JP2001229866A - 自動スティグマ調整装置 - Google Patents

自動スティグマ調整装置

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JP2001229866A
JP2001229866A JP2000033544A JP2000033544A JP2001229866A JP 2001229866 A JP2001229866 A JP 2001229866A JP 2000033544 A JP2000033544 A JP 2000033544A JP 2000033544 A JP2000033544 A JP 2000033544A JP 2001229866 A JP2001229866 A JP 2001229866A
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scanning
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Shigehiro Mitamura
茂宏 三田村
Takeshi Yamaguchi
武 山口
Kazumi Nakayama
和美 中山
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子ビームのビーム走査において、最適
なスティグマ強度を短時間でかつ高精度で調整する。 【解決手段】 荷電粒子ビームを試料上でx,y方向の
二次元で走査して走査画像を形成するビーム走査におい
て、荷電粒子ビームの非対称性を、x方向及びy方向の
異なる補正方向で補正する二組のスティグマコイルと、
二組のスティグマコイルの内で荷電粒子ビームの走査方
向と同方向を補正するスティグマコイルに供給する電流
値を、荷電粒子ビームの走査信号と同期させて変化させ
るスティグマ制御手段と、一方のスティグマコイルに供
給する電流値を変化させて求めた走査画像からスティグ
マコイルの非点補正値を算出する非点補正算出手段とを
備え、走査画像を合焦させ、スティグマコイルに供給す
る電流値の調整と、非点補正値の算出とを繰り返すこと
によって、スティグマコイルに供給する電流値を調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームやイオ
ンビーム等の荷電粒子ビームを試料上で二次元的に走査
して走査画像を形成するビーム走査に関し、特に荷電粒
子ビームの非点収差を補正するスティグマ調整装置に関
し、電子線マイクロアナライザやX線分析装置等に適用
することができるものである。
【0002】
【従来の技術】EDX(エネルギー分散X線分光)やW
DX(波長分散X線分光)を用いた電子マイクロアナラ
イザ(EPMA)や走査型電子顕微鏡(SEM)などの
電子線分析装置やX線分析装置、あるいはイオンマイク
ロアナリシス(IMA)等の分析装置等の電子やイオン
の荷電粒子ビームを試料上で二次元的に走査して走査画
像を形成する走査ビーム装置が知られている。これらの
走査ビーム装置では、試料上に電子ビームやイオンビー
ムの荷電粒子ビームを照射し、この照射によって試料か
ら発生する二次電子線、反射電子線、特性X線等を検出
することによって試料の表面分析や元素分析を行う。こ
のとき、荷電ビームあるいは試料ステージを二次元的に
走査し検出器で検出することによって、試料の表面の凹
凸や元素分析の二次元的な走査画像を得る。
【0003】試料上に結ばれる荷電粒子ビームは、プロ
ーブ径が可能な限り小さいほうが望ましく、また同時
に、プローブ形は真円に近いほうが望ましい。図10は
非円形のプローブによる走査画像形状を説明するための
図である。プローブ形が図10に示すようにある方向に
長い形状である場合、形成された走査画像もその方向に
長くなる。例えば、図10(a),(c)に示す試料を
ある方向に長い形状のプローブで走査すると、図10
(b),(d)に示すようにプローブの方向に変形した
走査画像が得られる。特に、試料の大きさがプローブの
大きさより小さいときは、走査画像の形状はプローブの
形状が大きく影響する。光源の形状や電場・磁場の非対
称性等の非点原因があると、試料上の見かけのプローブ
形は、対物レンズの強さを変化させても非点は解消され
ない。
【0004】従来、非点補正として、x方向及びy方向
の各スティグマコイルに供給する電流値の組み合わせに
