JP2001258466A - パン種、その製造法、パンおよびその製造法 - Google Patents

パン種、その製造法、パンおよびその製造法

Info

Publication number
JP2001258466A
JP2001258466A JP2000076918A JP2000076918A JP2001258466A JP 2001258466 A JP2001258466 A JP 2001258466A JP 2000076918 A JP2000076918 A JP 2000076918A JP 2000076918 A JP2000076918 A JP 2000076918A JP 2001258466 A JP2001258466 A JP 2001258466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bread
lactic acid
acid bacteria
yeast
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000076918A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Harada
正博 原田
Shuzo Ochi
修造 大地
Kunihiko Nobe
国彦 野辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MARCHEN KIKAKU KK
Original Assignee
MARCHEN KIKAKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MARCHEN KIKAKU KK filed Critical MARCHEN KIKAKU KK
Priority to JP2000076918A priority Critical patent/JP2001258466A/ja
Publication of JP2001258466A publication Critical patent/JP2001258466A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 砂糖を配合しないと、充分な食感、旨みおよ
び膨らみを有するおいしいパンが、得られない。 【解決手段】 複数種の乳酸菌を有する乳酸菌群と、複
数種の酵母を有する酵母群とを有するパン種に、(乳酸
菌の総量)/(酵母の総量)の値を増加させる乳酸菌群
増加処理を行い、このパン種を用いて、製パンを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パン種、その製造
法、パンおよびその製造法に関する。より具体的には、
本発明は、複数種の乳酸菌を有する乳酸菌群と、複数種
の酵母を有する酵母群とを有するパン種、その製造法、
パンおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】「パンを食べる人」と呼ばれたエジプト
人が新石器時代に発見したとされる、発酵食品であるパ
ンは、古来より、複数種の乳酸菌を有する乳酸菌群、お
よび複数種の酵母(イースト)を有する酵母群をいずれ
も有するパン種と、パン用原料である小麦粉と、水とを
充分に混捏することによってパン生地とし、このパン生
地を所定の大きさに分割・成型して発酵をかけることに
より、小麦粉に含まれるデンプン質をブドウ糖にし、タ
ンパク質をアミノ酸であるグルタミンという旨み成分に
変え、さらに糖質を炭酸ガスとアルコールまたは水に分
解して膨張させることによって、製造されてきた。
【0003】この発酵では、(i)小麦粉のタンパク質
と水とを化学的に結合させて、粘りのある植物性タンパ
ク質であるグルテンをつくる水和と、(ii)小麦粉の
デンプン質をブドウ糖およびアルコールに変え、タンパ
ク質を分解してアミノ酸と芳香族に変える熟成と、(i
ii)炭酸ガスを発生する力である発酵力とが同時に進
行する。ここで、水和はパンの口あたり (食感) を決定
する重要なポイントであり、熟成はパンの味を決定する
重要なポイントであり、さらに、発酵力はパンの膨らみ
を決定する重要なポイントである。
【0004】このような古来からのパンの製造法では、
主として酵母群の働きにより、発酵における水和、熟成
および発酵力の3種の生化学反応が進行するものと、経
験的に信じられてきた。
【0005】ところで、古来からのこのパン製法では、
用いるパン種や製造条件等によって、グルテンの生成
