JP2001204524A - 覆輪留め宝飾品の製造法 - Google Patents

覆輪留め宝飾品の製造法

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JP2001204524A
JP2001204524A JP2000018038A JP2000018038A JP2001204524A JP 2001204524 A JP2001204524 A JP 2001204524A JP 2000018038 A JP2000018038 A JP 2000018038A JP 2000018038 A JP2000018038 A JP 2000018038A JP 2001204524 A JP2001204524 A JP 2001204524A
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jewelry
jewel
pressing
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Shinji Noda
野田伸二
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IRIKURA KIKINZOKU KOGEI KK
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IRIKURA KIKINZOKU KOGEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薄幅に形成した覆輪で宝石を固定することが可
能で、宝石の輝きを損なうことのない覆輪留め宝飾品を
容易に製造する。 【構成】 内部略先端が拡径され宝石を支持するための
石座を形成した短筒体の後端を旋盤のチャック部に装着
する第1工程と、前記石座に所望宝石を着座させ、該宝
石のテーブル面を心押台に装着した押当て治具の先端で
押圧し前記短筒体に固定する第2工程と、旋盤を回転さ
せながら前記宝石のガードル面に位置する前記石座の外
周部を第1押圧ローラで求心方向に圧着する第3工程
と、前記石座の先端部を第2押圧ローラで、宝石のクラ
ウン面に沿って傾斜方向に圧着する第4工程と、前記第
3、4工程で圧着変形させた石座における前記宝石のガ
ードル面に当接する上下圧着部分をカッターで一定幅に
切断し覆輪部を形成する第5工程とからなる覆輪留め宝
飾品の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、覆輪留め宝飾品の
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合金やプラチナ等の貴金属片に宝
石を石留めし、ペンダントやリング等の宝飾品とする方
法としては、多種多様の方法がある。その中でも、宝石
の外周部を環状の支持片により固定する石留め方法、い
わゆる覆輪留めは、宝石の上方クラウン面を複数の爪に
より固定する石留め方法、いわゆる爪留めと異なり、宝
石の上方クラウン面が爪により覆われることがなく見た
目にも美しい、又、宝石を外部からの衝撃による傷付き
から防止することができるため広く一般的に使用されて
いる。
【0003】従来からある覆輪留め宝飾品の製造方法の
一例としては、図1に示されるように、一側面をグライ
ンダー等で研磨して平坦な接触面が形成した合金やプラ
チナ等の貴金属丸線を、宝石12の外周長よりやや短く
切断し、更に接触面の略中央を切削加工して溝部7を設
けた支持片5を形成する。次に、支持片5は、宝石12
の外周形状に合わせて折り曲げられ、予備加熱されて宝
石12の外周に形成されるガードル面14に装着され、
その両端がロー付けされる。支持片5は、空冷されると
収縮して、前記ガードル面14に圧着し、覆輪部6が形
成され、更に、覆輪部6の一個所にリング状の吊り下げ
部8をロー付けすることで、覆輪留め宝飾品10を製造
するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記覆輪留め
