JP2001231787A - イレウスチューブ用案内具及びその使用方法 - Google Patents

イレウスチューブ用案内具及びその使用方法

Info

Publication number
JP2001231787A
JP2001231787A JP2000052158A JP2000052158A JP2001231787A JP 2001231787 A JP2001231787 A JP 2001231787A JP 2000052158 A JP2000052158 A JP 2000052158A JP 2000052158 A JP2000052158 A JP 2000052158A JP 2001231787 A JP2001231787 A JP 2001231787A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ileus tube
guide
ileus
tube
distal end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000052158A
Other languages
English (en)
Inventor
和郎 ▲高▼野
Kazuo Takano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2000052158A priority Critical patent/JP2001231787A/ja
Publication of JP2001231787A publication Critical patent/JP2001231787A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イレウスチューブを人体管腔の所望の部位へ
容易に誘導し短時間で挿入作業を完了させ得るイレウス
チューブ用案内具を提供すること。 【解決手段】 イレウスチューブ用案内具10は、イレ
ウスチューブ及び内視鏡の鉗子チャネルに挿通可能な外
径を有したチューブ状本体12と、このチューブ状本体
12の先端部に設けられた膨張可能なバルーン14とを
含んでなる。本発明のイレウスチューブ案内具10は内
視鏡の鉗子チャネルに挿入可能であるので、内視鏡を使
用して人体管腔の所望の部位へ容易に配置することがで
きる。配置後に、先端部のバルーン14を膨張させてそ
の部位に固定すれば、人体管腔内にイレウスチューブ用
案内具10を残留させ内視鏡のみを除去することが容易
となり、その後のイレウスチューブの挿入作業は大幅に
簡易化され、挿入作業全体を短時間で行うことが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鼻から腸内まで、
人体管腔内でイレウスチューブを案内するためのイレウ
スチューブ用案内具に関する。
【0002】
【従来の技術】腸閉塞(イレウス)は機械的要因又は機
能的要因によって腸管が閉塞し、腸管の中味が流れなく
なった状態である。機械的腸閉塞は、癒着により腸管が
捻れること又は屈曲すること、ヘルニアや索状物によっ
て腸管が絞められること、大きな食べ物や腫瘍や潰瘍に
よって腸管が塞がれることなどによって引き起こされ
る。また、機能的腸閉塞は麻痺性腸閉塞とも呼ばれ、腸
を動かす神経が異常をきたしたり、炎症のために腸が正
常に機能しなくなり、食物をうまく通せなくなることに
よって引き起こされる。
【0003】上記の原因で閉塞部が生じると、その上流
には食べ物、胃液、腸液、ガスなどが溜まり腸管が拡張
して、腹痛や嘔吐を引き起こし、ときには発熱や脱水症
状を伴う。さらには、腸への血流が阻害されて腸管壊死
を引き起こすこともある。こうした腸閉塞も初期症状で
は、腸管の拡張部から内容物又は内容液を排除すれば、
腸管の拡張が解消されて腸の捻れなどの閉塞状態が解除
され、外科的手術を要することなく治癒することが多
い。この腸管内から内容物又は内容液を排除する際に使
用されるのがイレウスチューブと呼称される細いチュー
ブである。
【0004】イレウスチューブはその先端部の周囲に膨
張可能なバルーンを具備しており、イレウスチューブの
内部には排液腔やバルーンを膨張又は収縮させるための
内腔がさらに設けられている。またイレウスチューブの
先端には複数の球が連結した形状の部材(以下、連結球
状部材と称する)が取り付けられており、この部分を腸
管内に配置させ腸の蠕動運動によって前進させることに
