JP2001281623A - 液晶装置および液晶素子の駆動方法 - Google Patents

液晶装置および液晶素子の駆動方法

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JP2001281623A
JP2001281623A JP2000095447A JP2000095447A JP2001281623A JP 2001281623 A JP2001281623 A JP 2001281623A JP 2000095447 A JP2000095447 A JP 2000095447A JP 2000095447 A JP2000095447 A JP 2000095447A JP 2001281623 A JP2001281623 A JP 2001281623A
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color
voltage
display
phase
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JP2000095447A
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English (en)
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Shigeki Kondo
茂樹 近藤
Yasushi Asao
恭史 浅尾
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色割れなどの動画質の改善および表示面内の
画質の均一化を図る。 【解決手段】 アクティブマトリクス型液晶表示素子を
フィールドシーケンシャル駆動し、その際、各色フィー
ルド毎に、該色表示用信号と表示にほとんど寄与しない
信号(例えば黒表示信号)をそれぞれフィールド期間の
1/2より短い期間で転送し、かつ、該当する色の光源
は、ほぼフィールド期間点灯させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフラットパネルディ
スプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンター
等に用いられるライトバルブに使用される液晶素子およ
びそれらを使用した表示装置をはじめとする液晶装置に
関する。
【0002】
【従来技術】従来、TFT(薄膜トランジスタ;Thin Fi
lm Transistor )等の能動素子を用いた表示素子として
広範に用いられているネマティック液晶表示素子の代表
的な液晶モードとして、例えばエム・シャット(M.Scha
dt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著Appl
ied Physics Letters第18巻、第4号(1971年
2月15日発行)第127頁から128頁において示さ
れたツイステッドネマチック(TN(Twisted Nemati
c)) モードが広く用いられている。一方最近では、横方
向電界を利用したインプレインスイッチング(IPS
(In-Plain Switching)) モードや垂直配向(VA(Ve
rtical Alignment))モードを用いた液晶ディスプレイが
発表されており、従来型の液晶ディスプレイの欠点であ
った視野角特性の改善がなされている。このように、こ
うしたネマティック液晶を用いたTFT表示素子に用い
るための液晶モードとしていくつかのモードが存在する
のであるが、そのいずれのモードの場合にも液晶の応答
速度が数十ミリ秒以上と遅く、更なる応答速度の改善が
要求されている。
【0003】このような従来型のネマティック液晶素子
の応答速度を改善するものとして、近年、カイラルスメ
クチック相を示す液晶を用いた液晶モードがいくつか提
案されている。例えば、「ショートピッチタイプの強誘
電性液晶」、「高分子安定型強誘電性液晶」、「無閾反
強誘電性液晶」などが提案されており、未だ実用化には
至っていないものの、いずれもサブミリ秒以下の高速応
答性が実現できると報告されている。
【0004】一方、我々は特願平10−177145
(以下「先願1」と記載)に記載されている素子を発明
し提案している。先願1の素子では、例えば、高温側よ
り等方性液体相(ISO. )−コレステリック相(C
h)−カイラルスメクチックC相(SmC* )、または
等方性液体相(ISO. )−カイラルスメクチックC相
(SmC* )を示す相系列の材料に着目し、仮想コーン
のエッジより内側の位置にて単安定化させるようにして
いる。そして例えば、Ch−SmC* 相転移の際、また
は等方相−SmC* 相転移の際に一対の基板間に正負い
ずれかのDC電圧を印加する、などによって層方向を一
方向に均一化させ、これにより高速応答かつ階調制御が
可能であり、動画質に優れた高輝度の液晶素子が、高い
量産性とともに実現しうる。そして先願1の素子は上述
の各種スメクチック液晶モードと比較して自発分極値を
小さくすることができることからTFT等のアクティブ
素子とのマッチングがよい素子となっている。
【0005】同様に、我々は特開2000−01007
6(以下「先願2」と記載)に記載されている素子を発
明し提案している。先願2の素子では、例えば、高温側
より等方性液体相(ISO. )−コレステリック相(C
h)−カイラルスメクチックC相(SmC* )、または
等方性液体相(ISO. )−カイラルスメクチックC相
(SmC* )を示す相系列の材料に着目し、仮想コーン
エッジの位置にて単安定化させるようにしている。そし
て例えば、Ch−SmC* 相転移の際、または等方相−
SmC* 相転移の際に一対の基板間に正負いずれかのD
C電圧を印加する、などによって層方向を一方向に均一
化させ、これにより高速応答かつ階調制御が可能であ
り、動画質に優れた高輝度の液晶素子が、高い量産性と
ともに実現しうる。また先願2の素子はヒステリシスが
小さく安定な中間調表示が実現でき、かつ上述した他の
各種スメクチック液晶モードと比較して自発分極値を小
さくすることができることからTFT等のアクティブ素
子とのマッチングがよい素子となっている。
