JP2001265157A - 電子写真プリンタの定着装置 - Google Patents

電子写真プリンタの定着装置

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JP2001265157A
JP2001265157A JP2000072137A JP2000072137A JP2001265157A JP 2001265157 A JP2001265157 A JP 2001265157A JP 2000072137 A JP2000072137 A JP 2000072137A JP 2000072137 A JP2000072137 A JP 2000072137A JP 2001265157 A JP2001265157 A JP 2001265157A
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Japan
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temperature
heat roller
control
thermistor
fixing
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JP2000072137A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yajima
弘之 矢島
Tatsuya Murakami
龍也 村上
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Data Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コピー機並みの40PPM乃至50PPM程
度の印刷速度に対応して定着動作が可能な電子写真プリ
ンタの定着装置を提供する。 【解決手段】 サーミスタ1は、最大印刷領域の外側B
点に配設されていて、ヒートローラ2のコーティング表
面に当接して温度制御を行なう第1の温度検知手段を構
成する。サーミスタ3は、ヒートローラ2の中央部付近
に非接触に配設されていて、ヒートローラ2とは約1m
m程度のギャップが設けられている第2の温度検知手段
である。ヒートローラ2の内部には、熱源としてハロゲ
ンランプ4,5が2本組み込まれている。このうち、ハ
ロゲンランプ4は印刷領域全体に対応する有効長の発光
領域を有する幅広用紙印刷用の加熱源、ハロゲンランプ
5はA4縦置き時の幅(約210mm)の発光領域を有
する幅狭用紙印刷用の加熱源である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真プリン
タの定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プリンタでは、加熱されたヒー
トローラと、このヒートローラに圧接対向するバックア
ップローラとから構成されるローラ定着手段が使用され
る。このローラ定着手段では、加熱及び加圧された一対
のローラ(ヒートローラとバックアップローラ)によっ
て転写紙を加熱して、その表面に形成されている未定着
トナー画像を瞬間的に定着させる。このようなローラ定
着手段を用いた定着装置は熱効率が非常によく、他の定
着方法と比較して定着速度の高速化が容易であるなど、
数多くの利点を備えている。そのため、最近の電子写真
プリンタではローラによる定着方式が主流となってい
る。
【0003】図2は、従来のヒートローラを用いた定着
手段の構成を示す側面図である。50はヒートローラ、
51は硬度の低いシリコンゴムからなるバックアップロ
ーラ、52は定着後にヒートローラ50から転写紙を分
離するための分離爪である。バックアップローラ51
は、その回転軸両端が嵌合する軸受60を介して加圧ス
プリング55によりヒートローラ50と圧接対向してい
る。
【0004】通常、ヒートローラ50はアルミニウムの
金属パイプからなり、ローラ表面が未定着の卜ナー画像
と直接に触れることから、転写紙の表面トナーに対して
十分な剥離性を有するように、ローラ表面にはフッ素樹
脂(テフロン(登録商標)コーティング)などの非粘着
性を有する物質により被覆加工されている。分離爪52
は、印刷できる許容用紙サイズに応じて、ヒートローラ
50の軸方向に複数個(4〜6個程度)設けられ、図示
しない手段により定着器カバ−53に対して回動自在に
保持されるとともに、圧縮コイルスプリング54により
ヒートローラ50の周面に適度な押圧力をもって当接し
ている。
【0005】56は、ヒートローラ50の内部に組み込
まれたヒータ(例えば、ハロゲンランプなど)であっ
て、このヒータ56に通電してヒートローラ50を加熱
している。ヒートローラ50の表面上には温度制御用の
サーミスタ57が摺擦しており、このサーミスタ57に
よりヒートローラ50の温度が制御され、定着温度を一
定温度に保つことができる。また、58はシリコンオイ
ルを含浸させたクリーニングフェルトであって、このク
リーニングフェルト58もヒートローラ50の表面上に
摺擦している。このクリーニングフェルト58はヒート
ローラ50の表面のオフセットトナーを除去する機能を
有していて、転写紙59上の表面トナーに対するヒート
ローラ50の剥離性を長期にわたって維持することによ
り、ヒートローラ50に摺擦しているサーミスタ57に
オフセットトナーが付着堆積することを防いでいる。
【0006】以上の構成からなる定着装置では、未定着
トナーを表面に有する転写紙59に、ヒートローラ50
とバックアップローラ51の間を通過する際に、熱と圧
力とが加えられてトナー像が融着される。
【0007】図3は、定着装置におけるサーミスタと転
写紙の位置関係を示す平面図である。通常の定着装置で
は、転写紙はセンタ振り分けで走行し印刷される構成と
なっているので、温度制御用のサーミスタ57は印刷で
きる許容用紙サイズの最小用紙幅領域内、例えばヒート
