JP2001204998A - アイロン - Google Patents

アイロン

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JP2001204998A
JP2001204998A JP2000016304A JP2000016304A JP2001204998A JP 2001204998 A JP2001204998 A JP 2001204998A JP 2000016304 A JP2000016304 A JP 2000016304A JP 2000016304 A JP2000016304 A JP 2000016304A JP 2001204998 A JP2001204998 A JP 2001204998A
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water
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water tank
temperature
steam
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JP2000016304A
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English (en)
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Hiroshi Yamamoto
広 山本
Kazunori Amano
和徳 天野
Yukihisa Kobayashi
幸久 小林
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Toshiba Home Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベースの温度が低下したり、ベースの設定温
度を低くした場合でも、ミストを十分に発生させる。 【解決手段】 第1の水タンク8の水を気化器21に供給
し、気化器21で発生したスチームをスチーム通路50から
ミストノズル部53に導く。このミストノズル部53から噴
射されるスチームの流速を利用して、第1の水タンク8
内の水をミストノズル部53に導き、ミストとして噴射す
る。ベース3と気化器21は、第1のヒータ2および第2
のヒータ22により各々独立して温度制御される。したが
って、アイロン掛け作業によりベース3の温度が低下し
たり、ベース3の設定温度を低くした場合でも、気化器
21は予め設定された温度を維持しており、ミストノズル
部53より十分なミストを発生できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣類などのしわ伸
ばしを行なう加湿装置を備えたアイロンに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種のスチー
ム機能とミスト機能とを兼用するアイロンは、例えば実
公昭43−14792号などに開示される。以下、その
構成を図12に基づき説明すと、掛け面を形成するベー
ス201は、加熱手段であるヒータ202により加熱され、ベ
ース201に備えたサーモスタット(図示せず)により温
度制御される。また、203はベース201に形成した気化室
で、これは底部に凹部204を形成するとともに、ベース2
01の底部に設けた噴出口205に連通している。
【0003】206は気化室203を覆ってベース201の上面
側に固着した気化室蓋であり、気化室203ひいては気化
室蓋206の上方には、水を貯える水タンク207を設置して
いる。また、208は水タンク207の内部に挿通して設けら
れた上下動可能な弁杆であり、この弁杆208により水タ
ンク207から気化室203に水を滴下させるノズル209を開
閉する。誘導管210は、その下端にある栓体211が気化室
203の凹部204上に位置するように上下動自在に装着さ
れ、栓体211の底部に設けた孔212を弁213により圧閉さ
せるとともに、上端をミストノズル214に連通させてい
る。215は、水タンク207内において誘導管210に添わせ
て設けた水パイプであり、その上端はミスノズル214に
連通している。なお、216は弁杆208を操作するためのス
チームボタン、217は誘導管210およびミストノズル214
を上下動させるためのミストボタンである。
【0004】上記構成において動作を説明すると、スチ
ームボタン216の操作により弁杆208を引き上げると、ノ
ズル209はそれまでの閉じた状態から開放し、水タンク2
07に貯えた水を気化室203に滴下する。気化室203はベー
ス201とともにヒータ202で加熱されており、気化室203
に滴下した水はスチームとなって、ベース201の底部に
設けた噴出孔205より噴出され、衣類(図示せず)など
にスチームをかけながらアイロン掛けを行なうことがで
きる。
【0005】次に、ミストノズル214より霧状のいわゆ
るミストを噴霧させる場合は、スチームボタン216によ
り弁杆208を引き上げた状態で、ミストボタン217を押動
操作する。すると、誘導管210がミストノズル214および
水パイプ215とともに押し下げられ、誘導管210の下端に
ある栓体211が気化室203の底部にある凹部204の上方を
密閉する。凹部204内で密閉された水が加熱され蒸気圧
が高くなると、それまで閉じていた弁213が開き、通水
管210を通ってミストノズル214よりスチームが噴出す
る。このスチームの噴出に伴ない、水タンク207内の水
が水パイプ215を通って吸引され、ミストノズル214より
ミストを噴霧することができる。
【0006】しかし、上記構成のアイロンでは、気化室
203がベース201に一体的に形成されているため、ベース
201を低い温度に設定した場合や、あるいはアイロン掛
け作業を連続して行なった場合に、気化室203の温度が
低くなる。こうなると、水タンク207から気化室203に水
を供給しても、噴射孔205に十分なスチームが発生せ
