JP2001191480A - ２種以上の印刷物を並行して各別に作成可能な輪転機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の輪転機では、使用されなかった給紙部
１、印刷部２を使って別個の新聞を生産することは不可
能であった。 【解決手段】複数の供給部１と、給紙部１と同数の印刷
部２と、連続紙Ｗを裁断し折り畳む１つの折畳部４を構
成単位とする輪転機において、折畳部４は、それぞれ別
個の駆動手段５０を有して個別に駆動可能な２つ以上の
裁断折畳機構５と、裁断折畳機構５と同数からなるフォ
ーマー６と、裁断折畳機構５のいずれか１つと整合する
用に個別に駆動され、フォーマー６に向けて連続紙Ｗを
案内する少なくともフォーマー６と同数からなる駆動ロ
ーラー７とを有する。印刷部２は、別個の駆動手段２０
を有して個別駆動可能に設けられる。印刷部２の駆動手
段２０と裁断折畳機構５の駆動手段５０とを適宜組み合
わせ各組み合わせ毎に駆動制御可能な駆動制御手段８と
を有する輪転機による。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、巻取紙が装着可
能であり、かつこの巻取紙から引き出した連続紙を供給
する給紙部と、巻取紙から引き出した連続紙に印刷を行
う印刷部と、印刷後の連続紙を切断して折り畳み排出す
る折畳部とを備え印刷物を生産する輪転機に関する。

【０００２】

【従来の技術】輪転機、例えば新聞を印刷する輪転機に
関して連続紙に片面４ページ、表裏合計８ページを印刷
できる新聞４ページ幅の印刷幅を有する印刷部を幾つか
備えるとともに、この印刷部に新聞４ページ幅の連続紙
を供給する給紙部と、印刷された連続紙を重ね合わせ、
切断し、折り畳む折畳部で構成され、生産された新聞は
下流行程で所定部数積み重ね、包装、結束までを連続し
て施される。

【０００３】図１２、図１３、図１４、図１５、図１
６、図１７は、従来の先行技術を示すもので本願出願人
が製造する輪転機の一例である。装着する新聞４ページ
幅の巻取紙ＷＲの軸方向と直角な方向に列を形成するよ
うに並べられ、新聞４ページ幅の連続紙Ｗを供給可能な
最大４８ページの新聞を生産できる６つの給紙部１と、
給紙部１と同方向に並べられ、しかも版胴Ｐの軸方向を
給紙部１に装着した巻取紙ＷＲの軸方向と平行に並べら
れている６つの印刷部２と、各給紙部１に対応する印刷
部２を通過した連続紙Ｗを案内するために印刷部２の下
流から折畳部９の上流までに設けたガイドローラー３
０、連続紙Ｗを長手方向と平行に二分して新聞２ページ
幅にしたときに、一方の連続紙Ｗ１を他方の連続紙Ｗ２
に重ね合わせるためのターンバー装置３１とからなる案
内機構３と、６つの印刷部２の中間に配置され印刷部２
の版胴Ｐの軸方向と直角になるように折胴Ｆの軸方向を
並べ、案内機構３より案内された連続紙Ｗ１、Ｗ２を裁
断し折り畳んで新聞を生産する１つの折畳部９とで構成
される。

【０００４】折畳部９は、案内される連続紙Ｗ１、Ｗ２
の幅方向に並べて設けられ連続紙Ｗ１、Ｗ２を裁断して
折り畳む裁断折畳機構９０、９０’と、案内機構３によ
り案内された連続紙Ｗ１、Ｗ２を長手方向に２つ折り可
能なフォーマー６、６’とフォーマー６、６’の直ぐ上
流に位置しフォーマー６、６’に向けて連続紙Ｗ１、Ｗ
２を案内する駆動ローラー９１とで構成される。

【０００５】輪転機の駆動としては、共通な主駆動軸９
２が設けられており、複数の印刷部２は、その主駆動軸
９２の範囲内にそれぞれギヤーボックス９３を介して版
胴Ｐを回転駆動する駆動手段９４を設け、印刷部２、２
間及び印刷部２と折畳部９間には、伝達される駆動の接
続と切り離しを行うクラッチ９５を備えている。

【０００６】また、折畳部９は、主駆動軸９２の範囲内
に双方の裁断折畳機構９０、９０’を駆動し同時に駆動
ローラー９１を駆動する駆動手段９６が設けられてい
る。なお裁断折畳機構９０、９０’には両方にクラッチ
（図示なし）が設けられており、駆動手段９６からの駆
動の接続と切り離しが可能である。

【０００７】印刷運転する場合には、予め定めた印刷部
２のクラッチ９５及び裁断折畳機構９０、９０’のクラ
ッチ（図示なし）を接続して使用する範囲の主駆動軸９
２を一体とし、使用する印刷部２、裁断折畳機構９０、
９０’は一体に連係された状態でそれぞれの駆動手段９
４、９６の駆動により一斉に駆動される。

