JP2001239227A - 廃棄物の埋立構造とこの構造を用いた廃棄物処理方法 - Google Patents

廃棄物の埋立構造とこの構造を用いた廃棄物処理方法

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JP2001239227A
JP2001239227A JP2000057446A JP2000057446A JP2001239227A JP 2001239227 A JP2001239227 A JP 2001239227A JP 2000057446 A JP2000057446 A JP 2000057446A JP 2000057446 A JP2000057446 A JP 2000057446A JP 2001239227 A JP2001239227 A JP 2001239227A
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waste
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layer
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water
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JP2000057446A
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Kazuyoshi Sato
和義 佐藤
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Nippon Kokan Light Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物の上を汚染物質捕捉マットで被覆する
場合、廃棄物の表面の凹凸の状態によっては、廃棄物と
汚染物質捕捉マットとの間に隙間ができ、不等沈下や、
汚染物質捕捉マットの損傷を生ずるおそれがある。ま
た、汚染物質捕捉マットの敷設作業がし難く、また複数
の汚染物質捕捉マットの連結がうまくいかないなどの不
都合がある。 【解決手段】 この発明に係る廃棄物の埋立構造は、投
棄された廃棄物からなる廃棄物層の上に表面平準化材層
を設け、表面平準化材層の上に汚染物質捕捉材層を被覆
するものである。この表面平準化材層は該廃棄物層の上
側の凹部を埋め、汚染物質捕捉材層の敷設をし易くして
いる。この廃棄物層、表面平準化層及び汚染物質捕捉材
層からなる積層単位は1つでもよいし、2つ以上積層さ
せてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は例えば廃棄物の最
終処分場等における廃棄物の埋立構造とこの埋立構造を
用いた廃棄物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、我々は、産業活動や多くの人々の
日常生活によって、大量の廃棄物を排出している。排出
された廃棄物のうちで中間処分場で焼却できるものは焼
却した後の残灰として、また焼却できないものはそのま
ま破砕等の処理をして最終処分場に埋立て処分されてい
る。
【0003】最終処分場では廃棄物を長期間に亘って保
管するので、廃棄物中の汚染物質が処分場から浸出水
(廃棄物層を通過した浸透水)として漏れ出して公共用
水域や地下水を汚染するおそれがある。そこで最終処分
場を周辺に対して遮水構造とすることにより浸出水が外
部に漏れ出さないようにし、浸出水は集水して付属の水
処理設備で処理する。
【0004】すなわち、現在建設されている最終処分場
(管理型最終処分場)は、前記の遮水機能、周辺環境に
影響を及ぼさないような処理機能、さらに閉鎖や跡地利
用をするまで大量の廃棄物を貯留・安定化するための貯
留機能が求められている。すなわち、埋立て終了後も浸
出水処理設備を稼働させる等、二次公害の防止に努めて
いる。
【0005】廃棄物の最終処分場として、最近、クロー
ズドシステム処分場が提案・実施されている。クローズ
ドシステム処分場は中間処理施設と最終処分場を合体し
た最終処分の場を閉鎖型の人工構造物で造るもので、景
観、安全性に優れ、従来のオープン型に比べ、クリーン
なイメージが得られ、住民などの合意形成も得やすい処
分場とされている。埋立の進行とともに建屋を移動する
タイプなどがある。浸出水を内部循環式とし、処理場外