宝飾品10の製造方法は、手作業で行なわれるもので、
又、確実な圧着のための溝部7を形成しなければならな
いから、太径の貴金属丸線が必要とされ、結果として出
来上がった覆輪留め宝飾品10は、図2に示す如く、宝
石12の上方に形成されるクラウン面16が覆輪部6で
幅広に覆われてしまい、宝石12に入射する光が減殺さ
れ、その輝きが損なわれてしまうという欠点があった。
又、製作に時間がかかるため、量産が難しく、結果とし
て単価が高くなるという問題点を有していた。
【0005】本発明は、薄幅に形成した覆輪で宝石を固
定することが可能で、宝石の輝きを損なうことのない覆
輪留め宝飾品を製造することを目的とする。又、覆輪留
め宝飾品を簡単に製造することができ、量産も可能で、
単価が安い覆輪留め宝飾品を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、長筒体の後端を旋盤のチャック部に装着
する第1工程と、該長筒体を旋盤により回転させなが
ら、心押台に取付けた拡径治具を前記長筒体の先端に挿
入し、拡径して宝石を着座させるための石座を前記長筒
体の先端に形成する第2工程と、前記石座に所望宝石を
着座させ、該宝石のテーブル面を押当て治具の先端で押
圧して前記石座に固定する第3工程と、再び旋盤を回転
させながら前記宝石のガードル面に位置する前記石座の
外周部を第1押圧ローラで求心方向に圧着する第4工程
と、前記石座の先端部を第2押圧ローラで、宝石のクラ
ウン面に沿って傾斜方向に圧着する第5工程と、前記第
4、5工程で圧着変形させた石座における前記宝石のガ
ードル面に当接する上下圧着部分をカッターで一定幅に
切断し覆輪部を形成する第6工程とからなる覆輪留め宝
飾品の製造法であることを特徴とする。
【0007】かかる発明によれば、各種貴金属により形
成した長筒体で、誰でも簡単に覆輪留め宝飾品を形成す
ることができる。
【0008】又、本発明は、内部略先端が拡径され宝石
を支持するための石座を形成した短筒体の後端を旋盤の
チャック部に装着する第1工程と、前記石座に所望宝石
を着座させ、該宝石のテーブル面を心押台に装着した押
当て治具の先端で押圧し前記短筒体に固定する第2工程
と、旋盤を回転させながら前記宝石のガードル面に位置
する前記石座の外周部を第1押圧ローラで求心方向に圧
着する第3工程と、前記石座の先端部を第2押圧ローラ
で、宝石のクラウン面に沿って傾斜方向に圧着する第4
工程と、前記第3、4工程で圧着変形させた石座におけ
る前記宝石のガードル面に当接する上下圧着部分をカッ
ターで一定幅に切断し覆輪部を形成する第5工程とから
なる覆輪留め宝飾品の製造法であることを特徴とする。
【0009】かかる発明によれば、あらかじめ内部に石
座を設けた短筒体を使用することにより、さらに製造工
程を簡略でき、簡単で安価に覆輪留め宝飾品を製造する
ことができる。
【0010】更に、本発明は、前記石座が、取付ける宝
石の外径と略同一の内径を有し、宝石のパピリオン面に
係止するテーパー部が形成されていることを特徴とする
前記請求項1ないし請求項2のいずれか1に記載された
覆輪留め宝飾品の製造法であることを特徴とする。又、
前記石座が、水平方向幅厚が取付ける宝石の直径の約1
5%以下であり、上下方向幅厚が前記宝石の高さの約3
0%以下であることを特徴とする前記請求項1ないし請
求項3のいずれか1に記載された覆輪留め宝飾品の製造
法であることを特徴とする。
【0011】したがって、覆輪を薄幅に形成して宝石を
固定することが可能で、宝石の輝きを損なうことのない
覆輪留め宝飾品を製造することができる。
【0012】加えて、本発明は、前記長筒体又は前記短
筒体は、二等分又は三等分にしたそれぞれ異なる貴金属
素材からなる半筒体、例えば、合金、プラチナ又は銅か
らなる半筒体を互いに組み合わせてを形成されているこ
とを特徴とする前記請求項1ないし4のいずれか1に記
載された覆輪留め宝飾品の製造法であることを特徴とす
る。
【0013】したがって、覆輪を異なる色彩に形成して
宝石を固定することができ、審美的な覆輪留め宝飾品を
