JP2001286553A - ドラム式膜型人工肺 - Google Patents
ドラム式膜型人工肺Info
- Publication number
- JP2001286553A JP2001286553A JP2000108081A JP2000108081A JP2001286553A JP 2001286553 A JP2001286553 A JP 2001286553A JP 2000108081 A JP2000108081 A JP 2000108081A JP 2000108081 A JP2000108081 A JP 2000108081A JP 2001286553 A JP2001286553 A JP 2001286553A
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- blood
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- hollow fiber
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 回転円筒体３の回転で血液の攪拌を促進させ
ることにより、酸素化能を高めた膜型人工肺を提供す
る。 【構成】 酸素化される血液は、内周面に複数の中空糸
２を配置したハウジング１内に血液供給口１ａから送り
込まれ、中空糸２を透過した酸素が付加される。ハウジ
ング１内では回転円筒体３が回転しており、回転円筒体
３の回転によって血液の攪拌が促進されると共に、中空
糸２表面に停滞している血液層が剥離される。酸素化さ
れた血液は、血液排出口１ｂから系外に送り出される。
ることにより、酸素化能を高めた膜型人工肺を提供す
る。 【構成】 酸素化される血液は、内周面に複数の中空糸
２を配置したハウジング１内に血液供給口１ａから送り
込まれ、中空糸２を透過した酸素が付加される。ハウジ
ング１内では回転円筒体３が回転しており、回転円筒体
３の回転によって血液の攪拌が促進されると共に、中空
糸２表面に停滞している血液層が剥離される。酸素化さ
れた血液は、血液排出口１ｂから系外に送り出される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、血液を積極的に攪拌し
ながら酸素化するドラム式膜型人工肺に関する。
ながら酸素化するドラム式膜型人工肺に関する。
【０００２】
【従来の技術】ガス透過膜を介し酸素化機能を呈する膜
型人工肺は血液に対する影響が少ない点で理想的な人工
肺であり、なかでも外部灌流式の膜型人工肺が多用され
ている。この形式の膜型人工肺は、血液が中空糸膜の外
側を流れる構造であることから、ハウジングの形状や中
空糸の配列による血流動態に性能が大きく左右される。
より少ない血液充填量，膜面積，圧力損失で十分な酸素
化効率を得るためには、中空糸束全体に血液を効率的に
接触させることが重要であり、人工肺内部の偏流や停滞
を最小限にすることが不可欠である。また、膜の酸素透
過性（膜抵抗）よりも血液中での酸素の拡散抵抗が大き
いため、人工肺内部で血液を攪拌させると膜を介した酸
素付加が促進される。他方、膜表面に存在する動きの少
ない血液層（hydrostatic boudary layer）は、酸素化
効率を低下させる原因になる。このような酸素化機能に
及ぼす影響を考慮し、中空糸の編み方を改善し、或いは
受動的に乱流を発生させるフィンを中空糸の表面につけ
ること等によって酸素化効率を向上させている。
型人工肺は血液に対する影響が少ない点で理想的な人工
肺であり、なかでも外部灌流式の膜型人工肺が多用され
ている。この形式の膜型人工肺は、血液が中空糸膜の外
側を流れる構造であることから、ハウジングの形状や中
空糸の配列による血流動態に性能が大きく左右される。
より少ない血液充填量，膜面積，圧力損失で十分な酸素
化効率を得るためには、中空糸束全体に血液を効率的に
接触させることが重要であり、人工肺内部の偏流や停滞
を最小限にすることが不可欠である。また、膜の酸素透
過性（膜抵抗）よりも血液中での酸素の拡散抵抗が大き
いため、人工肺内部で血液を攪拌させると膜を介した酸
素付加が促進される。他方、膜表面に存在する動きの少
ない血液層（hydrostatic boudary layer）は、酸素化
効率を低下させる原因になる。このような酸素化機能に
及ぼす影響を考慮し、中空糸の編み方を改善し、或いは
受動的に乱流を発生させるフィンを中空糸の表面につけ
ること等によって酸素化効率を向上させている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】中空糸の配列，編み
