JP2001206908A - ヒドロシリル化反応の促進方法 - Google Patents

ヒドロシリル化反応の促進方法

Info

Publication number
JP2001206908A
JP2001206908A JP2000014879A JP2000014879A JP2001206908A JP 2001206908 A JP2001206908 A JP 2001206908A JP 2000014879 A JP2000014879 A JP 2000014879A JP 2000014879 A JP2000014879 A JP 2000014879A JP 2001206908 A JP2001206908 A JP 2001206908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
polymer
group
hydrosilylation reaction
hydrosilylation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000014879A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4302272B2 (ja
Inventor
Keizo Hayashi
敬蔵 林
Naoki Furukawa
直樹 古川
Masahiro Tsujinaka
正博 辻中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2000014879A priority Critical patent/JP4302272B2/ja
Publication of JP2001206908A publication Critical patent/JP2001206908A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4302272B2 publication Critical patent/JP4302272B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/42Introducing metal atoms or metal-containing groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 アルケニル基を含有する重合体と珪素化合物とを、第8
族金属を含む触媒を用いて反応させるにあたり、キノン
化合物を存在させヒドロシリル化反応を促進させる。 【課題】不飽和結合を有する重合体と水素化珪素化合物
との触媒を利用したヒドロシリル化反応に関する反応促
進方法。 【解決手段】アルケニル基(炭素−炭素不飽和結合)を
含有する重合体と珪素化合物とを、第8族金属を含む触
媒を用いて反応させるにあたり、キノン化合物を存在さ
せ、ヒドロシリル化反応を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化珪素化合物
とアルケニル基を有する重合体とのヒドロシリル化反応
に関するものであり、更に詳しくは、ヒドロシル化反応
の促進方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Si−H基を有する水素化珪素化合物
が、アルケニル基に付加する反応は、一般にヒドロシリ
ル化反応とよばれている(なお、本発明のアルケニル基
とは、炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す)。
【0003】この反応を利用する技術分野で知られてい
る主要な問題点として、それぞれの反応条件下におい
て、反応中に触媒の活性が低下する等の理由により、反
応途中でヒドロシリル化反応の速度が低下したり、ある
いは反応が停止することが挙げられる。反応速度の低下
により、反応に要する時間が長くなるばかりでなく、副
反応の割合が相対的に増大して所望のヒドロシリル化反
応の選択性が低下することがある。高価な金属触媒の添
加量を増やすことにより反応を加速することは可能であ
るが、反応生成物中に残留する触媒量が増えるためその
後の利用にとって好ましくない場合もある(例えば高分
子重合体のヒドロシリル化反応の場合は、触媒由来の黒
色粉末を除去することが困難であるため、製品が黒く濁
ってしまうという問題がある)。
【0004】ヒドロシリル化反応を促進する種々の方法
が知られている。例えばOnopchenko.A.ら(J.Org.Chem.,
52,4118,(1987))やLewis.L.N.ら(J.Am.Chem.Soc.,112,5
998,(1990))、あるいは特開平5−213972や特開
平8−283339で報告されているように、白金触媒
が失活した場合、触媒を再活性化する為に酸素を使用す
る方法が知られている。
【0005】また、反応を促進する有効な物質について
も、アセチレンアルコール類(特開平8−23156
3)、不飽和の第二及び第三アルコール類(特開平8−
291181)、第三アルコール類(特開平8−333
373)、不飽和ケトン類(特開平8−20883
8)、エン−イン不飽和化合物(特開平9−2528
1)、カルボン酸化合物(特開平11−246770)
等を添加する方法が知られている。