よる補正値を複数用意しておき、各組み合わせの補正値
毎に走査画像を求め、補正値を異にする複数の走査画像
を比較することによって、スティグマコイルに供給する
電流値を求めて非点補正を行う方法が知られている。
【0005】また、他の非点補正として、x方向及びy
方向の各スティグマコイルに供給する電流値を同時に変
化させながら走査画像を求め、該走査画像を観察し、鮮
明画像が得られる電流値から、スティグマコイルに供給
する電流値を求めて非点補正を行う方法も知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の非点補正では、
電流値の組み合わせからなる複数の補正値毎に走査画像
を求めるため、最適な補正値を得るには電流値の組み合
わせを種々変えながら複数の走査画像を求める必要があ
り、最適な補正値を得るために長時間を要するという問
題があり、操作者が各走査画像を比較するため、操作者
の労力を要すると共に操作者による個人差が生じるとい
う問題もある。また、各スティグマコイルに供給する電
流値を同時に変化させながら走査画像を求める非点補正
では、x方向とy方向の電流値の組み合わせに制限があ
るため、必ずしも最適な補正値が得られず、補正精度の
点で問題がある。そこで、本発明は前記した従来の問題
点を解決し、荷電粒子ビームのビーム走査において、最
適なスティグマ補正を短時間でかつ高精度で行うことを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、合焦した走査
画像において、スティグマコイルに供給する電流値を変
化させながら走査画像を求め、求めた走査画像からステ
ィグマコイルの非点を補正する値を算出する処理を、各
スティグマコイル毎に交互に行うことによって、順に高
精度の補正値を求めるものである。
【0008】本発明では、一走査画像で一方の補正値が
求まるため、二つの走査画像によってx方向とy方向の
補正値を求めることができるため、補正値を得るに要す
る走査画像の枚数を減少させることができ、処理時間を
短縮することができる。また、この補正値を求める処理
をスティグマコイル毎に交互に行って繰り返すことによ
って補正精度を高めることができる。
【0009】そこで、本発明の自動スティグマ調整装置
は、荷電粒子ビームを試料上でx,y方向の二次元で走
査して走査画像を形成するビーム走査において、荷電粒
子ビームの非対称性を、x方向及びy方向の異なる補正
方向で補正する二組のスティグマコイルと、二組のステ
ィグマコイルの内で荷電粒子ビームの走査方向と同方向
を補正するスティグマコイルに供給する電流値を、荷電
粒子ビームの走査信号と同期させて変化させるスティグ
マ制御手段と、スティグマ制御手段によって、一方のス
ティグマコイルに供給する電流値を変化させて走査画像
を求めると共に、該走査画像において変化方向と同じ走
査方向の画像信号強度変化が最大となる画像位置に基づ
いて一方のスティグマコイルの非点補正値を算出する処
理をx方向及びy方向で交互に行う非点補正算出手段と
を備える構成とし、走査画像上に荷電粒子ビームを合焦
させ、非点補正値に基づくスティグマコイルに供給する
電流値の調整と、スティグマ制御手段による供給電流値
の変化、及び非点補正算出手段による非点補正値の算出
とを繰り返すことによって、スティグマコイルに供給す
る電流値を調整する。
【0010】x方向及びy方向の二組のスティグマコイ
ルには、それぞれ自動調整された電流値が供給され、こ
れによって荷電粒子ビームのプローブ形の非点は補正さ
れる。本発明のスティグマ制御手段は、x方向及びy方
向の二組のスティグマコイルに供給する電流値を制御す
る手段であり、非点補正を行う手段及び非点補正を行う
ための非点補正値を求める手段を兼ねた構成とすること
もできる。
【0011】非点補正値を求めるには、走査コイルで荷
電粒子ビームを走査すると同時に、スティグマ制御手段
によって走査方向と同方向のスティグマコイルに供給す
る電流値を荷電粒子ビームの走査信号と同期させて変化
させ、1フレーム分の走査画像を求める。求めた1フレ
ームの走査画像には、荷電粒子ビームの非点によるずれ
が画像信号強度変化としてあらわれる。非点補正算出手
段は、この画像信号強度変化が最大となる画像位置から
非点によるずれを求め、各スティグマコイルの非点補正
値を求める。非点補正値は前記ずれを補償する量として