ローラ50のセンタ位置の近傍A点に配設される。この
ような定着装置では、通紙によってヒートローラ50の
表面温度が低下すること、またヒートローラ50の中
央、すなわちセンタ位置付近で温度が最も高くなる傾向
にあることから、すべての種類の転写紙が通過する領域
内にサーミスタ57を配設した方が、温度制御が容易と
なるからである。ここでは、最小用紙幅をA6(ハガキ
相当)とする。
【0008】ところで、上記構成の定着装置では温度制
御が容易である反面、サーミスタ57が用紙の印刷領域
内にあり、かつヒートローラ50の表面に摺擦してい
る。そのため、クリーニングフェルト58が設けられて
いるとはいえ、サーミスタ57のヒートローラ50との
摺擦面にトナーが付着堆積しやすく、付着堆積したトナ
ーによりヒートローラ50表面のコーティング層が早期
に摩耗し、その剥離性が低下して印刷品位を落とす。ま
た、付着堆積したトナーは、ヒートローラ50の回転に
より持ち去られて、それが転写紙上に再転写されて印刷
品位を低下させたり、温度制御を不安定にする原因とな
る。
【0009】また、シリコンオイルを含浸させたクリー
ニングフェルト58は定期的な交換が必要であるが、そ
れが寿命になっても継続使用されるような場合には、ク
リーニングフェルト58で回収したトナーがヒートロー
ラ50の回転により持ち去られ、転写紙にオフセットさ
れて印刷品位を低下させる。さらには、クリーニングフ
ェルト58が定期交換部品であるが故に操作性が悪く、
ランニングコストがかさむという問題点もあった。
【0010】こうした問題点を考慮して、サーミスタ5
7の配設位置を最小用紙幅領域内のA点ではなく、図3
に示す印刷領域外の位置、即ち最大用紙幅領域の外側の
B点に配置することにより、クリーニングフェルトを必
要としない定着装置がすでに提案されている。しかしな
がら、サーミスタ57の配設位置を印刷領域外に配置し
た定着装置で幅狭用紙を連続的に印字させた場合は、用
紙が通過する中央部から離れたヒートローラ50のB点
での温度低下が少なく、それに比較して中央部での温度
低下が顕著となって、良好な定着性を確保できなくな
る。そこで、用紙カセットの選択に対応して設けられ
た、後述する用紙サイズ検出手段から供給される印刷用
紙のサイズデータ、或いはオペレータが操作パネルから
入力するサイズデータを予め検出して、用紙サイズに応
じた定着温度制御に切り替えて、定着不良を防止するよ
うにしていた。
【0011】図4は、従来の定着温度制御を行なうため
の回路構成を示すブロック図である。ここでは、用紙サ
イズ検出スイッチ61などにより検出された用紙サイズ
情報、或いは操作部パネル62からのオペレータ入力に
より印刷される用紙のサイズ情報が、制御部CPU63
に入力される。制御部CPU63は、プログラムROM
64にあらかじめ設定された、各用紙サイズに応じた定
着温度制御プログラムを読み出して、定着温度制御回路
65へ送信する。定着温度制御回路65では、プログラ
ムROM64からの情報を信号に変換して、ヒータ駆動
回路66へ送信するとともに、サーミスタ57を介しヒ
ータ56の温度を監視し、ヒータ56へのAC電圧供給
をON/OFFすることにより温度制御を行う。ヒータ
駆動回路66は、定着温度制御回路65からの信号によ
りAC電圧をヒータ56に供給し、ヒートローラ50
(図2)を加熱する。
【0012】しかしながら、上記の定着温度制御方法
は、定着温度設定の信頼性に欠け、操作性もきわめて悪
いなど、技術的に満足できるものではなかった。何故な
らば、印刷される用紙のサイズは認識できても、その厚
さまでは検出することができないし、オペレータ入力に
よる場合でも、操作部パネル62から厚さに対応した定
着温度設定を選択させるなどの必要があるためである。
言い換えれば、同一サイズの用紙であっても、用紙連量
45kg程度からハガキなどの連量135kg以上のも
のまで、各種の用途に応じて用紙の厚さは異なるし、そ
のうえ、特に幅狭の厚紙用紙に印刷デューティの高いパ
ターンを連続で印刷した場合には、ヒートローラ中央部
での温度低下が顕著となって、良好な定着性が得られな
いなどの問題点があった。
【0013】近年になって印字できる許容用紙幅が大き
くなって、A3の用紙にトンボ(印刷位置を示す目印)
が付けられ、従来のA3用紙より一回り大きい用紙に印
字を行なう場合などもある。そのため、温度制御するサ
ーミスタの配設位置を用紙の印刷領域外とした場合に
は、幅狭用紙を連続的に印字すると、前述の通り用紙が
通過する中央部から離れた位置でのサーミスタによる検
出温度は低下することなく、中央部のみで温度低下がま
すます顕著となるなど、良好な定着性を確保することが
難しくなっている。その上、印刷媒体の多様化からフロ
ントフィーダを使用して厚さ0.2mm以上の厚い用紙
の印刷の要求も多く、良好な定着性を確保するための温
度制御が難しくなってきている。
【0014】図5は、従来のヒートローラの温度分布を
示す図である。図の横軸下側に示すように、温度制御に
用いるサーミスタ57はヒートローラ50の印刷有効領
域の外側(左端部のB点)に配設されている。グラフ中
で破線にて示す温度分布曲線は、待機時(印刷待ちのス
タンバイ状態)での温度分布曲線である。この曲線は、
ヒータ56を構成するハロゲンランプの配光特性、即ち
発熱部分布状態により若干変化するが、通常では待機時
制御温度T11に対して中央部(C点)で最も温度が高い
山なりの温度分布となる。実線で示す温度分布曲線は、
連続印字時のヒートローラ50の、飽和した温度分布曲
線である。この曲線は、ヒートローラ50の中央部付近
での温度Tcが最も低くなっており、連続印字時のサー
ミスタ57による制御温度T12に対して、(T12−T
c)だけ温度が低下している。
【0015】つぎに、従来の電子写真プリンタによる定
着温度制御について説明する。一般に例えばハガキ、封
筒などのように用紙厚が厚く、かつ用紙幅が狭くなれば
