JP2001192750A - 高純度水銀を得るための連続蒸留装置 - Google Patents

高純度水銀を得るための連続蒸留装置

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JP2001192750A JP2000041997A JP2000041997A JP2001192750A JP 2001192750 A JP2001192750 A JP 2001192750A JP 2000041997 A JP2000041997 A JP 2000041997A JP 2000041997 A JP2000041997 A JP 2000041997A JP 2001192750 A JP2001192750 A JP 2001192750A
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Takamasa Iwasaki
隆昌 岩崎
Makoto Okinaka
誠 沖中
Mitsuaki Kamimura
光章 上村
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YAMATO KINZOKU KOGYO KK
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水銀中に含まれる不純物金属の少ない高純度
水銀を安定して得ることを可能にする水銀連続蒸留装置
およびその実施方法を提供すること。 【解決手段】 水銀の連続蒸留装置において、水銀蒸留
タンク(3)と冷却器(5)の途中に精留塔(4)を設
置し、精留塔(4)の内部に分留の目的を果たす充填材
(31)を入れると共に気化水銀のフィルタ通過機構を
設ける。フィルタ機構としてはステンレスカートリッジ
フィルタ(33)を取り付けるか、1組ないし6組を適
当とする複数の耐熱性フィルタセット(41)を水銀蒸
気通路を遮断する形で斜めにかつ気密に取り付ける。耐
熱性フィルタセット(41)は、ガラス繊維濾紙(3
8)および四フッ化エチレン樹脂製濾紙(39)の中か
ら選択した任意の1〜3枚と、気密性を保持するパッキ
ング(40)および必要に応じて機械的補強のためにス
テンレス製金網(37)を組み合わせて1組を構成し使
用する。それぞれのフィルタ機構に応じて液化水銀還流
用のピンホールを設け、気化水銀のフィルタ通過機能を
付加して蒸留することを特徴とする水銀連続精製装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水銀中に含まれる
不純物金属の少ない高純度水銀を安定して得ることを可
能にする水銀連続蒸留装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在のわが国では、主として、水銀系廃
棄物から回収した水銀を市場に資源リサイクルする状況
になっており、廃棄物から回収した粗水銀は、鉱石から
得ていた従来水銀とは不純物の質と量が異なり、不純物
の種類も多様かつ複雑になっている。このような粗水銀
を精製するには、従来の手法を踏襲していたのでは不十
分と言わざるを得ない。
【0003】図2は、従来の水銀連続蒸留装置の系統図
である。装置で水銀が触れる部分は主としてステンレス
により一部はガラスにより構成されている。水銀蒸留タ
ンク(3)の中の精製前原料水銀には、鉄、亜鉛、鉛、
銅、ニッケル、カドミウム、クロム、銀、カルシウム、
ナトリウムなどの不純物金属が含まれている。蒸留が始
まると、水銀蒸留タンク(3)の空間には水銀蒸気と共
に気体として存在する不純物の他に、一部は細かな固形
粒子状となって浮遊しているものもある。全ガラス製蒸
留器を用いて不純物を添加した水銀を真空蒸留すると
き、蒸留フラスコの空間に粉体状不純物の浮遊している
