JP2001283506A - 記憶媒体ディスクの駆動ユニットの機械的な駆動特性を評価する方法と装置 - Google Patents

記憶媒体ディスクの駆動ユニットの機械的な駆動特性を評価する方法と装置

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JP2001283506A
JP2001283506A JP2000109227A JP2000109227A JP2001283506A JP 2001283506 A JP2001283506 A JP 2001283506A JP 2000109227 A JP2000109227 A JP 2000109227A JP 2000109227 A JP2000109227 A JP 2000109227A JP 2001283506 A JP2001283506 A JP 2001283506A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 完成された記憶媒体駆動ユニットを解体した
り、改造することなく、実装状態でその機械的な駆動特
性を評価できる方法およびそれに適した装置を提供す
る。 【解決手段】 記憶媒体ディスク1を含むディスク回転
機構と、記憶媒体ディスク1の記憶情報を読み取るため
に設けた読取ヘッド2を含む記憶情報トラック追従機構
とを備えた駆動ユニット10に着脱可能に取り付けるこ
とのできるトルク検出器12と、トルク検出信号を処理
する演算手順プログラムを保有するROM記憶器、トル
ク検出信号のデータや演算信号を一時記憶するRAM記
憶器、演算処理部、表示記録部およびディスク回転機構
のモータ6へ駆動電流を供給する電子制御部DTへ測定
開始および終了の指令信号を送るスイッチ機構部を備え
た評価演算処理ユニットESとを備え、駆動ユニット全
体のトルクを特定な回転期間中に対して測定し、測定し
た実測トルク値の時間変化から駆動ユニットの機械的な
駆動特性を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気モータを含む記
憶媒体ディスク用の回転機構と、記憶媒体ディスクに書
き込まれている記憶情報を読み取るために設けてある読
取ヘッドを含む記憶情報トラック追従機構とを備えた記
憶媒体ディスクの駆動ユニットの機械的な駆動特性を評
価する方法およびこの方法を実施する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年コンピュータの急速な進歩に伴いコ
ンピュータに搭載される情報記憶装置、例えばフロッピ
ー(登録商標)ディスク記憶装置、光ディスク(MO,
DVD等)の記憶装置、ハードディスク記憶装置の記憶
容量やシーク速度も急激に増大している。これ等の性能
を向上させるには、主要構成部品である記録/再生ヘッ
ド、情報記憶ディスク、駆動ユニット(スピンドルモー
タ)等の性能および信頼性の向上が必須である。また、
それ等の開発/製造現場において評価/検査技術の向上
も重要な問題である。
【0003】例えば、ハードディスク装置の場合、ディ
スクが高速回転しているときヘッドに接触すると、その
衝撃でヘッドやディスクが損傷し使用に耐えなくなる。
これを防ぐため、通常のディスクドライバでは、ディス
クの停止時にヘッドがディスクに接触しているか、所定
の位置に退避させておき、ディスクが高速回転すると、
空気に接触して生じる空気力を利用してヘッドをディス
ク上で浮上させる方法が採用されている。その場合、ヘ
ッドとディスクの隙間を数十ナノメータ以下で、静止時
のヘッドのディスクへの押し付け状態、ヘッド/ディス
クの表面の粗さ、潤滑状態、回転時の面のうねり等、品
質管理上問題になる点が多々ある。
【0004】例えば、ノート型パソコンに使用される駆
動ユニットの回転用モータには供給する電力に限りがあ
るため、最悪の場合、ヘッドとディスクが付着し、ディ
スクが回転しないことも生じ得る。ハードディスクの例
では、ヘッドが記憶媒体(例えばディスク)の上面にて
僅かな空隙をおいて高速に移動する時、その空隙が変化
し、両者が接触すると、傷が付いたり、最悪の場合、破
壊につながる大きなトラブルが生じる恐れがある。この
トラブルを防ぐにはヘッドが設計値である理想的な動き
をしているか否かを確認する必要がある。
【0005】駆動ユニットは、このユニットを収納する
機器、例えばパソコンの占有場所をできる限り狭くする
