JP2001302963A - 分解性被膜形成用水系エマルジョン組成物 - Google Patents

分解性被膜形成用水系エマルジョン組成物

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JP2001302963A
JP2001302963A JP2000122036A JP2000122036A JP2001302963A JP 2001302963 A JP2001302963 A JP 2001302963A JP 2000122036 A JP2000122036 A JP 2000122036A JP 2000122036 A JP2000122036 A JP 2000122036A JP 2001302963 A JP2001302963 A JP 2001302963A
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forming
film
aqueous emulsion
weight
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JP2000122036A
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English (en)
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Akira In
明 殷
Masayoshi Kamitsura
雅義 上面
Makoto Shioda
誠 塩田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分解性に優れ、水溶性ポリマーの添加により
相分離構造を有する平滑な金属膜を形成する際に利用で
きる分解性被膜形成用水系エマルジョン組成物を提供す
る。 【解決手段】 ノニオン性界面活性剤又はノニオン性界
面活性剤及びイオン性界面活性剤(a)の存在下で、炭
素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレー
ト(i)と、水酸基を有する重合性単量体(ii)と、必
要に応じその他の共重合可能な単量体(iii)とを共重
合させてなる重合体粒子(b)、及び(c)水を含んで
なる分解性被膜形成用水系エマルジョン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分解性被膜形成用
水系エマルジョン組成物に関する。詳しくは、分解性に
優れ、なおかつ水溶性ポリマーの添加により相分離構造
を有する平滑な金属膜を形成する際に利用できる分解性
被膜形成用水系エマルジョン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】凹凸な基材の表面に金属を蒸着すると
き、基材の表面を平坦化するか一時的に保護するため、
有機フィルムを形成する方法が使われている。基材の表
面に高分子化合物の溶液を塗布し乾燥することにより塗
膜を形成させ、ついで有機フィルムの上に金属膜を蒸着
した後、該有機フィルムの熱分解温度より高い温度で処
理することにより有機フィルムが焼却され平滑な表面を
有する金属膜が得られる。
【0003】かかる技術は、たとえば米国特許第3,3
17,337号明細書、特開昭50−120658号公
報等に記載されるように陰極線管の製造における蛍光体
層上の金属膜蒸着等に利用され、通常、水系アクリルエ
マルジョンが使用されている。
【0004】また、金属膜を蒸着した後、有機フィルム
を焼却する際にアクリル樹脂等の分解ガスによる金属膜
のふくれを防止するため、水系アクリルエマルジョンに
水溶性ポリマーを添加する方法が提案されている(特開
昭58−35834号公報)。主成分のアクリル樹脂と
相溶性の悪い水溶性ポリマーの少量添加により、形成し
た塗膜において相分離が起き、金属蒸着膜に隙間が生じ
ることで、有機フィルムを焼却する際にこの隙間が分解
ガスを逃がし、金属膜のふくれを防止することができ
る。
【0005】分解性を改良するため、熱分解性のよりよ
いn−ブチルメタクリレートを共重合したアクリルエマ
ルジョン等が分解性皮膜の形成に使用されているが、こ
れらの水系アクリルエマルジョンは、水溶性ポリマーを
添加して塗布する場合は、基材表面に均一に塗布できず
塗布ムラが生じたり、または十分な相分離構造が起こら
ず金属膜のふくれが生じやすいため、平滑な金属膜を得
ることが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決することを目的とし、低温分解性を有し、焼却の
際金属膜ふくれの無い平坦化に優れる分解性被膜形成用
水系エマルジョン組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の発明に関
する。 1.ノニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤及
びイオン性界面活性剤(a)の存在下で、炭素数1〜4
のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(i)
と、水酸基を有する重合性単量体(ii)と、必要に応じ
その他の共重合可能な単量体(iii)とを共重合させて
なる重合体粒子(b)、及び(c)水を含んでなる分解
性被膜形成用水系エマルジョン組成物(第1の発明)。 2.第1の発明において炭素数1〜4のアルキル基を有
するアルキルメタクリレート(i)の含有量が、重合体
粒子を構成する単量体総重量に対して75〜99重量%
であり、水酸基を有する重合性単量体(ii)の含有量
が、重合体粒子を構成する単量体総重量に対して1〜1
5重量%であり、その他の共重合可能な単量体(iii)
