JP2001183200A - 流量計及び流量測定方法 - Google Patents

流量計及び流量測定方法

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JP2001183200A
JP2001183200A JP37372199A JP37372199A JP2001183200A JP 2001183200 A JP2001183200 A JP 2001183200A JP 37372199 A JP37372199 A JP 37372199A JP 37372199 A JP37372199 A JP 37372199A JP 2001183200 A JP2001183200 A JP 2001183200A
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flow velocity
flow
flow rate
width
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JP37372199A
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English (en)
Inventor
Sakuki Inagaki
作樹 稲垣
Yukio Kumazawa
行夫 熊澤
Masahito Sekine
正仁 関根
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補正係数を用いることなく、精度よく流量を
求めることができる流量計及び流量測定方法を提供す
る。 【解決手段】 流速センサ320,321を管路内投影横
断面において中心点に向けて超音波を送信するように配
置し、その上下方向に管路幅を−1から1に亘るものと
して規格化し上下方向に座標をとったときに、Lege
ndreの球函数Pn(z)に対してPn(z)=0の
根(z1、…zn)となる複数の水深(z=z0、z1
において、各水深における管路幅を水平方向に−1から
1に亘るものとして規格化し水平方向に座標をとったと
きに、Legendreの球函数Pn(x)に対してP
n(x)=0の根(x1、…xn)となる複数の点
00、P01、P10、P11の流速を測定し、前記各水深に
おける水平方向の管路幅と前記測定点の流速から、ガウ
スの数値積分を行い各水深における流速分布の面積を計
算し、各水深における流速分布の面積を、さらに、ガウ
スの数値積分を行うことで、管路全体の流量を計算す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管路内を満管状態
で流れる流体の流量を測定する流量計及び流量測定方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流量計としては、管路内
横断面における中心点または管壁付近の固定的な1点の
流速を測定するドップラー式超音波流速計等からなる流
速測定部を備えており、流速測定部で求めた測定流速か
ら断面の平均流速を求め、この平均流速に管路内横断面
の面積を乗算することで流量を求めるものが知られてい
る。この場合、管内を流れる流体の流速分布はレイノル
ズ数により変わり、流速測定部で測定した測定流速は平
均流速と異なるために、流量を算出するのにレイノルズ
数による流速分布補正を行う必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レイノ
ルズ数による流速分布補正係数は、管内の流れが完全に
発達した流れで、しかも軸対称流の仮定の基に計算され
ている。そのため流量計の設置条件を厳しくする必要が
あり、流速測定位置は十分長い直管路部を前方に必要と
するという制約がある。しかしながら、この設置条件を
満足していても、上流側の何等かの影響で流速分布の対
称性が崩れた場合には、求めた流量計に誤差が生じると
いう問題がある。また、予め、補正係数を求めておかな
ければならないため、補正係数の決定に手間がかかると
いう問題もある。流速測定部の測定点の位置が変更され
れば、補正係数を求め直さなければならない。