や、蛋白質の分解による旨み成分の形成、さらには糖質
の分解による炭酸ガスの発生が、いずれも大きく影響さ
れ、これらの進行程度が著しく変動してしまう。このた
め、得られるパンの食感や旨みさらには膨張等が著しく
変動してしまい、一定のパンを安定して得ることは極め
て難しかった。このため、古来からのパン製法では、用
いるパン種や製造条件等は秘伝とされ、限られた極一部
のパン工房において熟練したパン職人により少量生産さ
れるに過ぎなかった。
【0006】そこで、今世紀の初頭頃から、パンを大量
生産するために、上述したパン種と、小麦粉と、水と、
さらには、タンパク質の旨み成分への転換不足を補って
甘味、塩味を付加するための砂糖、塩とを充分に混捏し
てパン生地とする手段が、我が国も含めて世界的に主流
となった。この手段によれば、焼き上げられたパンの旨
み不足を砂糖の甘味によって、補うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、砂糖を
用いるこの手段では、当然のことながら、焼き上げられ
たパンには砂糖による甘味が残存してしまう。このた
め、かかるパンは、例えば菓子パンへの適用性は高いも
のの、グルタミンによる旨みが不足するために、米を主
食としてきた日本人の主食になり得なかった。
【0008】また、この手段により焼き上げられたパン
は、グルテンの生成量も不足しがちであるために水分量
が少なく、いわば「ぱさぱさ」の食感のものになりがち
であった。
【0009】つまり、現在の日本人の大部分は、発酵食
品であるパン本来の食感や旨みを味わっていないにもか
かわらず、大量生産を実現するために砂糖を配合された
パンの味を、パンの本来の味であると、いわば誤解して
いるため、パンは主食としては敬遠されており、今後、
現在以上のパン需要は望めなくなりつつある。
【0010】ここに、本発明の目的は、砂糖を配合しな
くとも充分な食感、旨みおよび膨らみを有し、例えば日
本人の主食としても充分に通用するおいしいパンを、大
量生産することができる技術を提供することにある。よ
り具体的には、本発明の目的は、砂糖を配合しなくとも
充分な食感、旨みおよび膨らみを有し、大量生産可能な
パンを提供することができるパン種、その製造法、パン
およびその製造法を提供することであり、さらに具体的
には、複数種の乳酸菌を有する乳酸菌群と、複数種の酵
母を有する酵母群とを有するパン種、その製造法、パン
およびその製造法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するためにパン製法に関する近年の常識にとらわ
れることなくパン焼きの基礎、とりわけ発酵時における
生化学反応の内容にまで立ち返って鋭意検討を重ねた結
果、以下に列記する新規な知見(1)〜知見(5)を得
た。
【0012】(1)砂糖を配合しなくとも充分な食感お
よび旨みを有するパンを製造するには、乳酸菌群および
酵母群をいずれも有するパン種と、パン用原料である小
麦粉と、水とを充分に混捏した後に発酵をかけるという
古来のパン製法において、小麦粉のタンパク質からグル
テンを生成する生化学反応と、タンパク質をアミノ酸で
あるグルタミンという旨み成分に変える生化学反応と
を、いずれも充分に進行させる必要があること。
【0013】(2)これらの生化学反応を進行させる最
大の要因は、これまでの常識では前述したように酵母群
であると経験的に考えられてきたが、本発明者らの今回
の知見によれば、これは誤りであり、5種〜数百種とい
われる乳酸菌群が上記の生化学反応の進行に大きく影響
すること。
【0014】(3)酵母群は、糖質を分解して炭酸ガス
を発生させることに寄与しており、タンパク質のグルテ
ン化や旨み成分化等には、殆ど寄与しないこと。 (4)よって、古来から用いられてきたパン種の(乳酸
菌の総量)/(酵母の総量)の値を増加させる乳酸菌群
増加処理を行っておき、この乳酸菌群増加処理を行われ
たパン種を用いて製パンを行うことにより、砂糖を配合
しなくとも充分な食感および旨みを有するパンを、大量
生産することが可能となること。
【0015】(5)(乳酸菌の総量)/(酵母の総量)
の値を増加されたパン種は、酵母の総量が相対的に減少
しているため、製パン時に発酵力が不足する。そこで、
製パン時には、このパン種とともにイースト(酵母)を
配合することにより、充分な発酵力を確保できること。
【0016】本発明は、これらの新規かつ独創的な知見
に基づいてなされたものである。ここに、本発明は、複
数種の乳酸菌を有する乳酸菌群と、複数種の酵母を有す
