JP2001212927A - インクジェット記録方法を用いた印刷用刷版の製造方法 - Google Patents

インクジェット記録方法を用いた印刷用刷版の製造方法

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JP2001212927A
JP2001212927A JP2000026014A JP2000026014A JP2001212927A JP 2001212927 A JP2001212927 A JP 2001212927A JP 2000026014 A JP2000026014 A JP 2000026014A JP 2000026014 A JP2000026014 A JP 2000026014A JP 2001212927 A JP2001212927 A JP 2001212927A
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伸 一 鴨志田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録方法を用いた印刷用刷版
の製造方法の提供。 【解決手段】 画像形成剤を含んでなる画像形成層をそ
の表面に有する印刷用版材を用意し、前記画像形成層
に、前記画像形成層を溶解する溶剤をインクジェット記
録方法により付着させて刷版画像を形成し、その後に、
前記溶剤により溶解された前記画像形成層を除去するこ
とを含んでなる製造方法によって達成する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録方法を用いて印刷用刷版
を製造する方法に関する。
【0002】背景技術 一般に、紙、合成樹脂、紙、セラミックなどの記録媒体
への印刷は、凸版、凹版、平版、またはスクリーン印刷
等により行われている。これらの印刷手法を用いて記録
媒体に印刷を行う場合、文章、画像、パターンなどの原
稿を作成し、その原稿を元に印刷するための板、即ち、
版下(本明細書にあっては、このような版下を「印刷用
刷版」という)と呼ばれているものを作成する。印刷用
刷版としては、例えば、感光性物質を用いたものが挙げ
られる。このような印刷用刷版は、例えば金属、合成樹
脂、天然繊維などの表面に感光性物質を塗布して感光層
とし、その感光層に、文章や画像を撮影したネガチブま
たはポジチブを付着させて露光したその後、水洗、アル
カリ処理、または有機溶媒処理等によって現像を行い、
その後さらに、エッチング処理等を行うことによって製
造される。
【0003】しかしながら、感光性印刷用刷版製造にお
いては、文章や画像を撮影したネガチブまたはポジチブ
を付着させて露光させる工程が必要である。露光は感光
層に原稿を適切に感光させる必要があり、しかも暗室で
行う必要があるので操作条件が限定される。また原稿を
撮影したネガチブまたはポジチブは永久的な保存は困難
なため、印刷用刷版の作成が経年にともに困難になる場
合がある。さらに、感光液や現像液のあるものは、その
使用後の廃液の取り扱いが環境上問題となる場合があ
る。さらにまた、印刷用刷版は高画質を図るためにエッ
チング処理が施される場合があるが、刷版画像部分まで
侵食(この減少は一般に「サイド侵食」と呼ばれてい
る)される場合がある。
【0004】また、印刷画像の高解析および高品質の要
求に対しては、感光層の薄膜化が求められるが、通常、
感光層をドライフィルムとして基板上に積層させると、
その膜厚が100μm程度になる。さらに、薄膜が求め
られる場合、液状の感光成分を基板上に被覆することに
よって感光層の膜厚を薄くすることは可能である。しか
し、感光層が薄くなると、印刷用刷版を作成する工程に
おいて感光層が剥がれる恐れがある。
【0005】一方、最近、インクジェット記録方法が広
く普及し始めている。このインクジェット記録方法は、
インク組成物の小液滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付
着させて印刷を行う印刷方法である。この方法を用いた
インクジェット記録装置は、比較的安価な装置で高解像
度、高品位の画像を、高速で印刷可能という特徴を有す
る。このため、インクジェット記録装置は、デジタル印
刷機、プロッター、CAD出力デバイス等としても利用
されるに至っている。特に、インクジェット記録装置
は、デジタル処理された文章または画像を印刷すること
ができるため、半永久的に文書または画像原稿を保存す
ることができ、またその内容を印刷する事が可能であ
る。また、インクジェット記録装置は適切なシステム処
理下で、記録ヘッドからインク組成物の液滴を吐出させ
て高解析、高画素の印刷を実現することができるもので
ある。
【0006】本発明者の知る限りでは、印刷画像が形成
された印刷用刷版の製造方法において、感光層、特に液
状の感光成分を塗布した薄膜感光層、を有する印刷用版
材に刷版画像を形成させるにあたり、刷版画像を形成さ
せる溶剤をインクジェット記録方法で吐出させて行うと
の提案はなされていない。
【0007】
【発明の概要】本発明者らは、今般、印刷用版材に、画
像形成溶剤をインクジェット記録方法を用いて吐出させ
ることによって、簡便で安価に、そして廃液処理問題を
最小限に抑え、画像品質の良好な印刷用刷版を製造する
ことができるとの知見を得た。本発明はこれら知見に基
づくものである。
【0008】従って、本発明は、簡便で安価に、廃液処
理問題を最小限に抑えて、画像品質の良好な、印刷用刷
版を製造することができる、インクジェット記録方法を
用いた印刷用刷版を製造する方法の提供をその目的とし
ている。
【0009】そして、本発明による第一の態様によれ
ば、印刷画像が形成された印刷用刷版の製造方法を提供
することができ、その製造方法は、画像形成層をその表
面に有する印刷用版材を用意し、前記画像形成層に、前
記画像形成層を溶解する溶剤をインクジェット記録方法