【0004】本発明はかかる従来の課題に鑑みなされた
もので、請求項1ないし請求項7記載の発明は、補正係
数を用いることなく、精度よく流量を求めることができ
る流量計及び流量測定方法を提供することをその目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の流量計は、管路内を満管状態で流れる流体の
流量を測定する流量計であって、管路内投影横断面にお
いて、直交する2座標軸(x軸、z軸)をとったとき
に、その一方の座標軸(z軸)方向に管路幅を−1から
1に亘るものとして規格化し該一方の座標軸(z軸)方
向に座標をとったときに、Legendreの球函数P
n(z)に対してPn(z)=0の根(z1、…zn)
となる複数の一方の座標軸(z軸)上の点(z1、…z
n)において、各点(z1、…zn)における他方の座
標軸(x軸)方向の管路幅を該他方の座標軸(x軸)方
向に−1から1に亘るものとして規格化し該他方の座標
軸(x軸)方向に座標をとったときに、Legendr
eの球函数Pn(x)に対してPn(x)=0の根(x
1、…xn)となる複数の点の流速を測定する流速測定
部と、前記一方の座標軸(z軸)上の各点(z1、…z
n)における他方の座標軸(x軸)方向の管路幅と流速
測定部で測定した複数の点の流速から、ガウスの数値積
分を行い流速分布の面積を計算し、その流速分布の面積
を、さらにガウスの数値積分を行うことで、管路全体の
流量を計算する流量演算部と、を備えることを特徴とす
る。
【0006】上記z座標を上下方向に、x座標を水平方
向にとることができ、その場合には、管路内を満管状態
で流れる流体の流量を測定する流量計であって、管路内
投影横断面において、その上下方向に管路幅を−1から
1に亘るものとして規格化し上下方向に座標をとったと
きに、Legendreの球函数Pn(z)に対してP
n(z)=0の根(z1、…zn)となる複数の水深に
おいて、各水深における管路幅を水平方向に−1から1
に亘るものとして規格化し水平方向に座標をとったとき
に、Legendreの球函数Pn(x)に対してPn
(x)=0の根(x1、…xn)となる複数の点の流速
を測定する流速測定部と、前記各水深における水平方向
の管路幅と流速測定部で測定した複数の点の流速から、
ガウスの数値積分を行い各水深における流速分布の面積
を計算し、各水深における流速分布の面積を、さらに、
ガウスの数値積分を行うことで、管路全体の流量を計算
する流量演算部と、を備えることを特徴とする。
【0007】また、本発明の流量測定方法は、管路内を
満管状態で流れる流体の流量を測定する流量測定方法で
あって、管路内投影横断面において、直交する2座標軸
(x軸、z軸)をとったときに、その一方の座標軸(z
軸)方向に管路幅を−1から1に亘るものとして規格化
し該一方の座標軸(z軸)方向に座標をとったときに、
Legendreの球函数Pn(z)に対してPn
(z)=0の根(z1、…zn)となる複数の一方の座
標軸(z軸)上の点(z1、…zn)において、各点
(z1、…zn)における他方の座標軸(x軸)方向の
管路幅を該他方の座標軸(x軸)方向に−1から1に亘
るものとして規格化し該他方の座標軸(x軸)方向に座
標をとったときに、Legendreの球函数Pn
(x)に対してPn(x)=0の根(x1、…xn)と
なる複数の点の流速を測定し、前記一方の座標軸(z
軸)上の各点(z1、…zn)における他方の座標軸
(x軸)方向の管路幅と流速測定部で測定した複数の点
の流速から、ガウスの数値積分を行い流速分布の面積を
計算し、その流速分布の面積を、さらにガウスの数値積
分を行うことで、管路全体の流量を計算する、ことを特
徴とする。
【0008】上記z座標を上下方向に、x座標を水平方
向にとることができ、その場合には、管路内を満管状態
で流れる流体の流量を測定する流量測定方法であって、
管路内投影横断面において、その上下方向に管路幅を−
1から1に亘るものとして規格化し上下方向に座標をと
ったときに、Legendreの球函数Pn(z)に対
してPn(z)=0の根(z1、…zn)となる複数の
水深において、各水深における管路幅を水平方向に−1