ず、ひいては凹部204内でミストを発生させるに十分な
蒸気圧を得ることもできず、アイロン掛け作業に支障を
きたすものであった。
【0007】本発明は上記問題点を解決しようとするも
のであり、ベースの温度が低下したり、ベースの設定温
度を低くした場合でも、ミストを十分に発生させること
のできるアイロンを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1のアイ
ロンにより、水タンクの水を気化器に供給して気化する
と、気化器で発生したスチームがスチーム通路からミス
トノズル部に導かれる。そして、ミストノズル部から噴
射されるスチームの流速を利用して、水タンク内の水を
第2導水路からミストノズル部に導き、ここからミスト
として布地に噴射する。
【0009】この場合、掛け面を形成するベースと、水
タンクの水を気化する気化器は、それぞれの加熱手段に
より各々独立して温度制御される。したがって、アイロ
ン掛け作業によりベースの熱が布地に奪われてベースの
温度が低下したり、ベースの設定温度を低くした場合で
も、気化器はベースとは別に予め設定された温度を維持
しているので、ミスト発生に必要なスチーム圧を得るこ
とができ、ミストノズル部より十分なミストを発生させ
ることが可能になる。
【0010】本発明の請求項2のアイロンにより、個々
に独立して温度制御されるベースと気化器が、その間に
介在する空間部により互いにさほど温度の影響を受ける
ことなく、各々設定された温度を維持することができ
る。
【0011】本発明の請求項3のアイロンにより、水タ
ンクと第2の水タンクとを各々独立して設けることがで
き、水タンクを着脱自在に設けることが可能になる。ま
た、水タンクにはスチーム圧が加わらないので、水タン
クの材質をプラスチックなどの材料でも形成することが
でき、スチーム圧を考慮することなく自由な材料選択が
可能となる。
【0012】本発明の請求項4のアイロンにより、逆流
防止弁を設けることで、気化器から水タンクへのスチー
ムの流入を防止できるので、水タンク内にスチームが入
り込んだ場合の悪影響を排除できる。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本発明におけるアイロンの一
実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0014】図1〜図5において、1はアイロン本体で
あって,このアイロン本体1は加熱手段として第1のヒ
ータ2を埋設したベース3を下部に備えている。前記ベ
ース3の底面には着脱可能なベース裏板5が設けられて
いる。ベース3の上面はベースカバー6により覆われる
とともに、このベースカバー6の上方にはハンドル7が
取り付けられる。ハンドル7の前方にあってベースカバ
ー6の上面には、水を貯えるための水タンクに相当する
第1の水タンク8がアイロン本体1に対し着脱可能に設
けられる。
【0015】第1の水タンク8は例えば合成樹脂で形成
され、上面から見た形状がほぼU字状で、その両側がハ
ンドル7の前端部側から後端部側の両端にかけて跨がる
ように配置されている。9は第1の水タンク8の前部に
設けられた開閉自在な注水口蓋であり、ここから第1の
水タンク8内に水を収容し、かつ第1の水タンク8内の
不用水を廃棄できるようになっている。また、第1の水
タンク8のロック機構として、ハンドル7の一側面にや
や突出して設けられたタンクロック釦10と、このタンク
ロック釦10の操作に伴ない上下動する係止体11と、係止
体11を常時下方に付勢するスプリング12が、アイロン本
体1に各々設けられる。そして、係止体11の下部に突設
したロック部13が、第1の水タンク8の傾斜する上面に
形成した凹部14に係止する構成になっている。なお、本
実施例では着脱式の第1の水タンク8について説明して
いるが、上記ロック機構を備えていない固定式の第1の
水タンク8であってもよい。
【0016】16は第1の水タンク8の下部に設けられ、
この第1の水タンク8からの水を蓄える通水継手であ
る。通水継手16の上部には、第1の水タンク8の底部に
形成した給水口17と連通する受水口18が設けられてい
る。また、19は通水継手16の下流側に設けられ、前記第
1の水タンク8とは別の第2の水タンク20に至る第1導
水路である。この第1導水路19は、通水継手16とボイラ
ーに相当する第2の水タンク20とを連結して、第1の水
タンク8ひいては通水継手16に蓄えた水を、第2の水タ
ンク20の下方にある気化器21に導くもので、気化器21の
近傍には前記第1のヒータ2とは別の加熱手段である第
2のヒータ22が設けられる。また、第1導水路19の途中
には、気化器21で発生したスチームの逆流を防ぐ逆流防
止弁としての逆止弁23を備えている。
【0017】ここで、逆止弁23の構成を図6および図7
に基づき説明する。同図において、逆止弁23の外郭は、
有底筒状のケース24と、このケース24の上部開口部を塞
ぐケース蓋25とにより構成され、ケース24とケース蓋25
とはパッキン26を介在して水密に嵌合される。また、逆
止弁23の内部には、ケース24の内部に形成した転がり面
28に沿って移動可能な球体すなわちボール29が設けられ
ている。転がり面28の前側には、通水継手16側の第1導
水路19に嵌合する連結口30が形成される一方、転がり面
28の後側には、気化器21側の第1導水路19に嵌合する別
の連結口31が形成される。そして、連結口30の基端側に
はボール29の外面と密着可能な弁体32が設けられてい
る。
【0018】図示しないが、ボール29の転がり面28は各
連結口30,31を結ぶ中心線上に案内溝を有しており、ボ
ール29の特に左右方向の移動を規制している。また転が
り面28は、図6に示すアイロン掛け時(アイロン本体1
が略水平な状態)において、前方すなわち弁体32を有す
る連結口30に向けて下る約10°の傾斜が設けられてお
り、アイロン掛け時にはボール29の外面が弁体32に密着
当接して、この弁体32を塞ぐ一方で、図7に示す載置台
101(図3参照)の載置時には、ボール29が連結口31側に
