JP2001303296A - 光触媒機能を有する金属基材及びその製造方法 - Google Patents

光触媒機能を有する金属基材及びその製造方法

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Hirotsugu Inoue
裕嗣 井上
Akira Baba
昭 馬場
Norihiko Fujiwara
憲彦 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紫外線照射を受けた際に光触媒作用を示す金
属基材、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム等の金属基材の表面に、多
孔性構造を有する多孔性金属被膜が設けられており、こ
の多孔性金属被膜の表面及び当該被膜に存在する細孔の
内部に、光触媒機能を有する酸化チタン触媒粉末が担持
されている。この際、多孔性金属被膜の厚さが1〜50
μmで、当該被膜における細孔の孔径が0.01〜50
μmで、酸化チタン触媒粉末の粒径が1〜100nmで
あることが好ましい。本製法は、金属基材を電解質浴中
で陽極酸化させて、基材表面に多孔性構造を有する多孔
性金属被膜を形成させ(工程A)、光触媒機能を有する
酸化チタン触媒粉末をシリコーン含有塗料中に分散さ
せ、得られた分散液を上記金属被膜の表面に塗布し(工
程B)、その後、200〜500℃の温度で焼結を行う
(工程C)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光照射を受けた際
に触媒機能を発揮する金属基材及び、このような金属基
材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでに、光を吸収して触媒反応を起
こす光触媒として、酸化チタン(TiO 2 )や酸化亜鉛
(ZnO)などの酸化物半導体が知られており、高分子
材料の酸化劣化や有機化合物の合成などへの応用も進め
られている。しかしながら、市販の酸化チタン触媒を一
般的なコーティング剤中に添加、分散させても、均質な
分散液が得られないという問題点があり、又、このよう
な分散液を塗布して得られるコーティング層において
は、酸化チタン触媒がコーティング層中に埋没されて、
光触媒機能の著しい低下が起こるという問題点もあり、
充分な光触媒機能を維持したままで、酸化チタンを基材
上に担持させた製品は提案されていないのが現状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、充分な光触
媒機能が発揮される状態で酸化チタン触媒が金属基材上
に担持されており、光照射(特に400nm以下の波長
の紫外線照射)を受けた際に光触媒作用を示し、殺菌効
果、脱臭効果、汚染物質の分解などの機能を発揮する金
属基材を提供することを課題とするものである。又、本
発明は、このような機能を有する金属基材を製造するた
めの方法を提供することを課題とするものでもある。
【0004】このような課題は、多孔性構造を有する金
属基材表面に、触媒機能を有する酸化チタン触媒をシリ
コーン含有塗料に分散させて塗布し、これを所定温度で
焼結し、酸化チタン触媒を基材上に担持させることによ
り解決することができ、このようにして得られた表面
は、非常に優れた触媒機能を発揮する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の光触媒機能を有
する金属基材は、金属基材の表面に、多孔性構造を有す
る多孔性金属被膜が設けられており、前記多孔性金属被
膜の表面及び当該多孔性金属被膜に存在する細孔の内部
に、光触媒機能を有する酸化チタン触媒粉末が担持され
ていることを特徴とする。
【0006】又、本発明は、前記の特徴を有する光触媒
機能を有する金属基材において、前記多孔性金属被膜の
厚さが1〜50μmであり、しかも当該多孔性金属被膜
における細孔の孔径が0.01〜50μmであり、前記
酸化チタン触媒粉末の粒径が1〜100nmであること
を特徴とするものでもある。
【0007】更に、本発明は、前記の光触媒機能を有す
る金属基材を製造するための方法でもあり、当該方法
は、金属基材を電解質浴中で陽極酸化させることによ
り、当該金属基材表面に、多孔性構造を有する多孔性金
属被膜を形成させる工程A、光触媒機能を有する酸化チ
