JP2001262458A - ミシン及び縫製物保持装置 - Google Patents

ミシン及び縫製物保持装置

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JP2001262458A
JP2001262458A JP2000072925A JP2000072925A JP2001262458A JP 2001262458 A JP2001262458 A JP 2001262458A JP 2000072925 A JP2000072925 A JP 2000072925A JP 2000072925 A JP2000072925 A JP 2000072925A JP 2001262458 A JP2001262458 A JP 2001262458A
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sewing
arm device
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Kazuhisa Wakasugi
一寿 若杉
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Aisin Seiki Co Ltd
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    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05CEMBROIDERING; TUFTING
    • D05C9/00Appliances for holding or feeding the base fabric in embroidering machines
    • D05C9/02Appliances for holding or feeding the base fabric in embroidering machines in machines with vertical needles
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    • DTEXTILES; PAPER
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  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】第1腕装置及び第2腕装置に縫製物を保持する
方式を採用し、しかも縫製物の仮保持が容易なミシン及
び縫製物保持装置を提供する。 【解決手段】第1腕装置3Rと第2腕装置3Lとを備え
ている縫製物保持装置2をもつミシンである。第1腕装
置3R及び第2腕装置3Lの少なくとも一方は、一方向
に突出する主腕32と、主腕32に沿って突出する副腕
33と、圧接手段90と、隙間減少手段91とを備えて
いる。圧接手段90は、主腕32の基端部32r側と副
腕33の基端部33r側との間に隙間92を形成しつつ
副腕33の突出先端部33f側の一部を主腕32の突出
先端部32f側に圧接させ、縫製物を仮保持状態に維持
する。隙間減少手段91は、隙間92を減らす方向に副
腕33と主腕32とを相対接近させ接近に伴い縫製物の
保持の度合を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は縫製物を保持し得る
縫製物保持装置をもつミシン、及び、縫製物保持装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】第1の従来技術として、縫製物を保持す
る腕装置を備えている縫製物保持装置をもつミシンが知
られている(特開2000−42276号公報)。この
公報技術に係る腕装置は、一方向に突出する固定型の主
腕と、一方向に突出すると共に副腕基端部が主腕に軸着
された可動式の副腕と、副腕を閉じる方向に付勢する弾
性部材と、副腕に係止され係止により副腕を開いた状態
に保持する係止部とをもつ。このものでは、縫製物を腕
装置に保持する前の状態においては、係止部により腕装
置の副腕は開いており、副腕の先端部と主腕の先端部と
の間には大きな隙間が形成されている。そして係止部を
解除することにより、弾性部材により副腕を主腕に対し
て揺動させて隙間を閉じ、主腕と副腕とで縫製物をクラ
ンプして保持することにしている。
【0003】また第2の従来技術として、四角枠形状の
刺繍枠と刺繍枠に搭載された2個のクランプ装置とをも
つ縫製物保持技術が知られている(特開平8−3052
57号公報)。このものでは、刺繍枠に布状の縫製物を
載せた状態で、クランプ装置でクランプして縫製物を挟
持し、布状の縫製物を保持することにしている。
【0004】更にまた第3の従来技術として、互いに対
向する位置に係合溝をもつ四角枠形状の刺繍枠と、刺繍
枠の係合溝に嵌合して係合可能な棒状の被せ枠ともつ縫
製物保持技術が知られている(特開平8−41774号
公報)。このものでは、刺繍枠に布状の縫製物を載せた
状態で、刺繍枠とは別体をなす被せ枠を刺繍枠の係合溝
に嵌合して係合させることにより、布状の縫製物を保持
することにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記した第1
の従来技術によれば、係止部を解除することにより、弾
性部材により副腕を主腕に対して揺動させ、主腕と副腕
とで縫製物をクランプして保持することにしている。こ
の第1の従来技術によれば、縫製物を保持する前の状態
の腕装置においては、前述したように副腕の先端部と主
腕の先端部との間には大きな隙間が形成されているた
め、腕装置による縫製物のクランプ操作が終了するま
で、使用者が縫製物を仮保持している必要があり、煩わ
しい。
【0006】上記した第2の技術によれば、刺繍枠に布
状の縫製物を載せた状態で、クランプ装置でクランプし
て縫製物を挟持し、布状の縫製物を保持することにして
いる。この第2の従来技術においても、クランプ装置に
よる縫製物のクランプが終了するまで、使用者が縫製物
を仮保持している必要があり、煩わしい。
【0007】上記した第3の技術によれば、刺繍枠に布
状の縫製物を載せた状態で、被せ枠を係合溝に嵌合して
係合させることにより、布状の縫製物を保持することに
している。この第3の従来技術においても、係合溝への
被せ枠の嵌合によるクランプを終えるまで、使用者が縫
製物を仮保持している必要があり、煩わしい。
【0008】本発明は上記した実情に鑑みてなされたも
のであり、四角形状の枠で縫製物を保持する方式を廃止
し、第1腕装置及び第2腕装置に縫製物を保持する方式
を採用し、しかも縫製物の仮保持が容易なミシン及び縫
製物保持装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るミシン
は、縫製部をもつミシン本体と、ミシン本体に搭載され
ミシン本体の縫製部により縫製される縫製物を脱着可能
に保持する第1腕装置と第2腕装置とを備えている縫製
物保持装置とを具備するミシンであって、縫製物保持装
置の第1腕装置及び第2腕装置の少なくとも一方は、一
方向に突出する主腕と、主腕に沿って突出すると共に主
腕とで縫製物を挟持可能な副腕と、主腕の基端部側と副
腕の基端部側との間に隙間を形成しつつ副腕の突出先端
部側の一部を主腕の突出先端部側に圧接させ、圧接に伴
い縫製物を仮保持状態に維持可能な圧接手段と、主腕の
基端部側と副腕の基端部側との間の隙間を減らす方向に
副腕と主腕とを相対接近させ、接近に伴い縫製物の保持
の度合を高める隙間減少手段とを備えていることを特徴
とするものである。