により付着させて刷版画像を形成し、その後前記溶剤に
より溶解された前記画像形成層を除去することを含んで
なるものである。
【0010】また、本発明による第二の態様によれば、
印刷画像が形成された印刷用刷版の製造方法を提供する
ことができ、その製造方法は、画像形成層をその表面に
有する印刷用版材を用意し、前記画像形成層に、第一溶
剤をインクジェット記録方法により付着させて刷版画像
を形成し、その後第二溶剤により、第一溶剤が付着して
いない前記画像形成層部分のみを除去することを含んで
なり、第一溶剤が、前記画像形成層を第二溶剤に対して
不溶化させるものであり、かつ第二溶剤が、第一溶剤が
付着していない前記画像形成層を溶解するものである。
【0011】さらに、本発明による第三の態様によれ
ば、印刷画像が形成された印刷用刷版の製造方法を提供
することができ、その製造方法は、画像形成層をその表
面に有する印刷用版材を用意し、前記画像形成層に、第
一溶剤をインクジェット記録方法により付着させて刷版
画像を形成し、その後第二溶剤により、第一溶剤が付着
した前記画像形成層部分のみを除去することを含んでな
り、第一溶剤が、前記画像形成を第二溶剤に対して可溶
化させるものであり、かつ、第二溶剤が、第一溶剤が付
着した前記画像形成層部分のみを溶解するものである。
【0012】本発明による別の態様によれば、印刷方法
を提供することができる。本発明による印刷方法は、印
刷用刷版にインク組成物を付着させて記録媒体に印刷を
行う方法であって、前記印刷用刷版が前記した本発明に
よる製造方法で製造された印刷用刷版を用いて印刷を行
うものである。
【0013】本発明による製造方法は、インクジェット
記録方法を用いて刷版画像を形成させる溶剤を吐出させ
て印刷画像が形成し、それによって印刷用刷版を製造す
るものである。その結果、原稿を写したネガフィルムま
たはポジフィルムを感光層に露光させる必要がなくな
り、簡便で安価に印刷用刷版を製造することができる。
また、刷版画像を形成させる溶剤を印刷用版材に吐出さ
せる手段としてインクジェット記録方法を用いるため、
該溶剤の使用量を制限することができる。その結果、廃
液処理という環境問題を解決することができる。さら
に、該溶剤をインクジェット記録方法を用いて吐出させ
て刷版画像を形成することから、露光、現像後のエッチ
ング処理という通常の印刷用刷版製造工程が不要とな
る。その結果、サイド侵食という問題を解消することも
できる。また、インクジェット記録方法はデジタル処理
画像を印刷することができる。従って、本発明は、デジ
タル処理された半永久的な原稿から、経年数に関係なく
印刷用刷版を作成することができるとの利点を有する。
さらにまた、本発明による製造方法によれば、感光層、
特に、従来のドライフィルムより薄膜の感光層を含んで
なる印刷用版材に印刷画像を形成する場合、印刷用刷版
の一連の製造工程において薄膜の感光層が剥離するとい
う問題を解消することができる。
【発明の具体的説明】
【0014】第一の態様による製造方法 本発明による第一の態様による製造方法を図1−1を用
いて説明する。先ず、画像形成層をその表面に有する印
刷用版材3を用意する。次に、該画像形成層を溶解させ
る溶剤をインクジェット記録ヘッド1により吐出させて
画像形成層に付着させて、これを溶解し刷版画像を形成
する。そして、溶解した前記画像形成層を除去すること
で、印刷用刷版が製造される。
【0015】画像形成層を溶解する溶剤 本発明において、画像形成層を溶解させる溶剤とは、後
記する画像形成層を溶解する能力を有するもの意味す
る。その具体例としては、例えば、アルカリ剤、酸剤、
水溶性有機溶媒、または水からなる群から選択される一
種または二種以上の混合物が挙げられる。アルカリ剤の
具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
などのアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、
水酸化バリウム、などのアルカリ土類金属の水酸化物;
炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウム
等;アンモニア;アミン、などが挙げられる。また、酸
剤の具体例としては、強酸、弱酸を問わず用いることが
でき、例えば塩酸、硝酸、酢酸、燐酸、などを挙げるこ
とができる。さらに、水溶性有機溶媒の具体例として
は、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノー
ル、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコ
ール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert
−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール
などがあげられる。
【0016】画像形成層を溶解させる溶剤は、インクジ
ェット記録方法によって吐出されるため、水性溶媒とと
もに用いることが好ましい。本発明における水性溶媒と
しては、水と水溶性有機溶媒からなのが好ましい。水溶
性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶媒であり、その
例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール、is
o−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。
特に一価アルコールが好ましい。
【0017】溶解された画像形成層の除去 本発明は、刷版画像を形成した後、該溶剤により溶解さ
れた画像形成層を除去することを含んでなる。これによ
って、印刷用刷版が得られる。除去方法としては溶媒除
去などが挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、