【0006】液晶表示素子を取り巻く環境として、もう
ひとつ重要な技術が、高解像度化の流れ、である。従来
液晶表示装置において、カラー画像表示を行う場合、各
画素毎にカラーフィルター(例えば、RGB)を配置
し、白色光源を常時点灯し、空間的に色合成を行うのが
一般的である。しかしながら、この方法によると、1絵
素を3分割する必要があるため、画素ピッチの高精細化
が要求される。また、カラーフィルタ層は、原理的に白
色光源光量の1/3しか利用できない(実質的には1/
4くらいといわれている)ため、透過率が上がらない、
また、カラーフィルタ層形成のためのコストも高い。こ
れを解消するために、近年、カラーフィルターを用いず
に、RGBの3色光源を高速で切り替えて点灯させ、白
色カラー表示を行う試みがなされている(これをフィー
ルドシーケンシャル(FSC)駆動方式という)。この
方式では、カラーフィルタを用いず、ひとつの画素で白
色カラー表示が可能なため、カラーフィルター方式に比
べ、同じ解像度を得るのに3分の1のドット数ですむ。
また、カラーフィルタは、透過率が原理的に3分の1以
下であるのに対して、この方式は、透過率を1に設定可
能である。しかし、FSC駆動方式は、1フレームの間
に、RGB3色の異なる色信号を表示する必要があるた
め、液晶が高速に応答する必要がある。
【0007】従来のFSC駆動タイミングを図8に示
す。ここでは、M行N列のマトリクスを駆動するものと
する。先述したように、従来のFSC駆動においては、
1フレームを3つの色フィールドに分け、各色フィール
ドにおいて、まず、各画素への映像信号の転送期間を設
け、そのあと各色の光源を点灯させるタイミングを取っ
ていた。映像信号転送期間と、光源点灯期間との間は、
通常ある一定期間時間を置くのが一般的である。これ
は、液晶の応答速度の関係である。これを図9によって
説明する。
【0008】画素マトリクスのアドレス(1, 1) の画
素に映像信号が転送されてから順次各画素に映像信号が
転送され、最後にアドレス(M,N)の画素に信号が転
送される。この間数msecを要する。画素の映像信号
が転送されると、その信号レベルに応じて液晶が応答
し、所望の輝度レベルに変化する。しかしながら、アド
レス(1, 1) 画素(応答曲線904)とアドレス
(M,N)画素(応答曲線905)では、液晶の応答開
始時間にタイムラグ901が生じ、最後の画素が所望の
輝度レベルに達するのを待ってから、光源を点灯させ
る。従来用いられてきた液晶は、先述したTN液晶をベ
ースにした液晶であり、応答速度は、速いものでも室温
で2msec以上を要することが知られている。このた
め、実際に光源を点灯させ表示に寄与する時間903
は、1フィールド期間よりさらに短く、サブミリ秒以下
となる。
【0009】図面上では、最初のアドレスビット(画
素)と最終のアドレスビット(画素)がともに所望輝度
レベルまで達しているかのように書かれているが、これ
は、液晶の応答速度が十分速い場合であり、実際には、
最初のビットと最終ビットでは微妙に輝度レベルが異な
ることがある。例えば、環境温度が低温側に変化した場
合には液晶の応答速度が遅くなり、最初のビットと最終
ビットで到達輝度レベルが異なり、画面上で色むら、輝
度むらを生じてしまう。
【0010】このようにタイミングで駆動されている液
晶表示素子で、動きのある画像を表示すると、画像の輪
郭の動く方向の前後に色のにじみ(色割れ) を生じ、著
しく画質を損なってしまう。この現象は、静止画を表示
しているときに目線を動かすことによっても起こる。
【0011】この原因は、図8のタイミングにも示した
ように、RGB各色の点灯タイミング(各色表示タイミ
ング) が、時間的に離散しており、かつ、その点灯(表
示)期間が1フレーム(フィールド) 期間に対して極端
に少ないことに起因する。すなわち、例えば黒地に白の
画像が動く(静止画像で目線が動く) 場合、本来は全て
の時間においてRGB全ての色が発色(表示) されてい
なければならないのに、動きがあるためにある微小時間
だけとってみるとRGBのどれかひとつ(あるいは2
つ) の光源しか点灯(発色) していない状況が起こりう
るために起こる。この現象は、画像の進行方向エッジや
末尾エッジで顕著になり、その結果、色割れが生じてし
まうのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の液晶素子においては、高解像度を実現するための
FSC駆動方式において、画質、特に動画質を保証する
ようなものは困難であった。
【0013】本発明は、上述の従来例における問題点に
鑑みてなされたもので、フィールドシーケンシャル駆動
方式による液晶装置において、色割れの問題を解決し、
均一な画質を得られるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記発明によって解決される。すなわち、本発明の液晶装
置は、映像を表示する1つのフレームが複数の色フィー
ルドから構成されており、該色フィールドはそれぞれが
該色フィールド期間の1/2よりも短い、該色表示用信
号の転送期間と表示にほとんど寄与しない信号(例えば
黒表示信号)の転送期間とを含み、かつ、該色フィール
ドのほとんどの期間中その色フィールドに該当する色の
光源を点灯させ、これらを前記複数の色フィールドにお
いて順次行うことにより白色カラー表示を行うことを特
徴とする。
【0015】さらに言えば、本発明で好ましく用いられ
る液晶素子は、カイラルスメクチック液晶と、該液晶に
電圧を印加する電極と、該液晶を挟持して対向すると共
に該液晶を配向させるための一軸性配向処理が施された
一対の基板と、少なくとも一方の基板に偏光板とを備え
た液晶素子であって、前記カイラルスメクチック液晶の
相転移系列が、高温側より、等方性液体相(ISO. )
−コレステリック相(Ch)−カイラルスメクチックC
相、または等方性液体相(ISO. )−カイラルスメク
チックC相であって、前記液晶素子に用いる基板の少な
くとも一方は各画素に対応する電極に接続したアクティ
ブ素子を有していることを特徴とするカイラルスメクチ
ック液晶素子である。
【0016】また、当該液晶素子は電圧無印加時では、