【0010】本発明に係る縫製物保持装置は、縫製部
をもつミシンに搭載され、ミシンの縫製部により縫製さ
れる縫製物を脱着可能に保持する第1腕装置と第2腕装
置とを備えている縫製物保持装置であって、第1腕装置
及び第2腕装置の少なくとも一方は、一方向に突出する
主腕と、主腕に沿って突出すると共に主腕とで縫製物を
挟持可能な副腕と、主腕の基端部側と副腕の基端部側と
の間に隙間を形成しつつ副腕の突出先端部側の一部を主
腕の突出先端部側に圧接させ、圧接に伴い縫製物を仮保
持状態に維持可能な圧接手段と、主腕の基端部側と副腕
の基端部側との間の隙間を減らす方向に副腕と主腕とを
相対接近させ、接近に伴い縫製物の保持の度合を高める
隙間減少手段とを備えていることを特徴とするものであ
る。
【0011】本発明に係るミシン、本発明に係る縫製
物保持装置によれば、圧接手段により、主腕の基端部側
と副腕の基端部側との間に隙間を形成しつつ、副腕の突
出先端部側の一部が主腕の突出先端部側に圧接されてい
る。この状態では、圧接されている副腕の突出先端部側
の一部と主腕の突出先端部側とで、縫製物を挟持して仮
保持することができる。このように縫製物を仮保持して
いる状態では、使用者は縫製物を逐一保持していなくて
も良い。
【0012】更に、副腕の突出先端部側の一部が主腕の
突出先端部側に圧接しているときには、副腕の基端部側
と主腕の基端部側には隙間が形成されており、主腕と副
腕との接触面積が小さい。このため、縫製物を本保持す
る状態の位置まで、仮保持状態の縫製物を隙間に沿って
主腕と副腕との間で移動させることができる。
【0013】このように仮保持状態の縫製物を、縫製物
を本保持する状態の位置まで移動させたら、隙間減少手
段により、主腕の基端部側と副腕の基端部側との間に隙
間を減らす方向に副腕と主腕とを相対接近させる。この
ような副腕と主腕との接近に伴い、縫製物の保持の度合
が高まる。これにより縫製物は本保持される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る刺繍機、本発明に係
る刺繍枠保持装置によれば、次の形態の少なくとも一を
採用することができる。
【0015】・縫製物保持装置の第1腕装置及び第2腕
装置の少なくとも一方は、縫製物を主腕と副腕との間に
進入させる縫製物案内部をもつ形態を採用することがで
きる。縫製物案内部は、主腕と副腕との間に案内隙間を
形成する傾斜面で形成できる。縫製物案内部は、副腕の
突出先端部側、及び、主腕の突出先端部側のうちの少な
くとも一方に形成することができる。
【0016】・主腕及び副腕の互いに対向する挟持面の
うち少なくとも一方には、縫製物に対する摩擦係止性を
高めて仮保持性及び本保持性を高めるための構造を施す
ことができる。この場合には、主腕及び副腕の互いに対
向する挟持面のうち少なくとも一方は、摩擦係合面で形
成されていることが好ましい。代表的な摩擦係合面とし
ては、ゴムなどの摩擦係数の高い材質で形成されている
形態、縫製物に対する摩擦係合性を高めるようにローレ
ット加工等の微細凹または微細凸が形成されている形態
を採用することができる。
【0017】・主腕及び副腕の互いに対向する挟持面の
うち少なくとも一方には、縫製物に対する係止性を高め
て、縫製物に対する仮保持性及び本保持性を高めるため
の縫製物係止部が設けられている。縫製物係止部として
は凸状または凹状で形成できる。
【0018】・縫製物保持装置は、ミシンに予め一体的
に組み込まれている形態でも良いし、あるいは、市販の
ミシンに後処理で組み込まれる形態でも良い。ミシン
は、刺繍機能をもつミシンでも、刺繍機能をもたないミ
シンでも良い。
【0019】・第1腕装置及び第2腕装置の少なくとも
一方には、隙間減少手段と縫製物とが接触することを回
避する接触回避手段が設けられていることが好ましい。
接触回避手段としては、突起状のストッパで形成でき
る。接触回避手段としては、主腕及び副腕の少なくとも
一方に形成することができる。
【0020】・本発明に係るミシンによれば、縫製部
は、縫製物保持装置の第1腕装置及び第2腕装置に保持
された布地等の縫製対象物に縫製を施す機能をもつもの
であれば良く、公知の機構を採用できる。縫製部は、刺
繍機能をもつものでも、刺繍機能をもたないものでも良
い。ミシンは工業用でも家庭用でも良い。
【0021】・第1腕装置及び第2腕装置は互いに独立
であり、ほぼ平行に配置されていることが好ましい。
【0022】・縫製物保持装置は、主腕の突出方向と交
差する方向に沿って延設された長尺案内保持部をもち、
第1腕装置及び第2腕装置の少なくとも一方は、第1腕
装置と第2腕装置との間隔が連続的に可変となるように
長尺案内保持部にスライド可能に設けられている形態を
採用することができる。この場合には、第1腕装置と第
2腕装置との間隔が連続的に可変となるように、第1腕
装置及び第2腕装置の一方のみが、長尺案内保持部の長
さ方向に沿ってスライド可能であっても良い。あるい
は、第1腕装置及び第2腕装置の双方が、長尺案内保持
部の長さ方向に沿ってスライド可能であっても良い。従
って、第1腕装置及び第2腕装置の双方が長尺案内保持
部の長さ方向に沿って且つ互いに独立してスライド可能
である構成を採用することができる。
【0023】・第1腕装置及び第2腕装置の可動式の少
なくとも一方がスライド可能である場合には、長尺案内
保持部は、第1腕装置及び第2腕装置の可動式の少なく
とも一方について、使用頻度が高いスライド位置を識別
する腕位置識別手段を備えていることが好ましい。この
場合には、第1腕装置及び第2腕装置の可動式の少なく
とも一方を、使用頻度がスライド位置に短時間のうちに
容易に位置決めすることができる。
【0024】・腕位置識別手段としては、使用頻度が高
いスライド位置を使用者が肉眼で視覚的に識別できる視
覚識別手段、あるいは、使用頻度が高いスライド位置を
使用者が聴覚で識別できる聴覚識別手段、あるいは、使
用頻度が高いスライド位置を使用者が触感で識別できる
触感識別手段の少なくとも1種を採用できる。従って、
腕位置識別手段は、前記した視覚識別手段、聴覚識別手
段、及び、触感識別手段のうちの複数を併有する形態で
も良い。即ち、視覚識別手段及び聴覚識別手段を併有す
る形態でも良く、あるいは、視覚識別手段及び触感識別
手段を併有する形態でも良く、あるいは、聴覚識別手段
及び触感識別手段を併有する形態でも良く、あるいは、
視覚識別手段、聴覚識別手段及び触感識別手段を併有す
る形態でも良い。
【0025】・第1腕装置及び第2腕装置の可動式の少
なくとも一方がスライド可能である場合には、第1腕装
置及び第2腕装置の可動式の少なくとも一方のスライド
可能能量は、例えば、可動式の腕装置の長さの1/4〜
5倍、1/3〜3倍にすることができる。但しこれに限
定されるものではない。
【0026】
【実施例】(第1実施例)以下、本発明に係る第1実施
例について図1〜図8を参照して説明する。
【0027】図1は縫製物保持装置2の要部を示す。縫
製物保持装置2はミシンに予め搭載されているか、ある
いは、市販のミシンに後処理で搭載されるものである。
図1に示すように、縫製物保持装置2は、可動式の第1
腕装置3Rと、可動式の第2腕装置3Lと、縫製物保持
装置2に保持された長尺案内保持部5とをもつ。第1腕
装置3Rは、一方向である矢印Y1方向に沿って突出す
ると共に、縫製物1の一部を脱着可能に保持するもので
ある。第2腕装置3Lは、一方向である矢印Y1方向に
沿って突出すると共に、縫製物1の一部を脱着可能に保
持するものである。
【0028】長尺案内保持部5はレール状をなすもので
あり、第1腕装置3R及び第2腕装置3Lの突出方向と
交差する方向(直向する方向)である矢印X方向(矢印