よってイレウスチューブを腸管の閉塞部付近まで前進さ
せる。
【0005】イレウスチューブの使用においては、使用
に先だって、潤滑のためにイレウスチューブ内全体に延
びる内腔(廃液腔)にオリーブ油を注入した後、その廃
液腔に金属製ガイドワイヤをイレウスチューブ先端(連
結球状部材を含む)まで挿通させておく。なお、ガイド
ワイヤは、その先端部がバネ状になっており、他の部分
と比較して柔軟になっている。
【0006】次に、患者をX線透視台に仰臥位に寝か
せ、ガイドワイヤを内蔵したイレウスチューブを経鼻的
に挿入し、X線透視下で操作を行う(X線透視下では、
ガイドワイヤのみが撮像される)。なお、挿入を経鼻的
に行うのは、イレウスチューブが挿入された状態を、2
週間程度の間、維持しなければならず、患者の苦痛を考
慮してのことである。
【0007】イレウスチューブの先端が胃内まで挿入さ
れたら、患者を立位にしてガイドワイヤのみを押し進
め、その先端を胃大彎壁に接触させて幽門洞の方向へ屈
曲させる。ここで、患者を右側臥位にしてガイドワイヤ
を幽門輪の直前で止め、イレウスチューブを幽門前庭部
まで進める。ガイドワイヤをさらに幽門輪に向かって進
めこれを越えさせると、その先端部が十二指腸球部内で
下行脚に向かって屈曲する。さらに、ガイドワイヤを十
二指腸球部を越えて十二指腸下行脚まで押し進め、この
ガイドワイヤを案内具(誘導子)としてイレウスチュー
ブを十二指腸下行脚まで挿入する。
【0008】イレウスチューブの先端が十二指腸下行脚
まで挿入されたら、イレウスチューブの先端部の周囲に
設けられたバルーンを膨張させて腸管内に固定し、イレ
ウスチューブからガイドワイヤのみを引き抜く。ガイド
ワイヤを進行させるにあたっては、途中胃内でとぐろを
巻かないように、また途中の小腸でループを作らないよ
うに、絶えずガイドワイヤの先端に力が伝わるように注
意してガイドワイヤを進めていく。
【0009】このようにして十二指腸下行脚にイレウス
チューブの先端(連結球状部材)が配置されれば、上述
したように、腸の蠕動運動によってイレウスチューブの
先端部が腸管の閉塞部付近まで自然に進んでいく。それ
によって、腸管の閉塞部付近の拡張部から胃液や腸液な
どの内容液又は内容物をイレウスチューブ内の排液腔を
介して体外へ排出すれば腸管の閉塞部で発生している拡
張状態を解消することができる。閉塞部の拡張状態が解
消されると腸の捻れなども解除されることが多く、これ
により、手術を行わずに腸閉塞を治癒させることが可能
となる。
【0010】イレウスチューブの先端の十二指腸下行脚
への誘導は、上記のように、ガイドワイヤを使用して、
一般的にはX線透視下で、行われる。ところが、胃と小
腸との間に位置する幽門は非常に狭く、ガイドワイヤを
通過させることは一般に困難で熟練を要する作業とな
る。このため、ガイドワイヤの先端がうまく幽門に向か
わなかったり、ガイドワイヤが幽門をうまく通過せず胃
内でとぐろを巻いてしまい、挿入作業に相当の時間を要
してしまうことがある。
【0011】また、X線透視下ではガイドワイヤの動き
を観察することが可能となるので、X線透視下でガイド
ワイヤ及びイレウスチューブの挿入を行えば、挿入作業
を簡易化させることができる。しかしながら、X線透視
下であってもガイドワイヤの進行方向は自由に制御でき
るわけではないので、幽門の通過に相当の時間を要せざ
るを得ないことも多い。加えて、X線には多量に浴びる
と人体に有害となり得るという問題がある。
【0012】さらに、ガイドワイヤの誘導のためには、
その先端部が胃壁、腸壁に絶えず力を加えている状態を
維持することが望ましいが、これが患者に不快感、苦痛
を与えるという問題がある。挿入時間に長時間を要する
傾向があることがこの不快感、苦痛をさらに増幅する結
果となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題の解決策の
一つとして内視鏡を利用してイレウスチューブに幽門を
通過させる方法がある。この方法では、予めイレウスチ
ューブの先端の連結球状部材に糸を結びつけ輪を作って
おき、上記の手法でイレウスチューブを胃内に十分な長
さ押し込み、ガイドワイヤをイレウスチューブ内から除
去する。そして、胃内まで内視鏡を挿入し、イレウスチ
ューブの先端を見つけ、内視鏡の鉗子チャネルに挿通さ
れた生検鉗子を使用して連結球状部材に取り付けられた
糸の輪を挟み、内視鏡による観察下で十二指腸まで誘導
していく。