【0006】更に、Karsted触媒の配位子(テトラメチ
ルビニルシロキサン)をメチルナフトキノンなどに変換
し、活性を高めた白金触媒を用いる方法(Jean Fisher
ら、Chem.Eur.J.,4,2008-2017,(1998))が知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルケニル
基を含有する有機重合体のヒドロシリル化反応に関する
ものである。低分子化合物とは異なって、有機重合体等
の高分子化合物の反応では反応活性の低下が起こりやす
いという問題がある(本発明では、反応活性が低下する
とは、反応速度が小さい又は反応収率が低い又は触媒が
失活するという現象が起こることをいう。)。特に、不
飽和基濃度が低い場合、反応液の粘性が高い場合、末端
オレフィンよりも活性が低い内部オレフィンの反応をお
こなう場合に反応活性の低下が起こりやすい。あるいは
反応原料や溶媒に反応阻害物質が含まれる場合にも反応
活性が低下する傾向がある。さらに反応活性が低下する
系では、反応時間を長くすると、副反応物が多く生成す
る傾向がある。
【0008】ヒドロシリル化により、メトキシシリル基
等の加水分解性シリル基を重合体に導入する反応は重要
である。加水分解性シリル基を有する重合体は、重合体
同士のシラノール縮合反応により高分子量化して架橋体
を形成することが可能であり、このような架橋性の重合
体は有用である。重合体に加水分解性シリル基を導入す
るヒドロシリル化反応の反応率が低下すれば、最終的に
は架橋点密度が低下して、架橋体の強度が低下してしま
う。
【0009】反応収率を上げるためには高価な貴金属触
媒や珪素化合物を多量に用いる方法もあるが、経済的に
好ましくない。しかし、従来から知られているヒドロシ
リル化反応の促進方法は完全なものではなく、問題を十
分に解決できないことがあった。
【0010】また、ヒドロシリル化反応をおこなう際に
は、可燃性物質取り扱いの安全性の観点から反応器気相
部は窒素やヘリウムなどの不活性ガスの存在下で実施す
ることがある。しかし、反応器気相部を窒素やヘリウム
などの不活性ガスに置換した反応条件下でヒドロシリル
化反応をおこなった場合には、反応速度が低下する場合
があるという問題がある。
【0011】本発明の目的は、ヒドロシリル化反応を、
より効果的に促進するための新たな方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討を
おこなった結果、キノン化合物の存在下でヒドロシリル
化反応を行なうことにより、低酸素分圧下あるいは酸素
非存在下で、ヒドロシリル化反応が促進されることを見
いだし、本発明を完成した。
【0013】
【発明の実施の形態】すなわち本発明は、(A)一般式
(1): RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基であ
り、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
てもよい。a、bは0〜3の整数、cは1〜3の整数
で、a+b+c=4となる。)で表される珪素化合物
と、(B)アルケニル基を含有する重合体とのヒドロシ
リル化反応を、(C)第8族金属を含む触媒、および
(D)キノンの存在下で行なうことを特徴とするヒドロ
シリル化反応方法に関する。
【0014】本発明を実施する具体的な様態について詳
しく説明する。
【0015】本発明における最大の特徴はヒドロシリル
化反応系中にキノン化合物を存在させることである。Je
an Fisherら(Chem.Eur.J.,4,2008-2017,(1998))はKar
sted触媒の配位子(テトラメチルビニルシロキサン)を
予めPt触媒と当モルの化合物を用いて配位子を変換さ
せているが、本発明は単にキノン化合物を反応系中添加
するだけで良い。キノン化合物としては、具体的には、
1、4−ベンゾキノン、2−メチル−1、4−ベンゾキ
ノン、ナフトキノン、メナキノン(2−メチルナフトキ
ノン)等を挙げることができるがこれに限定されるもの
ではない。
【0016】キノン化合物を反応系へ添加する際には、
キノン化合物をそのまま加えても良いが、キノン化合物
を溶媒で均一な希釈溶液にすれば、取扱を容易にでき、
反応液全体に一様に分散させることもでき、さらに好都
合である。また、添加方法は一括、分割、連続のどの方
法でも良い。
【0017】本発明において、キノン化合物を種々の溶
媒に溶解希釈する場合、好ましい溶媒としては、例えば
ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、あ
るいはハロゲン化炭化水素、アルコール、グリコール
類、エーテル類、エステル類等を挙げることができる。
【0018】キノン化合物の添加量は、通常、触媒量に
対してモル比で5〜5×108倍であるが、10〜5×
107倍が好ましく、100〜5×106倍がより好まし
く、500〜5×105倍がさらに好ましい。5倍より
も少ないと有機重合体のヒドロシリル化の反応活性が低
下し、5×108倍よりも多くしてもその効果は同じで
ある。また、アルケニル基を含有する重合体のアルケニ
ル基に対するキノン化合物の添加量については、通常、
アルケニル基量に対してモル比で0.00001〜10
0倍であるが、0.0001〜10倍が好ましく、0.