X1,矢印X2方向)に沿って連続的に長尺状に延設さ
れている。なお本明細書では、第1腕装置3Rが突出す
る方向を矢印Y1方向とする。第1腕装置3R及び第2
腕装置3Lの突出方向と交差する方向(直向する方向)
を、矢印X方向(矢印X1方向,矢印X2方向)とす
る。
【0029】本実施例に係るミシンには、ガイドレール
60が長尺案内保持部5に沿って保持されており、ガイ
ドレール60は長尺案内保持部5に平行とされている。
ガイドレール60は、矢印X方向(矢印X1,矢印X2
方向)に沿って且つ水平方向に沿って延設されている。
ガイドレール60は、ミシンに搭載されている図略のY
方向駆動機構(一般的にはモータを用いた機構)により
矢印Y方向(矢印Y1方向,矢印Y2方向)において前
進後退でき、且つ、矢印Y方向において任意の位置に停
止できるようにされている。
【0030】可動部61は、ミシンに搭載された図略の
X駆動機構に接続されている。このX駆動機構は、可動
部61に連結されたエンドレス状のタイミングベルト
と、タイミングベルトを作動させるX駆動源(一般的に
はモータ)とをもつ。X駆動機構のX駆動源が駆動する
と、タイミングベルトが循環作動し、タイミングベルト
に一体的に連結された可動部61は、ガイドレール60
に沿って矢印X方向(矢印X1方向,矢印X2方向)に
沿って移動でき、且つ、矢印X方向において任意の位置
に停止できるようにされている。
【0031】長尺案内保持部5は可動部61と一体的に
設けられている。このため、可動部61が矢印X方向
(矢印X1方向,矢印X2方向)に沿って移動すれば、
長尺案内保持部5も矢印X方向に移動できる。長尺案内
保持部5は横断面で所定の形状、具体的には横断面で矢
印Y方向において横長な四角形状をなしている。
【0032】図1に示すように、長尺案内保持部5は、
矢印X1方向に沿って長尺状に延設された第1長尺案内
保持部51と、矢印X2方向に沿って長尺状に延設され
た第2長尺案内保持部52とで形成されている。従っ
て、第1長尺案内保持部51及び第2長尺案内保持部5
2は、互いに背向する方向に延設されている。
【0033】図1に示すように、第1長尺案内保持部5
1の上面にはこれの長さ方向に沿って長孔53が直線状
に延設されている。長孔53は第1長尺案内保持部51
の厚み方向に貫通しており、上面開口53aと下面開口
53cとをもつ。上面開口53a及び下面開口53c
は、第1長尺案内保持部51の長さ方向に沿って長くの
びている。
【0034】図2に示すように、第1長尺案内保持部5
1のうちの使用者に対面する側の前側面51aには、使
用者が肉眼で視覚的に視認できるように、基準線として
機能する縦線状の印55が複数個所定の間隔で付されて
いる。印55は、第1腕装置3Rの使用頻度が高い各ス
ライド位置を視覚的にそれぞれ識別するものであり、第
1の腕位置識別手段として機能できる。第1長尺案内保
持部51の背面51bには、複数個の係止部56が所定
の間隔で形成されている。係止部56は、左右均等の傾
斜面56nをもつように断面で溝状、つまり三角溝形状
(具体的には二等辺三角形状の溝)とされている。係止
部56は、第1腕装置3Rの使用頻度が高い各位置を、
触感として触覚的にまたは係止音を聴覚的に識別するも
のであり、後述する第2の腕位置識別手段として機能で
きる。
【0035】図2に示すように、第1腕装置3Rは、矢
印X方向において貫通するスライド孔30をもつ角箱形
の基部31と、基部31から矢印Y1方向に沿ってつま
り水平方向に沿って基部31と一体的に延設された主腕
32と、矢印Y1方向に沿ってつまり水平方向に沿って
延設された揺動式の副腕33とをもつ。主腕32は、上
壁部32a、下壁部32b、挟持壁部32cをもち、断
面でコの字形状をなしている。主腕32の挟持壁部32
cは、摩擦係数の高い材料などが貼着されて形成され縫
製物1を挟持するための挟持面32xをもつ。副腕33
は主腕32に独立しており、主腕32に対して別体をな
す。副腕33は主腕32に対面しており、上壁部33
a、下壁部33b、挟持壁部33cをもち、断面でコの
字形状をなしており、摩擦係数の高い材料などが貼着さ
れて形成され縫製物1を挟持するための挟持面33xを
もつ。なお挟持面32x,33x同士は互いに対面して
いる。
【0036】図2に示すように、副腕33の突出先端部
33fの側には、これの最先端に向かうにつれて隙間幅
を増加させる向きに傾斜したテーパ拡開面で形成された
縫製物案内部33wが設けられている。副腕33の突出
先端部33fが主腕32の突出先端部32fに圧接され
ている場合であっても、副腕33の縫製物案内部33w
の案内機能により、縫製物1をこれの縁部から主腕32
の挟持面32xと副腕33の挟持面33xとの間に矢印
E1方向に差し込むことが容易となる。
【0037】図3に示すように、主腕32の基端部32
rには、雌ねじ84aをもつ固定ナット84、雌ねじ8
4aに対面する第2挿通孔86が設けられている。副腕
3333の基端部33rには、雌ねじ84aに対面する
第1挿通孔87が設けられている。
【0038】図4に示すように、副腕33に設けられた
支点軸88は、主腕32の基端部32rに形成されたガ
イド孔89に嵌合している。支点軸88を中心として、
副腕33は主腕32に対して矢印R1,R2方向に旋回
可能とされている。ガイド孔89は矢印X方向に延設さ
れた長孔状である。支点軸88はガイド孔89の長径方
向において矢印X方向に沿って移動可能とされている。
【0039】図3に示すように第1腕装置3Rは、圧接
手段として機能できるバネ90と、隙間減少手段として
機能できる隙間調整ボルト91とをもつ。隙間調整ボル
ト91は、使用者により手作業で副腕33の外側から回
転操作される頭部91wと、主腕32に保持された締結
手段としての固定ナット84の雌ねじ84aに螺合可能
な雄ねじ91vをもつねじ軸91xとを有する。
【0040】バネ90は主腕32と副腕33との間に介
在している。図3に示すようにバネ90は付勢機能をも
つ付勢手段として機能できる捻りコイルバネで構成され
ており、縦軸型の中心軸線をもつコイル部90aと、コ
イル部90aから延設されたバネ一端部90bと、コイ
ル部90aから延設されたバネ他端部90cとをもつ。
図3に示すように、バネ一端部90bは、副腕33の基
端部33r側で曲成された曲成部33rsにあてがわれ
ており、バネ他端部90cは基部31の壁にあてがわれ
ている。このようなバネ90のバネ力により、図1に示
すように、副腕33の突出先端部33fを矢印R1’方
向つまり主腕32の突出先端部32fに向けて付勢して
いる。この付勢の結果、図1から理解できるように、縫
製物1を保持する前の通常の状態では、副腕33の基端
部と主腕32の基端部32rとの間に隙間92を形成さ
せつつ、副腕33の突出先端部33fを主腕32の突出
先端部32fに圧接させている。すなわち、副腕33の
突出先端部33fを主腕32の突出先端部32fに局部
的に圧接させている。圧接部分をFAとして示す。
【0041】図1に示すように、通常の状態では、隙間
92については、主腕32の突出先端部32f及び副腕
33の突出先端部33fの側で隙間幅が狭く、且つ、主
腕32の基端部32r及び副腕33の基端部33rの側
で隙間幅が広くなるように設定されている。換言すれ
ば、隙間92の平面形状は、突出先端部33f側が閉じ
た実質的な偏平の三角形状をなす。
【0042】このように副腕33の突出先端部33fを
主腕32の突出先端部32fに圧接させておれば、副腕
33の突出先端部33fと主腕32の突出先端部32f
とで縫製物1をこれの厚み方向に挟持して容易に仮保持
することができる。
【0043】通常の状態では、図3から理解できるよう
に、バネ90により支点軸88はガイド孔89の一端8