なるほど、上述した温度低下(T12−Tc)が顕著とな
り、良好な定着性を確保することが難しくなる。また、
省エネルギー及び装置内部の温度上昇防止のために、上
述した待機時制御温度T11は印字制御温度T12より低く
設定されており、制御温度は印刷起動時に速やかにT11
からT12に上昇するように温度制御される。
【0016】図6(A)は、従来の定着装置におけるヒ
ートローラ表面の温度変化を示す図,同図(B)はヒー
タのオンオフ状態を示す図である。同図(A)で横軸
(時間軸)の下方に示すように、ここでは準備状態から
待機状態を経て、連続印字に至る過程における定着装置
の温度制御状態となっている。図中、実線で示す温度曲
線は図5に示す温度制御位置であるサーミスタ部B点で
の温度変化、一点鎖線で示す温度曲線は中央部C点での
温度変化、破線で示す温度曲線は最大印刷有効領域の右
端部近傍D点の温度変化である。
【0017】以下に、この図6により従来の温度制御の
一例を説明する。メインスイッチをONすると同時にヒ
ータの通電が開始され、待機温度T10に到達するまで通
電したあと、印刷起動がかかるまでヒータがON/OF
F動作を繰り返すことで、ヒートローラはこの待機温度
T10の近傍温度で制御される。時刻tpでプリント信号
が入り印刷起動がかかると、ヒートローラの設定温度が
待機温度T10より高い制御温度T20に切り替えられる。
これにともなってヒータが連続点灯して、ヒートローラ
の表面温度は上昇する。時刻tqで所定の温度T20に達
した後、制御温度T20の前後で温度制御が行われる。な
お、印刷起動がかかってから制御温度T20に達するまで
の時間to(=tp−tq)は、印刷起動がかかってか
ら転写紙の先端がヒートローラに達するまでの時間と等
しいか、短いことが必要である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、転写紙の
先端がヒートローラに達するまでに、良好な定着性を確
保するために必要な制御温度T20に達していることが望
ましい。中央部C点、及び右端部のD点でのヒートロー
ラ表面温度も、印刷起動がかかると上昇し、時刻tq以
降では連続印字により徐々に温度低下して、やがて飽和
温度に達する。この際の中央部C点での制御温度Tcに
対する温度低下(−Δt=T20−Tc)は、前述の通り
用紙厚が厚い幅狭用紙ほど大きく、場合によっては待機
制御温度T10を下回る温度になるため、連続印字時には
良好な定着性が得られないという問題が生じていた。
【0019】そこで、幅狭用紙への印刷指令があった場
合には、待機制御温度を連続印字時の温度低下分を見込
んで、従来の設定温度より高い値に設定して、この問題
を回避することも考えられている。しかし、待機時間が
長いと、プリンタ装置の内部温度が上昇して、現像器の
トナーに対して悪影響を与えたり、ヒートローラやバッ
クアップローラなどが劣化して、装置の寿命が短くな
る。また、印字初期の設定温度が高くなるために、用紙
にしわが発生しやすくなるなどの問題もあった。さら
に、連続印刷時のサーミスタ制御温度を徐々に段階的に
上げていくことにより、中央部の温度低下を防止する方
法も試みられている。しかし、幅狭用紙を連続で印刷す
る場合に、通紙領域の外であって、温度低下が極めて少
ないヒートローラの両端部の温度が急激に上昇してしま
うという問題があった。
【0020】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、その目的は、コピー機並みの4
0PPM乃至50PPM程度の印刷速度に対応して定着
動作が可能な電子写真プリンタの定着装置を提供するこ
とである。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電子写真
プリンタの定着装置は、電子写真プリンタの全印刷領域
に対応する有効長を有する第1の加熱源、及び第1の加
熱源より短い有効長を有する第2の加熱源を含むヒート
ローラと、前記ヒートローラと印刷領域外の端部で接触
するように配設され、温度を検知する第1の温度検知手
段と、前記ヒートローラに近接して印刷領域の中央部で
非接触に配設され、温度を検知する第2の温度検知手段
と、前記第1、第2の温度検知手段で検知された温度に
基づいて前記ヒートローラの温度を制御する温度制御手
段とを備えたものである。
【0022】また、この発明に係る電子写真プリンタの
定着装置では、前記温度制御手段は、印刷待機時には、
前記第1の温度検知手段で検知された温度に基づいて温
度制御し、幅狭用紙の連続印刷が指令された時には、前
記第2の温度検知手段で検知された温度に基づいて温度
制御するものである。
【0023】また、この発明に係る電子写真プリンタの
定着装置では、前記温度制御手段は、幅狭用紙の連続印
刷時には、第2の加熱源を優先してオンして前記ヒート
ローラを加熱し、前記ヒートローラの端部での温度が限
界温度以下に低下した場合に前記第1の加熱源を同時に
オンするものである。
【0024】また、この発明に係る電子写真プリンタの
定着装置は、前記第2の温度検知手段の前記ヒートロー
ラに対するギャップの大きさを、前記第1、第2の温度
検知手段で検知された温度、及び予め実測された前記ヒ
ートローラの表面温度から推測して、前記ヒートローラ
の定着制御温度を補正する定着制御プログラムを備えた
ものである。
【0025】さらに、この発明に係る電子写真プリンタ
の定着装置は、前記第2の温度検知手段で検知された温
度のリップル幅に基づいて、温度変化のリップル幅を求
め、該リップル幅に応じて、前記ヒートローラの定着制
御温度を補正するリップル補正プログラムを備えたもの
である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
この発明の実施の形態について説明する。
【0027】実施の形態1.図1は、実施の形態1に係
るヒートローラとハロゲンランプの実装位置関係を示す
正面断面図である。