から1に亘るものとして規格化し水平方向に座標をとっ
たときに、Legendreの球函数Pn(x)に対し
てPn(x)=0の根(x1、…xn)となる複数の点
の流速を測定し、前記各水深における水平方向の管路幅
と流速測定部で測定した複数の点の流速から、ガウスの
数値積分を行い各水深における流速分布の面積を計算
し、各水深における流速分布の面積を、さらに、ガウス
の数値積分を行うことで、管路全体の流量を計算する、
ことを特徴とする。
【0009】ガウスの数値積分とは、ある任意の関数f
(x)が2n−1次以下の多項式である場合に、
【0010】
【数1】 と表され、f(x)の積分がLegendreの球函数
Pn(x)に対してPn(x)=0の根とその根から導
かれる重み係数wiの総和で表すことができる、という
ものである。ここで、Legendreの球函数とは、
n−1次以下のすべての多項式Q(x)に対して、
【0011】
【数2】 を満足するn次の多項式Pn(x)をいい、Pn(x)
は、
【0012】
【数3】 と表される。Pn(x)=0の根をx1,x2,・・・
xnとすると、その根はすべて実根且つ単根で−1と1
との間にある。
【0013】また、(1)式の重み係数wiは、
【0014】
【数4】 で表される。
【0015】(1)式は次のようにして得られる。即
ち、2n−1次以下の多項式であるf(x)をPn
(x)で割ってf(x)=Pn(x)Q(x)+φ
(x)とすると、その商Q(x)も剰余φ(x)もn−
1次以下であるから、
【0016】
【数5】 となる。さらにφ(x)は、
【0017】
【数6】 で表され、φ(xi)=f(xi)であるから、よって
(1)式が得られる。
【0018】n=2,3,4のときの上記Legend
reの球函数Pn(x)=0の根と重み係数の実数値
は、次表の値となる。
【0019】
【表1】 尚、Legendreの球函数及びガウスの数値積分に
ついては、「解析概論」(高木貞治著、改訂第3版、軽
装版、1983年9月27日、株式会社岩波書店発行、
119頁〜129頁)に詳説されている。
【0020】ある水深における流速分布は、水平方向の
位置xの2n−1次の関数であると考えられるので、
(1)式のガウスの数値積分を用いて、流速分布の面積
を簡単に求めることができる。
【0021】今、ある水深zkにおいて、その水平方向
の管路幅W(zk)を−1から1に亘るものとして規格
化し水平方向に座標をとったときに、Legendre
の球函数Pn(x)に対してPn(x)=0の根x1,
x2,・・・xnとなる複数の点の流速がvzk(x
1)、vzk(x2),・・・vzk(xn)であったとす
る。(1)式のガウスの数値積分を行うことにより、流
速分布の面積Azkは、
【0022】
【数7】 で計算される。通常、流速分布は、よほど流れに乱れが
ない限り、低次の関数で表されると考えられる。そこ
で、流速分布を3次以下(2n−1=3,n=2)の関
数であると推定すると、流速分布の面積は、表1のn=
2の欄を参照して、
【0023】
【数8】 で求められることとなり、非常に簡単に且つ正確に流速
分布の面積を求めることができる。但し、上記流速分布
の面積の式は、管路幅を2(x=−1〜1)として規格
化した場合のものであるので、管路幅W(zk)を用い
て、実際の流速分布の面積A’(zk)に変換する必要
がある。即ち、
【0024】
【数9】 このようにして、複数の水深において、流速分布の面積
A’(zk)を求める。
【0025】次に、上記流速分布の面積の全水深にわた
ってガウスの数値積分を行う。即ち、流速分布の面積
A’(z)も、上下方向の位置zの2n−1次の関数で
あると考えられるので、上下方向の管路幅を−1から1
に亘るものとして規格化し上下方向に座標をとったとき
に、Legendreの球函数Pn(z)に対してPn
(z)=0の根(z1、…zn)となる複数の点の水深
における流速分布の面積を用いて、流量を求めることが
できる。流量Qは、
【0026】
【数10】 で計算される。流速分布の面積も水深の関数とみなす
と、低次の関数であると考えられるので、3次以下の関
数であると推定すると、
【0027】