【0014】ところが、イレウスチューブ先端の連結球
状部材は非常に柔らかく非常に不安定であるため、生検
鉗子でイレウスチューブ先端の輪を挟んで正確に誘導す
ることができず、特に幽門を通過させる際に依然として
時間を要することがある。本発明は、上記従来技術の問
題に鑑み、X線を使用せずにイレウスチューブを人体管
腔の所望の部位へ容易に誘導し短時間で挿入作業を完了
させ得るイレウスチューブ用案内具を提供することを目
的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的を達成するために、イレウスチューブ内に挿通させ
て、人体管腔内でイレウスチューブを案内するためのイ
レウスチューブ用案内具であって、内視鏡の鉗子チャネ
ルに挿通可能な外径を有したチューブ状本体と、該チュ
ーブ状本体の先端部に設けられた膨張可能なバルーンと
を含んでなるイレウスチューブ用案内具が提供される。
【0016】さらに、本発明によれば、(1)内視鏡の
鉗子チャネルを通して前記イレウスチューブ用案内具を
人体管腔に挿入して、該イレウスチューブ用案内具の前
記先端部を前記人体管腔の所望の部位まで案内し、
(2)前記イレウスチューブ用案内具の前記先端部に設
けられた前記バルーンを膨張させ、(3)前記イレウス
チューブ用案内具を残留させて前記内視鏡を前記人体管
腔から除去し、(4)前記人体管腔に残留した前記イレ
ウスチューブ用案内具に沿ってイレウスチューブを前記
所望の部位まで案内し、(5)前記イレウスチューブの
先端部に設けられたバルーンを膨張させ、(6)前記イ
レウスチューブ用案内具の前記バルーンを収縮させて、
前記イレウスチューブから前記イレウスチューブ用案内
具を除去するようにする、上記イレウスチューブ用案内
具の使用方法が提供される。
【0017】本発明のイレウスチューブ用案内具はイレ
ウスチューブ及び内視鏡の鉗子チャネルに挿通可能な直
径である。したがって、本発明のイレウスチューブ用案
内具の人体管腔への挿入、案内に内視鏡の鉗子チャネル
を利用することが可能となり、X線を使用する必要がな
くなる。すなわち、経鼻的に人体管腔に挿入された内視
鏡を、幽門を越えて十二指腸下行脚まで進行させ、その
内視鏡の鉗子チャネルに本発明のイレウスチューブ用案
内具を挿入することでその先端を十二指腸下行脚まで容
易に進行させることができるようになる。内視鏡の幽門
の通過は内視鏡による観察下で行われると共に内視鏡で
は先端部の操縦が可能であることから、幽門の通過は容
易であり、短時間で行うことが可能となる。
【0018】さらに、本発明のイレウスチューブ用案内
具では先端部のバルーンを膨張させて人体管腔に自身を
固定することができるので、その先端が十二指腸下行脚
まで到達した後、イレウスチューブ用案内具の先端部を
人体管腔の所望の部位へ残留させたまま、内視鏡のみを
人体管腔から除去することが容易となる。このイレウス
チューブ用案内具をイレウスチューブの内腔に挿入すれ
ば、イレウスチューブ用案内具に沿って、幽門などを容
易に短時間で通過させることができ、挿入作業に対する
熟練と関係なしに、挿入作業全体に必要とされる時間が
短縮される。この短い作業時間は結果的に患者が感じる
不快感や苦痛を軽減させることにつながる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態について説明する。なお、本願において
は、用語「イレウスチューブ用案内具」は、イレウスチ
ューブの内腔に挿通され、人体管腔の所望の部位までイ
レウスチューブを誘導又は案内するための医療用器具の
総称として使用している。
【0020】図1は、本発明によるイレウスチューブ用
案内具の一実施形態を示す図である。図1に示されるイ
レウスチューブ用案内具10は、イレウスチューブの内
腔及び内視鏡の鉗子チャネルに挿通可能な外径を有する
チューブ状本体12と、このチューブ状本体12の先端
部に設けられた膨張可能な案内具バルーン14とを備え
ている。チューブ状本体12の内部にはその両端部の間
に一つの内腔(不図示)が延びている。
【0021】チューブ状本体12は、その壁を薄くする
ことで全体を柔軟にすることができるので、人体管腔壁
との接触時に患者が感じる不快感、苦痛を軽減させるこ
とができる。好適には、チューブ状本体は、外径が2m
mより小さく、壁厚が0.25mm程度である。先端部
の案内具バルーン14は、チューブ状本体12の内腔を
通じて先端部に供給される空気や蒸留水などによって図