【0028】サーミスタ1は、最大印刷領域(ここでは
A3ノビ印刷領域)の外側、例えば図1で左端部近傍の
B点に配設されていて、ヒートローラ2のコーティング
表面に当接して温度制御を行なう第1の温度検知手段を
構成するものである。サーミスタ3は、ヒートローラ2
の中央部付近に非接触に配設されていて、ヒートローラ
2とは約1mm程度のギャップが設けられている第2の
温度検知手段である。ヒートローラ2の内部には、熱源
としてハロゲンランプ4,5が2本組み込まれている。
このうち、ハロゲンランプ4は印刷領域全体に対応する
有効長の発光領域を有する幅広用紙印刷用の加熱源(第
1の加熱源)、ハロゲンランプ5はA4縦置き時の幅
(約210mm)の発光領域を有する幅狭用紙印刷用の
加熱源(第2の加熱源)である。なお、定着装置全体の
構成は、図2に示す従来装置のものと同様である。
【0029】図7は、実施の形態1に係る定着装置にお
ける定着温度制御を行なうための回路構成を示すブロッ
ク図である。ここでは、図4の従来装置の場合と同様、
用紙サイズ検出スイッチ11、操作部パネル12、制御
部CPU13、プログラムROM14、定着温度制御回
路15、ヒータ駆動回路16、及び定着装置17から構
成されている。定着温度制御回路15では、プログラム
ROM14からの情報を信号に変換し、ヒータ駆動回路
16へ送信して2本のハロゲンランプ4,5の発光制御
を行うと共に、接触/非接触の2個のサーミスタ1,3
を介しヒートローラ2の温度を監視し、ヒータ駆動回路
16によりAC電圧供給をON/OFFして温度制御を
行うものである。
【0030】図8は、実施の形態1に係るヒートローラ
による定着温度制御の様子を示す図であって、この図8
によりヒートローラ表面の温度変化について、以下に詳
細に説明する。
【0031】図8(A)はヒートローラ表面の温度変化
を示しており、同図(B)にはそれぞれ幅広用ハロゲン
ランプ4、幅狭用ハロゲンランプ5のオンオフ状態を示
している。ここでは、図6の場合と同様に、準備状態か
ら待機状態を経て、連続印字に至る過程における定着装
置の温度制御状態を示している。図中、実線で示す温度
曲線は図1における温度制御位置である非接触型のサー
ミスタ3による検出温度、一点鎖線で示す温度曲線は非
接触型のサーミスタ3の実装位置(ヒートローラ中央
部)におけるヒートローラ2の表面温度、破線で示す温
度曲線は接触型のサーミスタ1による検出温度、即ちサ
ーミスタ1の実装位置であるヒートローラ左端部におけ
るヒートローラ2の表面温度である。
【0032】また、図8(A)の縦軸には、それぞれヒ
ートローラ2の左端部での待機温度T0、中央部での待
機温度T1、非接触型のサーミスタ3による検出温度T
2、印刷起動後の非接触型のサーミスタ3での制御温度
T3、良好な定着性を確保するために必要な中央部での
制御温度T4、及びヒートローラ2の左端部での限界温
度T5が示されている。
【0033】最初に、メインスイッチがONされると、
それと同時にヒータ(ハロゲンランプ4,5)への通電
が開始される。これによりヒートローラ2は昇温され、
接触型のサーミスタ1での検知温度が所定の待機温度T
0に到達する。このとき、立ち上げから待機状態までの
準備状態での温度制御は、ヒートローラ2の左端部に配
置された接触型のサーミスタ1で行なわれる。発光させ
るヒータには、立ち上げ直後のみ2本のハロゲンランプ
4,5が使用される。その後、ヒートローラ2の温度が
上昇するとともに、温度上昇時のオーバーシュート発生
を防止するために、幅狭用ハロゲンランプ5がΟFFさ
れる。なお、オーバーシュートを少なくし、かつ立ち上
げ時のウォームアップ時間を短くするためには、これら
のハロゲンランプ4,5の電力やヒートローラ2の熱容
量に応じた最適な時間だけ、2本のハロゲンランプ4,
5を同時発光させればよい。この時間は、実験的に決定
されるものである。
【0034】次に、準備状態から待機状態に移行する
と、ヒートローラ2の中央部では左端部の待機温度T0
よりやや高い待機温度T1に維持されるが、その温度は
準備状態と同様にサーミスタ1によって制御される。こ
の温度差(T1−T0)は、ハロゲンランプ4によって
加熱されたヒートローラ2の中央部と左端部との実際の
温度差に相当する。ヒートローラ2は、その中央部で温
度が最も高い山なりの温度分布となるが、非接触型のサ
ーミスタ3がヒートローラ2に対して約1mmのギャッ
プを設けて配設されているため、ヒートローラ2の中央
部での検出温度は、ヒートローラ2の実際の表面温度T
1より低い温度T2として検出される。
【0035】次に、待機状態で幅狭用紙の連続印刷の起
動がかかると、ヒートローラ2の中央部に配置された非
接触型のサーミスタ3による温度制御が行なわれる。立
ち上げ後から待機状態までの温度制御は接触型のサーミ
スタ1で行われたが、連続印刷では、図7に示す用紙サ
イズ検出スイッチ11により、或いは操作部パネル12
からのオペレータ入力により、A4縦置き幅以下の用紙
サイズが検出された場合、制御部CPU13における温
度制御は、中央部の非接触型のサーミスタ3で検出され
た温度に基づいて実行される。
【0036】図8に戻って、時刻tpで制御部CPU1
3にプリント信号が入り、待機状態が終わって印刷起動
がかかると、ヒートローラ2左端部の接触型のサーミス
タ1から、中央部の非接触型のサーミスタ3による温度
制御に移行するとともに、制御部CPU13は、プログ
ラムROM14にあらかじめ設定された、各用紙サイズ
に応じた定着温度制御プログラムを読み出して、定着温
度制御回路15へ送信する。ここで、非接触型のサーミ
スタ3の制御温度が、それまでの検出温度T2より高い
制御温度T3に切り替えられる。また、印刷用紙が幅狭
用紙(A4タテ以下)のプリント信号であれば、幅広用
ハロゲンランプ4を消灯して、幅狭用ハロゲンランプ5
のみを点灯する。これによりヒートローラ2の表面温度
が上昇して、時刻tqで所定の制御温度T3に達した後
も、非接触型のサーミスタ3により同じ制御温度T3の