【数11】 で表されることとなり、非常に簡単に且つ正確に流量を
求めることができる。但し、上記流量の式は、上下方向
の管路幅を2(x=−1〜1)として規格化した場合の
ものであるので、管路幅Hを用いて、実際の流量Qに変
換する必要がある。即ち、
【0028】
【数12】 で求めることができる。
【0029】流速を測定する流速測定部としては、任意
の手段を用いることができるが、好ましくは、超音波パ
ルスを流体の流れに対して角度をなす方向に送信すると
共に、流体内を流れる粒子によって反射された反射波を
受信する、複数のパルスドップラー式超音波流速センサ
を用いることができる。各流速センサからの超音波パル
スの送信方向を所定方向に設定し、且つ送信から所定時
間経過後の所定方向からの受信信号を受信することによ
り、任意の測定点における流速を測定することができ
る。従って、Legendreの球函数Pn(x)=0
の根となる任意の点の流速測定を行うことができる。
【0030】任意には、各流速センサからの超音波パル
スの送信方向を、管路内投影横断面における中心点方向
に設定することができ、該中心点に対して点対称の関係
にある複数の測定点の測定をさせることができる。
【0031】また、任意には、前記管路内投影横断面が
所定の対称軸に関して線対称の形状をしている場合に、
前記複数の流速センサを、前記対称軸に関して対称的に
配置するか、または該対称軸上に配置することができ
る。
【0032】尚、上記Legendreの球函数Pn
(x)に対してPn(x)=0の根となる複数の点と
は、厳密にLegendreの球函数Pn(x)に対し
てPn(x)=0の根と一致する点のみならず、その近
傍の点も含むものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明の流量計の構成を表
すブロック図である。
【0034】図において、流量計10は、管路40を満
管状態で流れる流体42に対して、複数の測定点におけ
る流速を測定する流速測定部14、流速測定部14の制
御を行うと共に、流速測定部14からの出力から流量を
測定する流量演算・制御部18、流量演算・制御部18
に接続され流量の表示を行う表示部22、流量演算・制
御部18に接続され外部との入出力を行う入出力部2
0、流体42の温度を測定してその測定信号を流量演算
・制御部18へと出力する温度センサ38を備えてい
る。
【0035】流速測定部14は、流量演算・制御部18
からの所定時間間隔T毎のトリガ信号によって送信信号
を出力する送信回路30と、送信回路30からの送信信
号を受けて所定間隔T毎に超音波パルスを流体に向けて
送出すると共に、送信後に反射波を受信する送受信器か
らなる複数の流速センサ32と、送信信号と受信信号の
切換え及び複数の流速センサ32の切換えを行うマルチ
プレクサ33と、流速センサ32からの受信信号を増幅
する受信回路34と、送信から所定時間経過後の受信信
号のサンプリングを行い、フーリエ変換を行うことでド
ップラーシフト周波数を検出するドップラーシフト検出
回路36と、を備える、パルスドップラー式超音波流速
計である。
【0036】図2に示したように、流速センサ32は、
管路40の管壁に形成された穴に埋め込まれて2つ(3
0,321)配置されている。今、管路40の横断面が
真円に近い形状であるものとすると、この2つの流速セ
ンサ32(320,321)は、その左右対称軸に対して
左右対称に配置されており、各流速センサ32から超音
波パルスを所定の方向に向けて送信し、且つ所定の方向
からの超音波信号を受信するように設定されている。こ
の所定の方向とは、図2に示したように、それぞれ投影
横断面において、その中心点方向に向けて超音波を放射
するように、かつ、一方の超音波センサ320からの超
音波放射方向は測定点P00、P11を通過するように、他
方の超音波センサ321からの超音波放射方向は測定点
01、P1 0を通過するように設定されている。測定点P
00、P01、P10、P11の位置は、次のように決められ
る。管路40の上下方向の管路幅を−1から1に亘るも
のとして規格化し上下方向にz座標をとったときに、測
定点P00、P01は、水深z=z0=−1/√3=−0.
