JP2001254732A - 動圧軸受装置及びその製造方法 - Google Patents

動圧軸受装置及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001254732A
JP2001254732A JP2000069767A JP2000069767A JP2001254732A JP 2001254732 A JP2001254732 A JP 2001254732A JP 2000069767 A JP2000069767 A JP 2000069767A JP 2000069767 A JP2000069767 A JP 2000069767A JP 2001254732 A JP2001254732 A JP 2001254732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
dynamic pressure
hydrodynamic
shaft member
lubricating fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000069767A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamichi Hayakawa
正通 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2000069767A priority Critical patent/JP2001254732A/ja
Publication of JP2001254732A publication Critical patent/JP2001254732A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成の簡素化・小型化を図ると同時に、良好
な動圧特性が得ることを可能とする。 【解決手段】 一般に用いられている安価で良好な軸受
特性を有する潤滑流体に対して、柔軟性を有する軸受ス
リーブ13の加工残粉である片状体からなる導電性細片
を分散し、それによって導電性を付与した潤滑流体を、
導電性材料よりなる回転軸21と軸受スリーブ13との
間の軸受隙間内に注入して用いるようにしたものであっ
て、回転軸21側と軸受スリーブ13側とを、軸受スリ
ーブ13の加工残粉である片状体からなる導電性細片P
の一個又は複数個によって電気的に接続させるように構
成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の潤滑流体の
動圧力によって軸部材と軸受部材とを相対回転可能に支
承させるようにした動圧軸受装置およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク、ポリゴンミラー、
光ディスク等の各種回転体を高速回転支持するなどのた
めに、潤滑流体の動圧を利用した動圧軸受装置が採用さ
れつつあり、その動圧軸受装置に関する開発が急速に行
われている。例えば、磁気ディスクの高密度記録化用と
して磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッドと呼
ぶ)を採用している場合に関して、そのMRヘッドの帯
電破壊を防止するための対策手段を備えた動圧軸受装置
についての提案が種々なされている。
【0003】その一例として、特開平7−6491号公
報記載の動圧軸受装置においては、導電性の軸受部材と
スリーブとを設けるとともに、導電性の潤滑流体を用い
ることによって、磁気ディスクの高速回転により発生す
る電荷を、上記導電性の軸受部材及びスリーブ、並びに
導電性の潤滑流体を通してベース側に流し、それにより
磁気ディスクと磁気ヘッドとの間の電位差を減少させて
放電を防止するようにしている。このとき、上記導電性
の潤滑流体としては、磁性流体や、特殊な導電性の添加
剤を付与した潤滑油が用いられる。
【0004】また、他のMRヘッド帯電破壊防止手段と
しては、軸受部材とは別個に磁性流体シールを配置する
などの手段によって導電性を確保し、磁気ディスクの不
要電荷を除去するようにしたものも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来装置のように、磁性流体や、特殊な導電性の添加剤を
付与した潤滑油を用いたものでは、潤滑流体の粘度が上
がってしまったり、熱的安定性の低下などによって潤滑
流体の物性が低下してしまい、良好な軸受特性が得らな
い場合があるという問題がある。また、それに加えて、
極めて特殊な潤滑油を用いることから高価なものになら
ざるを得ない。
【0006】また、磁性流体シールを用いたものでは、
大きな取付スペースを必要とすることから、装置全体が
大型化してしまうという問題がある。
【0007】そこで本発明は、簡易で安価な構成によっ
て小型化を図ることができ、しかも、良好な動圧特性を
得ることができるようにした動圧軸受装置及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の動圧軸受装置では、互いに面対向しつ
つ相対回転するように配置された軸部材及び軸受部材
と、該軸部材及び軸受部材の両対向面にそれぞれ形成さ
れた動圧軸受面と、これら両動圧軸受面のうちの少なく
とも一方側に設けられた動圧発生溝と、前記両動圧軸受
面どうしの対向隙間内に注入されて、上記動圧発生溝の
加圧作用により動圧を発生する潤滑流体と、を有する動
圧軸受装置において、前記軸部材及び軸受部材のそれぞ
れが、導電性材料により形成され、かつ、それら軸部材
及び軸受部材のうちの一方側の部材が、他方側の部材よ
りも柔軟性を有する材質から形成されているとともに、
前記潤滑流体には、当該潤滑流体が導電性を備えるよう
に、上記柔軟性を有する材質と同程度の柔軟性を有する
導電性の細片が分散されている。
【0009】また、請求項2記載の動圧軸受装置では、
上記請求項1記載の導電性の細片は、厚さ方向に対して
長い辺部を有する片状体から形成され、前記柔軟性を有
する材質と同一の成分を含有している。
【0010】さらに、請求項3記載の動圧軸受装置で
は、上記請求項1記載の導電性細片は、少なくとも一辺
が前記両動圧軸受面どうしの対向隙間の寸法より小さい
寸法のものを含む。
【0011】さらにまた、請求項4記載の動圧軸受装置
では、上記請求項1記載の導電性細片は、厚さ方向に対
して長い寸法の辺部が前記両動圧軸受面どうしの対向隙