前後で温度制御を行う。この時、ヒートローラ2の中央
部における実際の表面温度は、待機温度T1からT4ま
で上昇し、この温度T4の前後で表面温度が推移するよ
うに制御される。
【0037】ここで、定着装置で良好な定着性を確保す
るためには、転写紙の先端がヒートローラ2に達するま
でに、ヒートローラ2が所定の制御温度T4(T3)に
達していることが望ましい。そのためには、印刷起動が
かかってから制御温度T3に達するまでの時間t0(=
tp−tq)は、印刷起動がかかってから転写紙の先端
がヒートローラ2に達するまでの時間と等しいか、短い
ことが必要である。この実施の形態1では、印刷起動後
に制御温度をT2からT3に(ヒートローラの表面温度
はT1からT4に)、上昇させている。あらかじめ待機
温度T1を印刷時の適正温度T4に等しく設定した場合
(T1=T4)には、サーミスタ3での検出温度を制御
温度T3に一致させればよい。この方法は、電子写真プ
リンタの印刷速度が速く、転写紙の先端がヒートローラ
に達するまでの時間が短い場合などに有効である。
【0038】また、連続印刷中には幅狭用ハロゲンラン
プ5を発光させて、非接触型のサーミスタ3で通紙部の
温度制御を実施できる。したがって、ヒートローラ2の
表面温度を低下させることなく、確実に適正な制御温度
T4に維持することができる。ただし、ヒートローラ2
を加熱するのに幅狭用ハロゲンランプ5のみを使用して
いると、連続印刷中にはヒートローラ2の両端部の温度
が徐々に低下してくる。幅狭用紙の連続印刷が終了し、
すぐに幅広用紙が印刷される場合を考慮すると、ヒート
ローラ2の両端部の温度低下を一定範囲に抑える必要が
ある。そこで、ヒートローラ2の左端部での下限温度T
5を設定しておき、接触型のサーミスタ1がこの限界温
度T5を検出したとき、幅広用ハロゲンランプ4を同時
に発光させて、ヒートローラ2の両端部の表面温度がT
5以下にならないように制御する。このように、連続印
刷の際には、2個(接触/非接触)のサーミスタ1,3
により温度制御を実行することも有効である。
【0039】次に、連続印刷が終了する時刻trになる
と、ヒートローラ2の温度制御は、接触型のサーミスタ
1による制御に切り替えられる。このとき、サーミスタ
1における検出温度が待機状態での制御温度T0より低
い場合は、幅広用ハロゲンランプ4を発光させて、温度
をT0まで上昇させる。この時、幅広用ハロゲンランプ
4を発光させることによって、非接触型のサーミスタ3
での検出温度、及びヒートローラ2中央部での表面温度
が、それぞれ連続印刷時の制御温度T3,T4に比べて
上昇してしまう。この温度上昇を押えるには、ヒートロ
ーラ2の左端部での下限温度T5を、待機状態の制御温
度T0に対してあまり低くない温度に設定しておくこと
が必要である。
【0040】なお、連続印刷時の接触型のサーミスタ1
における下限温度T5についは、ヒートローラ2の熱容
量やハロゲンランプ4の電力にもよるが、例えば、待機
状態の制御温度T0と同等か、或いは制御温度T0から
−10℃以内の値に設定しておくことが好ましい。これ
により、ヒートローラ2の中央部での温度上昇を許容範
囲内に抑え、良好な定着結果が得られることが実験的に
確認されている。
【0041】以上のように、この発明の実施の形態1に
係る電子写真プリンタの定着装置においては、ヒートロ
ーラ2の中央部には非接触型のサーミスタ3を配設し、
待機状態から幅狭用紙の連続印刷に移行する場合に、左
端部での接触型のサーミスタ1による温度制御から非接
触型のサーミスタ3による温度制御に切り替えている。
そのため、連続印刷時にヒートローラ2内部に組み込ま
れた2本のハロゲンランプ4,5のうち幅狭用のハロゲ
ンランプ5を優先的に発光させて加熱することにより、
従来の単一の接触型サーミスタのみによる温度制御に比
べて、ヒートローラ2の中央部での温度低下を発生させ
ることなく、また通紙領域外であるヒートローラ2の両
端部での過度の温度上昇を防止して、常に良好な定着性
を確保することができる。
【0042】また、印字領域内の中央部には非接触型の
サーミスタ3を配設しているので、定着時にヒートロー
ラ上2にオフセットしたトナーがサーミスタ上に付着堆
積することがなく、したがって、印刷用紙に汚れを発生
させたり、温度制御を不安定にさせたりすることが防止
できる。すなわち、従来の温度制御時にサーミスタ上に
実装していたクリーニングフェルトなどの清掃部材が必
要なく、シリコンオイル等に係るメンテナンスを不要と
して、常に良好な印刷品位を確保することができる。
【0043】さらには、ヒートローラ2とサーミスタ3
とが摺擦していないため、ヒートローラ2表面のコーテ
ィング層が早期に摩耗するという不都合もなくなり、印
刷品位の確保と同時に構成部品の長寿命化が図れるなど
の効果も期待できる。
【0044】実施の形態2.実施の形態1では、ヒート
ローラ2の中央部に非接触型のサーミスタ3を配設する
に当って、そのヒートローラ2の表面とのギャップ(間
隙量)が約1mmに調整されているものとしていた。非
接触型のサーミスタ3での検出温度T2は、この約1m
mのギャップを介して検出されるので、ヒートローラ2
の実際の表面温度T1より低くなる。したがって、実施
の形態1における温度制御は、このギャップが常に一定
の大きさになるように、非接触型のサーミスタ3がヒー
トローラ2に実装されていることを前提としていた。
【0045】しかしながら、実際に定着装置の組立時に
ギャップの取付け誤差をなくすことは困難であり、また
経時的な変動も避けられない。すなわち、定着装置の組
み立て時に、非接触型のサーミスタ3のギャップ量を一
定値に維持し、その後もギャップをそのまま保持するこ
とは難しく、ギャップの大きさに変化が生じることは避
けられない。そして、このようなギャップの大きさが変
化した場合に、非接触型のサーミスタ3での検出温度と
実際のヒートローラ表面温度との温度差も変わるという
問題があった。