タン触媒粉末をシリコーン含有塗料中に分散させ、得ら
れた分散液を前記多孔性金属被膜の表面に塗布する工程
B、前記工程Bで得られた金属基材を、200〜500
℃の温度で焼結する工程Cとを含むことを特徴とする。
【0008】又、本発明は、前記の特徴を有する製造方
法において、前記工程Bにおいて使用されるシリコーン
含有塗料が、アルキルシリケート類とアルコキシシラン
類と有機系樹脂とを含むものであることを特徴とするも
のでもある。
【0009】又、本発明は、前記の特徴を有する製造方
法において、前記工程Aにおいて形成される多孔性金属
被膜の厚さが1〜50μmで、しかも当該多孔性金属被
膜における細孔の孔径が0.01〜50μmであり、前
記工程Bで使用される酸化チタン触媒粉末の粒径が1〜
100nmであることを特徴とするものでもある。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明の光触媒機能を有す
る金属基材について説明する。本発明における多孔性金
属被膜は、金属基材を電解質浴中で陽極酸化(プラズマ
セラミックコート処理)させることにより形成されたも
のであり、この多孔性金属被膜(多孔質化された表面
層)には、その内部及び表面に多数の小さな空隙(細
孔)が存在している。本発明では、金属基材上に設けら
れる多孔性金属被膜が、一定以上の空隙、即ち、光触媒
機能を発揮するのに充分な量の酸化チタン触媒粉末が担
持できる細孔が存在する多孔性構造を有していれば良い
が、被膜厚さとしては1〜50μmが好ましく、細孔の
孔径としては0.01〜50μmが好ましい。尚、金属
基材の材質としては、アルミニウム、マグネシウム、チ
タンなどが適しているが、これらに限定されるものでは
なく、その形状についても板状体に限定されず、種々の
立体形状であっても良い。板状の金属基材の場合、もち
ろん、上記の多孔性金属被膜を片面に有していても表裏
両面に有していても良い。
【0011】一方、上記の多孔性金属被膜の表面及び細
孔の内部(内壁面)に担持される酸化チタン触媒粉末
は、細孔内部に入り得る大きさ、即ち、細孔径よりも粒
径の小さいものであれば良く、使用目的に応じて、光触
媒として市販されているものが広く利用可能であるが、
一般的には粒径が1〜100nmであるものが好まし
い。尚、この酸化チタン触媒粉末は、特定の波長の光を
吸収することにより励起が起こって触媒活性を示すもの
であれば良く、このような触媒粉末が表面の多孔性金属
被膜に担持された構造を有する本発明の金属基材は、殺
菌作用、脱臭作用、汚染物質分解作用を示し、例えば外
壁材などに利用した場合には、大気環境中の窒素酸化物
や硫黄酸化物を除去したり、水中の有機塩素化合物など
の汚染物質を除去するのに作用効果をもたらす。本発明
の金属基材にあっては、上記の酸化チタン触媒粉末が、
多孔性金属被膜の表面上だけでなく、多孔性金属被膜に
存在する多数の細孔の、少なくとも一部の内壁面に付着
した状態で担持されていれば良く、多孔性金属被膜の表
面から、被膜厚さの約40%程度まで、好ましくは被膜
厚さの約80%程度にまで達するようにして、均一に触
媒が細孔内に入り込んだ構造となっている。
【0012】次に、前述の金属基材を製造するための本
発明の製法について説明する。本発明の製法における第
1の工程Aでは、まず最初に、アルミニウム、マグネシ
ウム、チタンなどの金属基材の表面に多孔性金属被膜を
形成させるが、これら金属の表面を多孔性構造とする際
には、金属表面上に比較的大きな間隙を形成させるのに
適した電解質浴中での陽極酸化法が用いられ、例えば日
本国特許第1839310号に記載されるプラズマ電解
法(ほう酸又は硫酸アニオンと、リン酸及びフッ素又は
塩素イオンとを含有する、pH5〜11の低アルカリ水
性浴を用いた陽極酸化法)や、日本国特許第29121
01号に記載されるプラズマ電解法(塩化物を含まない
電解質浴中で、特定のpH範囲、浴温度にて、電位が最
終値に到達するまで一定の電流密度を維持する陽極酸化
法)などが使用できる。
【0013】そして、第2の工程Bにおいては、光触媒
機能を有する酸化チタン触媒粉末をシリコーン含有塗料
中に分散させて得た分散液を、工程Aによって形成した
多孔性金属被膜の表面に塗布するが、この際に使用する
塗料としては、バインダーとしての種々の樹脂(アクリ
ル樹脂、シリケート樹脂、ウレタン樹脂など)の他に、