という要請のため、背丈を極度に低くした比較的小さな
平坦なケースにされている。そのため、ヘッドの磁気ト
ラックの追従機構やディスクの回転機構には独特の工夫
がなされている。実際の駆動ユニットの動的な機械的特
性、例えば起動動作、停止時の動作、ディスクとヘッド
の摩擦状態、ヘッドの動作状態等を的確に把握すること
は、駆動ユニットを開発する場合、あるいは実際の製造
ラインでの特性検査に極めて有益である。
【0006】従来、ハードディスク装置、光ディスク装
置(CD,DVD,MOD等),フロッピーディスク装
置等におけるディスク回転駆動ユニット(スピンドルモ
ータ)の駆動特性およびヘッド/ディスク間の摩擦・接
触特性を評価する際には、装置ハウジングの蓋を開け、
駆動部に回転速度を測定するため光学式エンコーダや摩
擦を測定するため歪みゲージ等のセンサを取り付ける必
要があった。この種の方法では、装置ハウジングの蓋を
開けたり、センサを取り付けるのに手間がかかり、作業
効率が悪いという問題がある。また、部品を傷付ける恐
れがあり、出荷する製品ではこのような検査を行うこと
は不可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、完
成された記憶媒体駆動ユニットを解体したり、改造する
ことなく、実装状態でその機械的な駆動特性を評価でき
る方法およびそれに適した装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
により、冒頭に述べた種類の方法にあって、駆動ユニッ
ト全体のトルクを特定な回転期間中に対して測定し、測
定した実測トルク値の時間変化から駆動ユニットの機械
的な駆動特性を求めることにより解決されている。
【0009】更に、上記の課題は、この発明により、上
記の方法を実施する装置にあって、記憶媒体ディスク1
を含むディスク回転機構と、記憶媒体ディスク1の記憶
情報を読み取るために設けてある読取ヘッド2を含む記
憶情報トラック追従機構とを備えた駆動ユニット10に
着脱可能に取り付けることのできるトルク検出器12
と、トルク検出信号を処理する演算手順プログラムを保
有するROM記憶器、トルク検出信号のデータや演算信
号を一時記憶するRAM記憶器、演算処理部、表示記録
部およびディスク回転機構のモータ6へ駆動電流を供給
する電子制御部DTへ測定開始および終了の指令信号を
送るスイッチ機構部を備えた評価演算処理ユニットES
と、を備えていることにより解決されている。
【0010】この発明による他の有利な構成は、特許請
求の範囲の従属請求項に記載されている。
【0011】
【発明の実施の形態】ディスクの回転に関する機械的な
駆動特性は、回転駆動部自体、つまりモータ、軸受、デ
ィスクの形状等の外に、ディスク表面と読取ヘッドの摩
擦力Fにより定まる。図1は、時間tに対するディスク
の回転速度 dθ/dt (曲線C1 )と摩擦力F(曲線
1 )の関係を模式的に示す。モータが時点t0 (=
0)で回転を始めると共に回転速度が時間tと共に増大
し、一定時間(tST)後に定常回転状態(定速回転)に
達する。また、止める時には定常回転状態にある時の特
定な時点(tsp)にモータの電源を止めると、回転速度
が次第に低下して最終的に時点tE で零に到達する。周
知のように、モータが回転を始める場合、最初ディスク
表面と読取ヘッドの間には最大の静止摩擦が働き、回転
速度の増加と共に摩擦力の低下する摺動もしくは運動摩
擦となる。そして、ある時点(tt0)でヘッドがディス
ク表面から離れて、所謂浮上状態になる共に摩擦の影響
は無くなる。
【0012】回転を停止させる時には、モータを止めた
時点tspの後ディスクの回転数の低下と共に浮上状態の
ヘッドがある時点(tte)でディスク表面上に降下して
接触し、ディスク表面上とヘッドの間に摩擦力を再び発
生させる。こうしてブレーキ力が発生する。更に、ディ
スク表面上の何らかの異物、あるいは機械的な損傷、凹
凸等により、読取ヘッドが浮上状態にあっても、図1の
例えば位置(t=λ)に示すように、実質上ディスク表
面と読取ヘッドが接触する状態になることがある(瞬間
的な固体接触)。なお、図1の dθ/dt のグラフでは混
乱を避けるため時点t=λでの変動は記入されていな
い。
【0013】このような、立上り時、停止時および突発
的な固体接触時の駆動トルク特性および/またはモータ
励磁電流特性を計測することにより、関連する部品、例