間の寸法と同程度又はそれより大きい寸法のものを含
む。
【0012】一方、請求項5記載の動圧軸受装置では、
互いに面対向しつつ相対回転するように配置された軸部
材及び軸受部材と、該軸部材及び軸受部材の両対向面に
それぞれ形成された動圧軸受面と、これら両動圧軸受面
のうちの少なくとも一方側に設けられた動圧発生溝と、
前記両動圧軸受面どうしの対向隙間内に注入されて、上
記動圧発生溝の加圧作用により動圧を発生する潤滑流体
と、を有する動圧軸受装置において、前記軸部材及び軸
受部材のそれぞれが、導電性材料により形成され、か
つ、それら軸部材及び軸受部材のうちの一方側の部材
が、他方側の部材よりも柔軟性を有する材質から形成さ
れているとともに、前記潤滑流体には、当該潤滑流体が
導電性を備えるように、上記軸部材及び軸受部材のうち
の柔軟性を有する材質からなる部材の加工残粉が所定量
分散されている。
【0013】また、請求項6記載の動圧軸受装置では、
互いに面対向しつつ相対回転するように配置された軸部
材及び軸受部材と、該軸部材及び軸受部材の両対向面に
それぞれ形成された動圧軸受面と、これら両動圧軸受面
のうちの少なくとも一方側に設けられた動圧発生溝と、
前記両動圧軸受面どうしの対向隙間内に注入されて、上
記動圧発生溝の加圧作用により動圧を発生する潤滑流体
と、を有する動圧軸受装置において、前記軸部材及び軸
受部材のそれぞれが、導電性材料により形成され、か
つ、上記動圧発生溝が設けられた一方側の部材が、他方
側の部材よりも柔軟性を有する材質から形成されている
とともに、前記潤滑流体には、前記動圧発生溝が形成さ
れた部材の加工残粉が、導電性を得るための所定量を分
散されている
【0014】さらに、請求項7記載の動圧軸受装置で
は、上記請求項1又は5又は6記載の潤滑流体が、絶縁
性を有する流体からなる。
【0015】さらにまた、請求項8記載の動圧軸受装置
は、上記請求項5又は6記載の加工残粉は、少なくとも
一辺が前記両動圧軸受面どうしの対向隙間の寸法より小
さい寸法のものを含む。
【0016】一方、請求項9記載の動圧軸受装置は、前
記請求項5又は6記載の加工残粉は、最大長さを有する
辺部が前記動圧軸受面間の隙間寸法よりも同程度又は大
きい寸法のものを含む。
【0017】また、請求項10記載の動圧軸受装置で
は、前記請求項1又は5又は6記載の軸部材がステンレ
ス鋼からなるとともに、軸受部材が銅系合金からなる。
【0018】さらに、請求項11記載の動圧軸受装置の
製造方法では、互いに面対向しつつ相対回転するように
配置された軸部材及び軸受部材と、該軸部材及び軸受部
材の両対向面にそれぞれ形成された動圧軸受面と、これ
ら両動圧軸受面のうちの少なくとも一方側に設けられた
動圧発生溝と、前記両動圧軸受面どうしの対向隙間内に
注入されて、上記動圧発生溝の加圧作用により動圧を発
生する潤滑流体と、を有する動圧軸受装置の製造方法に
おいて、前記軸部材及び軸受部材のそれぞれを、導電性
材料により形成するとともに、それら軸部材及び軸受部
材のうちの一方側の部材を、他方側の部材よりも柔軟性
を有する材質から形成しておく一方、前記軸部材及び軸
受部材のうちの柔軟性を有する材質からなる部材の加工
残粉を、当該柔軟性部材の表面に所定量残存させてお
き、前記潤滑流体の注入時に、上記加工残粉を潤滑流体
中に分散して、当該潤滑流体に導電性を付与するように
している。
【0019】さらにまた、請求項12記載の動圧軸受装
置の製造方法では、互いに面対向しつつ相対回転するよ
うに配置された軸部材及び軸受部材と、該軸部材及び軸
受部材の両対向面にそれぞれ形成された動圧軸受面と、
これら両動圧軸受面のうちの少なくとも一方側に設けら
れた動圧発生溝と、前記両動圧軸受面どうしの対向隙間
内に注入されて、上記動圧発生溝の加圧作用により動圧
を発生する潤滑流体と、を有する動圧軸受装置の製造方
法において、前記軸部材及び軸受部材のそれぞれを、導
電性材料により形成するとともに、それら軸部材及び軸
受部材のうちの一方側の部材を、他方側の部材よりも柔
軟性を有する材質から形成しておく一方、前記固定部材
及び回転部材のうちの動圧発生溝を形成した部材の加工
時における加工残粉を、当該部材の表面に所定量残存さ
せておき、前記潤滑流体の注入時に、上記加工残粉を潤
滑流体中に分散して、当該潤滑流体に導電性を付与する
ようにしている。
【0020】さらに、請求項13記載の動圧軸受装置の
製造方法では、前記請求項11又は12記載の軸部材を
ステンレス鋼から形成するとともに、前記軸受部材を銅
系合金から形成するようにしている。
【0021】さらにまた、請求項14記載の動圧軸受装
置の製造方法では、上記請求項11は12記載の潤滑流
体として、絶縁性を有する潤滑油を用いるようにしてい
る。
【0022】一方、請求項15記載の動圧軸受装置の製
造方法では、前記請求項11又は12記載の加工残片の
少なくとも一辺が、前記動圧軸受面間の隙間寸法よりも
小さい寸法となっているものを残存させるようにしてい
る。
【0023】また、請求項16記載の動圧軸受装置の製
造方法では、前記請求項11又は12記載の加工残片に
おける最大長の辺部が、前記動圧軸受面間の隙間寸法と
同程度又は大きい寸法のものを残存させるようにしてい
る。
【0024】また、請求項17記載の動圧軸受装置の製
造方法では、前記請求項16記載の加工残片を残存させ
る部材を、加工後に超音波洗浄することによって、前記
小さい寸法の加工残片を残存させるようにしている。
【0025】このような請求項1記載の発明のように、
一般に用いられている安価で良好な軸受特性を有する潤
滑流体に対して、柔軟性を有する部材と同程度の柔軟性
を有する片状体からなる導電性細片を分散させ、それに
よって導電性を付与した潤滑流体を、導電性材料よりな
る軸部材と軸受部材との間の軸受隙間内に注入して用い
ることとしているので、従来のような高価で軸受特性に
難点を有する特殊な導電性潤滑流体や、大型の磁性流体
シールを用いる必要がなくなり、その結果、構成の簡素
化・小型化を図りつつ良好な動圧特性が得られる。
【0026】このとき、請求項2記載の発明のように、
片状体からなる導電性細片を、柔軟性を有する部材の材
質と同一の成分を含有するものとしておけば、片状体か
らなる導電性細片が軸部材や軸受部材を損傷させること
がなくなり、円滑な回転特性が得られるとともに装置の
長寿命化が図られる。
【0027】また、請求項3記載の発明のように、導電
性細片の少なくとも一辺が軸受隙間の寸法より小さい寸