方，ハウジングの形状等が血流動態に及ぼす影響を理論
的に解明することは困難であるため、新型人工肺の開発
に際し試行錯誤を余儀なくされている。このような中
で、中空糸束への血液偏流の解消，人工肺内部での血液
攪拌，膜表面における血液層の分断の３点が酸素化機能
向上の指標とされている。しかし、中空糸の近傍を血液
がすり抜ける従来法では、血液抵抗の低い部分に多量の
血液が流れる偏流が生じることが避けられない。また、
血液と膜との接触が受動的な従来の人工肺では、粘性の
高い血液が層流となって流れ、攪拌が進まず、特に膜表
面に停滞した血液層が生じやすい。
方，ハウジングの形状等が血流動態に及ぼす影響を理論
的に解明することは困難であるため、新型人工肺の開発
に際し試行錯誤を余儀なくされている。このような中
で、中空糸束への血液偏流の解消，人工肺内部での血液
攪拌，膜表面における血液層の分断の３点が酸素化機能
向上の指標とされている。しかし、中空糸の近傍を血液
がすり抜ける従来法では、血液抵抗の低い部分に多量の
血液が流れる偏流が生じることが避けられない。また、
血液と膜との接触が受動的な従来の人工肺では、粘性の
高い血液が層流となって流れ、攪拌が進まず、特に膜表
面に停滞した血液層が生じやすい。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、中空糸を隙間な
く一列に配列して酸素化面を形成すると共にハウジング
内で円筒回転体を回転させて血液を強制攪拌することに
より、血液偏流を解消し、膜表面に生じている血液層を
分断し、人工肺の酸素化機能を向上させることを目的と
する。
題を解消すべく案出されたものであり、中空糸を隙間な
く一列に配列して酸素化面を形成すると共にハウジング
内で円筒回転体を回転させて血液を強制攪拌することに
より、血液偏流を解消し、膜表面に生じている血液層を
分断し、人工肺の酸素化機能を向上させることを目的と
する。
【０００５】本発明のドラム式膜型人工肺は、その目的
を達成するため、一側に血液供給口，他側に血液排出口
が形成された円筒形状のハウジングと、該ハウジングの
内周面に隙間なく貼り付けられた複数の中空糸と、複数
の中空糸で構成される酸素化面との間に間隙をもってハ
ウジング内に配置された回転円筒体と、ハウジングを取
り囲み、中空糸に酸素を送り込むガス室とを備え、回転
円筒体の回転により生じるずり応力で中空糸の表面から
停滞血液層が剥離されることを特徴とする。
を達成するため、一側に血液供給口，他側に血液排出口
が形成された円筒形状のハウジングと、該ハウジングの
内周面に隙間なく貼り付けられた複数の中空糸と、複数
の中空糸で構成される酸素化面との間に間隙をもってハ
ウジング内に配置された回転円筒体と、ハウジングを取
り囲み、中空糸に酸素を送り込むガス室とを備え、回転
円筒体の回転により生じるずり応力で中空糸の表面から
停滞血液層が剥離されることを特徴とする。
【０００６】
【実施の形態】本発明に従った膜型人工肺は、たとえば
図１で断面（ａ）及び透視状態（ｂ）を示すように円筒
状のハウジング１の内周面に多数の中空糸２を隙間なく
配列し、酸素化面を形成している。この配列により全て
の中空糸２に対して血液が均等配分される。中空糸２と
しては、ポリプロピレン，ポリオレフィン等の合成樹脂
を中空状に紡糸したものが使用される。ハウジング１の
内部に回転円筒体３が配置され、回転円筒体３の回転軸
４が動力源（図示せず）に接続されている。回転円筒体
３は、中空糸２で形成される酸素化面との間に所定の間
隙Ｇが設けられる大きさに設定される（図２）。狭すぎ
る間隙Ｇでは回転円筒体３の回転により生じる動的摩擦
で溶血（赤血球の破壊）する恐れがあり、広すぎる間隙
Ｇでは中空糸２周辺の血液に対する攪拌作用が弱くなる
ことから、６００〜８００μｍの範囲に間隙Ｇを設定す
ることが好ましい。
図１で断面（ａ）及び透視状態（ｂ）を示すように円筒
状のハウジング１の内周面に多数の中空糸２を隙間なく
配列し、酸素化面を形成している。この配列により全て
の中空糸２に対して血液が均等配分される。中空糸２と
しては、ポリプロピレン，ポリオレフィン等の合成樹脂
を中空状に紡糸したものが使用される。ハウジング１の
内部に回転円筒体３が配置され、回転円筒体３の回転軸
４が動力源（図示せず）に接続されている。回転円筒体
３は、中空糸２で形成される酸素化面との間に所定の間
隙Ｇが設けられる大きさに設定される（図２）。狭すぎ
る間隙Ｇでは回転円筒体３の回転により生じる動的摩擦
で溶血（赤血球の破壊）する恐れがあり、広すぎる間隙