の含有量が重合体粒子を構成する単量体総重量に対して
0〜24重量%である請求項1記載の分解性被膜形成用
水系エマルジョン組成物(第2の発明)。 3.第1又は第2の発明において水性エマルジョン液の
表面張力が22℃において40mN/m以下である分解
性被膜形成用水系エマルジョン組成物(第3の発明)。 4.第1〜第3のいずれかの発明において水溶性ポリマ
ーを含有する分解性被膜形成用水系エマルジョン組成物
(第4の発明)。 5.第1〜第4のいずれかの発明において重合体粒子が
水溶性ポリマーと非相溶で、該水性エマルジョン液に水
溶性ポリマーを添加して乾燥した膜がミクロ相分離構造
を有する分解性被膜形成用水系エマルジョン組成物(第
5の発明)。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の上記の分解性被膜形成用
水系エマルジョン組成物に含まれる重合体粒子の構成成
分のうち、(i)成分は、分解性被膜の焼成性を良好と
するものである。
【0009】この(i)成分の例としては、炭素数1〜
4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートであれ
ば特に限定されない。例えば、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i
−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレー
ト等が挙げられるが、好ましくはn−ブチルメタクリレ
ートである。これらを単独で使用してもよいが、2種以
上を組み合わせて使用してもよい。
【0010】また、(i)成分の含有量は、重合体粒子
を構成する単量体の総重量に対して75〜99重量%が
好ましく、より好ましくは80〜95重量%である。
(i)成分の含有量が75重量%未満であると、有機フ
ィルムの分解性に劣る傾向があり、99重量%より多い
と重合体粒子の疎水性が強く、エマルジョン液が基材表
面に均一に塗布できない傾向にある。
【0011】本発明の分解性被膜形成用水系エマルジョ
ン組成物中に分散する重合体粒子の構成成分(ii)は、
重合体粒子に親水性をもたらし、均一なフィルムを形成
するためのもので、分子中にヒドロキシ基及び1個のエ
チレン性不飽和基を有する化合物であれば、特に限定さ
れるものではない。(ii)成分の具体例としては、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの水酸基
を有する重合性単量体は、単独で又は2種類以上を組み
合わせて使用される。また、(ii)成分の含有量は、好
ましくは重合体粒子を構成する単量体総重量に対して
1.0〜15重量%であり、さらに好ましくは2.0〜
10.0重量%以下である。(ii)成分の含有量が1.
0重量%未満の場合、重合体粒子の疎水性が強く、エマ
ルジョン液が基材表面に均一に塗布できず、また15.
0重量%を超えると、有機フィルムの分解性に劣る傾向
がある。
【0012】また、(iii)その他の共重合可能な単量
体は、本発明のエマルジョン組成物のガラス転移温度お
よび最低造膜温度(MFT)を調整するための成分であ
る。(iii)成分の具体例としては、(i)及び(ii)
成分以外のメタクリル酸エステル、アクリル酸エステ
ル、スチレン、置換スチレン類、塩化ビニル、アクリロ
ニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。これらを単
独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせてもよい。
(iii)成分の含有量は、得られるエマルジョンのガラ
ス転移温度及びMFTによって設定されるが、好ましく
は重合体粒子を構成する単量体の総重量に対して24重
量%以下であり、より好ましくは15重量%以下であ
る。(iii)成分の含有量が24重量%を超えると、有
機フィルムの分解性が劣る傾向がある。
【0013】これら以外の成分として、分散安定性の良
好な乳化重合体組成物を得るために、一般的に、カルボ
ン酸基含有単量体を組成に含ませるようにすることが好
適である。カルボン酸基含有重合性単量体の具体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、マレイン酸、無水マレイン酸から選ばれる少なく
とも1種の不飽和カルボン酸等が挙げられるが、メタク
リル酸が好ましい。ただし、これらのカルボン酸基含有
の単量体成分は、重合体粒子を構成する単量体総重量の
好ましくは2.0重量%以下、より好ましくは1.0重
量%以下の範囲になるように用いる。これらの成分が
2.0重量%を超えると、フィルムの焼成性が悪くな
る。
【0014】なお、共重合体のガラス転移温度の計算
は、参考文献:T.G. Fox, Bull. Am.Phys. Soc.,1,123
(1956)が参考にされる。最低造膜温度は(MFT)は、
連続した温度勾配を有する金属板(YOSHIMITS
U SEIKI社製)上にエマルジョン液を塗布し乾燥
させてクラックのない均一な被膜を形成する最低造膜温
度を求めることで測定できる。
【0015】本発明において、界面活性剤(a)として
は、ノニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤と
イオン性界面活性剤が使用される。ノニオン性界面活性
剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンのブロック共重合体等
が挙げられるが、特に制限されるものではない。これら
を単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。ノ
ニオン性界面活性剤の計算HLBは、好ましくは16.