液晶の平均分子軸が単安定化された第一の状態を示し、
第一の極性の電圧印加時には、該液晶の平均分子軸は印
加電圧の大きさに応じた角度で該単安定化された位置か
ら一方の側にチルトし、該第一の極性とは逆極性の第二
の極性の電圧印加時には、該液晶の平均分子軸は該単安
定化された位置から第一の極性の電圧を印加したときと
は逆側にチルトする液晶素子であり、前記第一の極性の
電圧印加時と第二の極性の電圧印加時の液晶の平均分子
軸の該第一の状態における単安定化された位置を基準と
した最大チルト状態のチルトの角度をそれぞれβ1、β
2としたとき、β1>β2となる液晶素子であることが
好ましい。上記β1、β2の関係が、β1≧5×β2で
あればより好ましく、β2が実質的にゼロであることが
さらに好ましい。
【0017】
【作用】本発明の好ましい実施の形態によれば、カイラ
ルスメクチック液晶を用いたアクティブマトリクス型液
晶表示素子をフィールドシーケンシャル駆動し、その
際、各色フィールド毎に、フィールド期間の1/2より
短い期間で信号を転送し、かつ、該当する色の光源は、
ほぼフィールド期間点灯させることにより、従来に比べ
色割れのない、均一な画質が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る液晶素子の好適な態
様として、液晶と、該液晶に電圧を印加する電極と、該
液晶を挟持して対向すると共に少なくとも一方の対向面
に該液晶を配向させるための一軸性配向処理が施された
一対の基板と、少なくとも一方の基板に偏光板とを備
え、1秒間に複数フレームでの画像を表示し、各フレー
ム内において液晶の配向状態が経時的に変化する液晶素
子が提供される。
【0019】さらに本発明では、上述したような素子製
造法によって作製される素子として、上述したような電
圧無印加時に液晶が単安定状態を呈するようなカイラル
スメクチック液晶を用いた液晶素子が提供される。
【0020】その本発明に好ましく適用できる液晶素子
は、特願平10−177145あるいは特開2000−
010076に記載の素子であり、該液晶材料の相転移
系列が等方性液体相(ISO.)−コレステリック相
(Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC* )、ま
たは等方性液体相(ISO.)−カイラルスメクチック
C相(SmC* )を示し、SmC* 相への転移の際に一
対の基板間へ、正負いずれかのDC電圧を印加すること
で、2つの層方向のうち一方の層方向のみに揃え、すな
わち平均一軸配向処理軸とスメクチック層法線方向のず
れ方向が一定となるようにし、電圧無印加の状態で液晶
分子仮想コーンエッジ上、あるいはその内側に安定化さ
せ、そのメモリ性を消失させたSmC* 相の配向状態を
得ている。
【0021】また、本発明に用いられる液晶は、カイラ
ルスメクチック液晶であって、相転移系列が、高温側よ
り、等方性液体相(ISO. )−コレステリック相(C
h)−カイラルスメクチックC相、または等方性液体相
(ISO. )−カイラルスメクチックC相であるものが
好ましい。以下に本発明で用いられる液晶組成物を構成
する好ましい化合物の具体例を(化1)〜(化4)に示
す。
【0022】
【化1】 R1,R2: 炭素原子数が1〜20で、置換基を有し
ていてもよい直鎖または分岐状のアルキル基 X1,X2: 単結合、O、COOまたはOOC Y1,Y2,Y3,Y4: HまたはF n:0または1
【0023】
【化2】 R1,R2: 炭素原子数が1〜20で、置換基を有し
ていてもよい直鎖または分岐状のアルキル基 X1,X2: 単結合、O、COOまたはOOC Y1,Y2,Y3,Y4: HまたはF
【0024】
【化3】 R1,R2: 炭素原子数が1〜20で、置換基を有し
ていてもよい直鎖または分岐状のアルキル基 X1,X2: 単結合、O、COOまたはOOC Y1,Y2,Y3,Y4: HまたはF
【0025】
【化4】 R1,R2: 炭素原子数が1〜20で、置換基を有し
ていてもよい直鎖または分岐状のアルキル基 X1,X2: 単結合、O、COOまたはOOC Y1,Y2,Y3,Y4: HまたはF
【0026】以下、図1を参照して本発明の液晶素子の
具体的な一実施形態について説明する。同図に示す液晶
素子80では、一対のガラス、プラスチック等透明性の
高い材料からなる基板81a、81b間に液晶85、好
ましくはカイラルスメクチック相を呈する液晶を挟持し
たセルが互いに偏光軸が直交した一対の偏光板87aお
よび87b間に挟装された構造となっている。
【0027】基板81a、81bには、夫々液晶85に
電圧を印加するためのIn23 、ITO等の材料から
なる電極82a、82bが設けられており、例えば後述
するように一方の基板にドット状の透明電極をマトリッ
クス状に配置し、各透明電極にTFTやMIM(Metal-
Insulator-Metal )等のスイッチング素子を接続し、他
方の基板の一面上あるいは所定パターンの対向電極を設
けアクティブマトリックス構造を形成している。
【0028】電極82a、82b上には、必要に応じて
これらのショートを防止する等の機能を持つSiO2
TiO2 、Ta25 等の材料からなる絶縁膜83a、
83bが夫々設けられる。
【0029】さらに、絶縁膜83a、83b上には、液
晶85に接し、その配向状態を制御するべく機能する配
向制御膜84a、84bが設けられている。かかる配向
制御膜84a、84bの少なくとも一方には一軸配向処
理が施されている。かかる膜としては、例えば、ポリイ
ミド、ポリイミドアミド、ポリアミド、ポリビニルアル
コール等の有機材料を溶液塗工した膜の表面にラビング
処理を施したもの、あるいはSiO等の酸化物、窒化物
を基板に対し斜め方向から所定の角度で蒸着した無機材
料の斜方蒸着膜を用いることができる。
【0030】尚、配向制御膜84a、84bについて
は、その材料の選択、処理(一軸配向処理等)の条件等
により、液晶85の分子のプレチルト角(液晶分子の配
向制御膜界面付近で膜面に対してなす角度)が調整され
る。
【0031】また、配向制御膜84a、84bがいずれ
も一軸配向処理がなされた膜である場合、夫々の膜の一
軸配向処理方向(特にラビング方向)を、用いる液晶材
料に応じて反平行、平行、またはクロスラビング、ある