へ放流しない。屋根や遮水シートで雨水が入らないよう
にして、浸出水を循環する。水処理設備の長期運転とそ
れに応じた処理能力が必要となる。
【0006】埋立処分場は大量の廃棄物を浄化作用し、
安定化しなければ閉鎖や跡地利用を行なうことができな
いが、有機物を含む埋立廃棄物層内は好気的であるほど
浸出水の汚濁物質濃度は早期に低下し、埋立地が早期に
安定化することも明らかになっている。
【0007】わが国では、土地利用や周辺環境保全の立
場から埋立層内を好気的な微生物環境にすることによっ
て廃棄物の分解を早め、埋立地の早期安定化を図るのが
基本的な方向とされている。
【0008】また、浸出水の処理負荷を低減するような
準好気性の埋立構造が普及している。準好気性埋立とは
埋立地の底部に、集水管と呼ばれるグリ石と有孔管から
なる浸出水排水管を設け、浸出水をできるだけ速く埋立
地の系外へ排出し、埋立廃棄物層に浸出水を滞水させな
いことによって、基礎地盤への浸出水の浸透を防止する
とともに、埋立地内部と外部の温度差によって生ずる熱
対流により、空気が集水管を通って埋立地内部へ導入さ
れることによって好気的にし、集水する段階でできるだ
け浸出水を浄化しようとするものである。
【0009】一般廃棄物および産業廃棄物用を併設した
最終処分場で、埋立容積は、例えば200万 〜300
万mが望ましいとされている。処分対象の廃棄物は、
一般廃棄物では、焼却残灰、無公害処理された焼却飛灰
などである。産業廃棄物として、燃えがら、汚泥(無機
および有機汚泥)、ゴムくず、ガラスくずおよび陶磁器
くず、スラグ、無公害化されたばいじん類などである。
【0010】埋立工法としては、廃棄物を水平に敷きな
らし、廃棄物層と覆土層をサンドイッチ状に積み重ねた
ものを単位構造とするサンドイッチ方式と、1日の埋立
廃棄物の上面および法面に覆土を施し、セル状に仕上げ
たものを単位構造とするセル方式があり、セル方式が多
く採られている。
【0011】セル方式の単位構造であるセルの大きさは
1日の埋立処分量によって決まる。セルごとに独立した
埋立層ができるので、火災などの防災、廃棄物の飛散や
悪臭・衛生害虫などの発生を防止する効果がある。一
方、発生ガスや埋立層内の水の移動が阻害されるので、
浸出水集排水施設や発生ガス処理施設の設置にはこの点
への配慮が必要になるとされている。
【0012】覆土は、土を廃棄物上にかぶせるもので、
悪臭の発散、廃棄物の飛散・流出、衛生害虫や害獣の繁
殖、火災の発生・延焼の防止、および景観など周辺環境
の保全上重要な役割をもっている。また、廃棄物の搬
入、敷きならし・展圧作業、降水の侵入防止など埋立地
の管理上の役割も重要である。
【0013】しかし、過度の覆土は埋立処分容量の減少
のみならず、特に即日覆土において発生ガスや水の移動
が阻害されるばかりでなく、通気性の不良から有機物質
の分解が遅れる等の負の要因が大きくなる。ただし、車
両の通行性や降雨による表面水を排除することが期待さ
れる中間覆土ではこの限りではない。そこで、覆土の目
的や、廃棄物の種類などを考慮して、適切な覆土材、覆
土厚さ、施工方法が採られている。
【0014】覆土には、時系列的にみて、即日覆土、中
間覆土、最終覆土がある。
【0015】即日覆土は、埋立層の厚さが一定に達した
時、あるいは1日の埋立作業が終了した時に行われるも
ので、ごみの飛散防止、悪臭の発生防止、衛生害虫の発
生防止、降水の侵入防止、などを目的とする。覆土の厚
さは、埋め立てられる廃棄物が不燃物主体で、形状が比
較的大きいものでは30〜50cm、破砕処理された廃
棄物や焼却灰のような形状の小さなものでは15〜20
cmが標準的となっている。
【0016】中間覆土は、廃棄物の埋立の進行に伴っ
て、搬入車の道路地盤として、また次の段のセルの積上
げを行なうまでの期間が長い場合、埋立表面からの雨水
の過剰浸入の防止を目的として行われる。厚さは50c
m程度である。
【0017】最終覆土は、廃棄物の埋立が終了した時点
で行なうもので、浸出水の削減、跡地利用、景観の向上
のために行われる。厚さは、50cmから1m以上と、
いろいろな場合がある。
【0018】覆土材は廃棄物の安定化の促進効果や浸出
水量の削減効果があるので、材質の選択は重要である。
選定のための定量的な基準はないが、次のような概略的
な選定基準がある(田中勝著、廃棄物学概論、社団法人
日本環境測定分析協会発行、1998年、による)。
【0019】即日覆土には雨水浸透防止よりも良好な
通気性による廃棄物の分解を促進する土質材料、中間