法のものを含ませることとしておけば、上記軸受隙間内
の導電性細片が、抵抗の少ない方向に配向されながら自
由に移動し、動圧軸受面間の隙間内において容易に回転
し易くなり、軸部材や軸受部材の損傷が更に低減され
る。
【0028】さらに、請求項4記載の発明のように、導
電性細片の長辺部が軸受隙間の寸法と同程度又はそれよ
り大きい寸法のものを含ませることとしておけば、上記
軸受隙間の内壁部に対する接触頻度が高められ、良好な
導電性が得られる。
【0029】さらに、請求項5又は6又は11又は12
記載の発明のように、導電性材料からなる軸部材又は軸
受部材の加工残粉を潤滑流体に分散させ、それによって
導電性を付与した潤滑流体を、上記軸部材と軸受部材と
の間の軸受隙間内に注入して用いるようにすれば、従来
のような高価で軸受特性に難点を有する特殊な導電性潤
滑流体や、大型の磁性流体シールを用いる必要がなくな
り、構成の簡素化・小型化を図りつつ良好な動圧特性が
得られる。
【0030】このとき、請求項7又は14記載の発明の
ように、安価で軸受特性に優れた絶縁性の潤滑流体を用
いるようにすれば、より一層の低コスト化が図られる。
【0031】また、請求項8又は15記載の発明のよう
に、導電性細片の少なくとも一辺が軸受隙間の寸法より
小さい寸法のものを含ませることとしておけば、上記軸
受隙間内の導電性細片が、抵抗の少ない方向に配向され
ながら自由に移動し、動圧軸受面間の隙間内において容
易に回転し易くなって、軸部材や軸受部材の損傷が一層
低減される。
【0032】さらに、請求項9又は16記載の発明のよ
うに、導電性細片の長辺部が軸受隙間の寸法と同程度又
はそれより大きい寸法のものを含ませることとしておけ
ば、上記軸受隙間の内壁部に対する接触頻度が高められ
て導電性が確実に得られる。
【0033】さらに、請求項10又は13記載の発明の
ように、軸部材をステンレス鋼から構成するとともに、
軸受部材を銅系合金から構成しておけば、動圧軸受装置
の基本的な構造が、通常の簡易な構成になされる。
【0034】さらにまた、請求項17記載の発明のよう
に、加工後に超音波洗浄を施すことによって、軸部材や
軸受部材を損傷し易い比較的大きな寸法のみを除去する
ようにすれば、軸部材や軸受部材を損傷し難い、例えば
1μm程度以下の厚さを有する微少大きさの加工残片の
みが、被加工部材の表面に効率的に残存される。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、それに先立って、本発明を適用するハー
ドディスク駆動装置(HDD)の全体構造を図面に基づ
いて説明しておく。
【0036】図1に示されている軸回転のHDDスピン
ドルモータの全体は、固定部材としてのステータ組10
と、そのステータ組10に対して図示上側から組み付け
られた回転部材としてのロータ組20とから構成されて
いる。このうちステータ組10は、図示を省略した固定
基台側にネジ止めされた固定フレーム11を有してい
る。この固定フレーム11は、軽量化を図るためにアル
ミ系金属材料から形成されているが、当該固定フレーム
11の略中央部分に立設するようにして形成された環状
の軸受ホルダー12の内周側には、中空円筒状に形成さ
れた固定軸受部材としての軸受スリーブ13が、圧入又
は焼バメによって上記軸受ホルダー12に接合されてい
る。この軸受スリーブ13は、小径の孔加工等を容易化
するためにリン青銅などの銅系合金材料から形成されて
いる。
【0037】また、前記軸受ホルダー12の外周取付面
には、電磁鋼板の積層体からなるステータコア14が嵌
着されている。このステータコア14に設けられた各突
極部には、駆動コイル15がそれぞれ巻回されている。
【0038】さらに、上記軸受スリーブ13に設けられ
た中心孔内には、上述したロータ組20を構成する回転
軸21が回転自在に挿入されている。本実施形態におけ
る回転軸21は、所定のステンレス鋼から形成されてい
る。つまり、前記軸受部材としての軸受スリーブ13の
方が、軸部材としての上記回転軸21よりも、柔軟性を
有する材質から形成されている。
【0039】そして、上記軸受スリーブ13の内周壁部
に形成された動圧面は、上記回転軸21の外周面に形成
された動圧面に対して半径方向に対向するように配置さ
れており、その微小な軸受隙間の部分にラジアル動圧軸
受部RBが構成されている。より詳細には、上記ラジア
ル動圧軸受部RBにおける軸受スリーブ13側の動圧面
と、回転軸21側の動圧面とは、数μmの微少隙間を介
して周状に対向配置されており、その微少隙間からなる
軸受空間内に、後述する組成を有する潤滑流体が、軸方
向に連続するように注入されている。
【0040】さらに、上記軸受スリーブ13及び回転軸
21の両動圧面の少なくとも一方側には、図示を省略し
た例えばへリングボーン形状のラジアル動圧発生用溝
が、軸方向に2ブロックに分けられて環状に凹設されて
おり、回転時に、当該ラジアル動圧発生用溝のポンピン
グ作用により上記潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、そ
の潤滑流体の動圧によって、前記回転軸21とともに後
述する回転ハブ22がラジアル方向に軸支持される構成
になされている。
【0041】一方、上記各ラジアル動圧軸受部RBを構
成している軸受空間の図示上端部分に、毛細管シール部
RSが配置されている。この毛細管シール部RSは、上
記回転軸21又は軸受スリーブ13側に形成された傾斜
面によって、上述した軸受隙間を軸受外方側に向かって
徐々に拡大した構成からなるものであって、例えば20
μmから300μmの隙間寸法に形成されている。この
毛細管シール部RS中には、モータの回転・停止のいず
れの場合においても、潤滑流体の液面が位置する構成に
なされている。
【0042】さらに、上記回転軸21とともにロータ組
20を構成している回転ハブ22は、図示を省略した磁
気ディスク等の記録媒体を搭載するように、アルミ系金
属からなる略カップ状部材からなり、当該回転ハブ22
の中心部分設けられた接合穴22dが、上記回転軸21
の図示上端部分に対して、圧入又は焼嵌めによって一体
的に接合されている。
【0043】上記回転ハブ22は、記録媒体ディスクを
外周部に搭載する略円筒状の胴部22aを有していると
ともに、この胴部22aの図示下側の内周壁面側に、バ
ックヨーク22bを介して環状駆動マグネット22cが
取り付けられている。この環状駆動マグネット22c
は、前述したステータコア14の外周側端面に対して環