求めることができる。求めた非点補正値で非点補正を行
い、該非点補正値を中心として、スティグマコイルに供
給する電流値を微小範囲で変えながらx方向及びy方向
について交互に繰り返すことによって、高精度の非点補
正値を求める。非点補正値を求めた後、スティグマ制御
手段は各スティグマコイルを駆動するスティグマ強度を
非点補正値に基づいて最適値に設定する。
【0012】図1は本発明の自動スティグマ調整装置に
よる非点補正を説明するための図であり、走査画像上で
の非点収差を表している。本発明の自動スティグマ調整
装置では、焦点位置を走査画像上に合焦させた像を用い
て非点収差の検出及び調整を行う。荷電粒子ビームの像
形状は、合焦されている場合には円形形状となり、合焦
されていない場合には、合焦位置を挟んでx,y方向で
90度異なる方向に変形した非円形形状となる。対物レ
ンズのパワーを調整すると、走査画像上に表示される像
形状は、円形像を挟んで変形方向が90度異なる変形像
となる。合焦した場合には円形像となり、焦点からずれ
るに従って変形に程度が増加する。走査画像上において
像を合焦させるには、像が90度異なる変形方向の変形
像の中間となるように、対物レンズのパワーを調整する
ことによって行うことができる。
【0013】また、走査画像上で像が合焦した場合、走
査画像上に表示される円形像の位置及び大きさは非点収
差の程度を表す。ここで、非点収差が無い場合にビーム
はx,y座標の中心位置を通過するとすと、中心位置に
おいて円形像の径は最小となる。図1(a)において、
非点収差がある場合には、走査画像上において非点収差
が無い位置は図中の点Qで表され、その非点収差の程度
は中心位置からのずれによって表される。本発明では、
x方向のスティグマの補正値を求める場合には、図1
(b)に示すように、x軸方向に荷電粒子ビームを走査
する際、走査に同期してスティグマコイルに供給する電
流値を−100%から100%まで変化させる。プロー
ブPの形状はスティグマコイルに供給する電流値によっ
て変化し、適正となるに従って小径となる。
【0014】非点収差がある場合には、非点によってず
れた位置でプローブ像Pは最小となる。このプローブ像
Pが最小となるときのスティグマコイルに供給する電流
値が非点補正値となる。なお、ここでは、y方向のステ
ィグマコイルに供給する電流値を0近傍に固定すること
によって、走査画像上においてx方向の変化のみを表示
することができる。この走査をy方向の全域について行
うことによって、1フレームの走査画像を得ることがで
き、非点の方向の位置は走査画像のx方向の強度変化
(図中の斜線部で示されるy方向に延びた帯体)として
検出され、この位置からx方向のスティグマ補正値を求
めることができる。
【0015】同様に、y方向のスティグマ補正値を求め
る場合には、図1(c)に示すように、y軸方向に荷電
粒子ビームを走査する際、走査に同期してスティグマコ
イルに供給する電流値を−100%から100%まで変
化させて走査画像を求め、そのy方向の強度変化からy
方向のスティグマ補正値を求める。求めた補正値による
スティグマコイルに供給する電流値の補正とx方向及び
y方向のスティグマ補正値を求める処理とを、数回繰り
返すことによって、より高い精度で非点補正の最適値を
設定することができる。この繰り返しにおいて、スティ
グマ値の変更範囲を順に狭めることによって、より高い
精度で非点補正の最適値を設定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
を参照しながら詳細に説明する。本発明の自動スティグ
マ調整装置において、非点補正を行うスティグマコイル
の構成として、8極のスティグマ補正コイルや60度斜
交4極のスティグマ補正コイルを適用することができ
る。8極のスティグマ補正コイルは4極ずつの2組のコ
イルによってx,y方向の非点補正を行う構成であり、
60度斜交4極のスティグマ補正コイルは4極を60度
(π/3)の角度にセットすることによってx,y方向
の非点補正を行う構成である。何れの構成の補正コイル
においても、各組のスティグマコイルに供給する電流を
調整することによってx,y方向の非点補正を行うこと
ができる。
【0017】図2は本発明の自動スティグマ調整装置の
構成例であり、走査型電子顕微鏡に適用した場合につい
て示している。走査型電子顕微鏡1は、ビーム源2と、
ビーム源2から照射された荷電粒子ビーム3を試料ステ
ージS上で走査させる走査コイル6及び走査コイル6を
制御する走査用制御部16と、荷電粒子ビーム3の非点
を補正するスティグマコイル5及びスティグマコイル5
を制御するスティグマ用制御部15と、スティグマ用制
御部15及び走査用制御部16に走査信号を入力する走
査信号形成部14と、試料から放出された二次電子やX
線等を検出するPMT等の検出器8と、検出信号を信号
増幅するアンプ9と、アナログの検出信号をデジタルに
変換するA/D変換器10と、検出信号を記憶する記憶
部17と、画像処理部12及び非点補正算出部13を含
む制御部11とを備える。
【0018】走査コイル6は走査用制御部16からの走
査信号に基づいて荷電粒子ビーム3をxy方向に移動さ
せて試料ステージ8を二次元的に走査する。検出器8は
試料(図示しない)から放出された二次電子やX線等を
検出することによって、試料の表面の凹凸や元素分析の
二次元走査画像を求める。スティグマコイル5は、ステ
ィグマ用制御部15から入力される補正値に基づいて供
給する電流値を調整する。この電流値調整によって、荷
電粒子ビーム3の非対称性を補正して非点を補正するこ
とができと共に、非点補正量を検出することができる。
【0019】走査信号形成部14は、走査信号を形成し
てスティグマ用制御部15及び走査用制御部16に供給
する。共通の走査信号を用いることによって、スティグ
マ用制御部15は走査用制御部16の走査と同期してス
ティグマコイルに供給する電流値を変化させることがで
きる。制御部13は、試料の走査画像を求める場合に
は、走査信号形成部14を制御して走査速度や走査範囲
等を定め、スティグマ用制御部15を制御して非点補正
を行う。また、非点補正値を求める場合には、スティグ
マ用制御部15を制御してスティグマコイルに供給する
電流値を変化させながら走査画像を求め、画像処理部1
2及び非点補正算出部13によって求めた走査画像の信
号強度変化からに非点補正値を算出する。
【0020】ここで、画像処理部12は、走査画像の画
像信号強度の分布を求め、x方向あるいはy方向の画像
信号の強度変化を求める。画像信号の強度変化は、例え
ば隣接する画素について信号強度の差分によって求める
ことができる。このとき、非点収差が大きい画像では隣
接する画素間の信号強度変化は小さく、非点収差が小さ
い画像では隣接する画素間の信号強度変化は大きくな
る。したがって、信号強度変化の大小によって非点収差
の程度を推定することができ、信号強度変化が最大とな
る画像位置が非点収差の最も小さい位置を示している。
非点補正算出部13は、走査画像の像信号強度の変化を
調べ、信号強度変化が最大となる画像位置から非点位置
に対応するスティグマのずれを求め、このスティグマの
ずれから非点補正値を算出する。なお、制御部11はA
/D変換器10からの走査画像信号あるいは記憶部17
に記憶した走査画像信号を用いることができる。
【0021】したがって、本発明の自動スティグマ調整
装置は、スティグマコイル5、スティグマ用制御部1
5、及び画像処理部12及び非点補正算出部13により
構成され、走査コイル6、走査用制御部16、検出器
8、走査信号形成部14等の走査画像を得るための構成
と協働して、非点補正量を求める。
【0022】以下、本発明の自動スティグマ調整装置の
動作について説明する。図3は、スティグマ補正とプロ
ーブ形との関係を示す概略図である。図中の矩形は走査
画像の外周部分を示し、走査画像内の各座標(xy座
標)は、スティグマコイルによる補正方向を示し、円形
のプローブの広がりは非点収差の程度を示している。な
お、図に示すプローブ形は、走査画像面において走査ビ
ームが合焦している場合を示しているため円形となる。
スティグマ補正は、走査画像の左側から右側及び上側か
ら下側に向かってそれぞれ−100%から+100%ま
で変化させた場合を示し、例えば走査画像の左上の位置
ではx座標及びy座標のスティグマ補正は共に−100
%である。
【0023】荷電粒子ビームに非点収差が無い場合に
は、x座標及びy座標のスティグマ補正が0の位置、つ
まり走査画像の中心位置Oにおいて、プローブ形は最も
小さい径となり、中心位置Oからずれるにしたがってプ
ローブ形の径は大きくなる。一方、荷電粒子ビームに非
点収差が有る場合には、走査画像の中心位置Oからずれ
た位置において、プローブ形の径は最小となる。このプ
ローブ形の径が最小となる位置と中心位置Oとの差が非
点収差の程度に対応し、該非点収差を補償するためにス
ティグマコイルに供給する電流値がスティグマ補正値と
なる。したがって、このスティグマ補正値を用いてステ
ィグマコイルに印加する電流を補正することによって非
点収差を補正することができ、この補正によって、走査
画像上に形成されるプローブ形の径は中心位置Oにおい
て最も小さくなる。
【0024】次に、スティグマ調整の動作を図4,5の
フローチャート、図6,7の走査画像上のプローブ形状
図を用いて説明する。非点補正に先立って、ステップS
1,2によって荷電粒子ビームを走査画像面の位置に焦
点を合わせる合焦点操作を行う。合焦点操作は、走査コ
イル6のデフレクターのx方向及びy方向に走査信号
(スィープ信号)を入力して、荷電粒子ビームを試料上
で走査させて走査画像を求めて表示させ(ステップS
1)、該走査画像を観察しながら対物レンズ7のパワー
を調整して行う。プローブ形が小さくなるように調整す
ることによって、合焦点位置を調整することができる。
走査画像面位置で合焦点を行うことによって、走査画像
で得られるプローブ形は円形となる(ステップS2)。
【0025】次のステップS3〜ステップS10によっ
て、非点補正を行うスティグマ補正値を求める。本発明
では、x方向のスティグマ補正値とy方向のスティグマ
補正値を交互に求める。ステップS3〜ステップS5に
よってx方向のスティグマのずれを求め、ステップS6
でスティグマ補正値を求める。はじめに、変化させるx
方向のスティグマ強度幅を設定する。この幅設定は、は
じめに広い検出範囲中から非点の程度を求めた後、ステ
ップS11において非点補正の精度を判定し、該精度に
応じて順に検出範囲を狭めながら繰り返すことにって、
より高い精度で非点補正のスティグマ値を求めるためで
ある(ステップS3)。
【0026】y方向のスティグマパワーを例えば0の近
傍に設定して固定し(ステップS4)、x方向のスティ
グマのずれを求める(ステップS5)。図5(a)のフ
ローチャートはx方向のスティグマのずれを求める手順
を説明するものである。x方向のスティグマのずれを求
めるには、走査コイル6にx方向の走査信号を入力して
x方向走査を行うと共に、x方向のスティグマコイル5
にx方向の走査信号と同期したx方向走査信号を、−1
00%から+100%の強度幅で変化させる。
【0027】図6,7はこのときのx方向走査信号
(a)とx方向のスティグマ補正量(b)と走査画像上
のプローブ形(c)を示しており、図6は非点が無い場
合を示し、図7は非点がある場合を示している。図6に
示すように、非点が無い場合には、走査画像の中心に向
かってスティグマ補正量が−100%から0%に変化す
るにしたがってプローブ形の径が小さくなり、スティグ
マ補正量が0%で最小となる。その後、走査画像の中心
から外側に向かってスティグマ補正量が0%から+10
0%に変化するにしたがって再びプローブ形の径が大き
くなる。
【0028】一方、図7に示すように、非点がある場合
には、走査画像の中心に向かってスティグマ補正量が−
100%から+100%に変化するにしたがってプロー
ブ形の径は小さくなり、あるスティグマ補正量の位置で
最も小さくなり、その後は再び大きくなる。このプロー
ブ形の径が最小となる位置と中心位置との偏差(x方向
のずれ量)が、非点収差を補正するスティグマ補正値と
なる。なお、非点収差を補正するスティグマ補正値と
は、その大きさのスティグマ補正値でスティグマコイル
に電流を供給したときの荷電粒子ビームのずれと非点収
差によるずれとが同じとなるという意味である(ステッ
プS51)。ステップS51のx方向の走査を、y方向
で走査しながら繰り返して(ステップS52)、走査画
像を求める。求めた走査画像のx方向の画像信号の強度
変化は、非点収差が存在する位置を通ってy方向に延び
る帯体としてあらわれる(ステップS53)。
【0029】非点収差の位置を求めるために、走査画像
から画像信号の強度変化曲線を求め、変化曲線において
変化が大きい領域(図1(b)中の斜線領域参照)を求
める。この変化曲線は、記憶部に取り込んだ画像データ
において、隣接する画素間の信号強度の差分を算出する
ことによって求めることができる。非点収差が大きい場
合には隣接する画素間の信号強度変化は小さく、非点収
差が小さい場合には隣接する画素間の信号強度変化は大
きくなる。したがって、信号強度変化が最大となる画像