製造することができる。
【0014】更に加えて、本発明は、 前記請求項1又
は請求項2に記載された製造工程により製造した覆輪留
め宝飾品の覆輪部と異なる貴金属素材により構成される
第2長筒体の後端を旋盤のチャック部に装着する第1工
程と、該長筒体を旋盤により回転させながら、心押台に
取付けた拡径治具を前記第2長筒体の先端に挿入し、拡
径して前記覆輪留め宝飾品の覆輪部を着座させるための
第2石座を前記第2長筒体の先端に形成する第2工程
と、前記第2石座に前記覆輪留め宝飾品を着座させ、該
覆輪留め宝飾品の宝石のテーブル面を押当て治具の先端
で押圧して前記第2石座に固定する第3工程と、再び旋
盤を回転させながら前記覆輪留め宝飾品の覆輪部に位置
する前記第2石座の外周部を第1押圧ローラで求心方向
に圧着する第4工程と、前記石座の先端部を第2押圧ロ
ーラで、前記覆輪留め宝飾品の宝石のクラウン面に沿っ
て傾斜方向に圧着する第5工程と、前記第4、5工程で
圧着変形させた第2石座における前記覆輪留め宝飾品の
覆輪部に当接する上下圧着部分をカッターで一定幅に切
断し二重覆輪部を形成する第6工程とからなる覆輪留め
宝飾品の製造法であることを特徴とする。又、前記請求
項1又は請求項2に記載された製造工程により製造した
覆輪留め宝飾品の覆輪部と異なる貴金属素材により構成
され、内部略先端に前記覆輪留め宝飾品の覆輪部の外径
と略同一の内径からなる第2石座を形成した第2短筒体
の後端を旋盤のチャック部に装着する第1工程と、前記
第2石座に前記覆輪留め宝飾品を着座させ、該覆輪留め
宝飾品の宝石のテーブル面を押当て治具の先端で押圧し
て前記第2石座に固定する第2工程と、旋盤を回転させ
ながら前記覆輪留め宝飾品の覆輪部に位置する前記第2
石座の外周部を第1押圧ローラで求心方向に圧着する第
4工程と、前記石座の先端部を第2押圧ローラで、前記
覆輪留め宝飾品の宝石のクラウン面に沿って傾斜方向に
圧着する第5工程と、前記第4、5工程で圧着変形させ
た第2石座における前記覆輪留め宝飾品の覆輪部に当接
する上下圧着部分をカッターで一定幅に切断し二重覆輪
部を形成する第6工程とからなる覆輪留め宝飾品の製造
法であることを特徴とする。更に、前記請求項6又は請
求項7に記載された二重覆輪部を有する覆輪留め宝飾品
の覆輪部と異なる貴金属素材により構成される第3長筒
体又は第3短筒体の後端を旋盤のチャック部に装着する
第7工程と、前記請求項6又は請求項7に記載された前
記第2~6工程の圧着、切断工程を繰り返し行って三重
覆輪部を形成する覆輪留め宝飾品の製造法であることを
特徴とする。
【0015】かかる発明によれば、従来の手作業では不
可能であった覆輪部を二重、三重に重ねた覆輪留め宝飾
品を製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を使用して詳細に説明する。図4は本発明の覆
輪留め宝飾品に使用される宝石の実施形態を示す側面
図、図5〜10は、本発明に係る覆輪留め宝飾品の製造
方法の第1の実施の形態を示す要部側面図である。図1
1は本発明の製造法により形成した覆輪留め宝飾品の側
面図、図12は同平面図である。
【0017】本発明において使用される宝石12は、例
えば、ダイアモンド、ルビー、サファイア、エメラル
ド、その他の貴石、半貴石、合成石等である。なお、図
7に示される宝石12は、宝石の最も代表的なカット形
状であるラウンドブリリアントカットであり、上方平面
部分をテーブル面13、上方略台形に形成される部分を
クラウン面16、略中央外周部分をガードル面14、下
方略角錘形に形成される部分をパビリオン面18、下方
先端部をキューレット19と一般的に呼称する。
【0018】本発明に係る覆輪留め宝飾品の製造方法の
第1の実施の形態における第1工程は図5に示す如く、
旋盤20の主軸21に設けたチャック部22に金属製の
長筒体30の後端を取付ける。この長筒体30は、例え
ば、合金、プラチナ又は銅の貴金属素材を長筒状にした
もので、その内径は取付けられる宝石12のガードル面
14の外径よりやや狭径に形成してある。