1に示されるように膨張させることが可能である。膨張
状態では、チューブ状本体12の操作者側端部(以下、
近位端と称する)をくさび形状の栓16によって閉鎖
し、案内具バルーン14内の空気や蒸留水などが逆流し
て案内具バルーン14が収縮してしまうことを防止す
る。近位端を止血鉗子など他の器具を使用して閉鎖して
もよいことはもちろんである。なお、案内具バルーン1
4は、通常、チューブ状本体12と概略等しい直径又は
それ以下まで収縮した状態になっており、後述するよう
にイレウスチューブ用案内具10を人体管腔内に固定す
る必要があるときのみ膨張させられる。膨張時の案内具
バルーンの直径は十二指腸下行脚の直径よりも僅かに大
きく、例えば20〜30mm程度となる。
【0022】また、先端部の案内具バルーン14は図1
に示されるようにチューブ状本体12の先端に設けられ
るのではなく、一般的なイレウスチューブと同様にチュ
ーブ状本体12の先端部の壁表面の周囲に取り付けられ
てもよい。このときには、チューブ状本体12の内腔
と、案内具バルーン14とチューブ状本体12との間の
空間とを連通させる開口がチューブ状本体12の壁に設
けられる。
【0023】図2は本発明のイレウスチューブ用案内具
を使用するイレウスチューブの概略構成を示す図であ
る。イレウスチューブ20は、チューブ状本体22と、
チューブ状本体22の先端部の壁の周囲に取り付けられ
ている膨張可能なイレウスチューブバルーン24と、チ
ューブ状本体22の先端に取り付けられている連結球状
部材26とを含んでなる。連結球状部材26は、腸の蠕
動運動によって搬送されやすいように、図1に示される
ような複数の球が連結したような形状をしている。
【0024】チューブ状本体22の内部には、三つの内
腔(不図示)、すなわち排液用内腔、洗浄用内腔、バル
ーン用内腔、が設けられている。チューブ状本体22の
近位端には、これら三つの内腔を外部の装置又は器具と
接続するための接続チューブ28a、28b、28cが
それぞれ設けられている。さらに、チューブ状本体22
の先端部の壁には排液用内腔に通じる複数の排液口30
が設けられており、さらにその先端部側の壁には洗浄用
内腔に通じる一つの洗浄口32が設けられている。チュ
ーブ状本体22の排液用内腔はチューブ状本体22全体
にわたって延びており、連結球状部材26の内部に延び
る内腔34と連通している。また、バルーン用内腔はチ
ューブ状本体22の壁とイレウスチューブバルーン24
との間に形成された空間と壁に設けられた連通口(不図
示)を介して連通している。
【0025】排液用内腔は接続チューブ28aを介して
外部の排液収集具(不図示)と接続されており、腸内の
内容液又は内容物をチューブ状本体22の壁の排液口3
0及び連結球状部材26の内腔34から受け入れ外部の
排液収集具へと排出する。洗浄用内腔は接続チューブ2
8bを介して洗浄液供給装置(不図示)と接続されてお
り、洗浄液供給装置から洗浄口32を介して患部へ洗浄
液を供給し洗浄を行う。バルーン用内腔は接続チューブ
28cを介して蒸留水供給装置(不図示)に接続されて
おり、蒸留水供給装置から連通口を介してチューブ状本
体22の壁とイレウスチューブバルーン24との間の空
間に対して蒸留水を供給したり同空間から蒸留水を排出
させてイレウスチューブバルーン24を膨張又は収縮さ
せる。
【0026】図3は、案内具バルーン14を収縮させた
状態の図1に示されるイレウスチューブ用案内具10を
人体管腔内に挿入するために使用される内視鏡を示す略
示図である。内視鏡40は、ファイバースコープや鉗子
チャネルなどを内包した柔軟な管状部分42と、先端部
の操縦を含む内視鏡40の種々の操作を行うための操作
部44とを備えている。また、操作部44には、内視鏡
先端部60の向きを操縦するための操縦ノブ46、内視
鏡先端部60の観察レンズにファイバスコープを介して
接続された観察部48、鉗子チャネルに接続された鉗子
口50などが設けられている。
【0027】図4は、内視鏡先端部60の拡大図であ
る。先端部60には、照明用の光源62と、前述の観察
部48にファイバスコープを介して接続された観察レン
ズ64とに加え、前述の鉗子チャネルの開口部(鉗子
窓)66が設けられている。図5及び図6は、本発明の
イレウスチューブ用案内具10を使用して人体管腔内に
イレウスチューブ20を挿入する方法を説明する図であ
る。
【0028】イレウスチューブ用案内具の一つである従
来のガイドワイヤを使用する場合には、人体管腔への挿