9iに当たっている。副腕33の第1挿通孔87及び主
腕32の第2挿通孔86に隙間調整ボルト91を挿通し
た状態で、隙間調整ボルト91の雄ねじ91vを主腕3
2の固定ナット84の雌ねじ84aに螺進させれば、螺
進に伴い、図5に示すように、支点軸88がガイド孔8
9に沿ってつまり矢印X2方向に沿って移動すると共
に、副腕33が矢印X2方向に移動する。従って、図5
に示すように、隙間92を減少させるように副腕33の
基端部33rが主腕32の基端部32rに接近する。よ
って隙間調整ボルト91は隙間減少手段として機能す
る。上記したように副腕33が主腕32に接近したとき
においても、バネ90により、副腕33の突出先端部3
3fは主腕32の突出先端部32fに圧接されているた
め、副腕33の大部分が主腕32に密接するようにな
る。即ち、副腕33の挟持面33xと主腕32の挟持面
32xとの接触面積が増加する。これにより副腕33と
主腕32とによる挟持力が大きく確保されるため、主腕
32の挟持面32xと副腕33の挟持面33xとで縫製
物1をこれの厚み方向にクランプして本保持することが
できる。
【0044】図4または図5に示すように、主腕32の
基端部32rにおいてストッパ94が突設されていると
共に、副腕33には、主腕32と副腕33とが接近した
ときにおいてストッパ94と副腕33との衝突を回避す
る逃げ孔95が形成されている。ストッパ94は、隙間
調整ボルト91よりも矢印Y1に寄っており、主腕32
の挟持面32xと副腕33の挟持面33xとの間に差し
込んだ布状の縫製物1が隙間調整ボルト91に当たらな
いようにするためのものであり、接触回避手段、縫製物
進入止めストッパとして機能する。
【0045】図2から理解できるように、第1腕装置3
Rのスライド孔30は、第1長尺案内保持部51の横断
面形状と整合するように、横断面で矢印Y方向において
横長となる四角形状をなしており、第1長尺案内保持部
51と嵌合するものであり、第1長尺案内保持部51の
長さ方向に沿ってスライド、つまり摺動することができ
る。
【0046】図8は、第1腕装置3Rを長尺案内保持部
5に嵌めた状態の断面を示す。図8に示すように、第1
腕装置3Rの基部31の上面壁31aには、第1腕装置
3Rを長尺案内保持部5に固定する固定部の一部として
機能できる腕固定孔36が複数個形成されている。腕固
定孔36は、基部31の上面壁31aを厚み方向に貫通
する円形状の挿通孔である。なお腕固定孔36の内壁面
には雌ねじは形成されていない。図8に示すように第1
腕装置3Rの下面壁31cには、固定部の一部として機
能する固定具37が固着されている。この固定具37
は、雌ねじ37kをもつナットを第1腕装置3Rの下面
壁31cに溶接で固着して設けられているが、場合によ
ってはバーリング加工で形成して筒状壁として形成して
も良い。第1腕装置3Rの腕固定孔36は、長尺案内保
持部5の長孔53と対面しているものである。従って、
第1腕装置3Rの基部31が第1長尺案内保持部51に
沿って矢印X1,矢印X2方向にスライドしたとして
も、第1腕装置3Rの腕固定孔36は第1長尺案内保持
部51の長孔53と対面可能である。
【0047】図8に示すように、腕固定孔36と共に固
定部として機能できる腕固定ねじ38が、第1腕装置3
Rの腕固定孔36に第1腕装置3Rの上方から挿通され
ている。図8に示すように、腕固定ねじ38は、雄ねじ
38mをもつねじ軸38tと、ねじ軸38tの一端に連
接された頭部38sとをもつ。腕固定ねじ38のねじ軸
38tの雄ねじ38mは、前記した固定具37の雌ねじ
37kに螺進退可能に螺着されている。
【0048】図8から理解できるように、使用者が工具
等で腕固定ねじ38の頭部38sを一方向に回せば、ね
じ軸38tの雄ねじ38mが固定具37の雌ねじ37k
に螺進する。このような螺進に伴い、腕固定ねじ38の
頭部38sと固定具37との距離が短縮される。このた
め第1腕装置3Rの基部31の上面壁31aが第1長尺
案内保持部51の上面51iに圧接すると共に、第1腕
装置3Rの基部31の下面壁31cが第1長尺案内保持
部51の下面51uに圧接する。この結果、第1腕装置
3Rが第1長尺案内保持部51に固定される。このよう
に第1腕装置3Rが固定された状態では、第1腕装置3
Rが第1長尺案内保持部51に対して自由にスライドで
きなくなる。
【0049】また、固定されている第1腕装置3Rをス
ライド可能にするにあたっては、図8から理解できるよ
うに、使用者が工具等で腕固定ねじ38の頭部38sを
他方向に回す。このようにすれば、ねじ軸38tの雄ね
じ38mが固定具37の雌ねじ37kに対して螺退し、
螺退に伴い前記した圧接が解除または緩むため、固定が
解除され、第1腕装置3Rが第1長尺案内保持部51に
対してスライド可能となる。
【0050】図7に示すように、第1腕装置3Rの基部
31の背面壁31b側には、腕係止具64が保持されて
いる。腕係止具64は板金または樹脂製であり、平板部
64mと、平板部64mに連設された係止突部64wと
をもつ。係止突部64wは、左右均等な傾斜面64pを
備えた三角形状(具体的には二等辺三角形状)をなすよ
うに所要量突出している。
【0051】図7に示すように、腕係止具64の係止突
部64wが基部31のスライド孔30の空間部分に突出
するように、腕係止具64は第1腕装置3Rの第1基部
31に、付勢部材であるバネ65を介して保持されてい
る。バネ65は、腕係止具64を矢印T1方向につまり
長尺案内保持部5に向けて付勢している。腕係止具64
の係止突部64wは、第1長尺案内保持部51に形成さ
れている複数個の係止部56のそれぞれと係脱可能に係
止できるようにされている。
【0052】即ち、第1腕装置3Rが矢印X方向にスラ
イドしたとき、バネ65により矢印T1方向に付勢され
た腕係止具64の凸状の係止突部64wは、第1長尺案
内保持部51の凹状の係止部56に嵌合して係止する。
このとき凹凸の嵌合は触感、節度感として使用者に認識
されるため、腕係止具64及び係止部56は、第1腕装
置3R,第2腕装置3Lの使用頻度が高いスライド位置
を触感、節度感として識別できる触感識別手段としても
機能できる。
【0053】なお、第1腕装置3Rが更に矢印X方向に
沿ってスライドすれば、図7から理解できるように、バ
ネ65を弾性収縮させつつ、腕係止具64は矢印T2方
向に退避できるため、腕係止具64の傾斜面64pが係
止部56の傾斜面56nを登り、凸状の係止突部64w
と凹状の係止部56との係止は解除される。
【0054】第1腕装置3Rの腕係止具64の係止突部
64wが複数個の係止部56のうちのいずれかと係止し
ているときには、第1腕装置3Rを矢印X方向にスライ
ド移動させるには所要の外力を必要とするため、第1腕
装置3Rに無用な振動や無用な微動などが生じることを
抑えることができる。従って腕係止具64及び凹状の係
止部56は、互いに嵌り合って第1腕装置3Rの無用な
振動や無用な微動を抑制する抑制手段としても機能でき
る。
【0055】本実施例では、図1に示すように、第2腕
装置3Lは第1腕装置3Rと同様な構成となっており、
可動部61の矢印X方向における仮想中心線W1に対し
て左右対称の構造とされている。第2長尺案内保持部5
2及び第1長尺案内保持部51についても、可動部61
の仮想中心線W1に対して左右対称の構造とされてい
る。即ち図1に示すように、第2腕装置3Lは、矢印X
方向において貫通するスライド孔30をもつ基部31
と、基部31から矢印Y1方向に沿ってつまり水平方向
に沿って基部31と一体的に延設された主腕32と、矢
印Y1方向に沿ってつまり水平方向に沿って延設された
揺動式の副腕33とをもつ。第2腕装置3Lにおいて
