JP2001229860A - X線画像検出器 - Google Patents

X線画像検出器

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JP2001229860A
JP2001229860A JP2000034206A JP2000034206A JP2001229860A JP 2001229860 A JP2001229860 A JP 2001229860A JP 2000034206 A JP2000034206 A JP 2000034206A JP 2000034206 A JP2000034206 A JP 2000034206A JP 2001229860 A JP2001229860 A JP 2001229860A
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secondary electron
electron emission
metal plate
layer
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JP2000034206A
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Takashi Noji
隆司 野地
Kiyomi No
紀代美 能
Hiroyuki Aida
博之 會田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】解像度およびコントラストの双方が良好な観測
画像が得られる平面型X線イメージ管を提供する。 【解決手段】この発明のX線画像検出器1は、貫通孔4
0が形成されている金属単板41,42に関し、深さ方
向に関し、出力蛍光面51に面する側(テーパ側)の側
から貫通孔40の概ね中央まで、金属単板42の材料に
比較して二次電子放出率が高いMgOと重量比で概ねM
gOの10%であるAlからなる薄膜47と、入力蛍光
面31に面する側の金属単板41の側から貫通孔40の
概ね中央まで、金属単板41の材料に比較して二次電子
放出率が低いTiN(窒化チタン),TiNO、金属炭
化物あるいは炭素系化合物もしくは窒素系化合物からな
る薄膜46を有する電子増倍器4を有している。され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放射線であるX
線により得られる画像を光学的または電気的画像信号に
変換するX線画像検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、人体および物体の内部構造を調
べるためにはX線が有用であり、人体や物体に照射され
たX線の透過濃度分布すなわちX線強度分布またはX線
画像を可視光像またはX線に対応する電気的画像信号に
変換するための装置が広く利用されている。
【0003】X線画像を可視光像あるいは電気画像信号
に変換するための装置としては、X線イメージ管(X線
像増強管)やX線ビジコン(X線画像検出器)が開発さ
れている。
【0004】今日、X線イメージ管の厚さすなわち奥行
きを低減するために、真空容器内に電子増倍器を用いた
例が、報告されている。
【0005】例えば、米国特許第3,394,261号
公報には、X線イメージ管に、電子を増幅する機能を有
するマイクロ・チャンネル・プレート(MCP)を付加
した構成が開示されている。なお、MCPを用いたこの
種の奥行きの少ない薄型のX線イメージ管は、平面型X
線イメージ管と呼ばれている。
【0006】MCPすなわち電子増倍器は、複数の貫通
孔が面方向に所定間隔で開けられた所定の厚さの金属板
が絶縁材を介して積層されているもので、入力光電子を
光電変換する際のS/N(信号対ノイズ)比を改善でき
るとされている。なお、特開昭55−146854号公
報(特公昭62−41378号公報)には、二次電子を
得るために、金属板の孔の壁面をMgとAlの層を酸化
させた酸化膜を用いる例が、開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、米国特許第
3,394,261号公報に開示されているMCP構造
や周知の類似した平面型の電子増倍器においては、金属
板の孔の壁面で発生する二次電子が飛び出す角度や放出
