JP2001246626A - 金型および異方導電性シートの製造方法 - Google Patents

金型および異方導電性シートの製造方法

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JP2001246626A
JP2001246626A JP2000063424A JP2000063424A JP2001246626A JP 2001246626 A JP2001246626 A JP 2001246626A JP 2000063424 A JP2000063424 A JP 2000063424A JP 2000063424 A JP2000063424 A JP 2000063424A JP 2001246626 A JP2001246626 A JP 2001246626A
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magnetic
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conductive
flux density
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Kazumi Hanawa
一美 塙
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電部に所要の量の導電性粒子が充填され、
かつ、絶縁部に存在する導電性粒子がないまたは極めて
少ない異方導電性シートが成形可能な金型およびこのよ
うな異方導電性シートの製造方法の提供。 【解決手段】 本発明の金型は、上型および下型を具
え、当該上型と当該下型との間に成形空間が形成される
金型であって、上型および下型の少なくとも一方は、そ
の面方向に沿って互いに離間して設けられた、磁束密度
の高い磁場を成形空間の厚み方向に形成する複数の高磁
場形成部と、この高磁場形成部の周囲に設けられた、当
該高磁場形成部よりも磁束密度の低い磁場を成形空間の
厚み方向に形成する中磁場形成部と、この中磁場形成部
の周囲に設けられた、当該中磁場形成部よりも磁束密度
の低い磁場を成形空間の厚み方向に形成する低磁場形成
部とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子部品な
どの回路装置相互間の電気的接続や、プリント回路基
板、半導体集積回路などの回路装置の電気的検査に用い
られるコネクターとして好適な異方導電性シートを成形
するために好ましく用いられる金型および異方導電性シ
ートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】異方導電性シートは、厚み方向にのみ導
電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚
み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有するも
のであり、ハンダ付けあるいは機械的嵌合などの手段を
用いずにコンパクトな電気的接続を達成することが可能
であること、機械的な衝撃やひずみを吸収してソフトな
接続が可能であることなどの特長を有するため、このよ
うな特長を利用して、例えば電子計算機、電子式デジタ
ル時計、電子カメラ、コンピューターキーボードなどの
分野において、回路装置、例えばプリント回路基板とリ
ードレスチップキャリアー、液晶パネルなどとの相互間
の電気的な接続を達成するためのコネクターとして広く
用いられている。
【0003】また、プリント回路基板や半導体集積回路
などの回路装置の電気的検査においては、検査対象であ
る回路装置の一面に形成された被検査電極と、検査用回
路基板の表面に形成された検査用電極との電気的な接続
を達成するために、回路装置の被検査電極領域と検査用
回路基板の検査用電極領域との間に異方導電性シートを
介在させることが行われている。
【0004】従来、このような異方導電性シートとして
は、種々の構造のものが知られており、例えば特開昭5
1−93393号公報等には、金属粒子をエラストマー
中に均一に分散して得られる異方導電性シート(以下、
これを「分散型異方導電性シート」という。)が開示さ
れ、また、特開昭53−147772号公報等には、導
電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させる
ことにより、厚み方向に伸びる多数の導電部と、これら
を相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる異方導電性
シート(以下、これを「偏在型異方導電性シート」とい
う。)が開示され、更に、特開昭61−250906号
公報等には、導電部の表面と絶縁部との間に段差が形成
された偏在型異方導電性シートが開示されている。そし
て、偏在型異方導電性シートは、接続すべき回路装置の
電極パターンと対掌のパターンに従って導電部が形成さ
れているため、分散型異方導電性エラストマーシートに
比較して、接続すべき電極が小さいピッチで配置されて
いる回路装置などに対しても電極間の電気的接続を高い
信頼性で達成することができる点で、有利である。
【0005】上記のような偏在型異方導電性シートを製
造する方法としては、特殊な異方導電性シート成形用金
型を用い、この異方導電性シート成形用金型の成形空間
内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材
料中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなるシート成
形材料層を形成し、このシート成形材料層に対してその
厚み方向に強度分布を有する磁場を作用させ、その磁力
の作用によって導電性粒子を移動させて導電部となる部
分に集合させ、更には導電性粒子を厚み方向に並ぶよう
配向させ、その状態で当該シート成形材料層を硬化する
方法が知られている。
【0006】上記の異方導電性シートの製造方法に用い
られる異方導電性シート成形用金型は、それぞれ全体の
形状が略平板状であって互いに対応する上型と下型とよ
りなり、上型および下型が電磁石に装着可能に構成され
るか、若しくは電磁石と一体的に構成され、シート成形
材料層に磁場を作用させながら当該シート成形材料層を
加熱硬化することができる構造のものである。また、シ
ート成形材料層に磁場を作用させて適正な位置に導電部
を形成するために、異方導電性シート成形用金型におけ
る上型および下型のいずれか一方または両方は、鉄、ニ
ッケル等の強磁性体からなる基板上に、金型の成形空間
内の高い強度の磁場を形成するための鉄、ニッケル等よ
りなる強磁性体部分と、銅等の非磁性金属若しくは樹脂
等よりなる非磁性体部分とをモザイク状に配列した層
(以下、「モザイク層」という。)を有する構成のもの
であり、上型および下型の成形面は、平坦であるか若し
くは形成すべき異方導電性シートの導電部に対応してわ
ずかな凹凸を有するものである。
【0007】上記の異方導電性シート成形用金型によれ
ば、電磁石を作動させることにより、上型と下型との間
の成形空間において、強磁性体部分が位置する領域に
は、非磁性体部分が位置する領域よりも磁束密度の高い
磁場が形成され、従って、当該成形空間内に形成された
シート成形材料層に対して強度分布を有する磁場を作用
させることができる。このような異方導電性シート成形
金型において、モザイク層における強磁性体よりなる部
分と非磁性体よりなる部分との配置、形状等は、成形す
べき異方導電性シートに基づいて決定される。すなわ
ち、異方導電性シートの導電部に相当する箇所に強磁性
体よりなる部分が配置され、その強磁性体よりなる部分
の形状が導電部の断面形状に適合したものである。
【0008】しかしながら、従来の異方導電性シート成
形用金型においては、以下のような問題があることが判
明した。例えばQFP(Quad Flat Pack
age)等の電極が矩形の四辺に沿って枠状に配置され
てなる半導体素子や、複数の集積回路が形成されたウエ
ハなどの電子部品は、電極が密に配置された領域(以
下、「電極配置領域」という。)と、電極が配置されて
いない領域(以下、「非電極配置領域」という。)とを
有する。このような電子部品の電気的検査を行う場合に
は、異方導電性シートとして、電子部品における電極配
置領域の電極のパターンに対応するパターンに従って導
電部が配置された領域(以下、「機能領域」ともい
う。)と、非電極配置領域に対応して形成された、導電
部が全く存在しない領域(以下、「非機能領域」ともい