Ｇでは中空糸２周辺の血液に対する攪拌作用が弱くなる
ことから、６００〜８００μｍの範囲に間隙Ｇを設定す
ることが好ましい。
【０００７】ハウジング１は、上部中央に血液供給口１
ａ、下部中央に血液排出口１ｂが形成されている。酸素
化される血液は、血液供給口１ａからハウジング１に送
り込まれ、中空糸２を透過した酸素が付加された後、血
液排出口１ｂから系外に送り出される。ハウジング１は
ガス室５に収容されており、ガス室５の内周面がハウジ
ング１の外周面に面接触している。ガス室５の下部に給
気口５ａ，上部に排気口５ｂが形成されている。給気口
５ａからガス室５に送り込まれる酸素は、中空糸２を経
て排気口５ｂから系外に送り出される。
ａ、下部中央に血液排出口１ｂが形成されている。酸素
化される血液は、血液供給口１ａからハウジング１に送
り込まれ、中空糸２を透過した酸素が付加された後、血
液排出口１ｂから系外に送り出される。ハウジング１は
ガス室５に収容されており、ガス室５の内周面がハウジ
ング１の外周面に面接触している。ガス室５の下部に給
気口５ａ，上部に排気口５ｂが形成されている。給気口
５ａからガス室５に送り込まれる酸素は、中空糸２を経
て排気口５ｂから系外に送り出される。
【０００８】回転円筒体３を回転させるとき、粘性によ
って回転力（ずり応力）が血液に生じる。中空糸２の表
面に停滞しがちな血液層がずり応力で中空糸２から剥ぎ
取られ、血液はハウジング１内を強制的に回転しながら
流れる。この血液回転は、ハウジング１内で血液攪拌力
となり、中空糸２の表面にある停滞血液層を分断する力
として作用する。その結果、従来の受動的攪拌方式の人
工肺に比較して格段に優れた酸素化能が発現され、充填
量，膜面積の小さな人工肺の設計が可能になる。しか
も、血液流路が単純な面で構成されるため、充填の際に
空気抜きが容易である。
って回転力（ずり応力）が血液に生じる。中空糸２の表
面に停滞しがちな血液層がずり応力で中空糸２から剥ぎ
取られ、血液はハウジング１内を強制的に回転しながら
流れる。この血液回転は、ハウジング１内で血液攪拌力
となり、中空糸２の表面にある停滞血液層を分断する力
として作用する。その結果、従来の受動的攪拌方式の人
工肺に比較して格段に優れた酸素化能が発現され、充填
量，膜面積の小さな人工肺の設計が可能になる。しか
も、血液流路が単純な面で構成されるため、充填の際に
空気抜きが容易である。
【０００９】
【実施例】直径５ｃｍのガラス製ビーカーをハウジング
１として使用し、ハウジング１の内周面に長さ５ｃｍ，
径１．２ｍｍのポリオレフィン中空糸２を１００本貼り
付けた。ハウジング１内に直径４．６ｃｍの回転円筒体
３を配置し、半数（５０本）の中空糸２に流量１００ｍ
ｌ／分で酸素を吹送し、ハウジング１底面で残り５０本
の中空糸２から酸素が逆向きに排出されるように、ハウ
ジング１をガス室５で取り囲んだ。
１として使用し、ハウジング１の内周面に長さ５ｃｍ，
径１．２ｍｍのポリオレフィン中空糸２を１００本貼り
付けた。ハウジング１内に直径４．６ｃｍの回転円筒体
３を配置し、半数（５０本）の中空糸２に流量１００ｍ
ｌ／分で酸素を吹送し、ハウジング１底面で残り５０本
の中空糸２から酸素が逆向きに排出されるように、ハウ
ジング１をガス室５で取り囲んだ。
【００１０】酸素飽和度４０％，ヘモグロビン濃度１０
ｇ／ｄｌのヘパリン化犬血２０ｍｌをハウジング１内に
注入し、回転円筒体３を回転させながらヘパリン化犬血
を酸素化したところ、回転数６０ｒｐｍで５分回転させ
た後で約１ｍｌ，回転数１２０ｐｍで５分間回転させた
後で約１．２ｍｌの酸素がヘパリン化犬血に添加され
た。他方、回転円筒体３を回転させることなく酸素化し
た場合の酸素添加量は５分間で約０．３ｍｌであった。
この対比から明らかなように、回転円筒体３を回転させ
ることにより酸素化が促進されることが確認された。
ｇ／ｄｌのヘパリン化犬血２０ｍｌをハウジング１内に
注入し、回転円筒体３を回転させながらヘパリン化犬血
を酸素化したところ、回転数６０ｒｐｍで５分回転させ
た後で約１ｍｌ，回転数１２０ｐｍで５分間回転させた
後で約１．２ｍｌの酸素がヘパリン化犬血に添加され
た。他方、回転円筒体３を回転させることなく酸素化し
た場合の酸素添加量は５分間で約０．３ｍｌであった。
この対比から明らかなように、回転円筒体３を回転させ
ることにより酸素化が促進されることが確認された。
【００１１】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のドラム
式膜型人工肺は、ハウジングの内面に複数の中空糸を配
列することにより血液と均等に接触する酸素化面を構成