【０００８】従来の技術の輪転機の詳細は、図１２、図
１３に示すように並べて設けられた２つの裁断折畳機構
９０、９０’を全て使用し、更に各々６つからなる全て
の給紙部１、印刷部２を使用して最大２４ページの新聞
を生産する輪転機がある。

【０００９】給紙部１に装着される新聞４ページ幅の巻
取紙ＷＲより引き出された連続紙Ｗは各々の給紙部１に
対応する印刷部２で印刷され、印刷部２を経て並べて設
けられた裁断折畳機構９０、９０’まで新聞４ページ幅
のまま案内機構３のガイドローラー３０により案内さ
れ、フォーマー６、６’の直ぐ上流の駆動ローラー９１
の外周面上において、他の連続紙Ｗと重ね合わされ、直
ぐに連続紙Ｗの長手方向と平行に連続紙Ｗ１、Ｗ２にな
るように二分され、二分された連続紙Ｗ１、Ｗ２がそれ
ぞれ並べて設けられたフォーマー６、６’に案内され、
フォーマー６、６’により長手方向に２つ折りに畳ま
れ、更に裁断折畳機構９０、９０’に案内され紙幅方向
と平行に裁断して折り畳んだ新聞を輪転機の列と直角な
方向に両側に排出されるようになっている。

【００１０】図１４、図１５では、並べて設けられた２
つの裁断折畳機構９０、９０’の１つの裁断折畳機構９
０を使用して残りの１つは休止させ、各々６つからなる
全ての給紙部１、印刷部２を使用した最大ページ数４８
ページの印刷物を生産する輪転機が示されている。

【００１１】給紙部１に装着される巻取紙ＷＲより引き
出された連続紙Ｗは、各々の給紙部１に対応する印刷部
２で印刷され、印刷された連続紙Ｗは、印刷部２の近傍
下流で長手方向に平行に連続紙Ｗ１、Ｗ２になるよう二
分される。二分された連続紙Ｗ１、Ｗ２は案内機構３の
ターンバー装置３１によって、二分された連続紙Ｗの一
方の連続紙Ｗ１と、他方の連続紙Ｗ２を上下関係にさ
れ、ガイドローラー３０により駆動ローラー９１に向け
て案内され、裁断折畳機構９０の対応するフォーマー６
の直ぐ上流の駆動ローラー９１の外周面上で重ね合わさ
れ、直ぐフォーマー６により長手方向に２つ折りに畳ま
れ、更に裁断折畳機構９０に案内され紙幅方向と平行に
裁断して折り畳まれた新聞が輪転機の列と直角な方向に
列の片側に排出されるようになっている。

【００１２】図１６、図１７では、並べて設けられた２
つの裁断折畳機構９０、９０’の１つの裁断折畳機構９
０を使用して残りの１つは休止させ、また６つの印刷部
２のうち４つの印刷部２に対応する４つの給紙部１を使
用し、最大３２ページの新聞を生産する輪転機が示され
ている。残る２つの印刷部２および２つの給紙部１は、
休止させる。

【００１３】連続紙Ｗの通過経路としては、図１４、図
１５と同様に給紙部１に装着させる巻取紙ＷＲより引き
出し連続紙Ｗは、印刷部２を経て、長手方向に平行に連
続紙Ｗ１、Ｗ２になるように二分し、ターンバー装置３
１よって二分された連続紙Ｗ１、Ｗ２は上下関係に重ね
合わされ、その後駆動ローラー９１により、並べて設け
られたフォーマー６、６’のうちの一方のフォーマー６
へ案内され、裁断折畳機構９０を通ることにより折り畳
まれ、裁断して新聞とされ、輪転機の列と直角な方向に
列の片側に排出される。

【００１４】

【発明が解決使用とする課題】従来の技術である図１
２、図１３に示される輪転機では、最大２４ページを同
時に２倍の部数が生産され、裁断折畳機構９０、９０’
の２つを全てを使用し、給紙部１、印刷部２も全て使用
する効率の良い生産となっている。この場合は、主にペ
ージ数の少ない夕刊紙の印刷などに使われている。

【００１５】図１４、図１５に示される輪転機では、最
大４８ページを生産し、裁断折畳機構９０、９０’の１
つを使用し、残りの１つは休止させているが、給紙部
１、印刷部２は全て使用する効率のよい生産となってい
る。この場合は、主にページ数の多い朝刊紙の印刷など
に使われている。