現象が、肉眼によっても明確に観察できることから、浮
遊固形不純物の存在は程度の差はあっても普遍的なもの
と考えられる。更に、水銀蒸留タンク(3)の空間に存
在する不純物は、蒸留の経過と共に一部は水銀と一緒に
挙動し、配管を通じて冷却器(5)で冷却され液化水銀
と混合する。従って、水銀と共沸現象で入りこむ不純物
金属の他に微小固形粒子の形の不純物もあり、蒸留によ
って得られる精製水銀タンク(7)中の水銀に含まれる
不純物を極めて少ない程度にまで排除することは極めて
困難なことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】蒸留によって得た水銀
は、放置しておくと不純物や金属酸化物が水銀表面に浮
いたり、ガラス容器の器壁に暗黒色のすじが着く現象が
現われるので、このあと物理的な濾過によって不純物粒
子を除くことが通常行われる。いわば、最終精製工程で
は蒸留と濾過はセットで考えられている。具体的な濾過
方法の例としては、最初にガラスフィルタを用いた減圧
濾過により比較的大きな不純物粒子を除き、次に四つ折
りにしたセルロース濾紙の底になる先端にピンホールを
あけたものを用いて濾過し、水銀表面の浮遊異物を除い
ている。しかし、濾材の種類により異なるが、保留粒子
径が数μmから十数μm以下の濾材を用いると減圧濾過
によっても水銀が通過しないこと、濾紙にピンホールを
開けて底部水銀を通過させる濾過方法は混在する微小粒
子を完全に除去することはできないこと、水銀とアマル
ガムをつくっている不純物金属は濾過では除外できない
ことから、これまでの水銀の蒸留及び濾過による精製操
作では不純物を極めて少ない程度まで除くことは困難で
あり、精製効果には限界があった。本発明の目的は、不
純物金属が従来の方法より少ない精製水銀を安定的に得
ることが可能な連続蒸留装置及びその実施方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
し目的を達成するために、水銀蒸留タンク3と冷却器5
の途中に精留塔4を設置し、精留塔4の内部に分留用充
填材31を充填すると共に、ステンレスカートリッジフ
ィルタ33を取り付ける。または、カートリッジフィル
タを設ける代わりに、1組ないし6組を適当とする複数
の耐熱性フィルタセット41を水銀蒸気通路を遮断する
形で斜めにかつ気密に取り付ける。本発明の要旨は、蒸
留時に気化した水銀は全て、耐熱性の濾過材を通過する
機能を付加するために、構成要素の中でステンレスカー
トリッジフィルタ33または濾紙による耐熱性フイルタ
セット41の設置を必須とすることにある。
【0006】精留塔(4)の内部に設置するステンレス
カートリッジフィルタ(33)には、公称孔径3〜40
μmのオールステンレス製のものを用い、液化水銀の還
流用にカートリッジフィルタ取り付け下部の先端を封じ
たステンレス管(34)に1〜3mmのピンホール(3
5)を設ける。1ないし6組を適当とする複数の耐熱性
フイルタセット(41)を取り付ける場合には、1組の
フィルタセット(41)に保留粒子径0.3〜1.0μ
mのガラス繊維濾紙(38)および保留粒子径2〜10
μmの四フッ化エチレン樹脂製濾紙(39)の中から選
択した1〜3枚を用いて任意に組み合わせて構成し、か
つ液化水銀の還流用に、それぞれの濾紙の気化水銀が通
過する面で最下方になる箇所に1〜3mmのピンホール
を設ける。
【0007】分留用充填材31としてはラヒシリング、
マクマホンパッキング、ヘリパック、ディクソンパッキ
ングなどの中から選択して用い、精留塔の外部にはリボ
ンヒータおよび保温材を巻き加熱と保温をしながら使用
する。
【0008】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもと
づき図面を参照して説明する。図1は、本発明の水銀連
続蒸留装置の系統図であり、装置で水銀が触れる部分は
主としてステンレスにより一部はガラスにより構成され
ている。水銀蒸留タンク1から冷却器5へ通じる配管立
ち上がり箇所には精留塔4を設置する。精留塔の内部に
は図3に示したように、分留用充填材31を充填すると
共に、ステンレスカートリッジフィルタ33を設置す
る。ステンレスカートリッジフィルタ33は、耐熱性の
観点から、公称孔径3〜40μmのオールステンレス製
のものを用いるが、メディア形状としては円筒型又はプ
リーツ型のどちらも使用することができる。また、カー
トリッジフィルタの取り付け下部の先端を封じたステン
レス管34に、水銀の還流用として1〜3mmのピンホ
ール35を設ける。
【0009】ステンレスカートリッジフィルタ33を設
ける代わりに、1〜6組を適当とする複数の耐熱性フィ
ルタセット41を水銀蒸気通路を遮断する形で斜めにか
つ気密に取り付けてもよい。1組の耐熱性フィルタセッ
ト41は、保留粒子径0.3〜1.0μmのガラス繊維
濾紙38および保留粒子径2〜10μmの四フッ化エチ
レン樹脂製濾紙39の中から選択した1〜3枚の耐熱性
濾紙を用い、任意に組み合わせて構成する。ガラス繊維
濾紙38は厚さ0.2〜0.8mm、耐熱温度500℃
であり、四フッ化エチレン樹脂製濾紙39は厚さ0.3
〜1.0mm、耐熱温度260℃のものが使用される。
1組ないし6組を適当とする複数の耐熱性フィルターセ
ット41に使われる耐熱性濾紙の合計使用枚数は、蒸留
精製の程度と蒸留速度の要求に従って決められ、実質的
な利用としては15枚迄が適当なところであるが、保留
粒子径の大きい濾紙を使用する場合は16枚以上も可能
であり、本発明の主旨は耐熱性フィルターセット41の
使用組数や濾紙の合計使用枚数を具体的に限定するもの
ではない。
【0010】例えば、4組の耐熱性フィルタセット41
を精留塔4内部に設置するときに、水銀蒸気通路を遮断
する形で斜めにかつ気密に取り付ける方法として、図4
の(a)(b)(c)に示した3例があげられる。しか
し、いずれの方法でも可能であり、本発明はその方法を
制限するものではない。また、それぞれの耐熱性フィル
タセット41を構成する濾紙において、気化水銀が通過
する面で最下方になる箇所には、水銀蒸気が液化して溜
まるので、その水銀を水銀蒸留タンク3へ逃がすための
適当な大きさのピンホールをつくることが重要である。
この場合の適当な大きさのピンホールとは直径1〜3m
mの穴であり、望ましくは1.5〜2.0mmの直径が
適している。濾紙の下部に液体水銀が溜まる高さは、ピ
ンホール直径により規定される。最適なピンホール径な
らば、濾紙底部に適当に少量の水銀が溜まり、穴は常に
液体水銀により塞がれていて、それ以上の水銀は濾紙の
下に逃げて還流される。しかし、1mmより小さすぎる
ピンホールでは、液体水銀がピンホールを通過して下に
落ちることが困難になり濾紙上に多量に溜まる。水銀が
多量に溜まると、気化水銀が通過する濾紙面積が減少し
蒸留速度が遅くなる不利があること、あるいは、溜まっ
た水銀の重量に濾紙が耐えられず破損するなどの弊害が
起きる。
【0011】図5には、ガラス繊維濾紙38および四フ
ッ化エチレン樹脂製濾紙39の形と、取り付け補助具で
あるステンレス製丸金網37及びパッキング40の形を
示した。いずれも円筒状の精留塔内に斜めにセットする
ために、最外側は同じ楕円形になっていて、設置するフ
ィルタの傾斜勾配にもとづき楕円形の長径が決定され
る。フィルタの勾配としては水平に対して5°〜30°
が適している。
【0012】図6には、ガラス繊維濾紙38および四フ
ッ化エチレン樹脂製濾紙39を精留塔4に取り付ける状
況を示した。ステンレス製丸枠36は精留塔の内部に丁
度収まる円柱で、取り付けるフィルタの勾配に従って水