覆土でガス漏れや雨水侵入防止のためには透水係数の小
さい粘土やシルト系の土質材料、車両の通行を兼ねる
場合には支持力の比較的大きな土質材料、法面覆土に
は安定な斜面が施工できる粘性土が適している。アメリ
カでは中間覆土と最終覆土について、材料の覆土機能に
関する適応性や設計基準が提案されている。
【0020】近年、覆土材が入手困難な場合や埋立容量
確保のために、覆土材の代替材として発泡剤(フォーム
材)による覆土工法が検討されてきている。この場合、
泡は消滅するので、覆土による埋立容量の減少はない
が、コストが高くなる。
【0021】浸出水は閉鎖条件を満たすまでは公共用水
域に対して何らかの影響が懸念されるので、所定の基準
に達するまで適切な処理法で処理される。浸出水の性状
は埋め立てられる廃棄物の種類、埋立構造、経過年数で
大きく変化する。計画流入水質は、一般に可燃物主体で
ある場合には、微生物によって分解される有機物質が多
く含まれるので生物処理が主として機能する。
【0022】しかし、不燃物主体である場合あるいは経
過年数が長くなる場合、浸出水は生物難分解性有機物質
の割合が多くなり、物理化学処理による処理法でなけれ
ば処理が困難になる。また、浸出水は埋立層内での有機
窒素成分の分解によってアンモニアの濃度が非常に高い
ことも特徴である。
【0023】生物難分解性有機物質が多くなると、凝
集、活性炭吸着やオゾン処理等の物理化学処理が必要に
なり、アンモニアが多くなると生物処理に生物的硝化・
脱窒素能力をもったプロセスが必要になる。
【0024】また、焼却灰主体の埋立地ではカルシウ
ム、ナトリウム、塩化物イオンを主体とした塩類濃度が
高くなり、周辺水域に影響が懸念される場合もでてきて
いる。このような場合には、ナノろ過や電気透析など溶
存塩の除去プロセスが必要となる。
【0025】処理の対象は、BOD(生物化学的酸素要
求量)、COD(化学的酸素要求量)、SS(懸濁物
質)、T−N(全窒素)、色度、重金属などであり、そ
れぞれの処理方式に適用性の適否や地域性に応じて採用
される。
【0026】浸出水処理(浸出水処理システム)は活性
汚泥、吸着ばっき、接触ばっきなどで、BOD値20p
pm以下になったら河川に放流するなどの方法が採られ
ている。BOD,COD,SSで河川に流せない浄化水
は循環し、好気分解のために堆積廃棄物にかける(屋根
があり雨水は入らない)などの閉鎖システムが採られて
いる。屋根がない場合、浸出水量は降雨量に依存するこ
とになる。
【0027】処理場の廃棄物処理能力いっぱいに廃棄使
用が終了した後も、最終的に、例えば 20mg/リッ
トルというBOD基準( COD20mg/リットル、
SS20mg/リットル、T−N10mg/リットル
などの基準の場合が多い) 以下を満足するまで長期間
にわたり水処理設備を運転することになり、その間に多
額の維持費がかかるという現状にある。
【0028】一般に、微細な固体や液体成分としての汚
染物質の捕捉には吸着剤が使われる。吸着剤としては活
性炭、ゼオライトなどが目的等に応じて一般的に使われ
ている。吸着剤は一つの種類のものが選択されて使わ
れ、複数の吸着材の混合物は実用されていないようであ
る。吸着以外に例えば酸性物質の処理に石灰を用いるよ
うに、化学反応により汚染物質を捕捉する方法もある。
【0029】非晶質ケイ酸アルミニウムコロイドのう
ち、特に火山灰土壌に含まれるアロフェンは、ハロイサ
イト(ケイバン比、すなわちシリカとアルミナの分子
比、が2.0)やイモゴライト(ケイバン比が1.0)
に類似した性状を示す。このため火山灰土壌は、化学的
には、活性アルミニウムを多量に含み、リン酸固定能が
大きい、腐植(土壌有機物)を多く集積するなどの性質
をもち、汚染物質の捕捉に活用できる。
【0030】特開平11-90221に、パルプ用のチ
ップ材から出るダストを蒸し焼きにして細かい炭状にし
たことで、水と油の界面現象を利用して、油を吸着する
素材とし、さらに前記素材をオイル吸着マットで包装す
ることで、二重の効果をあげることを目的とする「チッ
プダストのオイル吸着材」が提案されている。
【0031】特公昭55−40729(登録第1114
892号)に、重金属物質からなる汚染物質に重金属捕
捉物質と透水性織布を組合わせてなるフィルターマット
を展張して埋立土砂から排水する工法の「重金属物質汚
染土による埋立工法」が提案されている。
【0032】特開昭55−155707に有底円筒状の
本体内に上部マット、砕石層、下部マット、吸着剤層お