シリコーンバインダーを共存させたものが使用される。
本発明では、シリコーンバインダーを配合することによ
って、後で行われる焼結の際に有機成分の分解が起こり
易くなり、その結果、光触媒効果がより一層高まる。こ
の場合において、シリコーンを含まずに酸化チタン触媒
だけを含む塗料を用いると、金属基材への塗膜面密着性
が劣ったものになるという問題も生じる。本発明では、
上記分散液を塗布する際の方法が特に限定されるもので
はなく、スプレー法、浸漬法、刷毛塗り法等の方法で、
金属基材表面に形成された多孔性金属被膜の細孔(空
隙)内に分散液が侵入できれば良く、細孔の奥深くまで
分散液を含浸させるために、振動、超音波などを利用し
て塗布を行っても良い。
【0014】この工程Bで使用されるシリコーン含有塗
料は、市販のアクリル樹脂系塗料中に、市販のシリコー
ン化合物(例えばテトラメトキシシランやテトラエトキ
シシランなどのの部分加水分解重縮合物)を添加、混合
して得られたもので良いが、特開平10−251597
号に記載される無機・有機複合系被覆組成物が特に好ま
しい。この被覆組成物は、特定のシリコーンオリゴマー
(アルキルシリケート類)を有機溶媒中で加水分解させ
て得られたシリカ系微粒子と、アルコキシシラン類を有
機溶媒中で加水分解させて得られた加水分解縮合物と、
アクリル系樹脂などの有機系樹脂とを含有するものであ
り、塗料溶液の状態では3成分が均一に存在していたも
のが塗膜形成時には無機物層と有機物層とに相分離を起
こして2層構造が形成されるという特性を有している。
又、上記の3成分を含む組成物の場合には、特別な前処
理を行わなくても市販の酸化チタン触媒粉末を一般的手
法により均質に分散することができるという利点もあ
る。
【0015】本発明では、工程Bにおいて、光触媒機能
を発揮するのに充分な量の酸化チタン触媒粉末が金属基
材上の多孔性金属被膜表面に塗布されれば良く、上記分
散液の塗布量が特に限定されるものではない。又、工程
Bにて使用される分散液中の酸化チタン触媒の含有量
も、触媒粉末の粒径や、塗布方法に応じた最適溶液粘度
や、焼結後の製品の使用目的などに応じて適宜選択する
ことができるが、スプレー法を用いる場合には固形分で
10〜30%程度が一般的であり、20%前後が特に好
ましい。本発明では、表裏両面に多孔性金属被膜が形成
された板状体の金属基材を上記の分散液中に浸漬するこ
とにより、金属基材の両面に酸化チタン触媒粉末を塗布
しても良い。尚、上記分散液を塗布した後の金属基材
は、次工程(焼結工程)を行う前に予備乾燥を行い、予
め溶剤を蒸発除去させるのが一般的である。
【0016】本発明における最終工程Cでは、前記工程
Bで得られた金属基材を200〜500℃の温度で焼結
するが、焼結温度の上限については金属基材の材質によ
り適宜選択される。一方、焼結温度の下限は、工程Bで
用いた塗料中の有機物質を灰化可能な温度以上であれば
良く、例えば200℃で24時間という焼結条件であっ
ても良い。アルミニウムを金属基材として使用した場合
には、その融点から450℃以下の焼結温度が好まし
く、触媒活性な酸化チタン担持表面を得るのに適した最
も一般的な焼結条件は、400℃で60分間である。本
発明における工程Cにおいて、光触媒効果を高めるのに
適した焼結条件は、200〜500℃の温度範囲で、2
〜300分間の焼結時間である。
【0017】本発明では、バインダーとして使用した樹
脂分を焼結することにより、酸化チタン触媒粉末が、金
属基材における多孔性金属被膜の表面にも、多孔性金属
被膜に存在する細孔の内部にも担持された構造の光触媒
機能層が形成され、本発明の製法を用いることによっ
て、触媒効果が非常に高い金属材料が得られる。上記の
工程A〜Cを含む本発明の製法により得られた金属基材
にあっては、酸化チタン触媒粉末が、多孔性金属被膜の
表面から、被膜厚さの40〜90%程度の深さにまで侵
入した状態で均一に付着されており、特定波長の光照射
を受けた際に、非常に優れた光触媒機能(例えば有機物
の分解など)が発揮される。
【0018】
【実施例】実施例1:本発明の金属基材の製造例(酸化
チタンの粒径:30nm) 工程A:金属基材として、アルミニウム板(JISA1
050P、50mm×50mm×厚さ2mm)を準備
し、常法のアルカリ性洗浄液で脱脂し、蒸留水で洗浄し