577であり、かつその水深z=−0.577におい
て、その水平方向の管路幅を−1から1に亘るものとし
て規格化し水平方向にx座標をとったときに、P00のx
座標はx=1/√3=0.577の位置であり、P01
x座標はx=−1/√3=−0.577の位置となって
いる。また、測定点P10、P11は、水深z=z1=1/
√3=0.577であり、かつその水深z=0.577
において、その水平方向の管路幅を−1から1に亘るも
のとして規格化し水平方向にx座標をとったときに、P
10のx座標はx=1/√3=0.577の位置であり、
11のx座標はx=−1/√3=−0.577の位置と
なっている。いま、管路40の投影横断面の半径をR、
その中心点をO、P00及びP 01からz軸に垂線をおろ
し、その垂線とz軸の交点をC、該垂線と管壁との交点
をB、流速センサ32(320,321)と中心点Oとを
結ぶ線とx軸とのなす角をθとすると、
【0037】
【数13】 であるから、
【0038】
【数14】 となる。BCを1としたときに、CP00=1/√3であ
るから、
【0039】
【数15】 となる。従って、θは、
【0040】
【数16】 となる。測定点P00、P01、P10、P11の位置は、中心
点Oに対して左右対称であり、且つ点対称となっている
ため、このθを満足する位置に左右対称に2つの流速セ
ンサ32(320,321)を配置することにより、1方
の流速センサ32 0で測定点P00、P11の流速測定を行
い、他方の流速センサ321で測定点P01、P10の流速
測定を行うことができる。また、図2に示した投影横断
面おいて、OP00の長さは、
【0041】
【数17】 となるから、流速センサ320から測定点P00の長さは
R{1−(√5/3)}となり、流速センサ320から
測定点P11の長さはR{1+(√5/3)}となる。但
し、図3に示したように、管路40の縦断面で見たとき
には、各流速センサ32(320,321)から流体の流
れに対して所定の角度ψをなす方向に超音波パルスが送
信されるようにその送受信面が設定されるので、流速セ
ンサ320から測定点P00の長さL0は、L0=R/sinψ
・{1−(√5/3)}、流速センサ320から測定点
11の長さL1は、L1=R/sinψ・{1+(√5/
3)}となる。左右対称であるから、流速センサ321
から測定点P01の長さはL0、流速センサ321から測定
点P10の長さはL1となる。
【0042】各流速センサ320、321から超音波パル
スを送信し、流体中の粒子で散乱反射された反射波を再
び同じ流速センサ320、321で受信する。受信される
反射波はドップラーシフトを受けるので、ドップラーシ
フト検出回路36で、受信信号をフーリエ変換して、こ
のドップラーシフトΔfを求める。ドップラーシフトΔ
fは、流体の流速をv、流体中における超音波の速度を
c、送信振動数をf0とすると、
【0043】
【数18】 で表される。受信回路34では、流速センサ320の送
信から時間がほぼ2L0/c及び2L1/c経過後の流速
センサ320の受信信号を選択的に取り込むことで、そ
れぞれの測定点におけるドップラーシフトΔf00,Δf
11を求める。同様に、流速センサ321の送信から時間
がほぼ2L0/c及び2L1/c経過後の流速センサ32
1の受信信号を選択的に取り込み、それぞれの測定点に
おけるドップラーシフトΔf01,Δf10を求める。こう
して、各測定点のP00、P01、P10、P11のドップラー
シフトΔf00、Δf01、Δf10、Δf11を求める。
【0044】流量演算・制御部18には、流速測定部1
4からのドップラーシフトΔf00、Δf01、Δf10、Δ
11と、温度センサ38からの温度の各データが取り込
まれる。流量演算・制御部18は、CPU、メモリを含
むマイクロプロセッサーで構成することができ、これら
のデータを格納すると共にこれらのデータを用いて流量
を求めるものである。
【0045】上記流量演算・制御部18における、演算
手順を以下に説明する。
【0046】まず、(8)式を用いて、流速測定部14
からのドップラーシフトΔf00、Δf01、Δf10、Δf
11を、流速v00、v01、v10、v11に変換する。但し、
(9)式中、流体中における超音波の速度cは、温度に
よって変動するため、温度センサ38からの温度を取り