入に先立って図2のイレウスチューブ20の排液用内腔
にガイドワイヤを挿通させ、ガイドワイヤを内臓したイ
レウスチューブ20を経鼻的に人体管腔(鼻腔、食道、
胃、小腸)へ挿入していた。したがって、イレウスチュ
ーブ20に挿通されたガイドワイヤの先端から伝達され
る胃壁や腸壁からの反力などの情報を基に、経験的にイ
レウスチューブ20の先端がどの方向に進んでいるか又
はイレウスチューブ20がどのような状態になっている
かを推測しながら挿入作業を進行させていた。したがっ
て、狭い幽門を通過させることは特に困難で、挿入作業
に時間(熟練者でも15分程度)を要していた。これ
は、X線透視を行っても同様であり、狭い幽門を通過さ
せることは困難で、挿入作業に時間を要していた。
【0029】これに対して、本発明のイレウスチューブ
用案内具10を使用すれば、以下で説明するようにして
イレウスチューブ20を人体管腔に容易に挿入すること
ができるようになる。最初に、図3に示される内視鏡4
0を経鼻的に人体管腔に挿入し、先端部60の観察レン
ズ64からファイバースコープを介して観察部48で内
視鏡先端部60の位置及び向きを確認しながら、胃から
幽門を通過させて小腸の所望の部位まで、例えば十二指
腸下行脚まで、内視鏡40の先端部60を挿入、進行さ
せる。このとき、内視鏡40の先端部60は操縦ノブ4
6によってその向きを操作することができるので、内視
鏡40の先端部60に幽門を通過させることは容易であ
り、挿入作業は短時間で行うことが可能である。
【0030】内視鏡40の先端部60が例えば十二指腸
下行脚のような人体管腔の所望の部位に到達した後、図
5(a)に示されるように、内視鏡40の鉗子口50か
ら鉗子チャネルに案内具バルーン14が収縮した状態の
本発明のイレウスチューブ用案内具10を挿入し、図5
(b)に示されるように内視鏡40の先端部60の鉗子
窓66からイレウスチューブ用案内具10の先端を突出
させる。
【0031】例えば十二指腸下行脚といった人体管腔の
所望の部位にイレウスチューブ用案内具10の先端を位
置決めした後、イレウスチューブ用案内具10のチュー
ブ状本体12の近位端から空気を送り込み、チューブ状
本体12の先端部に取り付けられている案内具バルーン
14を膨張させて、イレウスチューブ用案内具10の先
端部を人体管腔に固定する。案内具バルーン14を膨張
させるために使用するのは必ずしも空気である必要はな
く、例えばイレウスチューブ20と同様に蒸留水とする
こともできる。
【0032】次に、イレウスチューブ用案内具10の先
端部の案内具バルーン14が膨張した状態で、イレウス
チューブ用案内具10を人体管腔内に残留させたまま内
視鏡40を人体管腔から引き抜き、除去する。このと
き、イレウスチューブ用案内具10の先端部の案内具バ
ルーン14が膨張しているので、イレウスチューブ用案
内具10の先端部は人体管腔内に固定され、その先端部
の位置はほとんど変化しない。
【0033】人体の鼻から外部まで延びているイレウス
チューブ用案内具10の近位端をイレウスチューブ20
の先端部の連結球状部材26の内腔に挿入させ、イレウ
スチューブ用案内具10に沿ってイレウスチューブ20
を経鼻的に人体管腔70内へ送り込むことによって、図
6に示されるように、イレウスチューブ20の先端部は
容易に人体管腔70の所望の部位へと案内、配置され
る。イレウスチューブ20は、既に幽門を通過して配置
されているイレウスチューブ用案内具10に沿って移動
するのみであるので、幽門を通過させるのに格別の技術
を要せず、挿入作業は短時間で終了する。
【0034】この後、イレウスチューブ20の近位端か
ら延びるバルーン用接続チューブ28cを介して蒸留水
供給装置からイレウスチューブバルーン24へ蒸留水を
供給することによって、イレウスチューブ20の先端部
のイレウスチューブバルーン24を膨張させイレウスチ
ューブ20を人体管腔70の所望の部位に固定する。最
後に、イレウスチューブ用案内具10の先端部の案内具
バルーン14から空気又は蒸留水を排出させて案内具バ
ルーン14を収縮させ、イレウスチューブ20の排液用
内腔を通して人体管腔70からイレウスチューブ用案内
具10を除去する。このとき、イレウスチューブ20は
イレウスチューブバルーン24が膨張して人体管腔70
に固定されているのでイレウスチューブ用案内具10と
共に人体管腔70から除去されることはない。
【0035】上記のイレウスチューブ用案内具の使用方