よび簀の子を段設し、簀の子と底面間の空間部に濾水取
出管と送気管を配設してなる、家庭雑排水の簡易にして
安価な浄化装置である「家庭用濾過装置」が提案されてい
る。
【0033】ポリエステル不織布を外層フィルターとし
たドレン用材が市販されている。該外層フィルターは通
気性・通水性が良好で軽量である。充填物の外装材とし
て使える。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】現在運転されている水
処理プラントは、計画上十分な機能を持つものである
が、汚水のピーク時に合わせた設備にすることは、設備
の規模が大きくなり過ぎて経済的でない。
【0035】また、浸出水の浄化が、水の排出基準に達
するまで行われるため、その期間の設備の維持管理負担
は甚大なものとなっている。また、処理場における異
臭、悪臭に対する十分な対策も急務とされている。
【0036】また、現地発生土等で廃棄物の堆積物に中
間覆土する作業にも改善が求められている。すなわち、
ブルドーザやコンパクタなどの重機により略均等に転圧
し敷きならすことが状況によっては困難であったり、屋
根の無い処分場では、雨天時、強風時の覆土作業は困難
が多い。
【0037】土による覆土の取り扱い易さが求められて
いる。すなわち、性状が多岐にわたる現地発生土の使い
勝手の良否が著しく異なるために、埋立て品質にばらつ
きが大きくなり、その対策が求められている。取り扱い
易く、品質が一定で、汚染物質の浄化処理システムによ
る処理量を単純に減らすことも含め、汚染物質の捕捉性
能などについて浄化処理システムを補助・補強する材料
が求められている。
【0038】マット状のもので覆土することを考えた場
合、廃棄物表面の凹凸の状態によっては、廃棄物上面と
該マットとの間に隙間ができ、不等沈下などの不都合
や、マットの損傷につながるおそれもある。また、廃棄
物表面の起伏や凹凸があることにより、マットの敷設作
業がしにくい、複数のマットの連結がうまくいかないな
どの不都合が起こる。
【0039】
【課題を解決するための手段】この発明に係る廃棄物の
埋立構造は、投棄された廃棄物からなる廃棄物層と、該
廃棄物層の上側の凹部を埋め、上側部分が略平坦に形成
されている表面平準化材層と、該表面平準化材層の上に
積層・被覆された汚染物質捕捉材層とからなる積層単位
を1又は2以上備えているものである。
【0040】ここで、前記表面平準化材層は土質材料、
多孔性粉粒体又はこれらの混合物を用いることができる
が、無害な粉粒体であればこれら以外のものでもよい。
また、通気・通水性に優れた材料が好ましい。粒度、分
散性を吟味・管理した廃棄物でもよい。また、前記汚染
物質捕捉材層は施工の利便を考慮してマット状の形態を
しているのが好ましい。
【0041】また、この発明に係る廃棄物処理方法は、
投棄された廃棄物からなる廃棄物層と、該廃棄物層の上
側の凹部を埋め、上側部分が略平坦に形成されている表
面平準化材層と、該表面平準化材層の上に積層・被覆さ
れた汚染物質捕捉材層とからなる積層単位を1又は2以
上積層形成し、該積層単位に上方から水を供給し、該積
層単位を浸透して排出された該水を浄化処理するもので
ある。
【0042】ここで、前記表面平準化材層としては土質
材料、多孔性粉粒体又はこれらの混合物を用いてもよい
し、無害な粉粒体であればこれら以外のものを用いても
よい。また、通気・通水性に優れた材料が好ましい。ま
た、粒度、分散性を吟味・管理した廃棄物を前記表面平
準化材層として用いてもよい。
【0043】また、前記浄化処理された水を該積層単位
に上方から供給して循環使用させるのが好ましい。ま
た、廃棄物処理場の早期安定化のため、前記水の溶存酸
素を富化させるのが好ましい。また、浸透水前記水は前
記積層単位の表面へ散布させ又は前記積層単位の上部に
設置された配管から吐出させて積層単位を透過・浸透さ
せるのが好ましい。
【0044】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の一実施の形態に
係る廃棄物の埋立構造の説明図である。この廃棄物の埋
立構造は、同図に示すように、投棄された廃棄物からな
る廃棄物層10と、廃棄物層10の上側の凹部を埋め、
上側部分が略平坦に堆積・形成されている表面平準化材
層12と、表面平準化材層12の上に積層・被覆された
汚染物質捕捉材層14とからなる積層単位を備えてい
る。
【0045】廃棄物層10は各種の廃棄物により形成さ