も、副腕33は主腕32に独立しており、主腕32に対
して別体をなす。図1に示すように第2腕装置3Lにお
いても、副腕33に設けられた支点軸88は、主腕32
の基端部32rに形成されたガイド孔89に嵌合してお
り、ガイド孔89の長径方向において移動可能とされて
いる。更に図1に示すように第2腕装置3Lは、圧接手
段としてのバネ90と、隙間減少手段としての隙間調整
ボルト91とをもつ。
【0056】図2に示すように、第2長尺案内保持部5
2の上面にはこれの長さ方向に沿って長孔53が延設さ
れている。第2長尺案内保持部52の前側面52aに
は、腕位置識別手段として機能できる印55が複数個所
定の間隔で付されている。複数個の印55は、第2腕装
置3Lの使用頻度が高い各位置をそれぞれ識別する。第
2長尺案内保持部52の背面52bには、凹状の複数個
の係止部56が所定の間隔で形成されている。
【0057】図1に示すように、第2腕装置3Lの基部
31の上面壁31aには、腕固定孔36が長孔53と対
面可能に形成されている。腕固定ねじ38が第2腕装置
3Lの腕固定孔36に第2腕装置3Lの上方から挿通さ
れている。
【0058】さて刺繍などの縫製を行う際には、図9に
実線で示すように、主腕32及び副腕33の突出先端側
から、つまり縫製物案内部33wから、縫製物1を矢印
E1方向に沿って第1腕装置3Rの主腕32の挟持面3
2xと副腕33の挟持面33xと間に差し込む。一般的
には、ストッパ94の手前まで、第1腕装置3Rの長さ
方向に沿って縫製物1を差し込む。その後、隙間調整ボ
ルト91の頭部91wを、外側から使用者が回転操作さ
せて隙間調整ボルト91を固定ナット84に締結するこ
とにより、主腕32の挟持面32xに副腕33の挟持面
33xを接近させ、主腕32の挟持面32xと副腕33
の挟持面33xとで縫製物1をこれの厚み方向にクラン
プして挟持する。図示はしないものの、縫製物1の他の
部位を第2腕装置3Lの縫製物案内部33wから主腕3
2の挟持面32xと副腕33の挟持面33xと間に差し
込み、隙間調整ボルト91を第2腕装置3Lの固定ナッ
ト84に締結することにより、第2腕装置3Lの主腕3
2の挟持面32xに副腕33の挟持面33xを接近さ
せ、主腕32の挟持面32xと副腕33の挟持面33x
とで縫製物1をクランプして挟持する。
【0059】刺繍などの縫製処理の際には、第1腕装置
3R,第2腕装置3Lの間隔Mを縫製物1のサイズに適
宜適応させる必要がある。そこで本実施例では、第1腕
装置3R及び第2腕装置3Lの腕固定ねじ38を緩める
か、外すかすることにより、第1腕装置3R及び第2腕
装置3Lの少なくとも一方を長尺案内保持部5に対して
スライド可能とする。そして使用者が手作業で、第1腕
装置3R及び第2腕装置3Lのうちの少なくとも一方
を、長尺案内保持部5に沿って矢印X1方向または矢印
X2方向に適宜スライドさせる。必要があれば、第1腕
装置3R及び第2腕装置3Lのうちの双方を長尺案内保
持部5に沿って矢印X1方向または矢印X2方向に適宜
スライドさせる。これにより縫製物1のサイズに対応で
きるように、矢印X方向における第1腕装置3Rの位置
及び第2腕装置3Lの位置を決定する。
【0060】上記したように第1腕装置3Rの位置及び
第2腕装置3Lの位置を決定したら、工具等を用いて第
1腕装置3R及び第2腕装置3Lのスライドさせたもの
について、腕固定ねじ38を回して固定具37(図8参
照)に螺着して締結することにより、第1腕装置3R,
第2腕装置3Lを長尺案内保持部5に固定する。この状
態では腕固定ねじ38が締結されているため、第1腕装
置3Rは第1長尺案内保持部51に対してスライドでき
なくなると共に、第2腕装置3Lも第2長尺案内保持部
52に対してスライドできなくなる。
【0061】上記したように第1腕装置3R及び第2腕
装置3Lの間隔Mを拡げれば、図9に仮想線で示すよう
に布状の縫製物1は緊張状態に張設される。このように
布状の縫製物1を張設したら、図略のミシンの縫製部を
作動させて縫製物1に対して刺繍等の縫製処理を行う。
このとき縫製物1は緊張状態に張設されているため、刺
繍などの縫製処理を良好に行うことができる。
【0062】なお、図9から理解できるように布状の縫
製物1が緊張状態に張設されている場合には、縫製物の
うち第1腕装置3Rと第2腕装置3Lとの間の内側部分
1Mは、主腕32の下壁部32bよりも下方に位置して
いる。縫製物1のうち第1腕装置3Rよりも外側部分1
Pは、副腕33の上壁部33aよりも上方に位置してい
る。
【0063】上記した縫製処理の際に、縫製物1を矢印
Y方向及び矢印X方向に適宜移動する必要が生じた場合
には、図略の制御装置により駆動されるY駆動源により
ガイドレール60が矢印Y1方向,矢印Y2方向におい
て適宜前進後退するため、ガイドレール60に走行可能
に保持されている可動部61、可動部61に保持されて
いる長尺案内保持部5、長尺案内保持部5に保持されて
いる第1腕装置3R及び第2腕装置3L、第1腕装置3
R及び第2腕装置3Lに保持されている縫製物1も矢印
Y方向(矢印Y1方向,矢印Y2方向)に移動する。
【0064】また図略の制御装置により可動部61がガ
イドレール60に沿って矢印X1方向,矢印X2方向に
移動すれば、可動部61に保持されている長尺案内保持
部5、長尺案内保持部5に保持されている第1腕装置3
R及び第2腕装置3L、第1腕装置3R及び第2腕装置
3Lに保持されている縫製物1が矢印X方向(矢印X1
方向,矢印X2方向)に移動する。
【0065】以上説明したように本実施例によれば、図
1から理解できるように、縫製物1を保持する前の通常
の状態では、第1腕装置3R及び第2腕装置3Lにおい
て、副腕33の基端部33rと主腕32の基端部32r
との間に隙間92を形成させつつ、副腕33の突出先端
部33fを主腕32の突出先端部32fに圧接させてい
る。従って、縫製物1を第1腕装置3Rの主腕32と副
腕33との間に矢印E1方向へ差し込めば、縫製物1の
本保持前の状態においても、副腕33の突出先端部33
fと主腕32の突出先端部32fとで縫製物1をこれの
厚み方向に挟持して容易に仮保持することができる。こ
のため縫製物1の本保持まで、使用者は縫製物1を手作
業などで逐一保持していなくても良い。
【0066】また副腕33の基端部33rと主腕32の
基端部32rとの間に隙間92が形成されているため、
縫製物1に対する移動抵抗が軽減されている。故に、上
記したように縫製物1を仮保持したまま、縫製物1をこ
れの本保持位置まで容易に移動させることができる。移
動させた後に、隙間調整ボルト91をの固定ナット84
に螺進させれば、隙間92を減少させるように副腕33
の基端部33rが主腕32の基端部32rに接近し、主
腕32の挟持面32xと副腕33の挟持面33xとで縫
製物1をクランプして本保持することができる。
【0067】更に図9に示すように、主腕32の挟持面
32xには凹状の第1縫製物係止部96(1個または複
数個)が形成されていると共に、副腕33の挟持面33
xには、凹状の第1縫製物係止部96に対面する凸状の
第2縫製物係止部97(1個または複数個)が形成され
ている。このため、縫製物1の仮保持性、本保持性を一
層高めることができる。
【0068】また本実施例では、縫製物保持装置2の第
1腕装置3R及び第2腕装置3Lには縫製物案内部33
wが設けられているため、縫製物1を仮保持するとき、
縫製物1を主腕32と副腕33との間に矢印E1方向に
沿って円滑に進入させることができる。
【0069】第1腕装置3R,第2腕装置3Lの間隔M
を縫製物1のサイズに対応させる必要がある。本実施例
では、第1腕装置3R及び第2腕装置3Lを矢印X1,
矢印X2方向に沿って摺動つまりスライドさせれば、第
