JP2001280868A - 多孔扁平金属管ヒートパイプ - Google Patents

多孔扁平金属管ヒートパイプ

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JP2001280868A
JP2001280868A JP2001075015A JP2001075015A JP2001280868A JP 2001280868 A JP2001280868 A JP 2001280868A JP 2001075015 A JP2001075015 A JP 2001075015A JP 2001075015 A JP2001075015 A JP 2001075015A JP 2001280868 A JP2001280868 A JP 2001280868A
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JP2001075015A
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Hisateru Akachi
久輝 赤地
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Actronics Co Ltd
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Actronics Co Ltd
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    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0233Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes the conduits having a particular shape, e.g. non-circular cross-section, annular

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽金属の押出成型で得られる極めて安価な、
多孔扁平管を有効利用し、蛇行細管ヒートパイプ応用の
熱交換器と同様な高性能を発揮せしめると同時に大幅な
コスト低減とその独特な機能の活用を図る。 【構成】 多孔扁平管の両端面を溶接封止すると共にそ
の細孔群の夫々を所定の手段に依り両端部に近接した部
分において相互に連結し、作動液を封入して細径トンネ
ルヒートパイプとなし、その扁平管を高温部と低温部を
多数回往復蛇行する様再成形して熱交換部を構成した。 [効果] この様に構成された熱交換器は蛇行細管ヒー
トパイプと同じ原理に依り、高性能な熱交換器となっ
た。扁平管の一本は細管の数十本に相当する性能を発揮
するもので、材料費及び組立費を何れも十分の一に削減
することを可能にし、また簡素強靭なその構成は熱交換
器を軽量化し、その信頼性をも大幅に向上させるものと
なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒートパイプ式熱交換器
の構造に関するものであり、特に軽金属を素材とし貫通
細孔群を有する可撓性多孔扁平金属管により構成される
細径トンネルヒートパイプを適用して構成される多孔扁
平金属管ヒートパイプ式熱交換器の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は蛇行細管ヒートパイプ技術の応
用でありその改善に関する。蛇行細管ヒートパイプは従
来の二相凝縮性作動液の相変化応用のヒートパイプとは
異なり、細管内作動液がその表面張力により常に管内を
充填閉塞し、蒸気泡と液滴が交互に管内全体に分散配置
され、受熱部における作動液の核沸騰による圧力波によ
り、蒸気泡と液滴の軸方向振動を発生し、その振動によ
り熱量を高温部から低温部に輸送するものであった。こ
の様な作動原理は本発明者が発明し実用化した特許第1
881122号(ループ型細管ヒートパイプ)、特公平
6−97147号(ループ型細管ヒートパイプ)及び特
開平4−251189号(マイクロヒートパイプ)に詳
述されてある通りであり、数多くの実施態様にて実用さ
れている。その特徴とする所は通常ヒートパイプが不可
能とするトップヒートモードにおいても極めて良好な熱
輸送特性を示すことを初めとして、自在に屈曲せしめて
使用することが出来る、薄肉軽量のプレートヒートパイ
プを構成することが出来る、フィン群の装着を必要とし
ないから全体的に容積を小さくすることが出来る等実装
上の多くの利点があり、近来の業界の要望として装置の
小型化軽量化の傾向が強まりつつあることににより、そ
の市場は益々拡大しつつある。
【0003】これらの蛇行細管ヒートパイプの応用とし
て実用化されている最も先進的な技術として特願平5−
241918号(プレート形ヒートパイプ)がある。こ
れは厚さ1mmの如き薄肉の金属平板の中に蛇行細径ト
ンネルヒートパイプを作り込んだプレート形ヒートパイ
プであって、極めて薄肉軽量であるにも拘らず効率的に
熱量を拡散せしめたり熱量を輸送せしめたりすることを
可能にするもので、今後の電子機器等に不可決の新技術
として市場が拡大しつつある。
【0004】この蛇行細管ヒートパイプの構成において
最も重要な第一の点は細管の内径が十分に細く、作動液
がその表面張力により常に内径を充填閉塞してそのまま
の状態で管内を移動するように構成されてあり、細管内
は作動液の蒸気泡と作動液の液滴が自ら交互に配置され
て充満されてあることであり、次に重要な点は細管は高
温部と低温部の間を往復蛇行して多数の作動液蒸発部と
多数の作動液凝縮部を有することである。蛇行細管ヒー
トパイプの蛇行ターン数が多い程ヒートパイプの性能の
重力依存性が少なくなる特徴がありこれが蛇行細管ヒー