る酵母群とを有し、(乳酸菌の総量)/(酵母の総量)
の値を増加させる乳酸菌群増加処理を行われてなること
を特徴とするパン種である。
【0017】この本発明にかかるパン種では、 複数種の乳酸菌が、少なくともプランタラムおよびブ
レービス等であること、 乳酸菌群が、さらに、複数種の糖化菌を有すること、 乳酸菌群増加処理を行われた後における(乳酸菌の総
量)/(酵母の総量)の値は100以上、より望ましく
は1000以上であること、および 乳酸菌群増加処理を行われた後に、乾燥処理を行われ
てなることのうちの少なくとも一つを満足することが、
望ましい。
【0018】別の観点からは、本発明は、複数種の乳酸
菌を有する乳酸菌群と、複数種の酵母を有する酵母群と
を有するパン種に、(乳酸菌の総量)/(酵母の総量)
の値を増加させる乳酸菌群増加処理を行うことを特徴と
するパン種の製造法である。
【0019】この本発明にかかるパン種の製造法では、 乳酸菌群増加処理が、複数種の乳酸菌の生成に適した
条件で行われる発酵であること、 複数種の乳酸菌の生成に適した条件が、pHが4.0
〜4.8であること、および 乳酸菌群増加処理を行った後に、乾燥処理を行うこと
のうちの少なくとも一つを満足することが、それぞれ望
ましい。
【0020】また、別の観点からは、本発明は、上記の
本発明にかかるパン種を用いて製パンされてなることを
特徴とするパンである。さらに別の観点からは、本発明
は、上記の本発明にかかるパン種を用いて、製パンを行
うことを特徴とするパンの製造法である。
【0021】この本発明にかかるパンの製造法では、製
パンの際に、イーストを膨張剤として用いることが、例
示される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるパン種、そ
の製造法、パンおよびその製造法の実施の形態を、添付
図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の実施
形態の説明では、パンが食パンである場合を例にとる。
【0023】[パン種の製造法]本実施形態のパン種は、
複数種の乳酸菌と複数種の糖化菌とを有する乳酸菌群
と、複数種の酵母を有する酵母群とを有する、古来から
用いられてきたパン種を出発原料として用いて、製造さ
れる。
【0024】このパン種は、例えば5種〜数百種程度の
複数種の乳酸菌を有する乳酸菌群を有する。これらの乳
酸菌のうちの代表的なものとしては、例えば、Lactobac
illus Delbrueku 、Leichmanni、Plantarumm (プランタ
ラム) 、Casei 、Brevis (ブレービス) 、Fermennti 、
Pastorianus 、Buchneri等がある。
【0025】この乳酸菌は、パンの発酵および熟成工程
において、小麦粉中の約10%の蛋白質をアミノ酸分解
・代謝して、アミノ酸であるグルタミンという旨み成分
に転換する作用を奏する。
【0026】また、本実施形態では、このパン種は、複
数種の糖化菌を有する。この糖化菌は、小麦粉等の澱粉
を糖化するものであり、小麦粉中の残りの90%の澱粉
質を、発酵により糖質に転換する。
【0027】さらに、このパン種は、複数種の酵母を有
する。この酵母は、糖質に代謝して炭酸ガス (二酸化炭
素) と、アルコールまたは水とに分解して、膨張させ
る。ただし、酵母は、澱粉を糖分解できず、小麦粉を代
謝することはできない。
【0028】本実施形態では、このように、乳酸菌群、
糖化菌および酵母群を有するパン種に対して、(乳酸菌
の総量)/(酵母の総量)の値を増加させる乳酸菌群増
加処理を行うことによって、本実施形態にかかるパン種
が製造される。
【0029】この乳酸菌群増加処理として、本実施形態
では、乳酸菌群の生成に適した条件で行われる発酵を行
った。すなわち、乳酸菌群の生成に適した条件はpH:
4.0〜4.8であるのに対し、酵母群の生成に適した
条件はpH:6.0程度である。そこで、pH:4.0
〜4.8という乳酸菌に管理した条件で適宜時間の培養
を行うことにより、乳酸菌群増加処理が行われる。培養
のこれら以外の条件は、公知の条件にしたがえばよい。
【0030】このようにして乳酸菌群増加処理を行われ
たパン種は、このまま製パンに用いてもよいが、この後
に、凍結乾燥等の乾燥処理を行ってもよい。このような
乾燥処理は公知の処理によればよく、特定の処理には限
定されない。例えば、乳酸菌群が死滅しないように回転
乾燥機やバンド乾燥機を用い30〜40℃の乾燥空気で
乾燥して顆粒状、短桿状に仕上げたり、噴霧乾燥により