【0046】また、連続印刷中に行なわれる温度検出で
は、ヒートローラ2が常に回転しているので、ギャップ
部分に空気の対流が生じる。定着装置の近傍に排気ファ
ンなどが実装されていれば、ギャップ部分で空気の流れ
が発生することも避けられない。そこで、これらの影響
を最小限に抑えるには、非接触型のサーミスタ3の実装
位置などを考慮したり、用紙ジャムなどの発生時にサー
ミスタ3とヒートローラ2との間のギャップ量が変化し
ないよう、実装上の工夫が必要である。しかし、サーミ
スタとヒートローラ間のギャップ量に応じて、以下に説
明するような制御温度補正を行なうことが、最も有効で
ある。
【0047】以下では、実施の形態2に係る定着装置に
おける非接触型のサーミスタの制御温度補正方法につい
て詳細に説明する。
【0048】図9は、非接触型のサーミスタのギャップ
に対するヒー卜ローラ表面での実測温度の関係を示した
グラフである。図では、印刷開始前の待機状態で、ヒー
トローラ2の制御温度を複数通りに変えて、表面温度を
測定した結果を示しており、ヒートローラ2の制御温度
が170℃の場合の、サーミスタ3のギャップ(横軸)
に対するヒートローラ2の表面温度(縦軸)の測定値を
◆で、180℃の場合の測定値を■で、190℃の場合
の測定値を▲で、それぞれ示している。この実験では、
図1に示すヒートローラ2として、外径Φが36mm、
その肉厚が1.2mmのアルミパイプ材を使用し、その
加熱源には電力600WのA4縦置き幅(約210m
m)の発光長を有するハロゲンランプ5を使用してい
る。
【0049】図9からもわかるように、いずれの制御温
度の場合も、ギャップに対するヒートローラ2の表面温
度の変化量には線形性が見られる。例えば、非接触型の
サーミスタ3の制御温度を180℃とした場合に、ギャ
ップがlmmであれば、ヒートローラの表面温度は19
6℃の前後で推移し、ギャップが0.7mmであれば、
ヒートローラの表面温度は190℃の前後で推移し、ギ
ャップがl.3mmであれば、ヒートローラの表面温度
は202.5℃の前後で推移する、という具合に大きな
ギャップに対しては制御温度と表面温度との差は大き
く、小さなギャップに対しては差は小さい。また、制御
温度には関係なく、ギャップ0.7mmの場合には、ヒ
ートローラ表面温度は制御温度に対し+9〜+10℃程
度、ギャップlmmの場合には、ヒートローラ表面温度
は制御温度に対し+15〜+16℃程度の温度差が生じ
ていることがわかる。そこで、この非接触型のサーミス
タ3のギャップに対するヒートローラの表面温度データ
を、各制御温度毎に定着温度制御プログラムAとしてプ
ログラムROM14(図7参照)にあらかじめ記憶させ
ておく。
【0050】図10は、接触型のサーミスタによる温度
制御時のヒートローラ中央部での表面温度を示す図であ
る。ここには、接触型のサーミスタ1でヒートローラ2
の温度制御する場合に、その制御温度に対して非接触型
のサーミスタ3の実装位置(中央部)でのヒートローラ
2の表面温度が直線的に変化することを示している。図
10では、非接触型のサーミスタ3の実装位置におけ
る、各制御温度(横軸)に対するヒートローラ2の表面
温度測定値(縦軸)◆を示している。ヒートローラ2の
形状、材質等の条件は、図9の場合と同じである。な
お、待機状態(接触型のサーミスタによる温度制御時)
においては、ヒートローラ2の表面温度は、図5に示す
ように、その両端部の温度に比べて、中央部が最も高い
山なりの温度分布となる。
【0051】図10に示す実測結果によれば、温度分布
形状自体はヒートローラ2の熱容量やハロゲンランプ
4,5の電力及び配光によって変化するが、非接触型の
サーミスタ3の実装位置である中央部での温度は、端部
での温度に比べて14〜16℃程度高くなっていること
がわかる。そこで、この実測結果から得られた端部表面
温度と中央部表面温度の関係を、定着温度制御プログラ
ムBとしてプログラムROM14(図7参照)にあらか
じめ記憶させておく。
【0052】このように、プログラムROM14に定着
温度制御プログラムA,Bを記憶させておき、サーミス
タ1により左端部での温度を検出すると同時に、中央部
での非接触型のサーミスタ3によって温度検出を行なう
ことにより、2つのサーミスタ1,3の検出温度とヒー
トローラ2の中央部での表面温度との相関に基づいてギ
ャップの大きさが推測できる。
【0053】次に、非接触型のサーミスタ3の制御温度
補正方法について説明する。ここで非接触型のサーミス
タ3について、制御温度180℃でギャップlmmのデ
フォルト値が制御プログラムA,Bに記憶されているも
のとしている。
【0054】いま、待機状態にある定着装置で温度補正
が行なわれる場合、接触型のサーミスタ1による制御温
度が例えば180℃であったとすれば、プログラムRO
M14から制御プログラムB(図10)を読み出すこと
によって、ヒートローラ2の中央部での実際の表面温度
が約196℃前後を推移していることがわかる。このと
き、非接触型のサーミスタ3による測定温度(検出温度
T2)が170℃として検出されたとすれば、プログラ
ムROM14から制御プログラムA(図9)を読み出し
て、これら実際の温度と検出温度とを比較処理すること
によって、ヒートローラ2とサーミスタ3とのギャップ
が1.6mmであることが分かる。したがって、この定
着装置の非接触型のサーミスタ3は、ギャップがデフォ
ルト値(lmm)に対して約0.6mmずれている状態
にあると推測できる。
【0055】このような定着装置において幅狭用紙の連
続印刷起動がかかり、実施の形態1で説明したような温
度制御を行なう場合に、非接触型のサーミスタ3に切り
替えて、制御温度T3を例えば190℃として温度制御
すると、図9に示すようにデフォルトのギャップlmm
が維持されていれば、ヒートローラ中央部での表面温度
は205℃程度に制御されることになる。しかしなが
ら、実際の定着装置では、ギャップ量が1.6mmであ
ると推測されていることから、制御温度T3を190℃
