JP2001217143A - 薄膜積層コンデンサおよび基板 - Google Patents

薄膜積層コンデンサおよび基板

Info

Publication number
JP2001217143A
JP2001217143A JP2000027386A JP2000027386A JP2001217143A JP 2001217143 A JP2001217143 A JP 2001217143A JP 2000027386 A JP2000027386 A JP 2000027386A JP 2000027386 A JP2000027386 A JP 2000027386A JP 2001217143 A JP2001217143 A JP 2001217143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
dielectric layer
electrode
dielectric
layers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000027386A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Atsunushi
成生 厚主
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2000027386A priority Critical patent/JP2001217143A/ja
Priority to US09/698,523 priority patent/US6573584B1/en
Publication of JP2001217143A publication Critical patent/JP2001217143A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電体層と電極層の剥離や誘電体層のクラック
を抑制でき、大容量化、低抵抗化を達成できる薄膜積層
コンデンサおよび基板を提供する。 【解決手段】支持基板1上に、複数の電極層2a、2b
と複数の誘電体層3を交互に積層してなる薄膜積層コン
デンサであって、誘電体層3が、一般式MTiO3
(但し、MはBa、Sr、CaおよびPbのうち少なく
とも1種)で表される複合酸化物を主成分とし、電極層
2a、2bが、Auを主成分とする低抵抗層5の上面お
よび/または下面にTi含有層7を積層してなるもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜積層コンデン
サおよび基板に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年においては、電子機器の小型化に伴
い、電子機器内に設置される電子部品にも小型化の要求
が強くなってきている。コンデンサとしては、積層セラ
ミックコンデンサなどを用いて既にハンドリング可能な
大きさ程度まで、小型化が実現されつつある。
【0003】一方、電子機器の小型化にも使いやすい大
きさという点から、下限に達しつつあり、今後は、軽量
化、薄型化、高機能化の要求が強くなると予想される。
【0004】積層セラミックコンデンサは、従来、高誘
電率材料であるペロブスカイト型複合酸化物の粉末原料
に有機バインダーなどを添加してスラリーを作製し、こ
れをシート状にしてグリーンシートを作製し、該グリー
ンシートに内部電極パターンを形成し、内部電極パター
ンが形成されたグリーンシートを複数積層して積層成形
体を作製し、これを焼結して作製されていた。このよう
な形成手法では、薄層化にも限界があり、再現良く作製
するには、誘電体層厚み1μm程度が限界である。
【0005】誘電体層や電極層の薄層化に適したコンデ
ンサとして、薄膜コンデンサがあり、誘電体層や電極層
の厚みは数百nm以下とすることも可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】薄膜コンデンサを積層
し、大容量化を図る技術としては、すでに多く開示され
ており、例えば、大容量で高周波特性の良好な薄膜コン
デンサを得る目的で、特開昭60−94716号公報に
は誘電体層の厚みを1μm以下に薄膜化したものが開示
されている。しかしながら、単に誘電体層厚みを薄く
し、積層するだけでは、実用に耐えうる薄膜コンデンサ
を作製することはできない。特に、誘電体層と電極層と
の間で発生する剥離や誘電体層のクラックなどは、コン
デンサとしての信頼性の観点から重要な問題である。こ
れらの問題に対しても、従来、いくつかの技術が開示さ
れている。
【0007】例えば、製造時の高温熱処理による誘電体
層のクラックや剥離を避ける目的で、特開平7−454
75号公報には電極層と誘電体層との間に、誘電体層と
同一の金属元素と酸素とを含む中間層を形成したものが
開示されている。これにより、電極層と誘電体層との間
の応力を分散させ、密着性を強化している。しかしなが
ら、この中間層を形成する酸化物層は、比誘電率が低
く、このような低誘電率層が誘電体層と直列に接続され