いは片側のみのラビングに設定することができる。
【0032】基板81aおよび81bは、スペーサ86
を介して対向している。かかるスペーサ86は、基板8
1a、81bの間の距離(セルギャップ)を決定するも
のであり、シリカビーズ等が用いられる。ここで決定さ
れるセルギャップについては、液晶材料の違いによって
最適範囲および上限値が異なるが、均一な一軸配向性、
また電圧無印加時に液晶分子の平均分子軸をほぼ配向処
理軸の平均方向の軸と実質的に同一にする配向状態を発
現させるべく、0.3〜10μmの範囲に設定すること
が好ましい。
【0033】スペーサ86に加えて、基板81aおよび
81b間の接着性を向上させ、カイラルスメクチック相
を示す液晶の耐衝撃性を向上させるべく、エポキシ樹脂
等の樹脂材料等からなる接着粒子を分散配置することも
できる(図示せず)。
【0034】上記構造の液晶素子80では、液晶85と
してカイラルスメクチック相を示す液晶を用いる場合に
ついては、その材料の組成を調整し、さらに液晶材料の
処理や素子構成、例えば配向制御膜84aおよび84b
の材料、処理条件等を適宜設定することにより、電圧無
印加時では、該液晶の平均分子軸(液晶分子)が単安定
化されている配向状態を示し、駆動時では一方の極性
(第一の極性)の電圧印加時に印加電圧の大きさに応じ
て平均分子軸の単安定化される位置を基準としたチルト
角度が連続的に変化し、他方の極性(第二の極性)の電
圧印加時には液晶の平均分子軸は、印加電圧の大きさに
応じた角度でチルトするような特性を示すようにする。
このとき、第一の極性の電圧印加による最大チルト角度
が、第二の極性の電圧印加による最大チルト角度より大
きいような特性を示すようにしてもよい。または第2の
極性の電圧印加時には平均分子軸が印加電圧の大きさに
よらずチルトしないような特性にしても良い。
【0035】そして、カイラルスメクチック相を示す液
晶材料85としては、前述したような特性(液晶材料固
有の物性値コーン角Θ、スメクチック層の層間隔d、傾
斜角δについての特性)を示すようなビフェニル骨格や
フェニルシクロヘキサンエステル骨格、フェニルピリミ
ジン骨格等を有する炭化水素系液晶材料、ナフタレン系
液晶材料、ポリフッ素系液晶材料を適宜選択して調製し
た組成物を用いる。
【0036】当該液晶素子では、基板81aおよび81
bの一方に少なくともR、G、Bのカラーフィルタを設
け、カラー液晶素子とすることもできる。また光源とし
てR、G、Bの光源を順次切り替えることで、時分割に
よる混色を利用してフルカラー表示させる方法を用いる
こともできる。
【0037】尚、当該液晶素子は、基板81aおよび8
1bの両方の基板に一対の偏光板を設けた透過型の液晶
素子、すなわち基板81aおよび81bのいずれも透光
性の基板であり、一方の基板側からの入射光(例えば外
部光源による光)を変調し他方側に出射するタイプの素
子、または少なくとも一方の基板に偏光板を設けた反射
型の液晶素子、すなわち基板81aおよび81bのいず
れか一方の側に反射板を設けるかあるいは一方の基板自
体または基板に設ける部材として反射性の材料を用い
て、入射光および反射光を変調し、入射側と同様の側に
光を出射するタイプの素子のいずれにも適用することが
できる。
【0038】本実施形態では、上述の液晶素子に対して
階調信号を供給する駆動回路を設け、上述したような電
圧の印加により液晶の平均分子軸の単安定位置からの連
続的なチルト角度の変化、および素子からの出射光量が
連続的に変化する特性を利用し階調表示を行う液晶表示
素子を構成することができる。例えば、液晶素子の一方
の基板として前述したようなTFT等を備えたアクティ
ブマトリクス基板を用い、駆動回路で振幅変調によるア
クティブマトリクス駆動を行うことでアナログ階調表示
が可能となる。
【0039】図2〜4を参照して、本実施形態の液晶素
子において、このようなアクティブマトリクス基板を用
いた例について説明する。図2は、当該素子を、駆動手
段を備えた形で、一方の基板(アクティブマトリクス基
板)の構成を中心に模式的に示したものである。
【0040】図2に示す構成では、液晶素子に相当する
パネル部90において、駆動手段である走査信号ドライ
バ91に接続した走査線に相当する図面上水平方向のゲ
ート線G1、G2、…と、駆動手段である情報信号ドラ
イバ92に接続した情報信号線に相当する図面上縦方向
のソース線S1、S2、…が互いに絶縁された状態で直
交するように設けられており、その各交点の画素に対応
してスイッチング素子に相当する薄膜トランジスタ(T
FT)94および画素電極95が設けられている(同図
では簡略化のため5×5画素の領域のみを示す)。尚、
スイッチング素子として、TFTの他、MIM素子を用
いることもできる。ゲート線G1、G2、…はTFT9
4のゲート電極(図示せず)に接続され、ソース線S
1、S2、…はTFT94のソース電極(図示せず)に
接続され、画素電極95はTFT94のドレイン電極
(図示せず)に接続されている。かかる構成において、
走査信号ドライバ91によりゲート線G1、G2、…が
例えば線順次に走査選択されてゲート電圧が供給され、
このゲート線の走査選択に同期して情報信号ドライバ9
2から、各画素に書き込む情報に応じた情報信号電圧が
ソース線S1、S2、…に供給され、TFT94を介し
て各画素電極に印加される。
【0041】図3は、図2に示すようなパネル構成にお
ける各画素部分(1ビット分)の断面構造の一例を示
す。同図に示す構造では、TFT94および画素電極9
5を備えるアクティブマトリクス基板20と共通電極4
2を備えた対向基板40との間に、自発分極を有する液
晶層49が挟持され、液晶容量(CLC)31が構成され
ている。
【0042】アクティブマトリクス基板20について
は、TFT94としてアモルファスSi(a−Si)を
用いたボトムゲート型TFTを用いた例が示されてい
る。これ以外にも、ポリ−Siを用いた同様の構造のも
のや、トップゲート型のTFTも用いることが可能であ
る。 TFT94はガラス等からなる基板21上に形成さ
れ、図2に示すゲート線G1、G2、…に接続したゲー
ト電極22上に窒化シリコン(SiNx )等の材料から
なる絶縁膜(ゲート絶縁膜)23を介してa−Si層2