移動して弁体32を開放するように構成している。
【0019】再度図1〜図5に戻り説明すると、前記第
2のヒータ22により加熱される気化器21と、第1のヒー
タ2により加熱されるベース3は各々別部材で構成さ
れ、その間には遮熱層となる空間部35が形成される。ま
た、気化器21には、第2の水タンク20の底部に備えたノ
ズル36と連通する有底状の気化室37が形成される。ベー
ス3の温度を検知するベース温度検知手段として、ここ
ではサーミスタ38が設けられており、サーミスタ38の検
知信号を受けて、ハンドル7の内部に備えた第1の温度
制御装置39がベース3の温度を制御するようになってい
る。またこれとは別に、気化器21の温度を制御するため
の第2の温度制御装置40がアイロン本体1の内部に設け
られる。これらの第1の温度制御装置39および第2の温
度制御装置40が、ベース3と気化器21を独立して温度制
御する温度制御手段に相当する。なお、41はベース3に
取付けられた温度過昇防止装置であり、これはベース1
の温度が過昇状態になると、アイロン本体1への給電を
強制的に遮断するものである。
【0020】42は、流出口に相当する前記ノズル36を開
閉する開閉杆としてのスチーム開閉棒であり、これは開
閉棒付勢部材たるスプリング43の付勢力により、ノズル
36の開方向に常時付勢される。44は、アイロン本体1の
前後方向に摺動自在に設けられた操作体である。この操
作体44の前側すなわち一端側はスチーム開閉棒42の頭部
に当接可能な傾斜面が形成される一方、操作体44の後側
すなわち他端側は、アイロン本体1の後部より突出して
おり、操作体付勢部材たるスプリング45の付勢力により
常時後方に付勢される。また、46は同じくスチーム開閉
棒42の頭部に当接可能な手動操作体であり、これはアイ
ロン本体1の上部より突出するスチーム・ドライ切換え
ボタンに相当するスチームボタン47の手動操作に連動し
て、スチーム開閉棒42を介してノズル36を開閉するもの
である。これにより、通水継手16からの水を第2の水タ
ンク20に供給したり止めたりすることができるようにな
っている。48は、気化室37と第2の水タンク20とを連通
する筒状のスチームフィードバック管で、このスチーム
フィードバック管48の上部側方には開口49が形成され
る。気化室37で発生したスチームはボイラー室である第
2の水タンク20に蓄えられ、第2の水タンク20に連通す
るスチーム通路50を通ってミスト室51に送り込まれるよ
うになっている。
【0021】52は、ベース3に取付けられたミストガイ
ドであって、これは下方を開放した円錐形状を有してお
り、前記ミスト室51はミストガイド52の中空内部に位置
する。ミスト室51の上部すなわちミストガイド52の上部
には、気化室37で発生するスチームの流速を利用してミ
ストを噴射させるためのミストノズル部53が取付けら
れ、ベース3に形成したミストガイド52の取付け面には
開口部54が形成される。さらに、ベース3の開口部54に
対向して、ベース裏板5にはスリット状のミスト噴出口
55が形成される。ミストノズル部53は、スチーム通路50
に連通する内面が円錐形状のスチーム噴出ノズル56と、
通水継手16とミストノズル部53とを連結する第2導水路
57に連通したミスト噴出ノズル58とを各々備えており、
ミスト噴出ノズル58の先端は、ミスト室51の上部におい
てスチーム噴出ノズル56の近傍に位置している。そし
て、スチーム噴出ノズル56から噴射されるスチームの流
速を利用して、通水継手16に貯えた水を第2導水路57を
経てミスト噴出ノズル58よりミスト化し、これをミスト
室51の上部から開口部54を経てミスト噴出口55より外部
に噴射する構成になっている。なお、通水継手16とベー
ス3との間には、ベース3からの熱を遮断する遮熱板59
が設けられる。
【0022】61は、前記スチーム通路50の開口面積を可
変するための弁体である。この弁体61は、本実施例では
スチーム噴出ノズル56の近傍にあるスチーム通路50の先
端側に上下動可能に設けられているが、スチーム通路50
の中間若しくは基端側に設けてもよい。ここでいうスチ
ーム通路50とは、第2の水タンク20からスチーム噴出ノ
ズル56に至るまでの部分をいう。弁体61の可動機構を図
8および図9を参照して詳しく説明すると、62は弁体61
を手動操作するための操作釦であり、これはアイロン本
体1の上面より突出して押動操作可能に設けられる。ま
た、63は操作釦62の操作に応じて開閉する開閉制御部と
しての回転子であり、この回転子63の下方には、弁体61
の上端部に当接し、かつ操作釦62の押動位置に応じてア
イロン本体1の内部で上下動する継手64が設けられる。
前記回転子63は下面が開口した凹状に形成され、この凹
部に継手64の起立部65が挿通するようになっている。起
立部65にはフランジ環66が取付け固定されており、フラ
ンジ環66と第1の水タンク8を形成する支持体67との間
に、継手64を上方へ付勢する継手付勢体としてのスプリ
ング68を設けるとともに、フランジ環66と回転子63との
間に、回転子63およびこれに当接する操作釦62を上方へ
付勢する回転子付勢体としてのスプリング69を設けてい
る。さらに、弁体61を上方へ付勢する弁体付勢体とし
て、別のスプリング70を設けている。
【0023】回転子63は、操作釦62と連動してこの操作
釦62の押動力を継手64および弁体61に伝達するととも
に、操作釦62をその動作下端位置にまで押し下げると、
第1の水タンク8内に形成した係合部(図示せず)に係
合してロック状態となり、継手64および弁体61をその位
置に保持する。このとき、弁体61は図9に示すように、
スチーム通路50を塞ぐ位置で保持されるが、弁体61はス
チーム通路50を完全に塞いではおらず、弁体61の外面と
スチーム通路50の内面との間には僅かな隙間が形成され
る。したがって、この隙間を通過した少量のスチームが
スチーム噴出ノズル56からミスト室51に噴射される。一
方、図9に示す回転子63がロックした状態から、操作釦
62をさらに下方へ押し込むと、回転子63と前記係合部と