う。)とを有するものが用いられる。然るに、このよう
な異方導電性シートの製造においては、シート成形材料
層における非機能領域となるべき部分に存在する導電性
粒子を、導電部となるべき部分に移動させることが必要
となるが、異方導電性シートの非機能領域の面積が相当
に大きいものである場合には、非機能領域となるべき部
分に存在する導電性粒子の移動距離が極めて長いものと
なるため、当該シート成形材料層に強度分布を有する磁
場を作用させても、導電性粒子を導電部となるべき部分
に確実に集合させることは困難である。その結果、形成
される導電部には、所要の量の導電性粒子が充填されな
いために高い導電性が得られず、しかも、非機能領域に
は、相当な量の導電性粒子が残存するため、当該非機能
領域における所期の絶縁性を確実に達成することが困難
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その第1の目
的は、導電部に所要の量の導電性粒子が充填され、か
つ、絶縁部に存在する導電性粒子がないまたは極めて少
ない異方導電性シートを成形することが可能な金型を提
供することにある。本発明の第2の目的は、導電部に所
要の量の導電性粒子が充填され、かつ、絶縁部に存在す
る導電性粒子がないまたは極めて少ない異方導電性シー
トを確実に製造することができる方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の金型は、上型お
よびこれと対となる下型を具えてなり、当該上型と当該
下型との間に成形空間が形成される金型であって、前記
上型および前記下型の少なくとも一方は、その面方向に
沿って互いに離間して設けられた、磁束密度の高い磁場
を成形空間の厚み方向に形成する複数の高磁場形成部
と、この高磁場形成部の周囲に設けられた、当該高磁場
形成部よりも磁束密度の低い磁場を成形空間の厚み方向
に形成する中磁場形成部と、この中磁場形成部の周囲に
設けられた、当該中磁場形成部よりも磁束密度の低い磁
場を成形空間の厚み方向に形成する低磁場形成部とを有
することを特徴とする。
【0011】本発明の金型は、異方導電性シートを成形
するための金型として好ましく用いることができる。ま
た、本発明の金型においては、前記中磁場形成部におけ
る面方向の断面積が、前記高磁場形成部における面方向
の断面積の1.2〜30倍であることが好ましい。ま
た、本発明の金型においては、磁性体基板と、この磁性
体基板における前記高磁場形成部および前記中磁場形成
部が位置する部分に当該磁性体基板の表面から突出する
よう設けられた第1の突出磁性体部と、この第1の突出
磁性体部における前記高磁場形成部が位置する部分に当
該第1の突出磁性体部の表面から突出するよう設けられ
た第2の突出磁性体部とを備えてなることが好ましい。
【0012】本発明の異方導電性シートの製造方法は、
厚み方向に伸びる複数の導電部が絶縁部によって相互に
絶縁された状態で配置されてなる異方導電性シートを製
造する方法であって、硬化されて弾性高分子物質となる
弾性高分子用材料中に磁性を示す導電性粒子が含有され
てなるシート成形材料層に対し、強度分布を有する磁場
を当該成形材料の厚み方向に作用させると共に、当該シ
ート成形材料層を硬化処理する工程を有し、この工程に
おいて、前記シート成形材料層の導電部を形成すべき部
分における磁束密度をBH 、当該導電部を形成すべき部
分の周辺部分における磁束密度をB M 、当該導電部を形
成すべき部分およびその周辺部分以外の部分における磁
束密度をBL としたとき、BH >BM >BL を満足する
ことを特徴とする。
【0013】本発明の異方導電性シートの製造方法にお
いては、磁束密度BM が磁束密度B H の30〜90%で
あることが好ましく、また、磁束密度BL が磁束密度B
M の80%以下であることが好ましい。また、本発明の
異方導電性シートの製造方法においては、上記の金型を
用い、この金型内にシート成形材料層を形成し、このシ
ート成形材料層に当該金型を介して強度分布を有する磁
場を作用させることが好ましい。
【0014】
【作用】上記の構成の金型によれば、高磁場形成部の周
囲に中磁場形成部を介して低磁場形成部が設けられてい
るため、その成形空間内に形成された導電性粒子が分散
されてなるシート成形材料層において、当該シート成形
材料層における低磁場形成部上に位置する部分に存在す
る導電性粒子は、当該部分より磁束密度の高い磁場が作
用する中磁場形成部上に位置する部分に移動し、その
後、当該部分より磁束密度の高い磁場が作用する高磁場
形成部上に位置する部分に移動する。従って、高磁場形
成部上に位置する部分までの移動距離が相当に長くて
も、当該部分に導電性粒子を確実に集合させることがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 〈金型〉図1は、本発明に係る異方導電性シート成形用
金型の一例における下型の要部の構成を示す説明用断面
図である。この異方導電性シート成形用金型は、図1に
示す下型およびこれと対となる上型により構成され、上
型と下型とが互いに対抗するよう配置されることによ
り、当該上型および当該下型の間に成形空間が形成され
る。
【0016】図1に示す下型においては、下型と上型と
の間に形成される成形空間の厚み方向に磁束密度の高い
磁場を形成する複数の高磁場形成部Hが、当該下型の面
方向に沿って互いに離間して設けられている。この高磁
場形成部Hのパターンは、成形すべき異方導電性シート
の導電部のパターンに対応するパターンである。高磁場
形成部Hの各々の周囲には、当該高磁場形成部Hよりも
磁束密度の低い磁場を成形空間の厚み方向に形成する中
磁場形成部Mが設けられ、中磁場形成部Mの周囲すなわ
ち高磁場形成部Hおよび中磁場形成部M以外の個所に
は、中磁場形成部Mよりも低い磁束密度の磁場を成形空
間の厚み方向に形成する低磁場形成部Lが設けられてい
る。
【0017】具体的に説明すると、この下型は磁性体基
板10を有し、この磁性体基板10における高磁場形成
部Hおよび中磁場形成部Mが位置する部分には、当該磁
性体基板10の表面から突出する第1の突出磁性体部1
5が形成され、この第1の突出磁性体部15における高
磁場形成部Hが位置する部分には、当該第1の突出磁性
体部15の表面から突出する複数の第2の突出磁性体部
20が、成形すべき異方導電性シートの導電部のパター
ンに対応するパターンに従って形成されている。磁性体
基板10の表面および第1の突出磁性体部15の表面上
には、非磁性体層30が形成されており、この非磁性体
層30の表面は、第2の突出磁性体部20の表面と実質
上同一平面上に位置されている。また、この例における
異方導電性シート成形用金型は、絶縁部の表面から突出
する導電部を有する異方導電性シートを成形するための
ものであって、非磁性体層30の表面上に、第2の突出
磁性体部20上に位置する個所に孔36を有するキャビ
ティ形成層35が一体的に形成されている。このキャビ
ティ形成層35における孔36は、絶縁部の表面から突
出する導電部を形成するためのものである。
【0018】磁性体基板10、第1の突出磁性体部15
および第2の突出磁性体部20を構成する磁性体材料と
しては、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金な
どの強磁性体を用いることができる。磁性体基板10、
第1の突出磁性体部15および第2の突出磁性体部20
は、それぞれ同じ磁性体材料により構成されていても、
異なる磁性体材料により構成されていてもよい。また、
磁性体基板10、第1の突出磁性体部15および第2の
突出磁性体部20は、それぞれ一体のものであっても別
体のものであってもよい。
【0019】磁性体基板10の厚みDは、好ましくは
0.05〜500mm、より好ましくは0.2〜200
mmである。また、第1の突出磁性体部15の突出高さ
h1および第2の突出磁性体部20の突出高さh2は、
成形すべき異方導電性シートの導電部の寸法および配置
ピッチを考慮して適宜設計されるが、第1の突出磁性体
部15の突出高さh1は、好ましくは50μm以上、よ
り好ましくは150μm以上、更に好ましくは250μ
m以上、特に好ましくは350μm以上であり、第2の
突出磁性体部20の突出高さh2は、好ましくは0.0
1〜0.5mm、より好ましくは0.02〜0.2mm
である。
【0020】以上において、第1の突出磁性体部15の
突出高さh1が過小である場合には、中磁場形成部Mに
よる磁場の磁束密度が、低磁場形成部Lによる磁場の磁
束密度よりも十分に高いものとならず、そのため、成形
空間に形成されるシート成形材料層において、その低磁