画像形成層を溶解しない溶剤を用いて除去することが好
ましい。より好ましい態様によれば、該溶剤をインクジ
ェット記録方法により吐出させて、溶解した前記画像形
成層を除去することが好ましい。
【0018】印刷用版材の帯電 本発明の好ましい態様によれば、画像形成層を有する印
刷用版材の表面または裏面に、正または負の電荷を帯電
させることを含んでなることが好ましい。印刷用版材に
正または負の電荷を帯電させる工程を含んでなることに
よって、画像形成層に吐出された溶剤は印刷用版材の画
像形成層の垂下方向に直接浸透することができ、水平方
向への拡散を防止することができる。この結果、刷版画
像を迅速に形成するこことができ、また形成された刷版
画像層のサイド侵食という問題を顕著に回避することが
できる。
【0019】印刷用版材に電荷を帯電させる工程は、本
発明による全ての工程において行うことができる。好ま
しくは、画像形成層に、画像形成層を溶解させる溶剤を
インクジェット記録方法により付着させて刷版画像を形
成する際に、即ち、溶剤を画像形成層に吐出させる時点
から溶剤を付着させて刷版画像を形成させる時点まで、
行うことが好ましい。
【0020】帯電させる方法を図2を用いて説明する。
図2−1は、帯電器11によって、印刷用版材3の表面
である画像形成層を正の電荷に帯電した状態を示した図
である。印刷用版材3の表面は帯電器11によって正の
電荷に帯電しているため、印刷用版材3は内部電界、即
ち表面が正極で裏面が負極の内部電界が生じている。こ
こで、電荷制御剤を分散させて正の電荷に帯電させた溶
剤を用意する。用意した溶剤は、印刷用版材3の表面と
同一の正の電荷に帯電している。正の電荷に帯電させた
溶剤をインクジェット記録ヘッド1から吐出させて印刷
用版材3の表面に付着させる。印刷用版材3の表面に入
射した溶剤は、入射方向の運動エネルギーが、印刷用版
材3の表面と溶剤との電気エネルギーよりも大きいた
め、表面内部に入射する。その後、溶剤は、印刷用版材
3が内部電界を生じているため、印刷用版材3の垂下方
向に迅速に浸透しする。その結果、溶剤が印刷用版材3
の水平方向に拡散するのを防止することができる。
【0021】図2−3は、帯電器14によって、印刷用
版材3の表面を負の電荷に帯電した状態を示した図であ
る。帯電させる方法は、上記した図2−1を用いて説明
したのと同様である。相違する点は印刷用版材3の表面
と溶剤とを負の電荷に帯電させた点のみである。
【0022】本発明にあっては、上記したように、帯電
器で帯電させた印刷用版材の表面に、同一の電荷で帯電
させた溶媒をインクジェット記録方法を用いて吐出させ
て刷版画像を形成することができる。その一方、本発明
にあっては、帯電器で印刷用版材の裏面を帯電させて、
印刷用版材の表面に溶媒をインクジェット記録方法を用
いて吐出させることによって刷版画像を形成することも
できる。この態様を図2−2を用いて説明する。
【0023】図2−2は、帯電器11によって、印刷用
版材3の裏面である基材を正の電荷に帯電した状態を示
した図である。印刷用版材3の裏面は帯電器11によっ
て正の電荷に帯電しているため、印刷用版材3は内部電
界、即ち表面が負極で裏面が正極の内部電界が生じてい
る。このため、図中に表していないが印刷用版材3の表
面は負の電荷で帯電している。電荷制御剤を分散させて
負の電荷に帯電させた溶剤(例えば酸性剤)をインクジ
ェット記録ヘッド1から吐出させて印刷用版材3の表面
に付着させる。それ以降の機構は上記した図2−1およ
び図2−3で説明したのと同様である。
【0024】印刷用版材を帯電する方法としては、慣用
されている帯電手段を用いることができ、例えば、コロ
ナ帯電(図2−1および図2−2における帯電器1
1)、ロール帯電(図2−3における帯電器14)など
を用いることができる。帯電させるための印加電圧、時
間等は製造する印刷用刷版、製造装置等によって適宜定
めることができる。
【0025】本発明において、溶剤を電荷で帯電する場
合に用いる電荷制御剤は、例えば、正の電荷に帯電させ
る場合には、ニグロシン等が挙げられ、負の電荷に帯電
させる場合には、サリチル酸金属塩等が挙げられる。電
荷制御剤を用いる場合には、溶剤の種類等によって適宜
定めることができる。
【0026】画像形成層の重合または架橋 本発明の別の好ましい態様によれば、光照射または加熱
を行い、それによって、画像形成層を重合または架橋さ
せることが好ましい。画像形成層が重合または架橋され
ると硬化するので、印刷用刷版の耐刷性、耐熱性を向上
させることができる。加熱または光照射させて、画像形
成層を重合または架橋させる工程は、画像形成層に、画
像形成層を溶解する溶剤を吐出させて刷版画像を形成さ
せた後であっても、また、溶剤によって溶解された画像
形成層を除去した後であってもよい。好ましくは溶剤に
よって溶解された画像形成層を除去した後が好ましい。
【0027】刷版画像は各種印刷方法および装置に合致
させて行うことができる。よって、形成される刷版画像
は実像または鏡像のいずれの場合であってもよい。この
点、後述する本発明による第一または第二の態様による
製造方法によって形成される刷版画像においても同様で
あってよい。
【0028】印刷用版材 本発明による製造方法は、画像形成層をその表面に有す
る印刷用版材を用いる。本発明にあっては、印刷用版材
は、基板と画像形成層とを少なくとも有するものであ
る。このような版材は印刷物、印刷方法によって適宜選
択することができる。
【0029】基板 基板としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、マグネシ
ウム、スチル、銅、クロム、ニッケル、鉄、またはこれ
らの二種以上の合金などの金属;ナイロン、ポリエステ
ルなどの合成樹脂;絹、綿、紙の天然繊維等;が挙げら
れるが、耐刷性、耐熱性、サイズ安定性等の理由から金
属が、また使用の便宜から合成繊維が、好ましい。