法においては、内視鏡を予め人体管腔に挿入した後にイ
レウスチューブ用案内具を挿入すると説明されている
が、内視鏡の鉗子チャネルにイレウスチューブ用案内具
を挿通させた後に、内視鏡を人体管腔に挿入することも
可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のイレウス
チューブ用案内具は内視鏡の鉗子チャネル内に挿入する
ことができるので、内視鏡を使用して容易にイレウスチ
ューブ用案内具の先端に幽門を通過させることができ、
その挿入作業には格別の熟練を要しなくなる。また、イ
レウスチューブ用案内具の先端部に設けられた案内具バ
ルーンを利用すれば、イレウスチューブ用案内具のみを
人体管腔内に残留させ内視鏡を人体管腔から除去するこ
とができる。したがって、人体管腔に残留しているイレ
ウスチューブ用案内具に沿ってイレウスチューブに幽門
を容易に通過させることができ、イレウスチューブの挿
入作業は著しく簡単化される。さらに、X線を使用する
必要が一切ないので人体にとっても害が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】先端部の案内具バルーンが膨張した状態の本発
明のイレウスチューブ用案内具の一実施形態を示す図で
ある。
【図2】図1のイレウスチューブ用案内具を使用するイ
レウスチューブの概略構成を示す図である。
【図3】図1のイレウスチューブ用案内具を人体管腔に
挿入する際に使用する内視鏡の略示図である。
【図4】図3の内視鏡先端部の拡大図である。
【図5】図1のイレウスチューブ用案内具を挿入した内
視鏡の状態を示す図である。
【図6】イレウスチューブ用案内具の使用状態を示す図
である。
【符号の説明】
10…イレウスチューブ用案内具 12…チューブ状本体 14…バルーン 20…イレウスチューブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イレウスチューブ内に挿通させて、人体
    管腔内でイレウスチューブを案内するためのイレウスチ
    ューブ用案内具であって、内視鏡の鉗子チャネルに挿通
    可能な外径を有したチューブ状本体と、該チューブ状本
    体の先端部に設けられた膨張可能なバルーンとを含んで
    なることを特徴としたイレウスチューブ用案内具。
  2. 【請求項2】 (1)内視鏡の鉗子チャネルを通して前
    記イレウスチューブ用案内具を人体管腔に挿入して、該
    イレウスチューブ用案内具の前記先端部を前記人体管腔
    の所望の部位まで案内し、 (2)前記イレウスチューブ用案内具の前記先端部に設
    けられた前記バルーンを膨張させ、 (3)前記イレウスチューブ用案内具を残留させて前記
    内視鏡を前記人体管腔から除去し、 (4)前記人体管腔に残留した前記イレウスチューブ用
    案内具に沿ってイレウスチューブを前記所望の部位まで
    案内し、 (5)前記イレウスチューブの前記先端部に設けられた
    バルーンを膨張させ、 (6)前記イレウスチューブ用案内具の前記バルーンを
    収縮させて、前記イレウスチューブから前記イレウスチ
    ューブ用案内具を除去する、請求項1に記載のイレウス
    チューブ用案内具の使用方法。
JP2000052158A 2000-02-23 2000-02-23 イレウスチューブ用案内具及びその使用方法 Pending JP2001231787A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000052158A JP2001231787A (ja) 2000-02-23 2000-02-23 イレウスチューブ用案内具及びその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000052158A JP2001231787A (ja) 2000-02-23 2000-02-23 イレウスチューブ用案内具及びその使用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001231787A true JP2001231787A (ja) 2001-08-28

Family

