の面に、偏光フィルム
(ポラテクノ社製KN18242T、偏光度99.99
%、光線透過率42%)を偏光透過軸が液晶プロジェク
ターの透過軸と一致するように接着層を介してラミネー
ト法により積層した。さらに、この積層体の偏光フィル
ム上に実施例1で得られた光拡散性シートを略回転楕円
形状の被覆拡散粒子の配向方向が垂直方向となるように
接着層を介してラミネートして積層一体化し、図4に示
した構成の透過型スクリーンを得た。
【0057】得られた透過型スクリーンのスクリーンゲ
イン(Go)、水平方向の拡散半値角(αH)、垂直方
向の拡散半値角(αV)を測定し、その結果を表3に示
した。また、得られた透過型スクリーンは、モアレ現象
の発現がなく、コントラストの非常に高いものであっ
た。
【0058】実施例5 厚み4mmの透明なメタクリル樹脂板(三菱レイヨン社
製、商品名アクリライト#001)と、実施例2で得ら
れた光拡散性シートを加熱プレス法を用いて積層一体化
した。一方、実施例4で使用したものと同一の反射防止
フィルムおよび偏光フィルムを接着層を介してラミネー
ト法により積層一体化した。両方の積層シートを光拡散
層と反射防止層が外側に位置し、光拡散性シートの略回
転楕円形状の被覆拡散粒子の配向方向が垂直方向となる
ようにし、偏光フィルムの偏光透過軸が液晶プロジェク
ターの透過軸と一致するように接着層を介してラミネー
ト法により積層一体化し、図5に示した構成の透過型ス
クリーンを得た。
【0059】得られた透過型スクリーンのスクリーンゲ
イン(Go)、水平方向の拡散半値角(αH)、垂直方
向の拡散半値角(αV)を測定し、その結果を表3に示
した。また、得られた透過型スクリーンは、モアレ現象
の発現がなく、コントラストの非常に高いものであっ
た。
【0060】実施例6 厚み4mm、全光線透過率79%の光吸収剤含有着色メ
タクリル樹脂板(三菱レイヨン社製、商品名アクリライ
ト#099)を使用した以外は、実施例5と同様にし
て、図5に示した構成の透過型スクリーンを製造した。
得られた透過型スクリーンのスクリーンゲイン(G
o)、水平方向の拡散半値角(αH)、垂直方向の拡散
半値角(αV)を測定し、その結果を表3に示した。ま
た、得られた透過型スクリーンは、モアレ現象の発現が
なく、コントラストの非常に高いものであった。
【0061】実施例7 厚み4mm、全光線透過率64%の光吸収剤含有着色メ
タクリル樹脂板(三菱レイヨン社製、商品名アクリライ
ト#097)と、実施例2で得られた光拡散性シートを
接着層を介してラミネート法にて積層一体化した。次い
で、次いで、着色メタクリル樹脂板の光拡散性シートを
積層した面の反対側の面に、実施例4と同様の反射防止
フィルムを接着層を介してラミネート法により積層一体
化し、光拡散性シートの略回転楕円形状の被覆拡散粒子
の配向方向が垂直方向となるように配置し、図6に示し
た構成の透過型スクリーンを得た。
【0062】得られた透過型スクリーンのスクリーンゲ
イン(Go)、水平方向の拡散半値角(αH)、垂直方
向の拡散半値角(αV)を測定し、その結果を表3に示
した。また、得られた透過型スクリーンは、モアレ現象
の発現がなく、コントラストの非常に高いものであっ
た。
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明は、異方拡散性に優れた光拡散シ
ートを提供するとともに、液晶プロジェクターなどと組
み合わせて使用される透過型スクリーンにおいて、モア
レ現象の発現がなく、十分に広い異方拡散性を有する透
過型スクリ−ンを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光拡散性シートを示す模式的部分断面
斜視図である。
【図2】本発明の球状拡散粒子を示す模式的断面図であ
る。
【図3】本発明の光拡散性シートの製造工程を示す模式
図である。
【図4】本発明の透過型スクリーンの実施形態の構成を
示す模式的部分断面図である。
【図5】本発明の透過型スクリーンの実施形態の構成を
示す模式的部分断面図である。
【図6】本発明の透過型スクリーンの実施形態の構成を
示す模式的部分断面図である。
【符号の説明】