場形成部上に位置する部分に存在する導電性粒子を、中
磁場形成部上に位置する部分に確実に移動させることが
困難となることがある。また、第2の突出磁性体部20
の突出高さh2が過小である場合には、高磁場形成部M
による磁場の磁束密度が、中磁場形成部Mによる磁場の
磁束密度よりも十分に高いものとならず、そのため、成
形空間に形成されるシート成形材料層において、その中
磁場形成部上に位置する部分に存在する導電性粒子を、
高磁場形成部上に位置する部分に確実に移動させること
が困難となることがある。一方、第2の突出磁性体部2
0の突出高さh2が過大である場合には、中磁場形成部
Mによる磁場の磁束密度が相対的に低いものとなるた
め、成形空間に形成されるシート成形材料層において、
その低磁場形成部上に位置する部分に存在する導電性粒
子を、中磁場形成部上に位置する部分に確実に移動させ
ることが困難となることがある。
【0021】また、第1の突出磁性体部15の突出高さ
h1と第2の突出磁性体部20の突出高さh2との比
(h1/h2)は、0.1〜5であることが好ましく、
より好ましくは0.2〜3である。この比(h1/h
2)が過小である場合には、中磁場形成部Mによる磁場
の磁束密度が相対的に低いものとなるため、成形空間に
形成されるシート成形材料層において、その低磁場形成
部上に位置する部分に存在する導電性粒子を、中磁場形
成部上に位置する部分に確実に移動させることが困難と
なることがある。一方、この比(h1/h2)が過大で
ある場合には、高磁場形成部Mによる磁場の磁束密度
が、中磁場形成部Mによる磁場の磁束密度よりも十分に
高いものとならず、そのため、成形空間に形成されるシ
ート成形材料層において、その中磁場形成部上に位置す
る部分に存在する導電性粒子を、高磁場形成部上に位置
する部分に確実に移動させることが困難となることがあ
る。
【0022】非磁性体層30を構成する材料としては、
当該非磁性体層30を容易に形成することができる点
で、硬化樹脂材料を用いることが好ましい。このような
樹脂材料の具体例としては、アクリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリイミドなどが挙げられる。
【0023】キャビティ形成層35を構成する材料は、
フォトリソグラフィーの手法により、孔36を有するキ
ャビティ形成層35を高い寸法精度で形成することがで
きる点で、放射線によって硬化された樹脂材料であるこ
とが好ましい。キャビティ形成層35を形成するための
感放射線性樹脂材料としては、アクリル系のドライフィ
ルムレジスト、エポキシ系の液状レジスト、ポリイミド
系の液状レジストなどのフォトレジストを用いることが
できる。キャビティ形成層35の厚みは、成形すべき異
方導電性シートにおける導電部の突出高さに応じて設計
されるが、好ましくは5〜200μm、より好ましくは
10〜100μmである。
【0024】本発明の金型においては、中磁場形成部M
における面方向の断面積が、高磁場形成部Lにおける面
方向の断面積の1.2〜30倍であることが好ましく、
より好ましくは2〜20倍である。中磁場形成部Mにお
ける面方向の断面積が過小である場合には、低磁場形成
部Lにおける面方向の断面積が相対的に大きくなるた
め、シート成形材料層における低磁場形成部L上に位置
する部分に存在する導電性粒子を、中磁場形成部M上に
位置する部分に確実に移動させることが困難となること
がある。一方、中磁場形成部Mにおける面方向の断面積
が過大である場合には、中磁場形成部Mの周縁と高磁場
形成部Hの周縁との距離が相当に長くなるため、シート
成形材料層における中磁場形成部Mの周縁付近に存在す
る導電性粒子を、高磁場形成部M上に位置する部分に移
動させることが困難となることがある。
【0025】上記の異方導電性シート成形用金型は、例
えば以下の第1の方法または第2のい方法によって製造
することができる。 〔第1の方法〕この第1の方法においては、先ず、図2
に示すように、磁性体よりなる板状体11を用意する。
この板状体11の厚みD1は、製造すべき金型における
磁性体基板10の厚みDと、第1の突出磁性体部15の
突出高さh1と、第2の突出磁性体部20の突出高さh
2との合計と同等のものである。そして、図3に示すよ
うに、フォトリソグラフィーの手法により、板状体11
の一面に、形成すべき第2の突出磁性体部20のパター
ンに対応するパターンに従ってレジスト層21を形成
し、当該板状体11の一面に対してエッチング処理を行
うことにより、図4に示すように、突出高さがh2であ
る第2の突出磁性体部20が形成される。次いで、第2
の突出磁性体部20の表面からレジスト層21を除去
し、その後、図5に示すように、フォトリソグラフィー
の手法により、板状体11における第2の突出磁性体部
20の表面およびその周辺部の表面に、レジスト層22
を形成し、当該レジスト層22が形成された個所以外の
個所をエッチング処理することより、図6に示すよう
に、突出高さがh1である第1の突出磁性体部15が形
成されると共に、厚みがDである磁性体基板10が形成
される。
【0026】次いで、第1の突出磁性体部15の表面お
よび第2の突出磁性体部20の表面からレジスト層22
を除去し、その後、磁性体基板10の表面および第1の
突出磁性体部15の表面に熱硬化性樹脂材料層を形成
し、当該熱硬化性樹脂材料層の硬化処理を行うことによ
り、図7に示すように、非磁性体層30が形成される。
その後、図8に示すように、非磁性体層30の表面およ
び第2の突出磁性体部20の表面に、フォトレジスト層
37を形成し、このフォトレジスト層37上に、第2の
突出磁性体部20に対応するパターンに従って放射線遮
光部が形成されたマスクを配置し、その後、フォトレジ
スト層37に対して放射線照射処理および現像処理を行
うことにより、キャビティ形成層が形成され、以て図1
に示す構成の下型が製造される。そして、上記の下型の
製造方法と基本的に同様の方法によって上型が製造さ
れ、以て、目的とする異方導電性シート成形用金型が製
造される。
【0027】〔第2の方法〕この第2の方法において
は、先ず、図9に示すように、磁性体よりなる板状体1
2を用意する。この板状体12の厚みD2は、製造すべ
き金型における磁性体基板10の厚みDと、第1の突出
磁性体部15の突出高さh1との合計と同等のものであ
る。そして、図10に示すように、フォトリソグラフィ
ーの手法により、板状体12の一面に、形成すべき第1
の突出磁性体部15のパターンに対応するパターンに従
ってレジスト層23を形成し、当該板状体12の一面に
対してエッチング処理を行うことにより、図11に示す
ように、突出高さがh1である第1の突出磁性体部15
が形成されると共に、厚みがDである磁性体基板10が
形成される。
【0028】次いで、第1の突出磁性体部15の表面か
らレジスト層23を除去し、その後、磁性体基板10の
表面に熱硬化性樹脂材料層を形成し、当該熱硬化性樹脂
材料層の硬化処理を行うことにより、図12に示すよう
に、非磁性体基層部分31が形成される。更に、図13
に示すように、非磁性体基層部分31の表面および第2
の突出磁性体部20の表面に、フォトレジスト層32A
を形成し、このフォトレジスト層32A上に、形成すべ
き第2の突出磁性体部20に対応するパターンに従って
放射線遮光部が形成されたマスクを配置し、その後、フ
ォトレジスト層32Aに対して放射線照射処理および現
像処理を行うことにより、図14に示すように、形成す
べき第2の突出磁性体部20に対応するパターンに従っ
て孔33が形成された非磁性体上層部分32が形成さ
れ、以て、非磁性体基層部分31および非磁性体上層部
分32よりなる非磁性体層30が形成される。ここで、
非磁性体上層部分32の厚みは、形成すべき第2の突出
磁性体部20の突出高さh2と同等のものである。そし
て、第1の突出磁性体部分15における非磁性体上層部
分32の貫通孔33から露出する個所に、強磁性体金属
の電解メッキ処理を行って当該非磁性体上層部分32の
貫通孔33内に磁性体金属を堆積させることにより、図
15に示すように、第1の突出磁性体部15の表面から
突出する第2の突出磁性体部20が形成される。
【0029】その後、前述の第1の方法と同様にして、
非磁性体層30の表面および第2の突出磁性体部20の
表面に、フォトレジスト層を形成し、このフォトレジス
ト層上に、第2の突出磁性体部20に対応するパターン
に従って放射線遮光部が形成されたマスクを配置し、そ
の後、フォトレジスト層に対して放射線照射処理および
現像処理を行うことにより、キャビティ形成層が形成さ
れ、以て図1に示す構成の下型が製造される。そして、