の係合状態は解除され、各スプリング68〜70の付勢力に
より弁体61ひいては操作釦62,回転子63および継手64が
押し上げられ、図8に示す位置に復帰する。このとき、
弁体61はスチーム通路50を開放するため、スチーム噴出
ノズル56からミスト室51に噴射されるスチーム量も多く
なる。このように、操作釦62の押動操作によって、スチ
ーム噴出ノズル56からミスト室51に噴射されるスチーム
量を増減し、最終的にミスト噴出口55から噴射されるミ
スト量を可変制御するように構成している。
【0024】なお、スチーム通路50の閉鎖時において、
弁体61とスチーム通路50との間に隙間を形成する手段と
しては、例えば弁体61またはスチーム通路50にスリット
を形成し、このスリットを通して少量のスチームを通過
させる構成としてもよい。また、弁体61によりスチーム
通路50ではなく、スチーム噴出ノズル56を閉鎖または開
放するように構成してもよい。この場合も、弁体61を例
えばニードル状に形成して、スチーム噴出ノズル56の閉
鎖時において、弁体61とスチーム噴出ノズル56との間に
僅かな隙間を形成する。
【0025】前述のように、ミスト室51で発生したミス
トをベース3のミスト排出口である開口部54に導くミス
トガイド52は、下方を開放した円錐形状に形成される
が、本実施例では、開口部54の全周に亘りミストガイド
52の下端内壁面から一定の間隔(例えば1mm)を開け
て、ベース3に上側へ延びる突起状に形成した水回収受
部71を設け、ミストガイド52の内壁面に付着した結露水
を、この水回収受部71で受けるように構成している。ま
た、ミストガイド52と水回収受部71との間に形成した隙
間72と、ベース裏板5に設けたスチーム排出口73は、ベ
ース3とベース裏板5との間にあるスチーム孔74により
互いに連結される。さらに、結露水が入り込む隙間72に
面した水回収受部71の水受面76には、親水性塗料が形成
されるとともに、水回収受部71の突起は、回収された結
露水がベース3の熱で沸騰しても溢れない高さ(例えば
5mm以上)に形成される。
【0026】前記ハンドル7は、把持部に相当する取手
部81の他に、この取手部81の下方に位置するアイロン本
体1の腹部82と取手部81との間に、手を差し入れるため
の空洞83を形成してある。なお、ここでいう腹部82と
は、第1の水タンク8の両側を除く取手部81に対向した
アイロン本体1の平坦状の中央上面部を指すものであっ
て、腹部82は第1の水タンク8の両側の上端面よりも低
い位置に形成される。そして、この両側の上端面より腹
部82にかけての空洞83の下面は、手を差し入れやすいよ
うに、手の甲に沿ってなだらかな凹状に形成してある。
【0027】ハンドル7の上部には、操作パネル84が設
けられている。ここには、ベース3の設定温度を変える
ための操作手段に相当する設定釦85と、複数の発光ダイ
オードすなわちLED86により現在の設定温度を表示す
る温度表示部87が各々配設される。
【0028】前述のように、ハンドル7の内部には、第
1のヒータ2を適宜通断電することによりベース3を所
定温度に制御する第1の温度制御装置39が設けられる。
この第1の温度制御装置39は、具体的には前記設定釦85
のスイッチ部88や前記LED86の他に、温度設定の切替
時や不適温状態を使用者に報知する報知手段としてのブ
ザー89や、現在の設定温度を記憶保持し、設定釦85の受
付けを可能にする二次電池あるいはコンデンサなどの蓄
電装置90などを、基板91の上面に実装して構成される。
93は基板91の後方に形成された基板支持部であり、この
基板支持部93に支持されて、別の基板94がアイロン本体
1内の後部に設けられている。また、95はアイロン本体
1の後部外殻をなす後カバーであり、後カバー95の下側
に形成した凹部96には、アイロン本体1に電力を供給す
る一対の給電端子97が突出した状態で取付けられてい
る。
【0029】一方、101はアイロン本体1の載置が可能
な載置台であり、これは上面が一方向に傾斜した載置部
102の傾斜下端側に受部103が突設される。受部103に
は、前記給電端子97に対応して板バネ状の電源接点104
が設けられており、アイロン本体1を載置台101の載置
部102に載置すると、給電端子97が電源接点104に当接し
て、コンセント(図示せず)に接続した電源コード105
からアイロン本体1内に、必要に応じて電源供給が行な
われるようになっている。また、このアイロン本体1を
載置台101に載置した状態では、アイロン本体1は後方
に向けて約20°下る傾斜した状態に保持される。
【0030】次に、電気的な構成を図10に基づき説明
する。前記第1の温度制御装置39は、具体的には例えば
マイクロコンピュータなどで構成され、このマイクロコ
ンピュータの記憶装置(図示せず)に記憶されたプログ
ラムの制御シーケンスに従って、一連の動作を行なうよ
うに構成してある。第1の温度制御装置39の入力側に
は、前記設定釦85の他に、ベース3の温度を検知する例
えばサーミスタ38などの温度検知手段107と、アイロン
本体1が載置台101に載置されたか否かを判断するアイ
ロン載置検知手段108などが各々接続される。また、第
1の温度制御装置39の出力側には、前記第1のヒータ
2,温度表示部87,ブザー89などが接続される。第1の
温度制御装置39は、アイロン本体1が載置台101に載置
されているか否かに拘らず、前記設定釦85からの操作信
号を受付けて、ベース3の設定温度を例えば低温を意味
する「低」,中程度の温度を意味する「中」,および高
温を意味する「高」の三段階に切換え設定する温度設定
手段109と、同じくアイロン本体1が載置台101に載置さ
れているか否かに拘らず、前記設定釦85からの操作信号
を受付けて、アイロン本体1を切状態に設定する切状態
設定手段110とを備えている。そして、本実施例では、
設定釦85を1回押動操作する毎に、温度設定手段109ま
たは切状態設定手段110における各設定モードが、
「切」→「低」→「中」→「高」→「切」の順に、一段
ずつ高い温度設定に切換わるようになっている(但し、