粉末とすることが例示される。
【0031】本実施形態では、このようにして本発明に
かかるパン種が製造される。 [パン種]このようにして、本実施形態のパン種、すなわ
ち、複数種の乳酸菌を有する乳酸菌群と複数種の酵母を
有する酵母群とを有し、(乳酸菌の総量)/(酵母の総
量)の値を増加させる乳酸菌群増加処理を行われてなる
パン種が製造される。
【0032】乳酸菌群増加処理を行われた後における
(乳酸菌の総量)/(酵母の総量)の値は、古来のパン
種における(乳酸菌の総量)/(酵母の総量)の値より
も増加されていればよく特定の値には限定されない。な
お、古来のパン種における(乳酸菌の総量)/(酵母の
総量)の値は、およそ、100〜1の範囲にある。
【0033】しかし、乳酸菌群増加処理を行われた後に
おける(乳酸菌の総量)/(酵母の総量)の値が100
以上であれば、乳酸菌による、小麦粉のタンパク質から
グルテンを生成する生化学反応および、タンパク質をア
ミノ酸であるグルタミンという旨み成分に変える生化学
反応を、いずれも充分に進行させることができ、パンの
食感および旨みをともに充分に確保できることができる
ために、望ましい。同様の観点から、乳酸菌群増加処理
を行われた後における(乳酸菌の総量)/(酵母の総
量)の値は1000以上であることが、さらに望まし
い。
【0034】[パンの製造法]本実施形態では、このよう
にして製造されたパン種を用いて、製パンを行う。製パ
ン法は、公知のあらゆる製パン法に適用することがで
き、特定の製パン法には限定されない。すなわち、小麦
粉と本実施形態のパン種と水とイーストとを1回のニー
ディングで充分に混捏して製パンする方法や、水和時間
を充分に確保することを目的にニーディングを2回に分
けて行う、いわゆる「おおち法」等の様々な製パン法を
用いることができる。
【0035】具体的には、まず、小麦粉と水とを化学的
に反応させて、非水溶性のグルテンを生成するとともに
澱粉質を水で膨潤させることによって、パン生地を水和
させる。
【0036】そして、水和されたパン生地を本実施形態
のパン種で熟成する。すなわち、パン種に含まれる糖化
菌により小麦粉中の約90%の澱粉質が糖質に転換され
るとともに、パン種に含まれる乳酸菌により小麦粉中の
残りの約10%の蛋白質がアミノ酸分解されて旨み成分
であるグルタミンに転換される。
【0037】また、パン種に含まれる酵母と、製パン時
に配合されるイーストとにより、糖質が炭酸ガスとアル
コールまたは水とに分解され、これによりパン生地は膨
張する。なお、酵母には、前述したように、小麦粉中の
澱粉質を糖質に分解することはできない。すなわち、酵
母は小麦粉の代謝には影響しない。
【0038】このようにして、製パンが行われる。この
本実施形態によれば、パン種の(乳酸菌群の量)/(酵
母群の量)の値を増加させてあるため、小麦粉のタンパ
ク質からグルテンを生成する生化学反応と、タンパク質
をアミノ酸であるグルタミンという旨み成分に変える生
化学反応とを、いずれも充分に進行させることができ
る。また、本実施形態によれば、酵母群の量が低減され
ることにより不足する膨張を、製パン時に配合されるイ
ーストによって補うことができる。このため、本実施形
態によれば、充分な膨張を得ることができる。
【0039】このようにして、本実施形態によれば、複
数種の乳酸菌を有する乳酸菌群の作用により、小麦粉の
タンパク質からグルテンを生成する生化学反応と、タン
パク質をアミノ酸であるグルタミンという旨み成分に変
える生化学反応とを、いずれも充分に進行させることが
できるとともに、複数種の酵母を有する酵母群の作用に
より、膨張を充分に進行させることができる。このた
め、砂糖を配合しなくとも充分な食感、旨みおよび膨ら
みを有し、例えば日本人の主食としても充分に通用する
おいしいパンを、大量生産することができる。
【0040】
【実施例】まず初めに、例えば5〜数百種の乳酸菌を有
する乳酸菌群と数種の酵母を有する酵母群とを有し、古
来から用いられていたパン種に乳酸菌群増加処理を行っ
た。この乳酸菌群増加処理では、上記のパン種を、培地
において8〜45℃、24〜144時間、pH:4.0
の条件下で培養を行い、これにより、(乳酸菌の総量)
/(酵母の総量)の値をおよそ1000以上に増加させ
た。
【0041】図1は、培養時の状況を示す説明図であ
り、図1(a) は培養前の状況を、図1(b) は培養後の状
況をそれぞれ示す。図1(a) および図1(b) における符
号1を乳酸菌であり、符号2は酵母を示す。図1(b) に
