JP2001247063A - 車両ドアの製造方法及び車両のドア構造 - Google Patents

車両ドアの製造方法及び車両のドア構造

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JP2001247063A
JP2001247063A JP2000060311A JP2000060311A JP2001247063A JP 2001247063 A JP2001247063 A JP 2001247063A JP 2000060311 A JP2000060311 A JP 2000060311A JP 2000060311 A JP2000060311 A JP 2000060311A JP 2001247063 A JP2001247063 A JP 2001247063A
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plate
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door inner
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Masao Nishikawa
征夫 西川
Chika Kawamoto
親 川本
Kenichi Ogawa
健一 小川
Noboru Shono
昇 庄野
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Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドア成形時に使用される板材の歩留まりを効
果的に向上させて車両ドアを容易かつ適正に成形する。 【解決手段】 ドアヒンジ9が固定される第1板材11
と、ドアロック10が設置される第2板材12と、第1
板材11と第2板材12との上端部間及び下端部間に配
設される第3,第4板材13,14とをそれぞれ成形し
た後、上記第1,第2板材11,12の側辺部に、第
3,第4板材の両端部を溶接して接合することにより、
中央に開口部4を有するドアインナパネル2を形成し、
このドアインナパネル2とドアアウタパネルとによって
ドア構造体を形成するとともに、上記ドアインナパネル
2の開口部4を覆うモジュールプレート5に、ドアの付
属品を組み込んでドアモジュールユニット25を形成し
た後、これをドアインナパネル2に取り付けるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両ドアの製造方
法及び車両のドア構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、実開昭59−18242
4号公報に示すように、ドアインナパネル(内板)を分
割して板取りされた分割片をレザー溶接で接合してなる
母材を、一体成形することにより、部分的に分割片の材
質、板厚を変更して適材、適所の材料を選定し得るよう
にし、強度を要する個所には板厚の大きい分割片、高張
力鋼等よりなる分割片を使用して補強部材を使用するこ
となく、所要の構造特性を発揮せしめて軽量化とコスト
ダウンとを図るようにしたドアインナパネル構造が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成した
場合には、要求に応じた強度を有する複数の板材を接合
することにより、所要の構造特性を有するドアインナパ
ネルを安価に製造することができる。しかし、ドアガラ
スを昇降駆動するウインドウレギュレータ、各種ハーネ
ス及びケーブル等の設置部と、複数の作業孔とが設けら
れたドアインナパネルの下方部を、複数の板材を組み合
わせて形成することは困難であるため、上記ドアインナ
パネル本体の主要部を一枚板で形成しており、ドアイン
ナパネルを複数の板材で構成したにも拘わらず、板取の
歩留まりをそれ程向上させることができないという問題
がある。
【0004】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、ドア成形時に使用される板材の歩留まりを効果
的に向上させて車両ドアを容易かつ適正に形成すること
ができる車両ドアの製造方法及び車両のドア構造を提供
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ドアヒンジが固定される第1板材と、ドアロックが設置
される第2板材と、第1板材と第2板材との上端部間及
び下端部間に配設される第3,第4板材とをそれぞれ成
形した後、上記第1板材の側辺部に、第3,第4板材の
一端部を溶接して接合するとともに、上記第2板材の側
辺部に、第3,第4板材の他端部を溶接して接合するこ
とにより、中央に開口部を有するドアインナパネルを形
成し、このドアインナパネルとドアアウタパネルとによ
ってドア構造体を形成するとともに、上記ドアインナパ
ネルの開口部を覆うモジュールプレートに、ドアの付属
品を組み込んでドアモジュールユニットを形成した後、
このドアモジュールユニットをドアインナパネルに取り
付けるようにしたものである。
【0006】上記構成によれば、所定の長さ及び幅寸法
を有する第1〜第4板材を溶接して接合することによ
り、所要の強度を有するドアインナパネルを容易に形成
することが可能となるとともに、別工程で形成された上
記ドアモジュールユニットをドアインナパネルに取り付
けることにより、各種のドア付属品を有する車両ドアを
容易に製造することが可能となる。
【0007】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
の車両ドアの製造方法において、第1板材及び第2板材
の側辺部に、第3,第4板材の両端部を突き合わせた状
態で、これらの突き合わせ部をそれぞれレーザ溶接する
とともに、このレーザ溶接の少なくとも最初の工程をス
トレート溶接とし、かつ少なくとも最終の工程をウィー
ビング溶接としたものである。
【0008】上記構成によれば、溶接の最初の段階で
は、レーザ溶接機を真っ直ぐに移動させることにより、
上記溶接作業を迅速に行うことが可能となるとともに、
溶接の最終段階では、製作誤差または溶接時の熱膨張等
に起因して各板材の突き合わせ部に隙間が形成されてい
る場合においても、上記ウィービング溶接時に生成され
た溶融材により上記隙間を埋めて接合強度を充分に確保
することが可能となる。
【0009】請求項3に係る発明は、上記請求項1また
は2記載の車両ドアの製造方法において、上辺部又は下
辺部が互いに連設された複数のドア構造体を形成した
後、上記上辺部又は下辺部の連設部を切断することによ
り複数のドア構造体に分離するものである。
【0010】上記構成によれば、所要の強度を有する第
1〜第4板材により構成された複数のドアインナパネル
を同時に形成することが可能となる。
【0011】請求項4に係る発明は、中央部に開口部が
形成されたドアインナパネルと、このドアインナパネル
に接合されることによりドア構造体を構成するドアアウ
タパネルと、上記ドアインナパネルの開口部を覆うよう
に取り付けられるモジュールプレートにドアの付属品が
組み込まれたドアモジュールユニットとを備え、上記ド
アインナパネルを、ドアヒンジが固定される第1板材
と、ドアロックが設置される第2板材と、上記第1板材
と第2板材との上端部間及び下端部間に配設されて第1
板材の内側辺部及び第2板材の内側辺部にそれぞれ溶接
される第3,第4板材とによって構成したものである。
【0012】上記構成によれば、所定の長さ及び幅寸法
を有する第1〜第4板材を接合することにより、所要の
強度を有するドアインナパネルを容易に形成することが
可能となるとともに、別工程で形成された上記ドアモジ
ュールユニットをドアインナパネルに取り付けることに
より、各種のドア付属品を有する車両ドアを容易に製造
することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明に係る車
両のドア構造の実施形態を示している。このドア構造
は、車両ドアの外面側に配設されたドアアウタパネル1
及び車両ドアの内面側(車室内側)に配設されたドアイ
ンナパネル2からなるドア構造体3と、ドアインナパネ
ル2に形成された開口部4を覆うように取り付けられる
モジュールプレート5と、上記ドアアウタパネル1とド
アインナパネル2との間において車体の前後方向に伸び
るように配設されたインパクトバー6と、上記ドア構造
体3の上方に配設されたドアサッシ7と、上記モジュー
ルプレート5の内面側に配設されたドアトリム材8とを
有している。
【0014】上記ドアインナパネル2は、図2に示すよ
うに、ドアヒンジ9が固定された前方側(車体前部側)
の第1板材11と、ドアロック10が設置された後方側
(車体後部側)の第2板材12と、第1板材11と第2
板材12との上端部間に配設された第3板材13と、第
1板材11と第2板材12との下端部間に配設された第
4板材14とからなっている。そして、上記第1板材1
1の側辺部(後辺部)に、第3,第4板材13,14の
前端部が溶接されるとともに、上記第2板材12の側辺
部(前辺部)に、第3,第4板材13,14の後端部が
溶接されることにより、中央に所定の面積を有する開口
部4が形成されている。
【0015】上記モジュールプレート5は、ドアインナ
パネル2の開口部4よりもやや大きい面積を有するとと
もに、所定位置に作業孔15,16が形成された合成樹
脂製の板状部材からなり、その外周縁部が図外の係止用
クリップを介して上記ドアインナパネル2に係止される
ことにより、上記開口部4を内面側から覆うように取り
付けられている。
【0016】なお、後述するドア付属品の組み付け作業
の終了後に、図4に示すように、上記モジュールプレー
ト5の成形時に形成された不要部5aを切除する等によ
って閉塞部15a,16aを形成し、この閉塞部15
a,16aを上記作業孔15,16に嵌入して接着する
等により、この作業孔15,16を閉塞するように構成
されている。
【0017】上記モジュールプレート5には、図3に示
すように、ウインドガラス17を昇降駆動するウインド
レギュレータ18、車体側のストライカに係合されて車
両ドアをロック状態に係止する上記ドアロック10、音
響用のスピーカ19、上記ドアロック10を車内方から
操作するロック操作部20、車内側からドアを開閉操作
するインナハンドル21及び電気接続用のハーネス22
等からなるドアの付属品が組み付けられている。また、
上記モジュールプレート5の下部内面側には、ドアポケ
ット用の凹部23と、衝突時に乗員を保護するためのド
アパッド24とが一体に形成されている。そして、上記
モジュールプレート5と、ドアの付属品とにより、ドア
インナパネル2に取り付けられるドアモジュールユニッ
ト25が構成されている。
【0018】すなわち、上記モジュールプレート5の外
面側の中央部には、ウインドレギュレータ18の上部が
ビス止めされる第1取付部26と、ウインドレギュレー
タ18に設けられた係合孔に嵌入される係止用突部を有
する第2,第3取付部27,28と、ウインドレギュレ
ータ18の下部に設けられた係止用突片の係止部を有す
る第4取付部29とが、上下方向に所定間隔を置いて設
けられている(図1参照)。
【0019】また、上記モジュールプレート5の下部前
方には、図5に示すように、スピーカ19の設置孔30
と、スピーカ19の上方部を覆う防水カバー31とが設
けられている。さらに、上記モジュールプレート5の後
部外面側には、図6に示すように、上記ドアロック10
の収納部32が形成され、この収納部32内に収納され
たドアロック10がビス33により上記モジュールプレ
ート5に仮止めされている。そして、上記ドアモジュー
ルユニット25がドアインナパネル2に取り付けられた
後、このドアインナパネル2の所定位置に上記ドアロッ
ク10が固定されるようになっている。
【0020】上記モジュールプレート5の内面側には、
上記ロック操作部20及びインナハンドル21の操作力
を上記ドアロック10に伝達する操作ロッド35,36
の支持部37,38が一体に形成されている。また、上
記モジュールプレート5の後部には、図6に示すよう
に、このモジュールプレート5の内面部に沿って後方側
に伸びる操作ロッド35,36を、モジュールプレート
5の外面側(車外側)に導出させるための透孔39が形
成され、この透孔39を貫通した操作ロッド35,36
の先端部が上記ドアロック10に連結されるようになっ
ている。
【0021】さらに、上記モジュールプレート5には、
図7に示すように、ハーネス22の支持部41,42が
所定位置に配設され、図外のドアミラー内に配設された
駆動モータ等の電機部品に接続されるハーネス22が上
記支持部41,42により支持されるようになってい
る。また、図1に示すように、モジュールプレート5の
下部中央に形成された上記凹部23と、ドアトリム材8
の下方部とにより、地図帳等が収納されるドアポケット
が構成されるとともに、その後方側には、図8に示すよ
うに、多数のリブの集合体からなる上記ドアパッド24
が形成されている。
【0022】上記モジュールプレート5の外周部には、
充填発泡タイプのシール材43を保持する凹部が形成さ
れるとともに、上記モジュールプレート5の外面側に
は、図9に示すように、ドアガラス17を昇降自在に支
持する昇降ガイド45が一体に形成されている。さら
に、モジュールプレート5の中央内面側には、車両ドア
を閉止操作するためのリセスの底部を構成する突部46
が設けられている(図3参照)。
【0023】上記構成を有する車両ドアの製造方法を、
図10に示す工程図に基づいて説明する。上記ドアアウ
タパネル1及びドアインナパネル2を、ドアアウタパネ
ル成形ライン及びドアインナパネル成形ラインにおいて
成形した後、ドア成形ラインにおいて、上記ドアアウタ
パネル1とドアインナパネル2とを接合することによ
り、ドア構成体3を形成する。
【0024】上記ドアインナパネル成形ラインでは、図
11に示すように、ドアインナパネル2を構成する第1
〜第4板材用素材11a〜14aをそれぞれ成形した
後、図12に示すように、上記第1板材用素材11aの
側辺部に、第3,第4板材用素材13a,14aの一端
部を突き合わせた状態で、この突き合わせ部に、レーザ
溶接機50からレーザ光を照射することによりレーザ溶
接して接合する。また、同様にして上記第2板材用素材
12aの側辺部に、第3,第4板材用素材13a,14
aの他端部を突き合わせた状態で、この突き合わせ部
に、レーザ溶接機50からレーザ光を照射することによ
りレーザ溶接して接合することにより、中央に開口部4
を有するドアインナパネル用素材2aを形成する。
【0025】上記各板材用素材11a〜14aの板厚が
異なる場合、例えば第1,第2板材用素材11a,12
aの板厚が、第3,第4板材用素材13a,14aの板
厚よりも大きい場合には、上記突き合わせ部の上方に位
置する第1,第2板材用素材11a,12aの側端面に
向けてレーザ光を照射して、この部分を溶融させること
により、上記突き合わせ部を溶接する。このように上記
突き合わせ部を溶融させると、そのコーナ部が円弧状に
面取りされるため、後述するプレス加工時に、プレス機
の加工部がコーナ部に当接して摩耗したり、損傷したり
するのを効果的に抑制することが可能となる。
【0026】また、上記突き合わせ部をレーザ溶接して
第1〜第4板材用素材11a〜14aを接合する場合、
少なくとも最初の工程は、レーザ光を溶接方向に沿って
真っ直ぐに移動させるストレート溶接とし、かつ少なく
とも最終の工程は、レーザ光を溶接方向に沿ってジグザ
グに移動させるウィービング溶接とする。
【0027】このようにして第1〜第4板材用素材11
a〜14aからなるドアインナパネル用素材2aを形成
した後、これをプレス加工することにより、所定形状の
ドアインナパネル2を成形する。そして、このドアイン
ナパネル2と、上記ドアインナパネル2とにより形成さ
れたドア構成体3と、車体組立ラインにおいて製造され
た車体とを、塗装ラインに搬送して塗装を行う。
【0028】その後、ドアモジュールユニット成形ライ
ンにおいて成形されたドアモジュールユニット25と、
上記塗装ラインから搬出されたドア構成体3とをドア組
立ラインに搬送し、このドア構成体3に、上記ドアモジ
ュールユニット25を取り付ける等により、車両ドアを
製造する。次いで、車体艤装ラインから搬出された車体
と、上記ドア組立ラインから搬出された車両ドアとを、
ドア搭載建付ラインに搬送し、上記車体に車両ドアを搭
載して建て付けるとともに、各部の微調整を行う。
【0029】上記のようにドアヒンジ9が固定される第
1板材11と、ドアロック10が設置される第2板材1
2と、第1板材11と第2板材12との上端部間及び下
端部間に配設される第3,第4板材13,14とをそれ
ぞれ成形した後、上記第1板材11の側辺部に、第3,
第4板材13,14の一端部を溶接して接合するととも
に、上記第2板材12の側辺部に、第3,第4板材1
3,14の他端部を溶接して接合することにより、中央
に開口部4を有するドアインナパネル2を形成し、この
ドアインナパネル2とドアアウタパネル1とによってド
ア構造体3を形成するとともに、上記ドアインナパネル
2の開口部4を覆うモジュールプレート5に、ウインド
レギュレータ18等からなるドアの付属品を組み込んで
ドアモジュールユニット25を形成した後、これを上記
ドアインナパネル2に取り付けるように構成したため、
ドア成形時に使用される板材の歩留まりを効果的に向上
させて車両ドアを適正に成形することができる。
【0030】すなわち、上記ウインドレギュレータ18
等からなるドアの付属品をモジュールプレート5に組み
込んでユニット化したドアモジュールユニット25を、
ドアインナパネル2に取り付けるように構成したため、
上記開口部4を囲繞するように、所定の長さ及び幅寸法
を有する第1〜第4板材11〜14を配設して、これら
を接合することにより、所定形状のドアインナパネル2
を容易に形成することができるとともに、別工程で形成
された上記ドアモジュールユニット25を取り付けるこ
とにより、各種のドア付属品を有する車両ドアを容易に
製造することができる。
【0031】また、上記ドアヒンジ9を介して車体側に
連結されることにより大きな荷重が作用する上記第1板
材11と、ドアの開閉時等に上記ドアロック10から大
きな荷重が入力される上記第2板材12との板厚を、他
の第3,第4板材13,14よりも大きくし、あるいは
上記荷重等に対応させて各板材11〜14の材質を異な
らせる等により、ドアインナパネル2の重量を増大させ
ることなく、各部の強度が適正値に設定されたドアイン
ナパネル2を、安価に製造することができる。
【0032】さらに、上記ドアヒンジ9が固定される第
1板材11の側辺部に、第3,第4板材13,14の一
端部を溶接して接合するとともに、上記ドアロック10
が設置された第2板材12の側辺部に、第3,第4板材
13,14の他端部を溶接して接合したため、上記ドア
ヒンジ9により支持された車両ドアの自重等に応じて上
記溶接部が破断するのを効果的に防止することができ
る。
【0033】すなわち、図13に示すように、上下に相
対向して配置された第3,第4板材用素材53,54の
前端部間及び後端部間に、第1,第2板材素材51,5
2を配設して接合することも考えられる。しかし、上記
のように構成した場合には、ドアの自重Gに対応した荷
重に応じ、例えば第1板材51と第4板材54との接合
部の前端Aを支点として、この接合部の後端Bを剥離す
る方向に大きなモーメント荷重Cが作用するため、上記
接合部が剥離し易いという問題がある。これに対して図
11に示すように、第1,第2板材用素材11a,12
aの上端部間及び下端部間に、第3,第4板材用素材1
3a,14aを配設した接合した場合には、ドアの自重
Gに対応した荷重が、上記接合部のせん断方向に作用す
るため、このせん断力が接合部により安定して支持さ
れ、この接合部の破断が効果的に防止されることにな
る。
【0034】また、上記実施形態では、第1板材用素材
11a及び第2板材用素材12aの側辺部に、第3,第
4板材用素材13a,14aの両端部を突き合わせた状
態で、これらの突き合わせ部をそれぞれレーザ溶接する
とともに、このレーザ溶接の少なくとも最初の工程をス
トレート溶接とし、かつ少なくとも最終の工程をウィー
ビング溶接としたため、溶接の初期段階では、レーザ溶
接機50を溶接部に沿って真っ直ぐに移動させることに
より、この溶接作業を迅速かつ容易に行うことができ
る。しかも、上記溶接の最終段階では、製作誤差または
溶接時の熱膨張等に起因して各素材11a〜14aの突
き合わせ部に隙間が形成されている場合においても、上
記ウィービング溶接時に生成された溶融材により上記隙
間を埋めることができるため、接合強度を充分に確保で
きる等の利点がある。
【0035】また、下記のように所定長さ及び幅寸法を
有する板材により、上辺部又は下辺部が互いに連設され
た複数のドアインナパネル用素材2a,2aを形成した
後、上記上辺部又は下辺部の連設部を切断することによ
り、複数のドアインナパネル用素材2a,2aを同時に
製造するように構成してもよい。
【0036】例えば、図14に示すように、単一のドア
を成形する場合の二倍程度の長さを有する第1板材用素
材61と、第2板材用素材62とを相対向させて配設
し、この第1,第2板材用素材61,62の上下両端部
間に、それぞれ第3板材用素材63,63を配設すると
ともに、上記第1,第2板材用素材61,62の中央部
の間に、単一のドアを成形する場合の二倍程度の幅寸法
を有する第4板材用素材64を配設した状態で、各素材
61〜64の接合部をレーザ溶接等の手段で接合した
後、仮想線で示すように、上記第4板材用素材64の中
央部を、その長さ方向に沿って切断することにより、一
対のドアインナパネル素材2a,2aを同時に製造する
ことができる。
【0037】この場合、上記接合部に隙間が形成される
のを防止しつつ、上記レーザ溶接を迅速に行うために
は、このレーザ溶接の少なくとも最初の工程、例えば上
記第1,第2板材用素材61,62の中央部と、第4板
材用素材64との接合部をストレート溶接とするととも
に、少なくとも最終の工程、例えば上記第1,第2板材
用素材61,62の端部と、第3板材用素材63との接
合部をウィービング溶接とすることが望ましい。
【0038】なお、図15に示すように、単一のドアを
成形する場合の二倍以上の幅寸法を有する第1板材用素
材71と、一対の第2板材用素材72,72とを相対向
させて配設し、この第1,第2板材用素材71,72の
両端部の間に、それぞれ一対の第3板材用素材73,7
3を配設した状態で、各素材71〜74の接合部をレー
ザ溶接等の手段で接合することにより、前端部または後
端部において互いに連接された一対のドアインナパネル
用素材2a,2aを成形した後、仮想線で示すように、
上記第1板材用素材61の中央部を、その長さ方向に沿
って切断することにより、一対のドアインナパネル用素
材2a,2aを同時に形成することもできる。
【0039】しかし、図15に示すように各素材71〜
74を配設した場合には、各溶接部に沿って移動させる
溶接機の移動回数が4回となるのに対し、図14に示す
ように各素材61〜64を配設した場合には、各溶接部
に沿って溶接機を2回移動させるだけで、上記各接合部
を溶接することができる。このため、図14に示すよう
に、所定の長さ及び幅寸法を有する各素材61〜64に
より、上辺部又は下辺部が互いに連設された複数のドア
インナパネル用素材2a,2aを形成した後、上記上辺
部又は下辺部の連設部を切断することにより、複数のド
アインナパネル用素材2a,2aを同時に形成すること
が好ましい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ドアヒ
ンジが固定される第1板材と、ドアロックが設置される
第2板材と、第1板材と第2板材との上端部間及び下端
部間に配設される第3,第4板材とをそれぞれ成形した
後、上記第1板材の側辺部に、第3,第4板材の一端部
を溶接して接合するとともに、上記第2板材の側辺部
に、第3,第4板材の他端部を溶接して接合することに
より、中央に開口部を有するドアインナパネルを形成
し、このドアインナパネルとドアアウタパネルとによっ
てドア構造体を形成するとともに、上記ドアインナパネ
ルの開口部を覆うモジュールプレートに、ドアの付属品
が組み込まれたドアモジュールユニットを形成した後、
このドアモジュールユニットをドアインナパネルに取り
付けるようにしたため、上記ドアヒンジを介して車体側
に連結されることにより大きな荷重が作用する上記第1
板材と、ドアの開閉時等に上記ドアロックから大きな荷
重が入力される上記第2板材との板厚を、他の第3,第
4板材よりも大きくする等により、ドアインナパネルの
重量を増大させることなく、各部の強度が適正値に設定
されるとともに、各種のドア付属品を有するドアインナ
パネルを、簡単かつ安価に製造できる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両ドア構造の実施形態を示す断
面図である。
【図2】ドアインナパネルの具体的構造を示す説明図で
ある。
【図3】ドアモジュールユニットの具体的構成を示す斜
視図である。
【図4】モジュールプレートの具体的構成を示す説明図
である。
【図5】スピーカの設置部の具体的構成を示す断面図で
ある。
【図6】ドアロックの設置部の具体的構成を示す断面図
である。
【図7】ハーネスの支持部の具体的構成を示す斜視図で
ある。
【図8】ドアパッドの具体的構成を示す断面図である。
【図9】昇降ガイドの具体的構成を示す断面図である。
【図10】車両の製造ラインの具体的構成を示す工程図
である。
【図11】ドアインナパネル用素材の具体的構成を示す
説明図である。
【図12】ドアインナパネル用素材の製造過程を示す説
明図である。
【図13】ドアインナパネル用素材の比較例を示す説明
図である。
【図14】ドアインナパネル用素材の具体的構成を示す
説明図である。
【図15】ドアインナパネル用素材の他の具体例を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 ドアアウタパネル 2 ドアインナパネル 3 ドア構造体 4 開口部 5 モジュールプレート 9 ドアヒンジ 10 ドアロック(ドアの付属品) 11 第1板材 12 第2板材 13 第3板材 14 第4板材 18 ウインドレギュレータ(ドアの付属品) 19 スピーカ(ドアの付属品) 20 ロック操作部(ドアの付属品) 21 インナハンドル(ドアの付属品) 22 ハーネス(ドアの付属品)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 健一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 庄野 昇 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D114 AA03 BA13 EA05 4E068 BE00 DA00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアヒンジが固定される第1板材と、ド
    アロックが設置される第2板材と、第1板材と第2板材
    との上端部間及び下端部間に配設される第3,第4板材
    とをそれぞれ成形した後、上記第1板材の側辺部に、第
    3,第4板材の一端部を溶接して接合するとともに、上
    記第2板材の側辺部に、第3,第4板材の他端部を溶接
    して接合することにより、中央に開口部を有するドアイ
    ンナパネルを形成し、このドアインナパネルとドアアウ
    タパネルとによってドア構造体を形成するとともに、上
    記ドアインナパネルの開口部を覆うモジュールプレート
    に、ドアの付属品を組み込んでドアモジュールユニット
    を形成した後、このドアモジュールユニットをドアイン
    ナパネルに取り付けるようにしたことを特徴とする車両
    ドアの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1板材及び第2板材の側辺部に、第
    3,第4板材の両端部を突き合わせた状態で、これらの
    突き合わせ部をそれぞれレーザ溶接するとともに、この
    レーザ溶接の少なくとも最初の工程をストレート溶接と
    し、かつ少なくとも最終の工程をウィービング溶接とし
    たことを特徴とする請求項1記載の車両ドアの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上辺部又は下辺部が互いに連設された複
    数のドア構造体を形成した後、上記上辺部又は下辺部の
    連設部を切断することにより複数のドア構造体に分離す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の車両ドアの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 中央部に開口部が形成されたドアインナ
    パネルと、このドアインナパネルに接合されることによ
    りドア構造体を構成するドアアウタパネルと、上記ドア
    インナパネルの開口部を覆うように取り付けられるモジ
    ュールプレートにドアの付属品が組み込まれたドアモジ
    ュールユニットとを備え、上記ドアインナパネルを、ド
    アヒンジが固定される第1板材と、ドアロックが設置さ
    れる第2板材と、上記第1板材と第2板材との上端部間
    及び下端部間に配設されて第1板材の内側辺部及び第2
    板材の内側辺部にそれぞれ溶接される第3,第4板材と
    によって構成したことを特徴とする車両のドア構造。
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