とする温度制御を行なえば、図9に示すようにその表面
温度は215℃程度になって、目標温度より10℃程度
高い温度となってしまう。したがって、ここではギャッ
プがlmmであって制御温度T3を190℃とした場合
の設定温度(205℃)でヒートローラ2の温度制御を
行なうためには、ギャップ1.6mmという想定値に基
づいて、図9から制御温度T3を180℃に補正して温
度制御を行なえばよいことが分かる。すなわち、ヒート
ローラ2の実際の表面温度を、205℃に最も近い20
7℃で制御することができる。
【0056】以上、実施の形態2に係る定着装置では、
読み出した制御プログラムA,Bの比較演算処理結果に
基づいて、最も近い制御温度設定値に補正することによ
って、非接触型のサーミスタ3におけるギャップの変動
にかかわらず、ヒートローラ2を常に良好な定着温度に
設定するような温度制御が可能となる。
【0057】また、上述した制御温度の補正方法では、
ヒートローラ表面温度の分布直線として、図9には非接
触型のサーミスタ3での制御温度が170/180/1
90℃の三通りの場合だけを示しているが、実際にはサ
ーミスタの制御分解能は2〜3℃程度であって、その分
解能に応じた分布直線を得ることができる。
【0058】さらに、上述した制御温度補正を自動的に
実行することも可能である。例えば、製品の工場出荷時
にデフォルト値としてギャップ値を1mmに設定してお
き、印刷待機状態からヒータOFFモードに移行する直
前に補正を自動的に行なうものとすれば、常に適正な定
着温度で温度制御が可能になる。
【0059】実施の形態3.実施の形態3は、非接触型
のサーミスタ3によって検出されるヒートローラ2の検
出温度に基づいて、非接触型のサーミスタ3の制御温度
レベルを温度変化の大きさ(リップル幅)に応じてアッ
プさせるものである。
【0060】非接触型のサーミスタ3で温度制御を行う
場合、ヒートローラとの間のギャップに空気の対流が生
じたり、また排気ファンなどの空気の流れの影響を浮け
易い。そのために、非接触型のサーミスタで使用される
感熱素子部の熱応答性は接触型のサーミスタ1に比べて
悪くなる傾向にある。近年、この種の感熱素子には、熱
容量の小さい小型ビーズ素子や薄膜タイプの素子が使用
され、接触型のサーミスタと変わらない熱応答性を備え
たものが開発されている。しかしながら、非接触型のサ
ーミスタではギャップが大きくなるにつれて熱応答性が
悪くなる傾向にあって、制御時の温度リップルが接触型
のサーミスタと比較すると大きくなる。
【0061】図11は、温度リップルの補正手順の概略
を説明するための図である。同図(A)に示すように、
接触型のサーミスタ2での温度制御の分解能を2℃とし
た場合に、その温度リップル幅はハロゲンランプのON
/OFF温度(分解能2℃)の範囲内、若しくはそれよ
り僅かに越える程度の温度範囲内で推移する。これに対
して、非接触型のサーミスタ3で温度制御した場合の温
度リップルは、同図(B)に示すように、接触型のサー
ミスタ2の場合に比べてかなり大きくなる。しかも、非
接触型のサーミスタ3で生じたリップルは、実際のヒー
トローラ表面では同等もしくは増幅されて大きくなる可
能性がある。そのため、接触型のサーミスタ2の分解能
(2℃)に比べて5倍程度大きい、例えば10℃以上の
幅で温度リップルが発生するような場合は、リップルの
下限温度で印字定着が行われた際に、良好な定着性が得
られないおそれがある。したがって、特にハガキ,封筒
などの特殊紙で用紙厚がかなり厚い場合は、このリップ
ル幅が定着性に大きく影響を与える。
【0062】前述した実施の形態1における定着装置と
同様に、図7に示す定着温度制御を行なうための回路構
成に基づいて、実施の形態3における具体的な温度制御
方法を説明する。定着温度制御回路15では、連続印刷
時に非接触型のサーミスタ3による検出温度のリップル
幅を検出する。プログラムROM14には、定着温度制
御プログラムとは別に、リップル補正プログラム(図示
せず)が格納されている。
【0063】いま、非接触型のサーミスタ3における温
度リップルが、例えば10℃(図11で、分解能を2℃
とすると5レベル)であったとすると、本来の制御温度
に対して設定温度を2レベルだけ上昇させる。また、リ
ップル幅が6レベルであった場合は、同様に3レベル上
昇させ、以下、リップル幅が1レベル増加する毎に設定
温度も1レベルずつ上昇させるものとする。定着温度制
御回路15では、制御部CPU13によって呼び出され
たリップル補正プログラムをもとに設定温度上昇レベル
が決定され、所定の温度指令信号に変換してヒータ駆動
回路16へ送信する。
【0064】なお、非接触型のサーミスタ3による温度
制御の場合、ギャップの影響により僅かではあるが徐々
に実際のヒートローラ表面温度が低下する。このような
場合にも、上述した方法と同等の方法により非接触型の
サーミスタ3での制御温度を段階的にレベルアップさせ
る。
【0065】以上のように、実施の形態3による定着装
置では、温度制御時に検出温度にリップルが発生した場
合でも、定着温度の低下を防止して、常に良好な定着性
を確保することができる。また、同様の温度制御方法に
より、非接触型のサーミスタの制御温度を段階的にレベ
ルアップさせることもできるため、非接触型のサーミス
タ部と実際のヒー卜ローラ表面温度のずれを補正プログ
ラムにより補正することができ、常に安定した定着温度
の維持及び良好な定着性を確保することができる。
【0066】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0067】請求項1、請求項2に係る電子写真プリン
タの定着装置では、コピー機並みの40PPM乃至50
PPM程度の印刷速度に対応して定着動作が可能であっ
て、従来の温度制御時にサーミスタ上に実装していたク
リーニングフェルトなどの清掃部材が必要なく、シリコ
ンオイル等に係るメンテナンスを不要として、常に良好