えばモータ、軸受等の良否、電気的な制御系の良否等を
評価推定できる。この評価に基づき各駆動部の品質のバ
ラツキ、長期間使用後の初期特性からの変化も評価でき
るので、耐久試験にも用いることができる。
【0014】図2はハードディスクの場合の駆動ユニッ
ト10の概略構造を示す。この駆動ユニット10は平坦
な長方形のケース7とその中に組み込まれた駆動機構で
構成されている。ハードディスク1はケース7の底部に
固定されたディスク回転用のモータ6のシャフト15に
固定されている。ヘッド2はハードディスク1の表面の
磁気記録トラックの情報を読み取るためにあり、アーム
3の一方の端部に固定されている。このアーム3はケー
ス7に固定された支柱11の軸受9に回動可能に接続さ
れている。ヘッド2をディスク1の半径方向に移動させ
て記録情報のトラックに追従させるため、アーム3の他
方の端部に電機子4が設けてあり、対応するヘッド駆動
用の固定子5がこの電機子4に対向して配置されてい
る。
【0015】更に、この駆動ユニット10の底部には、
電気的な駆動部を制御するための電子部品(図示せず)
を装着した印刷基板8が組み込まれている。この印刷基
板8の一端には外部からディスク駆動用の電力や制御信
号を供給するコネクタCNが装着されている。
【0016】ディスク回転時のディスクと読取ヘッドの
動的な機械特性を評価するため、図3に示すように、駆
動ユニット10にトルク検出器12を固定する。その場
合、検査すべき駆動ユニット10の底部の外部に着脱可
能に取付治具13と取り付け、この取付治具13に大地
に載置されたベース板14を介してトルク検出器12を
固定する。ここで使用するトルク検出器12は非回転式
のタイプのものである。
【0017】更に、図3に示すように、駆動ユニット1
0内の回転駆動用モータの励磁電流は電子制御部DTか
ら導線L1 を介して印刷基板8のコネクタCNに導入さ
れる。その場合、モータの励磁電流強度を測定するため
電流検出器Sを導線L1 中に設けている。更に他の制御
信号、例えばモード切換、スタート・ストップ制御信号
は他の導線L2 を介してディスクの回転や記憶されてい
る情報の読出を実施する電子制御部DTから直接コネク
タCNに導入される。磁気記憶装置は駆動ユニット10
と電子制御部DTで構成されている。
【0018】他方、トルク検出器12の検出信号は導線
L3 を介して初段増幅器A0 に導入され、そこで濾波増
幅が行われる。次いで、濾波増幅された電気検出信号は
導線L4 を介してディスク駆動特性を評価する評価演算
処理ユニットESに導入される。更に、この評価演算処
理ユニットESにはディスクを駆動するモータの励磁電
流に対応する電気駆動信号が導線L5 を介して電流検出
器Sへ導入される。更に、評価演算処理ユニットESか
ら測定開始の起動制御信号や測定終了の停止制御信号は
導線L6 を介して電子制御部DTへ通報指令される。評
価演算処理ユニットESでは、導入されたトルクに対応
する電気検出信号や励磁電流に対応する電気駆動信号か
ら駆動ユニットの動的駆動特性が解析される。
【0019】以下、評価演算処理ユニットES内で行わ
れる解析の内容を詳しく説明する。読取ヘッドおよびデ
ィスクを含む可動部材全系の運動方程式は読取ヘッドを
制御しない時、
【0020】
【外1】 と表せる。ここで、Iはディスクとモータの回転子を含
む回転駆動系の慣性二次モーメントで、Kはモータの駆
動電流をトルクに変換する場合の変換係数であり、θ
(t),F(t)およびi(t)はそれぞれ時点tでの
ディスクの回転角、摩擦トルクおよびモータに供給され
る電流である。なお、図2のディスク10と基準座標に
対する回転角θも参照されたい。
【0021】更に、式(1) の左辺第1項の量を慣性トル
クとしてDΘ(t)と表すことにする。つまり、
【0022】
【外2】 トルクを計測するため、ディスクとモータの間にトルク
検出器を挿入すれば、式(1) の左辺全体の項に対応する
量が計測され、第一項と第二項を別々に分離して検知す
ることはできない。また、慣性トルクDΘ(t)を直接
計測するには、駆動ユニットのケースを開放してモータ
の回転軸の回転加速度を直接測定しなければならない。
その場合、回転軸に取り付けるトルク検出器および加速
度検出器のため、完成品そのものと異なった条件で計測
することになる。しかし、以下の方法を用いれば、その
ような直接的な方法ではなく、間接的であっも正確にD