001〜1倍がさらに好ましい。Jean Fisherら(Chem.
Eur.J.,4,2008-2017,(1998))のように触媒と等モルの
キノン化合物のように添加量が少ないと本発明の効果が
十分に達成されない場合がある。
【0019】本発明において一般式(1)で表される珪
素化合物としては、従来知られている化合物を特に制限
無く用いることが出来るが、具体的には例えば、トリク
ロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシ
ラン、トリメチルシロキシジクロロシランなどのハロゲ
ン化シラン類、トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、ジメトキシメチルシラン、メトキシジメチルシラ
ン、ジメトキシフェニルシラン、1,3,3,5,5,
7,7−ヘプタメチル−1,1−ジメトキシテトラシロ
キサンなどのアルコキシシラン類、メチルジアセトキシ
シラン、トリメチルシロキシメチルアセトキシシランな
どのアシロキシシラン類、ジメチルシラン、トリメチル
シロキシメチルシラン、1,1,3,3−テトラメチル
ジシロキサン、1,3,5−トリメチルシクロトリシロ
キサンなどの分子中にSi−H結合を2個以上有するハ
イドロシラン類、メチルジ(イソプロペニルオキシ)シ
ランなどのアルケニルオキシシラン類などが挙げられ、
これらの中では、メチルジクロロシラン、ジメトキシメ
チルシラン、ジエトキシメチルシラン、トリメトキシシ
ラン、トリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0020】本発明の一般式(1)で表される珪素化合
物の使用量は、特に制限されるものではないが、通常、
アルケニル基1モルに対して0.1〜20モルである
が、0.5〜3モルであることが経済的にも好ましい。
【0021】本発明に使用する(B)成分は、1分子中
に少なくとも1個のアルケニル基を含有し、(A)成分
とのヒドロシリル化反応が可能なヒドロシリル化活性の
あるアルケニル基を有していれば特に制限はなく、各種
の重合体を用いることができる。1分子中に存在するア
ルケニル基の数は少なくとも1.1個以上であり、1
0.0個程度まで有するものが好ましい。このアルケニ
ル基の具体的な例としては、ビニル基、アリル基などで
あり、アリルエーテル基として存在するものでも良く、
分子末端にあるものでも分子中にあるものでも良い。重
合体の数平均分子量は500〜200,000であるも
のが好適に使用できるが、好ましくは1,000〜10
0,000であり、特に5,000〜50,000であ
る。また、重合体の製造方法について特に制限はなく、
任意の製造方法で製造された重合体がすべて有効に適用
できる。なお、本発明における数平均分子量は、クロロ
ホルムを移動相とするGPC(ポリスチレン換算値)に
より求めることができる。
【0022】本発明の(B)成分の重合体としては、特
に制限はないが、例えば、ポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、炭化水素
系重合体、飽和炭化水素系重合体を挙げることができ、
これらの中ではポリエーテル、ポリイソブチレン、水添
ポリブタジエン、水添ポリイソプレンが好ましい。
【0023】本発明に使用する(B)成分の重合体を構
成する主鎖は、線状でも、枝分かれ状でも良く、特に制
限はないが、不飽和単量体、特に不飽和炭化水素の重合
によって形成されたものが好ましい。本発明方法の目的
物である官能基含有重合体の工業的利用価値を考慮する
と、主鎖が飽和炭化水素で構成されていることが耐熱性
や耐候性の面から好ましい。その中でも主鎖がイソブチ
レンに基づく繰り返し単位を有するポリイソブチレンや
水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンで構
成されているものが特に好ましい。
【0024】本発明で使用される第8族金属を含む触媒
は、通常、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、イリジウム、プラチナ(白金)を有す
るものであり、これらの第8族金属の単体、金属塩ある
いは有機化合物との錯体として用いられる。具体的に
は、例えば白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブ
ラックなどの担体に固体白金を担持させた担体上の白金
金属、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒ
ド、ケトン等との錯体などの白金化合物、白金−オレフ
ィン錯体[例えばPt(CH2=CH22(PPh3)、
Pt(CH2=CH22Cl2]、白金−ビニルシロキサ
ン錯体[Pt{(vinyl)Me2SiOSiMe
2(vinyl)}、Pt{Me(vinyl)Si
O}4]、白金−ホスフィン錯体[Ph(PPh34
Pt(PBu34]、白金−ホスファイト錯体[Pt
{P(OPh)34]等の白金錯体等が好ましい。ジカ