た。この基材を、日本国特許第2912101号に記載
されるプラズマ電解法に従って処理した。このプラズマ
電解溶液の浴組成は、0.13モル/Lナトリウムイオ
ン、0.28モル/Lアンモニウムイオン、0.214
モル/Lリン酸、0.238モル/L硼酸塩、0.31
4モル/Lフッ化物、0.6モル/Lヘキサメチレンテ
トラミン及び安定剤であり、塩化物イオンを含まないp
H7.2に調整した電解質溶液である。電解条件は、電
流密度200A/m2 、電解液温度20±2℃、電解時
間40分であり、最終電圧は約280Vであった。この
プラズマ電解法により形成された多孔性セラミックス層
の厚みは約30μmであった。尚、この多孔性セラミッ
クス層に存在する細孔径は、SEM観察により、約1〜
20μmの細孔であることが確認された。
【0019】工程B:シリコーン含有塗料として、ハニ
ー化成株式会社製の塗料(商品名:ハニセラン)を準備
し、この塗料に、固形分で酸化チタン触媒含有量が10
%となるようにして、市販の光触媒酸化チタン(テイカ
株式会社製、粉体AMT−600、粒径30nm、アナ
タース)を添加し、均一に分散させて分散液を調製し
た。そして、得られた分散液を、前記工程Aで得られた
金属基材の表面に、平滑面に塗布した際の膜厚が20μ
mとなる量で通常のエアースプレー法により塗布し、予
備乾燥して、150℃で20分間焼き付けを行った。
【0020】工程C:前記工程Bで得られた金属基材を
焼成炉の中に入れ、400℃で60分間焼結することに
より、本発明の光触媒機能を有する金属基材を製造し
た。このようにして得られた金属基材の表面を分析した
ところ、多孔性金属被膜の表面だけでなく、多孔性金属
被膜の細孔の内部にも酸化チタン触媒粉末が担持された
構造であり、しかも、酸化チタン触媒が、多孔性金属被
膜の厚さ(約30μm)の約80%の深さにまで均一に
達して、細孔の内壁面に付着していることが確認され
た。
【0021】実施例2:本発明の金属基材の製造例(酸
化チタンの粒径:30nm) 前記実施例1において使用した光触媒酸化チタン(テイ
カ株式会社製、粉体AMT−600)の代わりに、光触
媒酸化チタン(テイカ株式会社製、ST−157、粒径
20nm)を使用した以外は、全て実施例1と同様にし
て、本発明の光触媒機能を有する金属基材を製造した。
このようにして得られた金属基材も、実施例1で得られ
た金属基材と同様の表面内部構造であることが確認され
た。
【0022】実施例3:本発明の金属基材の光触媒機能
確認実験(有機物分解性能) 前記実施例1にて得られた本発明の金属基材の酸化チタ
ン触媒担持表面(50mm×50mm)を、予め約10
0ppmの濃度に調整したアセトアルデヒドを含むテフ
ロン(登録商標)テトラバッグ(1400cc)の中に
入れ、20分間放置した後、これに540μW/cm2
の強度の紫外線を照射して、アセトアルデヒド濃度の変
化を10分間毎に90分間まで測定した。この実験結果
を、図1に示す。図1には、アセトアルデヒド濃度の変
化と共に分解速度も示されており、この実験結果から、
紫外線照射を行う前にはアセトアルデヒド濃度の減少は
見られないが、紫外線照射を開始すると、時間の経過と
共にアセトアルデヒド濃度が急激に減少することが認め
られ、酸化チタン触媒が担持された本発明の金属基材
は、その光触媒機能により、優れた有機物分解性能を発
揮することが確認された。又、前記実施例2により得ら
れた本発明の金属基材についての、実施例1と同様のア
セトアルデヒド分解実験結果が図2に示されており、こ
の結果からも、本発明の金属基材が優れたアセトアルデ
ヒド分解性能を有することがわかる。
【0023】実施例4:本発明の金属基材の光触媒機能
確認実験(色素分解性能) 前記実施例1及び実施例2で得られた本発明の金属基材
について、この酸化チタン触媒担持面を10ppmのメ
チレンブルー溶液に24時間浸漬し、取り出した直後か
ら紫外線を連続的に照射して、酸化チタン触媒担持面の
色を色差計にて一定時間ごとに測定し、着色を行う前の
色からの色差ΔEをそれぞれ算出した。この実験結果を
図3に示す。図3には、酸化チタン触媒が担持された多
孔性金属被膜を有する本発明の金属基材(実施例1及び
2)の表面が、紫外線照射により脱色される様子が示さ
れており、本発明の金属基材は、その光触媒機能によ
り、優れた色素分解性能を発揮するものであることが確
認された。
【0024】