高温に設定されている場合は、設定釦85を操作すると切
状態の設定モードになる)。なお、本実施例のように、
ベース3の設定温度を段階的ではなく、連続的に可変設
定できるように温度設定手段109を構成してもよい。こ
の場合、操作手段は押釦式のものでなく、例えばスライ
ド式のスイッチなどを用いてもよい。また、ベース3の
設定温度を切換える操作手段と、切状態を指示する操作
手段とを別々に設けてもよい。つまり、アイロン本体1
の離脱(リフト)中も、操作手段からの操作信号を受付
けて、ベース3の設定温度を切換え設定できるような温
度設定手段109を、第1の温度制御装置39に備えてあれ
ばよい。温度設定手段109または切状態設定手段110によ
り一旦設定された上記設定モードは、アイロン本体1の
離脱中にバックアップ用の蓄電装置90により所定時間保
持記憶されるようになっている。
【0031】第1の温度制御装置39は、アイロン載置検
知手段108によりアイロン本体1が載置台101に載置され
ていることを検知すると、温度検知手段107で検知され
るベース3の温度が、前記温度設定手段109で設定され
た設定温度に一致するように、ベース3の加熱手段であ
る第1のヒータ2を通断電制御する。また、第1の温度
制御装置39は、温度表示部87およびブザー89を制御する
報知・表示制御手段111を備えており、アイロン本体1
の載置時において、前記温度検知手段107で検知される
ベース3の温度が設定温度付近の適温範囲にあるときに
は、この設定温度に対応する温度表示部87のLED86を
点灯状態にし、かつブザー89による報知を行なう一方、
ベース3の温度が前記適温範囲外にあるときには、設定
温度に対応する温度表示部87のLED86を点滅状態に
し、ブザー89による報知は行なわないように構成してあ
る。
【0032】一方、アイロン本体1が載置台101から離
脱すると、載置台101からアイロン本体1側への電源供
給が遮断されることにより、第1のヒータ2は断電状態
となる。このとき、第1の温度制御装置39は蓄電装置90
からの給電により引き続き動作し、温度検知手段107に
より検知されるベース3の温度を監視するとともに、設
定釦85による操作信号を受け付ける。そして、このベー
ス3の温度が、温度設定手段109で設定された設定温度
付近の適温範囲よりも下がったとき、あるいは、設定釦
85を操作して、温度設定手段109における設定温度がそ
れまでよりも高温に切換たときに、報知・表示制御手段
111がブザー89あるいは温度表示部87のLED86を利用
して、アイロン本体1の載置台101への載置を促す給電
報知または表示を行なうように構成してある。
【0033】次に、図11のフローチャートに基づい
て、上記構成における動作を説明する。予め注水口蓋9
から水を第1の水タンク8内に収容するとともに、この
第1の水タンク8をハンドル7の前部から差し込むと、
第1の水タンク8の上面がスプリング12に抗してロック
部13を押し上げ、最終的に凹部14にロック部13が係止す
ることで、第1の水タンク8がアイロン本体1の所定位
置にセットされる。次いで、図11のステップS1にお
いて、アイロン本体1を載置台101に載置した状態で、
電源コード105を図示しないコンセントに差し込むと、
載置台101の電源接点104とアイロン本体1の給電端子97
が電気的に接続されることにより、アイロン本体1内の
第1の温度制御装置39,第2の温度制御装置40および蓄
電装置90に電源が供給される。第1の温度制御装置39に
おいては、初期状態として切状態設定手段110による切
状態の設定モードが先ず設定され、報知・表示制御手段
111によって操作パネル84の「切」に対応するLED88
が点灯する。なお、この切状態では、安全のために第1
のヒータ2への通電は行なわない。その後、ステップS
2において設定釦85を押動操作すると、設定モードは
「切」から「低」,「中」,「高」の順に切換わり、こ
れに対応するLED86が点灯する。そして、ステップS
3にて、「切」以外の温度設定手段109の設定モードに
切換わると、第1の温度制御装置39により第1のヒータ
2が通電される。
【0034】第1の温度制御装置39は、次のステップS
4において、アイロン本体1が載置中であるか離脱中で
あるかをアイロン載置検知手段108により検知する。ア
イロン本体1が引き続き載置台101に載置される状態で
は、ベース3が温度設定手段59にて設定した温度に達す
るまで、第1のヒータ2によるベース3への加熱が行な
われる。このとき、第1の温度制御装置39は、ベース3
が設定温度に近い適温範囲内であるか否かを、温度検知
手段107からの検知出力により判断する(ステップS
5)。そして、ベース3の温度が適温範囲を外れている
ときには、次のステップS6に移行して、設定温度に対
応する温度表示部87のLED86を点滅状態にし、ブザー
89による報知は行わないようにして、ベース3が不適温
状態であることを使用者に知らせる。一方、前記ステッ
プS5において、ベース3の温度が適温範囲内にあると
きには、ステップS7に移行して、設定温度に対応する
温度表示部87のLED86を点灯状態にするとともに、ブ
ザー89を一定時間鳴動させて、使用者にアイロン掛けが
可能なことを報知する。そして、第1の温度制御装置39
は、アイロン本体1が載置台101に載置されている限
り、ベース3の温度が適温範囲内に維持されるように、
第1のヒータ2を通断電制御するとともに、ベース3の
温度が適温か不適温であるかに拘らず、前述のステップ
S4の手順に戻る。
【0035】その後、ステップS4において、アイロン
掛けのためにアイロン本体1を載置台101から離脱する
と、載置台101からアイロン本体1側への電源供給が遮
断され、第1のヒータ2は断電状態となる。第1の温度
制御装置39は、蓄電装置90からの給電により引き続き動
作するが、次のステップS8において、ベース3の温度
が適温範囲よりも下がったとき、あるいは、設定釦85を
操作することにより、温度設定手段109における設定温
度がそれまでよりも高温に切換ったときに、ブザー89あ