【0019】第2工程は、図6に示す如く、前記チャッ
ク部22に固定した長筒体30を旋盤20により軸方向
に回転させながら、長筒体30の先端に心押台25に取
付けた、へら等のいわゆる拡径治具26を挿入し、長筒
体30の内径を拡径治具26で押し広げて石座31を形
成する。この拡径治具26は先端を断面略台形に形成
し、該拡径治具26の直径は取り付けられる宝石12の
ガードル面14の直径より若干大径に形成してある。こ
の拡径治具26は、固定する宝石12の直径に応じて交
換可能に複数用意する。
【0020】石座31は、内部中央に宝石12のパピリ
オン面18を着座させるテーパー部32を設け、該テー
パー部32の上方内径を、該石座に装着する宝石12の
直径より若干大径に形成する。
【0021】第3工程は、図7に示す如く、長筒体30
に形成した石座31に宝石12を装着し、該宝石12の
テーブル面13の表面略中央を前記心押台15に取付け
た、例えば真鍮棒からなる押当て治具27で石座31に
押しつける。
【0022】宝石12のテーブル面13の表面中央を押
当て治具27により押さえることで、前記石座31から
宝石12が脱落するのを防止され、又、押当て治具27
は頭部が軸方向に対して90度の平坦面に形成されてい
るので、旋盤20の回転中に宝石12を常に石座31の
中央に位置させ、偏心することを防止できる。
【0023】第4工程は、図8に示す如く、宝石12を
装着した長筒体30を再び旋盤20により回転させなが
ら、石座31の外側で宝石12のガードル面14に当た
る部分を第1ローラー35で、宝石12の求心方向に圧
着する。石座31は変形して宝石12のガードル面14
に一定圧力で圧着する。
【0024】第5工程は、図9に示す如く、石座31の
先端部を第2押圧ローラ36で、宝石12のクラウン面
16に沿って上方傾斜方向から圧着する。石座31は変
形して宝石12のクラウン面16に一定圧力で圧着し、
宝石12を上方向から見ると環状に支持する形状とな
る。
【0025】第6工程は、図10に示す如く、前記同様
に長筒体30を回転させながら、宝石12のガードル面
14付近に圧着させた石座31の上下二ヶ所を一定幅に
カッター37で切断すると、覆輪留め宝飾品30の覆輪
部34が形成される。
【0026】なお、石座31を切断して覆輪部34を形
成する場合、水平方向幅厚が前記宝石12の直径の約1
5%以下であることが望ましい。宝石12における各部
分のプロポーション比率は、個々の宝石により様々であ
るが、宝石カッティングにおける技術的な観点から、宝
石12の直径に対して上方テーブル面の直径が70%以
上になる宝石12は実際上ほとんど存在しない。したが
って、前記覆輪部34の水平方向幅厚を前記宝石12直
径の約15%以下とすることによって、宝石12のクラ
ウン面16が十分に露呈し、強い入射光を得ることがで
きる。又、覆輪部34の上下幅は宝石12の高さ、すな
わち上方のテーブル面13から先端キューレット19ま
で長さの約30%以下であることが望ましい。前記同様
の観点から、宝石12の高さに対するガードル面14が
30%以上である宝石12は通常存在しない。したがっ
て、かかる場合は、宝石12のガードル面14よりはみ
出る覆輪部34がクラウン面16とパビリオン面18を
必ず上下より挟み込んで圧着し、覆輪部34の水平方向
幅厚を薄くする場合でも宝石12を確実に固定できる比
率の覆輪留め宝飾品を製造できる。
【0027】上記のような製造工程を経ることにより、
簡単に細幅の覆輪留め宝飾品40を形成することができ
る。又、覆輪部34の一個所に吊り下げ部42をロー付
けし、チェーンネックレスを該吊り下げ部42に通すこ
とで、覆輪留め宝飾品40は首からぶら下げるペンダン
トとして使用できる。
【0028】なお長筒体30は、上記の如く単一金属素
材で形成する他、図12又は図13あるいは図14に示
す如く、二等分したそれぞれ異なる貴金属素材からなる
半長筒体30b、又は三等分した半筒体30cが可能
で、例えば、合金、プラチナ、銅等からなる半長筒体を
互いにロー付けして長筒体を形成し、上記同様の製造工
程を経ることにより、断面が異なる色彩である審美的な
覆輪部を有する覆輪留め宝飾品を形成することができ
る。
【0029】図17〜図22は本発明の、第2の実施の
形態である第2覆輪留め宝飾品56の製造方法を示すも
ので、例えば、ロストワックスによるキャスティングに
より、宝石12を取付ける短筒体50を予め製造してお
くものである。第1工程は、図18に示す如く、貴金属
材により形成した短筒体50の後端を旋盤20の主軸2
1に設けたチャック部22に装着する。この短筒体50
は、図17に示す如く、合金、プラチナ又は銅等の貴金
属素材を鋳造して円筒状に形成し、内部略先端には、石
座51が予め設けられていることで、宝石12を取付け
ることができる。そして、石座51には、内部中央に宝
石12のパピリオン面18を着座させるテーパー部52
を設け、該テーパー部52の上方内径を、宝石12の直
径より若干大径に形成してある。
【0030】本実施形態では、第2工程以下は、第1の
実施形態と同様の作業を行う。すなわち、第2工程にお
いては前記石座51に宝石12を着座させ、該宝石12
のテーブル面13を押当て治具27の先端で押圧して前
記石座51に固定し、第3工程では短筒体50を回転さ
せながら前記宝石12のガードル面14に当たる前記石
座51の外周部を第1押圧ローラ35で求心方向に圧着
し、第4工程では前記石座51の先端部を第2押圧ロー
ラ36で、宝石のクラウン面16に沿って傾斜方向に圧
着する、更に、第5工程では前記第3、4工程で圧着変
形させた石座50における前記宝石のガードル面14に
位置する上下圧着部分をカッター37で一定幅に切断し
覆輪部54を形成する。
【0031】短筒体50は、前記ロストワックスによる
キャスティング以外に、いわゆる深しぼりによるプレス
成型を行なうことで、金属板より製造することもでき
る。
【0032】あらかじめ短筒体50内に石座51を形成
することにより、石座51を形成する工程を省略できる
ので、製造工程が少なく能率的である。又、第1の実施
形態において微細な長筒体30の先端に石座31を形成
する第1工程は、芯出し作業が必ずしも容易でなく熟練
した技術を必要とするが、あらかじめ、ロストワックス
による鋳造等によれば簡単に石座51を形成することが
できる。更には、第2覆輪留め宝飾品56においては、
宝石12のガードル面14の上下圧着部分を一定幅にカ
ッター37で切断し、残りの部分を除去して覆輪部54
を形成するものであるが、前記長筒体30を使用する場
合に比し、除去される貴金属素材の無駄が少なく経済的
である。
【0033】なお短筒体50を、単一金属素材で形成す
る他、図23に示す如く、二等分又は三等分したそれぞ
れ異なる貴金属素材からなる半短筒体50b、50c、
例えば、合金、プラチナ、銅等からなる半短筒体を互い
にロー付けして筒状に形成することにより、断面が異な
る色彩となる審美的な覆輪部からなる覆輪留め宝飾品を
形成することができるのは、第1の実施形態と同様であ
る。
【0034】図24〜図26は本発明の、第3の実施の
形態である第3覆輪留め宝飾品の製造方法を示すもの
で、図27は、第3覆輪留め宝飾品の正面図、図28
は、覆輪部分の要部拡大図である。
【0035】第1工程は、図24に示す如く、前記第2
の実施の形態で製造した第2覆輪留め宝飾品56を、そ
の覆輪部54と異なる貴金属材により形成した第2短筒
体60の後端を旋盤20の主軸21に設けたチャック部
22に装着する。この第2短筒体60は、内部略先端に
第2覆輪留め宝飾品56の覆輪部54の外径より若干大
径の内径からなり、底部には第2覆輪留め宝飾品56に
おける宝石12のパピリオン面18を着座させるテーパ
ー部62を設けてある。
【0036】第2工程は、図25に示す如く、石座61
に第2覆輪留め宝飾品56を着座させ、覆輪留めされた
宝石12のテーブル面13を心押台25に装着した押当
て治具27の先端で押さえる。
【0037】第3工程は、やはり図25に示す如く、前
記第2覆輪留め宝飾品56の覆輪部54に当たる短筒体
60の外周部を第1押圧ローラ35で求心方向に圧着
し、第4工程で、短筒体60の先端部を第2押圧ローラ