状に対向するように近接配置されている。
【0044】一方、前記回転軸21の図示下端側の先端
部分には、円盤状のスラストプレート23が固着されて
いる。このスラストプレート23は、上述した軸受スリ
ーブ13の図示下端側の中心部分に凹設された円筒状の
窪み部内に収容されるようにして配置されていて、その
軸受スリーブ13の窪み部内において、当該スラストプ
レート23の図示上側面に設けられた動圧面が、軸受ス
リーブ13に設けられた動圧面に対して、軸方向に近接
するように対向配置されている。そして、それらの両対
向動圧面のうち少なくとも一方側に、適宜の形状を有す
る動圧発生溝が形成されていて、それらスラストプレー
ト23及び軸受スリーブ13の両動圧面どうしの対向隙
間部分に、上側のスラスト動圧軸受部SBaが形成され
ている。
【0045】さらにまた、上記スラストプレート23の
図示下側の動圧面に近接するようにして、比較的大径の
円盤状部材からなるカウンタープレート16が配置され
ている。このカウンタープレート16は、上記軸受スリ
ーブ13の下端側開口部分を閉塞するように固着された
ものであって、当該カウンタープレート16の図示上面
側に設けられた動圧面と、上述したスラストプレート2
3の図示下側の動圧面との間の近接対向隙間部分にも、
適宜の形状を有する動圧発生溝が形成されていることに
よって、下側のスラスト動圧軸受部SBbが形成されて
いる。
【0046】上述したように軸方向に隣接して配置され
た一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbを構成して
いるスラストプレート23側の両動圧面と、それに対向
する軸受スリーブ13及びカウンタープレート16側の
両動圧面とは、それぞれ数μmの微少隙間を介して軸方
向に対向配置されているとともに、その微少隙間からな
る軸受空間内に、後述する組成を有する潤滑流体が、前
記スラストプレート23の外周側通路を介して軸方向に
連続するように注入されている。
【0047】さらに、上記スラストプレート23の動圧
面と、軸受スリーブ13及びカウンタープレート16の
動圧面との少なくとも一方側には、図示を省略したへリ
ングボーン形状のスラスト動圧発生用溝が、半径方向に
2ブロックに分けられて環状に凹設されており、回転時
に、当該スラスト動圧発生用溝のポンピング作用によっ
て上記潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体
の動圧によって、上述した回転軸21及び回転ハブ22
が、スラスト方向に軸支持される構成になされている。
【0048】ここで、前記ステータ組10の軸受スリー
ブ13、及びロータ組20の回転軸21は、前述したよ
うに、導電性を有する材料であるステンレス鋼及びリン
青銅(銅系合金)からそれぞれ形成されていて、軸受部
材としての軸受スリーブ13の材質の方が、軸部材であ
る回転軸21よりも柔軟性を有している。そして、この
柔軟性を有する軸受スリーブ13の内周表面を仕上げ加
工したときの加工残粉が、上述した潤滑流体中に分散さ
れている。
【0049】すなわち、図2に示されているように、上
記潤滑流体Aは、当該潤滑流体Aの分散基油材A1とし
て、体積抵抗率1×10−12Ω・cm以上の絶縁性を
有するエステル油、炭化水素系(ポリα−オレフィン、
鉱油)、エーテル系、フッ素系などからなる絶縁性潤滑
油を含有しているとともに、その絶縁性の分散基油材A
1中に、上述した軸受スリーブ13の加工残粉A2が多
数分散されている。そして、それらの分散された加工残
粉A2によって、上記潤滑流体Aに導電性が付与されて
いる。
【0050】このとき、上記軸受スリーブ13の加工残
粉A2は、もともと軸受スリーブ13の内周壁面を仕上
げた際、又は動圧発生溝を転造加工した際において、そ
れらの加工表面上に残存されているものであるが、モー
タの組立時において、上述した絶縁性の潤滑油Aの分散
基油材A1を軸受隙間内に注入すると同時に、上記軸受
スリーブ13上の加工残粉A2が、軸受隙間内の絶縁性
潤滑油A1中に自然分散していくことにより配置された
ものである。
【0051】すなわち、前記軸受スリーブ13の加工工
程においては、まず、上記軸受スリーブ13の素材に対
して、内径2.998mmの内径を有する軸受穴を貫通
形成し、その軸受スリーブ素材の軸受穴の内周壁面に対
して、ボール転造工具等を用いて、深さ約8μmの動圧
発生溝を塑性加工する。この塑性加工された動圧発生溝
の表面には、上述した加工残粉A2が残留する。つい
で、上記軸受スリーブ素材の軸受穴の内周壁面に対し
て、同じく内径2.998mmの内径加工を施し、それ
によって、上記動圧発生溝の塑性加工時に生成されたバ
リ等の***部を除去する。そしてその後に、上記軸受穴
の内径を3.000mmでの仕上げ加工、つまり1μm
の加工代での切削加工を行う。この仕上げ加工された軸
受スリーブ素材の表面上には、1μm程度の厚さの加工
残粉A2を含む加工残粉が残留する。
【0052】更に、上述したような加工工程を終了した
後には、所定の溶剤及び水を用いて、軸受スリーブ素材
の表面が超音波洗浄される。一般に、超音波洗浄は、比
較的大きな粒子の除去率は高いが、1μm程度の小さな
付着粒子に対する除去率は悪い。従って、上述した超音
波洗浄工程の後の軸受スリーブ素材の表面上には、1μ
m以下の微小厚さを有する導電性細片からなる加工残粉
A2のみが残留し、それより大きい加工残粉は除去され
ることとなる。
【0053】このとき、上記導電性細片からなる加工残
粉A2は、主として、上述した1μmの加工代での切削
加工に対応した形状を有するものであって、例えば、図
3に示されているように、概略円盤状形状(a)、針状
形状(b)、薄板状形状(c)などの、厚さに対して長
い辺部を有する片状体に形成されたものであり、その片
状体の厚さが1μm以下に形成されている。また、この
加工残粉A2には、上記片状体の各辺部のうちの少なく
とも一辺が、前述した軸受スリーブ13と回転軸21と
の間における軸受隙間寸法(例えば3〜5μm)よりも
小さい寸法となっているものが含まれており、上記軸受
隙間内において、抵抗の少ない方向に配向されることに
よって自由に移動し得るように構成されている。
【0054】また、図4中の符号A2’で表されている
ように、上述した加工残粉A2中には、厚さ方向に対し
て長い辺部が、前記軸受隙間寸法(3〜5μm)と同程
度又はそれより大きい寸法のものが含まれている。これ