【0030】金属製の基板にあっては、研磨剤または研
磨機によって板表面に目立ってを行ったり、陽極酸化処
理によって酸化被膜処理を施してもよい。さらには、金
属製基板表面を、酸等の整面剤;クロナク液、ブルナク
液などの酸化防止剤;プリエッチング処理を目的として
不感脂化剤;等によって処理してもよい。本発明にあっ
ては、表面を酸化被膜処理(酸化アルミニウム被覆)を
施したアルミニウム版が好ましい。基板の厚みは、印刷
目的、印刷装置等に合わせて適宜定めることができる
が、一般には0.1〜5μm程度であり、好ましくは
0.1〜1.5μm程度である。
【0031】画像形成層 画像形成層は、基板上に、画像形成剤を少なくとも含ん
でなる層をいう。本発明にあっては、画像形成層は硬化
物または軟化物のいずれであってもよい。画像形成剤と
しては、例えば、モノマー、ポリマー、プレポリマー、
重合開始剤、重合禁止剤、天然または合成高分子、着色
剤、感光剤、可塑剤等、またはこれらの混合物から選択
される。
【0032】本発明の好ましい態様によれば、画像形成
剤は、熱、光、または重合開始剤によって硬化する樹脂
が好ましい。このような樹脂の具体例としては、光重合
性基または熱重合性基を有するモノマーまたはオリゴマ
ーの一種または二種以上を重合または架橋させてなる樹
脂である。光重合性基または熱重合性基を有するモノマ
ーまたはオリゴマーの具体例としては、アクロイル基、
メタクリロイル基、アクリルアミド基、マレイン酸ジエ
ステル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、ビ
ニルチオエーテル基、ビニルアミノ基、グリシジル基、
アセチレン性不飽和基等を一分子中に有してなる単官能
性または多官能性のモノマーまたはオリゴマーである。
【0033】上記のモノマーまたはオリゴマーの具体例
としては、アクリレート、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ベン
ジルアクリレート、カルビトールアクリレート、2−メ
チルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシメチル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシイ
ソプロピルアクリレート、グリシジルアクリレート等の
アクロイル基を有するモノマー; メタクリレート、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、カルビトールメタクリレート、2−メチルヘキシル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシメチルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシイ
ソプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート
などのメタクリロイル基を有するモノマー; アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチルロールアクリル
アミド、N−エチロールアクリルアミド、N−ジアセト
ンアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミ
ドなどのア(メタ)クリルアミド基を有するモノマー;
ビニル、ビニールアルコール、スチレン、マレイン
酸、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニル
ピロリドンなど;の単官能性モノマーが挙げられる。
【0034】また、エチレングリコールジア(メタ)ク
リレート、ジエチレングリコールジア(メタ)クリレー
ト、トリエチレングリコールジア(メタ)クリレート、
ポリエチレングリコールジア(メタ)クリレート、ポリ
プロピレングリコールジア(メタ)クリレート、ブチレ
ングリコールジア(メタ)クリレート、ポリブチレング
リコールジア(メタ)クリレート、ネオペンチルグリコ
ールジア(メタ)クリレート、1,4−ブタンジオール
ジア(メタ)クリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
ア(メタ)クリレート、ペンタエリトリトールジア(メ
タ)クリレート、ペンタエリトリトールトリア(メタ)
クリレート、トリメチロールプロパントリア(メタ)ク
リレート、テトラメチロールメタンテトラア(メタ)ク
リレートなどの多官能性アクリル系モノマーまたはオリ
ゴマー; イソシアナートとハイドロオキシ基を有する
化合物とをウレタン化したウレタン型アクリル性エステ
ル系モノマー; ジアリルフタレート、ジアリルイソフ
タレート、ジアリルクロレンデート、ジアリルアジペー
ト、ジアリルジグリコラート、トリアシルシアヌレート
などのアリル系の多官能性モノマー;N、N−メチレン
ビスアクリルアミド、ヘキサメチレンビスアクリルアミ
ドなどの不飽和アミドモノマー; 9−(ω−メトキシ
ブテニル)アントラキノールなどのアセチレン性不飽和
モノマー; グリシジル基を有するモノマー;なども用
いることができる。
【0035】モノマーまたはオリゴマーを重合させる重
合開始剤としては、ベンゾイン、多核キノン類などのカ
ルボニル化合物; アソビスイソブチロニトリル、ジア
ゾニウム化合物等のアゾ化合物;メルカプタン類;アル
キルジスルフィド類などの有機硫黄化合物;四塩化炭
素、ハロゲン化銀などのハロゲン化化合物;シアニン、
アミン、リボフラビンなどの感光色素類;有機金属化合
物;マンガンカルボニルなどの金属カルボニル類;錫塩
類;酸化亜鉛;などが挙げられる。
【0036】本発明の好ましい態様によれば、上記した
モノマーまたはオリゴマーには、さらにポリマーまたは
プレポリマーを混合して用いることができる。これによ
って硬化性または架橋性をさらに強化することが可能と