ると、全体として比誘電率が低下する。
【0008】また、組成制御性に優れたイオンビームス
パッタ法では、このような層構造を形成しやすいが、一
般的にイオンビームスパッタ法は成膜速度が遅く(1n
m/min.程度)、生産性が低い。比較的成膜速度が
速く(10nm/min.程度)、生産性に優れるRF
あるいはDCスパッタ法では、逆に組成制御性に乏し
く、このような層構成を形成するのが困難である。
【0009】例えば、特開平8−264381号公報で
は、TiおよびZrのうち少なくとも1種類からなる複
数の金属薄膜の層と、一般式ABO3(但し、AはC
a、Sr、Ba及びPbのうち少なくとも1種類、Bは
TiおよびZrのうち少なくとも1種類)で表されるペ
ロブスカイト型複合酸化物からなる複数の誘電体薄膜と
で構成された積層コンデンサおよびその製法が開示され
ている。
【0010】この公報に開示された薄膜積層コンデンサ
では、電極層としてTi層を用いているが、TiやZr
を単体もしくは合金で用いた場合、電極層を薄層化する
につれ、コンデンサのもつ抵抗成分が高くなる。また、
誘電体層の形成方法が水熱処理を利用したものであり、
単層の誘電体層形成に2時間程度要しており、積層コン
デンサを作製するには生産性が悪い。
【0011】本発明は、誘電体層と電極層の剥離や誘電
体層のクラックを抑制でき、大容量化、低抵抗化を達成
できる薄膜積層コンデンサおよび基板を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜積層コンデ
ンサは、複数の電極層と複数の誘電体層を交互に積層し
てなる薄膜積層コンデンサであって、前記誘電体層が、
一般式MTiO3(但し、MはBa、Sr、Caおよび
Pbのうち少なくとも1種)で表される複合酸化物を主
成分とし、前記電極層が、Auを主成分とする低抵抗層
の上面および/または下面にTi含有層を積層してなる
ものである。
【0013】本発明の薄膜積層コンデンサでは、電極層
がAuを主成分とする低抵抗層を有するため抵抗成分が
小さくなり、誘電体層と低抵抗層との間に、Tiを含有
するペロブスカイト型複合酸化物からなる誘電体層と密
着性が良好なTi含有層を有するため、電極層と誘電体
層間の応力が分散され、電極層と誘電体層との密着性が
向上し、誘電体層のクラックや剥離を抑制できる。ま
た、Ti含有層は、本質的に金属層であるので、誘電体
層の比誘電率も低下しない。
【0014】また、誘電体層が、一般式MTiO3(但
し、MはBa、Sr、CaおよびPbのうち少なくとも
1種)で表される複合酸化物を主成分とするため、高い
比誘電率を期待できる。
【0015】また、誘電体層の厚みは200nm以下で
あることが望ましい。誘電体層の厚みを200nm以下
にし、かつ積層化することにより、静電容量成分を大き
くすることができる。
【0016】さらに、電極層の厚みは誘電体層の厚みの
2/3以下であることが望ましい。このようにすること
により、電極層の角部における誘電体層による被覆性が
向上するので、電極層間の短絡がなくなり、歩留りを向
上することができる。
【0017】また、電極層および誘電体層が400℃以
下で形成されていることが望ましい。このように製造時
の高温熱処理を行うことなく形成できるため、層間剥離
や誘電体層のクラックの発生を抑えることができるとと
もに、低温で電極層、誘電体層を形成できるため、例え
ば、メタルマスク法を用いたスパッタリング法を採用で
き、直接パターニングが可能となり、歩留りが向上し、
安価に製造することができる。
【0018】本発明の基板は、上記薄膜積層コンデンサ
を基体の表面および/または内部に設けてなるものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の薄膜積層コンデ
ンサを示すもので、(a)は断面図、(b)は平面図で
ある。図1に示す薄膜積層コンデンサは、支持基板1上
に複数の電極層2a、2bと複数の誘電体層3とが交互
に積層され、誘電体層3は異なる極性の電極層2a、2
b間が絶縁できるように形成されている。
【0020】電極層2a、2bは、Auを主成分とする
低抵抗層5の下面にTi含有層7を積層して構成されて
いる。Ti含有層7は、電極層2a、2bと誘電体層3
とが接する面全て(上面および下面)に形成することが
望ましいが、少なくとも電極層2の基板側の面(下面)
に形成することにより、電極層2a、2bと誘電体層3
との密着性を改善することができる。
【0021】低抵抗層5は、低抵抗化と誘電体層3との
反応性の低さの点からAuを主成分としているが、その
他の成分としては、Auの低抵抗という利点を損なわな
い物質であれば特に制限されるものではない。特に電極
層の低抵抗化という点からAuのみからなることが望ま
しい。
【0022】また、Ti含有層7は、本質的に金属Ti
層であるが、誘電体層との界面付近に一部酸化物が形成
されている可能性がある。低抵抗層5と誘電体層3との
密着性を損なわない物質であれば、他の成分を含んでも
良いが、Tiのみの場合が望ましい。
【0023】Ti含有層7の厚みは、5〜30nmが望