るいはLED86を利用して、アイロン本体1の載置台10
1への載置を促す給電報知または表示を行なう。そし
て、その後はステップS4の手順に再び戻る。
【0036】アイロン掛けを行なう場合、アイロン本体
1の空洞83から手を差入れた後、ハンドル7の取手部81
を掌で抱えるようにして握る。この際、取手部81の下方
にあるアイロン本体1の腹部82は、アイロン本体1の両
側部に沿って設けた第1の水タンク8の両側よりも低い
位置にあり、取手部81と腹部82との間には広い空洞83が
確保されているので、取手部81を握った状態では、手の
甲すなわち手の背面がアイロン本体1の腹部82に当たり
にくくなり、ハンドル7を楽に持つことができるように
なる。また、ベース3の先端部に対する目視を良好にす
るために、第1の水タンク8の前端面は、アイロン本体
1の後方側に向けて比較的大きく倒れるように傾斜させ
てあるが、本実施例における第1の水タンク8の両側
は、充分な水量を収容できるだけの高さを確保してある
ので、従来のような水タンクの容量不足を解消すること
が可能になる。
【0037】上述のように、設定釦85を操作してベース
3を希望する温度に設定すると、サーミスタ38の出力信
号に基づいて第1の温度制御装置39は第1のヒータ2へ
の通電を制御し、ベース3を設定された温度に維持す
る。また、設定釦85を「切」以外に設定すると、第2の
温度制御装置40により第2のヒータ22への通電を制御
し、気化器21を予め設定された温度(約180〜240℃)に
維持する。このように、ベース3と気化器21は、別個の
温度制御装置39,40により各々独立して温度制御され
る。一方、図3に示すようなアイロン本体1を載置台10
1に載置した状態では、アイロン本体1は後方に向けて
約20°下る傾斜状態で保持されている。この状態では、
図7に示すように、逆止弁23の内部における転がり面28
は連結口31側に向けて約10°下っており、ボール29が連
結口31側に移動して弁体32を開放する。このため、第1
の水タンク8内の水は通水継手16から第1導水路19を通
過して第2の水タンク20に流入する。しかし、アイロン
本体1を載置台101に載置した場合は、後カバー95より
突出する操作体44の後端が、載置台101の受け部103に当
接して押し込まれており、操作体44の前側に形成した傾
斜面がスチーム開閉棒42の頭部に当接して、ノズル36を
塞ぐ方向にスチーム開閉棒42を下方に移動させるので、
気化室37に水は流入しない。載置台101に当接する操作
体44がノズル36を閉塞する方向にスチーム開閉棒42を移
動させることで、アイロン掛けを行なわないアイロン本
体1の載置時において、気化室37による無駄なスチーム
発生を防止することができる。
【0038】次に、アイロン掛けを行なうために、アイ
ロン本体1を載置台101よりリフトすると、前記操作体4
4の後端が載置台101の受け部103より離れるので、スプ
リング45の付勢力により操作体44が後方に移動し、操作
体44とスチーム開閉棒42との当接状態が解除される。こ
の状態で、スチームボタン47をスチーム側に操作して、
手動操作体46を上方に移動させると、手動操作体46とス
チーム開閉棒42との当接状態も解除され、スチーム開閉
棒42はスプリング43の弾性力によりノズル36を開く方向
に押し上げられる。こうなると、それまで第2の水タン
ク20に貯留していた水は、ノズル36を通過して気化室37
に流入し、予め設定された温度に維持された気化器21に
よって加熱され、急激にスチームとなる。この気化室37
内で発生したスチームは、スチームフィードバック管48
を通過して開口49から第2の水タンク20内に貯えられ
る。スチームフィードバック管48に形成した開口49は、
ノズル36の開放時における第2の水タンク20の液面より
も高い位置に設けられており、第2の水タンク20に戻さ
れたスチームが、ここに貯留する水に直接送り出されて
泡状になることを防止している。なお、スチームボタン
47をドライ側に操作して、手動操作体46を下方に移動さ
せた場合には、手動操作体46がスチーム開閉棒42の頭部
に当接して、ノズル36を塞ぐ方向にスチーム開閉棒42を
下方に移動させるので、気化室37に水は流入しない。よ
ってこの場合は、アイロン本体1が載置台101に載置さ
れているか否かに拘らず、気化室37からスチームは発生
しない。
【0039】アイロン本体1を載置台101よりリフトす
るとともに、スチームボタン47をスチーム側に操作した
場合において、アイロン本体1を略水平な状態(アイロ
ン掛け状態)にすると、図6に示すように、逆止弁23の
内部における転がり面28は連結口30側に向けて約10°下
ることになり、ボール29は連結口30側に移動して弁体32
に密着当接する。こうなると、弁体32は閉塞して通水継
手16と第2の水タンク20との間の流通を遮断するので、
気化室37から第2の水タンク20に放出されたスチーム
が、第1導水路19から通水継手16側に逆流することはな
い。
【0040】第2の水タンク20に貯えられたスチーム
は、スチーム通路50を通過してミストノズル部53のスチ
ーム噴出ノズル56より勢いよくミストガイド52内のミス
ト室51に噴出する。これに伴ない、ミスト噴出ノズル58
の内部がベンチュリー効果により負圧化されるので、第
1の水タンク8内の水が通水継手16から第2導水路57を
経て吸引され、ミスト噴出ノズル58において細かいミス
ト状に粉砕される。ミスト噴出ノズル58から噴出するミ
ストは、前記スチーム噴出ノズル56からのスチームの流
れに沿って、ミスト室51内を開口部54へ向けて送り出さ
れ、ベース3に取付けられたベース裏板5のミスト噴出
口55より布地に噴射される。この状態でアイロン掛けを
行なうことにより、ベース3およびベース裏板5の下面
に対向する布地に充分な湿り気を与えることが可能で、
ひいては良好な仕上がり状態を得ることができる。
【0041】アイロン掛け作業によりベース3の熱が布
地に奪われてベース3の温度が低下した場合、あるいは
ベース3の温度を例えば化繊などの低い温度(110℃前