0以上、さらに好ましくは17.0以上である。ノニオ
ン性界面活性剤の計算HLBは16.0以下のものであ
ると、水溶性ポリマーの添加によるエマルジョン膜の相
分離が形成しにくく、金属膜のふくれが生じやすい傾向
にある。また、ノニオン性界面活性剤の使用量は、全単
量体に対して0.02重量%以上が好ましい。使用量が
0.02重量%未満であると、水溶性ポリマーの添加に
よるエマルジョン膜の相分離効果が不充分で、金属膜の
ふくれが生じやすい傾向にある。また、イオン性界面活
性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルアリ
ル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスル
ホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性
界面活性剤、また、例えば、アルキルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロ
ライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルベタイン、
コカミドプロピルベタイン等の両性イオン性界面活性剤
が挙げられるが、乳化重合の点でアニオン性界面活性剤
が好ましい。これらのイオン性界面活性剤は、単独でま
たは2種類以上組み合わせて使用される。また、イオン
性界面活性剤の使用量は、使用する界面活性剤の種類に
よって異なるが、好ましくは、全単量体に対して0.0
1〜10重量%の範囲、さらに好ましくは0.1〜5重
量%の範囲である。使用量が少ない場合は、重合時およ
び貯蔵時の安定性が劣り、また多すぎる場合は、界面活
性剤による有機フィルムの分解性が悪く焼き残りが生じ
やすい傾向にある。
【0016】ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活
性剤を併用して得られた水系アクリルエマルジョン組成
物は、低表面張力を有し、表面張力は40mN/m(2
2℃)以下が好適である。表面張力が40mN/m(2
2℃)を超えると、この水系アクリルエマルジョン組成
物を基材表面に塗布するとき、ハジキが生じたり、塗布
性が劣る傾向にある。なお、エマルジョン組成物の表面
張力は、表面張力測定機BYK Gardner Dy
nomerter(ビックケミー・ジャパン社製)を用
いて測定される。測定は、まず、22℃で精製水(和光
純薬工業社製)を標準物質としてその表面張力を測定し
機器を校正した後、エマルジョン組成物の表面張力を測
定する。
【0017】水系アクリルエマルジョン組成物の合成
は、種々公知の方法を使用することができる。一旦、水
溶性溶剤、例えば、イソプロパノール、ブタノール等の
アルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等
のセロソルブ類の溶剤中で、溶液重合をさせ、その後水
に分散させエマルジョン化させる方法もあるが、通常は
界面活性剤の存在下で単量体の単独または混合物を乳化
させ加熱して重合させる方法、いわゆる乳化重合法が簡
便で好ましい。また、乳化重合としては、界面活性剤と
水、又は必要に応じて一部の重合性不飽和単量体と重合
開始剤も共に反応器に仕込み、重合性不飽和単量体(及
び必要ならば重合開始剤、界面活性剤も)を重合の進行
と共に後添加する重合方法(モノマー添加法)、又は、
最初に一部の重合性不飽和単量体を乳化して重合し、残
りは乳化してエマルジョンとして重合中に逐次添加する
重合法(エマルジョン添加法)等の乳化重合法が挙げら
れる。
【0018】重合開始剤としては、熱分解してラジカル
を発生させる過酸化物或いはアゾ化合物が使用される。
代表的な重合開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウ
ム、過酸化水素、t−ブチルハイドルパーオキサイド、
アゾビスアミノジプロパン塩酸塩等の水溶性重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパー
オキサイド、ジブチルパーオキサイド、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシオクトエ
ート、アゾビスウソブチロニトリル等の油溶性重合開始
剤が挙げられる。また、酸性亜硫酸ナトリウム、ヒドロ
キシメタンスルフィン酸ナトリウム、アスコルビン酸等
の還元剤を併用し、いわゆるレドックス系とすることが
可能である。これら重合開始剤の使用量は、使用する開
始剤の種類、得ようとするエマルジョンの特性により決
められるが、好ましくは全単量体に対して0.1〜10
重量%の範囲である。
【0019】乳化重合の際には、上記の原料以外、pH
を調整する緩衝液、アミン類化合物、アンモニウム水溶
液、分子量を調整する連鎖移動剤を使用することができ
る。また、樹脂粘度を調整する増粘剤、チキソ性を調整
するレオロジーコントロール剤、造膜性を向上させる造