ましい。5nmよりも薄い場合には密着性が低下し易
く、30nmよりも厚い場合には抵抗が高くなる傾向に
ある。特には、5〜10nmが望ましい。
【0024】電極層2a、2bの形成方法としては、ス
パッタリング法において、高速成膜が可能であるマグネ
トロンスパッタ法や三極または四極式のスパッタ法が望
ましい。
【0025】電極層2a、2bの厚みは誘電体層3の厚
みの2/3以下であることが望ましい。これは、電極層
2a、2bが薄くなることにより、その角部における誘
電体層3の被覆性を向上できるので、電極層2a、2b
間の短絡がなくなり、歩留りを向上することができる。
【0026】本発明で用いられる誘電体層3としては、
特殊な設備、原材料を用いることなく、形成温度400
℃以下で比誘電率200程度得られ、かつ一般式MTi
3(但し、MはBa、Sr、Ca及びPbのうち少な
くとも1種類)で表される複合酸化物が含まれていれば
良い。例えば、BaTiO3、(Ba、Sr)TiO3
PbTiO3などがある。形成方法としては、スパッタ
リング法において、高速成膜が可能であるマグネトロン
スパッタ法や三極または四極式のスパッタ法が望まし
い。
【0027】一般式MTiO3(但し、MはBa、S
r、Ca及びPbのうち少なくとも1種類)で表される
複合酸化物を主成分とするものを用いたのは、400℃
以下でスパッタリング法により形成したとしても、比誘
電率が200以上を期待できるからである。
【0028】また、誘電体層3の厚みは200nm以下
であることが望ましい。これは、誘電体厚みを200n
m以下にし、かつ積層化することにより、静電容量成分
を大きくすることができるからである。
【0029】電極層2a、2b、誘電体層3は400℃
以下で形成されていることが望ましい。このように製造
時の高温熱処理を行うことなく形成できるため、層間剥
離や誘電体層3のクラックの発生を抑えることができる
とともに、低温で電極層2a、2b、誘電体層3を形成
できるため、例えば、メタルマスク法を用いたスパッタ
リング法を採用でき、直接パターニングが可能となり、
歩留りが向上し、安価に製造することができる。
【0030】また、同じ極性の電極層2a、2b同士を
接続するため、端子電極層9が形成され、さらに端子電
極層9の表面の一部が露出するようにビアホールを形成
した保護膜11が薄膜積層コンデンサ全体を覆うように
被覆されている。
【0031】また、外部との接続に用いるはんだバンプ
13が、露出した端子電極層9の表面に形成されてい
る。尚、図1(a)では理解を助けるため誘電体層3を
斜線を付し、Ti含有層7を太線で示し、端子電極層9
は格子状の斜線を付した。保護膜11は、図1(a)
(b)において破線で示し、はんだバンプ13は○と●
で示し、○と●とは端子の極性が異なることを示してい
る。
【0032】また、支持基板1の厚みは0.25mm以
下にすることが望ましい。これは、薄膜積層コンデンサ
素子としての厚みを薄くすることができるので、薄型化
が進む電子機器内に配置できるようになるからである。
【0033】本発明で用いられる支持基板1としては、
アルミナ、ガラス、サファイア、MgO単結晶、SrT
iO3単結晶、SiO2被覆シリコンなどが望ましい。特
に、薄膜との反応性が小さく、安価で強度が大きいとい
う観点から、アルミナやガラスなどが望ましい。
【0034】以上のように構成された薄膜積層コンデン
サは、電極層2a、2bが、Auを主成分とする低抵抗
層5と、その下面に形成されたTi含有層7とから構成
され、低抵抗層5と誘電体層3との間にTi含有層7が
形成されているので、電極層2と誘電体層3との密着性
を向上でき、層間剥離をなくすことができる。
【0035】また、誘電体層3の厚みを200nm以下
にすることで、比較的低い比誘電率でも、単位面積あた
りの容量を大きくすることができるので、生産性を向上
することができる。例えば、比誘電率が230の場合、
単位面積あたり10nF/mm2以上の容量を得ること
ができ、例えば0.33μFは電極面積が3mm2の大
きさで、11層積層することにより作製することができ
る。
【0036】一方、誘電体層3の厚みを200nmより
大きくすると、誘電体層3の成膜時間が増加し、さらに
積層数が増加するので、生産性が悪くなる。例えば、前
述の例において、誘電体層3の厚みを300nmで比誘
電率230とすると、0.33μFは電極面積が3mm
2の大きさで17層積層する必要があり、成膜時間の増
加と積層数の増加を考えると、歩留りが変わらないもの
として約2.3倍の作製時間を要する。また、比較的低
い比誘電率は低い形成温度で作製することができるの
で、製造時の熱処理による誘電体層3のクラックの発生
を抑制することができる。
【0037】図2は、本発明の他の薄膜積層コンデンサ
を示すもので、(a)は断面図、(b)は平面図であ
る。そして、図2に示す薄膜積層コンデンサでは、電極
層2a、2bは、Auを主成分とする低抵抗層5の上面
および下面にTi含有層7を積層して構成されている。
このような薄膜積層コンデンサでは、電極層2a、2b
と誘電体層3との密着性をさらに向上することができ