36で、宝石12のクラウン面16の傾斜面に圧着させ
る。
【0038】第5工程は、図26に示す如く、第2覆輪
留め宝飾品56の覆輪部54に圧着させた石座60の上
下圧着部分をカッター37で一定幅に切断して二重覆輪
部64を形成する。
【0039】第6工程は、必要な場合には、さらに、前
記工程により二重に形成した覆輪部を有する覆輪留め宝
飾品を、該二重覆輪部の外径と略同一内径からなる石座
を有し、新たな貴金属素材により形成した第3短筒体の
石座に装着する。
【0040】第7工程は、同じく前記第3〜5工程の圧
着、切断工程を繰り返し行って三重覆輪部74を形成す
る。
【0041】前記工程により形成した重合覆輪留め宝飾
品80は、図27、28に示す如く、異なる貴金属素材
により、それぞれ異なる色彩からなる覆輪部54、6
4、74を形成するもので、審美感に優れた覆輪留め宝
飾品を提供することができる。
【0042】もちろん、前記第5工程までで製品を完成
し、二重覆輪部64による二色の覆輪部を形成する覆輪
留め宝飾品とすることもできる。
【0043】以上の如く、本発明を図示されたいくつか
の実施形態によって説明したが、それらを以って本発明
を前記実施形態のみに限定するものでなく、この発明の
精神を逸脱しない限り種々の改変を加えて、多種多様の
変更ができることはいうまでもない。
【0044】例えば、ピアスイアリング金具又はイアリ
ング金具等の先端にあるいはリングの中央に前記製造工
程を経て製造された覆輪留め宝飾品を取り付けて使用す
ることも可能である。
【0045】更には、前記に示されたラウンドブリリア
ントカットされた宝石のみならず、他の円形にカットさ
れた宝石、例えばシングルカットされた宝石、カボショ
ンカットされた宝石、更には略円形であるオーバルミッ
クスカットによる宝石等においても前記同様の製造工程
を経て覆輪留め宝飾品を製造することが可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明に係る覆輪留め宝飾品の製造方法
によれば、宝石を固定する覆輪部の幅を狭くすることに
より、宝石のカット面を広く露呈することができるの
で、光がより宝石に入射することで反射する光をより多
く得ることができる。したがって、宝石の輝きを十分に
発揮することができる。又、覆輪部の幅を薄く形成する
ことにより、宝石と覆輪部が一体となって輝く効果もあ
るので、宝石そのものの美しさを生かし、覆輪部との境
界線が認識し難く宝石自体を大きく見せることもでき
る。更に、覆輪留め宝飾品を誰でも簡単に製造すること
ができるので、量産が可能で、単価を安く押さえること
も可能となる。加えて、従来不可能であった、二重又は
三重の覆輪部が形成できるので、見た目がカラフルで審
美感に優れた、覆輪留め宝飾品を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の覆輪留め宝飾品の製造方法を示す分解
斜視図である。
【図2】 従来の工程で製造した覆輪留め宝飾品の側面
図である。
【図3】 同正面図である。
【図4】 宝石の側面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態の第1工程を示す要部
側面図である。
【図6】 同第2工程を示す要部側面図である。
【図7】 同第3工程を示す要部側面図である。
【図8】 同第4工程を示す要部側面図である。
【図9】 同第6工程を示す要部側面図である。
【図10】 同第7工程を示す要部側面図である。
【図11】 本発明の第1又は第2の実施形態により製
造した覆輪留め宝飾品の側面図である。
【図12】 本発明の第1又は第2の実施形態により製
造した覆輪留め宝飾品の正面図である。
【図13】 第1実施形態の長筒体の第2の実施形態を
示す側面図である。
【図14】 第1実施形態の長筒体の第2の実施形態を
示す断面図である。
【図15】 第1実施形態の長筒体の第3の実施形態を
示す断面図である。
【図16】 本発明の覆輪留め宝飾品の使用方法を示す
斜視図である。