【発明の効果】本発明の光触媒機能を有する金属基材の
場合には、表面に形成された多孔性金属被膜の表面及び
当該被膜の内部に酸化チタン触媒が担持されているの
で、単位面積(単位体積)当たりの触媒粉末の数が多
く、これにより、紫外線照射を受けた際に非常に優れた
光触媒機能(殺菌効果、脱臭効果、汚染物質の分解な
ど)が発揮される。本発明の金属基材は、その光触媒機
能だけでなく、表面機械的強度にも優れ、かつ耐候性に
も優れているので、種々の用途に利用可能であり、特
に、外壁材に好適である。本発明の製造方法を用いるこ
とにより、このような光触媒機能を有した金属基材が比
較的簡単な工程で製造することができ、市販されている
光触媒用酸化チタン粉末の用途、適用分野を更に拡大す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明の金属基材のアセト
アルデヒド分解曲線である。
【図2】実施例2で得られた本発明の金属基材のアセト
アルデヒド分解曲線である。
【図3】実施例1及び実施例2で得られた本発明の金属
基材についての色素分解性能比較試験の結果を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 11/02 C25D 11/02 11/04 302 11/04 302 (72)発明者 藤原 憲彦 京都府久世郡久御山町大字佐山小字新開地 51番地 株式会社中金久御山工場内 Fターム(参考) 4F100 AA21B AB01A AB01B AB10 AH06B AK52B AT00A BA02 CC00B DE01B DJ10B EH462 EJ482 EJ612 JA20B JL08 JL08B YY00B 4G069 AA01 AA03 AA08 AA09 AA11 AA12 BA04A BA04B BA04C BA17 BA48A BA48C BB04A BB04B BB04C BC16B CA01 CA10 CA11 CA17 DA06 EB03 EB18X EC15X EC16X EC17X FA04 FA05 FB23 FB42

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基材の表面に、多孔性構造を有する
    多孔性金属被膜が設けられており、前記多孔性金属被膜
    の表面及び当該多孔性金属被膜に存在する細孔の内部
    に、光触媒機能を有する酸化チタン触媒粉末が担持され
    ていることを特徴とする光触媒機能を有する金属基材。
  2. 【請求項2】 前記多孔性金属被膜の厚さが1〜50μ
    mで、しかも当該多孔性金属被膜における細孔の孔径が
    0.01〜50μmであり、前記酸化チタン触媒粉末の
    粒径が1〜100nmであることを特徴とする請求項1
    記載の、光触媒機能を有する金属基材。
  3. 【請求項3】 金属基材を電解質浴中で陽極酸化させる
    ことにより、当該金属基材表面に、多孔性構造を有する
    多孔性金属被膜を形成させる工程A、光触媒機能を有す
    る酸化チタン触媒粉末をシリコーン含有塗料中に分散さ
    せ、得られた分散液を前記多孔性金属被膜の表面に塗布
    する工程B、前記工程Bで得られた金属基材を、200
    〜500℃の温度で焼結する工程Cとを含むことを特徴
    とする、光触媒機能を有する金属基材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程Bにおいて使用されるシリコー
    ン含有塗料が、アルキルシリケート類とアルコキシシラ
    ン類と有機系樹脂とを含むものであることを特徴とする
    請求項3に記載の、光触媒機能を有する金属基材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記工程Aにおいて形成される多孔性金
    属被膜の厚さが1〜50μmで、しかも当該多孔性金属
    被膜における細孔の孔径が0.01〜50μmであり、
    前記工程Bで使用される酸化チタン触媒粉末の粒径が1
    〜100nmであることを特徴とする請求項3又は4記
    載の、光触媒機能を有する金属基材の製造方法。
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