ルボニルジクロロ白金やAshbyの米国特許第315
9601および3159662号明細書中に記載された
白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxの米
国特許第3220972号明細書中に記載された白金−
アルコラート触媒も好ましい。さらに、Modicの米
国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白
金−オレフィン複合体も有効である。
【0025】これらの触媒は単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。塩化白金酸、白金−オレフ
ィン錯体、白金−アセチルアセトナート錯体、白金−ビ
ニルシロキサン錯体は、比較的反応活性が高いため好ま
しい。
【0026】触媒の使用量には特に制限はないが、通
常、アルケニル基1モルに対して白金触媒を10-1から
10-8モル使用し、10-3から10-6モルの範囲で使用
することが好ましい。触媒の量が10-8モルより少ない
場合は、ヒドロシリル化反応が十分に進行しないことが
ある。また触媒量が多すぎると、原料コストの増大や、
触媒残さの混入により製品の着色や透明度の低下などの
問題が発生する。
【0027】本発明においては、触媒を種々の溶媒に溶
解し希釈することにより、触媒を安定化し、触媒の取扱
を容易にすることが好ましい。好ましい溶媒として、例
えばベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶
媒、あるいはハロゲン化炭化水素、アルコール、グリコ
ール類、エーテル類、エステル類等を挙げることができ
る。
【0028】本発明のヒドロシリル化反応は無溶媒系で
も、溶媒存在下でもおこなうことができる。ヒドロシリ
ル化反応の溶媒としては、通常、炭化水素、ハロゲン化
炭化水素、エーテル類、エステル類を用いることができ
るが、ヘプタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等を用いることが好ましい。
【0029】本発明においては、硫黄化合物を存在下で
ヒドロシリル化反応をおこなうことが好ましい。
【0030】本発明において、ヒドロシリル化反応をお
こなう際の反応器気相部は、窒素やヘリウムなどの不活
性ガスのみから成ってもよいし、酸素等が存在してもよ
い。
【0031】ヒドロシリル化反応をおこなう際には、可
燃性物質取り扱いの安全性の観点から反応器気相部は窒
素やヘリウムなどの不活性ガスの存在下で実施すること
がある。しかし、反応器気相部を窒素やヘリウムなどの
不活性ガスに置換した反応条件下でヒドロシリル化反応
をおこなった場合には、反応速度が低下する場合がある
という問題がある。気相部に酸素が存在すると、ヒドロ
シリル化が促進されることがある。本発明では、反応器
気相部の酸素濃度を、爆発性混合組成を与えない範囲に
設定することにより、酸素存在下で反応を促進しつつ、
安全にヒドロシリル化反応をおこなう場合にも使用が可
能である。反応器気相部の酸素濃度は、通常0.1%以
上であるが、0.5〜10%とすることが好ましい。
【0032】さらに本発明で気相部に酸素を導入する場
合には、反応溶媒や可塑剤が酸素により酸化されること
を抑えるために、酸化防止剤の存在下でヒドロシリル化
反応をおこなうことができる。酸化防止剤としては、ラ
ジカル連鎖禁止剤の機能を有するフェノール系酸化防止
剤、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレ
ゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’
−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンなど
を用いることができる。同様のラジカル連鎖禁止剤とし
てアミン系酸化防止剤、例えば、フェニル−β−ナフチ
ルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec
−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどを
用いることも出来るがこれらに限定されるものではな
い。
【0033】本発明のヒドロシリル化反応温度は、通
常、30℃以上200℃以下であり、好ましくは、50
℃以上150℃以下に設定することができる。
【0034】
【実施例】次に本発明の方法の実施例をあげて更に具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。 実施例1 特開昭63−105005の方法に準じて製造されたア
リル基末端ポリイソブチレン(分子量15000、重合
体1分子当たりのアリル基数が2.0)60gに酸化防
止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾ
ールを0.006g添加した。反応器気相部を真空ポン
プを用い、気相部の酸素を完全に除去し、窒素で置換し