(t)を計測することができる。
【0023】ディスクをモータで回転させると、モータ
の固定子には回転体の慣性トルクに対する逆モーメント
が生じるが、この逆モーメントは駆動ユニットのケース
に伝達される。図2のように、この駆動ユニット10の
ケース7を大地に固定すると、逆モーメントは大地に伝
達され、大地とケース7との間にトルク検出器12を入
れると、このトルク検出器12で慣性トルクDΘ(t)
を逆モーメントとして計測できる。従って、この発明の
方法によれば、式(1) の左辺第2項の摩擦トルクはトル
ク検出器の計測値に混入することはない。
【0024】次に、時点tの回転速度、つまり回転数を
Δθ(t)として表す。即ち、
【0025】
【外3】 また、トルク検出器の検出トルクq(t) を時点t1
らt2 まで時間積分したものをQ(t2,1 ) とする。
即ち、
【0026】
【外4】 ディスクが時点t0 で回転を開始し、時点tu で回転が
定常状態に達したとすると、時点tu まで慣性トルクD
Θ(t) を時間積分して、 IΔθ(tu ) =−Q(tu,0 ) (5) となるから、慣性モーメントIは I=−Q(tu,0 )/Δθ(tu ) (6) として求まる。
【0027】この慣性モーメントIを用いて、回転加速
期間中の時点t1 (t1 <tu ) での角速度Δθ
(t1 )は Δθ(t1 ) =Q(t1,0 )/I (7) となる。
【0028】実際にはディスクが回転を始めた時点から
回転が安定するまでのトルクを計測し、データを収録し
た後、Δθ(tu )を計算すれば、ディスクが回転速度
を加速している間の任意の時点の角速度Δθ(t1 )が
式(7) から求められることになる。また、停止する時も
同様である。これを利用すれば、駆動ユニットに手を入
れることなく、個々のディスクの回転起動時点から安定
までの時点およびその途中の回転変化を計測することが
可能であり、品質のバラツキ検査、長期使用時の変化の
ベンチテストが可能になる。
【0029】回転停止動作についてはこの停止動作を開
始する時点t3 とし停止期間中の時点t4 での角速度Δ
θ(t4 )は Δθ(t4 )=Δθ(tu )+I・Q(t4,3 ) (8) として求めることができる。
【0030】また、ヘッドの摩擦トルクFは停止動作中
モータが制御動作をしていないならば、ディスクの空気
摩擦抵抗、軸受の摺動抵抗を無視すると、 F(t4 )=−q(t4 ) (9) である。ここでq(t4 )は時点t4 でのトルク検出器
の出力である。また、モータが制御動作している場合で
もその制御動作によるトルクが分かる場合には、そのト
ルクをqc(t4 )とすれば、 F(t4 )=−q(t4 )−qc(t4 ) (9') となる。
【0031】角速度θ(t4 )はt4 の関数であるか
ら、摩擦力F(t4 )はディスク回転の角速度の関数と
して求めることもできる。
【0032】回転の開始時と停止時で摩擦に相違がある
場合には、回転を開始する時の摩擦を求める必要があ
る。式(1) は、 F(t)=i(t)K−DΘ(t) (1') と書き直すことができる。式(1')でDΘ(t)は前述の
ようにトルク検出器の出力から得られるので、 F(t1 )=i(t1 )K+q(t1 ) (1'') となる。モータの電流/トルク変換係数が分かれば、電
流を計測することにより式(1'') から任意時点の摩擦力
Fを求めることができる。
【0033】ヘッドとディスクが衝突し破損が生じる
と、その前後で摩擦力は急激に変化する。この時、ディ
スクには制動力が作用し、慣性トルクDΘ(t)が生
じ、角速度が変化する。この角速度変化を無くするよう
に電流が増加するので、トルク信号と電流信号から式
(1')によって破損状況を観察することができる。
【0034】次に、読取ヘッド2の動きについて記述す
る。ディスク1が定常回転にした後、ヘッド2がディス
ク上の必要な記憶位置を探し(シークし),軸受9の回
転軸を中心として回転運動する場合、ヘッド2,アーム
3,電機子4等を含む回転部分全体(これをアクチエー
タとも称する)の慣性モーメントをIH とし、ヘッド2
の基準位置RFに対する角度位置ζとし、ヘッド2の接
触主部と回転中心の間の間隔をrとする。この場合、ア
クチエータの動的バランスが取れていない場合には図2
aの紙面内以外の方向のヘッド2の動きも生じる。しか
し、このアンバランスは通常充分排除されているので、
それ等の影響を無視でき、ヘッド2の面内の回転のみを