れ、廃棄物層10の上面には投棄された廃棄物の大きさ
や種類や施工状態によって凹凸が形成されている。廃棄
物層10の上面は、汚染物質捕捉材層14を積層・被覆
する上で、平らにならすのが好ましいが、廃棄物の大き
さや種類によっては平らにならすのに限度があり、凹凸
の形成は避けられない。
【0046】表面平準化材層12は、土質材料、多孔性
粉粒体又はこれらの混合物により形成されているが、無
害な粉粒体であればこれら以外のもので形成してもよ
い。また、粒度、分散性を吟味・管理した廃棄物を表面
平準化材層12の材料として用いてもよい。
【0047】汚染物質捕捉材層14は表面平準化材層1
2上に積層・被覆された汚染物質捕捉マット16により
形成されている。汚染物質捕捉マット16は、図2に示
すように、粒状、粉状又は繊維状等の汚染物質捕捉材1
8と、汚染物質捕捉材18をマット状の形態に保つ袋状
の外装材20とにより形成されている。
【0048】汚染物質捕捉材18としては物理的な吸着
機能や化学反応による捕捉機能を有するものを用いるこ
とができる。そのよう機能を有するものとしては、例え
ば各種の活性炭、合成(人工)ゼオライト、イモゴライ
ト、アロフェン、天然ゼオライトなどを挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではなく、上記機能を
有するものであれば、これら以外の材料を用いてもよ
い。
【0049】汚染物質補足材18は、粒体または粉体、
天然または人工のいずれも使用できる。また、粒体、粉
体とも、通気性、通水性を良好に維持するためには粒度
範囲をできるだけ狭く整粒するとよい。
【0050】汚染物質捕捉材18としては、上記の汚染
物質捕捉機能、主には吸着性能をもつ材料の吸着機能を
より有効に発現させることを主なねらいにして、繊維状
材料や中空筒状材料を混合することが有効である。これ
は、汚染物質捕捉材層14内における空気や水の拡散性
を向上させ、汚染物質の捕捉効率が向上し、さらに、空
気の移動・供給により埋立て雰囲気を好気性にするのに
役立つ。
【0051】上記の繊維状材料および中空筒状材料は天
然または人工のいずれも使用でき、みずから汚染物質捕
捉機能を有する繊維状材料や中空筒状材料は更に有効に
使用できる。価格は高いが繊維状の活性炭などは好適で
ある。
【0052】汚染物質捕捉材18として活性炭を使う場
合、活性炭の性能や混在する懸濁物質(SS)等の状態
によっても大きく異なるが、処理する浸出水1m当た
り、活性炭量は例えば30〜100gで効果がある。流
通速度は、25〜50cm/分程度が使い易いが、これ
らは現場の実状において適宜決定されることがよい。
【0053】活性炭は非極性吸着剤または疎水性吸着剤
と呼ばれ、非極性物質を液相・気相を問わず、選択的に
吸着する。物理的、化学的に安定であり、広範囲のpH
で使える等の多くの利点を持ち、工業的にも多用されて
いる。活性炭を使うと、COD、色度に特に有効であ
り、BOD、SS、重金属に有効である。また、T−N
にも効果があり、幅広く適用できる。
【0054】活性炭は粒状、粉状のいずれも使用できる
が、通気・通水性を維持するには粒状が好適である。活
性炭の粒径、吸着性能の種類は多く、使用目的に応じて
適宜選択できる。
【0055】ゼオライトはCODなどの汚染物質を効果
的に吸着分解する機能をもつ。一般的にゼオライトには
吸着しにくいリンも、ゼオライトとアロフェン(実際的
には、風化した軽石などに含まれるので、風化した軽石
でもよい)とを組合わせることで除去できる。ゼオライ
トには重金属類もよく吸着されるし、また悪臭の原因と
なるアンモニア、硫化水素、アセトアルデヒドなどもよ
く吸着される。
【0056】複数の補足材料、例えば活性炭とゼオライ
トを所定の割合で混合して、汚染物質捕捉材層の性能、
例えば捕捉速度、性能維持時間、被捕捉物質の種類など
を設計の対象にすることも有効である。
【0057】汚染物質捕捉材18として、例えば、高炉
水砕スラグの粉末やフライアッシュなどのシリカとアル
ミナ成分を含み、非晶質で反応しやすいものを水酸化ナ
トリウムなどのアルカリで処理して生成するゼオライト
的物質も、比表面積が大きいことによる吸着以外に、カ
ルシウムにイオン交換することによってアンモニウムイ
オン、リン、有機重金属イオンなどの除去に有効なこと
も知られている。
【0058】汚染物質捕捉材18を入れる袋状の外装材
20としては、例えば袋詰め脱水用の袋や土木用のドレ
ン材などに使われる材質、木綿などの天然繊維やポリエ