位置が非点収差の最も小さい位置を示している。
【0030】また、変化曲線は、記憶部に取り込んだ画
像データをy方向について積算し、積算値についてx方
向の差分を求めることによって算出することもできる
(ステップS54)。走査画像において、中心位置とス
テップS54で求めた位置との偏差からX方向のスティ
グマのずれを求める(ステップS55)。ステップS5
で求めたスティグマのずれを補償するような非点補正値
を求め、スティグマコイルに供給する電流値を算出する
(ステップS6)。
【0031】次に、ステップS7〜ステップS10によ
って、y方向のスティグマのずれを求める。ステップS
7〜ステップS10の工程は、ステップS3〜ステップ
S6で示した工程においてx方向とy方向とを入れ換え
ることによって同様に行うことができ、y方向の走査幅
を設定した後(ステップS7)、ステップS6で算出し
たx方向のスティグマ補正値を設定し(ステップS
8)、y方向のスティグマのずれを求め(ステップS
9)、y方向の非点補正値を求めてスティグマコイルに
供給する電流値を算出する(ステップS10)。なお、
図5(b)のステップS9の工程を示すフローチャート
は、図5(a)のステップS5の工程を示すフローチャ
ートと同様であるため、説明を省略する。
【0032】上記工程で求めたスティグマ補正値でステ
ィグマコイルを調整して非点収差を補正し(ステップS
11)、非点補正の精度を判定する(ステップS1
2)。非点補正の精度が不十分な場合には、前記工程で
求めたスティグマ補正値を中心値として、ステップS3
〜ステップS10の工程を、走査幅を例えば1/2,1
/4に順に狭め、狭い範囲について繰り返し、非点補正
量の精度を高める。なお、この繰り返しは、あらかじめ
定めた回数とすることも、前回と差異がしきい値以下と
なるまで行うこととすることもできる。なお、ステップ
S3〜ステップS6のx方向の非点補正のスティグマ値
を求める工程と、ステップS7〜ステップS10のy方
向の非点補正のスティグマ値を求める工程の順は逆とす
ることができる。
【0033】図8,9はステップS3〜ステップS10
の工程の一例を示す図である。図8(a)は非点収差が
無い場合について、x方向のスティグマずれとy方向の
スティグマずれとを同一走査画像に示している。この例
では、走査画像の画像信号の強度変化曲線(図中の左方
及び下方に示した曲線)を求めると、その強度変化が大
きい領域部分(斜線部分)はx方向及びy方向共に中心
位置を通過している。これに対して、図8(b)は非点
収差がある場合であり、図8(a)と同様にx方向のス
ティグマずれとy方向のスティグマずれとを同一走査画
像に示している。この例では、走査画像の画像信号の強
度変化曲線において強度変化が大きい領域部分(斜線部
分)は、x方向及びy方向共に中心位置からずれた位置
を通過している。図8では、x方向及びy方向の走査幅
を10に設定し、その範囲を例えば−5から5としたと
き、x方向のずれは2近傍の領域にあり、y方向のずれ
は−2近傍の領域にあることを示している。
【0034】図9は、図8で求めたスティグマ補正値を
用いて、より精度に高いスティグマ補正値を求める例を
示している。図9(a)は、図8(b)で求めたスティ
グマ補正値に基づいて、x方向のスティグマ補正値を2
に設定し、y方向のスティグマ補正値を−2に設定し、
この補正値で補正した走査画像を示している。なお、図
9(a)では、x方向及びy方向の走査幅を1/4倍の
2に設定し、その範囲をx方向については1付近から3
付近とし、y方向については−3付近から−1付近とし
ている。これにより求められたx方向のずれは2.2近
傍の領域にあり、y方向のずれは−2.2近傍の領域に
あることを示している。
【0035】さらに、図9(b)は、図9(a)で求め
たスティグマ補正値に基づいて、x方向のスティグマ補
正値を2.2に設定し、y方向のスティグマ補正値を−
2.2に設定した後に求めた走査画像を示している。な
お、図9(b)では、x方向及びy方向の走査幅をさら
に1/4倍の0.5に設定し、その範囲をx方向につい
ては2.0付近から2.4付近とし、y方向については
−2.4付近から−2.0付近としている。このとき、
x方向のずれは2.16近傍の領域にあり、y方向のず
れは−2.24近傍の領域にあることを示している。上
記のように,走査範囲を順に狭めながら繰り返すことに