考察すれば充分であるとする。
【0035】駆動ユニット10内に読取ヘッド2の動き
以外にはトクルを発生していない状態では、トルク検出
器12にモーメント、
【0036】
【外5】 が作用する。ヘッド2の回転運動を始める初期条件を、 初期時点=t0 初期角度位置=ζH0 (11) 初期角速度=ωH0 とすれば、ヘッド2の時刻tでの回転速度と角度位置は
式(10)からそれぞれ、
【0037】
【外6】 として求まる。従って、読取ヘッド2の回転加速度H
A,回転速度HVおよび回転角度位置HPはそれぞれ式
(10),(12) および(13) から
【0038】
【外7】 として求めることができる。
【0039】アクチエータが回転運動する時の慣性力は
アクチエータの動的バランスがとれている時には式 (1
0) より分かるように、純モーメントである。また、ト
ルク検出器12の出力もモーメントである。従って、駆
動ユニット10内に発生するトルクがアクチエータ以外
から発生していない限り、トルク検出器12は取付位置
に無関係にアクチエータから発生するトルクを式 (10)
から測定することができる。
【0040】読取ヘッド2が図2に示すような回転運動
でなく、直線運動する駆動機構を備えている場合でも同
様な解析が可能である。例えば、図4に示すように、記
憶媒体のトラックの記憶情報を読み取るために使用する
質量mH のアクチエータAAが駆動ユニット内で直線状
にX方向に動く時、駆動ユニットに装着されているトル
ク検出器BBの中心がX方向に垂直に距離Lのところあ
れば、時刻tでトルク検出器BBに作用するトルクMS
(t)は、
【0041】
【外8】 となる。ここでX(t)は時刻tでのx基準座標の原点
からアクチエータAAの重心までの位置である。従っ
て、読取ヘッド2の時刻tでの直線運動の速度および位
置は、簡単のため初期条件での速度と位置が何れも零と
すれば、式 (14) をそれぞれ一回および二回時間積分し
て、
【0042】
【外9】 として求めることができ、読取ヘッド3の動きを解明す
ることができる。
【0043】
【実施例】以下、この発明による方法を用いて現在汎用
されているハードディスクの駆動ユニットに付いて計測
した実測例を示す。
【0044】図5は読取ヘッドを装着した時の回転開示
時のトルク実測値の時間変化を示す。回転を開始させた
時点から約 2.5秒で定常状態に達する。回転開始直後の
グラフの乱れは静止摩擦を乗り越える時の乱れを示す。
実測値は簡単なフィルター処理を行っているが、依然と
して大きなスパイク状の変動を受けている。図6は図5
のトルク実測値の時間積分値を示し、この場合には実測
トルクにあったスパイク状の変動は積算平均化されてい
るので、以後の解析をより正確にする。図7は、図6の
回転開始時点および定常回転状態に達した時点の近傍を
それぞれ拡大したもので、静止摩擦の影響を受ける回転
を開始した直後および定常回転状態に達した時点の約
0.5秒の期間を詳しく示したものである。
【0045】図8は、図5に対応する条件の下で、モー
ターの駆動電流の時間変化を示す。この場合にも駆動電
流には大きなスパイク状の電流変動が重畳している。こ
れは駆動電源にインバータ方式を採用しているため、ス
イッチングトランジスタの変動が含まれていると思え
る。図9は図8の駆動電流を時間積分したものを示す。
ここでも、時間積算による平均化が見られる。
【0046】図10は、図6の時間積分されたトルク値
と図9の時間積分されたモータ駆動電流値の差を示す。
このグラフはディスク表面と読取ヘッドとの間の摩擦力
が最も強く働く0秒から1秒までの期間の時間変化を示
す。
【0047】図11では、回転開始時のトルク特性の実
測値の一回時間積分値の時間変化が読取ヘッドを装着し
た時(破線)および装着しなかった時(実線)いついて
示してある。ヘッドによる摩擦で定常回転状態に達すの
が遅れることを明確に確認できる。
【0048】図12でも回転停止時のトルク特性の実測
値の一回時間積分値の時間変化が読取ヘッドを装着した
時(破線)と装着しなかった時(実線)に付いて示して
ある。この場合でも、ヘッドによる摩擦で停止に至るま
での時間が短縮している。
【0049】次に、図5に示すトルク波形をもう一度詳
しく調べると、ディスクが定常回転状態Bに達した後、
トルク検出器12は時折Γ1 やΓ2 のような個所で急激
なトルク変動を示す。これは、シーク時の読取ヘッドの