ID=18573721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000052158A Pending JP2001231787A (ja) 2000-02-23 2000-02-23 イレウスチューブ用案内具及びその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001231787A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011115617A (ja) * 2003-07-09 2011-06-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd カテーテル収納体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011115617A (ja) * 2003-07-09 2011-06-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd カテーテル収納体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10874285B2 (en) Method and apparatus for stabilizing, straightening, expanding and/or flattening the side wall of a body lumen and/or body cavity so as to provide increased visualization of the same and/or increased access to the same, and/or for stabilizing instruments relative to the same
US11147908B2 (en) Sinus dilation catheter
US10363402B2 (en) Sinus dilation catheter
US20190175889A1 (en) Sinus balloon dilation catheters and sinus surgery tools
US5785684A (en) Apparatus and method for the deployment of an esophagastric balloon tamponade device
KR101849489B1 (ko) 극세경 내시경 보조 시스템 및 사용 방법
US20080091067A1 (en) Multi-lumen catheter and endoscopic method
US9408756B2 (en) Nasal fluid management device
US11937777B2 (en) Vacuum sponge drainage
EP1854397B1 (en) Medical instrument having a catheter and method for using a catheter
JP2001231787A (ja) イレウスチューブ用案内具及びその使用方法
KR102295322B1 (ko) 레빈 튜브의 삽입 보조 장치 및 이를 포함하는 레빈 튜브 복합체
JP6703069B2 (ja) 医療用チューブ
JP2004154268A (ja) 気管支鏡挿入式気管支ブロッカー誘導システム
KR20190024820A (ko) 복수의 구성을 갖는 부비동성형 가이드
JP4320374B2 (ja) 医療用カテーテルの硬さを補強し、医療用カテーテルを小腸へ誘導するためのサポートチューブ
EP4076564B1 (en) Vacuum sponge drainage
JP2003250900A (ja) 医療用カテーテル
JP2002126087A (ja) 医療用バルーン付きカテーテル
CA2236646C (en) System or apparatus for treating the ureter and/or pyelo-ureter junction
Sato et al. Specific procedures for insertion
UA55252A (uk) Декомпресійний зонд для інтубації кишечнику

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080722

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081118