【図17】 本発明の第2実施形態の短筒体の一部破断
した側面図である。
【図18】 第2実施形態の第1工程を示す要部側面図
である。
【図19】 第2実施形態の第2工程を示す要部側面図
である。
【図20】 第2実施形態の第3工程を示す要部側面図
である。
【図21】 第2実施形態の第4工程を示す要部側面図
である。
【図22】 第2実施形態の第5工程を示す要部側面図
である。
【図23】 第2実施形態の短筒体の第2の実施形態を
示す分解斜視図である。
【図24】 第3実施形態の第1工程を示す要部側面図
である。
【図25】 第3実施形態の第2,3工程を示す要部側
面図である。
【図26】 第3実施形態の第4工程を示す要部側面図
である。
【図27】 第3実施形態の製造法により形成した覆輪
留め宝飾品の正面図である。
【図28】 第3実施形態の覆輪部の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
5 支持片 6 覆輪部 7 溝部 8 吊り下げ部 10 覆輪留め宝飾品 12 宝石 13 テーブル面 14 ガードル面 16 クラウン面 18 パピリオン面 19 キューレット 20 旋盤 21 主軸 22 チャック部 25 心押台 26 拡径治具 27 押当て治具 30 長筒体 30b 半筒体 30c 半筒体 31 石座 34 覆輪部 40 覆輪留め宝飾品 42 吊り下げ部 50 短筒体 50b 半短筒体 50c 半短筒体 51 石座 52 テーパー部 54 覆輪部 56 覆輪留め宝飾品 60 第2短筒体 61 石座 62 テーパー部 64 覆輪部 74 覆輪部 80 第3覆輪留め宝飾品

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長筒体の後端を旋盤のチャック部に装着
    する第1工程と、該長筒体を旋盤により回転させなが
    ら、心押台に取付けた拡径治具を前記長筒体の先端に挿
    入し、拡径して宝石を着座させるための石座を前記長筒
    体の先端に形成する第2工程と、前記石座に所望宝石を
    着座させ、該宝石のテーブル面を押当て治具の先端で押
    圧して前記石座に固定する第3工程と、再び旋盤を回転
    させながら前記宝石のガードル面に位置する前記石座の
    外周部を第1押圧ローラで求心方向に圧着する第4工程
    と、前記石座の先端部を第2押圧ローラで、宝石のクラ
    ウン面に沿って傾斜方向に圧着する第5工程と、前記第
    4、5工程で圧着変形させた石座における前記宝石のガ
    ードル面に当接する上下圧着部分をカッターで一定幅に
    切断し覆輪部を形成する第6工程とからなる覆輪留め宝
    飾品の製造法。
  2. 【請求項2】 内部略先端が拡径され宝石を支持するた
    めの石座を形成した短筒体の後端を旋盤のチャック部に
    装着する第1工程と、前記石座に所望宝石を着座させ、
    該宝石のテーブル面を心押台に装着した押当て治具の先
    端で押圧し前記短筒体に固定する第2工程と、旋盤を回
    転させながら前記宝石のガードル面に位置する前記石座
    の外周部を第1押圧ローラで求心方向に圧着する第3工
    程と、前記石座の先端部を第2押圧ローラで、宝石のク
    ラウン面に沿って傾斜方向に圧着する第4工程と、前記
    第3、4工程で圧着変形させた石座における前記宝石の
    ガードル面に当接する上下圧着部分をカッターで一定幅
    に切断し覆輪部を形成する第5工程とからなる覆輪留め
    宝飾品の製造法。
  3. 【請求項3】 前記石座は、取付ける宝石の外径と略同
    一の内径を有し、宝石のパピリオン面に係止するテーパ
    ー部が形成されていることを特徴とする前記請求項1な
    いし請求項2のいずれか1に記載された覆輪留め宝飾品
    の製造法。
  4. 【請求項4】 前記石座は、水平方向幅厚が取付ける宝
    石の直径の約15%以下であり、上下方向幅厚が前記宝
    石の高さの約30%以下であることを特徴とする前記請