平に対して斜めに切ってある。図では、斜めに切ったス
テンレス製丸枠36の上に耐熱性フィルタセット41を
置き、その上にステンレス製丸枠36をかぶせて1組の
フィルタがセットされる様子を示している。耐熱性フィ
ルタセット41の詳しい構成例としては、パッキング4
0、四フッ化エチレン樹脂製濾紙39、ガラス繊維濾紙
38、四フッ化エチレン樹脂製濾紙39、ステンレス製
丸金網37の各1枚を順に重ねたもので、扱いやすいよ
うに相互に耐熱性接着剤で一体化したものとなってい
る。1組に1〜3枚の濾紙を用い、組数を多くとれば任
意の複数枚数の濾紙をセットできる。ガラス繊維濾紙3
8は保留粒子径が小さいことが有利であるが機械的な強
度に弱く、時には水銀の重みに耐えられないなどの欠点
があるため、保留粒子径は大きいが機械的張力に強い四
フッ化エチレン樹脂製濾紙39と組み合わせて用いると
よい。ステンレス製丸金網37は使用前後に特に圧力の
かかる最上段や最下段の補強に使用する。
【0013】精留塔の内部底に分留用充填材32を詰
め、その上に図3に示したオールステンレス製のステン
レスカートリッジフィルタ33、または図6に示した1
組ないし6組を適当とする複数の耐熱性フィルターセッ
ト41を設置する。分留用充填材31としてはラヒシリ
ング、マクマホンパッキング、ヘリパック、ディクソン
パッキングなどの中から選択して用いる。精留塔4の内
部がセットできたなら、水銀蒸留タンク3及び冷却器5
と連結し、水銀蒸留タンク3にメインヒータ14を取り
付けて保温材を巻く。精留塔4の外部はリボンヒータお
よび保温材を巻き、必要な加熱と保温を行えるようにす
る。
【0014】図1において、切替えコック13、20、
22を開け、電磁弁10のスイッチを入れてから真空ポ
ンプ27を作動させると装置内部は減圧となり、水銀受
器6の中の水銀は冷却器5へ通じる管を上昇し、また、
水銀蒸留タンク3の中には水銀仕込容器2を経由して水
銀供給タンク1の水銀が供給される。メインヒータ14
と精留塔4に巻いたリボンヒータのスイッチを入れると
水銀は加熱されて蒸気となる。蒸気化した水銀は精留塔
4に上昇し、分留用充填材31の間を通過し、耐熱性濾
材繊維の間隙を通過する。この間に微小粒子状物質は濾
材を通過できない物理的作用と、分留効果により不純物
金属が除かれ、精製された水銀蒸気が冷却器5へと進み
液化する。
【0015】水銀蒸留タンク3の水銀が留出により減少
すると真空のバランスを保つ必要から水銀仕込容器2の
水銀が上昇して供給される。水銀仕込容器2にはレベル
センサ11が取り付けてあり、水銀レベルの低下に伴い
電磁弁10が作動し水銀供給タンク1の水銀が補給され
る。一方、冷却器5で冷却された水銀は水銀受器6にい
ったん貯められてから精製水銀タンク7に流入する。か
くして、水銀は連続的に蒸留が継続されるが、水銀蒸留
タンク3の中の水銀は蒸留を続けていると不純物の量が
次第に多くなるので、不純物濃度が高くなった時点で蒸
留を中断して水銀の抜き取りを行う。
【0016】
【実施例】同一組成からなる原料水銀を図1の本発明の
水銀連続蒸留装置を用いて蒸留した水銀と、図2の従来
の水銀連続蒸留装置により蒸留した水銀を、それぞれ四
つ折りにしたセルロース濾紙の先端にピンホールをあけ
たものを用いて2回濾過した水銀で分析比較した。
【0017】水銀の連続蒸留時の条件は、図1の本発明
の水銀連続蒸留装置を用いた蒸留では、温度センサ18
で測定した蒸留温度は146〜149℃、水銀蒸留タン
ク温度195〜198℃、減圧度3mmHg、留出速度
1.4〜1.6kg−Hg/時間で一昼夜連続運転し
た。精留塔の中には分留用充填材としてマクマホンパッ
キングを用い、耐熱フィルタセット41には図4(a)
の様式で、最上段と2段目に保留粒子径0.3μmのガ