込み、温度による補正を行った速度cを用いる。
【0047】次いで、上述(3)式を用いて、各水深z
0、z1における流速分布の面積を求める(図4(a)参
照)。
【0048】
【数19】 このようにして求めた流速分布の面積は、それぞれの水
深z0、z1における水平方向の管路幅W(z)を用い
て、(4)式に基づき、実際の流速分布の面積に変換す
る。管路幅W(z0)=W(z1)は、
【0049】
【数20】 であるから、
【0050】
【数21】 となる。
【0051】さらに、上記2つの流速分布の面積は
(7)式を用いて加算することで、流量Qを求めること
ができ、
【0052】
【数22】 となる(図4(B)参照)。以上のようにこの実施の形
態によれば、従来のように1点だけの測定点ではなく、
複数の測定点における流速を測定するために、流速分布
が対称となっていない場合であっても、対応することが
でき、且つガウスの数値積分を用いることにより、全断
面における多数の測定点の流速を測定する必要がなく、
限定された測定点の流速を測定するだけで、精度良く、
且つ簡単に流量を求めることができる。また、流速セン
サを左右対称に配置しており、複数の測定点における流
速を1つの流速センサで測定することができる。
【0053】尚、以上の実施形態では円形管路を例にと
ったが、これに限るものではなく、非円形管路であって
も、同様に流量測定を行うことができる。また、管路内
投影横断面において2つの座標軸z、xのうちz軸を水
位方向(上下方向)に、x軸を管路幅方向(水平方向)
にとっていたが、これに限るものではなく、任意の2軸
座標をとることも可能である。
【0054】また、上記の実施の形態では、流速分布を
水平方向の位置xの3次以下の関数であるものと仮定し
て、各水深において2点の流速を求め、かつ流速分布の
面積A’(z)も、上下方向の位置zの3次以下の関数
であるものと仮定して流量Qを求めたが、これに限るも
のではない。流速分布及び流速分布の面積A’がxまた
はzの5次以下の関数であると仮定した場合に、図5に
示したように、円形断面管路の水深z=0.775R,
0,−0.775Rにおいて、それぞれその水平方向の
管路幅を−1から1に亘るものとして規格化し水平方向
に座標をとったときに、0.775,0,−0.775
の位置にある9個の測定点における流速を測定すること
ができる。これにより、より正確に流量を求めることが
できる。各流速センサ32は、それぞれ中心点方向に向
けて超音波を送信するように配置され少なくとも2つの
測定点における流速を測定することができるよう、2つ
の測定点を結ぶ延長線上に配置され、z軸に関して左右
対称に、及びx軸またはz軸上に配置される。但し、流
速センサ32の配置は、この図示の例に限らず、x軸に
対称となるように配置することも可能である。
【0055】さらには、図6に示すように、流速分布及
び流速分布の面積A’がxまたはzの7次以下の関数で
あると仮定した場合に円形断面管路の水深z=0.86
1R,0.34R,−0.34R,−0.861Rにお
いて、それぞれその水平方向の管路幅を−1から1に亘
るものとして規格化し水平方向に座標をとったときに、
0.861,0.34,−0.34,−0.861にあ
る16個の測定点における流速を測定することができ
る。これにより、さらに正確に流量を求めることができ
る。各流速センサ32は、それぞれ中心点方向に向けて
超音波を送信するように配置され少なくとも2つの測定
点における流速を測定することができるよう、2つの測
定点を結ぶ延長線上に配置され、x座標軸に関して線対
称となるように配置される。
【0056】このように、順次、次数を増加するため
に、流速センサ32の個数を増加することも可能であ
る。ちなみに、流速分布及び流速分布の面積A’が2n
−1次以下の関数であるとした場合に、測定点はn2
となり、流速センサは2n-1個用意すればよい。
【0057】以上の各実施形態において、各流速センサ
32を管路内投影横断面における中心にその送受信面を
向けるように設定しているので、各流速センサ32の角
度位置θは(8)式のように幾何学計算で簡単に求める
ことができ、同様に、流速センサ32から測定点までの
距離も幾何学計算で簡単に求めることができ、それらの
設定が簡単になる。また、各流速センサ32が少なくと
も2個以上の測定点における流速を測定するようにして