上記の下型の製造方法と基本的に同様の方法によって上
型が製造され、以て、目的とする異方導電性シート成形
用金型が製造される。
【0030】以上のような金型によれば、高磁場形成部
Hの周囲に中磁場形成部Mを介して低磁場形成部Lが設
けられているため、その成形空間内に形成された導電性
粒子が分散されてなるシート成形材料層において、当該
シート成形材料層における低磁場形成部L上に位置する
部分に存在する導電性粒子は、当該部分より磁束密度の
高い磁場が作用する中磁場形成部M上に位置する部分に
移動し、その後、当該部分より磁束密度の高い磁場が作
用する高磁場形成部H上に位置する部分、すなわち導電
部を形成すべき部分に移動する。従って、高磁場形成部
上に位置する部分までの距離が相当に長い個所に存在す
る導電性粒子を、当該高磁場形成部上に位置する部分に
確実に移動させることができるので、非機能領域の面積
が大きいものであっても、導電部に所要の量の導電性粒
子が充填され、かつ、絶縁部に存在する導電性粒子がな
いまたは極めて少ない異方導電性シートを成形すること
ができる。
【0031】〈異方導電性シートの製造方法〉本発明の
異方導電性シートの製造方法においては、先ず、硬化さ
れて弾性高分子物質となる高分子物質用材料中に磁性を
示す導電性粒子が分散されてなるシート成形材料を調製
し、このシート成形材料を例えば図1に示す異方導電性
シート成形用金型の成形空間に充填することにより、図
16に示すように、当該異方導電性シート成形用金型の
成形空間にシート成形材料層1Aを形成する。
【0032】シート成形材料の調製に用いられる硬化性
の高分子物質用材料としては、種々のものを用いること
ができ、その具体例としては、ポリブタジエンゴム、天
然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共
重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴ
ムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、
スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、
スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック
共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレ
ン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ムなどが挙げられる。以上において、得られる異方導電
性シートに耐候性が要求される場合には、共役ジエン系
ゴム以外のものを用いることが好ましく、特に、成形加
工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用い
ることが好ましい。
【0033】シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコ
ーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105
アズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のも
の、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのい
ずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン
生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニ
ルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0034】これらの中で、ビニル基を含有する液状シ
リコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)
は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジア
ルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたは
ジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加
水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の
繰り返しによる分別を行うことにより得られる。また、
ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オ
クタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキ
サンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止
剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、そ
の他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重
合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。こ
こで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチ
ルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムな
どのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用
いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃で
ある。このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサン
は、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分
子量をいう。以下同じ。)が10000〜40000の
ものであることが好ましい。また、得られる異方導電性
シートの耐熱性の観点から、分子量分布指数(標準ポリ
スチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換
算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下
同じ。)が2.0以下のものが好ましい。
【0035】一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリ
コーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサ
ン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチル
ジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランま
たはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下におい
て、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−
沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン
重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロ
ロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチル
ヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件
(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)
を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニ
オン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニ
ウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカ
リまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることが
でき、反応温度は、例えば80〜130℃である。この
ようなヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサンは、
その分子量Mwが10000〜40000のものである
ことが好ましい。また、得られる導電路素子の耐熱性の
観点から、分子量分布指数が2.0以下のものが好まし
い。本発明においては、上記のビニル基含有ポリジメチ
ルシロキサンおよびヒドロキシル基含有ポリジメチルシ
ロキサンのいずれか一方を用いることもでき、両者を併
用することもできる。
【0036】シート成形材料の調製に用いられる導電性
粒子としては、ニッケル、鉄、コバルトなどの磁性を示
す金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれら
の金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子と
し、当該芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウム
などの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、ある
いは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物
質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の
表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッ
キを施したもの、あるいは芯粒子に、導電性磁性体およ
び導電性の良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げ
られる。これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、
その表面に金や銀などの導電性の良好な金属のメッキを
施したものを用いることが好ましい。芯粒子の表面に導
電性金属を被覆する手段としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば化学メッキまたは無電解メッキによ
り行うことができる。
【0037】導電性粒子として、芯粒子の表面に導電性
金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導
電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属
の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面
積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに
好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%で
ある。また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の0.5〜
50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜
30重量%、さらに好ましくは3〜25重量%、特に好
ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属
が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の2.5〜
30重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜
20重量%、さらに好ましくは3.5〜15重量%であ
る。また、被覆される導電性金属が銀である場合には、
その被覆量は、芯粒子の3〜50重量%であることが好
ましく、より好ましくは4〜40重量%、さらに好まし
くは5〜30重量%、特に好ましくは6〜20重量%で
ある。
【0038】また、導電性粒子の粒子径は、1〜100
0μmであることが好ましく、より好ましくは2〜50
0μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好まし
くは10〜200μmである。また、導電性粒子の粒子
径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好まし
く、より好ましくは1.01〜7、さらに好ましくは
1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4である。この
ような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、
得られる異方導電性シートの導電部は、加圧変形が容易
なものとなり、また、当該導電部において導電性粒子間
に十分な電気的接触が得られる。また、導電性粒子の形
状は、特に限定されるものではないが、高分子物質用材
料中に容易に分散させることができる点で、球状のも
の、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子に
よる塊状のものであることが好ましい。
【0039】また、導電性粒子の含水率は、5%以下で
あることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに
好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下であ
る。このような条件を満足する導電性粒子を用いること
により、後述する製造方法において、高分子物質用材料
層を硬化処理する際に、当該高分子物質用材料層内に気
泡が生ずることが防止または抑制される。
【0040】また、導電性粒子として、その表面がシラ
ンカップリング剤などのカップリング剤で処理されたも
のを適宜用いることができる。導電性粒子の表面がカッ
プリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子と
弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得ら
れる異方導電性シートの導電部は、繰り返しの使用にお
ける耐久性が高いものとなる。カップリング剤の使用量
は、導電性粒子の導電性に影響を与えない範囲で適宜選
択されるが、導電性粒子表面におけるカップリング剤の
被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤
の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好
ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さ
らに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜
100%となる量である。
【0041】このような導電性粒子は、得られる異方導
電性シートの導電部における導電性粒子の割合が体積分
率で30〜60%、好ましくは35〜50%となる割合
で用いられることが好ましい。この割合が30%未満の
場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電部が得られな
いことがある。一方、この割合が60%を超える場合に
は、得られる異方導電性シートの導電部は脆弱なものと
なりやすく、導電部として必要な弾性が得られないこと
がある。
【0042】シート成形材料中には、高分子物質用材料
を硬化させるための硬化触媒を含有させることができ
る。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪
酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることが
できる。 硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具
体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロ
ベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブ
チルなどが挙げられる。硬化触媒として用いられる脂肪
酸アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニ
トリルなどが挙げられる。ヒドロシリル化反応の触媒と
して使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸およ
びその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレック
ス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金
と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコン
プレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファ
イトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白
金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなど
の公知のものが挙げられる。硬化触媒の使用量は、高分
子物質用材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処
理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質
用材料100重量部に対して3〜15重量部である。
【0043】また、シート成形材料中には、必要に応じ
て、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシ
リカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることがで
きる。このような無機充填材を含有させることにより、
当該シート成形材料のチクソトロピー性が確保され、そ
の粘度が高くなり、しかも、導電性粒子の分散安定性が
向上すると共に、得られる異方導電性シートの強度が高
くなる。このような無機充填材の使用量は、特に限定さ
れるものではないが、多量に使用すると、磁場による導
電性粒子の配向を十分に達成することができなくなるた
め、好ましくない。また、シート成形材料の粘度は、温
度25℃において10000〜1000000cpの範
囲内であることが好ましい。
【0044】そして、異方導電性シート成形金型の上型
および下型に電磁石を配置してこれを作動させることに
より、上型および下型を介して、シート成形材料層1A
の厚み方向に強度分布を有する磁場を作用させる。具体
的には、シート成形材料層1Aにおける導電部を形成す
べき部分(以下、「導電部形成部分」ともいう。)すな
わち高磁場形成部H間に位置する部分には、最も大きい
磁束密度BH を有する磁場が作用され、導電部形成部分
の周辺部分すなわち中磁場形成部M間に位置する部分に
は、導電部形成部分における磁束密度BH よりも小さい
磁束密度BM を有する磁場が作用され、導電部形成部分
およひその周辺部分以外の部分すなわち低磁場形成部L
間に位置する部分には、中磁場形成部M間に位置する部
分における磁束密度BM よりも更に小さい磁束密度B L
を有する磁場が形成される。その結果、シート成形材料
層1Aにおいては、当該シート成形材料層1A中に分散
されていた導電性粒子のうち、低磁場形成部L間に位置
する部分に存在する導電性粒子は、中磁場形成部M間に
位置する部分すなわち導電部形成部分の周辺部分に移動
する。また、中磁場形成部M間に位置する部分に存在す
る導電性粒子は、高磁場形成部H間に位置する部分すな
わち導電部形成部分に移動する。このようにして、シー
ト成形材料層1A中に分散されていた導電性粒子の全部
または大部分が、図17に示すように、シート成形材料
層1Aにおける導電部形成部分に集合し、更に好ましく
は当該シート成形材料層1Aの厚み方向に配向する。
【0045】以上において、シート成形材料層における
導電部形成部分の周辺部分に作用される磁場の磁束密度
M は、当該導電部形成部分に作用される磁場の磁束密
度B H の30〜90%であることが好ましく、より好ま
しくは30〜60%である。また、導電部形成部分およ
びその周辺部分以外の部分に作用される磁場の磁束密度
L は、導電部形成部分の周辺部分に作用される磁場の
磁束密度BM の80%以下であることが好ましい。以上
において、磁束密度BM が磁束密度BH の30%未満で
ある場合には、磁束密度BM と磁束密度BL との差(絶
対値)が過小となるため、シート成形材料層における導
電部形成部分およびその周辺部分以外の部分に存在する
導電性粒子を、導電部形成部分の周辺部分に確実に移動
させることが困難となることがある。一方、磁束密度B
M が磁束密度BH の90%を超える場合には、磁束密度
Hと磁束密度BM との差(絶対値)か過小となるた
め、シート成形材料層における導電部形成部分の周辺部
分に存在する導電性粒子を、導電部形成部分に確実に移
動させることが困難となることがある。また、磁束密度
L が磁束密度BM の80%を超える場合には、磁束密
度BMと磁束密度BL との差(絶対値)が過小となるた
め、シート成形材料層における導電部形成部分およびそ
の周辺部分以外の部分に存在する導電性粒子を、導電部
形成部分の周辺部分に確実に移動させることが困難とな
ることがある。
【0046】シート成形材料層1Aにおける導電部形成
部分に作用される磁場の磁束密度B H は、平均で0.0
2〜1Wb/m2 であることが好ましい。シート成形材
料層1Aにおける導電部形成部分に作用される磁場の磁
束密度B H と当該導電部形成部分の周辺部分に作用され
る磁場の磁束密度BM との差(絶対値)は、0.01〜
0.09Wb/m2 であることが好ましく、より好まし
くは0.02〜0.09Wb/m2 である。シート成形
材料層1Aにおける導電部形成部分の周辺部分に作用さ
れる磁場の磁束密度BM と導電部形成部分およびその周
辺部分以外の部分に作用される磁場の磁束密度BL との
差(絶対値)は、0.08Wb/m2 以下であることが
好ましく、より好ましくは0.06Wb/m2 以下であ
る。
【0047】平行磁場を作用させる手段としては、電磁
石の代わりに永久磁石を用いることもできる。このよう
な永久磁石としては、上記の範囲の平行磁場の強度が得
られる点で、アルニコ(Fe−Al−Ni−Co系合
金)、フェライトなどよりなるものが好ましい。
【0048】そして、この状態において、シート成形材
料層1Aを硬化処理して異方導電性シート成形金型から
離型させることにより、図18に示すように、導電性粒
子が密に充填された導電部2と、導電性粒子が全くある
いは殆ど存在しない絶縁部3とを有する異方導電性シー
ト1が得られる。シート成形材料層1Aの硬化処理は、
使用される材料によって適宜選定されるが、通常、加熱
処理によって行われる。加熱によりシート成形材料層1
Aの硬化処理を行う場合において、具体的な加熱温度お
よび加熱時間は、シート成形材料層1Aを構成する高分
子物質用材料などの種類、導電性粒子の移動に要する時
間などを考慮して適宜選定される。また、シート成形材
料層1Aの硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状
態で行うこともできるが、平行磁場の作用を停止させた
後に行うこともできる。このようにして得られる導電部
2は、導電性粒子が異方導電性シート1の厚み方向に並
ぶよう配向しているため、導電性粒子の割合が小さくて
も良好な導電性が得られる。
【0049】このような方法によれば、シート成形材料
層に作用される磁場は、導電部形成部分の周辺部分にお
ける磁束密度BM が当該導電部形成部分における磁束密
度B H より低く、かつ、導電部形成部分およびその周辺
部分以外の部分における磁束密度BL が当該導電部形成
部分の周辺部分における磁束密度BM より低いため、当
該シート成形材料層における導電部形成部分およびその
周辺部分以外の部分に存在する導電性粒子は、導電部形
成部分の周辺部分に移動させ、その後、導電部形成部分
に移動させることができる。従って、導電部形成部分ま
での距離が相当に長い個所に存在する導電性粒子を、当
該導電部形成部分に確実に移動させることができるの
で、非機能領域の面積が大きいものであっても、導電部
に所要の量の導電性粒子が充填され、かつ、絶縁部に存
在する導電性粒子がないまたは極めて少ない異方導電性
シートを製造することができる。
【0050】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明においては、上記の実施の形態に限られず
種々の変更を加えることが可能である。 (1)本発明の金型を製造する方法は、前述の第1の方
法およひ第2の方法に限定されるものではなく、例えば
第1の突出磁性体部の形成方法としては、エッチングに
よる方法の代わりに、磁性体基板の表面をメッキ処理す
る方法、磁性体基板の表面に磁性体よりなる薄板を適宜
の手段により接着する方法などを採用することができ
る。 (2)本発明の金型の具体的構成は、高磁場形成部、中
磁場形成部および低磁場形成部を有するものであれば、
図1に示すものに限定されず、種々の構成を採用するこ
とができる。例えば、非磁性体層およびキャビティ形成
層は、本発明の金型に必須のものではない。また、高磁
場形成部および中磁場形成部は、第1の突出磁性体部お
よび第2の突出磁性体による構成以外の構成であっても
よい。 (3)異方導電性シートの製造方法は、シート成形材料
層に作用される磁場において、導電部形成部分における
磁束密度BH と、当該導電部形成部分の周辺部分におけ
る磁束密度BM と、当該導電部形成部分およびその周辺
部分以外の部分における磁束密度BL とが、BH >BM
>BL となる条件が達成されれば、図1に示す金型を用
いる方法に限定されず、種々の方法を採用することがで
きる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0052】〈実施例1〉 (1)異方導電性シート成形用金型の製造:厚み(D
1)が6mmのA4サイズの鉄板(11)を用意し、こ
の鉄板(11)の一面に、厚みが50μmのドライフィ
ルムレジストをラミネートし、高圧水銀灯を光源として
80mJ/cm2 の露光量で露光処理を行った後、現像
液として1%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて1分間
スプレー現像することにより、形成すべき第2の突出磁
性体部に対応するパターンに従ってレジスト層(21)
を形成した(図2および図3参照)。そして、エッチン
グ液として塩化第二鉄水溶液(ボーメ濃度40)を用
い、スプレー法により、40℃、1.5分間の条件でエ
ッチング処理することにより、複数の第2の突出磁性体
部(20)を形成した(図4参照)。この第2の突出磁
性体部(20)は、面方向の寸法が350μm×350
μm(面方向の断面積が0.035mm2 )、突出高さ
(h2)が100μmであり、500μmのピッチで、
矩形の四辺に沿って枠状に配列されており、第2の突出
磁性体部(20)によって囲まれる矩形の寸法が8mm
×12mmである。
【0053】次いで、第2の突出磁性体部(20)の表
面からレジスト層(21)を除去した後、第2の突出磁
性体部(20)の表面およびその周辺部の表面に、厚み
が50μmのドライフィルムレジストをラミネートし、
高圧水銀灯を光源として80mJ/cm2 の露光量で露
光処理を行った後、現像液として1%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を用いて1分間スプレー現像することにより、
形成すべき第1の突出磁性体部に対応してレジスト層
(22)を形成した(図5参照)。そして、エッチング
液として塩化第二鉄水溶液(ボーメ濃度40)を用い、
スプレー法により、40℃、3分間の条件でエッチング
処理することにより、磁性体基板(10)およびこの磁
性体基板(10)の表面から突出する第1の突出磁性体
部(15)を形成した(図6参照)。磁性体基板(1
0)の厚み(D)は4.64mmであり、第1の突出磁
性体部(15)は、矩形の枠状の形状を有し、その外周
の寸法が9mm×13mm、内周の寸法が4mm×8m
m、面方向の断面積が0.75mm2 (第2の突出磁性
体部の断面積の21倍)である。また、磁性体基板(1
0)の厚みは4.64mmである。
【0054】次いで、第1の突出磁性体部(15)の表
面および第2の突出磁性体部(20)の表面からレジス
ト層(22)を除去した後、磁性体基板(10)の表面
および第1の突出磁性体部(15)の表面にアクリル系
樹脂材料を塗布して熱硬化性樹脂層を形成し、当該熱硬
化性樹脂材料層を、160℃、120分間の条件で硬化
処理することにより、非磁性体層(30)を形成した
(図7参照)。そして、非磁性体層(30)および第2
の突出磁性体部(20)の表面に、厚みが50μmのド
ライフィルムレジストをラミネートすることにより、フ
ォトレジスト層(37)を形成した。このフォトレジス
ト層(37)の表面に、形成すべきキャビティ形成層の
孔に対応するパターンに従って放射線遮光部が形成され
たマスクを位置合わせして配置し、当該フォトレジスト
層(37)に対して、高圧水銀灯を光源として80mJ
/cm2 の露光量で放射線照射処理を行った後、現像液
として1%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて1分間ス
プレー現像を行うことにより、キャビティ形成層を形成
して下型を製造した。また、上記の方法と同様にして、
第2の突出磁性体部、第1の突出磁性体部、磁性体基
板、非磁性体層およびキャビティ形成層を形成すること
により、上記の下型と対となる上型を製造し、目的とす
る異方導電性シート成形用金型を製造した。
【0055】(2)異方導電性シートの製造:上型およ
び下型の成形面に、フッ素系離型剤「ダイフリーA44
1」(ダイキン工業社製)をスプレー塗布した。次い
で、枠状スペーサとして厚みが100μmのポリイミド
シートを用い、室温硬化型シリコーンゴム中に平均粒子
径が40μmのニッケル粒子が25体積%となる割合で
含有されてなるシート成形材料を金型内に注入した。こ
の金型における上型の上面および下型の下面に電磁石を
配置して作動させ、この状態で、120℃で30分間の
条件で加熱処理することにより、絶縁部の表面から突出
した導電部を有する異方導電性シートを製造した。以上
において、上型および下型における第2の突出磁性体部
の間に作用される磁場の磁束密度が0.8Wb/m2
第1の突出磁性体部(第2の突出磁性体部が存在する部
分を除く)の間に作用される磁場の磁束密度が0.4W
b/m2 、磁性体基板(第1の突出磁性体部が存在する
部分を除く)の間に作用される磁場の磁束密度が0.3
Wb/m2 であった。得られた各異方導電性シートは、
厚みが0.18mmの絶縁部を有し、面方向における寸
法が350μm×350μmで、突出高さが50μmの
導電部が、500μmのピッチで矩形の四辺に沿って枠
状に配置されてなるものであった。
【0056】(3)異方導電性シートの評価:図19に
示すように、得られた異方導電性シート1について、抵
抗測定器40(日置電機社製「ミリオームハイテスタ
ー」)、プローブピン41、短絡板42、リード線43
により構成された抵抗測定装置を用いて導電部2の電気
抵抗を測定したところ、200mΩであり、高い導電性
を有するものであることが確認された。また、この抵抗
測定装置を用いて絶縁部3の厚み方向の電気抵抗を非機
能領域の10個所において測定したところ、その最小値
が3MΩであった。また、図20に示すように、抵抗測
定器40(日置電機社製「ミリオームハイテスタ
ー」)、一対のプローブピン41、リード線43により
構成された抵抗測定装置を用いて、異方導電性シート1
における隣接する導電部2間の電気抵抗を測定したとこ
ろ、2MΩであった。また、異方導電性シートの非機能
領域を観察したところ、当該非機能領域に存在する導電
性粒子は殆ど認められなかった。
【0057】〈比較例1〉第1の突出磁性体部および第
2の突出磁性体部の代わりに面方向の寸法が350μm
×350μm、突出高さが360μmの突出磁性体部
が、500μmのピッチで矩形の四辺に沿って枠状に配
列されていること以外は、実施例1に係る異方導電性シ
ート成形金型と同様の構成の異方導電性シート成形用金
型を製造し、実施例1と同様にして異方導電性シートを
製造した。以上において、上型および下型における突出
磁性体部の間に作用される磁場の磁束密度が0.8Wb
/m2 、当該突出磁性体部以外の部分の間に作用される
磁場の磁束密度が0.3Wb/m2 であった。得られた
異方導電性シートについて、実施例1と同様の評価を行
った。その結果、導電部の電気抵抗の値が300mΩ、
絶縁部の厚み方向の電気抵抗の最小値が2MΩ、隣接す
る導電部間の電気抵抗の値が1MΩであった。また、こ
の異方導電性シートの非機能領域を観察したところ、当
該非機能領域に存在する導電性粒子が多数認められた。
【0058】
【発明の効果】本発明の金型によれば、高磁場形成部の
周囲に中磁場形成部を介して低磁場形成部が設けられて
いるため、その成形空間内に形成された導電性粒子が分
散されてなるシート成形材料層において、当該シート成
形材料層における低磁場形成部上に位置する部分に存在
する導電性粒子は、当該部分より磁束密度の高い磁場が
作用する中磁場形成部Mに位置する部分に移動し、その