【００１６】しかし、この従来の技術には、以下のよう
な解決すべき課題があった。最大ページ数の新聞を生産
しない場合、例えば４０ページ以下のページ数の朝刊紙
などを印刷した場合には、図１６、図１７に示されるよ
うに、使用しない裁断折畳機構９０’が一つ生じるほ
か、給紙部１、印刷部２の使用する台数が生産するペー
ジ数により限定されるため、各々１つ又は複数の給紙部
１、印刷部２が使用されないことになる。輪転機の稼働
率を向上させるためには、これら使用されない各給紙部
１、印刷部２を更に別個の印刷工程に利用することが望
まれるが、２つある裁断折畳機構９０、９０’の一方の
裁断折畳機構９０が使われている場合には、他方の裁断
折畳機構９０’は、他に駆動源がなく個別では駆動でき
ない。そのため使用されなかった給紙部１、印刷部２を
使って別個の新聞を生産することは不可能であった。従
来の技術としては、使用されなかった給紙部１、印刷部
２を有効に利用する手段がないのが実状である。

【００１７】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記従来の
技術が抱えていた課題を一挙に解決しようとするもの
で、印刷工程により利用されなかった折畳部の裁断折畳
機構、印刷部、給紙部を有効に利用しての印刷工程が可
能となり、互いに干渉されず効果的に利用することがで
き、輪転機の稼働率を向上させるとともに、印刷物の生
産を向上させることが出来る輪転機を提供することを目
的としている。

【００１８】上記の課題を解決するために、連続紙を供
給する複数の給紙部と、少なくとも給紙部と同数の印刷
部と、連続紙を裁断し折り畳む１つの折畳部を構成単位
とし、給紙部から印刷部を経て折畳部に連続紙を案内し
て印刷物を生産する輪転機に置いて、それぞれ別個の駆
動手段を有して個別に駆動可能な２つ以上の裁断折畳機
構と、少なくとも裁断折畳機構と同数からなるフォーマ
ーと、裁断折畳機構のいずれか１つと整合するようにそ
れぞれ個別に駆動され、フォーマーに向けて連続紙を案
内する少なくともフォーマーと同数からなる駆動ローラ
ーとを有する折畳部とそれぞれが別個の駆動手段を有し
て個別駆動可能に設けられる印刷部と、少なくとも印刷
部の駆動手段と、裁断折畳機構の駆動手段とを適宜組み
合わせ、各組み合わせ毎に駆動制御可能な駆動制御手段
とを有する２種以上の印刷物を並行して各別に作成可能
な輪転機を提案する。

【００１９】また、新聞４ページ幅の連続紙を供給可能
な給紙部と、新聞４ページの印刷幅を有する少なくとも
給紙部と同数の印刷部と、連続紙を裁断し折り畳んで新
聞を生産する１つの折畳部とを構成単位とし、給紙部か
ら印刷部を経て折畳部に連続紙を案内して印刷物を生産
する輪転機において、それぞれ別個の駆動手段を有して
個別に駆動可能であるとともに案内される連続紙の紙幅
方向に２つ並べて設けられる裁断折畳機構と、それぞれ
の裁断折畳機構と対応して設けられ、それぞれ新聞２ペ
ージ幅の連続紙を長手方向へ２つ折り可能な２つのフォ
ーマーと、裁断折畳機構のいずれか１つと整合するよう
にそれぞれ個別に駆動され、対応するフォーマーに向け
て連続紙を案内する少なくともフォーマーと同数からな
る駆動ローラーとを有する折畳部とそれぞれが別個の駆
動手段を有して個別駆動可能に設けられる印刷部と、少
なくとも印刷部の駆動手段と、裁断折畳機構の駆動手段
とを適宜組み合わせ、各組み合わせ毎に駆動制御可能な
駆動制御手段とを有する２種以上の印刷物を並行して各
別に作成可能な輪転機を提案する。

【００２０】また、上記２つの輪転機の裁断折畳機構の
駆動手段が、それぞれ予め定められた所定の駆動ローラ
ーを駆動可能に設けられている２種以上の印刷物を並行
して各別に作成可能な輪転機を提案する。

【００２１】さらに、上記２つの輪転機のそれぞれの駆
動ローラーが、それぞれ別個の駆動手段を有して個別に
駆動可能に設けられ、かつ駆動制御手段が、印刷部の駆
動手段と、裁断折畳機構の駆動手段と、駆動ローラーの
駆動手段とを適宜組み合わせ、各組み合わせ毎に駆動制
御可能に設けられている２種以上の印刷物を並行して各
別に作成可能な輪転機を提案する。