1 光拡散性シート 2 光拡散材 3 透光性樹脂 4 シリコーン系ゴム球状粒子 5 樹脂層 6 接着層 7 偏光層 8 透光性プラスチックシート 9 反射防止層 10、11、12 透過型スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H021 BA26 BA27 BA32 2H042 BA02 BA19 BA20 4F100 AK01A AK01B AK25 AK52 AN02 AR00C AR00D AR00E BA02 BA03 BA05 BA10A BA10C BA10E CA07A CA23A DE01A DE01H EJ372 GB48 GB90 JG03C JK12C JN01 JN01A JN01B JN06C JN06E JN08 JN10C JN10D JN18A JN18H JN28C JN30 JN30A JN30B

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長軸方向断面における長軸の長さ(L
    1)と短軸の長さ(L2)とが次の式(1)の関係を満
    足し、短軸方向断面における長軸の長さ(L3)と短軸
    の長さ(L4)とが次の式(2)の関係を満足する略回
    転楕円形状を有する拡散粒子が、略一軸方向に揃った状
    態で拡散粒子の屈折率と屈折率差が0.06以上である
    屈折率を有する透光性樹脂中に0.01〜100g/m
    の濃度で含有されていることを特徴とする光拡散性シ
    ート。 【数1】 【数2】
  2. 【請求項2】 被覆拡散粒子の長軸の長さが1.5〜2
    0μm、短軸の長さが0.5〜10μmであることを特
    徴とする請求項1記載の光拡散性シート。
  3. 【請求項3】 透光性樹脂中に光吸収剤が含有されてい
    ることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の光
    拡散性シート。
  4. 【請求項4】 水平方向の拡散半値角(αH)と垂直方
    向の拡散半値角(αV)とが次の式(3)の関係を満足
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    光拡散シート。 【数3】
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散
    性シートを光拡散層として用いたことを特徴とする透過
    型スクリーン。
  6. 【請求項6】 前記光拡散層が透光性プラスチックシー
    トの少なくとも一方の表面に積層一体化されていること
    を特徴とする請求項5記載の透過型スクリーン。
  7. 【請求項7】 少なくとも一方の表面に前記光拡散層が
    積層一体化された透光性プラスチックシートに、反射防
    止層、偏光層、帯電防止層、防眩層、ハードコート層の
    少なくとも一つの層が形成されていることを特徴とする
    請求項6記載の透過型スクリーン。
  8. 【請求項8】 前記光拡散層が最も光源側に配置される
    ことを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載の透過
    型スクリーン。
  9. 【請求項9】 光源側から順に、前記光拡散層、偏光
    層、透光性プラスチックシート、反射防止層が積層一体
    化されていることを特徴とする請求項8に記載の透過型
    スクリーン。
  10. 【請求項10】 光源側から順に、前記光拡散層、透光
    性プラスチックシート、偏光層、反射防止層が積層一体
    化されていることを特徴とする請求項8記載の透過型ス
    クリーン。
  11. 【請求項11】 前記透光性プラスチックシートが光吸
    収性を有することを特徴とする請求項6〜10のいずれ
    かに記載の透過型スクリーン。
  12. 【請求項12】 偏光層の偏光透過軸の方向が、光源か
    ら投写される投写光の偏光軸の方向と一致していること
    を特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の透過型
    スクリーン。
  13. 【請求項13】 体積平均粒径1〜8μmの球状拡散粒
    子を、前記球状拡散粒子の屈折率と屈折率差が0.06
    以上である屈折率を有する透光性樹脂中に含有するプラ
    スチックシートを、透光性樹脂のガラス転移温度以上
    で、透光性樹脂の弾性率が球状拡散粒子の弾性率より大
    きい温度領域で少なくとも一軸方向に延伸することを特
    徴とする光拡散シートの製造方法。
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