膜助剤、可塑剤等公知の添加剤を使用することも可能で
ある。
【0020】本発明において、最終的に得られるアクリ
ルエマルジョン組成物の固形分が35〜45重量%で水
が55〜65重量%の範囲が使用時に塗布液の調整の点
で好適である。なお、固形分は、アクリルエマルジョン
組成物の108℃で3時間の加熱残分である。また、ア
クリルエマルジョン組成物の粘度は、BL型粘度計を用
いて25℃、60rpm回転の条件下で測定したもので
ある。
【0021】重合体粒子の平均粒子径は、0.05〜
1.0μmであることが好ましく、0.08〜0.5μ
mであることがより好ましい。平均粒子径が0.05μ
m未満であると、得られるエマルジョンの粘度が高くな
りすぎ実用ではなく、一方、1.0μmを超えると、エ
マルジョンの安定性が劣る傾向にある。なお、平均粒子
径は、COULTER N4型サブミクロン粒子径分析
装置(日科機社製)を用いて測定することができる。ま
た、アクリルエマルジョン組成物のpHは、好ましくは
4以下、さらに好ましくは2.5以下である。なお、ア
クリルエマルジョン組成物のpHは、pHメーター(M
odel PH82、横河電機社製)を用いて測定する
ことができる。
【0022】本発明において、水溶性ポリマーを用いる
ことにより、塗膜にミクロ相分離構造を形成され、蒸着
された金属膜に隙間が生じる。有機塗膜を焼却する際に
この隙間から分解ガスを逃がすために金属膜のふくれを
防止することができる。水溶性ポリマーとしては、例え
ばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸塩、セルロース誘導体、ポリスチレン−マレ
イン酸塩等が挙げられるが、好ましくは、重合体粒子と
非相溶のものである。水溶性ポリマーの添加量は、アク
リルエマルジョン組成物に対して0.1〜5.0重量%
が好適である。添加量が0.1重量%未満であると、水
溶性ポリマーの添加によるエマルジョン膜の相分離効果
が不充分で、金属膜のふくれが生じやすい傾向にある。
一方、添加量が5.0重量%を超えると、有機フィルム
の分解性が不充分で焼き残りが生じる傾向にある。本発
明になる水系エマルジョン組成物は、使用条件(塗布
法、使用温度)によって水で希釈して使用されるが、水
の希釈量については特に制限はない。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、「部」は「重量部」を意味する。
【0024】水系アクリルエマルジョン組成物の合成実
施例1:撹拌装置、還元冷却器、温度計及び窒素ガス吹
き込み管を備えた反応器に、アニオン性界面活性剤モノ
ゲンY−100(高級アルコール硫酸エステルナトリウ
ム塩、第一工業製薬社製)20.0部、291M(ジア
クリルスルホンコハク酸塩有効成分70重量%、日本乳
化剤社製)11.4部、ノニオン性界面活性剤Newc
ol 506(ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、HLB17.1、日本乳化剤社製)16.0部、
イオン交換水1240.0部を仕込み、70℃に昇温さ
せた後、窒素置換した。そして、n−ブチルメタクリレ
ート689.6部、2−ヒドロキシエチルアクリレート
24.0部、メチルメタクリレート78.4、メタクリ
ル酸8.0部からなるモノマー混合液800部のうち、
80部(全モノマー混合液の10重量%)を投入し充分
に撹拌した。過硫酸アンモニウム2.4部、イオン交換
水16.0部からなる重合開始剤水溶液を添加して15
分間反応させた。反応液の発熱がおさまった後、重合反
応器内温度を70℃に保持しながら残りのモノマー混合
液を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、反応器
内温度を80℃に上げ、さらに80℃で3時間保温して
反応させた。反応終了後、冷却濾過して、水系アクリル
エマルジョン組成物を得た。この水系アクリルエマルジ
ョン組成物の固形分は38.2重量%、最低造膜温度は
39℃、粘度は20.5mPa・s、pHは2.1、平
均粒子径は0.08μmであった(固形分量等の測定は
発明の詳細な説明に記載した方法によって行なった。以
下においても同じ)。
【0025】水系アクリルエマルジョン組成物の合成実
施例2:ノニオン性界面活性剤Newcol 506を
Newcol 504(ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、HLB16.0、日本乳化剤社製)に変
更したほか、合成実施例1と同様の方法で合成した。得
られた水系アクリルエマルジョン組成物の固形分は3
9.0重量%、最低造膜温度は39℃、粘度は19.2
mPa・s、pHは2.1、平均粒子径は0.08μm
であった。
【0026】水系アクリルエマルジョン組成物の合成実
施例3:モノマー混合液をn−ブチルメタクリレート6
64.0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート40.