【００２２】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態の図面であ
り、輪転機の印刷工程を示す第１実施形態の平面図を示
す図１、同じく正面図を示す図２、輪転機の印刷工程を
示す第２実施形態の平面図を示す図３、同じく正面図を
示す図４、輪転機の印刷工程を示す第３実施形態の平面
図を示す図５、同じく正面図を示す図６、裁断折畳機構
を３つ有する折畳部を示す概略図を示す図７、前後に並
べた２つの裁断折畳機構を有する折畳部の実施の形態を
示す図８、上下に２乃至３段重ねたフォーマーを有する
折畳部の実施の形態を示す図９及び図１０、１つのフォ
ーマーに対し駆動ローラーを複数有する折畳部の実施の
形態を示す概略図を示す図１１に基づき説明する。

【００２３】図１乃至図６には、新聞４ページ幅の連続
紙Ｗを二分して片側へ寄せて、折畳部４のどちらか片方
の裁断折畳機構５からの輪転機列の片側へ新聞を排出
し、２ページ幅の新聞を生産する印刷工程が示されてい
る。詳細には、６つの給紙部１と、６つの印刷部２と、
案内機構３と、折畳部４とからなる。

【００２４】６つの給紙部１のそれぞれは、装着する新
聞４ページ幅の巻取紙ＷＲの軸方向と直角な方向に列を
形成するように並べられ、新聞４ページ幅の連続紙Ｗを
供給可能な最大４８ページの新聞を生産する事が可能で
ある。

【００２５】６つの印刷部２のそれぞれは、対応する各
々の給紙部１と同方向に並べられ、しかも版胴Ｐの軸方
向を前記給紙部１に装着した巻取紙ＷＲの軸方向と平行
に並べられ、それぞれ個別に駆動することが可能なよう
に別個の駆動手段２０を設けられる。

【００２６】案内機構３は、各給紙部１に対応する印刷
部２を通過した連続紙Ｗを案内するために印刷部２の下
流から折畳部４の上流まで設けたガイドローラー３０及
び連続紙Ｗを長手方向と平行に二分して新聞２ページ幅
としたときに、一方の連続紙Ｗ１を他方の連続紙Ｗ２に
重ね合わせるためのターンバー装置３１とからなる。

【００２７】折畳部４は１つからなり、６つの印刷部２
の中間に配置され印刷部２の版胴Ｐの軸方向と直角にな
るように折胴Ｆの軸方向を並べ、案内機構３より案内さ
れた連続紙Ｗ１、Ｗ２を裁断し、折り畳んで新聞を生産
する。

【００２８】２ページ幅の新聞を生産可能な輪転機にお
いて、折畳部４は、２つ並べて設けられた裁断折畳機構
５、５’と、２つのフォーマー６、６’と、２つの駆動
ローラー７、７’とからなる。

【００２９】２つの裁断折畳機構５、５’は、案内され
る連続紙Ｗ１、Ｗ２の幅方向に並べて設けられ、それぞ
れ別個の駆動手段５０、５０’を有しており、個別に駆
動することが可能に設けられる。

【００３０】２つのフォーマー６、６’は、各々の裁断
折畳機構５、５’に対応して設けられ、それぞれ新聞２
ページ幅の連続紙Ｗ１、Ｗ２を長手方向に２つ折りを行
うことが可能なように設けられる。

【００３１】２つの駆動ローラー７、７’は、フォーマ
ー６、６’の直ぐ上流に位置し、各々のフォーマー６、
６’と対応して設けられ、それぞれ別個の駆動手段７
０、７０’を有しており、いずれか一方の裁断折畳機構
５、５’と整合するように、かつ個別に駆動することが
可能なように設けられており、連続紙Ｗ１、連続紙Ｗ２
を、対応するフォーマー６、６’に向けて案内する。

【００３２】この発明の実施形態の輪転機は、印刷部２
の駆動手段２０と、裁断折畳機構５の駆動手段５０と、
駆動ローラー７の駆動手段７０とを適宜組み合わせるこ
とが可能であるように構成され、各々の組み合わせ毎に
駆動制御が可能な駆動制御手段８を有しており、最大４
８ページの新聞を生産できる。

【００３３】次に図１、図２に示すこの発明の第１実施
形態について説明する。第１実施形態では、第１の印刷
工程および第２の印刷工程が並行して実施可能である。
第１の印刷工程として、最大４０ページの新聞を生産す
るために５つの給紙部１、およびそれぞれの給紙部１に
対応する５つの印刷部２を使用する。さらに２つ並べて
設けられた裁断折畳機構５、５’の一方の裁断折畳機構
５、この裁断折畳機構５に対応するフォーマー６、フォ
ーマー６に対応する駆動ローラー７およびガイドローラ
ー３０、ターンバー装置３１の案内機構３が使用され
る。

【００３４】第１の印刷工程として使用される５つの印
刷部２、１つの裁断折畳機構５、１つの駆動ローラー７
をそれぞれ個別に駆動するように別個に設けられた駆動
手段２０、駆動手段５０、駆動手段７０は整合した状態
で印刷できるように駆動制御手段８により駆動制御され
る。