た。窒素気流下、反応系を90℃にし、1、4−ベンゾ
キノン0.13gをトルエン1gで溶解し反応器に添加
し、続いて触媒として白金ビニルシロキサン錯体(8.
31×10-6mmol/μLトルエン溶液)を4.86
μLを反応器に添加した。5分後ジメトキシメチルシラ
ン2.1gを反応器に添加した。ジメトキシメチルシラ
ンを添加して反応を開始してから5時間混合攪拌を継続
した。
【0035】アリル基のヒドロシリル化反応転化率を評
価するために反応液のサンプルを採取して赤外分光光度
計によってアリル官能基の濃度を測定した結果、残存ア
リル基は検出されず従って反応転化率は100%であっ
た。このサンプルについて1H−NMR測定でジメトキ
シメチルシラン導入率を測定したところ、ポリマー1分
子当たり1.6個のシリル基が導入されていた。後述す
る比較例1に比べ反応速度が大幅に改善されたことがわ
かる。
【0036】こうして調整されたシリル基末端ポリマー
を縮合架橋させて定型(JIS3号ダンベル:幅5mm
×厚さ2mm)のゴム状硬化物を作製し、伸張試験によ
って硬化物モジュラスを評価した。縮合架橋はシリル基
末端ポリマーと可塑剤PS−32の混合物重量100に
対して水0.67及びオクチル酸錫2.5の重量比率で
混合して50℃にて20時間かけて硬化させた(ここ
で、シリル基末端ポリマーと可塑剤PS−32の混合比
は、重量比で100:50である)。このゴム状硬化物
の引っ張り試験をして、50%伸張における引っ張り応
力は1.4kg/cm2であった。 実施例2 実施例1と同様の条件にて、ただし1、4-ベンゾキノンを
0.0325gとしてヒドロシリル化反応を6時間実施
した。
【0037】実施例1と同様に反応液のサンプルを採取
して残存アリル官能基の濃度を測定した結果、反応転化
率は100%であった。このサンプルについて、ジメト
キシメチルシラン導入率を測定したところ、ポリマー1
分子当たり1.5個のシリル基が導入されていた。こう
して調整されたシリル基末端ポリマーを縮合架橋させて
定型のゴム状硬化物を作製し、伸張試験によって硬化物
モジュラスを評価した。このゴム状硬化物の引っ張り試
験をして、50%伸張における引っ張り応力は1.3k
g/cm2であった。 比較例1 実施例1と同様の条件にて、ただし1、4-ベンゾキノンを
添加すること無くヒドロシリル化反応を5時間実施し
た。
【0038】実施例1と同様に反応液のサンプルを採取
して残存アリル官能基の濃度を測定した結果、反応転化
率は5%であった。
【0039】さらにヒドロシリル化を継続して反応開始
から10時間後に反応液のサンプルを採取して残存アリ
ル官能基の濃度を測定した結果、反応転化率は10%で
あった。 実施例3 実施例1と同様の条件にて、ただし反応器の気相部分に
は酸素を5vol%含有する窒素としてヒドロシリル化
反応を5時間実施した。
【0040】実施例1と同様に反応液のサンプルを採取
して残存アリル官能基の濃度を測定した結果、反応転化
率は100%であった。このサンプルについて、ジメト
キシメチルシラン導入率を測定したところ、ポリマー1
分子当たり1.5個のシリル基が導入されていた。こう
して調整されたシリル基末端ポリマーを縮合架橋させて
定型のゴム状硬化物を作製し、伸張試験によって硬化物
モジュラスを評価した。このゴム状硬化物の引っ張り試
験をして、50%伸張における引っ張り応力は1.3k
g/cm2であった。
【0041】本発明の方法では、実施例1、2で示した
ように、1、4−ベンゾキノンを存在させることで、窒
素下でヒドロシリル化反応を行うことが可能となった。
比較例1では、ヒドロシリル化反応は10時間で10%
しか反応が進まなかった。これによって本発明方法の反
応促進効果が示されている。また、Jean Fisherら(Che
m.Eur.J.,4,2008-2017,(1998))は、酸素が1%存在す
るとヒドロシリル化反応の促進効果が少ないと述べてい
るが、実施例3で示したように酸素が5%存在しても何
ら促進効果に影響しないことが分かる。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法でアルケニル基を有する重
合体のヒドロシリル化を行うことによって従来の反応促
進法では不十分であった系について、窒素下で十分な反
応速度を得ることが可能になった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1): RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
    またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
    合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
    ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基であ
    り、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