ステル繊維などの人工繊維を用いた通水・通気性を有す
る材質のものを用いることができる。
【0059】現地発生土による覆土と、汚染物質捕捉マ
ット16を併用することも有効である。例えば、汚染物
質捕捉マット16を布設した後、その上に薄く覆土する
などの方法も、汚染物質捕捉マット16の押えや表面保
護に実用的に有効である。この方法を使うと、現地発生
土の処理も兼ねることになり意味がある。
【0060】汚染物質捕捉マット16は、廃棄物と一緒
に処分場に恒久的に処分されるが、その時に、例えば微
生物を担持させることにより廃棄物の分解が進むなど
の、好ましい機能をもたせることができれば、さらに有
効に本願発明を実施できる。
【0061】汚染物質捕捉マット16を、廃棄物層の上
部を覆うように廃棄物上に設置するが、これは例えば、
布団をかぶせるように、堆積物の上に掛けるようでよ
い。必要に応じて、留め具を用いて、同マットを堆積物
に留めるようにしてもよい。堆積物に留めるための耳
(縁部)を設けることも有効である。
【0062】また、留め具により、同マット同士を略連
結し、広い面積をカバーすることもある。また、同マッ
トの例えば矩形の四隅に長さ数メートルの紐またはロー
プを取り付けておき、廃棄物の堆積物の上に設置すると
きに、その紐またはロープを引張りながら、状態をコン
トロールすると有効である。
【0063】次に、埋め立てられた廃棄物の処理方法に
ついて説明する。まず、図3に示すように、埋立層22
の上から水24を散布する。散布された水24は汚染物
質捕捉材層14、表面平準化層12、廃棄物層10の順
に浸透し、下方で集水されて水処理設備(図示せず)に
送られ、そこで浄化される。浄化された水24は再び埋
立層22上に散布され、先のプロセスが繰り返される。
【0064】この汚染物質の浄化方法では、水24の循
環・供給、汚染物質捕捉材18の性能、水処理設備(図
示せず)の3点をコントロールすることになる。
【0065】汚染物質捕捉材層14上に散布する水は溶
存酸素量(DO)を通常より富化したものが好ましい。
溶存酸素を富化した水が廃棄物層10と汚染物質捕捉材
層12を浸透通過する際に、汚染物質の浄化が促進され
るからである。
【0066】なお、以上説明した浄化方法は、雨水が実
質的に侵入せず上記の浄化水を循環する、循環システム
におけるものを基本とするが、雨水が侵入するオープン
な処理場でもそれなりに有効である。
【0067】また、上記実施の形態では汚染物質捕捉材
層14の上から水を散布しているが、図4に示すよう
に、遮水シート26で覆った最終覆土28中に散水管3
0を配置し、この散水管30から水24を散水させるよ
うにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】この発明によれば、表面平準化材層を有
しているので、覆土のために廃棄物上に土を被せて重機
で敷きならすようなことをせず、汚染物質捕捉マットを
展延するだけで覆土(ここでは土質材料以外を使う場合
も覆土という表現を使う。)ができ、覆土作業が容易に
なり、覆土作業のための作業時間が短縮化される。
【0069】また、この発明によれば、表面平準化層を
有しているので、廃棄物層とマットの間の不測の空隙が
なくなり、現場での足元の安全性、不等沈下等の問題、
凹凸によるマットの損傷などが防げ、マットの敷設作業
がし易くなり、複数のマットの連結もうまくいく。
【0070】また、この発明によれば、供給する循環水
の溶存酸素量(DO)を通常より富化した場合、その循
環水が廃棄物と汚染物質捕捉材層を浸透・通過する際
に、浄化をより促進するので、更に効果的である。
【0071】また、この発明によれば、表面平準化材と
してアロフェン等を多く含む吸着性の高い土質材料また
は汚染物質捕捉機能をもつ材料を用いた場合、表面平準
化材層が汚染物質捕捉機能を積極的に持つことになり、
更に効果的である。
【0072】また、この発明によれば、表面平準化材と
して粒度、分散性を吟味・管理した廃棄物を使った場
合、廃棄物処理場の処理容量を廃棄物に多く割り当てる
ことができ、より効果的である。
【0073】また、この発明によれば、廃棄物の埋立構
造から排出された汚染物質を含む浸出水が汚染物質捕捉
材層によって浄化されるので、浄化設備の処理負荷が低
減され、浄化設備の設備費と運転費が抑制され、また、
浸出水の管理期間が短縮される。
【0074】また、この発明によれば、表面平準化材層
の材料を通気・通水性の良い材料とした場合、現地発生