示すように、培養後の(乳酸菌群の量)/(酵母群の
量)の値をその面積率で測定したところ、1000程度
であった。
【0042】4種のパン種A〜Dについて、この培養時
のpHに及ぼす時間の影響を、図2にグラフにまとめて
示す。同図にグラフで示すように、培養時間がおよそ1
2〜24時間であれば.pHを4.0〜4.8に管理す
ることができ、(乳酸菌の総量)/(酵母の総量)の値
を増加できることがわかる。
【0043】そして、このようにして得られたパン種
を、表1に示す他の材料と加え、20分間よく混捏する
ことにより1回目のニーディングを行って、前生地を作
った。なお、水の量は季節によって適宜変更した。ま
た、イーストは生地の温度が20℃以上になってから配
合した。
【0044】
【表1】 このようにして得られた前生地に対して、表2に示すよ
うに、小麦粉(商品名:ライラック)210g 、小麦粉
(商品名:元種) 140g 、塩12g 、ショートニング
23g 、乳化油脂( 商品名:Bエマ) 14g を入れ、1
5分間熟成 (発酵) させた後、90秒間混捏してから、
再度15分間熟成 (発酵) させ、最後に60秒間混捏
し、分割、ねかせ、成型および仕上発酵を行った。な
お、焼成は、150℃×15分間、185℃×20分間
もしくは160℃×5〜10分間のいずれかの条件で行
った。
【0045】
【表2】 このようにして、パンを4分割することにより、無糖の
食パンを作った。
【0046】この食パンは、砂糖を一切配合していない
のにもかかわらず、充分な食感と、小麦粉が発酵をうけ
て得られる熟成によりもたらされた旨みとを、ともに有
するものであった。また、この無糖の食パンは、充分な
膨らみをも有していた。このため、この食パンは、例え
ば日本人の主食としても充分に通用するおいしいパンで
あった。
【0047】また、本実施例では、乳酸菌群増加処理を
行われたパン種を用いているため、十分な食感および旨
みを有する食パンを、極めて安定して大量生産すること
ができた。
【0048】このように、本実施形態により、砂糖を配
合しなくとも充分な食感、旨みおよび膨らみを有し、例
えば日本人の主食としても充分に通用するおいしいパン
を、大量生産することができた。
【0049】(変形形態)実施形態および実施例の説明で
は、パンが食パンである場合を例にとった。しかし、本
発明は食パンには限定されず、例えばフランスパン、食
事パンさらにはクロワッサン等の食パン以外のパンに
も、等しく適用される。
【0050】また、実施形態および実施例の説明では、
乳酸菌群増加処理が、複数種の乳酸菌の生成に適した条
件で行われる発酵である場合を例にとった。しかし、本
発明は、この発酵には限定されず、(乳酸菌の総量)/
(酵母の総量)の値を増加させることが可能な処理であ
れば、等しく適用される。
【0051】さらに、実施形態および実施例の説明で
は、ニーディングを2回に分けて行う、いわゆる「おお
ち法」により製パンを行う場合を例にとった。しかし、
本発明は、この「おおち法」には限定されず、小麦粉と
パン種と水とイーストとを1回のニーディングで充分に
混捏して製パンする方法等の「おおち法」以外の他の製
パン法によってもよい。しかし、「おおち法」によれ
ば、水和の時間を充分に確保できるため、水和、熟成お
よび発酵力をいずれも最高の状態として、製パンを行う
ことができ、特に望ましい。
【0052】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かるパン種、その製造法、パンおよびその製造法によ
り、砂糖を配合しなくとも充分な食感、旨みおよび膨ら
みを有し、例えば日本人の主食としても充分に通用する
おいしいパンを、大量生産することができることとなっ
た。これにより、パンに対する日本人の需要をこれまで
よりも増加できることとなった。
【0053】かかる効果を有する本発明の意義は、極め
て著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】培養時の状況を示す説明図であり、図1(a) は
培養前の状況を、図1(b) は培養後の状況をそれぞれ示
す。
【図2】培養時のpHに及ぼす時間の影響を示すグラフ
である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種の乳酸菌を有する乳酸菌群と、複
    数種の酵母を有する酵母群とを有し、(前記乳酸菌の総
    量)/(前記酵母の総量)の値を増加させる乳酸菌群増
    加処理を行われてなることを特徴とするパン種。