らの長い辺部を有する加工残粉A2’は、上記軸受隙間
の内壁部に対する接触頻度が高められることから、後述
するように、上記加工残粉A2’を含むことによって導
電性が確実に得られるようになっている。
【0055】このように本実施形態は、一般に用いられ
ている安価で良好な軸受特性を有する絶縁性の潤滑流体
である分散基油材A1の注入時に、柔軟性を有する軸受
スリーブ13の加工残粉、すなわち片状体からなる導電
性細片A2を、上記絶縁性潤滑流体A1中に分散させる
ことによって、導電性を有する潤滑流体Aとしたもので
あり、その導電性を付与された潤滑流体Aが、導電性材
料よりなる回転軸21と軸受スリーブ13との間に形成
された軸受隙間内に用いられる。このとき、上述した軸
受スリーブ13の加工残粉である片状体からなる導電性
細片A2は、軸受隙間内を潤滑流体の流れに沿って自由
に動き回り、上記回転軸21及び軸受スリーブ13の各
表面に対して接触・離間を繰り返すこととなるが、例え
ば図2に示されているように、その片状体からなる導電
性細片A2の一個又は複数個が、前記回転軸21側の表
面と軸受スリーブ13側の表面とを繋ぐような接触状態
となり、それによって上記回転軸21側と軸受スリーブ
13側とが電気的に接続され、その結果、磁気ディスク
の高速回転等により発生する電荷が除電されて、磁気デ
ィスクと磁気ヘッドとの間の電位差が減少し放電が防止
されることとなる。
【0056】このような回転軸21と軸受スリーブ13
との間の電気的な接続状態は、例えば図5に示されてい
るように、上述した両部材21,13間の電気抵抗の時
間的変化を測定することによって確認することができ
る。すなわち図3は、回転速度を7200rpmとした
ときのロータ−ステータ間の電気抵抗を電位差に基づい
て測定したものであって、上記両部材21,13どうし
の間の電位差(縦軸)は、10MΩを遙かに越える抵抗
値を有する非導通状態の場合には5V程度となっている
が、上述した実施形態にかかる装置では、時間(横軸)
の経過とともに頻繁に零電位に変化しており、平均する
と数MΩの抵抗値となっている。一般に、帯電トラブル
を回避するには、10MΩ程度以下の抵抗値となってい
れば良いことが確認されており、従って、本実施形態に
おいては、上記回転軸21と軸受スリーブ13とが良好
に導通されていることが実際に確かめられた。
【0057】従って、本実施形態によれば、従来のよう
な高価で軸受特性に難点を有する特殊な導電性潤滑流体
や、大型の磁性流体シールを用いる必要がなく、装置全
体の構成が簡素化・小型化されると同時に、良好な動圧
特性が得られる。実際に、摺動信頼性試験を行った結
果、焼き付き、摩耗、その他の性能上の問題点は認めら
れなかった。
【0058】特に、本実施形態では、片状体からなる導
電性細片A2を、柔軟性を有する軸受スリーブ13と同
一の材質から形成しているので、片状体からなる導電性
細片A2が、回転軸21や軸受スリーブ13を損傷させ
ることがなくなり、円滑な回転特性が得られるとともに
装置の長寿命化が図られる。
【0059】加えて、本実施形態では、片状体からなる
導電性細片A2の各辺部のうちの少なくとも一辺を、動
圧軸受面間の軸受隙間の寸法よりも小さい寸法にしたも
のを含むことから、図3の矢印で示されているように、
上記片状体からなる導電性細片A2が、回転軸21側又
は軸受スリーブ13側に接触した後に直ちに回転するこ
ととなり、そのような片状体からなる導電性細片A2の
容易な回転作用によって、回転軸21側又は軸受スリー
ブ13への損傷が一層確実に低減されるようになってい
る。
【0060】さらに、図4に示されているような導電性
細片A2’、すなわち長辺部が、動圧軸受面間の軸受隙
間の寸法よりと同程度又はそれより大きい寸法のものを
含む場合には、上記軸受隙間を構成している回転軸21
又は軸受スリーブ13の内壁部に対する接触頻度が高め
られ、良好な導電性が確実に得られる。
【0061】さらにまた、本実施形態では、回転軸21
及び軸受スリーブ13を、ステンレス鋼やリン青銅など
のような一般的な材料から形成していることから、動圧
軸受装置の基本的な構造が通常の簡易な構成になされて
いることや、上記潤滑流体Aの分散基材A1に、安価で
軸受特性に優れた絶縁性の潤滑油を用いていることか
ら、より一層の低コスト化が図られるようになってい
る。
【0062】加えて、本実施形態では、軸受スリーブ1
3の加工後に超音波洗浄を施すことによって、回転軸2
1及び軸受スリーブ13を損傷し易い比較的大きな寸法
の加工残粉を除去し、例えば1μm程度以下の厚さを有
する微少大きさの加工残片のみを、軸受スリーブ13の
表面に残存させるようにしており、回転軸21及び軸受
スリーブ13を損傷し難くするような微小加工残粉A2
の選定が極めて効率的に行われるようになっている。
【0063】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
程々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0064】例えば、上述した実施形態では、片状体か
らなる導電性細片A2を、軸受スリーブ13と同一の材
質としているが、材質自体は異なるが柔軟性を有する軸
受スリーブ13と同程度の柔軟性を有するものや、軸受
スリーブ13と同程度の柔軟性を有する材料を一部に含
有する材質も、同様に採用することが可能である。ま
た、片状体からなる導電性細片A2は、必ずしも軸受部
材としての軸受スリーブ13と同程度の柔軟性を備える
必要はなく、軸部材及び軸受部材のうちのいずれか柔軟
性を有する方の部材と同程度の柔軟性を備えれば良い。
【0065】また、上述した実施形態における片状体か
らなる導電性細片A2には、球状の粒子を含んでいても
構わない。さらに、潤滑流体の分散基油材A1は、必ず
しも絶縁性を有するもでなくても良い。
【0066】さらにまた、本発明は、上述した実施形態
のような軸回転型とは異なる軸固定型の動圧軸受装置に
対しても同様に適用することができる。
【0067】また、本発明にかかる動圧軸受装置は、上
述した実施形態のようなHDD用モータ以外に用いられ
る動圧軸受装置、例えば、ポリゴンミラー駆動用モータ
やCD−ROM駆動用モータに用いられる動圧軸受装置
に対しても同様に適用することができる。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、一般に用い
られている安価で良好な軸受特性を有する潤滑流体に対