【００３５】第１の印刷工程で使用されなかった給紙部
１の１つ、印刷部２の１つ、同じく使用されなかった裁
断折畳機構５’、裁断折畳機構５’に対応するフォーマ
ー６’、フォーマー６’に対応する駆動ローラー７’、
およびガイドローラー３０、ターンバー装置３１の案内
機構３を使用することによって、第１の印刷工程と並行
して第２の印刷工程の実施が可能になる。第２の印刷工
程では、最大８ページの印刷が可能になる。

【００３６】第２の印刷工程では、第１の印刷工程と同
様に、使用される印刷部２、裁断折畳機構５’、駆動ロ
ーラー７’をそれぞれ個別に駆動するように別個に設け
られた駆動手段２０、駆動手段５０’、駆動手段７０’
は整合した状態で印刷できるように駆動制御手段８によ
り駆動制御される。

【００３７】次に図３、図４に示すこの発明の第２実施
形態について説明する。第２実施形態では、第１の印刷
工程および第２の印刷工程が並行して実施可能である。
第１の印刷工程として、最大２４ページの新聞を生産す
るために３つの給紙部１、およびそれぞれの給紙部１に
対応する３つの印刷部２を使用する。さらに２つ並べて
設けられた裁断折畳機構５、５’の一方の裁断折畳機構
５、この裁断折畳機構５に対応するフォーマー６，フォ
ーマー６に対応する駆動ローラー７およびガイドローラ
ー３０、ターンバー装置３１の案内機構３が使用され
る。

【００３８】第１の印刷工程として使用される３つの印
刷部２、１つの裁断折畳機構５、１つの駆動ローラー７
をそれぞれ個別に駆動するように別個に設けられた駆動
手段２０、駆動手段５０、駆動手段７０は整合した状態
で印刷できるように駆動制御手段８により駆動制御され
る。

【００３９】第１の印刷工程で使用されなかった給紙部
１の３つ、印刷部２の３つ、同じく使用されなかった他
方の裁断折畳機構５’、この裁断折畳機構５’に対応す
るフォーマー６’、フォーマー６’に対応する駆動ロー
ラー７’、およびガイドローラー３０、ターンバー装置
３１の案内機構３を使用することによって、第１の印刷
工程と並行して第２の印刷工程が可能になる。第２の印
刷工程では、最大２４ページの印刷が可能になる。

【００４０】第２の印刷工程では、第１の印刷工程と同
様に、使用される３つの印刷部２、裁断折畳機構５’、
駆動ローラー７’をそれぞれ個別に駆動するように別個
に設けられた駆動手段２０、駆動手段５０’、駆動手段
７０’は整合した状態で印刷できるように駆動制御手段
８により駆動制御される。

【００４１】上記の第１実施形態及び第２実施形態に限
らず、他の実施形態として第１の印刷工程として適宜ペ
ージ数の新聞を生産し、第２の印刷工程として第１印刷
工程では使用されなかった少なくとも１つの給紙部１、
印刷部２を使用して、折畳部４の同じく裁断折畳機構５
又は５’、フォーマー６又は６’、駆動ローラー７又は
７’を使用して、第１の印刷工程と並行して第２の印刷
工程で別の新聞を生産することが可能である。

【００４２】次に図５、図６に示すこの発明の第３実施
形態について説明する。第３実施の形態では、給紙部１
及び印刷部２に対する折畳部４の配列が第１実施形態、
第２実施形態とは異なる。第１の印刷工程として最大２
４ページの新聞を生産し、第２の印刷工程として最大２
４ページの新聞を生産できる印刷工程が示されている。
第１実施形態及び第２実施形態と同様に、この配列にお
いても、他の実施形態として第１の印刷工程として適宜
ページ数の新聞を生産し、第２の印刷工程として第１印
刷工程では使用されなかった少なくとも１つの給紙部
１、印刷部２を使用して、折畳部４の同じく裁断折畳機
構５又は５’、フォーマー６又は６’、駆動ローラー７
又は７’を使用して、第１の印刷工程と並行して第２の
印刷工程で別の新聞を生産することが可能である。

【００４３】以上示した実施形態の輪転機の配列は、い
ずれも印刷部及び給紙部を６つ備えて最大４８ページの
新聞を生産できるが、給紙部１及び印刷部２の数はこれ
に限定されない。また、図示しないが裁断折畳機構５、
５’の駆動手段５０、５０’のそれぞれが、裁断折畳機
構５、５’とそれぞれ対応するよう定められた駆動ロー
ラー７、７’を当該裁断折畳機構５、５’と整合するよ
うに駆動してもかまわない。このとき、駆動制御手段８
は、印刷部２の駆動手段２０と、裁断折畳機構の５、
５’の駆動手段５０、５０’とを適宜組み合わせ、各組
み合わせ毎に駆動制御を行う。