エネルギーは不定であり、二次電子が金属板の孔の壁面
以外に衝突することが知られている。この壁面以外に衝
突した二次電子も新たに二次電子を放出するため、電子
の散乱が生じ、電子増倍器から出力蛍光面に向かう電子
である画像出力の分解能が低下する問題がある。
【0008】一方、特開昭55―146854号公報
(特公昭62−41378号公報)に開示されたよう
に、電子増倍器を構成する金属板の貫通孔の表面をMg
とAlの酸化物で覆うと、酸化物があたかもコンデンサ
のように機能して、二次電子放出率が逆に低下すること
が発明者らによって、確認されている。
【0009】この発明の目的は、解像度が高く、出力画
像中のノイズ成分の低減によりコントラストの高い画像
が得られる平面型X線イメージ管を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した問
題点に基づきなされたもので、真空を保持する真空容器
と、前記真空容器内に設けられ、外部から入射されたX
線を蛍光に変換する入力蛍光面と、前記真空容器中に配
置され、前記入力蛍光面により生じた蛍光を光電子に変
化する光電面と、前記真空容器中に配置され、面方向に
複数の孔が開けられた金属板を絶縁材により絶縁しなが
ら複数段積層され、各金属板に所定の電圧が印加される
ことにより、前記光電面から出射された光電子を増幅す
る電子増倍器と、前記真空容器中に配置され、前記電子
増倍器で増幅された光電子を可視光像に変換する出力蛍
光面と、前記出力蛍光面を保持し、前記可視光像を透過
する出力窓と、からなるX線画像検出器において、前記
金属板の各孔の光電子入射側内壁には、二次電子放出率
が前記金属板の材料よりも低い低二次電子放出率層が形
成され、上記光電子出射側内壁には、二次電子放出率が
前記金属板の材料よりも高い絶縁層中に導電性物質を添
加した高二次電子放出率層が形成されていることを特徴
とするX線画像検出器を提供するものである。
【0011】なお、光電子入射側内壁とは、孔の深さ方
向でみて入力蛍光面寄りの部分をさし、光電子出射側内
壁とは、孔の深さ方向で見て出力蛍光面寄りの部分をさ
す。また、電子増倍器は、光電子を増幅するための金属
電極板に加えて光電子を集束束させるための集束用金属
電極板を有していてもよい。この集束用金属板は、孔が
増幅用金属板の孔の開口に整列するようにして形成され
た金属単板で構成できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について、詳細に説明する。
【0013】図1は、この発明の実施の形態が適用され
る平面型X線画像検出器のX線像−可視光像変換部の構
成を示す概略図である。
【0014】図1において、X線画像検出器1の図示し
ない真空容器内には、図示しないX線源を出射されて、
観測対象物を透過したX線が入力される入力窓2、入力
窓2の内側で(真空容器内)の所定位置に設けられ、入
力窓2から入射されたX線を電子に変換する入力基板
3、入力基板3から出力された電子が到達することので
きる所定位置に設けられた電子増倍器4および電子増倍
器4により増幅された電子を可視光に変換して出力する
出力基板(出力窓)5が設けられている。なお、電子増
倍器4には、図2を用いて以下に説明する電源装置から
所定の電圧が供給される電力供給部6が形成されてい
る。
【0015】入力基板3は、例えばAl製の基板30
に、所定の厚さのCsI(よう化セシウムにより形成さ
れた入力蛍光膜、以下Csl膜と示す)31、所定の厚
さのITO(酸化インジウム−錫の薄膜)のような透明
導電膜32、およびK(カリウム),Cs(セシウム)
またはNa(ナトリウム)等により構成される光電面3
3を有している。
【0016】電子増倍器4は、複数の貫通孔40が面方
向に所定間隔で開けられた所定厚さの金属単板41およ
び42が積層され、あるいは一枚の金属単板からなる金
属板43および金属板43相互間に位置された複数個の
ビーズ状のセラミック、好ましくは凝集性がガラスビー
ズよりも低度で、絶縁性に優れるジルコニアからなる絶
縁体44からなる。なお、絶縁体44は、例えば1列な
いし複数列置きに設けられてもよい。また、絶縁体44
は、金属板の所定の位置に、低融点のフリットガラス4
5により接合されている。
【0017】金属単板41および42、および金属板4
3には、例えば軟鉄(Fe)またはアンバー合金等が利