して、柔軟性を有する部材と同程度の柔軟性を有する片
状体からなる導電性細片を分散させたものを、導電性材
料よりなる軸部材と軸受部材との間の軸受隙間内に注入
して用いることによって、従来のような高価で軸受特性
に難点を有する特殊な導電性潤滑流体や、大型の磁性流
体シールを用いる必要性をなくしたものであるから、構
成の簡素化・小型化を図りつつ、良好な動圧特性を得る
ことができるという顕著な効果を奏する。
【0069】このとき、請求項2記載の発明は、片状体
からなる導電性細片を、柔軟性を有する部材の材質と同
一の成分を含有するものとして、片状体からなる導電性
細片が軸部材や軸受部材を損傷させることをなくし、円
滑な回転特性を得るとともに装置の長寿命化を図るよう
にしたものであるから、上述した効果をさらに向上させ
ることができる。
【0070】また、請求項3記載の発明は、導電性細片
の少なくとも一辺が軸受隙間の寸法より小さい寸法のも
のを含むことによって、上記軸受隙間内の導電性細片を
自由に移動可能として軸部材や軸受部材の損傷を更に低
減させたものであるから、上述した効果をさらに高める
ことができる。
【0071】さらに、請求項4記載の発明は、導電性細
片の長辺部が軸受隙間の寸法と同程度又はそれより大き
い寸法のものを含むことによって、上記軸受隙間の内壁
部に対する接触頻度を高め、良好な導電性を確実に得る
ようにしたものであるから、上述した効果をさらに向上
させることができる。
【0072】さらに、請求項5又は6又は11又は12
記載の発明は、導電性材料からなる軸部材又は軸受部材
の加工残粉を潤滑流体に分散させたものを、上記軸部材
と軸受部材との間の軸受隙間内に注入して用いることに
よって、従来のような高価で軸受特性に難点を有する特
殊な導電性潤滑流体や、大型の磁性流体シールを用いる
必要性をなくしたものであるから、構成の簡素化・小型
化を図りつつ、良好な動圧特性を得ることができるとい
う顕著な効果を奏する。
【0073】このとき、請求項7又は14記載の発明
は、安価で軸受特性に優れた絶縁性の潤滑流体を用いる
ことによって、より一層の低コスト化を図るように構成
したものであるから、上述した効果をさらに向上させる
ことができる。
【0074】また、請求項8又は15記載の発明は、導
電性細片の少なくとも一辺が軸受隙間の寸法より小さい
寸法のものを含ませることによって、上記軸受隙間内の
導電性細片を自由に移動可能として軸部材や軸受部材の
損傷を更に低減させたものであるから、上述した効果を
さらに高めることができる。
【0075】さらに、請求項9又は16記載の発明のよ
うに、導電性細片の長辺部が軸受隙間の寸法と同程度又
はそれより大きい寸法のものを含ませることによって、
上記軸受隙間の内壁部に対する接触頻度を高めて導電性
を確実に得るようにしたものであるから、上述した効果
を一層向上させることができる。
【0076】さらに、請求項10又は13記載の発明
は、軸部材をステンレス鋼から構成するとともに、軸受
部材を銅系合金から構成して、動圧軸受装置の基本的な
構造を通常の簡易な構成としたものであるから、上述し
た効果をさらに向上させることができる。
【0077】さらにまた、請求項17記載の発明は、加
工後に超音波洗浄を施すことによって、軸部材や軸受部
材を損傷し易い比較的大きな寸法のみを除去し、軸部材
や軸受部材を損傷し難い、例えば1μm程度以下の厚さ
を有する微少大きさの加工残片のみを被加工部材の表面
に効率的に残存させるようにしたものであるから、上述
した効果をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる軸回転型の動圧軸
受装置を備えたハードディスク駆動装置(HDD)の全
体構造例を表した縦断面説明図である。
【図2】図1に示された動圧軸受装置の軸受隙間を拡大
して表した横断面説明図である。
【図3】動圧軸受装置の軸受隙間内に含まれている加工
残粉の他の例を拡大して表した横断面説明図である。
【図4】潤滑流体A内に含まれる加工残粉A2,A2’
の形状例を表した外観斜視説明図である。
【図5】軸部材と軸受部材との間の電位(縦軸)の時間
(横軸)的変化を測定した線図である。
【符号の説明】
10 ステータ組(固定部材) 13 軸受スリーブ(軸受部材) 20 ロータ組(回転部材) 21 回転軸 22 回転ハブ A 潤滑流体 A1 分散基油材 A2,A2’ 加工残粉

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに面対向しつつ相対回転するように
    配置された軸部材及び軸受部材と、該軸部材及び軸受部
    材の両対向面にそれぞれ形成された動圧軸受面と、これ
    ら両動圧軸受面のうちの少なくとも一方側に設けられた
    動圧発生溝と、前記両動圧軸受面どうしの対向隙間内に
    注入されて、上記動圧発生溝の加圧作用により動圧を発
    生する潤滑流体と、を有する動圧軸受装置において、 前記軸部材及び軸受部材のそれぞれが、導電性材料によ
    り形成され、かつ、それら軸部材及び軸受部材のうちの
    一方側の部材が、他方側の部材よりも柔軟性を有する材
    質から形成されているとともに、 前記潤滑流体には、当該潤滑流体が導電性を備えるよう
    に、上記柔軟性を有する材質と同程度の柔軟性を有する
    導電性の細片が分散されていることを特徴とする動圧軸
    受装置。
  2. 【請求項2】 前記導電性の細片は、厚さ方向に対して
    長い辺部を有する片状体から形成され、前記柔軟性を有
    する材質と同一の成分を含有していることを特徴とする
    請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記導電性細片は、少なくとも一辺が前
    記両動圧軸受面どうしの対向隙間の寸法より小さい寸法
    のものを含むことを特徴とする請求項1記載の動圧軸受
    装置。
  4. 【請求項4】 前記導電性細片は、厚さ方向に対して長
    い寸法の辺部が前記両動圧軸受面どうしの対向隙間の寸
    法と同程度又はそれより大きい寸法のものを含むことを
    特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  5. 【請求項5】 互いに面対向しつつ相対回転するように
    配置された軸部材及び軸受部材と、該軸部材及び軸受部
    材の両対向面にそれぞれ形成された動圧軸受面と、これ
    ら両動圧軸受面のうちの少なくとも一方側に設けられた
    動圧発生溝と、前記両動圧軸受面どうしの対向隙間内に
    注入されて、上記動圧発生溝の加圧作用により動圧を発
    生する潤滑流体と、を有する動圧軸受装置において、 前記軸部材及び軸受部材のそれぞれが、導電性材料によ
    り形成され、かつ、それら軸部材及び軸受部材のうちの
    一方側の部材が、他方側の部材よりも柔軟性を有する材
    質から形成されているとともに、 前記潤滑流体には、当該潤滑流体が導電性を備えるよう
    に、上記軸部材及び軸受部材のうちの柔軟性を有する材
    質からなる部材の加工残粉が所定量分散されていること
    を特徴とする動圧軸受装置。
  6. 【請求項6】 互いに面対向しつつ相対回転するように
    配置された軸部材及び軸受部材と、該軸部材及び軸受部
    材の両対向面にそれぞれ形成された動圧軸受面と、これ
    ら両動圧軸受面のうちの少なくとも一方側に設けられた
    動圧発生溝と、前記両動圧軸受面どうしの対向隙間内に
    注入されて、上記動圧発生溝の加圧作用により動圧を発
    生する潤滑流体と、を有する動圧軸受装置において、 前記軸部材及び軸受部材のそれぞれが、導電性材料によ
    り形成され、かつ、上記動圧発生溝が設けられた一方側
    の部材が、他方側の部材よりも柔軟性を有する材質から
    形成されているとともに、 前記潤滑流体には、前記動圧発生溝が形成された部材の
    加工残粉が、導電性を得るための所定量を分散されてい
    ることを特徴とする動圧軸受装置。
  7. 【請求項7】 前記潤滑流体が、絶縁性を有する流体か
    らなることを特徴とする請求項1又は5又は6記載の動
    圧軸受装置。
  8. 【請求項8】 前記加工残粉は、少なくとも一辺が前記
    両動圧軸受面どうしの対向隙間の寸法より小さい寸法の
    ものを含むことを特徴とする請求項5又は6記載の動圧
    軸受装置。
  9. 【請求項9】 前記加工残粉は、最大長さを有する辺部
    が前記動圧軸受面間の隙間寸法よりも同程度又は大きい
    寸法のものを含むことを特徴とする請求項5又は6記載
    の動圧軸受装置。
  10. 【請求項10】 前記軸部材がステンレス鋼からなると
    ともに、軸受部材が銅系合金からなることを特徴とする
    請求項1又は5又は6記載の動圧軸受装置。
  11. 【請求項11】 互いに面対向しつつ相対回転するよう
    に配置された軸部材及び軸受部材と、該軸部材及び軸受
    部材の両対向面にそれぞれ形成された動圧軸受面と、こ
    れら両動圧軸受面のうちの少なくとも一方側に設けられ
    た動圧発生溝と、前記両動圧軸受面どうしの対向隙間内
    に注入されて、上記動圧発生溝の加圧作用により動圧を
    発生する潤滑流体と、を有する動圧軸受装置の製造方法
    において、 前記軸部材及び軸受部材のそれぞれを、導電性材料によ
    り形成するとともに、それら軸部材及び軸受部材のうち
    の一方側の部材を、他方側の部材よりも柔軟性を有する
    材質から形成しておく一方、 前記軸部材及び軸受部材のうちの柔軟性を有する材質か
    らなる部材の加工残粉を、当該柔軟性部材の表面に所定
    量残存させておき、 前記潤滑流体の注入時に、上記加工残粉を潤滑流体中に
    分散して、当該潤滑流体に導電性を付与するようにした
    ことを特徴とする動圧軸受装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 互いに面対向しつつ相対回転するよう
    に配置された軸部材及び軸受部材と、該軸部材及び軸受
    部材の両対向面にそれぞれ形成された動圧軸受面と、こ
    れら両動圧軸受面のうちの少なくとも一方側に設けられ
    た動圧発生溝と、前記両動圧軸受面どうしの対向隙間内
    に注入されて、上記動圧発生溝の加圧作用により動圧を
    発生する潤滑流体と、を有する動圧軸受装置の製造方法
    において、 前記軸部材及び軸受部材のそれぞれを、導電性材料によ
    り形成するとともに、それら軸部材及び軸受部材のうち
    の一方側の部材を、他方側の部材よりも柔軟性を有する
    材質から形成しておく一方、 前記固定部材及び回転部材のうちの動圧発生溝を形成し
    た部材の加工時における加工残粉を、当該部材の表面に
    所定量残存させておき、 前記潤滑流体の注入時に、上記加工残粉を潤滑流体中に
    分散して、当該潤滑流体に導電性を付与するようにした
    ことを特徴とする動圧軸受装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記軸部材をステンレス鋼から形成す
    るとともに、前記軸受部材を銅系合金から形成するよう
    にしたことを特徴とする請求項11又は12記載の動圧
    軸受装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記潤滑流体として、絶縁性を有する
    潤滑油を用いるようにしたことを特徴とする請求項11
    又は12記載の動圧軸受装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記加工残片の少なくとも一辺が、前
    記動圧軸受面間の隙間寸法よりも小さい寸法となってい
    るものを残存させるようにしたことを特徴とする請求項
    11又は12記載の動圧軸受装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記加工残片における最大長の辺部
    が、前記動圧軸受面間の隙間寸法と同程度又は大きい寸
    法のものを残存させるようにしたことを特徴とする請求
    項11又は12記載の動圧軸受装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記加工残片を残存させる部材を、加
    工後に超音波洗浄することによって、前記小さい寸法の
    加工残片を残存させるようにしたことを特徴とする請求
    項16記載の動圧軸受装置の製造方法。
JP2000069767A 2000-03-14 2000-03-14 動圧軸受装置及びその製造方法 Withdrawn JP2001254732A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000069767A JP2001254732A (ja) 2000-03-14 2000-03-14 動圧軸受装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000069767A JP2001254732A (ja) 2000-03-14 2000-03-14 動圧軸受装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001254732A true JP2001254732A (ja) 2001-09-21

Family

ID=18588591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000069767A Withdrawn JP2001254732A (ja) 2000-03-14 2000-03-14 動圧軸受装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001254732A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010014A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Yoshinari Yokoo 動圧軸受装置、スピンドルモータおよびディスク駆動装置ならびに動圧軸受装置の製造方法
JP2014509721A (ja) * 2011-03-22 2014-04-21 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション 変化可能な電気伝導状態を有するブッシング
US8944690B2 (en) 2009-08-28 2015-02-03 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Corrosion resistant bushing
CN111094774B (zh) * 2017-08-15 2021-11-26 马勒国际有限公司 滑动部件及方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010014A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Yoshinari Yokoo 動圧軸受装置、スピンドルモータおよびディスク駆動装置ならびに動圧軸受装置の製造方法
US7134791B2 (en) 2002-07-18 2006-11-14 Yoshinari Yokoo Dynamic pressure bearing device, spindle motor, disk drive device, and method of manufacturing dynamic pressure bearing device
US8944690B2 (en) 2009-08-28 2015-02-03 Saint-Gobain Performance Plastics Pampus Gmbh Corrosion resistant bushing
JP2014509721A (ja) * 2011-03-22 2014-04-21 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション 変化可能な電気伝導状態を有するブッシング
CN111094774B (zh) * 2017-08-15 2021-11-26 马勒国际有限公司 滑动部件及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102966664B (zh) 轴承装置、主轴电机以及盘驱动装置
US20060002642A1 (en) Fluid dynamic pressure bearing apparatus
JP4045942B2 (ja) 流体軸受装置及びこれを用いた磁気ディスク装置
KR101133393B1 (ko) 유체 동압 베어링 어셈블리 및 이를 포함하는 모터
JPH099568A (ja) ディスク駆動装置
CN100365298C (zh) 动压轴承装置
US20130307379A1 (en) Spindle motor
US6955469B2 (en) Dynamic pressure bearing device
JP2003329032A (ja) 動圧軸受装置
JP2006105207A (ja) 流体軸受装置、それを用いたスピンドルモータ、及びそれを用いたディスク駆動装置
JP2001254732A (ja) 動圧軸受装置及びその製造方法
JP2004183772A (ja) 流体軸受装置及びディスク回転装置
JP5160795B2 (ja) ハブ・スピンドル組立体用の静電放電装置
JP3897435B2 (ja) スピンドルモータ
JP2003314534A (ja) 軸受けユニット、軸受けユニットを有するモータおよび電子機器
KR20120013629A (ko) 유체 동압 베어링 어셈블리
JP2005016556A (ja) 円錐型動圧軸受装置およびそれを備えた記録ディスク駆動装置
JP2006304565A (ja) ブラシレスモータとその製造方法
JP2002048132A (ja) 流体軸受
CN100370540C (zh) 温度敏感性减小的液体动压轴承
JP4056349B2 (ja) 動圧軸受装置を備えたモータ
JP4751749B2 (ja) モータ
US20120112587A1 (en) Hydrodynamic bearing assembly and motor including the same
JP2001208069A (ja) 流体軸受スピンドルモータ
JP2000310225A (ja) 流体軸受装置およびそれを使用した磁気ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20051215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051215

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070105

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090114