【００４４】次に、この発明の実施形態についての作用
を説明する。図１、図２に示す第１実施形態、図３、図
４に示す第２実施形態、図５、図６に示す第３実施形態
において、第１の印刷工程としては使用する適宜個数の
給紙部１に装着される新聞４ページ幅の巻取紙ＷＲより
引き出された連続紙Ｗは、各々の給紙部１に対応する印
刷部２で印刷され、印刷された連続紙Ｗは印刷部２の近
傍下流で長手方向に平行に連続紙Ｗ１、Ｗ２になるよう
に二分される。二分された連続紙Ｗ１、Ｗ２は案内機構
３のターンバー装置３１によって、二分された連続紙Ｗ
の一方の連続紙Ｗ１と他方の連続紙Ｗ２を上下関係にし
て２つ並べて設けられた裁断折畳機構５、５’のうち使
用する裁断折畳機構５の位置する側へ重ね合わせられ、
ガイドローラー３０により駆動ローラ７へ案内される。
裁断折畳機構５の対応するフォーマー６の直ぐ上流の駆
動ローラー７の外周面上で複数の連続紙Ｗ１、Ｗ２は重
ね合わされ、直ぐフォーマー６により長手方向に２つ折
りに畳まれ、更に裁断折畳機構５に案内されて紙幅方向
と平行に裁断して折り畳まれた新聞を輪転機の列と、ほ
ぼ直角に排出される。

【００４５】なお、使用する印刷部２、裁断折畳機構
５、駆動ローラー７は、駆動制御手段８により、それぞ
れ対応して別個に設けた駆動手段２０、駆動手段５０、
駆動手段７０を個別に整合した状態に駆動制御されるの
で、それぞれの連続紙Ｗ、Ｗ１、Ｗ２は円滑に走行さ
れ、印刷、折り畳みされる。

【００４６】また、第２の印刷工程としては、第１の印
刷工程に使用されなかった少なくとも１つの給紙部１に
装着される新聞４ページ幅の巻取紙ＷＲより引き出され
た連続紙Ｗは、同じく第１の印刷工程で使用されなかっ
た給紙部１に対応する印刷部２で印刷され、印刷された
連続紙Ｗは、印刷部２の近傍下流で長手方向に平行に連
続紙Ｗ１’、Ｗ２’になるように二分される。二分され
た連続紙Ｗ１’、Ｗ２’は案内機構３のターンバー装置
３１によって、二分された連続紙Ｗの一方の連続紙Ｗ
１’と他方の連続紙Ｗ２’を、第１の印刷工程と重なら
ない側に上下関係にして、第１の印刷工程に使用されな
かった裁断折畳機構５’の位置する側へ重ね合わせら
れ、ガイドローラー３０により駆動ローラ７’へ案内さ
れる。

【００４７】裁断折畳機構５’の対応するフォーマー
６’の直ぐ上流の駆動ローラー７’の外周面上で複数の
連続紙Ｗ１’、Ｗ２’は重ね合わされ、直ぐフォーマー
６’により長手方向に２つ折りに畳まれ、更に裁断折畳
機構５’に案内されて紙幅方向と平行に裁断して折り畳
まれた新聞を、輪転機の列と直角方向の２つ並べて設け
られた裁断折畳機構５’の側へ排出される。

【００４８】なお、使用する印刷部２、裁断折畳機構
５’、駆動ローラー７’は、駆動制御手段８により、そ
れぞれ対応して別個に設けた駆動手段２０’、駆動手段
５０’、駆動手段７０’を個別に整合した状態に駆動制
御されるので、それぞれの連続紙Ｗ、Ｗ１、Ｗ２は円滑
に走行され、印刷、折り畳みされる。

【００４９】又、第１の印刷工程で全ての給紙部１、印
刷部２を使用して新聞を生産した場合は、第２の印刷工
程は休止となる。

【００５０】また、印刷する新聞のページ数により、給
紙部１に装着される巻取紙ＷＲは新聞２ページ幅又は新
聞１ページ幅のものになる場合がある。この場合には、
案内機構３のターンバー装置３１を使用しないで連続紙
Ｗは、折畳部４に至り、新聞が生産される。

【００５１】輪転機を構成する給紙部１、印刷部２は、
以上説明した実施形態に限定されることなく、あらゆる
実施形態の給紙部、印刷部を使用することが可能であ
る。又、上記説明した実施形態では、新聞を生産可能な
輪転機について説明したが、雑誌、書籍など商業印刷の
印刷物を生産する輪転機を使用した実施形態でも可能で
ある。