土等による覆土で問題であった、覆土の通気性・通水性
が改善され、発生ガスや埋立て層内の水の移動が容易に
なる。
【0075】また、表面平準化材層の材料として臭気を
吸着し、汚染物質を捕捉する材料を使用した場合、その
吸着作用により、廃棄物処理場で発生する臭気が更に低
減され、周辺環境が更に改善される。
【0076】また、この発明によれば、浄化促進用循環
水の供給、汚染物質捕捉材、浸出水処理設備の3点をコ
ントロールすることにより、廃棄物浄化の促進をコント
ロールするシステムが有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る廃棄物の埋立構
造の説明図である。
【図2】汚染物質捕捉マットの説明図である。
【図3】廃棄物の上から水を散布している状態を示す説
明図である。
【図4】この発明の他の実施の形態に係る廃棄物の埋立
構造の説明図である。
【符号の説明】
10 廃棄物層 12 表面平準化層 14 汚染物質捕捉材層 16 汚染物質捕捉マット 18 汚染物質捕捉材 20 外装材 22 埋立層 24 水 26 遮水シート 28 最終覆土 30 散水管

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投棄された廃棄物からなる廃棄物層と、
    該廃棄物層の上側の凹部を埋め、上側部分が略平坦に形
    成されている表面平準化材層と、該表面平準化材層の上
    に積層・被覆された汚染物質捕捉材層とからなる積層単
    位を1又は2以上備えていることを特徴とする廃棄物の
    埋立構造。
  2. 【請求項2】 前記表面平準化材層が通気・通水性に優
    れた材料からなることを特徴とする請求項1に記載の廃
    棄物の埋立構造。
  3. 【請求項3】 前記表面平準化材層が粒度、分散性を吟
    味・管理した廃棄物からなることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の廃棄物の埋立構造。
  4. 【請求項4】 前記表面平準化材層が臭気又は汚染物質
    を吸着する機能を有する材料からなることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の廃棄物の埋立構造。
  5. 【請求項5】 前記汚染物質捕捉材層がマット状の形態
    をしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の廃棄物の埋立構造。
  6. 【請求項6】 投棄された廃棄物からなる廃棄物層と、
    該廃棄物層の上側の凹部を埋め、上側部分が略平坦に形
    成されている表面平準化材層と、該表面平準化材層の上
    に積層・被覆された汚染物質捕捉材層とからなる積層単
    位を1又は2以上積層形成し、該積層単位に上方から水
    を供給し、該積層単位を浸透・降下した該水を集め、集
    められた該水を浄化処理することを特徴とする廃棄物処
    理方法。
  7. 【請求項7】 前記表面平準化材層として通気・通水性
    に優れた材料を使用することを特徴とする請求項6に記
    載の廃棄物処理方法。
  8. 【請求項8】 前記表面平準化材層として粒度、分散性
    を吟味・管理した廃棄物を使用することを特徴とする請
    求項6又は7に記載の廃棄物処理方法。
  9. 【請求項9】 前記表面平準化材層が臭気又は汚染物質
    を吸着する機能を有する材料からなることを特徴とする
    請求項6〜8のいずれかに記載の廃棄物処理方法。
  10. 【請求項10】 浄化処理された前記水を該積層単位に
    上方から再度供給して循環させることを特徴とする請求
    項6〜9のいずれかに記載の廃棄物処理方法。
  11. 【請求項11】 前記水の溶存酸素を富化させることを
    特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の廃棄物処
    理方法。
  12. 【請求項12】 前記水を前記積層単位の表面へ散布さ
    せ又は前記積層単位の上部に設置された配管から吐出さ
    せることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載
    の廃棄物処理方法。
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