    てもよい。a、bは0〜3の整数、cは1〜3の整数
    で、a+b+c=4となる。)で表される珪素化合物
    と、(B)アルケニル基を含有する重合体とのヒドロシ
    リル化反応を、(C)第8族金属を含む触媒、および
    (D)キノン化合物の存在下で行なうことを特徴とする
    ヒドロシリル化反応方法。
  2. 【請求項2】 (B)アルケニル基を含有する重合体の
    主鎖が飽和炭化水素で構成される重合体である請求項1
    記載の反応方法。
  3. 【請求項3】 (B)アルケニル基を含有する重合体の
    主鎖を構成する繰り返し単位がイソブチレンに起因する
    単位である重合体である請求項1に記載の反応方法。
  4. 【請求項4】 (B)アルケニル基を含有する重合体の
    主鎖がポリエーテルで構成された重合体である請求項1
    に記載の反応方法。
  5. 【請求項5】 (B)アルケニル基を含有する重合体
    が、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレンである請
    求項1に記載の反応方法。
  6. 【請求項6】 硫黄化合物の存在下で行なう請求項1〜
    5記載の反応方法。
  7. 【請求項7】 ヒドロシリル化反応を、酸化防止剤の存
    在下でおこない、ヒドロシリル化反応時の気相部に酸素
    を0.1%以上含有させる請求項1〜6記載の反応方
    法。
JP2000014879A 2000-01-24 2000-01-24 ヒドロシリル化反応の促進方法 Expired - Fee Related JP4302272B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000014879A JP4302272B2 (ja) 2000-01-24 2000-01-24 ヒドロシリル化反応の促進方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000014879A JP4302272B2 (ja) 2000-01-24 2000-01-24 ヒドロシリル化反応の促進方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001206908A true JP2001206908A (ja) 2001-07-31
JP4302272B2 JP4302272B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=18542260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000014879A Expired - Fee Related JP4302272B2 (ja) 2000-01-24 2000-01-24 ヒドロシリル化反応の促進方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4302272B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003091291A1 (fr) * 2002-04-25 2003-11-06 Kaneka Corporation Procede de production de polymere (meth)acrylique termine par un groupe silyle reticulable
JP2008195822A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Kaneka Corp 反応性ケイ素基を有する有機重合体の製造方法
JP2008195823A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Kaneka Corp 反応性ケイ素基を有する有機重合体の製造方法
WO2013168595A1 (ja) 2012-05-10 2013-11-14 ニチアス株式会社 ゴム成形体の製造方法
WO2019163330A1 (ja) * 2018-02-20 2019-08-29 信越化学工業株式会社 有機ケイ素化合物、並びにそれを用いたゴム用配合剤およびゴム組成物

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6869333B2 (ja) 2016-09-02 2021-05-12 株式会社ブリヂストン ポリマーセメントのその場ヒドロシリル化により調製される複数のシラン官能基を有するシス−1,4−ポリジエンの製造
JP7202091B2 (ja) 2018-07-13 2023-01-11 日本放送協会 画質評価装置、学習装置及びプログラム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003091291A1 (fr) * 2002-04-25 2003-11-06 Kaneka Corporation Procede de production de polymere (meth)acrylique termine par un groupe silyle reticulable