【００５２】又、折畳部４は、この実施形態ではそれぞ
れ２つの裁断折畳機構５、５’、フォーマー６、６’、
駆動ローラー７、７’からなるが、２つ以上の個数から
構成する事も可能である。例えば、図７では、折畳部
４’は、それぞれ別個の駆動手段５０、５０’、５
０’’を有して個別に駆動可能な２つ以上の裁断折畳機
構５、５’５’’であって、図７に示すように上下及び
左右に並んだ状態でもよく、また図８に示すように前後
に並べて構成してもよい。

【００５３】又、折畳部４’のフォーマー６は、裁断折
畳機構５と同数かそれ以上であってよい。例えば図９の
ようにフォーマー６、６’を２つ並べ、更に上に
６’’、６’’’と２段重ねて４つ設けてもよく、更に
図１０のように上下に３段以上重ねて６つ以上に設けて
もよい。

【００５４】又、折畳部４’の駆動ローラー７は、裁断
折畳機構５のいずれか１つと整合するようにそれぞれ別
個に駆動され、フォーマー６と同数かそれ以上であれば
よい。例えば図９ではフォーマー６と同数の４つ設けて
おり、図１０ではフォーマー６と同数の６つ設けてい
る。又図１１に示すように、１つのフォーマー６に設け
た駆動ローラー７、７として設けることも可能である。

【００５５】以上記載したように折畳部４の裁断折畳機
構５、フォーマー６、駆動ローラー７を増設して、裁断
折畳機構５の個数分、印刷工程を多く取った場合でも、
駆動制御手段８により、それぞれの印刷部２の駆動手段
２０と、裁断折畳機構５の駆動手段５０と、駆動ローラ
ー７の駆動手段７０とを適宜に組み合わせ、各組み合わ
せ毎に駆動制御を行うことが可能となっていることは勿
論である。

【００５６】又図示しないが、裁断折畳機構５の駆動手
段５０のそれぞれが、裁断折畳機構５とそれぞれ対応す
るように定められたそれぞれの駆動ローラー７を、当該
裁断折畳機構５と整合するように駆動させることも可能
である。このとき、駆動制御手段８は、印刷部２の駆動
手段２０と、裁断折畳機構５の駆動手段５０とを適宜組
み合わせて、各組み合わせ毎に駆動制御を行う。

【００５７】

【発明の効果】折畳部を構成する複数の裁断折畳機構に
それぞれ別個の駆動手段を設け、又、複数の駆動ローラ
ーを、それぞれの裁断折畳機構に別個に設けた駆動手段
のいずれかによって、又は各駆動ローラーにそれぞれ別
個に設けた駆動手段によって、裁断折畳機構のいずれか
１つと整合して駆動されるようにし、かつ全ての印刷部
それぞれに別個の駆動手段を設けたことにより、折畳部
の各裁断折畳機構及び各印刷部を個別に駆動することが
可能となった。

【００５８】そのため予め定めた印刷部、折畳部の裁断
折畳機構を駆動制御手段により整合した状態で、駆動制
御することができるので、折畳部の裁断折畳機構の数だ
け印刷工程が可能となり、折畳部の裁断折畳機構、印刷
部、給紙部の休止状態を減少させ有効に利用することが
できるので、輪転機の稼働率を非常に向上させることが
可能となった。

【００５９】また、別々に異なる印刷工程が可能とな
り、印刷速度も自由に選択でき、互いの印刷工程が版替
えによる機械停止、断紙や紙流れによる機械停止などの
影響を受けない互いに干渉されない印刷が可能となるの
で、異なるページ数の印刷物が楽にでき、印刷部数は自
由に選ぶことが可能である。そのため、印刷物の生産性
が極めて向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の第１実施形態を示す輪転機の印刷
工程を示す平面図