ラス繊維濾紙を保留粒子径10μmの四フッ化エチレン
樹脂製濾紙の2枚で挟んだものを使用し、3〜4段目は
保留粒子径10μmの四フッ化エチレン樹脂製濾紙を2
枚重ねたものを用いた。蒸留した水銀は、精製水銀タン
クより取り出し、四つ折りにしたセルロース濾紙の円錐
先端にピンホールをあけたものを用いて濾過し、この濾
過を更にもう一回繰り返した。
【0018】図2の従来の水銀連続蒸留装置を用いた蒸
留では、水銀蒸留タンク温度143〜146℃、真空度
3mmHg、留出速度2.1〜2.3kg−Hg/時間
で一昼夜連続運転した。蒸留した水銀は、四つ折りにし
たセルロース濾紙の円錐先端にピンホールをあけたもの
を用いて2回濾過した。
【0019】分析方法は、それぞれ500gの濾過済み
水銀を取り、50倍に希釈した硝酸100mlと共に分
液漏斗中で1時間振盪して水層をとる。水銀層は再度5
0倍に希釈した硝酸100mlと共に1時間振盪して水
層をとる。水銀層は最後に100mlの水で2回洗浄
し、2回の希硝酸抽出液と2回の水洗液を一緒にして加
熱濃縮する。濃縮液をメスフラスコに入れ、定量として
から原子吸光法により含有金属を測定する。
【0020】本発明の水銀連続蒸留装置を用いて蒸留し
た水銀をピンホール濾紙で2回濾過した水銀中の不純物
金属測定値は、Fe;0.02ppm以下、Zn;0.
02ppm、Pb;0.02ppm以下、Cu;0.0
2ppm以下、Ni;0.02ppm以下、Cd;0,
02ppm以下、Cr;0.02ppm以下、Ag;
0.02ppm以下、Ca;0.07ppm、Na;
0.05ppmであった。
【0021】これに対し、図2の従来の水銀連続蒸留装
置により蒸留した水銀をピンホール濾紙で2回濾過した
水銀中の不純物金属測定値は、Fe;0.56ppm、
Zn;0.36ppm、Pb;0.14ppm、Cu;
0.05ppm、Ni;0.02ppm、Cd;0,0
2ppm、Cr;0.02ppm以下、Ag;0.03
ppm、Ca;3.8ppm、Na;1.7ppmであ
った。
【0022】また、本発明の水銀連続蒸留装置を用いて
蒸留した水銀を、ピンホール濾紙で2回濾過したものを
500g水銀用ガラスびんに入れ、1週間室温で放置し
てもびんの内容物は何ら変化がなかった。これに対し、
従来の水銀連続蒸留装置により蒸留した水銀を同様方法
で濾過して放置したところ、水銀表面が容器に接触する
ガラス内側に淡い灰色のすじが付着していた。
【0023】
【発明の効果】本発明の、気化した水銀は全てフィルタ
を通過する機能を付加した精留塔を設置した水銀蒸留装
置によれば、微小粒子不純物の混入が減少すると共に、
分留効果が上がるため水銀の精製能力が高くなる。ま
た、蒸留装置の水銀供給部と水銀留出部は水銀で封じて
外気と遮断し、水銀は必要に応じて水銀供給タンクから
水銀蒸留タンクへ供給されるので、真空を維持しながら
連続的に蒸留することができ、不純物金属の少ない高純
度水銀を安定して得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る水銀連続蒸留装置の
系統図である。精留塔の内部には、ステンレスカートリ
ッジフィルタを取り付けた場合と、4組の耐熱性フィル
タを取り付けた場合を示した。
【図2】従来例に係る水銀連続蒸留装置の系統図であ
る。
【図3】精留塔に分留用充填材とステンレスカートリッ
ジフィルタを設置した状況を示す図である。
【図4】精留塔に4組の耐熱性フィルタセットを取り付
ける方法3例を示す図である。
【図5】耐熱性フィルタセットを構成する濾紙および取
り付け付属品の形を例示する図である。
【図6】精留塔の内部に取り付ける耐熱性フィルタセッ
トの構成および取り付け状況を例示する図である。
【符号の説明】
1 ‥‥‥‥水銀供給タンク 2 ‥‥‥‥水銀仕込容器 3 ‥‥‥‥水銀蒸留タンク 4 ‥‥‥‥精留塔 5 ‥‥‥‥冷却器 6 ‥‥‥‥水銀受器 7 ‥‥‥‥精製水銀タンク 8 ‥‥‥‥水銀 9 ‥‥‥‥冷却水 10 ‥‥‥‥電磁弁 11 ‥‥‥‥レベルセンサ 12 ‥‥‥‥ガラス管 13 ‥‥‥‥切替えコック 14 ‥‥‥‥メインヒータ 15 ‥‥‥‥温度センサ 16 ‥‥‥‥フランジ 17 ‥‥‥‥フランジ 18 ‥‥‥‥温度センサ 19 ‥‥‥‥フランジ 20 ‥‥‥‥切替えコック 21 ‥‥‥‥ガラス管 22 ‥‥‥‥切替えコック 23 ‥‥‥‥肉厚ゴム管 24 ‥‥‥‥真空びん 25 ‥‥‥‥シリコンゴム栓 26 ‥‥‥‥脱脂綿 27 ‥‥‥‥真空ポンプ 28 ‥‥‥‥切替えコック 29 ‥‥‥‥パッキング 30 ‥‥‥‥ボルトナット 31 ‥‥‥‥分留用充填材 32 ‥‥‥‥金網(ステンレス製) 33 ‥‥‥‥ステンレスカートリッジフィルター 34 ‥‥‥‥ステンレス管 35 ‥‥‥‥ピンホール位置 36 ‥‥‥‥ステンレス製丸枠 37 ‥‥‥‥ステンレス製丸金網 38 ‥‥‥‥ガラス繊維濾紙(楕円形) 39 ‥‥‥‥四フッ化エチレン樹脂製濾紙(楕円形) 40 ‥‥‥‥パッキング(楕円形) 41 ‥‥‥‥耐熱フィルタセット(37、38、39
及び40を必要に応じて組み合わせ一体化した構成物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D076 AA05 AA16 AA22 BB04 BC03 CA19 CD22 DA22 EA03X EA12X EA14X FA03 FA18 FA33 FA37 HA03 JA03 4K001 AA14 BA23 EA01 EA06 GA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水銀の連続蒸留装置において、水銀蒸留
    タンク(3)から冷却器(5)へ通じる配管立ち上がり
    箇所に精留塔(4)を設置し、精留塔(4)の内部に分
    留用充填材(31)を充填すると共に、ステンレスカー
    トリッジフィルタ(33)または1組ないし6組を適当
    とする複数の耐熱性フィルタセット(41)を取り付け
    て、気化した水銀は全てフィルタを通過する機能を付加
    して蒸留することを特徴とする水銀の連続蒸留装置。
  2. 【請求項2】 精留塔(4)の内部に分留用充填材(3
    1)を充填すると共に、公称孔径3〜40μmのオール
    ステンレス製のステンレスカートリッジフィルタ(3
    3)を設置し、液化水銀の還流用に、カートリッジフィ
    ルタ取り付け下部の先端を封じたステンレス管(34)
    に1〜3mmのピンホール(35)を設けることを特徴
    とする請求項1に記載の水銀の連続蒸留装置。
  3. 【請求項3】 精留塔(4)の内部に分留用充填材(3
    1)を充填すると共に、1組ないし6組を適当とする複
    数の耐熱性フイルタセット(41)を水銀蒸気通路を遮
    断する形で斜めにかつ気密に取り付ける。1組のフィル
    タセット(41)は保留粒子径0.3〜1.0μmのガ
    ラス繊維濾紙(38)および保留粒子径2〜10μmの
    四フッ化エチレン樹脂製濾紙(39)の中から選択した
    1〜3枚を任意に組み合わせて構成し、かつ液化水銀の
    還流用に、それぞれの濾紙の気化水銀が通過する面で最
    下方になる箇所に1〜3mmのピンホールを設けること
    を特徴とする請求項1に記載の水銀の連続蒸留装置。
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Cited By (5)

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