0部、メチルメタクリレート88.0部、メタクリル酸
8.0部に変更したほか、合成例1と同様の方法で合成
した。得られた水系アクリルエマルジョン組成物の固形
分は38.5重量%、最低造膜温度は39℃、粘度は2
2.5mPa・s、pHは2.1、平均粒子径は0.0
8μmであった。
【0027】水系アクリルエマルジョン組成物の合成実
施例4:界面活性剤の使用量をモノゲンY−100、2
0.0部、291M、22.9部、Newcol 50
6、16.0部に変更し、また、水酸基を有する重合性
単量体2−ヒドロキシエチルアクリレートを4−ヒドロ
キシブチルメタクリレートに変更したほか、合成実施例
1と同様の方法で合成した。得られた水系アクリルエマ
ルジョン組成物の固形分は38.7重量%、最低造膜温
度は40℃、粘度は39.2mPa・s、pHは2.
2、平均粒子径は0.08μmであった。
【0028】水系アクリルエマルジョン組成物の合成実
施例5:界面活性剤の使用量をモノゲンY−100、2
0.0部、291M、34.3、Newcol 50
6、16.0部に変更し、また、水酸基を有する重合性
単量体2−ヒドロキシエチルアクリレートをヒドロキシ
シクロヘキシルメタクリレートに変更したほか、合成実
施例1と同様の方法で合成した。得られた水系アクリル
エマルジョン組成物の固形分は38.8重量%、最低造
膜温度は40℃、粘度は39.0mPa・s、pHは
2.1、平均粒子径は0.08μmであった。
【0029】水系アクリルエマルジョン組成物の合成実
施例6:界面活性剤の使用量をモノゲンY−100、2
0.0部、291M、22.9部、Newcol 50
6、16.0部に変更し、また、水酸基を有する重合性
単量体2−ヒドロキシエチルアクリレートを4−ヒドロ
キシブチルメタクリレートに変更したほか、合成実施例
1と同様の方法で合成した。得られた水系アクリルエマ
ルジョン組成物の固形分は39.0重量%、最低造膜温
度は40℃、粘度は31.3mPa・s、pHは2.