なる。本明細書においては、「ポリマー」とは既に高分
子化されて重合性の基を有しないものをいい、「プレポ
リマー」とは重合性の基を有し、重合時にさらに高分子
化するポリマーまたはオリゴマーをいう。
【0037】ポリマーまたはプレポリマーの具体例とし
ては、エポキシ樹脂、少なくとも2つ以上のエポキシ基
を有するエポキシプレポリマー、不飽和ポリエステル、
側鎖または末端に不飽和基を有するポリエステル、ポリ
ウレタン、ポリシンナマートなどのポリビニル型プレポ
リマー、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸
−マレイン酸の共重合体、シリコーン型樹脂、等が挙げ
られる。
【0038】感光性樹脂 印刷用版材は、上記した画像形成剤を含んでなる画像形
成層を有するものである。その一方、本発明の別の態様
によれば、画像形成剤は感光性樹脂からなるものであっ
てもよい。また画像形成層は、上記した樹脂に感光性樹
脂を含んでなるのものであっても好ましくは用いること
ができる。感光性樹脂は、露光によって感光する性質を
有するものである。感光性樹脂としては、上記したモノ
マーまたはプレポリマーを重合または架橋させたものを
用いることができる。また後述する感光剤と上記した樹
脂との混合物であってもよい。
【0039】感光性樹脂の具体例としては、ポリビニル
シンナマート、ポリビニールアルコールのケイ皮酸−二
塩基酸混合エステル、エチレン−ビニールアルコールの
ケイ皮酸エステル、グリプタル樹脂のケイ皮酸エステ
ル、エポキシ樹脂のケイ皮酸エステル、ポリエーテルの
ケイ皮酸エステル、アクリル酸のケイ皮酸エステル、ス
チレンのケイ皮酸エステル、スチレン−無水マレイン酸
共重合体のケイ皮酸エステルのシンナモイル型高分子、
ポリビニルシンナミリデンアセテート、ポリビニルベン
ザルアセトフェノン、ポリビニルスチリルピリジウム、
スチリルケトン系高分子などのポリビニルシンナマート
およびそれに類似のポリマー;ジアゾニウム塩残基を有
するポリマー、ナフトキノンジアジド残基を有するポリ
マーなどのジアゾ系感光性ポリマー、ポリビニルシンナ
マート、ポリ(ビニルセテート−アジドフタレート)、
ポリアジドスチレン、ポリビニルーアジドベンザールな
どのアジド残基を有するアジド系感光性ポリマー;チア
ゾール残基、ジチオカルバマート残基、ザンタート残
基、またはニトロ残基を有するポリマー;などが挙げら
れる。
【0040】感光剤 本発明における画像形成層は、クロム酸系感光剤、有機
感光剤等の感光剤を含んでも良い。
【0041】クロム酸系感光剤 クロム酸系感光剤の具体例としては、重クロム酸アンモ
ニウム、クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム、
クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウム、クロム酸ナ
トリウム等が挙げられ、好ましくは、重クロム酸アンモ
ニウム、クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウムで
ある。
【0042】クロム酸系感光剤を用いる場合、アルカリ
剤可溶層成分としては、蛋白質、炭水化物、天然樹脂な
どの天然成分、合成高分子物質が挙げられ、例えば、卵
白、グルー、フィッシュグルー、アラビアゴム、ゼラチ
ン、セラック、カゼイン、セルロースなどの天然成分、
ポリビニールアルコール、ポリビニールアルコールとポ
リ酢酸ビニルエマルジョンなどの合成高分子物質を用い
ることが好ましい。有機感光剤 有機感光剤の具体例としては、p−ジアゾジフェニルア
ミン塩化物等のジアゾニウム塩類、オルソナフトキノジ
アジド類などのジアゾ基を有する芳香族化合物;2,6
−ジクロロ−4−ニトロ−アジドベンゼン、アジドフェ
ニル、p−フェニレンビスアジド、p−アジドベンゾフ
ェノン、1−アジトピレンなどのアジド基を有する芳香
族化合物が挙げられる。
【0043】着色剤 本発明における着色剤としては、染料、顔料のいずれで
あってもよい。染料としては、直接染料、酸性染料、食
用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染
料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジ
ェット記録に使用する各種染料を使用することができ
る。
【0044】顔料としては、特に限定されず、無機顔料
および有機顔料のいずれも使用することができる。無機
顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタ
クト法、ファーネスト法、サーマル法などの公知の方法
によって製造されたカーボンブラックを使用することが
できる。また、有機顔料としては、アゾ染料(アゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料
などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔
料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔
料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジ
ゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料な
ど)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、
酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔
料、アニリンブラックなどを使用することができる。
【0045】画像形成層を基板に塗工する方法として
は、慣用方法を用いることができるよって行われ、例え
ば、塗布、含浸、浸漬等が挙げられる。好ましくは、画
像形成層調製液をコーターヘッドを有する塗工機で行う
ことが好ましい。コータヘッドは塗工液、基材、製造す
る記録媒体に適宜適合させて選択することができる。コ
ーターヘッドとしては、ブレードコーター、エアナイフ
コーター、グラビアコーター、トランスファーロールコ
ーター(KCMコーター、ゲートロールコーターなど)、ロ
ットコーター、バーコーター、ハイドロバーコーター、
ダイコーター、ビードコーター、カーテンコーター等が
挙げられる。そして、その後に、乾燥さることで印刷用
版材を得ることができる。画像形成層の厚みは、印刷目
的、印刷装置等に合わせて適宜定めることができるが、
一般には10〜200μm程度であり、好ましくは10
〜50μm程度である。
【0046】本発明による印刷用版材は上記したように
して製造することができるが、市販品を用いることがで
きる。
【0047】第二の態様による製造方法 本発明による第二の態様による製造方法を図1−2を用
いて説明する。先ず、画像形成層をその表面に有する印
刷用版材3を用意する。次に、画像形成層に、第一溶剤
をインクジェット記録ヘッド1により付着させて刷版画
像を形成する。ここで、第一溶剤は画像形成層を第二溶
剤に対して不溶化させるものである。例えば、画像形成
層が第二溶剤に可溶なものである場合、第一溶剤は画像
形成層が第二溶剤に対して不溶化させる溶剤を用いる。
この場合、第一溶剤の具体例としては、画像形成層を重
合または架橋させて硬化させて第二溶剤に対して不溶化
させる溶剤、例えば重合開始剤、硬化剤、モノマー、プ
レポリマー、およびこれらの混合物;感光剤;感熱剤等
が挙げられる。刷版画像が形成された後に、第二溶剤に
より、第一溶剤が付着していない画像形成層部分のみを
溶解して除去する。これにより、印刷用刷版を製造でき
る。第二溶剤の具体例としては、本発明による第一の態
様による製造方法で述べた画像形成層を溶解させる溶剤
と同様であってよい。なお、上記したように、第一溶剤
と第二溶剤との選択は画像形成層の成分によって適宜定
めることができる。また、本発明の好ましい態様によれ
ば、第二溶剤はインクジェット記録方法によって吐出さ
せて、第一溶剤が付着していない画像形成層部分のみを
除去することが好ましい。
【0048】印刷用版材の帯電 本発明の好ましい態様によれば、画像形成層を有する印
刷用版材の表面または裏面に正または負の電荷を帯電さ
せることを含んでなることが好ましい。印刷用版材を帯
電することによる利点は、本発明による第一の態様によ
る製造方法で述べたのと同様であり、第一溶剤を画像形
成層に垂下方向に浸透させて水平方向の拡散を防止する
ということである。また、印刷用版材を帯電させる方法
等は、本発明による第一の態様による製造方法で述べた
のと同様であってよい。印刷用版材を帯電させる工程
は、本発明による全ての工程において行うことができ
る。好ましくは、画像形成層に、第一溶剤をインクジェ
ット記録方法により付着させて刷版画像を形成する工程
の際に行うことが好ましい。
【0049】画像形成層の重合または架橋 本発明の別の好ましい態様によれば、光照射または加熱
を行い、それによって、画像形成層を重合または架橋さ
せることが好ましい。画像形成層を重合または架橋させ
る利点は、本発明による第一の態様による製造方法で述
べたのと同様である。加熱または光照射させて、画像形
成層を重合または架橋させる工程は、画像形成層に、第
一溶剤をインクジェット記録方法により付着させて刷版
画像を形成する工程の際もしくはその後に、または第二
溶剤により、第一溶剤が付着していない画像形成層部分
のみを除去する工程の際もしくはその後に、行うことが
好ましい。より好ましくは、第二溶剤により、第一溶剤
が付着していない画像形成層部分のみを除去する工程の
後に行うのが好ましい。
【0050】本発明による第二の態様による製造方法で
用いられる印刷用版材、第二の態様による製造方法で製
造される印刷用刷版の用途等は、上記した本発明による
第一の態様による製造方法で述べたのと同様であってよ
い。
【0051】第三の態様による製造方法 本発明による第三の製造方法を図1−3を用いて説明す
る。先ず、画像形成層をその表面に有する印刷用版材3
を用意する。次に、画像形成層に、第一溶剤をインクジ
ェット記録ヘッド1により付着させて刷版画像を形成す
る。ここで、第一溶剤は、画像形成層を第二溶剤に対し
て可溶化させるものである。例えば、画像形成層が第二
溶剤に不溶な成分で形成されている場合、第一溶剤は画
像形成層を第二溶剤に対して可溶な溶剤を用いる。刷版
画像が形成された後、第二溶剤により、第一溶剤が付着
した画像形成層部分を除去する。これにより、印刷用刷
版を製造することができる。ここで、第二溶剤は第一溶
剤が付着した画像形成層部分を溶解する溶剤である。第
二溶剤の具体例としては、本発明による第一の態様によ
る製造方法で述べた画像形成層を溶解させる溶剤として
列記されたものを用いてよいが、用いるに際しては画像
形成層を溶解させないものを選択する必要がある。な
お、上記したように、第一溶剤と第二溶剤との選択は画
像形成層の成分によって適宜定めることができる。ま
た、本発明の好ましい態様によれば、第二溶剤はインク
ジェット記録方法によって吐出させて、第一溶剤が付着
した画像形成層部分のみを除去することが好ましい。
【0052】印刷用版材の帯電 本発明の好ましい態様によれば、画像形成層を有する印
刷用版材の表面または裏面に正または負の電荷を帯電さ
せることを含んでなることが好ましい。印刷用版材を帯
電することによる利点は、本発明による第一の態様によ
る製造方法で述べたのと同様であり、第一溶剤を画像形
成層に垂下方向に浸透させて水平方向の拡散を防止する
ということである。印刷用版材を帯電させる方法等は、
本発明による第一の態様による製造方法で述べたのと同
様であってよい。印刷用版材を帯電させる工程は、本発
明による全ての工程において行うことができる。好まし