【図２】 同じく図１の正面図

【図３】 この発明の第２実施形態を示す輪転機の印刷
工程を示す平面図

【図４】 同じく図３の正面図

【図５】 この発明の第３実施形態を示す輪転機の印刷
工程を示す平面図

【図６】 同じく図５の正面図

【図７】 裁断折畳機構を３つ有する折畳部の実施形態
を示す概略図

【図８】 裁断折畳機構を前後に２つ並べた折畳部の実
施形態を示す概略図

【図９】 フォーマーを上下に２段重ねた折畳部の実施
形態を示す概略図

【図１０】 フォーマーを上下に３段重ねた折畳部の実
施形態を示す概略図

【図１１】 １つのフォーマーに対して駆動ローラーを
複数有する折畳部の実施形態を示す概略図

【図１２】 従来の輪転機の印刷工程を示す平面図

【図１３】 従来の輪転機の印刷工程を示し、図１２の
正面図

【図１４】 従来の輪転機の別の印刷工程を示す平面図

【図１５】 従来の輪転機の別の印刷工程を示し、図１
４の正面図

【図１６】 従来の輪転機のさらに別の印刷工程を示す
平面図

【図１７】 従来の輪転機のさらに別の印刷工程を示
し、図１６の正面図

【符号の説明】

１ 給紙部 ２ 印刷部 ２０ 駆動手段 ３ 案内機構 ３０ ガイドローラー ３１ ターンバー装置 ４、４’ 折畳部 ５、５’、５’’ 裁断折畳機構 ５０ ５０’、５０’’駆動手段 ６、６’、６’’、６’’’ フォーマー ７、７’、７’’、７’’’ 駆動ローラー ７０、７０’ 駆動手段 ８ 駆動制御手段 ＷＲ 巻取紙 Ｗ、Ｗ１、Ｗ２、Ｗ１’、Ｗ２’ 連続紙 Ｐ 版胴 Ｆ 折胴

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 連続紙を供給する複数の給紙部と、少な
   くとも給紙部と同数の印刷部と、連続紙を裁断し折り畳
   む１つの折畳部を構成単位とし、給紙部から印刷部を経
   て折畳部に連続紙を案内して印刷物を生産する輪転機に
   おいて、 それぞれ別個の駆動手段を有して個別に駆動可能な２つ
   以上の裁断折畳機構と、 少なくとも裁断折畳機構と同数からなるフォーマーと、 裁断折畳機構のいずれか１つと整合するようにそれぞれ
   個別に駆動され、フォーマーに向けて連続紙を案内する
   少なくともフォーマーと同数からなる駆動ローラーと、
   を有する折畳部とそれぞれが別個の駆動手段を有して個
   別駆動可能に設けられる印刷部と、 少なくとも印刷部の駆動手段と、裁断折畳機構の駆動手
   段とを適宜組み合わせ、各組み合わせ毎に駆動制御可能
   な駆動制御手段とを有することを特徴とする２種以上の
   印刷物を並行して各別に作成可能な輪転機。
2. 【請求項２】 裁断折畳機構の駆動手段が、それぞれ予
   め定められた所定の駆動ローラーを駆動可能に設けられ
   ている請求項１記載の２種以上の印刷物を並行して各別
   に作成可能な輪転機。
3. 【請求項３】 それぞれの駆動ローラーが、それぞれ別
   個の駆動手段を有して個別に駆動可能に設けられ、かつ
   駆動制御手段が、印刷部の駆動手段と、裁断折畳機構の
   駆動手段と、駆動ローラーの駆動手段とを適宜組み合わ
   せ、各組み合わせ毎に駆動制御可能に設けられている請
   求項１記載の２種以上の印刷物を並行して各別に作成可
   能な輪転機。
4. 【請求項４】 新聞４ページ幅の連続紙を供給可能な給
   紙部と、新聞４ページの印刷幅を有する少なくとも給紙
   部と同数の印刷部と、連続紙を裁断し折り畳んで新聞を
   生産する１つの折畳部とを構成単位とし、給紙部から印
   刷部を経て折畳部に連続紙を案内して印刷物を生産する
   輪転機において、 それぞれ別個の駆動手段を有して個別に駆動可能である
   とともに案内される連続紙の紙幅方向に２つ並べて設け
   られる裁断折畳機構と、 それぞれの裁断折畳機構と対応して設けられ、それぞれ
   新聞２ページ幅の連続紙を長手方向へ２つ折り可能な２
   つのフォーマーと、 裁断折畳機構のいずれか１つと整合するようにそれぞれ
   個別に駆動され、対応するフォーマーに向けて連続紙を
   案内する少なくともフォーマーと同数からなる駆動ロー
   ラーと、を有する折畳部とそれぞれが別個の駆動手段を
   有して個別駆動可能に設けられる印刷部と、 少なくとも印刷部の駆動手段と、裁断折畳機構の駆動手
   段とを適宜組み合わせ、各組み合わせ毎に駆動制御可能
   な駆動制御手段とを有することを特徴とする２種以上の
   印刷物を並行して各別に作成可能な輪転機。
5. 【請求項５】裁断折畳機構の駆動手段が、それぞれ予め
   定められた所定の駆動ローラーを駆動可能に設けられて
   いる請求項４記載の２種以上の印刷物を並行して各別に
   作成可能な輪転機。
6. 【請求項６】 それぞれの駆動ローラーが、それぞれ別
   個の駆動手段を有して個別に駆動可能に設けられ、かつ
   駆動制御手段が、印刷部の駆動手段と、裁断折畳機構の
   駆動手段と、駆動ローラーの駆動手段とを適宜組み合わ
   せ、各組み合わせ毎に駆動制御可能に設けられている請
   求項４記載の２種以上の印刷物を並行して各別に作成可
   能な輪転機。