4が設けられており、該a−Si層24上に、夫々n+
a−Si層25、26を介してソース電極27、ドレイ
ン電極28が互いに離間して設けられている。ソース電
極27は図2に示すソース線S1、S2,…に接続し、
ドレイン電極28はITO膜等の透明導電膜からなる画
素電極95に接続している。また、TFT94における
a−Si層24上をチャネル保護膜29が被覆してい
る。このTFT94は、該当するゲート線が走査選択さ
れた期間においてゲート電極22にゲートパルスが印加
されオン状態となる。
【0043】さらに、アクティブマトリクス基板20に
おいては、画素電極95と、該電極のガラス基板側に設
けられた保持容量電極30により絶縁膜23(ゲート電
極22上の絶縁膜と連続的に設けられた膜)を挟持した
構造により保持容量(Cs)32が液晶層50と並列の
形で設けられている。保持容量電極はその面積が大きい
場合、開口率が低下するため、ITO膜等の透明導電膜
により形成される。
【0044】アクティブマトリクス基板20のTFT9
4および画素電極95上には液晶の配向状態を制御する
ための例えばラビング処理等の一軸配向処理が施された
配向膜43aが設けられている。一方、対向基板40で
は、ガラス基板41上に、全面同様の厚みで共通電極4
2、および液晶の配向状態を制御するための配向膜43
bが積層されている。尚、上記セル構造は、互いに偏光
軸が直交した関係にある一対の偏光板間に挟持されてい
る(図示せず)。
【0045】上記構造のパネルの画素部分において、液
晶層49としては、自発分極を有する液晶、例えばカイ
ラルスメクチック相を呈する液晶が用いられる。尚、図
2および3に示すようなパネル構成において、アクティ
ブマトリクス基板として、多結晶Si(p−Si)TF
Tを備えた基板を用いることができる。
【0046】図3に示すパネルの画素部分の等価回路を
図4に示す。図4および図5を参照して上記構造の液晶
素子における特性を利用したアクティブマトリクス駆動
について述べる。本実施形態の液晶素子におけるアクテ
ィブマトリクス駆動では、例えば一画素においてある情
報を表示するための期間(1フレーム)を複数のフィー
ルド(例えば図5に示す1Fおよび2F)に分割し、こ
れら2フィールドにおいて平均的に所定の情報に応じた
出射光量を得る。以下では、液晶層49が一方の極性の
電圧印加で十分な透過光強度であり、逆極性ではそれよ
り小さい透過光強度である特性を示す場合における2フ
ィールドに分割された例について説明する。
【0047】図5(a)は、一画素を着目した際に、当
該画素に接続する走査線となる一ゲート線に印加される
電圧を示す。上記構造の液晶素子では、各フィールド毎
にゲート線G1、G2、…が例えば線順次で選択され、
一ゲート線には選択期間Tonにおいて所定のゲート電圧
Vgが印加され、ゲート電極22に電圧Vgが加わりT
FT94がオン状態となる。他のゲート線が選択されて
いる期間に相当する非選択期間Toff にはゲート電極2
2に電圧が加わらずTFT94は高抵抗状態(オフ状
態)となり、Toff 毎に所定の同一のゲート線が選択さ
れてゲート電極22にゲート電圧Vgが印加される。
【0048】図5(b)は、当該画素の情報信号線(ソ
ース線)に印加される電圧Vsを示す。図5(a)で示
すように各フィールドで選択期間Tonでゲート電極22
にゲート電圧が印加された際、これに同期して当該画素
に接続する情報線となるソース線S1、S2、…からソ
ース電極27に、所定のソース電圧(情報信号電圧)V
s(基準電位を共通電極42の電位Vcとする)が印加
される。
【0049】ここで、1フレームを構成する第一のフィ
ールド(1F)では、当該画素に書込まれる情報、例え
ば用いる液晶に応じた電圧−透過率特性を基に当該画素
で得ようとする光学状態または表示情報(透過率)に応
じたレベルVxの正極性のソース電圧(情報信号電圧)
(基準電位を共通電極42の電位Vcとする)が印加さ
れる。この時、TFT94がオン状態であるため、上記
ソース電極27に印加される電圧Vxがドレイン電極2
8を介して画素電極(95)に印加され、液晶容量(C
LC)31および保持容量(Cs)32に充電がなされ、
画素電極の電位が情報信号電圧Vxになる。続いて、当
該画素の属するゲート線の非選択期間Toff においてT
FT94は高抵抗(オフ状態)となるため、この非選択
期間には、液晶セル(液晶容量CLC)31および保持容
量(Cs)32では選択期間Tonで充電された電荷が蓄
積された状態を維持し、電圧Vxが保持される。そし
て、当該画素における液晶層49に第1フィールド1F
の期間を通して電圧Vxが印加され、当該画素の液晶部
分ではこの電圧値に応じた光学状態(透過光量)が得ら
れる。このとき液晶の応答速度がゲートオン期間より遅
い場合、液晶セル(液晶容量CLC)31および保持容量
(Cs)32に充電が完了し、ゲートがオフされた非選
択期間にスイッチングが開始される。このような場合は
自発分極の反転によって充電された電荷が相殺されて、
液晶層に印加される電圧が図5(c)のようにVxより
Vd小さいVx’という値を取る。
【0050】次に、第二のフィールド(2F)の選択期
間Tonでは、第一のフィールド1Fとは極性が逆で実質
的に同様の電圧値Vxを有するソース電圧(−Vx)が
ソース電極27に印加される。この時、TFT14がオ
ン状態であり、画素電極95に電圧−Vxが印加され
て、液晶容量(CLC)31および保持容量(Cs)32
に充電がなされ、画素電極の電位が情報信号電圧−Vx
になる。続いて、非選択期間Toff においてTFT94
は高抵抗(オフ状態)となるため、この非選択期間に
は、液晶セル(液晶容量CLC)31および保持容量(C
s)32では選択期間Tonで充電された電荷が蓄積され
た状態を維持し、電圧−Vxが保持される。そして、当
該画素における液晶層49に第2のフィールド2F期間
を通して電圧−Vxが印加され、当該画素ではこの電圧
値に応じた光学状態(出射光量)が得られる。このとき
も同様に液晶の応答速度がゲートオン期間より遅い場
合、液晶セル(液晶容量CLC)31および保持容量(C
s)32に充電が完了し、ゲートがオフされた非選択期
間にスイッチングが開始される。このような場合は自発