  2. 【請求項2】 前記複数種の乳酸菌は、少なくとも、プ
    ランタラムおよびブレービスである請求項1に記載され
    たパン種。
  3. 【請求項3】 前記乳酸菌群は、さらに、複数種の糖化
    菌を有する請求項1または請求項2に記載されたパン
    種。
  4. 【請求項4】 前記乳酸菌群増加処理を行われた後にお
    ける前記(乳酸菌の総量)/(酵母の総量)の値は10
    0以上である請求項1から請求項3までのいずれか1項
    に記載されたパン種。
  5. 【請求項5】 前記乳酸菌群増加処理を行われた後に、
    乾燥処理を行われてなることを特徴とする請求項1から
    請求項4までのいずれか1項に記載されたパン種。
  6. 【請求項6】 複数種の乳酸菌を有する乳酸菌群と、複
    数種の酵母を有する酵母群とを有するパン種に、(前記
    乳酸菌の総量)/(前記酵母の総量)の値を増加させる
    乳酸菌群増加処理を行うことを特徴とするパン種の製造
    法。
  7. 【請求項7】 前記乳酸菌群増加処理は、前記複数種の
    乳酸菌の生成に適した条件で行われる発酵である請求項
    6に記載されたパン種の製造法。
  8. 【請求項8】 前記複数種の乳酸菌の生成に適した条件
    は、pHが4.0〜4.8である請求項7に記載された
    パン種の製造法。
  9. 【請求項9】 前記乳酸菌群増加処理を行った後に、乾
    燥処理を行うことを特徴とする請求項6から請求項8ま
    でのいずれか1項に記載されたパン種の製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項5までのいずれか
    1項に記載されたパン種を用いて製パンされてなること
    を特徴とするパン。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項5までのいずれか
    1項に記載されたパン種を用いて、製パンを行うことを
    特徴とするパンの製造法。
  12. 【請求項12】 前記製パンの際に、イーストを膨張剤
    として用いる請求項11に記載されたパンの製造法。
JP2000076918A 2000-03-17 2000-03-17 パン種、その製造法、パンおよびその製造法 Withdrawn JP2001258466A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000076918A JP2001258466A (ja) 2000-03-17 2000-03-17 パン種、その製造法、パンおよびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000076918A JP2001258466A (ja) 2000-03-17 2000-03-17 パン種、その製造法、パンおよびその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001258466A true JP2001258466A (ja) 2001-09-25

Family

ID=18594577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000076918A Withdrawn JP2001258466A (ja) 2000-03-17 2000-03-17 パン種、その製造法、パンおよびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001258466A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008532532A (ja) * 2005-03-16 2008-08-21 アクティアル・ファルマセウティカ・ソシエダデ・ポル・クオタス・デ・レスポンサビリダデ・リミターダ サワードウの製造における少なくとも6種の乳酸菌および/またはビフィズス菌の混合物
CN103210969A (zh) * 2012-01-19 2013-07-24 安琪酵母股份有限公司 改善馒头风味的复合酵母、制备方法及由其发酵的馒头

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008532532A (ja) * 2005-03-16 2008-08-21 アクティアル・ファルマセウティカ・ソシエダデ・ポル・クオタス・デ・レスポンサビリダデ・リミターダ サワードウの製造における少なくとも6種の乳酸菌および/またはビフィズス菌の混合物