る。
【0038】尚、上記例では、薄膜積層コンデンサの構
造を詳述するために図1、図2の例を示したが、これに
限定されるものではない。
【0039】
【実施例】電極層、誘電体層および端子電極層の形成は
全て高周波マグネトロンスパッタ法を用いた。スパッタ
用ガスとしてプロセスチャンバー内にArガスを導入
し、真空排気により圧力は6.7Paに維持した。
【0040】プロセスチャンバー内には基板ホルダーと
3個のターゲットホルダーが設置され、3種類のターゲ
ット材料からのスパッタが可能である。3個のターゲッ
トとして、Au、Ti及び(Ba0.5Sr0.5)TiO3
焼結体ターゲットを設置した。スパッタ時には成膜する
材料種のターゲット位置に基板ホルダーを移動させ、基
板−ターゲット間距離は60mmに固定した。
【0041】基板ホルダーとターゲット間には外部の高
周波電源により13.56MHzの高周波電圧を印可
し、ターゲット背面に設置された永久磁石により形成さ
れたマグネトロン磁界により、ターゲット近傍に高密度
のプラズマを生成させてターゲット表面のスパッタを行
った。
【0042】高周波電圧の印可は3個のターゲットに独
立に可能である。基板ホルダーはヒータによる加熱機構
を有しており、スパッタ成膜中の支持基板温度は一定と
なるよう制御した。
【0043】また、基板ホルダーに設置された支持基板
のターゲット側には厚さ0.15mmの金属マスクが4
種類設置でき、成膜パターンに応じて必要なマスクが支
持基板成膜面にセットできる構造とした。スパッタ時の
支持基板温度は全て400℃とした。
【0044】厚さ0.25mmのアルミナ焼結体からな
る支持基板上に、図3(a)に示すTi含有層を形成す
るマスクパターンをセットし、Tiターゲットのスパッ
タによりTi含有層を形成し、続いて同じマスクパター
ンを用いてAuターゲットのスパッタによりの低抵抗層
を、Ti含有層の上面に形成し、電極層2aを形成し
た。
【0045】次に、(Ba0.5Sr0.5)TiO3焼結体
ターゲットのスパッタにより、図3(b)に示す誘電体
層3を形成するマスクパターンをセットし、誘電体層3
を形成した。誘電体層3の形成時にはスパッタ用ガスと
してO2ガスをAr:O2=8:2となるように導入し
た。
【0046】次に図3(c)に示すTi含有層を形成す
るマスクパターンをセットし、Tiターゲットのスパッ
タによりTi含有層を形成し、続いて同じマスクパター
ンを用いてAuターゲットのスパッタにより低抵抗層
を、Ti含有層の上面に形成し、電極層2bを形成し
た。
【0047】このようにして、誘電体層3と電極層2
a、2bを交互に積層し、11層の誘電体層3と12層
の電極層2a、2bの積層体を得た。尚、奇数層の電極
層2aは図3(a)に示す形状で、偶数層の電極層2b
は図3(c)で示す形状で形成した。
【0048】次に、プロセスチェンバーから取り出し、
蒸着機を用いて、図3(d)に示す端子電極層9を形成
し、奇数層の電極層2a同士および偶数層の電極層2b
同士を接続した。
【0049】この後、光感光性樹脂を用い、端子電極9
にビアホールを有する保護膜11を形成し、そのビアホ
ール内に、はんだペーストをスクリーン印刷し、リフロ
ー処理を施すことにより、直径0.1mmのはんだバン
プ13を形成した。最後に、ダイシングを行い所望の大
きさにカットし、図1に示すような薄膜積層コンデンサ
を作製した。
【0050】作製した薄膜積層コンデンサの1MHzか
ら1.8GHzでの初期特性(容量C、等価直列抵抗E
SR、損失)を、インピーダンスアナライザー(ヒュウ
レットパッカード社製HP4291A)とマイクロ波プ
ローブ(ピコプローブ社製)を用いて、測定した。
【0051】得られた特性値の平均値、並びに測定数1
000個に対して電極層間の短絡が発生しなかった個数
を歩留りとして、表1の試料No.1に記載した。評価
後の走査電子顕微鏡(SEM)による破断面観察から、
電極層の厚みは100nm(低抵抗層の厚みは90n
m、Ti含有層の厚みは10nm)、誘電体層の厚みは
200nmであった。
【0052】さらに、本発明者は、他の例として、Ti
含有層を低抵抗層の両面に形成した場合(試料No.
2)、誘電体ターゲットをPb(Zr0.5Ti0.5)O3
焼結体ターゲットとし、形成温度を300℃とし、誘電
体層を12層に変更した場合(試料No.3)、誘電体
層の厚みを150nmと薄くし、誘電体層を8層にした
場合(試料No.4)、各変更点以外は上記と同様の方
法、同様の仕様で作製して評価し、結果を表1に記載し
た。
【0053】さらに、比較例として、Ti含有層を形成
しない場合(試料No.5)、低抵抗層としてPtを形
成した場合(試料No.6)を、低抵抗層としてTiを
形成した場合(試料No.7)を、上記例と同様の方
法、同様の仕様で作製し、評価し、結果を表1に記載し
た。
【0054】
【表1】
【0055】この表1から、試料No.1では、初期特
性における歩留りが90%近くあり、大容量(0.33
μF)で低抵抗(ESR17mΩ)のコンデンサが得ら
れることが判る。
【0056】また、Ti含有層を低抵抗層の両側に形成