アクチェータ部分の急激な動きによるものである。一般
に、ディスクが定常回転している間の急激なトルク変動
は図示のようなアクチェータ部分の急激な動きにより生
じる場合と、ディスクの表面の傷、ゴミの異物により生
じる場合がある。両方の区別は読取ヘッド2のアーム3
を回動させるためアクチェータの電機子4に印加する駆
動電流の有無で判定できる。即ち、電機子の印加電流が
生じれば、アクチエータの能動的な動きによるものであ
り、印加電流が生じなければ、アクチエータの受動的な
動きによるものである。
【0050】そのような変動が前者の原因によるもので
あれば、図13aに示す検出されたトルク値を式 (12)
と (13) に従い一回および二回時間積分して図13bと
図13cのようにヘッドの回転角速度および回転角ζ
(t)として求めることができる。これによりシーク時
の読取ヘッドの挙動およびシーク速度を推察することが
できる。更に、読取ヘッド2が直線状運動する場合の読
取ヘッド追従機構の加速度、速度および位置は式 (13)
により求めることができる。
【0051】また、詳しく説明しないが、電機子4に印
加される電流値を測定し、励磁電流自体で生じるアクチ
ェータの純回転モーメントを予め測定してあれば、図1
0で示したディスク回転機構の動作でディスクの制動特
性を調べた時のように、シーク時に測定されたトルク値
と印加電流から求めた純回転モーメントの差からシーク
時の読取ヘッドとディスク間の摩擦もしくは制動特性を
推定できる。
【0052】上に述べた実測例の数値(縦軸)は単位を
特に特定しないで任意値として示した。実際に駆動ユニ
ットの評価には、使用目的や使用者の個々の要望に応じ
て、実測トルク値および/またはその時間積分値の振
幅、発生頻度に対して特定のしきい値を設けて良否を判
定することもできる。
【0053】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明の方法
および装置により、記録媒体ディスク、つまりフロッピ
ーディスク、ハードディスクあるいは光ディスクの駆動
ユニットを解体することなくそのトルク特性をそのまま
の状態で正確に計測することができる。そして、このト
ルク値を基に回転駆動機構の機械的な良否、読取ヘッド
とディスクの間の摩擦、読取ヘッドの挙動の機械的な良
否、回転制御系の電気特性の良否を簡単に数値的に求め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 起動時および停止時のディスク駆動特性を特
徴付けるディスク回転速度(C1 )およびディスクと読
取ヘッドの間の摩擦係数(C2 )の時間依存性を示す模
式図、
【図2】 駆動ユニットの内容を示す模式図:(a)ケ
ースの上部を外した時の平面図、(b)ケースの側部を
外した時の側面図、
【図3】 測定系の配置と付属する回路構成を示す模式
図、
【図4】 読取ヘッドとトルク検出器の配置関係を示す
模式幾何学図面、
【図5】 回転を開始して定常状態に移行する間のトル
ク実測値の時間変化を示すグラフ、
【図6】 図5のトルク実測値の時間積分値の時間変化
を示すグラフ、
【図7】 図6のグラフで回転開始時点の近傍(α)お
よび定常回転状態に達した時点(β)の近傍を拡大した
グラフ、
【図8】 図5に対応する条件下でのモーター駆動電流
の時間変化を示すグラフ、
【図9】 図8の駆動電流の時間積分値の時間変化を示
すグラフ、
【図10】 図6の時間積分されたトルク値と図9の時
間積分されたモータ駆動電流値の差の時間変化を示すグ
ラフ、
【図11】 読取ヘッドを装着/非装着した時の回転開
始時のトルク特性の実測値の一回時間積分値の時間変化
を示すグラフ、
【図12】 読取ヘッドを装着/非装着した時の回転停
止時のトルク特性の実測値の一回時間積分値の時間変化
を示すグラフ、
【図13】 図5の変動部分Γ2 のトルク値およびその
トルク値の一回および二回時間積分値の時間変化を示す
拡大図面である。
【符号の説明】
1 ディスク 2 読取ヘッド 3 アーム 4 電機子 5 固定子 6 モータ 7 フレーム 8 印刷基板 9 軸受 10 駆動ユニット 11 支柱 12 トルク検出器 13 取付治具 14 ベース板 15 シャフト S 電流検出器 A0 初段増幅器 ES 評価演算処理ユニット DT 電子制御部 CN コネクタ L1 〜L6 導線

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気モータを含む記憶媒体ディスク用の