1腕装置3Rと第2腕装置3Lとの間隔Mを連続的に可
変にできる。従って様々なサイズをもつ縫製物1に対応
することができる。更に第1腕装置3R及び第2腕装置
3Lの双方がスライド可能である。このため、縫製物1
のサイズの変動に対応するのに一層有利である。
【0070】縫製の代表例である刺繍処理の際には、刺
繍枠で縫製物1を緊張状態に張設するものである。この
点について、第1腕装置3Rと第2腕装置3Lとの間隔
Mを連続的に可変にできるため、縫製物1を緊張状態に
張設することができ、刺繍枠を使用せずとも刺繍処理を
行うことができる。故に、刺繍枠レス方式のミシンや刺
繍枠レス方式の縫製物保持装置を提供できる。
【0071】加えて本実施例では、第1腕装置3R,第
2腕装置3Lの使用頻度が高い位置を示す複数個の印5
5が腕位置識別手段として第1長尺案内保持部51及び
第2長尺案内保持部52にそれぞれ設けられている。こ
のため図2から理解できるように、複数個の印55のう
ちのいずれかに第1腕装置3Rの端面3kを対応させる
ように、使用者が肉眼で視覚的に視認しつつ、第1腕装
置3Rをスライドさせることができる。同様に、第2腕
装置3Lをスライドさせることもできる。よって、第1
腕装置3R、第2腕装置3Lの使用頻度が高いスライド
位置を短時間のうちに決定できる利点が得られる。
【0072】殊に本実施例においては、前述したよう
に、第1腕装置3R及び第2腕装置3Lには腕係止具6
4が保持されており、第1腕装置3R及び第2腕装置3
Lがスライドするときには、腕係止具64の凸状の係止
突部64wが凹状の複数個の係止部56のうちのいずれ
かと嵌合して係止する。このため第1腕装置3R及び第
2腕装置3Lを手動でスライドさせている使用者は、凹
凸嵌合に伴なう触感、節度感を感じられる。故に本実施
例では、使用者が肉眼で複数個の印55を視覚的に逐一
視認する意志または時間がないときであっても、触感、
節度感を利用して、第1腕装置3R及び第2腕装置3L
の使用頻度が高い位置を短時間のうちに一層容易に設定
できる利点が得られる。
【0073】更に本実施例においては、腕係止具64の
凸状の係止突部64wと凹状の係止部56との嵌合係止
は、係止音として聴覚的にも識別できる。このため、使
用者が肉眼で複数個の印55を視覚的に逐一視認する意
志または時間がないときであっても、聴覚を利用して、
第1腕装置3R及び第2腕装置3Lの使用頻度が高いス
ライド位置を短時間のうちに猶一層容易に設定させ得る
利点が得られる。
【0074】また本実施例においては、係止部56は左
右均等な傾斜面56nをもつ二等辺三角形状であり、腕
係止具64の係止突部64wも左右均等な傾斜面64p
をもつ二等辺三角形状である。このため第1腕装置3R
や第2腕装置3Lを矢印X1方向にスライドさせたとき
の嵌合係止の度合と、逆に、矢印X2方向にスライドさ
せたときの嵌合係止の度合とを均衡化できる。
【0075】なお、縫製物保持装置2が市販のミシンに
後処理で搭載されるものである場合には、ガイドレール
60、可動部61は市販のミシンに予め搭載されている
ものを利用し、可動部61に長尺案内保持部5を取り付
ける形態とすることもできる。
【0076】(第2実施例)第2実施例について図10
を参照して示す。第2実施例は第1実施例と基本的には
同様の構成であり、共通する部位には共通の符号を付す
る。第2実施例は第1実施例と基本的には同様の作用効
果を奏する。以下、第1実施例と異なる部分を中心とし
て説明する。
【0077】第2実施例では、第1長尺案内保持部51
及び第2長尺案内保持部52に形成されている長孔53
は、図10に示すように上面開口53aをもつものの、
下方向には貫通していない。よって長孔53は有底形状
であり、上方に臨む底面53eをもつ。第1腕装置3R
の上面壁31aに形成されている腕固定孔36の内壁面
には雌ねじ36xが形成されている。
【0078】そして図10から理解できるように、腕固
定ねじ38を第1長尺案内保持部51の上方から長孔5
3に向けて差し込んだ状態で、工具などで腕固定ねじ3
8の頭部38sを回しながら、腕固定ねじ38のねじ軸
38tの雄ねじ38mを腕固定孔36の雌ねじ36xに
螺進させる。このような螺進に伴い、腕固定ねじ38の
ねじ軸38tの先端が長孔53の底面53eを加圧すれ
ば、第1長尺案内保持部51の下面51uが第1腕装置
3Rの基部31の下面壁31cに強く圧接する。このた
め第1腕装置3Rが第1長尺案内保持部51に固定され
る。この状態では第1腕装置3Rは第1長尺案内保持部
51に対してスライドできなくなる。
【0079】第1腕装置3Rをスライド可能とするにあ
たっては、工具などで腕固定ねじ38の頭部38sを逆
方向に回し、腕固定ねじ38をねじ軸38tの雄ねじ3
8mを腕固定孔36の雌ねじ36xに対して螺退させ
る。このようにすれば、腕固定ねじ38のねじ軸38t
の先端が第1長尺案内保持部51の長孔53の底面53
eを加圧することが解除または緩められる。これにより
固定が解除され、第1長尺案内保持部51の下面51u
が第1腕装置3Rの下面壁31cに強く圧接しなくなる
ため、第1腕装置3Rが第1長尺案内保持部51に沿っ
てスライド可能とされる。
【0080】上記した説明は第1腕装置3Rの側である
が、第2腕装置3Lの側についても同様である。即ち、
第2腕装置3L側の腕固定ねじ38を締結したり緩めた
りすれば、第2長尺案内保持部52に対して第2腕装置
3Lを固定したり、スライド可能としたりすることがで
きる。
【0081】(第3実施例)第3実施例について図11
を参照して示す。第3実施例は第1実施例と基本的には
同様の構成であり、共通する部位には共通の符号を付す
る。第2実施例は第1実施例と基本的には同様の作用効
果を奏する。以下、第1実施例と異なる部分を中心とし
て説明する。
【0082】第3実施例では、第1長尺案内保持部51
に形成されている長孔53は、図11に示すように、第
1長尺案内保持部51の背面に形成されている。つまり
長孔53は、第1長尺案内保持部51の背面で開口する
背面開口53hと、側方に臨む底面53sとをもつ。腕
固定孔36は、第1腕装置3Rの背面壁31bに貫通状
態に且つ側方に開口して形成されており、その内壁面に
は雌ねじ36xが形成されている。
【0083】そして図11に示すように、腕固定ねじ3
8を第1長尺案内保持部51の側方つまり矢印E3方向
から長孔53に差し込んだ状態で、工具などで腕固定ね
じ38の頭部38sを回しながら、腕固定ねじ38のね
じ軸38tの雄ねじ38mを雌ねじ36xに螺進させ
る。このような螺進に伴い、腕固定ねじ38のねじ軸3
8tの先端が第1長尺案内保持部51の長孔53の底面
53sを加圧すれば、第1長尺案内保持部51の側面5
1rが第1腕装置3Rの基部31の側面壁31uに強く
圧接する。このため、第1腕装置3Rが第1長尺案内保
持部51に固定される。
【0084】第1腕装置3Rをスライドするにあたって
は、腕固定ねじ38の頭部38sを逆方向に回して腕固
定ねじ38をねじ軸38tの雄ねじ38mを腕固定孔3
6の雌ねじ36xに対して螺退させる。このようにすれ
ば、腕固定ねじ38のねじ軸38tの先端が第1長尺案
内保持部51の長孔53の底面53sを加圧することが
解除または緩められる。これにより固定が解除され、第
1長尺案内保持部51の側面51rが第1腕装置3Rの
基部31の側面壁31uに圧接しなくなるため、第1腕
装置3Rが第1長尺案内保持部51に沿ってスライド可
能とされる。
【0085】上記した説明は第1腕装置3Rの側につい
てであるが、第2腕装置3Lの側についても同様であ
る。即ち、第2腕装置3L側の腕固定ねじ38を締結し
たり緩めたりすれば、第2腕装置3Lを第2長尺案内保