な印刷品位を確保することができる。また、ヒートロー
ラ表面のコーティング層が早期に摩耗するという不都合
もなくなり、印刷品位の確保と同時に構成部品の長寿命
化が図れるなどの効果も期待できる。
【0068】請求項3に係る電子写真プリンタの定着装
置によれば、従来の単一の接触型サーミスタのみによる
温度制御に比べて、ヒートローラの中央部での温度低下
を発生させることなく、また通紙領域外であるヒートロ
ーラの両端部での過度の温度上昇を防止して、常に良好
な定着性を確保することができる。
【0069】請求項4に係る電子写真プリンタの定着装
置によれば、非接触型のサーミスタにおけるギャップの
変動にかかわらず、ヒートローラを常に良好な定着温度
に設定するような温度制御が可能である。
【0070】請求項5に係る電子写真プリンタの定着装
置によれば、非接触型のサーミスタによって検出される
ヒートローラの検出温度に基づいて、温度変化の大きさ
(リップル幅)に応じて非接触型のサーミスタの制御温
度レベルをアップさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるヒートロー
ラの構成を示す断面図である。
【図2】 従来のヒートローラを用いた定着手段の構成
を示す側面図である。
【図3】 サーミスタと転写紙の位置関係を示す平面図
である。
【図4】 従来の定着温度制御を行なうための回路構成
を示すブロック図である。
【図5】 従来のヒートローラによる温度分布を示す図
である。
【図6】 従来の温度制御における定着装置の温度変化
を示す図である。
【図7】 この発明の定着温度制御手段を示すブロック
図である。
【図8】 この発明の実施の形態1における温度制御方
法を示す図である。
【図9】 待機状態における、非接触型のサーミスタの
ギャップ量に対するヒー卜ローラ表面温度の測定値を示
す図である。
【図10】 温度制御時における、接触型のサーミスタ
の制御温度に対する非接触型のサーミスタ実装位置での
ヒートローラ表面温度の測定値を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態3における温度リッ
プル補正方法を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 接触型のサーミスタ、 2 ヒートローラ、 3
非接触型のサーミスタ、 4 幅広用のハロゲンラン
プ、 5 幅狭用のハロゲンランプ、 11 用紙サイ
ズ検出スイッチ、 12 操作部パネル、 13 制御
部CPU、 14プログラムROM、 15 定着温度
制御回路、 16 ヒータ駆動回路、17 定着装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA24 BB01 CA04 CA27 CA30 CA47 CA48 3K058 AA02 AA04 AA42 AA45 AA72 AA73 AA86 BA18 CA23 CA61 CA70 CB02 DA02 DA22 5H323 AA35 BB01 CA08 CB04 CB42 DA01 EE04 FF01 FF10 GG04 HH02 HH05 KK05 LL28 MM09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真プリンタの全印刷領域に対応す
    る有効長を有する第1の加熱源、及び第1の加熱源より
    短い有効長を有する第2の加熱源を含むヒートローラ
    と、 前記ヒートローラと印刷領域外の端部で接触するように
    配設され、温度を検知する第1の温度検知手段と、 前記ヒートローラに近接して印刷領域の中央部で非接触
    に配設され、温度を検知する第2の温度検知手段と、 前記第1、第2の温度検知手段で検知された温度に基づ
    いて前記ヒートローラの温度を制御する温度制御手段と
    を備えたことを特徴とする電子写真プリンタの定着装
    置。
  2. 【請求項2】 前記温度制御手段は、 印刷待機時には、前記第1の温度検知手段で検知された
    温度に基づいて温度制御し、 幅狭用紙の連続印刷が指令された時には、前記第2の温
    度検知手段で検知された温度に基づいて温度制御するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子写真プリンタの定
    着装置。
  3. 【請求項3】 前記温度制御手段は、 幅狭用紙の連続印刷時には、第2の加熱源を優先してオ
    ンして前記ヒートローラを加熱し、前記ヒートローラの
    端部での温度が限界温度以下に低下した場合に前記第1
    の加熱源を同時にオンすることを特徴とする請求項1項
    に記載の電子写真プリンタの定着装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の温度検知手段の前記ヒートロ
    ーラに対するギャップの大きさを、前記第1、第2の温
    度検知手段で検知された温度、及び予め実測された前記
    ヒートローラの表面温度から推測して、前記ヒートロー
    ラの定着制御温度を補正する定着制御プログラムを備え
    たことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    電子写真プリンタの定着装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の温度検知手段で検知された温
    度に基づいて、温度変化のリップル幅を求め、該リップ
    ル幅に応じて前記ヒートローラの定着制御温度を補正す
    るリップル補正プログラムを備えたことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真プリンタの定
    着装置。
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