し、且つ酸素化面に滞留しがちな血液層を回転円筒体の
回転力で中空糸から剥ぎ取ることによって攪拌を促進さ
せている。このように滞留血液層を解消しながら、中空
糸２を透過した酸素が血液に付加されるため、従来の受
動的攪拌方式の人工肺では得られなかった優れた酸素化
能をもつ人工肺となる。しかも、血流停滞を生じる部位
が少ないため、抗血栓性も向上する。抗血栓性の向上
は、手術直後で出血が継続している状況下での補助循環
時にヘパリンの必要量を削減し、出血量を効果的に軽減
する。
式膜型人工肺は、ハウジングの内面に複数の中空糸を配
列することにより血液と均等に接触する酸素化面を構成
し、且つ酸素化面に滞留しがちな血液層を回転円筒体の
回転力で中空糸から剥ぎ取ることによって攪拌を促進さ
せている。このように滞留血液層を解消しながら、中空
糸２を透過した酸素が血液に付加されるため、従来の受
動的攪拌方式の人工肺では得られなかった優れた酸素化
能をもつ人工肺となる。しかも、血流停滞を生じる部位
が少ないため、抗血栓性も向上する。抗血栓性の向上
は、手術直後で出血が継続している状況下での補助循環
時にヘパリンの必要量を削減し、出血量を効果的に軽減
する。
【図１】 本発明に従ったドラム式膜型人工肺の断面図
（ａ）及び斜視断面図（ｂ）
（ａ）及び斜視断面図（ｂ）
【図２】 同ドラム式膜型人工肺の平面図
１：ハウジング １ａ：血液供給口 １ｂ：血液排
出口 ２：中空糸 ３：回転円筒体 ４：回転軸 ５：チャンバ ５
ａ：給気口 ５ｂ：排気口 Ｇ：中空糸２で構成される酸素化面と回転円筒体３の外
周面との間隙
出口 ２：中空糸 ３：回転円筒体 ４：回転軸 ５：チャンバ ５
ａ：給気口 ５ｂ：排気口 Ｇ：中空糸２で構成される酸素化面と回転円筒体３の外
周面との間隙
Claims (1)
- 【請求項１】 一側に血液供給口，他側に血液排出口が
形成された円筒形状のハウジングと、該ハウジングの内
周面に隙間なく貼り付けられた複数の中空糸と、複数の
中空糸で構成される酸素化面との間に間隙をもってハウ
ジング内に配置された回転円筒体と、ハウジングを取り
囲み、中空糸に酸素を送り込むガス室とを備え、回転円
筒体の回転により生じるずり応力で中空糸の表面から停
滞血液層が剥離されることを特徴とするドラム式膜型人
工肺。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000108081A JP2001286553A (ja) | 2000-04-10 | 2000-04-10 | ドラム式膜型人工肺 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000108081A JP2001286553A (ja) | 2000-04-10 | 2000-04-10 | ドラム式膜型人工肺 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001286553A true JP2001286553A (ja) | 2001-10-16 |
Family
ID=18620987
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000108081A Pending JP2001286553A (ja) | 2000-04-10 | 2000-04-10 | ドラム式膜型人工肺 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001286553A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106860930A (zh) * | 2017-02-10 | 2017-06-20 | 刘希会 | 一种肾内科血液透析装置 |
-
2000
- 2000-04-10 JP JP2000108081A patent/JP2001286553A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106860930A (zh) * | 2017-02-10 | 2017-06-20 | 刘希会 | 一种肾内科血液透析装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060307 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060314 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060711 |