持部52に対して固定したり、スライド可能としたりす
ることができる。
【0086】(適用例)図12は適用例を示す。この適
用例では、複数の脚100をもつベース102と、ベー
ス102に搭載された針駆動機構をもつ刺繍部として機
能できる縫製部104と、各種の操作スイッチ106を
もつ操作盤108と、刺繍を行う針110と、縫製物1
を保持するための縫製物保持装置2とを備えている。
【0087】縫製物保持装置2は、一方向である矢印Y
1方向に沿って突出すると共に図略の縫製物の一部を脱
着可能に保持する第1腕装置3Rと、一方向であるY方
向に沿って突出すると共に縫製物の他の一部を脱着可能
に保持する第2腕装置3Lと、第1腕装置3R及び第2
腕装置3Lの突出方向と交差する方向である矢印X方向
に沿って連続的に長尺状に設けられた長尺案内保持部5
とを備えている。第1腕装置3Rと第2腕装置3Lとの
間隔Mは、連続的に可変である。
【0088】(その他)第1実施例では、平面形態を示
す図1から理解できるように、主腕32が内側に配置さ
れていると共に副腕33が外側に配置されているが、こ
れに限らず、主腕32が外側に配置されていると共に副
腕33が内側に配置されている構成しても良い。
【0089】第1実施例では、第1腕装置3R及び第2
腕装置3Lの双方を長尺案内保持部5に沿ってスライド
可能としているが、これに限らず、第1腕装置3R及び
第2腕装置3Lのうちの一方をスライド可能とし、他方
をスライドできないように予め固定している形態として
も良い。
【0090】第1実施例では、図9に示すように、主腕
32の挟持面32xには凹状の第1縫製物係止部96が
形成されていると共に、副腕33の挟持面33xには凸
状の第2縫製物係止部97が形成されているが、凸と凹
とを逆にしても良い。圧接手段として捻りコイルバネで
構成されたバネ90を用いているが、これに限らず、通
常のコイルバネ、板バネ、皿バネなどを採用しても良
い。隙間減少手段として隙間調整ボルト91を採用して
いるが、これに限らず、エアシリンダ装置で隙間92を
減少させ、縫製物1を本保持するようにしても良い。隙
間調整ボルト91は第1腕装置3Rで1個設けられてい
るが、複数個にしても良い。
【0091】第1長尺案内保持部51及び第2長尺案内
保持部52には、腕位置識別手段として機能できる印5
5が複数個設けられている。しかしその数は特に限定さ
れるものではなく、場合によっては第1長尺案内保持部
51及び第2長尺案内保持部52に印55を1個ずつ設
けることにしても良い。更に印55は縦線状ではなく、
点状の印、三角状の印、あるいは、数字または活字で示
す印としても良い。
【0092】第1実施例では第1長尺案内保持部51及
びスライド孔30は、互いに整合するように横断面で四
角形状をなしているが、これに限らず横断面円形状で
も、楕円形状でも良く、要するに第1腕装置3Rや第2
腕装置3Lのスライドを円滑にできるように横断面が対
応しておれば良い。
【0093】第1実施例では、腕係止具64は、第1腕
装置3R及び第2腕装置3Lをスライドさせる際に使用
者に触感、節度感を感じさせたり、または凹凸の嵌合係
止による係止音を聴覚的に感じさせることにより、使用
頻度が高い縫製物1を使用する際の第1腕装置3R及び
第2腕装置3Lの決定位置を容易に識別させる識別機能
を発揮させるためのものである。また、長尺案内保持部
5に付されている複数個の印55も、使用頻度が高い縫
製物1を使用する際の第1腕装置3R及び第2腕装置3
Lの決定位置を容易に識別させる識別機能を発揮させる
ためのものである。このように第1実施例では識別機能
手段が複数種類設けられているが、印55を廃止し、係
止部56及び腕係止具64のみを設けるだけでも良い。
また、係止部56及び腕係止具64を廃止し、印55を
設けるだけでも良い。
【0094】第1実施例では、第1腕装置3R及び第2
腕装置3Lに腕係止具64がそれぞれ設けられており、
長尺案内保持部5に凹状の複数個の係止部56が設けら
れている。しかしこれに限らず、逆に、第1腕装置3R
及び第2腕装置3Lに凹状の複数個の係止部56を設け
ると共に、長尺案内保持部5に腕係止具64を設ける構
成としても良い。
【0095】その他、本発明は上記し且つ図面に示す実
施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない
範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0096】(付記)本明細書及び図面から次の技術的
思想も把握できる。 (付記項1)請求項3において、第1腕装置及び第2腕
装置の少なくとも一方をを長尺案内保持部に固定する固
定部が設けられていることを特徴とするミシンまたは縫
製物保持装置。 (付記項2)付記項1において、固定部は、第1腕装置
または第2腕装置を長尺案内保持部に圧接し圧接に伴い
固定する構造であることを特徴とするミシンまたは縫製
物保持装置。 (付記項3)付記項1において、固定部は、第1腕装置
または第2腕装置に螺進退可能に保持されたねじ軸とね
じ軸と一体的な頭部とをもつねじを備えており、ねじの
ねじ軸の螺進に伴い、ねじのねじ軸の先端部で、第1腕
装置及び第2腕装置の少なくとも一方と長尺案内保持部
とを圧接させ、圧接に伴い第1腕装置及び第2腕装置の
少なくとも一方を長尺案内保持部に固定すると共に、ね
じの螺退に伴い、圧接を解除または緩めて固定を解除し
て第1腕装置及び第2腕装置の少なくとも一方をスライ
ド可能とする構造であることを特徴とするミシンまたは
縫製物保持装置。 (付記項4)付記項1において、固定部は、第1腕装置
及び第2腕装置の少なくとも一方を構成する壁に形成さ
れた雌ねじをもつ孔と、孔に螺進退可能な雄ねじをもつ
ねじ軸を備えたねじとを備え、雌ねじに対するねじのね
じ軸の螺進に伴い、ねじ軸の先端部で、第1腕装置及び
第2腕装置の少なくとも一方と長尺案内保持部とを圧接
させ、圧接に伴い第1腕装置及び第2腕装置の少なくと
も一方を長尺案内保持部に固定すると共に、ねじの螺退
に伴い、圧接を解除または緩めて固定を解除して第1腕
装置及び第2腕装置の少なくとも一方をスライド可能と
する構造であることを特徴とするミシンまたは縫製物保
持装置。 (付記項5)請求項3において、第1腕装置または第2
腕装置の少なくとも一方は、横断面で、長尺案内保持部
に嵌合されるスライド孔を区画する箱形状をなす基部を
備えていることを特徴とするミシンまたは縫製物保持装
置。 (付記項6)付記項1〜4において、長尺案内保持部は
有底形状の底面をもち、螺進に伴いねじのねじ軸の先端
部は底面を加圧し、加圧に伴い、第1腕装置及び第2腕
装置の少なくとも一方と長尺案内保持部とを圧接させ、
該一方を長尺案内保持部に固定することを特徴とするミ
シンまたは縫製物保持装置。 (付記項7)各請求項において、腕装置のスライド位置
を識別する腕位置識別手段が設けられており、腕位置識
別手段は、使用頻度が高い縫製物を使用する際の第1腕
装置及び第2腕装置の可動式の少なくとも一方のスライ
ド位置を使用者が肉眼で視覚的に識別できる視覚識別手
段、使用頻度が高い縫製物を使用する際の第1腕装置及
び第2腕装置の可動式の少なくとも一方のスライド位置
を使用者が聴覚で識別できる聴覚識別手段、使用頻度が
高い縫製物を使用する際の第1腕装置及び第2腕装置の
可動式の少なくとも一方のスライド位置を使用者が触感
で識別できる触感識別手段、のうちの少なくとも一方で
構成されていることを特徴とするミシンまたは縫製物保
持装置。 (付記項8)付記項7において、腕位置識別手段は、長
尺案内保持部に設けられた凹及び凸のうちの一方と、第
1腕装置及び第2腕装置の少なくとも一方に設けられ当