トパイプに優れた特性を与える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し蛇行細管ヒートパ
イプ技術はその様な多くの利点を有する反面、高性能を
発揮せしめる為には多くの蛇行ターン数を必要とし細管
群の整列配置に多くの加工時間を必要とし、この作業は
自動化が困難である為コスト低減に困難さがあった。ま
たフィン装着の必要性がない利点がある反面ではフィン
装着が困難である為放熱性能の向上に限界が発生し、そ
の対策として細管のターン数を増加せしめれば、熱媒流
体に必要以上の圧力損失が増加する等の問題点があっ
た。
【0006】またトンネルプレートヒートパイプは先端
技術に不可欠の新技術ではあるが、その用途は極めて広
いものであり、従来技術のあらゆる部門でその活用に依
る改善が期待されている。然しその製造には、薄肉金属
プレートの片面に精細な蛇行細溝を切削する高度な技
術、この金属プレートの複数枚を積層溶接して蛇行細径
トンネルを内蔵したプレートに構成する高度な技術、等
が不可欠であり、それに起因して最先端高級機器以外に
は適用が困難な程に、高価格なプレートになる点が問題
点であり、他の従来技術に広く適用して技術的改善を実
施する為には、その大幅なコストダウンの必要性が重要
な課題となっている。
【0007】本発明は各種業界の強い要望に応えて、蛇
行細管ヒートパイプ技術の優れた利点を失うことなく、
上記の課題を解決する新規な構成の蛇行細径トンネルヒ
ートパイプを提供する。
【0008】
【課題を解決する為の手段】近来のプレス押出成型技術
の進歩は目覚ましく、特にアルミ系、マグネシューム系
金属の如き軽量柔軟性金属の押出成型においては長さ方
向に平行並列に整列配置された多数の貫通細孔を有する
テープ状多孔扁平金属管の製作が可能になっている。こ
の貫通細孔の直径は0.9mm以下に細径化することが
可能であり、僅かに幅20mm以下、厚さ1.3mm以
下のテープ状扁平管の中に20本の貫通細孔を設けるこ
とも可能になっている。更にその長さは数100mの長
さに成型することが可能である。この様な多孔扁平金属
管は薄肉であり且つ軽金属の押出成型品であるから極め
て可撓性に富み、自在に屈曲せしめて使用することが出
来る。本発明はこの様な軽量柔軟性のテープ状多孔扁平
金属管を用いて熱交換器用ヒートパイプを構成すること
により、細管ヒートパイプ式熱交換器に比較して、大幅
なコスト低減及び大幅な性能向上を可能にし従来の問題
点を解決すると共に適用に際しての機能の選択幅の広い
熱交換器を提供する。
【0009】上述の如き貫通細孔群を有する多孔扁平金
属管は蛇行細管ヒートパイプの形成に最適である。即ち
細孔群の両端を封止し密閉トンネルとし、そのトンネル
の内容積にに未満の所定量の作動液を真空封入し、多孔
扁平金属管を屈曲せしめ高温部と低温部の間を往復蛇行
せしめるときは数10本並列の熱輸送能力の大きな蛇行
細径トンネルヒートパイプを一挙に構成することが出来
る。またこの蛇行扁平金属管が、端末部分において所定
の手段により各トンネルが連結せしめられて1本のトン
ネルが多孔扁平金属管内を数10回蛇行往復せしめられ
た状態に形成された多孔扁平金属管であるときは、この
蛇行回数に多孔扁平金属管内の蛇行回数が付加されて、
多孔扁平金属管内のトンネルは全体的に高温部と低温部
の間を数100ターン以上の蛇行を繰り返すことにな
り、蛇行ターン回数が増加するほど特性が向上する細管
ヒートパイプの原理により、如何なる適用姿勢でも性能
が全く変化せず、強力な遠心力や振動が加わっても性能
が悪化しない極めて優れたトンネルヒートパイプを構成
することが出来る。
【0010】図1は本発明の問題点解決の手段として用
いられる多孔扁平金属管の構造を示す斜視図である。1
は多孔扁平金属管であり、プレス押出成型にて形成さ
れ、その幅は数mmから80mmの範囲に成型され、そ
の厚さは1mmを最低限として数mmの厚さまで製作す
ることが可能であり且つ一条の長さは数100mのもの
も製作が可能である。上下両表面の平滑度は直接半導体
発熱素子を搭載することも可能であり、または各種フィ
ン群を装着することも可能な程度に十分に平滑である。
これらの各条件は細管ヒートパイプ熱交換器の構成に必
要な条件の全てをカバーするものである。2は多孔扁平
金属管1を全長に亙り貫通する細孔の群である。一例と
して多孔扁平金属管の厚さを2mmとした場合の各細孔
間の間隔は0.3mmを最小限として任意に設定するこ
とが出来るが、ヒートパイプを構成した場合の各種性能
を向上せしめる為には出来るだけ小さいことが望まし
い。2の断面積は幅0.5mm深さ0.5mmを最小限
として任意に設定することが出来るが、端末処理の難易
を考慮すれば幅0.6mm深さ0.6mm以上とするこ
とが望ましい。多孔扁平金属管の素材を純アルミとし、
この扁平金属管の幅を19mm、厚さを1.3mm、貫
通孔の幅を0.6mm、深さを0.7mm、貫通孔の数
を19本、とした時の多孔扁平金属管の対内圧強度は2
00Kg/cmと算出されている。この耐内圧強度は
同一の内部断面積を有する従来の円筒形ヒートパイプの
10倍にも達する強度であって、作動液として用いられ
るあらゆる種類の二相流体の適用温度範囲を大幅に拡大
すると共に、その適用に際しては熱交換器の負荷熱量の
変動に対して十分な安全率を与えることが出来る。
【0011】図2、図3は本発明の熱交換器に於ける蛇
行扁平管コンテナを構成する為の準備工程に於ける多孔
扁平金属管の内部構造を示す平面断面図である。面図簡
略化のため貫通細孔は全て線図で示してある。図2にお
いては貫通細孔群2で形成されるトンネル群はそれらの
両端末部が扁平金属管1の両端末部の溶接封止部3に近
接する部分において全て共通連結管2−1により連結さ
れて、トンネル群は全て並列配置されてある。図3にお
いては貫通細孔群2で形成されるトンネル群の夫々のト
ンネルの一端末は溶接封止部3に近接する部分におい
て、隣接する次のトンネルの一端末と所定の手段により