    求項1ないし請求項3のいずれか1に記載された覆輪留
    め宝飾品の製造法。
  5. 【請求項5】 前記長筒体又は前記短筒体は、二等分又
    は三等分にしたそれぞれ異なる貴金属素材からなる半筒
    体、例えば、合金、プラチナ又は銅からなる半筒体を互
    いに組み合わせてを形成されていることを特徴とする前
    記請求項1ないし4のいずれか1に記載された覆輪留め
    宝飾品の製造法。
  6. 【請求項6】 前記請求項1又は請求項2に記載された
    製造工程により製造した覆輪留め宝飾品の覆輪部と異な
    る貴金属素材により構成される第2長筒体の後端を旋盤
    のチャック部に装着する第1工程と、該長筒体を旋盤に
    より回転させながら、心押台に取付けた拡径治具を前記
    第2長筒体の先端に挿入し、拡径して前記覆輪留め宝飾
    品の覆輪部を着座させるための第2石座を前記第2長筒
    体の先端に形成する第2工程と、前記第2石座に前記覆
    輪留め宝飾品を着座させ、該覆輪留め宝飾品の宝石のテ
    ーブル面を押当て治具の先端で押圧して前記第2石座に
    固定する第3工程と、再び旋盤を回転させながら前記覆
    輪留め宝飾品の覆輪部に位置する前記第2石座の外周部
    を第1押圧ローラで求心方向に圧着する第4工程と、前
    記石座の先端部を第2押圧ローラで、前記覆輪留め宝飾
    品の宝石のクラウン面に沿って傾斜方向に圧着する第5
    工程と、前記第4、5工程で圧着変形させた第2石座に
    おける前記覆輪留め宝飾品の覆輪部に当接する上下圧着
    部分をカッターで一定幅に切断し二重覆輪部を形成する
    第6工程とからなる覆輪留め宝飾品の製造法。
  7. 【請求項7】 前記請求項1又は請求項2に記載された
    製造工程により製造した覆輪留め宝飾品の覆輪部と異な
    る貴金属素材により構成され、内部略先端に前記覆輪留
    め宝飾品の覆輪部の外径と略同一の内径からなる第2石
    座を形成した第2短筒体の後端を旋盤のチャック部に装
    着する第1工程と、前記第2石座に前記覆輪留め宝飾品
    を着座させ、該覆輪留め宝飾品の宝石のテーブル面を押
    当て治具の先端で押圧して前記第2石座に固定する第2
    工程と、旋盤を回転させながら前記覆輪留め宝飾品の覆
    輪部に位置する前記第2石座の外周部を第1押圧ローラ
    で求心方向に圧着する第4工程と、前記石座の先端部を
    第2押圧ローラで、前記覆輪留め宝飾品の宝石のクラウ
    ン面に沿って傾斜方向に圧着する第5工程と、前記第
    4、5工程で圧着変形させた第2石座における前記覆輪
    留め宝飾品の覆輪部に当接する上下圧着部分をカッター
    で一定幅に切断し二重覆輪部を形成する第6工程とから
    なる覆輪留め宝飾品の製造法。
  8. 【請求項8】 前記請求項6又は請求項7に記載された
    二重覆輪部を有する覆輪留め宝飾品の覆輪部と異なる貴
    金属素材により構成される第3長筒体又は第3短筒体の
    後端を旋盤のチャック部に装着する第7工程と、前記請
    求項6又は請求項7に記載された前記第2~6工程の圧
    着、切断工程を繰り返し行って三重覆輪部を形成する覆
    輪留め宝飾品の製造法。
  9. 【請求項9】 前記請求項6ないし請求項9のいずれか
    1に記載された覆輪留め宝飾品の覆輪部は、それぞれ異
    なる貴金属素材からなる貴金属片、例えば、合金片、プ
    ラチナ片又は銅片をそれぞれ組み合わせて二重又は三重
    に形成されたものであることを特徴とする覆輪留め宝飾
    品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109288216A (zh) * 2018-09-19 2019-02-01 深圳市朗耀电子商务有限公司 一种珠宝首饰加工用夹具

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