くは、画像形成層に、第一溶剤をインクジェット記録方
法により付着させて刷版画像を形成する工程の際に行う
ことが好ましい。
【0053】画像形成層の重合または架橋 本発明の別の好ましい態様によれば、光照射または加熱
を行い、それによって、画像形成層を重合または架橋さ
せることが好ましい。画像形成層を重合または架橋させ
る利点は、本発明による第一の態様による製造方法で述
べたのと同様である。加熱または光照射させて、画像形
成層を重合または架橋させる工程は、画像形成層に、第
一溶剤をインクジェット記録方法により付着させて刷版
画像を形成する工程の際もしくはその後に、または第二
溶剤により、第一溶剤が付着した画像形成層部分のみを
除去する工程の際にもしくはその後に、行うのが好まし
い。第二溶剤により、第一溶剤が付着した画像形成層部
分のみを除去する工程の後に行うのが好ましい。
【0054】本発明による第三の態様による製造方法に
用いられる印刷用版材、第三の態様による製造方法で製
造される印刷用刷版の用途等は、上記した本発明による
第一の態様による製造方法で述べたのと同様であってよ
い。
【0055】印刷用刷版の用途 本発明による製造方法によって製造された印刷用刷版
は、各種の印刷用刷版として用いることができる。特
に、凸版印刷、凹版印刷、平板印刷、またはスクリーン
印刷に好ましくは用いられる。そして、本発明によって
製造された印刷用刷版は、凸版印刷、凹版印刷、平板印
刷、またはスクリーン印刷に使用されて印刷物を製造す
ることができる。
【実施例】以下の実施例によって、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0056】下記の例において、インクジェット記録プ
リンタは、PM−9000C(セイコーエプソン社製)
であり、印刷機はRYOBI 3200PCX(リョウ
ービ(株)社製)である。
【0057】例1 印刷用版材の調製 ポリエチレンテレフタレートフィルム100μmを基板
として、その上に、15重量%のポリビニルアルコール
水溶液を塗布して、塗布膜5〜10μm程度の印刷用版
材を調製した。印刷用刷版の製造 インクジェット記録プリンタの記録ヘッドに、pH1
0.5で15重量%の水酸化ナトリウム水溶液を充填し
た。原稿をデジタル処理した画像信号によって、記録ヘ
ッドからこの水酸化ナトリウム水溶液を印刷用版材の表
面に吐出させて刷版画像を印刷した。その後、30重量
%含水エタノール溶液中に、印刷した印刷用版材を浸漬
して、印刷部分を溶解して印刷用刷版を製造した。印刷用刷版の評価 製造した印刷用刷版を印刷機にセットして、印刷を行っ
たところ、原稿を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0058】例2 印刷用版材の調製 ポリエチレンテレフタレートフィルム100μmを基板
として、その上に、15重量%のポリビニルアルコール
水溶液を塗布して、塗布膜5〜10μm程度の印刷用版
材を調製した。印刷用刷版の製造 インクジェット記録プリンタの記録ヘッドに、10重量
%の重クロム酸アンモニウム水溶液を充填した。原稿を
デジタル処理した画像信号によって、記録ヘッドからこ
の重クロム酸アンモニウム水溶液を印刷用版材の表面に
吐出させて刷版画像を印刷した。その後、水中に、印刷
した印刷用版材を浸漬して、非印刷部分を溶解し印刷用
刷版を製造した。印刷用刷版の評価 製造した印刷用刷版を印刷機にセットして、印刷を行っ
たところ、原稿を忠実に再現した印刷物が得られた。
【0059】例3 印刷用版材の調製 ポリエチレンテレフタレートフィルム100μmを基板
として、その上に、15重量%のポリビニルアルコール
水溶液と15重量%のポリビニルピロリドンとを50:
50の重量比で塗布して、塗布膜5〜10μm程度の印
刷用版材を調製した。印刷用刷版の製造 インクジェット記録プリンタの記録ヘッドに、pH1
0.5で15重量%の水酸化ナトリウム水溶液を充填し
た。原稿をデジタル処理した画像信号によって、記録ヘ
ッドからこの水酸化ナトリウム水溶液を印刷用版材の表
面に吐出させて刷版画像を印刷した。その後、水中に、
印刷した印刷用版材を浸漬して、印刷部分を溶解して印
刷用刷版を製造した。印刷用刷版の評価 製造した印刷用刷版を印刷機にセットして、印刷を行っ
たところ、原稿を忠実に再現した印刷物が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による製造方法を示す図である。
図1−1は本発明による第一の態様による製造方法を示
すものであり、図1−2は本発明による第二の態様によ
る製造方法を示すものであり、図1−3は本発明による
第三の態様による製造方法の全工程を示すものである。
【図2】図2は本発明による印刷用版材を帯電させ、イ
ンクジェット記録方法によって刷版画像を形成し印刷用
刷版を製造する方法を示す図である。図2−1は画像形
成層の表面をコロナ帯電によって正極に帯電させて、印
刷用刷版を製造しているものを示したものであり、図2
−2は印刷用版材の裏面をコロナ帯電によって帯電させ
て、印刷用刷版を製造しているものを示したものであ
り、図2−3は画像形成層の表面をロール帯電によって
負極に帯電させて、印刷用刷版を製造しているものを示
したものである。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 3 印刷用版材 11 コロナ帯電器 14 ロール帯電器

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷画像が形成された印刷用刷版の製造方
    法であって、 画像形成層をその表面に有する印刷用版材を用意し、 前記画像形成層に、画像形成層を溶解する溶剤をインク
    ジェット記録方法により付着させて刷版画像を形成し、
    その後前記溶剤により溶解された前記画像形成層を除去
    することを含んでなる、製造方法。