分極の反転によって充電された電荷が相殺されて、液晶
層に印加される電圧が図5(c)のように−VxよりV
d小さい−Vx’という値を取る。
【0051】図5(c)は、上述したような当該画素の
液晶容量および保持容量に実際に保持され液晶層49に
印加される電圧値Vpix を、図5(d)は当該画素での
液晶の実際の光学応答(透過型液晶素子した場合での光
学応答)を模式的に示す。図5(c)に示すように、2
フィールド(1Fおよび2F)を通じて印加電圧は互い
に極性が反転しただけの同一レベル(絶対値)Vx’で
ある。一方、図5(d)に示すように第一フィールド1
Fでは、Vx’に応じた階調表示状態(出射光量)が得
られ、第二フィールド2Fでは、−Vx’に応じた階調
表示状態が得られるが、実際には安定状態に対しわずか
な透過光量の変化しか得られず、透過光量はTxより小
さく、0レベルに近いTyとなる。
【0052】上述したようなアクティブマトリクス駆動
では、カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた場合
で良好な高速応答性に基づいた階調表示が可能となると
同時に一画素においてあるレベルの階調表示を、高い透
過光量を得る第一フィールドと低い透過光量を得る第二
フィールドに分割して連続的に行うため、時間開口率が
50%以下となり人間の目の感じる動画高速応答特性も
良好になる。また、第二フィールドにおいては液晶分子
の若干のスイッチング動作により完全に透過光量が0に
はならないので、フレーム期間全体での人間の目に感じ
る輝度は確保される。
【0053】さらに、第一および第二フィールドで同様
のレベルの電圧が極性反転して液晶層49に印加される
ため、液晶層49に実際に印加される電圧が交流化され
液晶の劣化が防止される。
【0054】上記のアクティブマトリクス駆動では、2
フィールドからなる1フレーム全体では、TxとTyを
平均した透過光量が得られる。このため、情報信号電圧
Vsについては、実際に当該フレームで当該画素で得よ
うとする画像情報(階調情報)に応じて、所定のレベル
だけ大きな透過光量を得ることのできる電圧値を選択し
て印加することで、第一フィールド1Fにおいて、所望
の階調状態より高いレベル透過光量での階調状態を表示
することも好ましい。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に
説明する。図6に本発明の第1の実施例に係る液晶素子
の駆動タイミングを示した。1画面全体を表示する期間
を1フレームとし、それをRフィールド、Gフィール
ド、Bフィールドの3フィールドに分ける。 1フレーム
周波数を60Hzとすると、各色フィールド周波数は、
180Hzになる。
【0056】Rフィールド内でのタイミングを用いて説
明する。図5でも説明したように、本発明の実施形態で
用いた液晶は、正負どちらかの信号のとき(図5ではV
cをはさんで正側) Vpix に応じた出射光量が得られ、
反対の極性の信号のときには、ほとんど出射光量が得ら
れない(ほとんど黒表示に近い) 特性を示す。
【0057】図6(1)に示したように、ひとつの色フ
ィールド(例えばRフィールド) 期間のうち、前半に映
像表示に寄与する映像信号転送期間601を設け、後半
に映像表示にほとんど寄与しない(ほとんど黒表示に近
い) 信号転送期間602を設ける。 このとき、R光源
は、図中(2) で示したように、ほぼすべての期間60
3点灯される。 但し、点灯するタイミングは、映像信号
転送期間開始とほぼ同時であり、消灯するタイミング
は、後半の信号転送期間602がすべての画素に対して
終了してから、各画素の液晶の光学応答状態がほぼ同レ
ベルで、かつ、表示に寄与しないレベルに至ったタイミ
ングで実施する。
【0058】図7には、第1アドレス(1,1) 画素と
最終アドレス(M,N)画素の液晶の光学応答波形を示
した。 信号の転送は、(1,1) 画素から順次開始さ
れ、最終(M,N)画素が転送されるまで行われる。 前
半の転送期間701で映像表示に寄与する映像信号が、
順次転送される。 また、転送に要する時間は、1 フィー
ルドの1/2の時間より短く設定される。先述したよう
に、本発明の実施形態で用いたカイラルスメクチック液
晶は、光学応答速度が非常に速く、この転送期間701
内にすべての画素が所望の輝度レベルに到達できる。 図
2で示したようなアクティブマトリクス駆動の場合、ゲ
ート線G1、G2、…を順次選択する、いわゆる線順次
駆動が用いられる。 この場合、ゲート線G1に接続され
ている(1,1)画素から(1,N)画素までが同時に
選択され、ゲート線GMに接続されている(M,1)画
素から(M,N)画素までが同時に選択される。
【0059】後半の転送期間702では、期間701で
転送された映像信号とは逆極性の信号を、やはり、順次
転送する。 転送開始は、前半の転送期間701が終了し
てからある一定時間経過後、言い換えれば、1フィール
ドのちょうど1/2の時間経過後、に設定される。ま
た、転送に要する時間は、前半の転送期間701と同じ
に設定される。
【0060】この信号の転送により、各画素の輝度レベ
ルは、ほとんど映像表示に寄与しないレベル(ほとんど
黒表示) まですべての画素の輝度レベルが揃う。また、
前後半の信号転送期間の間の期間606、706の期間
を設けることにより、温度などの変化による液晶の光学
応答時間の変化にも対応し、常に一定の輝度レベルを維
持できるようになる。
【0061】一方、光源は、1フィールド期間のほとん
どの期間703点灯させる。但し、点灯開始時期は、前
半の映像信号転送期間601、701の開始時期に合わ
せて点灯し、消灯時期は、後半の信号転送終了時期から
ある一定時間経過後に行う。
【0062】このようなタイミングに設定することで、
映像表示に寄与する期間(各画素毎に見れば、転送期間
601、701から転送期間602、702までの間)
が、従来に比べ十分長く取れるようになり(後述する
が、実際には3msec程度の時間が確保可能であっ
た)、時間的に離散した光源点灯がかなり改善され、画
面上を画像が移動する際にも色割れ現象は観察されず、
良好な動画質映像が得られた。
【0063】また、このようなタイミングに設定するこ