した場合(試料No.2)、歩留りが99%近くまで向
上している。また、誘電体材料を変更した場合(試料N
o.3)も、歩留り良く、大容量かつ低抵抗のコンデン
サが得られている。誘電体層の厚みを薄くし、電極厚み
と誘電体厚みの比を2/3とした場合(試料No.
4)、所望の容量を得るための誘電体層数を減らすこと
ができるので、歩留りが向上する。しかしながら、等価
直列抵抗ESRが若干高くなることが判る。
【0057】これに対して、Ti含有層を形成しない比
較例(試料No.5)では、作製した薄膜積層コンデン
サの特性は良好なものが得られるが、本発明の薄膜積層
コンデンサに比べて損失がやや大きく、層間剥離が発生
し、歩留りが悪くなり、生産性が低下することが判る。
【0058】低抵抗層をAu以外のPt、Tiを用いた
場合(試料No.6、7)、等価直列抵抗ESRが高く
なり、所望の特性が得られないことが判る。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の薄膜積層
コンデンサは、電極層がAuを主成分とする低抵抗層を
有するため抵抗成分が小さくなり、誘電体層と低抵抗層
との間に、Tiを含有するペロブスカイト型複合酸化物
からなる誘電体層と密着性が良好なTi含有層を有する
ため、誘電体層の比誘電率を低下させることなく、電極
層と誘電体層間の応力が分散され、電極層と誘電体層と
の密着性が向上し、誘電体層のクラックや剥離を抑制で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜積層コンデンサを示すもので、
(a)は断面図、(b)は平面図を示し、(a)は
(b)のA−A線に沿った断面図である。
【図2】本発明の他の薄膜積層コンデンサを示すもの
で、(a)は断面図、(b)は平面図を示し、(a)は
(b)のB−B線に沿った断面図である。
【図3】図1の電極層、誘電体層、端子電極層を示す平
面図である。
【符号の説明】
1・・・支持基板 2a、2b・・・電極層 3・・・誘電体層 5・・・低抵抗層 7・・・Ti含有層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電極層と複数の誘電体層を交互に積
    層してなる薄膜積層コンデンサであって、前記誘電体層
    が、一般式MTiO3(但し、MはBa、Sr、Caお
    よびPbのうち少なくとも1種)で表される複合酸化物
    を主成分とし、前記電極層が、Auを主成分とする低抵
    抗層の上面および/または下面にTi含有層を積層して
    なることを特徴とする薄膜積層コンデンサ。
  2. 【請求項2】誘電体層の厚みが200nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の薄膜積層コンデンサ。
  3. 【請求項3】電極層の厚みが誘電体層の厚みの2/3以
    下であることを特徴とする請求項1または2記載の薄膜
    積層コンデンサ。
  4. 【請求項4】電極層および誘電体層が400℃以下で形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちい
    ずれか記載の薄膜積層コンデンサ。
  5. 【請求項5】電極層および誘電体層がスパッタリング法
    により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3
    のうちいずれか記載の薄膜積層コンデンサ。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のうちいずれかに記載の薄
    膜積層コンデンサを基体の表面および/または内部に設
    けてなることを特徴とする基板。
JP2000027386A 1999-10-29 2000-01-31 薄膜積層コンデンサおよび基板 Pending JP2001217143A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000027386A JP2001217143A (ja) 2000-01-31 2000-01-31 薄膜積層コンデンサおよび基板
US09/698,523 US6573584B1 (en) 1999-10-29 2000-10-27 Thin film electronic device and circuit board mounting the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000027386A JP2001217143A (ja) 2000-01-31 2000-01-31 薄膜積層コンデンサおよび基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001217143A true JP2001217143A (ja) 2001-08-10

Family