JP2011172590A (ja) * 2005-03-16 2011-09-08 Actial Farmaceutica Soc Por Quotas De Responsabilidade Ltda サワードウの製造における少なくとも6種の乳酸菌および/またはビフィズス菌の混合物
JP4808768B2 (ja) * 2005-03-16 2011-11-02 アクティアル・ファルマセウティカ・ソシエダデ・ポル・クオタス・デ・レスポンサビリダデ・リミターダ サワードウの製造における少なくとも6種の乳酸菌および/またはビフィズス菌の混合物
CN103210969A (zh) * 2012-01-19 2013-07-24 安琪酵母股份有限公司 改善馒头风味的复合酵母、制备方法及由其发酵的馒头

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4666719A (en) Admixture of a lactobacillus brevis and a saccharomyces dairensis for preparing leavening barm
JPS58158125A (ja) 発酵助剤及びその製造方法
CN101375692A (zh) 一种面包及其生产方法
KR20200099931A (ko) 천연누룩 효모종과 누룩소금을 이용한 빵 제조방법 및 제조된 빵
KR101531136B1 (ko) 퀴노아빵 제조방법
JP4402633B2 (ja) 乳酸菌を用いた醗酵種の調製方法
CN105028550B (zh) 一种发面组合物及平衡发面方法
JP4188146B2 (ja) 発酵風味菓子の製造方法
JPH10191964A (ja) 新規酵母及び該酵母を含有する生地
JPH09107869A (ja) 製パン改良剤およびその製造方法
US4248896A (en) Process for baking bread
JP2001258466A (ja) パン種、その製造法、パンおよびその製造法
RU2324355C1 (ru) Хлеб заварной "чернавский" и способ его производства
JP2005245338A (ja) パンの製造方法
KR20220096512A (ko) 해조류 단팥빵의 제조방법
JP3180900B2 (ja) サワーブレッドの製造方法
RU2789876C1 (ru) Способ производства хлеба из пшеничной и ржаной муки
RU2232508C1 (ru) Способ приготовления хлеба
RU2259046C1 (ru) Способ производства жидкой ржаной закваски с заваркой для приготовления сортов хлеба из смеси ржаной и пшеничной хлебопекарной муки и жидкая ржаная закваска с заваркой, полученная этим способом
RU2232188C1 (ru) Способ производства жидкой закваски для приготовления хлеба из ржаной и смеси ржаной и пшеничной муки
RU2813327C1 (ru) Способ получения бездрожжевой закваски, а также хлебобулочных изделий на её основе
JP4288226B2 (ja) パンの製造方法
Azani et al. Experimental Use of Natural Yeast (Sourdough) as a Replacement of Conventional Yeast in the Making of Artisan (Homemade) Bread
RU2030870C1 (ru) Способ производства хлеба из муки тритикале
RU2109447C1 (ru) Способ производства заварных хлебобулочных изделий

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605