2、平均粒子径は0.08μmであった。
【0030】水系アクリルエマルジョン組成物の合成比
較例1:モノマー混合液をn−ブチルメタクリレート7
32.8部、メチルメタクリレート59.2部、メタク
リル酸8.0部に変更したほか、合成実施例1と同様の
方法で合成した。得られた水系アクリルエマルジョン組
成物の固形分は38.4重量%、最低造膜温度は40
℃、粘度は64.7mPa・s、pHは2.2、平均粒
子径は0.09μmであった。
【0031】水系アクリルエマルジョン組成物の合成比
較例2:モノマー混合液をn−ブチルメタクリレート7
32.8部、メチルメタクリレート43.2部、メタク
リル酸24.0部に変更したほか、合成実施例1と同様
の方法で合成した。得られた水系アクリルエマルジョン
組成物の固形分は39.2重量%、最低造膜温度は40
℃、粘度は25.6mPa・s、pHは2.4、平均粒
子径は0.09μmであった。
【0032】水系アクリルエマルジョン組成物の合成比
較例3:モノマー混合液をn−ブチルメタクリレート3
28.0部、メチルメタクリレート256.0部、エチ
ルアクリレート172.5部、メタクリル酸44.0部
に変更したほか、合成実施例1と同様の方法で合成し
た。得られた水系アクリルエマルジョン組成物の固形分
は39.1重量%、最低造膜温度は40℃、粘度は1
5.1mPa・s、pHは2.4、平均粒子径は0.0
9μmであった。
【0033】アクリル樹脂の熱分解温度の測定:上記ア
クリルエマルジョン組成物の乾燥した樹脂粉末を熱分析
装置(TG/DTA200、Seiko Instru
ments Inc.社製)にて、それぞれ空気雰囲気
下(100ml/分)又は窒素雰囲気下(100ml/
分)で10℃/分の昇温速度で550℃まで昇温し、重
量の変化を測定し、初期重量の半分になった温度を熱分
解温度とした。その結果を表1に示す。
【0034】分解性被膜形成用水系エマルジョン塗布液
の調整:下記のように、水系アクリルエマルジョン組成
物をイオン交換水で樹脂固形分約12重量%まで希釈し
てから、ヒドロキシエチルセルロースを全水系アクリル
エマルジョン希釈液に対して0.5重量%添加して分解
性被膜形成用水系エマルジョン塗布液を調整した。 アクリルエマルジョン(固形分39重量%) 100部 ヒドロキシエチルセルロース注)(7.5重量%水溶液) 20部 イオン交換水 200部 注)東京化成工業株式会社製、粘度200〜300cps(2重量%水溶液、 20℃)
【0035】分解性被膜形成用水系エマルジョン塗布液
の塗布性評価及び塗膜構造の観察:上記調整塗布液を4
0℃に予熱したガラス板にアプリケーターにより塗布
し、そのまま40℃で加温して成膜した。その成膜性を
目視で評価、また、塗膜構造を電子顕微鏡で観察した。
その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明は、分解性に優れ、水溶性ポリマ
ーの添加により相分離構造を有する分解性被膜形成用水
系エマルジョン組成物を提供し、平滑な表面を有する金
属蒸着膜の形成に有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CG141 GA03 GA06 GA09 GA10 GA12 JA27 JA28 JA55 JB11 JC14 KA09 LA04 MA08 MA10 NA01 NA13 PB07 PC02 4J100 AB02R AB07R AC03R AJ02R AJ08R AJ09R AL03P AL03R AL04R AL08Q AL09Q AM02R AM15R BA03Q BA08Q CA04 CA05 EA07 FA03 FA20 JA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノニオン性界面活性剤又はノニオン性界
    面活性剤及びイオン性界面活性剤(a)の存在下で、炭
    素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレー
    ト(i)と、水酸基を有する重合性単量体(ii)と、必
    要に応じその他の共重合可能な単量体(iii)とを共重
    合させてなる重合体粒子(b)、及び(c)水を含んで
    なる分解性被膜形成用水系エマルジョン組成物。
  2. 【請求項2】 炭素数1〜4のアルキル基を有するアル
    キルメタクリレート(i)の含有量が、重合体粒子を構
    成する単量体総重量に対して75〜99重量%であり、
    水酸基を有する重合体単量体(ii)の含有量が、重合体
    粒子を構成する単量体総重量に対して1〜15重量%で
    あり、その他の共重合可能な単量体(iii)の含有量が
    重合体粒子を構成する単量体総重量に対して0〜24重
    量%である請求項1記載の分解性被膜形成用水系エマル
    ジョン組成物。
  3. 【請求項3】 該水性エマルジョン液の表面張力が22
    ℃において40mN/m以下である請求項1または2記
    載の分解性被膜形成用水系エマルジョン組成物。
  4. 【請求項4】 水溶性ポリマーを含有する請求項1〜3
    のいずれかに記載の分解性被膜形成用水系エマルジョン
    組成物。
  5. 【請求項5】 重合体粒子が水溶性ポリマーと非相溶
    で、該水性エマルジョン液に水溶性ポリマーを添加して
    乾燥した膜がミクロ相分離構造を有する請求項1〜4の
    いずれかに記載の分解性被膜形成用水系エマルジョン組
    成物。
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