相互に連結連通されることにより蛇行ターン部2−2を
形成してUターンせしめられ、この隣接する次のトンネ
ルの他の端末は反対側端末の溶接封止部3に近い部分に
おいて、更に隣接する次次のトンネルの一端末と同様な
所定の手段により相互に連結連通され、これにより蛇行
ターン部2−2を形成してUターンせしめられ、このよ
うな手段が順次繰り返されて、トンネル群は連続する1
本の長尺蛇行細径トンネルとして形成されてある。
【0012】図4は本発明の多孔扁平金属管ヒートパイ
プ式熱交換器の基本構造及び第一実施例を示す斜視図で
ある。図において多孔扁平金属管1は蛇行屈曲せしめら
れて高温部(熱吸収部)Hと低温部(放熱部)Cの間を
多数回の往復蛇行を繰り返すよう構成されてある。矢印
は蛇行平面に直交する熱媒流体の流れ方向を示して
いる。多孔扁平金属管1に内蔵される多数の貫通細孔群
2にはその内容積に未満の所定の作動液が封入されて多
孔扁平金属管2は多孔扁平金属管ヒートパイプになって
いる。この場合の多孔扁平金属管ヒートパイプは以下に
述べる2種類の何れかまたはその複合構成のヒートパイ
プに構成されてある。その2種類とは、貫通細孔群2が
図2の如く結合連結されてある種類のものであるか、図
3の如く結合連結されてある種類のものであるかにより
分類される。図2、図3の何れを採用するかは、その要
求されるヒートパイプの性能が熱輸送量を多くすること
に重点を置くものである場合は図2の方を採用され、重
力依存性の少ない即ち機能の良好なことに重点を置くも
のである場合は図3の方が採用されて選択される。図2
の方を採用した場合はターン数は少ないが管内圧力損失
が少ない並列多数本の蛇行細径トンネルヒートパイプを
内蔵することになるから最大熱輸送量の大きなヒートパ
イプが形成される。図3の方を採用した場合は内蔵トン
ネル本数は1条に過ぎないが極めてターン数の多い蛇行
細径トンネルヒートパイプが内蔵されることになり、蛇
行細管ヒートパイプの基本原理により、重力依存性が少
なく、保持姿勢や振動及び遠心力の影響により性能が悪
化しないヒートパイプが形成される。
【0013】多孔扁平金属管はプレス押出成型工程で管
外表面に長さ方向のフィン群を設けて成型することが出
来る。この場合は表面の対流熱交換性能が向上し、本発
明の効果を更に向上させる。然しこの構造は、受熱部側
の発熱体との接触熱伝導性が悪化するから、受熱手段が
金属間熱伝導の場合は不適当である。従ってこの様な多
孔扁平金属管の構造は受熱部も放熱部も共に熱媒流体の
対流により熱交換が行われる適用状態に効果的である。
図5はこの様にフィン群5が扁平管外表面に予め形成さ
れた多孔扁平金属管1を示す斜視図である。この場合の
フィン群5は扁平管の蛇行を容易ならしめるため微細フ
ィンに形成されてあることが望ましい。
【0014】
【作用】以上の如く形成された本発明の多孔扁平金属管
ヒートパイプ式熱交換器には以下の如き作用がある。 (1) 軽金属の多孔扁平金属管はプレス押出成型によ
り1工程で一挙に形成されるから、圧延工程、多段階引
抜き工程、焼鈍工程等の多数の工程を経て形成される通
常金属の細管に比較して大幅にコストが低下し、更に多
孔扁平金属管の1本は細管の約20本に相当するトンネ
ルを内蔵するからコスト低減効果は極めて大きなものと
なる。基本的構造の熱交換器の場合、従来のヒートパイ
プで構成した場合に比較して材料コストを約十分の一に
低下させる効果がある。(但し幅20mmの多孔扁平金
属管にて試算した場合) (2) 多数本の細管に相当する多孔扁平金属管の採用
により細管の整列配置の為の加工時間を約十分の一にに
短縮することが出来る。この細管の整列配置時間は熱交
換器製作時間の大半を占めているから熱交換器のコスト
低減効果は極めて大きなものとなる。 (3) ヒートパイプ式熱交換器は構造が複雑で溶接加
工が困難なことに起因して、従来は純銅細管を使用せざ
るを得なかったが、多孔扁平金属管の採用により純アル
ミを主体とする軽金属を適用することが可能になり熱交
換器の重量を大幅に低下させることが可能になった。 (4) 従来の細管は平面状に整列配置せしめても表面
の凹凸は避けられず、受放熱部における熱量の授受を容
易にする為には、受放熱板を接合介在せしめて構成する
必要があった。多孔扁平金属管はその両表面が平滑な平
面状であるから受放熱板を接合介在せしめる必要がな
く、発熱体に直接装着したり、発熱素子を多孔扁平金属
管に直接搭載することが可能になり、構成が簡素化さ
れ、組立加工時間の短縮、重量軽減等の効果が極めて大
きい。 (5) 軽金属製の多孔扁平金属管は銅細管やステンレ
ス細管に比較して極めて可撓性が大きく、柔軟性に富む
から、希望する形状に曲げ加工して使用することが出来
る。更に完成品の矯正再加工も容易であるから設計上の
自由度が高い利点もある。 (6) 多孔扁平金属管は熱媒流体の所望する流れ方向
に対して圧力損失が極めて少なくなるよう扁平面を保持
して配列することが出来るから熱交換器の性能を向上さ
せることが出来る。 (7) 多孔扁平金属管ヒートパイプの扁平管コンテナ
の群はそれら各々の断面が扁平であること、対流の流れ
方向に対して扁平面に所望の角度を与えるよう自在に捩
じりを与えることが出来ること、により対流の流れ方向
を変更したり、整流作用を与えたりして、熱交換機の機
能を調整することが出来る。また熱交換器は宿命として
対流の上流側で熱交換効率が良く、下流側で熱交換効率
が低下することが避けられない。然し本発明の熱交換部
では、扁平管コンテナに捩じりを与えることに依り流れ
方向を制御したり、新鮮熱媒流体を下流側に導入するこ
とが可能になるから、上流下流の熱交換効率を均一化す
ることを可能ならしめる。 (8) 蛇行細管ヒートパイプはフィン群を装着する必
要なく適用出来る利点はあるものの、その反面放熱フィ
ン群を装着することは殆ど不可能で、その為に熱交換性
能に限界があった。多孔扁平金属管ヒートパイプはフィ