よって、非点補正量の精度を高めることができる。
【0036】本発明の実施の形態によれば、8極のステ
ィグマ補正コイル及び60度斜交4極のスティグマ補正
コイルのいずれのスティグマコイルの構成においても適
用することができる。また、各スティグマコイルに印加
する電流の大きさのみによって、スティグマ磁極の合成
座標の傾き(角度)、及びスティグマの磁界強度を設定
することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動ステ
ィグマ調整装置によれば、荷電粒子ビームのビーム走査
において、最適なスティグマ補正を短時間でかつ高精度
で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動スティグマ調整装置による非点補
正の検出を説明するための図である。
【図2】本発明の自動スティグマ調整装置の構成例であ
り、走査型電子顕微鏡に適用した場合を示す図である。
【図3】スティグマ強度とプローブ形との関係を示す概
略図である。
【図4】スティグマ調整の動作を説明するためのフロー
チャートである。
【図5】スティグマ調整の動作を説明するためのフロー
チャートである。
【図6】スティグマ調整の動作を説明するための走査画
像上のプローブ形状図である。
【図7】スティグマ調整の動作を説明するための走査画
像上のプローブ形状図である。
【図8】本発明の自動スティグマ調整装置による工程の
一例を示す図である。
【図9】本発明の自動スティグマ調整装置による工程の
一例を示す図である。
【図10】非円形のプローブによる走査画像形状を説明
するための図である。
【符号の説明】
1…走査型顕微鏡、2…ビーム源、3…荷電粒子ビー
ム、4…コンデンサレンズ、5…スティグマコイル、6
…走査コイル、7…対物レンズ、8…検出器、9…アン
プ、10…A/D変換器、11…制御部、12…画像処
理部、13…非点補正算出部、14…走査信号形成部、
15…スティグマ用制御部、16…走査用制御部、17
…記憶部。
フロントページの続き (72)発明者 中山 和美 京都府京都市中京区西ノ京三条坊町2−11 島津エス・ディー株式会社内 Fターム(参考) 5C033 FF03 JJ02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームを試料上でx,y方向の
    二次元で走査して走査画像を形成するビーム走査におい
    て、荷電粒子ビームの非対称性を、x方向及びy方向の
    異なる補正方向で補正する二組のスティグマコイルと、 前記二組のスティグマコイルの内で荷電粒子ビームの走
    査方向と同方向を補正するスティグマコイルに供給する
    電流値を、荷電粒子ビームの走査信号と同期させて変化
    させるスティグマ制御手段と、 前記スティグマ制御手段によって一方のスティグマコイ
    ルに供給する電流値を変化させて走査画像を求め、該走
    査画像において変化方向と同じ走査方向の画像信号強度
    変化が最大となる画像位置に基づいて一方のスティグマ
    コイルの非点補正値を算出する処理をx方向及びy方向
    で交互に行う非点補正算出手段とを備え、 走査画像上に荷電粒子ビームを合焦させ、非点補正値に
    基づくスティグマコイルに供給する電流値の調整と、ス
    ティグマ制御手段による供給電流値の変化、及び非点補
    正算出手段による非点補正値の算出とを繰り返すことに
    よって、スティグマコイルに供給する電流値を調整する
    ことを特徴とする自動スティグマ調整装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008102635A1 (ja) * 2007-02-19 2008-08-28 Sii Nanotechnology Inc. 荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子光学系の調整方法
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CN109216142A (zh) * 2017-06-30 2019-01-15 株式会社岛津制作所 电子探针显微分析仪及存储介质

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