ID=18552961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000027386A Pending JP2001217143A (ja) 1999-10-29 2000-01-31 薄膜積層コンデンサおよび基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001217143A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004075219A1 (en) * 2003-02-20 2004-09-02 N.V. Bekaert S.A. A wound capacitor
WO2007010681A1 (ja) * 2005-07-15 2007-01-25 Murata Manufacturing Co., Ltd. 薄膜キャパシタ及び該薄膜キャパシタの製造方法
JP2007095756A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Kyocera Corp 積層コンデンサ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004075219A1 (en) * 2003-02-20 2004-09-02 N.V. Bekaert S.A. A wound capacitor
WO2004073971A1 (en) * 2003-02-20 2004-09-02 N.V. Bekaert S.A. A method of manufacturing a laminated structure
WO2007010681A1 (ja) * 2005-07-15 2007-01-25 Murata Manufacturing Co., Ltd. 薄膜キャパシタ及び該薄膜キャパシタの製造方法
JP2007095756A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Kyocera Corp 積層コンデンサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3918372B2 (ja) 誘電体セラミック組成物、および積層セラミックコンデンサ
JP3039403B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
EP0722176B1 (en) Monolithic ceramic capacitors
JP3180690B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
EP0821377A2 (en) Monolithic ceramic capacitor and producing method thereof
US6673272B2 (en) Conductive paste and laminated ceramic electronic component
JP2004035388A (ja) 耐還元性低温焼成誘電体磁器組成物、これを用いた積層セラミックキャパシター及びその製造方法
WO1999018588A1 (fr) Dispositif electronique et son procede de production
JPH1074660A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2001143955A (ja) 誘電体セラミック組成物、および積層セラミックコンデンサ
JP2007123835A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製法
JP2001217142A (ja) 薄膜積層コンデンサおよびその実装方法
JP2001217143A (ja) 薄膜積層コンデンサおよび基板
JP2001217135A (ja) 積層セラミック電子部品およびその製造方法
JP2010278346A (ja) 薄膜コンデンサの製造方法
JP3924898B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JPH11102835A (ja) 積層型セラミック電子部品およびその製造方法
JP3316720B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP3018934B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JPH0432213A (ja) セラミックコンデンサ
JP2001217145A (ja) 薄膜積層コンデンサおよび基板
JP6117557B2 (ja) 積層型電子部品
JPH0574651A (ja) 積層セラミツクコンデンサの製造方法
JP2023034395A (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JP2010205812A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050201