ンの装着無しに熱交換手段として使用出来る利点がある
だけでなく、更に放熱フィン群を装着することが容易で
あるから、適切なフィン群を装着することにより、熱交
換性能を極限まで向上せしめることが出来る。実験値に
よれば多孔扁平金属管ヒートパイプは放熱フィン群の装
着により細管ヒートパイプに比較して同一熱交換容積で
2倍以上の熱交換能力を発揮せしめることが可能である
とされている。 (9)蛇行細管ヒートパイプの熱交換部は、支持手段を
装着しない場合は蛇行細管が柔軟可撓性に富むことに起
因して強靭性に欠ける点があるので、適用構造体に振動
が加わる場合に共振を引き起こす場合があり、ヒートパ
イプの機械的強度に懸念があった。本発明の多孔扁平金
属管ヒートパイプにおいては蛇行部分の扁平面が平行に
なる部分の両面に共通の放熱フィン群を溶接装着するこ
とに依り、熱交換部は極めて強靭な構造体になり、耐震
強度の懸念が全く必要の無いものとなる。 (10) 純アルミ製の多孔扁平金属管ヒートパイプは
貫通細孔が極めて細いことに依り耐内圧力が強化されて
あり、200kg/cmの高内圧にも耐えることが出
来るから、通常ヒートパイプの耐内圧強度が20Kg/
cmであるのに比較して高圧作動液に対して十分な安
全率で適用することが可能であり、更に各種作動液につ
きその臨界条件近く迄使用することが可能である。従っ
て熱交換器の使用温度範囲を大幅に拡大せしめることが
出来る。
【0015】
【実施例】[第一実施例] 図4の斜視図は本発明の基
本構造を示すとともに第一実施例をも示している。本実
施例における多孔扁平金属管ヒートパイプ1は図の如く
同一平面状でターン部毎に反転蛇行を繰り返す通称サー
ペンタイン形に屈曲せしめられてあり、高温部Hと低温
部Cの間を往復を繰り返して蛇行せしめられてある。こ
の場合は作動液は蛇行細管ヒートパイプの原理により高
温部における核沸騰を引き起こしその圧力波によりトン
ネル内で軸方向の振動を発生しこれにより高温部から低
温部に向かって熱量を効率的に輸送する。即ち高温部と
低温部の間においては多孔扁平金属管ヒートパイプ1を
介して効率的に熱交換がなされる。貫通細孔群2の連結
方式として図2の方式を採用した場合には最大熱輸送能
力が増加し、図3の方式を採用した場合には重力依存性
が無くなり、如何なる適用姿勢でも良好に作動し、振動
や遠心力の作用による性能悪化が発生しない点は基本構
造で説明した通りである。矢印は熱媒流体の対流方向を
示し、この実施例においては蛇行平面に対する直交対流
に対し極めて圧力損失が少なく良好な熱交換がなさ
れる。これは多孔扁平金属管ヒートパイプ1の扁平構造
による効果である。
【0016】[第二実施例] 図6は本発明の熱交換機
における熱交換部の第二実施例を示す断面図である。こ
の第二実施例は多孔扁平金属管ヒートパイプ1の蛇行に
おける扁平管コンテナの扁平面が相互に平行になってい
る部分において対向する両扁平面間に共通フィン群6が
装着されてあることを特徴としている。細管コンテナは
フィン装着が困難であるのに対して、扁平管コンテナは
フィン群の装着が容易で、フィン群装着により熱交換能
力を大幅に向上せしめることが出来る点で優れている。
このフィン群が図6の如く蛇行する薄肉テープ状フィン
が接着された構造である場合は、ハニカム構造と同様な
効果を発揮し、軽量であるにも拘らず優れた補強効果が
あり、耐外圧強度及び耐震強度が著しく増強される。特
に共振による破壊の危険が無くなるので車両の如き複雑
且つ激しい運動に依り、あらゆる方向の激しい振動や遠
心力が発生する機械装置に装着されるような熱交換器に
適用して顕著な効果が得られる。図6においては一例と
してサーペンタイン形蛇行の熱交換部に適用された図で
例示されてある。然しこのような本第二実施例は図6の
場合に限定されるものでは無く、多孔扁平金属管ヒート
パイプ応用のあらゆる熱交換部に適用して同様の作用効
果を発揮せしめることが出来る。
【0017】[第三実施例] 図7は第三実施例及び第
四実施例を説明する斜視図であって、多孔扁平金属管ヒ
ートパイプ1の蛇行は所定のピッチで所定の方向に螺旋
状に巻回される螺旋状蛇行になっているところに特徴が
ある。この実施例の特徴はピッチ調整が容易で、多孔扁
平金属管コンテナを必要とするピッチで正確に配列する
ことが出来る点、及び螺旋の中心軸に平行な対流A
螺旋内に良好にホールドし、漏洩対流を少なくして効率
よい熱交換をすることが出来る点である。本実施例は螺
旋ピッチが扁平金属管コンテナの幅より十分に大きな場
合は、対流が螺旋の中心軸に直交する対流Aであって
も適用出来るが、この場合は対流の圧力損失が増加する
ことは避けられない。
【0018】[第四実施例] 図7の斜視図において多
孔扁平金属管コンテナ1の扁平管幅と螺旋ピッチを一致
させることに依り、周囲が密閉された完全な筒形の熱交
換部を構成することが出来る。この様な第四実施例の熱
交換部においては筒形の内部に対流を流すことに依り、
漏洩の少ない強力な熱交換を実施することが出来る特徴
がある。
【0019】[第五実施例] 多孔扁平金属管ヒートパ
イプの扁平管コンテナに捩じりを与えることにより、熱
媒流体の流れに対して扁平面に自在な角度を与えて対流
の流れ方向を希望する方向に変更させることが出来る。
従って扁平管コンテナ群の配列角度を調整をすることに
より、整流作用を与えたり、流れの下流側に新鮮熱媒流
体を導入したりして熱交換器の機能を調整することが出
来る。図8はこの様な第五実施例の一例を示す断面図で
あって、図においては2連のサーペンタイン形蛇行扁平
管ヒートパイプ1−1、1−2の扁平管コンテナのそれ
ぞれに捻じりが与えられてある。このサーペンタイン形
蛇行扁平管ヒートパイプ1−1、1−2は蛇行平面に直
交する対流の場合でも、平行する対流であっても適用す
ることが出来る。図の如く蛇行平面に平行な流れの場
合、図の如き捩じり角が与えられてあれば、矢印が示す
様に対流の流れの下流側にも新鮮な熱媒流体が導入され
ることになり、下流側の扁平管コンテナに、上流側の扁
平管コンテナを通過した高温熱媒流体が流入して熱交換
効率を低下せしめる様なことがない。この様に扁平管コ
ンテナに捩じりを与えることに依る熱媒流体の流れ方向
変換手法は図8に例示の如きサーペンタイン形熱交換部
だけでは無く、螺旋巻回形熱交換部にも、また多孔扁平
金属管ヒートパイプが適用されたすべての熱交換部に対
しても同様に適用してその機能の最適化を図ることが出
来る。
【0020】[第六実施例] 図9は本発明の第六実施
例を示す斜視図である。本実施例においては多孔扁平金
属管ヒートパイプ1は同一平面内で渦巻き形状に巻回さ
れてある。図においては渦巻きは3ターンになってお
り、底部では端末部を含めて4層が積層接合されて一体
化されてある。頂部においては各層毎に間隙が設けら
れ、それらの間隙には蛇行薄肉テープの共通フィン6が
接着されて熱交換性能を向上せしめる様に構成されてあ
る。適用時には底部の積層部は高温部に接着されて受熱
部として適用され、残余の部分は熱媒流体の対流中に配
置されて放熱部として適用される。対流の流れ方向は多
孔扁平金属管ヒートパイプの渦巻き平面に直交する様流
される。この熱交換器はその幅が扁平金属管コンテナの
幅に依り限定されるから、筒の長さは比較的短いものと
なり、熱交換器全体としては小型のものとなる。大容量
の熱交換能力を必要とする場合は複数個の熱交換器を直
列に連結して使用する。
【0021】
【発明の効果】以上に説明した様に本発明の多孔扁平金
属管ヒートパイプ式熱交換器は従来の通常ヒートパイプ
や蛇行細管ヒートパイプを適用した熱交換器に比較して
材料費用を十分の一以下、加工組立時間を十分の一以下
と画期的なコスト低減を可能ならしめると共に、構造上
純銅パイプを使用せざるを得なかった従来の構成から、
純アルミで構成することを可能ならしめる構成に改善さ
れることに依り大幅な重量減少をも可能ならしめた。更
に高密度フィンの装着が可能になり性能が向上した。ま
た構造的には極めて強靭な構造にすることが可能にな
り、信頼性が大きく向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を構成する基本要素の多孔扁平金属管の
構造を示す斜視図である。
【図2】多孔扁平金属管コンテナの内部構造の一例を示
す平面断面図である。
【図3】多孔扁平金属管コンテナの内部構造の他の一例
を示す平面断面図である。
【図4】図4は本発明の多孔扁平金属管ヒートパイプ式
熱交換器の基本構造及び第一実施例を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明を構成する基本要素のフィン付き多孔扁
平金属管の構造を示す斜視図である。
【図6】本発明の熱交換機における熱交換部の第二実施
例を示す断面図である。
【図7】本発明の熱交換機における熱交換部の第三実施
例及び第四実施例を説明する斜視図である。
【図8】本発明の熱交換機における熱交換部の第五実施
例の一例を示す平面断面図である。
【図9】本発明の熱交換機における熱交換部の第六実施
例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 多孔扁平金属管 2 貫通細孔群 2−1 共通連結管 2−2 蛇行ターン部 3 溶接封止部 4 作動液注入管 5 微細フィン群 6 共通フィン群 C 低温部 H 高温部 AP 平行対流 AR 直交対流
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月13日(2001.2.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 多孔扁平金属管ヒートパイプ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒートパイプの構造に関
するものであり、特に軽金属を素材とし貫通細孔群を有
する可撓性多孔扁平金属管により構成される細径多孔扁
平金属管ヒートパイプの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は細管ヒートパイプ技術の応用で
ありその改善に関する。細管ヒートパイプは従来の二相
凝縮性作動液の相変化応用のヒートパイプとは異なり、
細管内作動液がその表面張力により常に管内を充填閉塞
し、蒸気泡と液滴が交互に管内全体に分散配置され、受
熱部における作動液の核沸騰による圧力波により、蒸気
泡と液滴の軸方向振動を発生し、その振動により熱量を
高温部から低温部に輸送するものであった。この様な作
動原理は本発明者が発明し実用化した特許第18811
22号(ループ型細管ヒートパイプ)、特公平6−97
147号(ループ型細管ヒートパイプ)及び特開平4−
251189号(マイクロヒートパイプ)に詳述されて
ある通りであり、数多くの実施態様にて実用されてい
る。その特徴とする所は通常ヒートパイプが不可能とす
るトップヒートモードにおいても極めて良好な熱輸送特
性を示すことを初めとして、自在に屈曲せしめて使用す
ることが出来る、フィン群の装着を必要としないから全
体的に容積を小さくすることが出来る等実装上の多くの
利点があり、近来の業界の要望として装置の小型化軽量
化の傾向が強まりつつあることにより、その市場は益々
拡大しつつある。
【0003】これらの細管ヒートパイプの応用として実
用化されている最も先進的な技術として特願平5−24
1918号(プレート形ヒートパイプ)がある。これは
厚さ1mmの如き薄肉の金属平板の中に細径トンネルヒ
ートパイプを作り込んだプレート形ヒートパイプであっ
て、極めて薄肉軽量であるにも拘らず効率的に熱量を拡
散せしめたり熱量を輸送せしめたりすることを可能にす
るもので、今後の電子機器等に不可決の新技術として市
場が拡大しつつある。
【0004】この細管ヒートパイプの構成において最も
重要な第一の点は細管の内径が十分に細く、作動液がそ
の表面張力により常に内径を充填閉塞してそのままの状
態で管内を移動するように構成されてあり、細管内は作
動液の蒸気泡と作動液の液滴が自ら交互に配置されて充
満されてあることであり、次に重要な点は細管は高温部
と低温部の間を往復して多数の作動液蒸発部と多数の作
動液凝縮部を有することである。細管ヒートパイプのタ
ーン数が多い程ヒートパイプの性能の重力依存性が少な
くなる特徴がありこれが細管ヒートパイプに優れた特性
を与える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し細管ヒートパイプ
技術はその様な多くの利点を有する反面、高性能を発揮
せしめる為には多くのターン数を必要とし細管群の整列
配置に多くの加工時間を必要とし、この作業は自動化が
困難である為コスト低減に困難さがあった。またフィン
装着の必要性がない利点がある反面ではフィン装着が困
難である為放熱性能の向上に限界が発生し、その対策と
して細管のターン数を増加せしめれば、熱媒流体に必要
以上の圧力損失が増加する等の問題点があった。
【0006】またトンネルプレートヒートパイプは先端
技術に不可欠の新技術ではあるが、その用途は極めて広
いものであり、従来技術のあらゆる部門でその活用に依
る改善が期待されている。然しその製造には、薄肉金属
プレートの片面に精細な蛇行細溝を切削する高度な技
術、この金属プレートの複数枚を積層溶接して細径トン
ネルを内蔵したプレートに構成する高度な技術、等が不
可欠であり、それに起因して最先端高級機器以外には適
用が困難な程に、高価格なプレートになる点が問題点で
あり、他の従来技術に広く適用して技術的改善を実施す
る為には、その大幅なコストダウンの必要性が重要な課
題となっている。
【0007】本発明は各種業界の強い要望に応えて、細
管ヒートパイプ技術の優れた利点を失うことなく、上記
の課題を解決する新規な構成の細径トンネルヒートパイ
プを提供する。
【0008】
【課題を解決する為の手段】近来のプレス押出成型技術
の進歩は目覚ましく、特にアルミ系、マグネシューム系
金属の如き軽量柔軟性金属の押出成型においては長さ方
向に平行並列に整列配置された多数の貫通細孔を有する
テープ状多孔扁平金属管の製作が可能になっている。こ
の貫通細孔の直径は0.9mm以下に細径化することが
可能であり、僅かに幅20mm以下、厚さ1.3mm以
下のテープ状扁平管の中に20本の貫通細孔を設けるこ
とも可能になっている。更にその長さは数100mの長
さに成型することが可能である。この様な多孔扁平金属
管は薄肉であり且つ軽金属の押出成型品であるから極め
て可撓性に富み、自在に屈曲せしめて使用することが出
来る。本発明はこの様な軽量柔軟性のテープ状多孔扁平
金属管を用いて構成することにより、細管ヒートパイプ
に比較して、大幅なコスト低減及び大幅な性能向上を可
能にし従来の問題点を解決すると共に適用に際しての機
能の選択幅の広い軽量柔軟性のテープ状多孔扁平金属管
を提供する。
【0009】上述の如き貫通細孔群を有する多孔扁平金
属管は細管ヒートパイプの形成に最適である。即ち貫通
細孔群で形成されるトンネル群はそれらの両端末部が扁
平金属管の両端末部の溶接封止部に近接する部分におい
て全て共通連結管により連結されて、細孔群の両端を封
止し密閉トンネルとし、そのトンネルの内容積に未満の
所定量の作動液を真空封入し、細径トンネルヒートパイ
プを構成する。
【0010】図1は本発明の問題点解決の手段として用
いられる多孔扁平金属管の構造を示す斜視図である。1
は多孔扁平金属管であり、プレス押出成型にて形成さ
れ、その幅は数mmから80mmの範囲に成型され、そ
の厚さは1mmを最低限として数mmの厚さまで製作す
ることが可能であり且つ一条の長さは数100mのもの
も製作が可能である。上下両表面の平滑度は直接半導体
発熱素子を搭載することも可能であり、または各種フィ
ン群を装着することも可能な程度に十分に平滑である。
これらの各条件は細管ヒートパイプ熱交換器の構成に必
要な条件の全てをカバーするものである。2は多孔扁平
金属管1を全長に亙り貫通する細孔の群である。一例と
して多孔扁平金属管の厚さを2mmとした場合の各細孔
間の間隔は0.3mmを最小限として任意に設定するこ
とが出来るが、ヒートパイプを構成した場合の各種性能
を向上せしめる為には出来るだけ小さいことが望まし
い。2の断面積は幅0.5mm深さ0.5mmを最小限
として任意に設定することが出来るが、端末処理の難易
を考慮すれば幅0.6mm深さ0.6mm以上とするこ
とが望ましい。多孔扁平金属管の素材を純アルミとし、
この扁平金属管の幅を19mm、厚さを1.3mm、貫
通孔の幅を0.6mm、深さを0.7mm、貫通孔の数
を19本、とした時の多孔扁平金属管の対内圧強度は2
00Kg/cm2と算出されている。この耐内圧強度は
同一の内部断面積を有する従来の円筒形ヒートパイプの
10倍にも達する強度であって、作動液として用いられ
るあらゆる種類の二相流体の適用温度範囲を大幅に拡大
すると共に、その適用に際しては熱交換器の負荷熱量の
変動に対して十分な安全率を与えることが出来る。
【0011】図2は本発明のヒートパイプに於ける扁平
管コンテナを構成する為の準備工程に於ける多孔扁平金
属管の内部構造を示す平面断面図である。面図簡略化の
ため貫通細孔は全て線図で示してある。図2においては
貫通細孔群2で形成されるトンネル群はそれらの両端末
部が扁平金属管1の両端末部の溶接封止部3に近接する
部分において全て共通連結管2−1により連結されて、
トンネル群は全て並列配置されてある。
【0012】図3は本発明の多孔扁平金属管ヒートパイ
プの基本応用構造及び第一実施例を示す斜視図である。
図において多孔扁平金属管1は蛇行屈曲せしめられて高
温部(熱吸収部)Hと低温部(放熱部)Cの間を多数回
の往復を繰り返すよう構成されてある。矢印ARは平面
に直交する熱媒流体の流れ方向を示している。多孔扁平
金属管1に内蔵される多数の貫通細孔群2にはその内容
積に未満の所定の作動液が封入されて多孔扁平金属管2
は多孔扁平金属管ヒートパイプになっている。多孔扁平
金属管ヒートパイプは貫通細孔群2が図2の如く結合連
結されてある種類のものである。その要求されるヒート
パイプの性能は熱輸送量を多くすることに重点を置くも
のである。図2は管内圧力損失が少ない並列多数本の細
径トンネルヒートパイプを内蔵することになるから最大
熱輸送量の大きなヒートパイプが形成される。
【0013】
【作用】以上の如く形成された本発明の多孔扁平金属管
ヒートパイプ式熱交換器には以下の如き作用がある。 (1) 軽金属の多孔扁平金属管はプレス押出成型によ
り1工程で一挙に形成されるから、圧延工程、多段階引
抜き工程、焼鈍工程等の多数の工程を経て形成される通
常金属の細管に比較して大幅にコストが低下し、更に多
孔扁平金属管の1本は細管の約20本に相当するトンネ
ルを内蔵するからコスト低減効果は極めて大きなものと
なる。基本的構造の熱交換器の場合、従来のヒートパイ
プで構成した場合に比較して材料コストを約十分の一に
低下させる効果がある。(但し幅20mmの多孔扁平金
属管にて試算した場合) (2) 多数本の細管に相当する多孔扁平金属管の採用
により細管の整列配置の為の加工時間を約十分の一に短
縮することが出来る。この細管の整列配置時間は熱交換
器製作時間の大半を占めているから熱交換器のコスト低
減効果は極めて大きなものとなる。 (3) ヒートパイプ式熱交換器は構造が複雑で溶接加
工が困難なことに起因して、従来は純銅細管を使用せざ
るを得なかったが、多孔扁平金属管の採用により純アル
ミを主体とする軽金属を適用することが可能になり熱交
換器の重量を大幅に低下させることが可能になった。 (4) 従来の細管は平面状に整列配置せしめても表面
の凹凸は避けられず、受放熱部における熱量の授受を容
易にする為には、受放熱板を接合介在せしめて構成する
必要があった。多孔扁平金属管はその両表面が平滑な平
面状であるから受放熱板を接合介在せしめる必要がな
く、発熱体に直接装着したり、発熱素子を多孔扁平金属
管に直接搭載することが可能になり、構成が簡素化さ
れ、組立加工時間の短縮、重量軽減等の効果が極めて大
きい。 (5) 軽金属製の多孔扁平金属管は銅細管やステンレ
ス細管に比較して極めて可撓性が大きく、柔軟性に富む
から、希望する形状に曲げ加工して使用することが出来
る。更に完成品の矯正再加工も容易であるから設計上の
自由度が高い利点もある。 (6) 多孔扁平金属管は熱媒流体の所望する流れ方向
に対して圧力損失が極めて少なくなるよう扁平面を保持
して配列することが出来るからヒートパイプの性能を向
上させることが出来る。 (7) 多孔扁平金属管ヒートパイプの扁平管コンテナ
の群はそれら各々の断面が扁平であること、対流の流れ
方向に対して扁平面に所望の角度を与えるよう自在に捩
じりを与えることが出来ること、により対流の流れ方向
を変更したり、整流作用を与えたりして、熱交換機の機
能を調整することが出来る。また熱交換器は宿命として
対流の上流側で熱交換効率が良く、下流側で熱交換効率
が低下することが避けられない。然し本発明の熱交換部
では、扁平管コンテナに捩じりを与えることに依り流れ
方向を制御したり、新鮮熱媒流体を下流側に導入するこ
とが可能になるから、上流下流の熱交換効率を均一化す
ることを可能ならしめる。 (8) 細管ヒートパイプはフィン群を装着する必要な
く適用出来る利点はあるものの、その反面放熱フィン群
を装着することは殆ど不可能で、その為に熱交換性能に
限界があった。多孔扁平金属管ヒートパイプはフィンの
装着無しに熱交換手段として使用出来る利点があるだけ
でなく、更に放熱フィン群を装着することが容易である
から、適切なフィン群を装着することにより、熱交換性
能を極限まで向上せしめることが出来る。実験値によれ
ば多孔扁平金属管ヒートパイプは放熱フィン群の装着に
より細管ヒートパイプに比較して同一熱交換容積で2倍
以上の熱交換能力を発揮せしめることが可能であるとさ
れている。 (9) 純アルミ製の多孔扁平金属管ヒートパイプは貫
通細孔が極めて細いことに依り耐内圧力が強化されてあ
り、200kg/cm2の高内圧にも耐えることが出来
るから、通常ヒートパイプの耐内圧強度が20kg/c
m2であるのに比較して高圧作動液に対して十分な安全
率で適用することが可能であり、更に各種作動液につき
その臨界条件近く迄使用することが可能である。従って
ヒートパイプの使用温度範囲を大幅に拡大せしめること
が出来る。
【0014】
【実施例】[第一実施例] 図4の斜視図は本発明の基
本構造を示すとともに第一実施例をも示している。本実
施例における多孔扁平金属管ヒートパイプ1は図の如く
同一平面状でターン部毎に反転を繰り返す通称サーペン
タイン形に屈曲せしめられてあり、高温部Hと低温部C
の間を往復を繰り返して蛇行せしめられてある。この場
合は作動液は細管ヒートパイプの原理により高温部にお
ける核沸騰を引き起こしその圧力波によりトンネル内で
軸方向の振動を発生しこれにより高温部から低温部に向
かって熱量を効率的に輸送する。即ち高温部と低温部の
間においては多孔扁平金属管ヒートパイプ1を介して効
率的に熱交換がなされる。貫通細孔群2の連結方式とし
て図2の方式を採用した場合には最大熱輸送能力が増加
し、図3の方式を採用した場合には重力依存性が無くな
り、如何なる適用姿勢でも良好に作動し、振動や遠心力
の作用による性能悪化が発生しない点は基本構造で説明
した通りである。矢印は熱媒流体の対流方向を示し、こ
の実施例においては平面に対する直交対流ARに対し極
めて圧力損失が少なく良好な熱交換がなされる。これは
多孔扁平金属管ヒートパイプ1の扁平構造による効果で
ある。
【0015】
【発明の効果】以上に説明した様に本発明の多孔扁平金
属管ヒートパイプは従来の通常ヒートパイプや細管ヒー