用されている。
【0018】各金属板相互の間隔は、例えば1〜100
0μmの範囲内で、いずれの導体層間でも概ね一定の間
隔になるように設定されている。また、各金属板相互に
は、電源装置11により、V〜Vで示される大きさ
の電位差が与えられている。なお、入力基板3のCsI
膜31と電子増倍器4の1段目の金属板との間には、電
源装置11から、Vで示される電位差が与えられてい
る。
【0019】出力基板5は、ガラス板50とガラス板5
0の電子増倍器4の側に設けられた所定の厚さの出力蛍
光膜51と出力蛍光膜51よりも電子増倍器4の側に設
けられ、例えばアルミニウムからなる光反射性金属膜5
2を有している。なお、電子増倍器4のn段目の金属板
と、出力基板5の出力蛍光膜51との間には、電源装置
11から、Vで示される電位差(加速電圧)が与えら
れている。
【0020】図2は、図1に示したX線画像検出器に接
続される電源装置を説明する概略図である。
【0021】図2に示されるように、電源装置10は、
図示しない商用電源を受電して24V直流電圧を出力す
る電源トランス11、電源トランス11からの直流24
V電圧を所定の直流電圧に変換する第1ないし第3のD
C−DCコンバータ12〜14およびDC−DCコンバ
ータ12〜14のうちの1つ(ここでは第2のDC−D
Cコンバータ13とする)からの直流電圧を所定の電圧
に分割して、電子増倍器5の各金属板に供給するための
分割抵抗器15を有している。なお、第3のDC−DC
コンバータ14は、図示しない外囲器内に生じる不純物
(元素)ガスを除去するための詳述しないイオンポンプ
を駆動するための電源装置として、また、第1のDC−
DCコンバータ12は、加速電圧V出力するととも
に、詳述しないカソードへの電源装置として、それぞれ
独立に利用される。
【0022】分割抵抗器15は、入力基板3のCsI膜
31と電子増倍器4の1段目の金属板との間に印加すべ
き電位差V、電子増倍器4の1段目からn−2段目の
それぞれの金属板間に印加すべき電位差V〜Vn−1
および電子増倍器4のn−1段目とn段目の金属板との
間に印加すべき電位差Vを発生するために、複数の抵
抗素子または可変抵抗素子が組み合わせられたものであ
る。
【0023】なお、電位差Vを発生する抵抗素子と電
位差Vn−1および電位差Vを発生する抵抗素子に
は、可変抵抗が用いられ、それ以外の電位差V〜V
n−2を発生する抵抗素子には、固定抵抗が用いられ
る。
【0024】この分割抵抗器15により、電位差V
n−2およびVn−1は、いずれも300Vに、電位
差Vは200V〜1kVに、電位差Vは、1〜30
0Vに、それぞれに設定される。
【0025】一方、加速電圧Vは、第1のDC−DC
コンバータ12により、0〜25kVの範囲に設定され
る。
【0026】図3は、図1に示したX線画像検出器の電
子増倍器の個々の導体層の貫通孔について詳細に説明す
るための部分拡大図である。
【0027】図3に示すように、電子増倍器4のn段の
金属板のうち、n−1段目およびn段目を除く個々の金
属板は、入力基板3の入力蛍光面31側に向けられる金
属単板41と出力基板5の出力蛍光面51側に向けられ
る金属単板42からなる。
【0028】それぞれの金属単板41,42は、ダブル
サイドエッチングにより、一方の面の側の貫通孔40が
テーパ状に、他の一方の面の側の貫通孔40が半径rで
定義される球状に、それぞれエッチングされている。す
なわち、各金属単板41,42の貫通孔40は、深さ方
向に関し、一方の開口部がテーパ状で、他の一方の開口
部が球状の断面形状を有している。なお、この実施の形
態においては、2枚の金属単板41,42が、それぞれ
の貫通孔40のテーパ状の部分が外側を向くように、相
互に積層されて金属板43を構成している。
【0029】金属単板41および42が積層された金属
板43の貫通孔40の内面は、深さ方向に関し、出力蛍
光面51に面する側(テーパ側)の側から貫通孔40の
概ね中央まで、金属単板42の材料に比較して二次電子
放出率が高いMgO(酸化マグネシウム)に対し、重量
比で概ねMgOの10%であるAl(アルミニウム)が
添加された薄膜(高二次電子放出率層)47とにより覆
われている。なお、Alは、好ましくは、MgOの薄層
の表層部分(貫通孔40の内径側)寄りに位置される。
【0030】貫通孔40の内面は、また、入力蛍光面3
1に面する側の金属単板41の側から貫通孔40の概ね
中央まで、金属単板41の材料に比較して二次電子放出
率が低いTiN(窒化チタン),TiNO、金属炭化物
あるいは炭素系化合物もしくは窒素系化合物からなる薄
膜(低二次電子放出率層)46により覆われている。
【0031】なお、上述した金属板43は、ダブルサイ
ドエッチングにより、貫通孔40の深¥さ方向の形状が
球面とテーパとに形成された金属単板41および42の
それぞれに、テーパが形成されている側の面からMgO
とAlの薄層47またはTiNやTiNOの薄層46
を、例えばスパッタリング法やCVD等の手法により深
さ方向に成長させたものを、貫通孔どうしを位置合わせ
して接合することによっても得られる。
【0032】一方、電子増倍器4のn段目およびn−1
段目の金属板43の貫通孔40の内面には、例えばTi
Nのみからなる薄層(低二次電子放出率層)48が形成
されている。すなわち、n段目およびn−1段目の金属
板43は、出力蛍光面51に向かう電子を集束して加速
することのできる制御電極として機能する。
【0033】次に、図1および図4を用いて、X線画像
検出器1の動作を説明する。なお、図4は、図1に示し
たX線画像検出器1の電子増倍器4の一部を拡大して示
した部分拡大図である。
【0034】図示しないX線源から放射されたX線Rが
観測対象、例えば人体を通過することにより濃度分布が
与えられたX線Rは、入力窓2を通過して入力面3の
CsI膜31に到達し、CsI膜31により蛍光R
変換され、透明導電膜32を通過して光電面33に到達
し、光電面33により光電子Eに変換されて、真空中に
放出される。
【0035】このとき、光電子Eは、入力基板3のCs
I膜31と電子増倍器4の初段の金属板との間に印加さ
れた電位差Vにより加速されて初段の金属板に到達す
る。
【0036】電子増倍器4に到達した光電子Eは、金属
板の貫通孔40に導かれ、貫通孔40の深さ方向で、入
力基板3と反対の側に位置されている金属単板42の側
の内壁に衝突し、二次電子増幅現象で1個以上の電子E
となり、それぞれの金属板間に印加される電位差V
〜Vn−1と最終段(n段目)の金属板と出力基板5の
出力蛍光面51間の加速電圧Vにより、次の段の金属
板または出力基板5の出力蛍光面51に向けて、順に加
速され、いずれかの金属板の貫通孔40の内壁に衝突し
て新たに1個以上の電子Eとなる。
【0037】なお、貫通孔40に入射する光電子Eおよ
び電子Eは、図4に示すように、金属板の入力基板3
側に面する平面部分や、貫通孔40の深さ方向の金属単
板41側の貫通孔部分(薄層46が形成されている領
域)に衝突した場合には、新たに二次電子Eが放出さ
れることが確率的に少なく、反対に、貫通孔40の深さ
方向の金属単板42の側の貫通孔部分(薄層47が形成
されている領域)に衝突した場合に、効率よく、新たな
二次電子Eが放出されるので、ノイズ成分が生じにく
い条件で、順次増幅される。
【0038】詳細には、電子増倍器4において、電子の
散乱の影響により出力画像のコントラストを高めるため
には、前段の金属板で放出された電子Eが次段の金属
板の貫通孔40の壁面のMgOとAlが被膜された部分
(低二次電子放出率層)47にのみ、確実に到達するこ
とが望ましいが、実際には、金属板の平面部分(入力蛍
光面側の面)や貫通孔40の壁面のうちの貫通孔40の
深さ方向の中途の(2枚の金属単板41,42を積層し
た状態で)貫通孔40の内径が最小となる部分までの間
の領域に衝突した光電子Eまたは二次電子Eにより発
生した二次電子Eが次段の金属板の表面に衝突して散
乱電子が発生する確率が40%程度であることが確認さ
れている。
【0039】なお、コンピュータシミュレーションによ
れば、金属板の厚さや間隔および貫通孔の径あるいは加
速電圧などを考慮しても、光電子Eまたは二次電子E
により発生した二次電子Eが次段の金属板の貫通孔4
0の壁面の所定の位置(この実施の形態ではMgO+A
l層47)にのみ到達する確率を、70%程度よりも高
めることは困難である(散乱電子が発生する確率を30
%よりも低くすることが困難である)。
【0040】このため、金属板の表面(ここでは、入力
蛍光面31に面する側である)に、光電子Eもしくは二
次電子Eが衝突した場合であっても、二次電子E
放出されにくい構造とすることで、電子増倍器4から出
力蛍光面51に向かって出力される画像である二次電子
が散乱されて出力画像のコントラストが低下するこ
とを抑制できる。
【0041】以下、光電子Eの金属板の貫通孔40への
電子の衝突と二次電子の発生が繰り返されることで、電
子増倍器4に入射した光電子Eは次第に増幅され、電子
増倍器4から出力基板5の出力蛍光面51に向けて放出
される。
【0042】このとき、放出される電子Eの量は、入
射光電子Eの量に比例し、金属板を構成する金属単板4
1,42および43の材質、金属単板41,42および
43の厚さ、金属単板41,42および貫通孔40の孔
の形状(曲率r)、薄層47のMgOとAlの混合比に
より決まる二次電子放出係数、絶縁体44の厚さ(金属
板相互間の距離)、および金属板相互間に印加される電
位差V〜Vおよび最終段の金属板と出力基板5との
間の加速電圧Vに応じて生じる電界分布に左右され、
かつ金属板が積層されている層数により増幅率が決定さ
れる。
【0043】なお、電子増倍器4の複数段の金属板のう
ちの最終段(n段目)の金属板と、その前段のn−1段
目の金属板は、出力基板5の出力蛍光面51に向かう電
子E が出力蛍光面51の面方向に不所望に広がること
を抑制することができ、出力画像のコントラストおよび
解像度をためるために有益である。
【0044】このようにして、入力窓2に外部から入射
したX線(X線画像)Rは、電子増倍器4により増幅
されて、出力基板5の出力面(基板50)に、可視光像
として出力される。
【0045】なお、可視光像Rは、不所望に歪まされ
ることなく、外囲器3の入力窓2側の入射面に入射した
倍率と等しい等倍で、電子増倍器4による増幅時の電子
軌道の広がりの影響であるぼけや滲みもなく、出力基板
5に出力される。
【0046】上記の実施例においては、高二次電子放出
率層にアルミニウム族元素を不純物として微量添加する
ことにより、この二次電子放出率層に光電子が衝突した
際に発生するチャージを分散させて、効率的に二次電子
を生成することができる。このアルミニウム族元素は、
MgO層中に均一に含まれている必要はなく、チャージ
のたまりやすい二次電子放出層表面近傍でより高濃度に
形成してもよい。さらには、二次電子放出層の表面に、
ごく薄いAl膜を形成してもよい。このようにすれば、
二次電子放出層に蓄積されたチャージがAl層を介して
速やかに散逸するため、より効率的に二次電子を放出す
ることができる。
【0047】このAl層は、例えばMgO材料とAl材
料の同時蒸着終了後に、所定時間Al材料を単独で蒸着
することにより、容易に形成される。より具体的には、
スパッタリング装置内に設けられたターゲットと成膜室
との間のシャッタの開閉時間を調整し、MgOターゲッ
ト側のシャッタを閉じて成膜室から隔離後、所定時間A
lターゲット側のシャッタをオープンにしておく。この
方法によれば、シャッタの開閉シーケンスのみを変更す
ればよく、プロセス制御が容易になる。
【0048】Al層の厚さは、0.1μm未満では二次
電子放出層に蓄積されたチャージを散逸させる能力が十
分でなく、また10μmを越えると下層のMgO層への
電子の到達を阻害するために、十分な二次電子放出が得
られなくなることから、0.1ないし10μmの範囲が
好適である。なお、Al層は、以上説明したように、こ
の発明のX線画像検出器においては、電子増倍器の出力
側に設けられる導体層の間隔および印加される電位差を
最適に設定することにより、歪みやぼけあるいは滲みの
ない観測対象物の観測画像を得ることのできるX線画像
検出器が提供される。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のX線画
像検出器においては、歪みのない観測画像が得られるX
線画像検出器が、低コストで小型に形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に関わるX線画像検出
器の一例を示す概略図。
【図2】図1に示した電子増倍器に所定の電圧を供給す
る電源装置を説明する概略図。
【図3】図1に示したX線画像検出器の電子増倍器の個
々の導体層の貫通孔について詳細に説明するための部分
拡大図。
【図4】図1および図3に示した電子増倍器の導体層に
より増幅された電子の軌道の変化を説明する概略拡大
図。
【符号の説明】
1・・・X線画像検出器、 2・・・入力窓、 3・・・入力基板、 4・・・電子増倍器、 5・・・出力基板、 6・・・電力供給部、 10・・・電源装置、 30・・・基板、 31・・・CsI膜(入力蛍光膜)、 32・・・透明導電膜、 33・・・光電面、 40・・・貫通孔、 41・・・金属単板(金属板)、 42・・・金属単板(金属板)、 43・・・金属板(金属単板)、 44・・・ガラスビーズ(絶縁体)、 45・・・フリットガラス、 46・・・低二次電子放出率層、 47・・・高二次電子放出率層、 48・・・低二次電子放出率層、 50・・・ガラス基板、 51・・・出力蛍光膜、 52・・・光反射膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 會田 博之 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須電子管工場内 Fターム(参考) 5C037 GG05 GH02 GH05 GH11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空を保持する真空容器と、前記真空容器
    内に設けられ、外部から入射されたX線を蛍光に変換す
    る入力蛍光面と、前記真空容器中に配置され、前記入力
    蛍光面により生じた蛍光を光電子に変化する光電面と、
    前記真空容器中に配置され、面方向に複数の孔が開けら
    れた金属板を絶縁材により絶縁しながら複数段積層さ
    れ、各金属板に所定の電圧が印加されることにより、前
    記光電面から出射された光電子を増幅する電子増倍器
    と、前記真空容器中に配置され、前記電子増倍器で増幅
    された光電子を可視光像に変換する出力蛍光面と、前記
    出力蛍光面を保持し、前記可視光像を透過する出力窓
    と、からなるX線画像検出器において、 前記金属板の各孔の光電子入射側内壁には、二次電子放
    出率が前記金属板の材料よりも低い低二次電子放出率層
    が形成され、上記光電子出射側内壁には、二次電子放出
    率が前記金属板の材料よりも高い絶縁層中に導電性物質
    を添加した高二次電子放出率層が形成されていることを
    特徴とするX線画像検出器。
  2. 【請求項2】前記低二次電子放出率層は、TiN,Ti
    NO、金属炭化物あるいは炭素系化合物もしくは窒素系
    化合物を含むことを特徴とする請求項1記載のX線画像
    検出器。
  3. 【請求項3】前記高二次電子放出率層を構成する絶縁層
    は、MgO層であることを特徴とする請求項1記載のX
    線画像検出器。
  4. 【請求項4】前記高二次電子放出率層に含まれる導電性
    の材質は、アルミニウム族の元素を含むことを特徴とす
    る請求項1または3に記載のX線画像検出器。
  5. 【請求項5】前記高二次電子放出率層のMgOに対する
    アルミニウム族元素の混合比率は、10%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1または3および4のいずれかに
    記載のX線画像検出器。
  6. 【請求項6】前記高二次電子放出率層の表面近傍で前記
    アルミニウム族元素がより高濃度に含有されることを特
    徴とする請求項5記載のX線画像検出器。
  7. 【請求項7】前記高二次電子放出率層の表面に、厚さ
    0.1ないし10μmのアルミニウム族元素からなる膜
    が形成されていることを特徴とする請求項5記載のX線
    画像検出器。
  8. 【請求項8】前記金属板は、それぞれ、貫通孔が形成さ
    れ、その開口位置を合わせて重ね合わせられた2枚の金
    属単板により構成されることを特徴とする請求項1記載
    のX線画像検出器。
  9. 【請求項9】前記2枚の金属単板のうち光電子入射側の
    単板の上記各貫通孔内壁には、二次電子放出率が前記金
    属単板の材料よりも低い低二次電子放出率層が形成さ
    れ、上記光電子出射側の単板の上記各貫通孔内壁には、
    二次電子放出率が前記金属単板の材料よりも高い高二次
    電子放出率層が形成されていることを特徴とする請求項
    8記載のX線画像検出器。
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