    回転機構と、記憶媒体ディスクに書き込まれている記憶
    情報を読み取るために設けてある読取ヘッドを含む記憶
    情報トラック追従機構とを備えた記憶媒体ディスクの駆
    動ユニットの機械的な駆動特性を評価する方法におい
    て、駆動ユニット全体のトルクを特定な回転期間中に対
    して測定し、測定した実測トルク値の時間変化から駆動
    ユニットの機械的な駆動特性を求めることを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 前記機械的な駆動特性は記憶媒体ディス
    ク用の回転機構の駆動特性であることを特徴とする請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記機械的な駆動特性は記憶情報トラッ
    ク追従機構の駆動特性であることを特徴とする請求項1
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 記憶情報トラック追従機構の駆動特性は
    記憶媒体ディスク用の回転機構が定常状態の回転動作中
    に計測されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 機械的な駆動特性は記憶媒体ディスクと
    読取ヘッドの間に発生する制動による機械的な特性であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 更に、測定したトルク値を所定の期間に
    わたり一回時間積分した値に基づき機械的な駆動特性を
    評価することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 更に、測定したトルク値を所定の期間に
    わたり二回時間積分した値に基づき機械的な駆動特性を
    評価することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記トルク測定に加えて、前記電気モー
    タの駆動電流を測定期間中にわたり測定し、測定した電
    流値を前記機械的な駆動特性の評価に加味することを特
    徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 更に、測定したモータの駆動電流を所定
    の期間にわたり時間積分した値も機械的な駆動特性の評
    価に加味することを特徴とする請求項1〜7の何れか1
    項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 測定したトルク値の時間積分値を同時
    に測定した測定したモータの駆動電流の時間積分値で引
    算した値に基づき記憶媒体ディスクと読取ヘッドの間に
    発生する制動による機械的な特性を評価することを特徴
    とする請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れか1項の方法を
    実施する装置において、 記憶媒体ディスク(1)を含むディスク回転機構と、記
    憶媒体ディスク(1)の記憶情報を読み取るために設け
    てある読取ヘッド(2)を含む記憶情報トラック追従機
    構とを備えた駆動ユニット(10)に着脱可能に取り付
    けることのできるトルク検出器(12)と、 トルク検出信号を処理する演算手順プログラムを保有す
    るROM記憶器、トルク検出信号のデータや演算信号を
    一時記憶するRAM記憶器、演算処理部、表示記録部お
    よびディスク回転機構のモータ(6)へ駆動電流を供給
    する電子制御部(DT)へ測定開始および終了の指令信
    号を送るスイッチ機構部を備えた評価演算処理ユニット
    (ES)と、を備えていることを特徴とする装置。
  12. 【請求項12】 更に、ディスク回転機構のモータ
    (6)の駆動電流を監視するため、電子制御部(DT)
    とモータ(6)の間の導線(L1 )中に設けてあり、検
    出した電流信号を評価演算処理ユニット(ES)へ送る
    電流検出器(S)を備えていることを特徴とする請求項
    11に記載の装置。
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