とで、画面全体の輝度差をほとんどなくすことが可能と
なる。すなわち、前半の映像信号転送期間と、後半の映
像表示にほとんど寄与しない信号の転送期間を、どちら
も1フィールド期間の1/2よりも短い期間に設定する
ことにより、表示輝度レベル、および、表示に寄与しな
い輝度レベル双方とも、温度などの変化により液晶の応
答速度が変化しても十分に液晶が応答できる時間的余裕
が生まれる。また、後半の信号転送期間の開始時期をち
ょうど1フィールドの1/2の時間経過後に設定し、か
つ、光源の点灯期間を上述のように設定することによ
り、常に点灯期間に対して同じデューティ比で表示を行
うことが可能になる。
【0064】また、この両者の信号は、図5でも説明し
たように、両極性の信号であり、両者でDC成分がほぼ
ゼロになるように設定される。 こうすることで、液晶に
対してDC成分が印加、残留することなしに駆動するこ
とが可能であり、素子の信頼性が向上する。
【0065】先述した通り、本発明の実施形態に用いた
液晶材料であるカイラルスメクティック液晶は、従来か
ら用いられてきたTN液晶に比べ光学応答速度が非常に
速く、1信号転送期間内に十分所望輝度レベルまで到達
することができる。 使用温度範囲を0℃〜60℃までに
設定した場合、黒状態から白状態に応答する時間は約1
msec程度であり、白状態から黒状態に応答する時間
は、約0.5msec程度である。したがって、本実施
例において、各信号転送期間は、フィールド周波数を1
80Hzとすると、おのおの2msecに設定されてい
る。
【0066】本実施例では、2msecで全ての画素に
信号を順次転送するために、駆動能力の高いポリシリコ
ンTFTを用いた。VGA(640×480)の画素数
では、ドット周波数が150MHz程度になるため、画
面を分割してそれぞれを並列に信号転送することによ
り、2msecという短い転送期間でも全ての画素に信
号転送することが可能になった。
【0067】(液晶組成物の調製)下記液晶性化合物を
混合して液晶組成物L C-1を調製した。構造式に併記し
た数値は混合の際の重量比率である。
【0068】
【化5】 上記液晶組成物L C-1の物性パラメータを以下に示す。
【0069】
【式1】
【0070】(液晶セルの作製)一方の基板として上述
した画素構造を有し、ゲート絶縁膜として窒化シリコン
膜を備えたa−SiTFTを有するアクティブマトリク
ス基板と、対向する基板として透明電極を有する基板と
の、厚さ1. 1mmの一対の基板を用意した。画面サイ
ズは10.4インチ、画素数は800×600とした。
該基板の透明電極上に、市販のTFT用配向膜SE79
9(日産化学社製)をスピンコート法により塗布し、そ
の後、80℃5分間の前乾燥を行なった後、200℃で
1時間加熱焼成を施し膜厚500Åのポリイミド被膜を
得た。
【0071】続いて、当該基板上のポリイミド膜に対し
て一軸配向処理としてナイロン布によるラビング処理を
施した。ラビング処理の条件は、径10cmのロールに
ナイロン(NF−77/帝人製)を貼り合わせたラビン
グロールを用い、押し込み量0.3mm、送り速度10
cm/sec、回転数1000rpm、送り回数4回と
した。
【0072】続いて、一方の基板上にスペーサとして、
平均粒径1.5μmのシリカビーズを散布し、各基板の
ラビング処理方向が互いに反平行(アンチパラレル)と
なるように対向させ、均一なセルギャップのセル(アク
ティブマトリクスパネルA)を得た。
【0073】上記のプロセスで作製したアクティブマト
リクスパネルAに液晶組成物LC-1をCh相の温度で注
入し、液晶をカイラルスメクティック液晶相を示す温度
まで冷却し、この冷却の際、Ch−SmC* 相転移前後
において、+2Vまたは−2Vのオフセット電圧(直流
電圧)を印加して冷却を行う処理を施し、液晶パネルを
作製した。かかるサンプルについて、画質、とりわけ動
画質の評価を行った。
【0074】尚、上述の実施例では、アクティブ素子と
して、ポリシリコンTFTを用いたが、駆動能力および
開示した駆動タイミングが実現できれば、例えば、MI
M素子を用いたアクティブマトリクス基板を用いても良
く、単純マトリクス基板を用いても良い。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来問題であった色割れなどの動画質が改善され、か
つ、表示面内で均一が画質が得られる液晶素子を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る液晶素子の模式的
断面図である。
【図2】 図1の素子に用いたアクティブマトリクス基
板の模式図である。
【図3】 図2におけるアクティブマトリクス素子の断
面構造図である。
【図4】 図3における画素部分の等価回路図である。
【図5】 図1〜4に示す液晶素子の基本的な駆動方法
を説明する図である。
【図6】 本発明の一実施例に係る液晶素子の駆動方法
を説明する図である。
【図7】 本発明の一実施例に係る液晶素子の駆動方法
を説明する図である。
【図8】 従来の駆動方法の問題点を説明する図であ
る。
【図9】 従来の駆動方法の問題点を説明する図であ
る。
【符号の説明】
701:色表示用信号の転送期間、702:表示にほと
んど寄与しない信号の転送期間、703:光源の点灯期
間、704:最初に色表示用信号を転送される画素の応
答曲線、705:最後に色表示用信号を転送される画素
の応答曲線、706:色フィールドの1/2と色表示用
信号の転送期間との差。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 642 G09G 3/20 642J 642C 3/36 3/36 Fターム(参考) 2H090 HB08Y HB13Y KA14 LA02 LA04 LA16 MA11 MB01 2H093 NA16 NA43 NC16 NC34 NC42 ND01 ND09 ND34 NE06 NF17 5C006 AA22 AC02 AC24 AC25 AF44 AF50 AF71 BA11 BB16 BC03 BC06 BC07 BC13 BF34 BF37 EA03 FA22 FA56 5C080 AA10 BB05 CC03 DD30 EE28 FF12 JJ02 JJ03 JJ04 JJ06 KK43

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクティブマトリクス型の液晶素子と、
    複数色の光源とを備え、前記液晶素子に映像を表示する
    1つのフレームが複数の色フィールドから構成されてお
    り、該色フィールドは該色フィールド期間の1/2未満
    の該色表示用信号の転送期間と該色フィールド期間の1
    /2未満の表示にほとんど寄与しない信号の転送期間と
    を含み、かつ、該色表示用信号の転送期間の開始とほぼ
    同時に該当する色の光源を点灯させ、該表示にほとんど
    寄与しない信号の転送期間の終了後一定時間経過後、該
    当する色の光源を消灯させ、これらを前記複数の色フィ
    ールドにおいて順次行うことにより白色カラー表示を行
    うことを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 前記色表示用信号の転送期間は前記色フ
    ィールド期間の開始と同時に開始し、前記表示にほとん
    ど寄与しない信号の転送期間は前記色フィールド期間の
    1/2の時間経過時に開始することを特徴とする請求項
    1に記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 前記表示にほとんど寄与しない信号は前
    記色表示用信号の極性を反転した信号であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 【請求項4】 前記液晶素子は、カイラルスメクチック
    液晶と、該液晶に電圧を印加する電極と、該液晶を挟持
    して対向すると共に該液晶を配向させるための一軸性配
    向処理が施された一対の基板と、少なくとも一方の基板
    側に設けられた偏光板とを備えた液晶素子であり、前記
    カイラルスメクチック液晶の相転移系列が、高温側よ
    り、等方性液体相(ISO. )−コレステリック相(C
    h)−カイラルスメクチックC相、または等方性液体相
    (ISO. )−カイラルスメクチックC相であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 前記液晶素子のアクティブマトリクス素
    子が、薄膜トランジスタにより構成されていることを特
    徴とする請求項4に記載の液晶装置。
  6. 【請求項6】 前記液晶素子は、電圧無印加時では、前
    記液晶の平均分子軸が単安定化された第一の状態を示
    し、第一の極性の電圧印加時には、該液晶の平均分子軸
    は印加電圧の大きさに応じた角度で該単安定化された位
    置から一方の側にチルトし、該第一の極性とは逆極性の
    第二の極性の電圧印加時には、該液晶の平均分子軸は該
    単安定化された位置から第一の極性の電圧を印加したと
    きとは逆側にチルトし、かつ前記第一の極性の電圧印加
    時と第二の極性の電圧印加時の液晶の平均分子軸の該第
    一の状態における単安定化された位置を基準とした最大
    チルト状態のチルトの角度をそれぞれβ1、β2とした
    とき、β1>β2となる液晶素子であることを特徴とす
    る請求項4または5項に記載の液晶装置。
  7. 【請求項7】 前記液晶素子において、前記第一の極性
    の電圧印加時と第二の極性の電圧印加時の液晶の平均分
    子軸の前記第一の状態における単安定化された位置を基
    準とした最大チルト状態のチルトの角度をそれぞれβ
    1、β2としたとき、β1≧5×β2となることを特徴
    とする請求項6に記載の液晶装置。
  8. 【請求項8】 前記液晶素子は、電圧無印加時では、前
    記液晶の平均分子軸が単安定化された第一の状態を示
    し、第一の極性の電圧印加時には、該液晶の平均分子軸
    は印加電圧の大きさに応じた角度で該単安定化された位
    置から一方の側にチルトし、該第一の極性とは逆極性の
    第二の極性の電圧印加時には、該液晶の平均分子軸は該
    単安定化された位置から実質的に変化しない液晶素子で
    あることを特徴とする請求項7記載の液晶装置。
  9. 【請求項9】 前記液晶素子において、前記カイラルス
    メクチック液晶のバルク状態でのらせんピッチが、該液
    晶素子のセル厚の2倍より長いことを特徴とする請求項
    6〜8のいずれかに記載の液晶装置。
  10. 【請求項10】 カイラルスメクチック液晶と、該液晶
    に電圧を印加する電極と、該液晶を挟持して対向すると
    共に該液晶を配向させるための一軸性配向処理が施され
    た一対の基板と、少なくとも一方の基板に偏光板とを備
    えたアクティブマトリクス型の液晶素子の駆動方法であ
    って、前記カイラルスメクチック液晶の相転移系列が、
    高温側より、等方性液体相(ISO. )−コレステリッ
    ク相(Ch)−カイラルスメクチックC相、または等方
    性液体相(ISO. )−カイラルスメクチックC相であ
    り、映像を表示する1つのフレームが、複数の色フィー
    ルドから構成されており、該色フィールドは、該色フィ
    ールド期間の1/2未満の該色表示用信号の転送期間と
    該色フィールド期間の1/2未満の表示にほとんど寄与
    しない信号の転送期間とを含み、かつ、該色表示用信号
    の転送期間の開始とほぼ同時に該当する色の光源を点灯
    させ、該表示にほとんど寄与しない信号の転送期間の終
    了後一定時間経過後、該当する色の光源を消灯させ、こ
    れらを前記複数の色フィールドにおいて順次行うことに
    より白色カラー表示を行うことを特徴とする、液晶素子
    の駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記液晶素子が、線順次駆動で駆動さ
    れることを特徴とする請求項10に記載の液晶素子の駆
    動方法。
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