該凹及び凸のうちの一方と係脱可能に嵌合係止する凸及
び凹のうちの他方とを備えていることを特徴とするミシ
ンまたは縫製物保持装置。 (付記項9)各請求項において、第1腕装置と第2腕装
置とは互いに独立しており、実質的に平行であることを
特徴とするミシンまたは縫製物保持装置。 (付記項10)各請求項において、第1腕装置と第2腕
装置と間隔を広げたとき、第1腕装置と第2腕装置と長
尺案内保持部とは、平面形態でコの字形状となることを
特徴とするミシンまたは縫製物保持装置。 (付記項11)付記項7において、腕位置識別手段は、
第1腕装置または第2腕装置の少なくとも一方の基準部
が合わさる印と、凹または凸状の係止部とを備えてお
り、使用者に識別できるように印は長尺案内保持部の前
側に設けられ、係止部は長尺案内保持部の背面側に設け
られていることを特徴とするミシンまたは縫製物保持装
置。
【0097】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように本発明
に係るミシン、本発明に係る縫製物保持装置によれば、
圧接手段により、主腕の基端部側と副腕の基端部側との
間に隙間を形成しつつ、副腕の突出先端部側の一部が主
腕の突出先端部側に圧接されている。この状態では、圧
接されている副腕の突出先端部側の一部と主腕の突出先
端部側とで、縫製物を挟持して仮保持することができ
る。このように縫製物を仮保持している状態では、使用
者は手作業などで縫製物を逐一保持していなくても良
い。
【0098】しかも、縫製物を主腕と副腕とで仮保持し
ているときには、主腕の基端部側と副腕の基端部側との
間に隙間が形成されているため、仮保持している縫製物
を、仮保持性を確保しつつ、主腕の基端部側と副腕の基
端部側との間に更に進入させる操作を簡便に行うことが
できる。このため、主腕と副腕とで仮保持している縫製
物を、本保持する位置まで容易に移動させることができ
る。
【0099】また、縫製物を本保持位置まで移動させた
ら、隙間減少手段により、主腕の基端部側と副腕の基端
部側との間に隙間を減らす方向に副腕を主腕に接近させ
れば、縫製物の保持の度合が高まるため、主腕と副腕と
の挟持力を高め、縫製物を本保持することができる。
【0100】更に、第1腕装置及び第2腕装置の少なく
とも一方がスライド可能である場合には、第1腕装置及
び第2腕装置の間隔を小さくしたり、中程度にしたり、
大きくしたりでき、第1腕装置及び第2腕装置の間隔を
広い範囲にわたって連続的に調整することができ、この
ため様々なサイズをもつ縫製物を用いて刺繍等の縫製処
理を行うことができる。
【0101】殊に、第1腕装置及び第2腕装置の間隔を
調整することができる場合には、間隔を広げれば、縫製
物を緊張状態に容易に張設することができる。故に、縫
製物を緊張状態に張設するために従来の刺繍処理で必要
とされていた刺繍枠を廃止することができ、刺繍枠レス
の形態で刺繍などの縫製を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係り、縫製物保持装置の要部を示
す平面図である。
【図2】第1実施例に係り、縫製物保持装置の要部の一
部分解状態を示す斜視図である。
【図3】第1実施例に係り、縫製物保持装置の初期状態
における第1腕装置付近を示す断面図である。
【図4】第1実施例に係り、縫製物保持装置の初期状態
における第1腕装置付近を示す平面図である。
【図5】第1実施例に係り、縫製物保持装置のクランプ
状態における第1腕装置付近を示す主要部の平面図であ
る。
【図6】第1実施例に係り、縫製物保持装置の第1腕装
置付近の主要部の側面図である。
【図7】第1実施例に係り、縫製物保持装置の腕位置識
別手段の付近の断面図である。
【図8】第1実施例に係り、縫製物保持装置において第
1腕装置及び第2腕装置を長尺案内保持部に固定する構
造を示す断面図である。
【図9】第1実施例に係り、縫製物保持装置の第1腕装
置に縫製物を保持する形態を示す斜視図である。
【図10】第2実施例に係り、縫製物保持装置において
第1腕装置及び第2腕装置を長尺案内保持部に固定する
構造を示す断面図である。
【図11】第3実施例に係り、縫製物保持装置において
第1腕装置及び第2腕装置を長尺案内保持部に固定する
構造を示す断面図である。
【図12】ミシンの斜視図である。
【符号の説明】
図中、1は縫製物、2は縫製物保持装置、3Rは第1腕
装置、3Lは第2腕装置、30はスライド孔、31は基
部、32は主腕、32fは突出先端部、32rは基端
部、33は副腕、33fは突出先端部、33rは基端
部、33wは縫製物案内部、36は腕固定孔、37は固
定具、38は腕固定ねじ、5は長尺案内保持部、51は
第1長尺案内保持部、52は第2長尺案内保持部、55
は印(腕位置識別手段)、56は係止部(腕位置識別手
段)、64は腕係止具(腕位置識別手段)、90はバネ
(圧接手段)、91は隙間調整ボルト(隙間減少手
段)、92は隙間を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縫製部をもつミシン本体と、ミシン本体に
    搭載されミシン本体の縫製部により縫製される縫製物を
    脱着可能に保持する第1腕装置と第2腕装置とを備えて
    いる縫製物保持装置とを具備するミシンであって、 縫製物保持装置の第1腕装置及び第2腕装置の少なくと
    も一方は、 一方向に突出する主腕と、 主腕に沿って突出すると共に主腕とで縫製物を挟持可能
    な副腕と、 主腕の基端部側と副腕の基端部側との間に隙間を形成し
    つつ副腕の突出先端部側の一部を主腕の突出先端部側に
    圧接させ、圧接に伴い縫製物を仮保持状態に維持可能な
    圧接手段と、 主腕の基端部側と副腕の基端部側との間の隙間を減らす
    方向に副腕と主腕とを相対接近させ、接近に伴い縫製物
    の保持の度合を高める隙間減少手段とを備えていること
    を特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】請求項1において、縫製物保持装置の第1
    腕装置及び第2腕装置の少なくとも前記一方は、縫製物
    を主腕と副腕との間に案内して進入させる縫製物案内部
    をもつことを特徴とするミシン。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、縫製物
    保持装置は、主腕の突出方向と交差する方向に沿って延
    設された長尺案内保持部をもち、第1腕装置及び第2腕
    装置の少なくとも一方は、第1腕装置と第2腕装置との
    間隔が連続的に可変となるように長尺案内保持部にスラ
    イド可能に設けられていることを特徴とするミシン。
  4. 【請求項4】縫製部をもつミシンに搭載され、ミシンの
    縫製部により縫製される縫製物を脱着可能に保持する第
    1腕装置と第2腕装置とを備えている縫製物保持装置で
    あって、 第1腕装置及び第2腕装置の少なくとも一方は、 一方向に突出する主腕と、 主腕に沿って突出すると共に主腕とで縫製物を挟持可能
    な副腕と、 主腕の基端部側と副腕の基端部側との間に隙間を形成し
    つつ副腕の突出先端部側の一部を主腕の突出先端部側に
    圧接させ、圧接に伴い縫製物を仮保持状態に維持可能な
    圧接手段と、 主腕の基端部側と副腕の基端部側との間の隙間を減らす
    方向に副腕と主腕とを相対接近させ、接近に伴い縫製物
    の保持の度合を高める隙間減少手段とを備えていること
    を特徴とする縫製物保持装置。
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