後)に設定した場合においても、気化器21はベース3と
は別に第2のヒータ22が設けられ、各々独立して温度制
御されているので、ミスト発生に必要なスチーム圧を得
るに充分な温度を保つことができ、安定したミストをミ
スト噴出口55より布地に噴射することが可能となる。ま
た、ベース3と気化器21は別部材で、しかもその間には
熱絶縁のための空間部35が設けられているので、個々に
独立して温度制御されるベース3と気化器21との温度が
互いにさほど影響を受けることなく、各々設定された温
度を維持することができる。
【0042】ミスト噴出口55より噴射するミスト量は、
操作釦62を操作することにより加減できる。具体的に
は、図9に示すように、操作釦62をその動作下端位置に
まで押し下げると、操作釦62の下方にある回転子63によ
って操作釦62および回転子63は共にロック状態となり、
継手64および弁体61も各スプリング68〜70の付勢に抗し
て押し込まれた位置に保持される。すると、第2の水タ
ンク20に貯えられたスチームは、弁体61の外面とスチー
ム通路50の内面との間にある僅かな隙間を通過し、スチ
ーム噴出ノズル56からミスト室51に少量のスチームが噴
射される。よってこの場合は、第1の水タンク8からミ
スト噴出ノズル58に吸引される水の量も少なくなり、ミ
スト噴出口55より布地に少量のミストが噴射される。
【0043】一方、この状態から操作釦62をさらに下方
へ押し込むと、回転子63のロック状態は解除され、各ス
プリング68〜70の付勢力により弁体61ひいては操作釦6
2,回転子63および継手64が押し上げられ、図8に示す
位置に復帰する。このとき、弁体61はスチーム通路50を
開放するため、スチーム噴出ノズル56からミスト室51に
多量のスチームが噴射される。よってこの場合は、第1
の水タンク8からミスト噴出ノズル58に吸引される水の
量も多くなり、ミスト噴出口55より布地に多量のミスト
が噴射される。操作釦62を操作するだけで、ミスト噴出
口55から噴射されるミスト量を簡単に制御できるので、
使い勝手に優れたアイロンを提供できる。
【0044】ところで、ミスト噴出ノズル58から発生す
るミストの一部が、ミストガイド52の内壁面の一部に触
れると、この部分でミストが冷やされることにより結露
するため、ミストガイド52の内壁面に沿って水滴が流れ
落ち、これが開口部54からミスト噴出口55を通して排出
され、布地に対ししみの原因となる場合がある。しかし
本実施例では、ミストガイド52の内壁面に結露水が付着
して、これがミストガイド52の内壁面に沿って流れ落ち
ると、ミストガイド52と水回収受部71との間に形成した
隙間72に入り込み、親水性塗料を施した水回収受部71の
水受面76に拡散する。
【0045】このように、ミストガイド52の内壁面に付
着した結露水は、ベース3の開口部54の前周に亘って設
けた水回収受部71により受け止められるため、開口部54
からミスト噴出口55を通して結露水は排出されない。ま
た、隙間72に達した結露水は、そこに止まることなく水
受面76の親水作用によりにより速やかに拡散し、加熱さ
れたベース3によりスチーム化される。このとき、回収
された結露水がベース3の熱で沸騰しても、水回収受部
71の突起は結露水が溢れない高さに形成されているの
で、水回収受部71を乗り越えて開口部54からミスト噴出
口55ひいては布地に飛び散る虞れがない。水受面76に拡
散した結露水は、ベース3の熱によりスチーム化されな
がら、スチーム孔74を経てベース裏板5に設けたスチー
ム排出口73より適時排出される。このスチーム孔74はア
イロン掛けを行なう布地に対向して設けられているの
で、ミストガイド52に付着した結露水をスチームとして
布地に有効に噴射できる利点がある。こうして回収した
結露水を、アイロン本体1の内部に滞留させることな
く、スチーム孔74よりアイロン本体1の外部に排出する
ことができるとともに、ミスト排出口である開口部54を
アイロン本体1のベース面に設けることで、アイロン掛
けの作業性を良好にできる。
【0046】以上のように本実施例では、水を貯える水
タンクすなわち第1の水タンク8と、この第1の水タン
ク8内から供給される水を気化してスチームを発生させ
る気化器21と、掛け面を形成するベース3と、このベー
ス3の上面を覆うベースカバー6と、第1の水タンク8
内の水を気化器21に導く第1導水路19と、第1の水タン
ク8内の水をミストノズル部53に導く第2導水路57と、
気化器21で発生したスチームをミストノズル部53に導く
スチーム通路50と、ベース3および気化器21にそれぞれ
設けられる加熱手段たる第1のヒータ2および第2のヒ
ータ22と、第1のヒータ2と第2のヒータ22とにより、
ベース3と気化器21を独立して温度制御する温度制御手
段たる第1の温度制御装置39および第2の温度制御装置
40とを備えている。
【0047】このような構成により、第1の水タンク8
の水を気化器21に供給して気化すると、気化器21で発生
したスチームがスチーム通路50からミストノズル部53に
導かれる。そして、ミストノズル部53から噴射されるス
チームの流速を利用して、第1の水タンク8内の水を第
2導水路57からミストノズル部53に導き、ここからミス
トとして布地に噴射する。この場合、掛け面を形成する
ベース3と、第1の水タンク8の水を気化する気化器21
は、第1のヒータ2および第2のヒータ22により各々独
立して温度制御される。したがって、アイロン掛け作業
によりベース3の熱が布地に奪われてベース3の温度が
低下したり、ベース3の設定温度を低くした場合でも、
気化器21はベース3とは別に予め設定された温度を維持
しているので、ミスト発生に必要なスチーム圧を得るこ
とができ、ミストノズル部53より十分なミストを発生さ
せることが可能になる。
【0048】また、このような構成において、本実施例
ではベース3と気化器21との間に熱絶縁の空間部35を設
けている。これにより、個々に独立して温度制御される
ベース3と気化器21が、その間に介在する空間部35によ
り互いにさほど温度の影響を受けることなく、各々設定
された温度を維持することができる。なお、本実施例で
はベース3と気化器21が各々別部材で構成されるので、
お互いに温度の影響をさらに受けにくくなる。
【0049】本実施例では、第1の水タンク8と第2の
水タンク20を別個に設けているが、構造を簡略化するた
めに第2の水タンク20を省略して、第1の水タンク8に
第2の水タンク20の機能を兼用させてもよい。但し、本
実施例のように、第1導水路19と気化器21との間に、第
1の水タンク8の水を一時的に貯え、かつ気化器21で発
生したスチームを一時的に貯える第2の水タンク20を備
えるように構成すれば、第1の水タンク8と第2の水タ
ンク20とをアイロン本体1に独立して設けることがで
き、第1の水タンク8をアイロン本体1に対し着脱自在
に設けることが可能になる。また、第1の水タンク8に
はスチーム圧が加わらないので、第1の水タンク8の材
質をプラスチックなどの材料でも形成することができ、
スチーム圧を考慮することなく自由な材料選択が可能と
なる。
【0050】さらに本実施例では、第1の水タンク8と
第2の水タンク20との間に、第2の水タンク20から第1
の水タンク8へのスチームの流れを遮断する逆流防止弁
すなわち逆止弁23を設けている。この場合、逆止弁23を
設けることにより、気化器21から第1の水タンク8への
スチームの流入を防止できるので、第1の水タンク8内
にスチームが入り込んだ場合の悪影響を排除できる。特
に本実施例では、アイロン本体1を載置台101に載置し
た時に逆止弁23の弁体32を開放し、アイロン本体1を水
平状態にしたときに逆止弁23の弁体32を閉塞する可動体
すなわちボール29を、転がり面28上に転がり可能に設け
ているので、アイロン掛けを行う際のアイロン本体1の
水平状態において、逆止弁23が第1の水タンク8と第2
の水タンク20との間の流通を遮断し、簡単な構造であり
ながら第1の水タンク8へのスチームの流入を確実に防
止できる。
【0051】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、種々の変形実施が可能である。例えば本実
施例では、ミスト噴出口55をベース裏板5に設けている
が、ベース3に設けてもよい。
【0052】
【発明の効果】本発明の請求項1のアイロンによれば、
ベースの温度が低下したり、ベースの設定温度を低くし
た場合でも、ミストを十分に発生させることが可能にな
る。
【0053】本発明の請求項2のアイロンによれば、ベ
ースと気化器とを各々設定された温度に維持することが
できる。
【0054】本発明の請求項3のアイロンによれば、水
タンクを着脱自在に設けることができるとともに、水タ
ンクに関しスチーム圧を考慮することなく自由な材料選
択が可能となる。
【0055】本発明の請求項4のアイロンによれば、気
化器から水タンクへのスチームの流入を防止して、水タ
ンク内にスチームが入り込んだ場合の悪影響を排除でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すベースカバーを外した
状態のアイロン本体の平面図である。
【図2】同上アイロン本体の全体断面図である。
【図3】同上アイロン本体を載置台に載置した状態の全
体断面図である。
【図4】同上アイロン本体の平面図である。
【図5】同上アイロン本体の側面図である。
【図6】同上アイロン掛け時における逆止弁の断面図で
ある。
【図7】同上アイロン本体を載置台に載置した状態の逆
止弁の断面図である。
【図8】同上ミスト量が多い場合の要部の断面図であ
る。
【図9】同上ミスト量が少ない場合の要部の断面図であ
る。
【図10】同上電気的構成を示すブロック図である。
【図11】同上動作手順を示すフローチャートである。
【図12】従来例を示すアイロンの一部切欠き断面図で
ある。
【符号の説明】
2 第1のヒータ(加熱手段) 3 ベース 6 ベースカバー 8 第1の水タンク(水タンク) 19 第1導水路 20 第2の水タンク 21 気化器 22 第2のヒータ(加熱手段) 23 逆止弁(逆流防止弁) 35 空間部 39 第1の温度制御装置(温度制御手段) 40 第2の温度制御装置(温度制御手段) 50 スチーム通路 53 ミストノズル部 57 第2導水路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 幸久 新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝 ホームテクノ株式会社内 Fターム(参考) 4L029 DA02 DA11 DC03 GA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を貯える水タンクと、この水タンク内
    から供給される水を気化してスチームを発生させる気化
    器と、掛け面を形成するベースと、このベースの上面を
    覆うベースカバーと、前記水タンク内の水を前記気化器
    に導く第1導水路と、前記水タンク内の水をミストノズ
    ル部に導く第2導水路と、前記気化器で発生したスチー
    ムを前記ミストノズル部に導くスチーム通路と、前記ベ
    ースおよび前記気化器にそれぞれ設けられる加熱手段
    と、前記各々の加熱手段により前記ベースおよび前記気
    化器を独立して温度制御する温度制御手段とを具備する
    ことを特徴とするアイロン。
  2. 【請求項2】 前記ベースと前記気化器との間に熱絶縁
    の空間部を設けたことを特徴とする請求項1記載のアイ
    ロン。
  3. 【請求項3】 前記第1導水路と前記気化器との間に、
    前記水タンクの水を一時的に貯え、かつ前記気化器で発
    生したスチームを一時的に貯える第2の水タンクを備え
    たことを特徴とする請求項1記載のアイロン。
  4. 【請求項4】 前記水タンクと前記第2の水タンクとの
    間に逆流防止弁を備えたことを特徴とする請求項3記載
    のアイロン。
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