後、当該部分より磁束密度の高い磁場が作用する高磁場
形成部上に位置する部分、すなわち導電部を形成すべき
部分に移動する。従って、高磁場形成部上に位置する部
分までの距離が相当に長い個所に存在する導電性粒子
を、当該高磁場形成部上に位置する部分に確実に移動さ
せることができるので、非機能領域の面積が大きいもの
であっても、導電部に所要の量の導電性粒子が充填さ
れ、かつ、絶縁部に存在する導電性粒子がないまたは極
めて少ない異方導電性シートを成形することができる。
【0059】本発明の異方導電性シートの製造方法によ
れば、シート成形材料層に作用される磁場は、導電部形
成部分の周辺部分における磁束密度BM が当該導電部形
成部分における磁束密度BH より低く、かつ、導電部形
成部分およびその周辺部分以外の部分における磁束密度
L が当該導電部形成部分の周辺部分における磁束密度
M より低いため、当該シート成形材料層における導電
部形成部分およびその周辺部分以外の部分に存在する導
電性粒子は、導電部形成部分の周辺部分に移動させ、そ
の後、導電部形成部分に移動させることができる。従っ
て、導電部形成部分までの距離が相当に長い個所に存在
する導電性粒子を、当該導電部形成部分に確実に移動さ
せることができるので、非機能領域の面積が大きいもの
であっても、導電部に所要の量の導電性粒子が充填さ
れ、かつ、絶縁部に存在する導電性粒子がないまたは極
めて少ない異方導電性シートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異方導電性シート成形用金型の一
例における下型の要部の構成を示す説明用断面図であ
る。
【図2】図1に示す異方導電性シート成形用金型の製造
に用いられる磁性体の板状体の一例を示す説明用断面図
である。
【図3】図2に示す板状体の一面にレジスト層が形成さ
れた状態を示す説明用断面図である。
【図4】板状体に第2の突出磁性体部が形成された状態
を示す説明用断面図である。
【図5】第2の突出磁性体部の表面にレジスト層が形成
された状態を示す説明用断面図である。
【図6】磁性体基板および第1の突出磁性体部が形成さ
れた状態を示す説明用断面図である。
【図7】磁性体基板および第1の突出磁性体部の表面に
非磁性体層が形成された状態を示す説明用断面図であ
る。
【図8】第2の突出磁性体部および非磁性体層の表面に
フォトレジスト層が形成された状態を示す説明用断面図
である。
【図9】図1に示す異方導電性シート成形用金型の製造
に用いられる磁性体の板状体の他の例を示す説明用断面
図である。
【図10】図9に示す板状体の一面にレジスト層が形成
された状態を示す説明用断面図である。
【図11】磁性体基板およひ第1の突出磁性体部が形成
された状態を示す説明用断面図である。
【図12】磁性体基板の表面に非磁性体基層部分が形成
された状態を示す説明用断面図である。
【図13】非磁性体基層部分および第1の突出磁性体部
の表面にフォトレジス層が形成された状態を示す説明用
断面図である。
【図14】非磁性体層が形成された状態を示す説明用断
面図である。
【図15】第1の突出磁性体の表面上に第2の突出磁性
体部が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図16】異方導電性シート成形用金型内に成形材料層
が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図17】異方導電性シート成形用金型内の成形材料層
に強度分布を有する磁場が作用された状態を示す説明用
断面図である。
【図18】本発明の製造方法によって得られる異方導電
性シートの一例における構成を示す説明用断面図であ
る。
【図19】実施例において製造した異方導電性シートに
おける導電部の抵抗を測定するための装置を示す説明図
である。
【図20】実施例において製造した異方導電性シートに
おける隣接する導電部間の抵抗を測定するための装置を
示す説明図である。
【符号の説明】 1 異方導電性シート 1A シート成形材料層 2 導電部 3 絶縁部 10 磁性体基板 11,12 板状体 15 第1の突出磁性体部 20 第2の突出磁性体部 21,22,23 レジスト層 30 非磁性体層 31 非磁性体基層部分 32 非磁性体上層部分 32A フォトレジスト層 33 貫通孔 35 キャビティ形成層 36 孔 37 フォトレジスト層 40 抵抗測定器 41 プローブピン 42 短絡板 43 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA21 AA39 AA40 AE03 AH33 AH34 CA27 CB01 CC10 CK09 CL42 4F211 AA21 AA39 AA40 AE03 AH33 AH34 SC07 SD01 SD16 SG02 SJ01 SK06 SP02 5G323 AA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型およびこれと対となる下型を具えて
    なり、当該上型と当該下型との間に成形空間が形成され
    る金型であって、 前記上型および前記下型の少なくとも一方は、その面方
    向に沿って互いに離間して設けられた、磁束密度の高い
    磁場を成形空間の厚み方向に形成する複数の高磁場形成
    部と、 この高磁場形成部の周囲に設けられた、当該高磁場形成
    部よりも磁束密度の低い磁場を成形空間の厚み方向に形
    成する中磁場形成部と、 この中磁場形成部の周囲に設けられた、当該中磁場形成
    部よりも磁束密度の低い磁場を成形空間の厚み方向に形
    成する低磁場形成部とを有することを特徴とする金型。
  2. 【請求項2】 異方導電性シート成形用であることを特
    徴とする請求項1に記載の金型。
  3. 【請求項3】 中磁場形成部における面方向の断面積
    が、高磁場形成部における面方向の断面積の1.2〜3
    0倍であることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の金型。
  4. 【請求項4】 磁性体基板と、この磁性体基板における
    高磁場形成部および中磁場形成部が位置する部分に当該
    磁性体基板の表面から突出するよう設けられた第1の突
    出磁性体部と、この第1の突出磁性体部における高磁場
    形成部が位置する部分に当該第1の突出磁性体部の表面
    から突出するよう設けられた第2の突出磁性体部とを備
    えてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れかに記載の金型。
  5. 【請求項5】 厚み方向に伸びる複数の導電部が絶縁部
    によって相互に絶縁された状態で配置されてなる異方導
    電性シートを製造する方法であって、 硬化されて弾性高分子物質となる弾性高分子用材料中に
    磁性を示す導電性粒子が含有されてなるシート成形材料
    層に対し、強度分布を有する磁場を当該成形材料の厚み
    方向に作用させると共に、当該シート成形材料層を硬化
    処理する工程を有し、 この工程において、前記シート成形材料層の導電部を形
    成すべき部分における磁束密度をBH 、当該導電部を形
    成すべき部分の周辺部分における磁束密度をB M 、当該
    導電部を形成すべき部分およびその周辺部分以外の部分
    における磁束密度をBL としたとき、BH >BM >BL
    を満足することを特徴とする異方導電性シートの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 磁束密度BM が磁束密度BH の30〜9
    0%であることを特徴とする請求項5に記載の異方導電
    性シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 磁束密度BL が磁束密度BM の80%以
    下であることを特徴とする請求項5または請求項6に記
    載の異方導電性シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の金型を用い、 この金型内にシート成形材料層を形成し、このシート成
    形材料層に当該金型を介して強度分布を有する磁場を作
    用させることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいず
    れかに記載の異方導電性シートの製造方法。
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