US7439308B2 (en) 2002-04-25 2008-10-21 Kaneka Corporation Process for producing (meth)acrylic polymer terminated by crosslinkable silyl group
JP2008195822A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Kaneka Corp 反応性ケイ素基を有する有機重合体の製造方法
JP2008195823A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Kaneka Corp 反応性ケイ素基を有する有機重合体の製造方法
WO2013168595A1 (ja) 2012-05-10 2013-11-14 ニチアス株式会社 ゴム成形体の製造方法
WO2019163330A1 (ja) * 2018-02-20 2019-08-29 信越化学工業株式会社 有機ケイ素化合物、並びにそれを用いたゴム用配合剤およびゴム組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4302272B2 (ja) 2009-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3393906B2 (ja) 官能基を含有する重合体の製造方法
US6121379A (en) Processes for producing polymers having functional groups
EP1018530B1 (en) Method of producing reactive silicon group-containing polyether oligomers
EP1000951B1 (en) Hydrosilylation process and polymers produced by the process
JP4309064B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP4302272B2 (ja) ヒドロシリル化反応の促進方法
JP4007467B2 (ja) ヒドロシリル化反応方法及び該方法により製造される重合体
JPH0660309B2 (ja) 反応性酸化防止剤及びその製法
JP2001131231A (ja) ヒドロシリル化を利用したシリル化物の製造方法及び該シリル化物
JP3782179B2 (ja) 官能基を有する重合体の製造方法
JP2001031719A (ja) 加水分解性シリル基含有エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム及びその製造方法
JP2001131414A (ja) ヒドロシリル化反応方法
JP3825175B2 (ja) ヒドロシリル化の促進方法
JPH09208623A (ja) 官能基を有するイソブチレン系重合体の製造方法
JP4342071B2 (ja) 新規なヒドロシリル化触媒及びその製造方法
US10184026B2 (en) Hydrosilylation method
JP2008195823A (ja) 反応性ケイ素基を有する有機重合体の製造方法
JP4132524B2 (ja) 反応性ケイ素基含有ポリエーテルオリゴマーの製造方法
JP3393905B2 (ja) 官能基含有重合体の製造方法
JP2020094105A (ja) 有機重合体の製造方法および硬化性組成物
JP5451961B2 (ja) 反応性ケイ素基を有する有機重合体の製造方法
JP3445866B2 (ja) 官能基含有重合体の製造方法
JP2011079971A (ja) 反応性ケイ素基を有する有機重合体の製造方法
JPH08100028A (ja) 反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の製造法
JP2005068048A (ja) 反応性ケイ素基含有炭化水素系化合物およびそれを含有する組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090422

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130501

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130501

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130501

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140501

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees