JP2001281211A - ガスセンサの制御方法,及び内燃機関の制御方法 - Google Patents
ガスセンサの制御方法,及び内燃機関の制御方法Info
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Abstract
な測定値を得ることが可能なガスセンサの制御方法を提
供する。 【解決手段】 起動指令を受けることによりガスセンサ
が起動され、ヒータの加熱によりセンサ本体が活性化す
ると(S210〜S250)、第2ポンプ電圧を通常の駆動制御時
より高く設定してガスセンサを駆動する予備制御を開始
し(S260)、一定時間が経過すると、この予備制御から、
第2ポンプ電圧を通常に戻した通常の駆動制御に切り替
える(S270〜S290)。予備制御時には、通常より高い第2
ポンプ電圧が印加された第2酸素ポンプセルにより、駆
動制御時より多くの酸素が第2測定室から汲み出される
ため、第2測定室内の雰囲気は、正確な検出結果が得ら
れる低酸素濃度状態まで速やかに変化する。
Description
される排ガス中の特定成分の検出等に用いられるガスセ
ンサの制御方法に関する。
して、図17に示すように、酸素イオン伝導性のある固
体電解質層に多孔質電極を形成することにより形成され
た第1酸素ポンプセル11,酸素濃度測定セル12,第
2酸素ポンプセル13を絶縁層14,15を介して積層
した構造を有するセンサ本体10a、及びセンサ本体1
0aを加熱するヒータ10bからなるガスセンサ10が
知られている。
16を介して被測定ガス空間(排気管内)に連通する第
1測定室S1、及び第2拡散経路17を介して第1測定
室S1に連通する第2測定室S2を有し、第1酸素ポン
プセル11及び第2酸素ポンプセル13により、第1測
定室S1及び第2測定室S2内の酸素のポンピング(汲
み出し,汲み入れ)をそれぞれ可能とし、酸素濃度測定
セル12により、酸素濃度を一定に制御された酸素基準
室18と第1測定室S1との酸素濃度差、つまり第1測
定室S1内の酸素濃度の測定を可能とするように構成さ
れている。
動回路20は、ヒータ10bにてセンサ本体10aを活
性温度(例えば750℃)まで加熱し、この状態で、酸
素濃度測定セル12の両端電圧Vsが予め設定された一
定電圧(例えば425mV)となるように第1ポンプ電
流Ip1を制御すると共に、第2酸素ポンプセル13に、
第2測定室S2から酸素を汲み出す方向に一定の第2ポ
ンプ電圧V2p(例えば450mV)を印加し、この時、
第2酸素ポンプセル13に流れる第2ポンプ電流Ip2の
検出を行う。
ば、窒素酸化物,亜硫酸ガス,二酸化炭素,水など)で
ある場合には、第1測定室S1内の酸素濃度を低酸素濃
度(≒0%)に保持し、且つ第2ポンプ電圧Vp2を所定
の電圧に保持すると、第2測定室S2では、第2酸素ポ
ンプセル13を構成する多孔質電極の触媒作用によっ
て、酸化物が分解し、その分解により得られた酸素が第
2測定室S2から抜き取られることにより第2ポンプ電
流Ip2が流れる。従って、第2ポンプ電流Ip2は、特定
成分の濃度に対応した大きさとなる。
酸化炭素,炭化水素,アルコールなど)である場合に
は、第2測定室S2内にて特定成分と酸素とが反応し、
その反応後の残存酸素が第2測定室S2から抜き取られ
ることにより第2ポンプ電流Ip2が流れる。この時、第
2測定室S2内を、特定成分が検出される最大量と同程
度(通常は、ppmオーダ)の一定酸素濃度に制御する
ことにより、特定成分の濃度が高いほど残存酸素の濃度
が低くなることから、この残存酸素の濃度に応じた大き
さとなる第2ポンプ電流Ip2に基づいて、特定成分の濃
度を求めることが可能となる。
度を正確に検出するには、第2測定室S2の雰囲気を、
一定の低酸素濃度となるように制御する必要がある。
スセンサ10を用いて、例えば、内燃機関の排ガス中の
窒素酸化物(NOx)濃度を検出する場合を考えると、
ガスセンサ10の起動時に第2測定室S2を満たしてい
るガスは、前回の運転を停止してから、即ち排ガスの供
給が途絶えてから今回の起動までの時間が長くなるほ
ど、大気雰囲気に近いリーン雰囲気となる。
3は、起動前に第2測定室S2を満たしているガスに含
まれた酸素ガスやその他の含酸素ガスをポンピングする
ことになるため、本来測定すべき排ガス中の特定成分
(NOx)濃度に関わらず、過大な第2ポンプ電流Ip2
が流れることになる。
素ポンプセル13による酸素の汲出しにより、第2測定
室S2内の雰囲気が所定の低酸素濃度状態となるまで継
続する。但し、一定の第2ポンプ電圧Vp2が印加された
第2酸素ポンプセル13により第2測定室S2から汲み
出すことのできる酸素量は、極めて限られたものであ
り、従って、所定の低酸素濃度状態に達するまでには、
非常に長い時間(例えば大気雰囲気から開始した場合に
は5分以上)を要することになる。
ガス中の特定成分濃度を正確に測定できるようになるま
でには、十分に長い待ち時間を設定する必要があり、使
い勝手が悪いという問題があった。本発明は、上記問題
点を解決するために、ガスセンサの起動後、短い待ち時
間にて正確な測定値を得ることが可能なガスセンサの制
御方法を提供することを目的とする。
の発明である請求項1記載のガスセンサの制御方法で
は、ガスセンサの起動時には、通常の駆動制御を開始す
る前に、第2測定室内の酸素濃度を急速に低下させる予
備制御を実施することを特徴とする。
ることにより、第2測定室内の酸素濃度を速やかに必要
な濃度まで低下させることができるため、通常の駆動制
御に切替後には直ちに正確な測定値を得ることができ
る。つまり、本発明によれば、ガスセンサの起動後、正
常な測定結果が得られるまでに必要な待ち時間が大幅に
短縮されるため、ガスセンサの使い勝手が向上し、ガス
センサでの測定結果を、より有効に利用することができ
る。
例えば、請求項2記載のように、第2酸素ポンプセルに
印加される第2ポンプ電圧を駆動制御時よりも高い値に
設定したり、請求項3記載のように、第1酸素ポンプセ
ルに印加する第1ポンプ電圧を駆動制御時よりも高い値
に設定したり、請求項4記載のように、酸素濃度測定セ
ルの出力電圧が通常の駆動制御時に用いる目標電圧より
も高い値となるよう、即ち、第1測定室の酸素濃度の目
標値を通常の駆動制御時より低く設定して、第1酸素ポ
ンプセルに印加する第1ポンプ電圧を制御する等して、
ガスセンサを駆動すればよい。
場合(請求項2)、第2酸素ポンプセルが第2測定室か
ら汲み出す酸素量が増大するため、第2測定室内の酸素
濃度を、駆動制御時より速やかに低下させることができ
る。また、第1ポンプ電圧を高く設定する場合(請求項
3)、及び第1測定室の酸素濃度の目標値を低く設定す
る場合(請求項4)、いずれも第1測定室内の酸素濃度
が速やかに低下し、その結果、第1測定室から第2測定
室に漏出する酸素量が急速に低下するため、第2測定室
内の酸素濃度を速やかに低下させることができる。
2ポンプ電圧の設定値は、第1及び第2酸素ポンプセル
が破壊されない範囲にて設定する必要があり、また、第
1測定室の酸素濃度の目標値は、酸素濃度測定セルの出
力電圧範囲内に設定する必要がある。
定値や第1測定室の酸素濃度の目標値は、第1及び第2
測定室の酸素濃度を、少なくとも駆動制御時の2/3以
下に制御するような値に設定することが望ましい。そし
て、上述の予備制御を行った場合、駆動制御への切替タ
イミングは、一定時間(例えば1〜100秒程度)が経
過したか否かによって判断してもよいが、例えば、請求
項5記載のように、第2酸素ポンプセルに流れる第2ポ
ンプ電流が予め設定された判定値に達したか否かにより
判断してもよい。
て第2ポンプ電流も低下するため、この第2ポンプ電流
から第2測定室の状態を判定することができるのであ
る。そして、この場合、第2測定室の酸素濃度が、所望
の状態となったことを確認してから通常の駆動制御に制
御が切り替わることになるため、ガスセンサから正常な
測定結果が得られるようになるタイミングを正確に知る
ことができる。その結果、第1又は第2測定室からの酸
素の汲み出しが必要以上に過剰となること、即ち、通常
の駆動制御に戻した時に第1又は第2ポンプセルに逆電
流が流れることを防止することができる。
間、第2酸素ポンプセルへの第2ポンプ電圧の印加を禁
止して、第2酸素ポンプセルでの起電力を測定し、その
起電力が予め設定された判定値に達すると、予備制御か
ら駆動制御への切替を行うようにしてもよい。
第2酸素ポンプセルは、酸素濃度測定セルと同様に動作
し、第2測定室の酸素濃度に応じた起電力を発生させる
ため、この起電力から第2測定室の状態を判定すること
ができる。従って、この場合も、請求項5の場合と同様
の効果を得ることができる。
記載のように、通常の駆動制御時には、第1酸素ポンプ
セルに印加する第1ポンプ電圧が前記酸素濃度測定セル
の出力電圧が目標電圧と一致するように制御されると共
に、第2酸素ポンプセルに一定の第2ポンプ電圧が印加
され、第2酸素ポンプセルに流れる第2ポンプ電流が被
測定ガス中に含まれる特定物質の濃度に対応した出力と
して用いられているもの等を用いることができる。
ンサを通常の駆動制御時とは一部異なった方法で駆動す
ることにより、第2測定室の酸素濃度を速やかに低下さ
せているが、例えば、ガスセンサが内燃機関の排気管に
設置されたものである場合には、請求項8記載のよう
に、予め設定された一定期間の間、空燃比をストイキ或
いはリッチにして前記内燃機関を運転するようにしても
よい。
キ或いはリッチ雰囲気に置き換わり、第2測定室内に酸
素がほとんど残存しないか、或いは酸素が欠乏した状態
からガスセンサが起動されることになる。その後のリー
ン空燃比での運転時には、酸素が欠乏した状態から所望
の低酸素状態に変化させることは容易であるため、ガス
センサは、速やかに正確な測定値が得られる状態とな
る。
ンサが規定の温度に達するまでの間は、空燃比をストイ
キ或いはリッチにして内燃機関を運転し、ガスセンサが
規定の温度に達して起動された後は、請求項2〜4に記
載のような、ガスセンサを用いた予備制御を行うように
してもよい。
プ電圧を高めに設定)と、請求項3又は請求項4記載の
予備制御(第1ポンプ電圧を高めに設定、又は第1測定
室の酸素濃度の目標値を低めに設定)とを同時に行って
もよい。
に説明する。 [第1実施形態]図1は、本発明が適用された自動車用
エンジン制御システムの全体構成図である。
制御システムは、内燃機関(ガソリン直噴エンジン)M
1の排気管M3に設けられ、排ガス中の窒素酸化物(N
Ox)濃度,酸素(O2 )濃度の検出が可能なガスセン
サ10と、ガスセンサ10を駆動する駆動回路20と、
内燃機関M1の運転状態を検出する各種センサ(図示せ
ず)の出力、及び駆動回路20を介して取り込まれるガ
スセンサ10の出力に基づき、内燃機関M1の吸気管M
2に設けられたスロットルバルブM4やインジェクタM
5を駆動して、内燃機関M1の運転状態を制御するする
電子制御装置(ECU)6とを備えている。
RAMを中心に構成されたマイクロコンピュータからな
り、内燃機関M1の運転開始時にガスセンサ10を起動
する起動処理、及びガスセンサ10を含む各種センサ
(図示せず)からの検出結果に基づき、スロットルバル
ブM4,インジェクタM5を制御する運転制御処理等を
実行する。
決するための手段]にて説明したもの(図17参照)と
全く同じものであるため、ここでは説明を省略する。次
に、駆動回路20は、図2に示すように、第1酸素ポン
プセル(以下「P1セル」という)11に第1ポンプ電
流Ip1を供給する第1ポンプ電流供給回路21と、Vs
セル12の両端電圧Vsが一定値(本実施形態では35
0mV)となるように、第1ポンプ電流供給回路21が
供給する第1ポンプ電流Ip1をPID(比例・積分・微
分)制御するPID回路22とを備えている。
は、非反転入力端子に所定の第1基準電圧Vf1(本実施
形態では2.5V)、反転入力端子に電流検出抵抗Rp1
を介してPID回路22の出力が印加され、出力端子と
反転入力端子との間にP1セル11が接続されたオペア
ンプOP1からなる。
に接続されたP1セル11の電極は、酸素濃度測定セル
(以下「Vsセル」という)12,第2酸素ポンプセル
(以下「P2セル」という)13を構成する各一対の電
極のうち一方の電極と共通に接続されている。従って、
各セル11〜13の共通接続側電極の電位は、いずれも
オペアンプOP1の非反転入力端子と同電位、即ち第1
基準電圧Vf1に保持される。
の第2ポンプ電圧Vp2を印加するための第2ポンプ電圧
印加回路23と、切替信号Schに従って第2ポンプ電圧
Vp2の大きさを切り替える電圧切替回路24とを備えて
いる。このうち、第2ポンプ電圧印加回路23は、出力
端子が電流検出抵抗Rp2を介してP2セル13に接続さ
れると共に、反転入力端子に電流検出抵抗Rp2のP2セ
ル13側端が接続され、非反転入力端子への印加電圧
(第2基準電圧Vf2)をP2セル13に印加する周知の
バッファ回路として構成されたオペアンプOP2からな
る。
に従って、駆動制御電圧Vf21 (本実施形態ではVf21
=450mV+Vf1 )或いはこれより高く設定された
予備制御電圧Vf22 (本実施形態ではVf22=2000
mV+Vf1 )のいずれかを第2基準電圧Vf2として出
力するようにされている。
により、P2セル13には、一定の第2ポンプ電圧Vp2
(=Vf2−Vf1)が印加され、しかも切替信号Schによ
って、第2ポンプ電圧Vp2の大きさを450mV又は2
000mVの2段階に切り替えることができるようにさ
れている。また、電流検出抵抗Rp2の両端電圧は、P2
セル13に供給される第2ポンプ電流Ip2の大きさに応
じたものとなる。
いた時の第2ポンプ電圧Vp2が2.0Vとなるように設
定されているが、この値は、450mVより大きくP2
セル13の耐圧の上限までの範囲内で適宜設定すればよ
い。P2セル13の耐圧は、材質により決まり、例えば
ジルコニアの場合、3000mV程度である。また、ジ
ルコニアの場合、濃度差が10倍変化する毎に、約50
mVの出力が得られるため、第2ポンプ電圧Vp2の大き
さは駆動制御時の電圧より10mV以上大きいこと、即
ち、酸素分圧が駆動制御時の2/3以下になるように設
定することが望ましい。
各部(ここでは特にオペアンプOP1,OP2、PID
回路22)及びヒータ10bへの通電を行う通電回路2
5と、Vsセル12の内部抵抗Rpvs を測定することに
よりセンサ本体10aの活性状態を判定し、通電回路2
5を介して各部への通電を制御する活性判定通電制御回
路26と、活性判定通電制御回路26からの指令にて起
動し、タイムアウトするまでの一定時間(本実施形態で
は15sec)の間、予備制御電圧Vf22 を選択し、タ
イムアウトすると駆動制御電圧Vf21 を選択するような
切替信号Schを電圧切替回路24に供給するタイマー回
路27とを備えている。
電流Ip1,Ip2の検出値として電流検出抵抗Rp1,Rp2
の両端電圧を、ECU6に対して出力するよう構成され
ている。なお、以下では、PID回路22,活性判定通
電制御回路26,タイマー回路27を総称して制御ブロ
ックB1ともいう。
起動処理、及びこのNOxセンサ起動処理の実行時に制
御ブロックB1が行う起動制御を図3に示すフローチャ
ートに沿って説明する。まず、ECU6が実行するNO
xセンサ起動処理は、内燃機関M1の運転開始時に起動
される。本処理が起動されると、図3(a)に示すよう
に、まず駆動回路20に対して起動指令を出力する(S
120)。
開始したことを表す起動通知が駆動回路20から入力さ
れるまで待機し(S150−NO)、起動通知が入力さ
れると(S150−YES)、ガスセンサ10の出力、
即ち第1及び第2ポンプ電流Ip1,Ip2の検出値(電流
検出抵抗Rp1,Rp2の両端電圧)が正常な値を示すもの
であるとして、運転制御処理でのガスセンサ10の出力
の使用を許可して(S160)、本処理を終了する。
開始前には、活性判定通電制御回路26のみが電源供給
を受けて動作可能にされ、起動指令の入力待ち状態とさ
れている。そして、ECU6から起動指令が入力される
と、起動制御が開始され、図3(b)に示すように、起
動指令を受けた活性判定通電制御回路26は、まず、通
電回路25を介してヒータ10bへの通電を開始する
(S210)。この時、通電回路25は、ヒータ10b
に一定電圧(本実施形態では12V)を印加する。
は、Vsセル12への電流供給(本実施形態では約20
0kΩの抵抗を介して5Vを印加)を行うことにより、
酸素基準室18への酸素の汲み込みを開始する(S22
0)。センサ本体10aが加熱され、Vsセル12の内
部抵抗が低下するに従って、電流供給に基づいたVsセ
ル12の両端電圧Vsは徐々に低下する。
視し、両端電圧Vsが所定値Vth(本実施形態では1.
5V)に以下になると(S230−YES)、Vsセル
抵抗の検出制御、及び通電回路25を介したヒータ電圧
のPID制御を開始する(S240)。
定時間TO(例えば1sec)毎に実行され、まず、V
sセル12の両端電圧Vsを読み込んで、これを基本検
出電圧Vs1として設定する。続けてVsセル12に対し
てパルス電圧を印加して、所定時間T1(例えば60μ
sec)経過後におけるVsセル12の両端電圧Vsを
読み込んで、これを抵抗検出電圧Vs2として設定する。
そして、両検出電圧の偏差ΔVs(=Vs1−Vs2)に基
づいて、予め用意されたテーブルを参照する等してVs
セル12の内部抵抗Rpvs を求める。
Vsセル12の素子温度に応じて変化するため、この内
部抵抗Rpvs に基づいて、Vsセル12,ひいてはセン
サ本体10aの素子温度を推定することができるのであ
る。なお、内部抵抗Rpvs を求めるための具体的な回路
構成や、内部抵抗Rpvs から素子温度を求める方法は、
例えば、本願出願人の出願による特開平10−1421
94号公報に詳述されているので、ここでは説明を省略
する。
Vsセル抵抗の検出制御によって検出される内部抵抗R
pvs が目標値(例えば200Ω:750℃に相当)にて
一定となるようにヒータ10bへの通電を制御する。但
し、ここでは、ヒータ10bに印加する電圧の実効値は
最大13Vとする。また、ヒータ電圧のPID制御を開
始した時点の内部抵抗Rpvs は、通常、上述の目標値よ
りかなり大きな状態にある。
り少し大きく設定されたしきい値(例えば300Ω:6
50℃に相当)に達すると、センサ本体10aが十分に
活性化されたものとして(S250−YES)、活性判
定通電制御回路26は、予備制御設定にて、通電回路2
5にオペアンプOP1,OP2、及びPID回路22へ
の電源供給を開始させる。これにより、第1及び第2酸
素ポンプセル11,13による第1及び第2測定室S
1,S2内の酸素のポンピング、及びPID回路22に
よる第1ポンプ電流Ip1のPID制御が開始される(S
260)。
4が、第2基準電圧Vf2として予備制御電圧Vf22 をオ
ペアンプOP2に印加する設定のことであり、切替信号
Schの初期状態が予備制御設定になっていれば、各部へ
の通電を開始するだけでよい。
は、タイマー回路27を起動する(S270)。そし
て、タイマー回路27が一定時間(例えば15sec)
後にタイムアウトすると(S280−YES)、タイマ
ー回路27は切替信号Schの設定を駆動制御設定(電圧
切替回路24が第2基準電圧Vf2として駆動制御電圧V
f21 を出力する設定)に切り替えると共に、活性判定通
電制御回路26は、通常の駆動制御を開始したことを表
す起動通知をECU6に対して出力した後、本処理を終
了する。なお、改めて起動通知を生成するのではなく、
切替信号Schを起動通知として兼用してもよい。
にガスセンサ10を用いて行ったNOx濃度(第2ポン
プ電流Ip2の検出値)の測定結果を示す。図中点線にて
示すグラフは、予備制御を実行しない比較例についての
測定結果である。但し、起動制御開始時における第1及
び第2測定室S1,S2の雰囲気を大気と等しい状態に
して測定を行った。また、上述の起動制御では、本来、
起動制御の開始時点から予備制御の開始時点までの間
は、第2ポンプ電圧Vp2の印加を行わないのであるが、
ここでは、この間の第2ポンプ電流Ip2も測定するため
に、この間も駆動制御設定にて第2ポンプ電圧Vp2の印
加を行った。
されると(時刻t1)、第2測定室S2に存在する多量
の酸素により、過大な第2ポンプ電流Ip2が流れる。セ
ンサ本体10aが活性温度まで加熱され、予備制御が開
始されると(時刻t2)、通常より高い第2ポンプ電圧
Vp2が印加されたP2セル13によって、第2測定室S
2の酸素が急速に汲み出されることにより酸素が欠乏
し、これに伴って第2ポンプ電流Ip2は急激に低下す
る。
して、予備制御から通常の駆動制御に切り替わると(時
刻t3)、第1測定室S1に残存する酸素が第2測定室
S2に流れ込むことにより、第2ポンプ電流Ip2が一時
的に上昇するが、その後、NOx濃度のに対応した大き
さ(0ppm近傍)に向けて収束する。
たピーク時(時刻t4)の値(約130ppm)は、予
備制御を行わない場合の検出値(約430ppm)と比
較して、1/3程度の大きさとなる。また、この時点以
降は、予備制御の有無に関わらずいずれの場合も駆動制
御が行われるため、P2セル13により酸素の汲み出し
能力はいずれの場合も同等となる。つまり、予備制御を
行うことにより、第2測定室S2が速やかに低酸素濃度
状態となり、ガスセンサ10が正確な測定結果を出力す
るようになるまでの時間が大幅に短縮されることがわか
る。
ン制御システムでは、センサ本体10aが活性化する
と、通常の駆動制御時より第2ポンプ電圧Vp2を高く設
定した予備制御を一定期間だけ行った後、通常の駆動制
御を開始するようにされているので、第2測定室S2内
の酸素濃度を速やかに低下させることができる。
待ち時間にて、ガスセンサ10の出力を使用した制御が
可能になるため、例えば内燃機関M1が短時間しか運転
されない場合であっても、ガスセンサ10の出力を有効
に利用することができる。なお、本実施形態では、予備
制御から駆動制御への切替タイミングを、タイマー回路
27を用いて生成しているが、図5に示すように、タイ
マー回路27を省略し、代わりに、電流検出抵抗Rp2の
両端電圧を検出する電流検出回路28と、その検出電圧
を、例えば、NOx濃度が0ppmに相当する所定の第
5基準電圧Vf5と比較するオペアンプOP3からなる比
較回路29とを設け、このオペアンプOP3の出力を切
替信号Schとしてもよい。この場合、検出電圧が第5基
準電圧Vf5より低下すると、第2ポンプ電圧Vp2の設定
が予備制御電圧Vf22 から駆動制御電圧Vf21 に切替わ
ることになる。
1をハードウェアにて実現しているが、図6(a)に示
すように、これをCPU30に置き換えてソフトウェア
にて実現してもよい。この場合、CPU30は、Vsセ
ル12の両端電圧Vsを読み込むためのA/D変換器、
及び第1ポンプ電流供給回路21への制御信号を出力す
るためのD/A変換器、電圧切替回路24へ切替信号S
chを出力したり、通電回路25へ各種指令を出力するた
めの出力ポート、ECU6との間で起動指令,起動通知
を入出力するための入力及び出力ポート等を備える必要
がある。
器,D/A変換器,入出力ポートを介して入出力される
各種信号に基づき、PID回路22と同等の制御を実現
するPID制御処理の他、図3(b)にて示されたフロ
ーチャートと同等の制御を実現する起動制御処理、起動
制御処理の中で起動されるVsセル抵抗の検出制御、ヒ
ータ電圧のPID制御に相当する処理を並列に実行すれ
ばよい。
回路24もCPU30に取り込み、CPU30には、切
替信号Sch用の出力ポートの代わりに、第2基準電圧V
f2を発生させるためのD/A変換器を設けるように構成
してもよい。また、図6(a)(b)において、図5に
示した場合と同様に、第2ポンプ電流を検出して、第2
基準電圧Vf2(第2ポンプ電圧Vp2)の切替を行う場合
には、CPU30に、電流検出回路(図示せず)での検
出電圧を取り込むためのA/D変換器を追加する必要が
ある。
S270,S280も、図7に示すように変更する必要
がある。即ち、S270では、第2ポンプ電流Ip2を検
出し、続くS280では、検出した第2ポンプ電流Ip2
とNOx濃度が0ppmに相当するしきい値Ithとを比
較し、しきい値Ithより大きければS270に戻り、し
きい値Ithより小さくなればS290に移行して、予備
制御から駆動制御に切り替えるようにすればよい。
御ブロックB1中のPID回路22以外の部分のみをC
PU30に置き換えてもよい。また、上記実施形態で
は、第1ポンプ電流供給回路21を、オペアンプOP1
を中心とした増幅回路により構成したが、図8に示すよ
うに、各セル11〜13の共通接続側電極に、第1基準
電圧Vf1を直接印加し、PID回路22の出力を、電流
検出抵抗Rp1を介するだけで、そのままP1セル11に
印加するように構成してもよい。
置き換えは、図5,6に示した各変形例にも同様に適用
でき、これを適用することにより、回路構成を簡易化で
きる。 [第2実施形態]次に第2実施形態について説明する。
なる以外は、第1実施形態と同様であるため、同一構成
要素については同一符号を付して説明を省略し、構成の
相異する部分を中心に説明する。本実施形態において駆
動回路20は、図9に示すように、電圧切替回路24が
省略され、第2ポンプ電圧印加回路23を構成するオペ
アンプOP2の非反転入力端子には、第1実施例におけ
る駆動制御電圧Vf21 に等しい一定の第2基準電圧Vf2
が印加されている。
が出力する切替信号Schに従って、駆動制御設定時には
第1ポンプ電流供給回路21の出力、予備制御設定時に
は所定の第3基準電圧Vf3をP1セル11に供給する第
1切替回路31と、同じく切替信号Schに従って、予備
制御設定時にのみ、各セル11〜13の共通接続側電極
に第4基準電圧Vf4(=Vf1)を印加する第2切替回路
32とを備えている。
た第1ポンプ電流Ip1をP1セル11に供給し、予備制
御時には、一定の第1ポンプ電圧Vp1(=Vf3−Vf4、
本実施形態では1000mV)をP1セル11に印加す
るようにされている。但し、予備制御時に印加する一定
の第1ポンプ電圧Vp1は、第1実施形態において予備制
御時に印加する第2ポンプ電圧Vp2と同様に、駆動制御
時の第1ポンプ電圧Vp1(例えば290mV)より大き
く(望ましくは10mV以上大きいこと)、且つP1セ
ル11の耐圧上限(例えば3000mV)までの範囲に
設定する必要がある。
時(S260)に、第2ポンプ電圧Vp2ではなく、第1
ポンプ電圧Vp1を通常の駆動制御時より高い一定電圧に
設定する以外は、第1実施形態の場合と全く同様の起動
制御(図3(b)参照)を実施する。
い第1ポンプ電圧Vp1が設定されると、センサ本体10
aでは、P1セル11が第1測定室S1から駆動制御時
より多くの酸素を汲み出すため、第1測定室S1内の酸
素濃度が急速に低下する。その結果、第1測定室S1か
ら第2測定室S2に、新たな酸素が流れ込むことが阻止
されるだけでなく、逆に、第2測定室S2から第1測定
室S1に向けて余分な酸素が漏出することになるため、
第2測定室S2の酸素濃度も速やかに低下することにな
る。
ムによれば、第1実施形態の場合と同様の効果を得るこ
とができる。なお、本実施形態では、第4基準電圧Vf4
を第1基準電圧Vf1と等しくしたが、これを第1基準電
圧より小さく(Vf4<Vf1)設定してもよい。この場
合、予備制御時には、P2セル13に印加される第2ポ
ンプ電圧Vp2(=Vf2−Vf4)も駆動時より大きくなる
ため、より効率よく第2測定室S2内の酸素濃度を低下
させることができる。
変形例(図5,6,8参照)と同様に、タイマー回路2
7の代わりに、図5に示された、電流検出回路28,比
較回路29を設け、第2ポンプ電流Ip2の検出値に基づ
いて切替信号Schを生成したり、第1ポンプ電流供給回
路21を、オペアンプOP1を省略したものに置き換え
たり、制御ブロックB1の全部又は一部をCPU30に
置き換えたりしてもよい。
換えを行った場合には、図10に示すように、第2切替
回路32も省略することができる。また、制御ブロック
B1をCPU30に置き換えると共に、第1ポンプ電流
供給回路21を、オペアンプOP1を省略したものに置
き換えた場合には、図11(a)に示す構成となり、更
に、第1切替回路31の機能をCPU30に取り込ん
で、図11(b)に示す構成としてもよい。
は、駆動制御時にPID制御された第1ポンプ電流Ip1
を供給するためのD/A変換出力から、一定電圧を供給
するような処理を行えばよい。 [第3実施形態]次に第3実施形態について説明する。
なる以外は、第1実施形態と同様であるため、同一構成
要素については同一符号を付して説明を省略し、構成の
相異する部分を中心に説明する。本実施形態において駆
動回路20は、図12に示すように、電圧切替回路24
が省略され、第2ポンプ電圧印加回路23を構成するオ
ペアンプOP2の非反転入力端子には、駆動制御電圧V
f21 に設定された一定の第2基準電圧Vf2が印加されて
いる。
Ip1をPID制御する際に、Vsセル12の両端電圧V
sの目標電圧を外部から設定可能なように構成されてい
る。更に、駆動回路20は、タイマー回路27が出力す
る切替信号Schに従って、駆動制御設定時には駆動制御
目標電圧Vf61 (例えば425mV)、予備制御設定時
には駆動制御目標電圧Vf61 より高い予備制御目標電圧
Vf62 (例えば850mV)をPID回路22に供給す
る目標電圧切替回路33を備えている。
回路33も制御ブロックB1に含まれるものとする。ま
た、予備制御目標電圧Vf62 より大きく、Vsセル12
の最大出力電圧(例えば1000mV程度)までの範囲
内で適宜設定すればよい。つまり、予備制御時には、第
1測定室S1内の酸素濃度が駆動制御時より低くなるよ
うな目標電圧が設定され、より多くの第1ポンプ電流I
p1が第1測定室S1から酸素を汲み出す方向に流れるよ
うにされている。
始時(S260)に、第2ポンプ電圧Vp2を駆動制御時
より高い一定電圧に設定する代わりに、PID制御の目
標電圧を駆動制御時より高い値(第1測定室S1の酸素
濃度が低くなる値)に変更する以外は、第1実施形態の
場合と同様の起動制御(図3(b)参照)を実施する。
電圧が変更されると、センサ本体10aでは、P1セル
11が第1測定室S1から駆動制御時より多くの酸素を
汲み出すため、第1測定室S1内の酸素濃度が急速に低
下する。その結果、第2実施形態の場合と同様に、第1
測定室S1から第2測定室S2に、新たな酸素が流れ込
むことが阻止されるだけでなく、逆に、第2測定室S2
から第1測定室S1に向けて余分な酸素が漏出すること
になるため、第2測定室S2の酸素濃度も速やかに低下
することになる。
ムによれば、第1及び第2実施形態の場合と同様の効果
を得ることができる。なお、本実施形態でも、第1実施
形態の各変形例(図5,6,8参照)と同様に、タイマ
ー回路27の代わりに、図5に示された、電流検出回路
28,比較回路29を設け、第2ポンプ電流Ip2の検出
値に基づいて切替信号Schを生成したり、第1ポンプ電
流供給回路21を、オペアンプOP1を省略したものに
置き換えたり、目標電圧切替回路33を含む制御ブロッ
クB1の全部又は一部をCPU30に置き換えたりして
もよい。
U30に置き換えた場合には、図13に示す構成とな
り、更に、第1ポンプ電流供給回路21を、オペアンプ
OP1を省略したものに置き換えた場合には、先に図1
1(b)にて示したものと、同様の構成となる。 [第4実施形態]次に第4実施形態について説明する。
なる以外は、第3実施形態と同様であるため、同一構成
要素については同一符号を付して説明を省略し、構成の
相異する部分を中心に説明する。本実施形態において駆
動回路20は、図14に示すように、第2ポンプ電圧印
加回路23から第2ポンプセル13に至る線路中に該線
路を開閉するスイッチ34が設けられ、また、タイマ回
路27の代わりに、目標電圧切替回路33及びスイッチ
34の切替を制御するための切替信号Schを生成する切
替制御回路35が設けられている。
制御電圧Vf61 が選択されている時には閉成(駆動制御
設定という)され、予備制御電圧Vf62 が選択されてい
る時には開放(予備制御設定という)されるように構成
されている。つまり、予備制御時には、第1測定室S1
内の酸素濃度が駆動制御時より低くなるような目標電圧
が設定されることで、より多くの第1ポンプ電流Ip1が
第1測定室S1から酸素を汲み出す方向に流れると共
に、第2酸素ポンプセル13への第2ポンプ電圧Vp2の
印加が禁止されることで、第2酸素ポンプセル13が酸
素濃度測定セルとして動作することになる。
電制御回路26からの指令に従って起動されると、予備
制御設定となる切替信号Schを出力後、第2酸素ポンプ
セル13の出力電圧を監視し、該出力電圧が所定の酸素
濃度に対応したしきい値Vthに達すると、駆動制御設定
となる切替信号Schを出力するように動作する。
行する起動制御は、図3(b)のS270,S280
が、図7(b)に示すS265〜S285に変更したも
のとなる。即ち、PID制御の目標電圧が予備制御電圧
Vf62 に変更され予備制御が開始(S260)される
と、スイッチ34を開放(S265)して、第2酸素ポ
ンプセル13の出力電圧VOを検出(S270)する。
その検出電圧VOがしきい値Vthより大きい(S280
−NO)間は、S270に戻って第2酸素ポンプセル1
3の監視を続け、検出電圧VOがしきい値Vth以下(S
280−YES)になると、第2測定室S2の酸素濃度
は十分に低下したものとして、スイッチ34を閉成し
(S285)、PID制御の目標電圧を駆動制御電圧V
f61 に切り替えることにより、予備制御を終了し通常の
駆動制御を開始するように変更すればよい。
間、第2酸素ポンプセル13を酸素濃度測定セルとして
使用し、第2測定室S2内の状態に応じて予備制御の終
了タイミングを決めている。従って、本実施形態によれ
ば、ガスセンサ10aから正常な測定結果が得られるタ
イミングを正確に知ることができるだけでなく、予備制
御による酸素の汲み出しが過剰に行われてしまうことが
ないため、通常の駆動制御に戻した時に、第1又は第2
酸素ポンプセルに逆電流が流れることを防止することが
できる。
様に、第1ポンプ電流供給回路21をオペアンプOP1
を省略したものに置き換えたり、制御ブロックB1の全
部又は一部をCPU30に置き換えてもよい。そして、
例えば制御ブロックB1の全部をCPU30にて置き換
えた場合には、図18に示す構成となり、第3実施形態
の場合(図13)と比較して、CPU30には、スイッ
チ34に対する切替信号Schを出力するための出力ポー
ト、及び第2酸素ポンプセル13の起電力を入力するた
めのA/D変換器を追加して備える必要がある。
スイッチ回路34、及びタイマ回路27の代わりに切替
制御回路35を設け、予備制御の間、第2酸素ポンプセ
ル13を酸素濃度測定セルとして使用する構成は、第2
実施形態に示した駆動回路に対しても同様に適用するこ
とができる。 [第5実施形態]次に第5実施形態について説明する。
及びECU6が実行するNOxセンサ起動処理の内容が
異なる以外は、第1〜第3実施形態と同様であるため、
同一構成要素については同一符号を付して説明を省略
し、構成の相異する部分を中心に説明する。
構成する活性判定通電制御回路26は、ヒータ10bの
加熱によりセンサ本体10aが活性化されたと判断した
時点(S250−YES:図3(b)参照)で、ECU
6に対して、その旨を表す活性通知を出力するようにさ
れている(図示せず)。
5に示すように、本処理が起動されると、まず、内燃機
関M1の運転状態を制御する運転制御処理に対して、ス
トイキ或いはリッチ空燃比での運転要求を設定する(S
110)。センサ本体内がストイキ或いはリッチの排ガ
スで満たされるまでタイマー制御し、その後、駆動回路
20に対して起動指令を出力する(S120)。
されるまで待機し(S130−NO)、活性通知が入力
されると(S130−YES)、運転制御処理に対する
ストイキ或いはリッチ空燃比での運転要求を解除し(S
140)、今度は、駆動回路20から起動通知が入力さ
れるまで待機する(S150−NO)。
されると(S150−YES)、運転制御処理等でのガ
スセンサ10の出力の使用を許可して(S160)、本
処理を終了する。このように、ストイキ或いはリッチ空
燃比での運転を行うと、内燃機関M1からは、酸素が殆
ど含まれていないか酸素の欠乏したガスが排出され、こ
のガスにより、ガスセンサ10の第1及び第2測定室S
1,S2内のガスが置換される。その結果、第1及び第
2測定室S1,S2内の酸素濃度は大きく低下するた
め、ガスセンサ10はセンサ本体10aが活性化した
後、速やかに正確な検出結果を出力するようになる。
ムによれば、第1〜第3実施形態の場合と同様に、ガス
センサ10の起動後、短い待ち時間にて、ガスセンサ1
0の出力を使用した各種制御が可能になり、例えば内燃
機関M1が短時間しか運転されない場合であっても、ガ
スセンサ10の出力を有効に利用することができる。
ン(大気),ストイキ(λ=1.00),リッチ(λ=
0.90)の各雰囲気内に配置して、センサの活性化後
に駆動制御を行った時に測定したNOx濃度(第2ポン
プ電流Ip2の検出値)の測定結果を表すグラフである。
なお、第2ポンプ電流Ip2の測定のため、第2ポンプ電
圧Vp2の印加については、ヒータ10bの通電と同時に
行った。
は、図中実線にて示すように、ガスセンサ10が起動さ
れた時点(時刻t11)で、第2測定室S2は酸素が欠
乏した状態にあるため、通常とは反対に酸素を汲み入れ
る方向に電流が流れ、その後、駆動制御が開始されると
(時刻t12)、その直後からNOx濃度の検出値は0
ppmを示す。また、ストイキ雰囲気の場合では、図中
一点鎖線にて示すように、駆動制御が開始されると、N
Ox濃度の検出値は、速やかに0ppmに収束してお
り、リーン雰囲気の場合では、図中点線にて示すよう
に、300sec経過後であっても、まだ100ppm
もの酸素が残存している。
予備制御と組み合わせないで、ストイキ或いはリーン空
燃比での運転のみを行った場合であっても、これを行わ
ない場合と比較して、ガスセンサ10が正確な検出結果
を出力するようになるまでの時間を大幅に短縮できるこ
とがわかる。
ッチ空燃比での運転を、ガスセンサ10の起動後、セン
サ本体10aが活性化するまでの間だけ行っているが、
ガスセンサ10の起動後、予め設定された一定期間だけ
行うようにしてもよい。以上本発明のいくつかの実施形
態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定さ
れるものではなく、様々な態様にて実施することが可能
である。
B1をCPU30に置き換えた場合、これをECU6と
は別体に設けているが、CPU30の機能をECU6に
含めるようにして、CPU30を省略するように構成し
てもよい。
図である。
回路図である。
び処理ブロックが実行する起動制御の内容を表すフロー
チャートである。
グラフである。
成を表す回路図である。
成を表す回路図である。
ートである。
成を表す回路図である。
回路図である。
構成を表す回路図である。
構成を表す回路図である。
す回路図である。
構成を表す回路図である。
す回路図である。
理の内容を表すフローチャートである。
時に検出されるNOx濃度の変化を表すグラフである。
構成を表す回路図である。
a…センサ本体、10b…ヒータ、11…第1酸素ポン
プセル(P1セル)、12…酸素濃度測定セル(Vsセ
ル)、13…第2酸素ポンプセル(P2セル)、14…
絶縁層、16…第1拡散経路、17…第2拡散経路、1
8…酸素基準室、20…駆動回路、21…第1ポンプ電
流供給回路、22…PID回路、23…第2ポンプ電圧
印加回路、24…電圧切替回路、25…通電回路、26
…活性判定通電制御回路、27…タイマー回路、28…
電流検出回路、29…比較回路、30…CPU、31…
第1切替回路、32…第2切替回路、33…目標電圧切
替回路、34…スイッチ、35…切替制御回路、B1…
制御ブロック、M1…内燃機関、M2…吸気管、M3…
排気管、M4…スロットルバルブ、M5…インジェク
タ、OP1〜3…オペアンプ、Rp1,Rp2…電流検出抵
抗、S1…第1測定室、S2…第2測定室
Claims (8)
- 【請求項1】 被測定ガス空間に連通した第1測定室
と、 該第1測定室に連通した第2測定室と、を有するガスセ
ンサの制御方法であって、 前記ガスセンサの起動時には、通常の駆動制御を開始す
る前に、前記第2測定室内の酸素濃度を急速に低下させ
る予備制御を行うことを特徴とするガスセンサの制御方
法。 - 【請求項2】 前記ガスセンサは、前記第2測定室内の
酸素をポンピングする第2酸素ポンプセルを有し、 前記予備制御では、前記第2酸素ポンプセルに印加する
第2ポンプ電圧を、通常の駆動制御時よりも高い値に設
定することを特徴とする請求項1記載のガスセンサの制
御方法。 - 【請求項3】 前記ガスセンサは、前記第1測定室内の
酸素をポンピングする第1酸素ポンプセルを有し、 前記予備制御では、前記第1酸素ポンプセルに印加する
第1ポンプ電圧を、通常の駆動制御時よりも高い値に設
定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガ
スセンサの制御方法。 - 【請求項4】 前記ガスセンサは、前記第1測定室内の
酸素濃度を測定する酸素濃度測定セルを有し、 通常の駆動制御では、前記酸素濃度測定セルの出力電圧
が目標電圧と一致するように前記第1酸素ポンプセルに
前記第1ポンプ電圧を印加し、 前記予備制御では、前記酸素濃度測定セルの出力電圧が
前記目標電圧よりも高い値となるように前記第1酸素ポ
ンプセルに前記第1ポンプ電圧を印加することを特徴と
する請求項1又は請求項2記載のガスセンサの制御方
法。 - 【請求項5】 前記ガスセンサは、前記第2測定室内の
酸素をポンピングする第2酸素ポンプセルを有し、 前記第2酸素ポンプセルに流れる第2ポンプ電流が予め
設定された判定値に達すると、前記予備制御から通常の
駆動制御への切替を行うことを特徴とする請求項1ない
し請求項4いずれか記載のガスセンサの制御方法。 - 【請求項6】 前記ガスセンサは、通常の駆動制御時に
前記第2測定室内の酸素をポンピングする第2酸素ポン
プセルを有し、 前記予備制御の間、前記第2酸素ポンプセルへの第2ポ
ンプ電圧の印加を禁止して、該第2酸素ポンプセルの起
電力を測定し、該起電力が予め設定された判定値に達す
ると、前記予備制御から前記駆動制御への切替を行うこ
とを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載の
ガスセンサの制御方法。 - 【請求項7】 前記ガスセンサは、 前記第1測定室内の酸素濃度を測定する酸素濃度測定セ
ルと、 前記第1測定室内の酸素をポンピングする第1酸素ポン
プセルと、 前記第2測定室内の酸素をポンピングする第2酸素ポン
プセルと、を有し、 通常の駆動制御時には、前記第1酸素ポンプセルに印加
する第1ポンプ電圧が前記酸素濃度測定セルの出力電圧
が目標電圧と一致するように制御されると共に、前記第
2酸素ポンプセルに一定の第2ポンプ電圧が印加され、 前記第2酸素ポンプセルを流れる第2ポンプ電流が、被
測定ガス中に含まれる特定物質の濃度に対応した出力と
して用いられていることを特徴とする請求項1ないし請
求項6いずれか記載のガスセンサの制御方法。 - 【請求項8】 被測定ガス空間に連通した第1測定室
と、 該第1測定室に連通した第2測定室と、を有するガスセ
ンサが排気管に設置された内燃機関の制御方法であっ
て、 前記ガスセンサの起動時には、空燃比をストイキ或いは
リッチにして前記内燃機関を運転することを特徴とする
内燃機関の制御方法。
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