トパイプに比較して材料費用を十分の一以下、加工組立
時間を十分の一以下と画期的なコスト低減を可能ならし
めると共に、構造上純銅パイプを使用せざるを得なかっ
た従来の構成から、純アルミで構成することを可能なら
しめる構成に改善されることに依り大幅な重量減少をも
可能ならしめた。更に高密度フィンの装着が可能になり
性能が向上した。また構造的には極めて強靭な構造にす
ることが可能になり、信頼性が大きく向上した。さら
に、作動液の振動を主たる熱量輸送の手段としているこ
とから大容量の熱を従来より素早く移送することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を構成する基本要素の多孔扁平金属管の
構造を示す斜視図である。
【図2】多孔扁平金属管コンテナの内部構造の一例を示
す平面断面図である。
【図3】本発明の多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換
器の基本構造及び第一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 多孔扁平金属管 2 貫通細孔群 2−1 共通連結管 2−2 蛇行ターン部 3 溶接封止部 4 作動液注入管 5 微細フィン群 6 共通フィン群 C 低温部 H 高温部 AP 平行対流 AR 直交対流
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽金属を素材とし、長さ方向に平行並列
    に整列配置された多数の貫通細孔を有する長尺の可撓性
    扁平金属管、または同じ構造の可撓性扁平金属管の管外
    周に微細フィン群が形成され或いは装着されてある長尺
    の可撓性扁平金属管、の何れかにおける、その両端末が
    溶接密閉され、これにより形成される密閉細径トンネル
    群は所定の手段により相互に連結されてあり、これらの
    密閉細径トンネル群内にはその内容積に未満の所定量
    の、所定の二相凝縮性作動液が真空封入されて、ヒート
    パイプとして構成されてある、可撓性扁平金属管ヒート
    パイプにより構成された熱交換器であって、この可撓性
    扁平金属管ヒートパイプは螺旋形状をも含む蛇行形状に
    再成形されて、これにより高温受熱部と低温放熱部の間
    を往復蛇行せしめられてあり、作動液の核沸騰発生部群
    と作動液蒸気の凝縮部群を有し、作動液の振動を主たる
    熱量輸送の手段とする熱交換装置として構成されてある
    上述の可撓性多孔扁平金属管ヒートパイプを主たる構成
    要素として構成されてあることを特徴とする多孔扁平金
    属管ヒートパイプ式熱交換器。
  2. 【請求項2】 再成形された蛇行形状の可撓性扁平金属
    管ヒートパイプが、高温部と低温部の間を往復蛇行して
    構成される熱交換部の、扁平金属管コンテナの扁平面が
    相互に平行になっている部分に、相互の面に共通のフィ
    ン群が装着されて構成されてあることを特徴とする請求
    項1に記載の多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器。
  3. 【請求項3】 再成形される蛇行形状は、同一平面内で
    蛇行するサーペンタイン形蛇行形状であり、熱交換の為
    の熱媒流体の流れは蛇行平面に直交する流れであること
    をことを特徴とする請求項1に記載の多孔扁平金属管ヒ
    ートパイプ式熱交換器。
  4. 【請求項4】 再成形される蛇行形状は、所定のピッチ
    で所定の方向に螺旋状に巻回された螺旋形蛇行形状であ
    り、熱交換の為の熱媒流体の流れは螺旋状巻回の軸心に
    平行する流れであるか、螺旋状巻回の軸心に直交する流
    れであるかの何れかであることを特徴とする請求項1に
    記載の多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器。
  5. 【請求項5】 再成形される蛇行形状は、所定のピッチ
    で所定の方向に螺旋巻回されて所定の形状の筒型熱交換
    部を形成する螺旋形蛇行形状であり、放熱の為の熱媒流
    体の流れの方向は螺旋中心軸に平行する流れであること
    を特徴とする請求項1に記載の多孔扁平金属管ヒートパ
    イプ式熱交換器。
  6. 【請求項6】 再成形される蛇行形状は、同一平面内で
    蛇行するサーペンタイン形蛇行形状であるか、所定のピ
    ッチで所定の方向に螺旋状に巻回された螺旋形蛇行形状
    であるかの何れかであり、それらが形成される多孔扁平
    金属管コンテナ群は所定の熱媒流体の対流の中に整列配
    置されてあり、その多孔扁平金属管コンテナの所定のコ
    ンテナの所定の部分には捩じりが与えられて、そのコン
    テナの扁平面には熱媒流体の流れ方向に対して所定の角
    度が与えられてあり、熱媒流体の流れ方向は扁平面に依
    り所定の方向に変換されるよう構成されてあり、熱媒流
    体の基本的な流れ方向は、蛇行平面または螺旋形の軸心
    に平行な流れであるか、または蛇行平面または螺旋形の
    軸心に直交する流れであるかの何れかであることを特徴
    とする請求項1に記載の多孔扁平金属管ヒートパイプ式
    熱交換器。
  7. 【請求項7】 再成形される蛇行形状は、所定の方向の
    うず巻形に巻回されて形成される所定の形状の多層筒型
    熱交換部であって、放熱の為の熱媒流体の流れの方向は
    うず巻平面に直交する流れであることを特徴とする請求
    項1に記載の多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器。
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