  2. 【請求項2】前記溶剤により溶解された前記画像形成層
    の除去を、画像像形成層を溶解しない溶剤をインクジェ
    ット記録方法により吐出させて行う、請求項1に記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記画像形成層に、画像形成層を溶解させ
    る溶剤をインクジェット記録方法により付着させて刷版
    画像を形成する際に、 印刷用版材の表面または裏面に、正または負の電荷を帯
    電させることを含んでなる、請求項1または2に記載の
    製造方法。
  4. 【請求項4】印刷画像が形成された印刷用刷版の製造方
    法であって、 画像形成層をその表面に有する印刷用版材を用意し、 前記画像形成層に、第一溶剤をインクジェット記録方法
    により付着させて刷版画像を形成し、その後第二溶剤に
    より、第一溶剤が付着していない前記画像形成層部分の
    みを除去することを含んでなり、 第一溶剤が、前記画像形成層を第二溶剤に対して不溶化
    させるものであり、かつ第二溶剤が、第一溶剤が付着し
    ていない前記画像形成層部分のみを溶解するものであ
    る、製造方法。
  5. 【請求項5】第二溶剤をインクジェット記録方法により
    吐出させて、第一溶剤が付着していない前記画像形成層
    部分のみを除去するものである、請求項5に記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】前記画像形成層に、第一溶剤をインクジェ
    ット記録方法により付着させて刷版画像を形成する際
    に、 印刷用版材の表面または裏面に、正または負の電荷を帯
    電さるせことを含んでなる、請求項4または5に記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】印刷画像が形成された印刷用刷版の製造方
    法であって、 画像形成層をその表面に有する印刷用版材を用意し、 前記画像形成層に、第一溶剤をインクジェット記録方法
    により付着させて刷版画像を形成し、その後第二溶剤に
    より、第一溶剤が付着した前記画像形成層部分のみを除
    去することを含んでなり、 第一溶剤が、前記画像形成を第二溶剤に対して可溶化さ
    せるものであり、かつ、 第二溶剤が、第一溶剤が付着した前記画像形成層部分の
    みを溶解するものである、製造方法。
  8. 【請求項8】第二溶剤をインクジェット記録方法により
    吐出させて、第一溶剤が付着した前記画像形成層部分の
    みを除去するものである、請求項7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】前記画像形成層に、第一溶剤をインクジェ
    ット記録方法により付着させて刷版画像を形成する際
    に、 印刷用版材の表面または裏面に、正または負の電荷を帯
    電させることを含んでなる、請求項7または8に記載の
    製造方法。
  10. 【請求項10】光照射または加熱を行い、それによって
    画像形成層を重合または架橋させることをさらに含んで
    なる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】画像形成層を溶解させる溶剤または第二
    溶剤が、アルカリ剤、酸剤、水溶性有機溶媒、または水
    からなる群から選択される一種または二種以上の混合物
    である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方
    法。
  12. 【請求項12】形成される刷版画像が実像または鏡像で
    ある、請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方
    法。
  13. 【請求項13】画像形成層が感光性樹脂を含んでなるも
    のである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造
    方法。
  14. 【請求項14】画像形成層がクロム系感光剤または有機
    感光剤をさらに含んでなるものである、請求項1〜13
    のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】有機感光剤がジアゾ基またはアジド基を
    有する芳香族化合物である、請求項14に記載の製造方
    法。
  16. 【請求項16】印刷用版材が、酸化アルミニウム被膜層
    を有するアルミニウム基板と、その上に画像形成層とを
    含んでなるものである、請求項1〜15のいずれか一項
    に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】印刷用刷版が、凸版印刷、凹版印刷、平
    板印刷、またはスクリーン印刷に用いられるものであ
    る、請求項1〜16に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項1〜17のいずれか一項に記載さ
    れた製造方法で製造された印刷用刷版。
  19. 【請求項19】印刷用刷版にインク組成物を付着させて
    記録媒体に印刷を行う方法であって、 前記印刷用刷版が請求項1〜17のいずれか一項に記載
    された製造方法で製造された印刷用刷版を用いて印刷を
    行う、方法。
  20. 【請求項20】印刷方法が、凸版印刷、凹版印刷、平板
    印刷、またはスクリーン印刷のいずれか一種または二種
    以上の組み合わせからなる印刷方法である、請求項19
    に記載の方法。
  21. 【請求項21】請求項19または20に記載の方法で印
    刷された、印刷物。
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