いるため、その流速センサの数を節約することができ、
低コストで実現することができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
ないし7記載の発明によれば、離散した測定点の流速を
測定して、ガウスの数値積分を行って流量を求めること
から、流速分布が対称でなくても少ない測定点で、精度
良く、流量を計算することができる。測定点の数が限ら
れたものでよいため、測定及び演算を簡略化することが
できる。
【0059】また、請求項3記載の発明によれば、パル
スドップラー式超音波流速センサを用いることで、任意
の測定点における流速を測定することができる。
【0060】また、請求項4記載の発明によれば、パル
スドップラー式超音波流速センサに管路内投影横断面に
おける中心点方向に向けて超音波を送信させるために、
その設置位置を簡単に決めることができる。
【0061】また、請求項5記載の発明によれば、パル
スドップラー式超音波流速センサを対称的に配置し、ま
たは対称軸上に配置することにより、センサ数を削減
し、低コストに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流量計の構成を表すブロック図であ
る。
【図2】管路の投影横断面から見た流速測定点と流速セ
ンサとの関係を表す説明図である。
【図3】管路の縦断面から見た流速測定点を表す説明図
である。
【図4】(a)は各水深における流速分布を表し、
(b)は水深に対する流速分布の面積を表す説明図であ
る。
【図5】次数(n=3)を増加した場合の管路の投影横
断面から見た流速測定点と流速センサとの関係を表す説
明図である。
【図6】次数(n=4)を増加した場合の管路の投影横
断面から見た流速測定点と流速センサとの関係を表す説
明図である。
【符号の説明】
10 流量計 14 流速測定部 18 流量演算・制御部(流速演算部) 32 流速センサ 40 管路 42 流体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 正仁 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内 Fターム(参考) 2F030 CA10 CD15 CE04 CE22 2F035 DA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管路内を満管状態で流れる流体の流量を
    測定する流量計であって、 管路内投影横断面において、直交する2座標軸(x軸、
    z軸)をとったときに、その一方の座標軸(z軸)方向
    に管路幅を−1から1に亘るものとして規格化し該一方
    の座標軸(z軸)方向に座標をとったときに、Lege
    ndreの球函数Pn(z)に対してPn(z)=0の
    根(z1、…zn)となる複数の一方の座標軸(z軸)
    上の点(z1、…zn)において、各点(z1、…z
    n)における他方の座標軸(x軸)方向の管路幅を該他
    方の座標軸(x軸)方向に−1から1に亘るものとして
    規格化し該他方の座標軸(x軸)方向に座標をとったと
    きに、Legendreの球函数Pn(x)に対してP
    n(x)=0の根(x1、…xn)となる複数の点の流
    速を測定する流速測定部と、 前記一方の座標軸(z軸)上の各点(z1、…zn)に
    おける他方の座標軸(x軸)方向の管路幅と流速測定部
    で測定した複数の点の流速から、ガウスの数値積分を行
    い流速分布の面積を計算し、その流速分布の面積を、さ
    らにガウスの数値積分を行うことで、管路全体の流量を
    計算する流量演算部と、を備える流量計。
  2. 【請求項2】 管路内を満管状態で流れる流体の流量を
    測定する流量計であって、 管路内投影横断面において、その上下方向に管路幅を−
    1から1に亘るものとして規格化し上下方向に座標をと
    ったときに、Legendreの球函数Pn(z)に対
    してPn(z)=0の根(z1、…zn)となる複数の
    水深において、各水深における管路幅を水平方向に−1
    から1に亘るものとして規格化し水平方向に座標をとっ
    たときに、Legendreの球函数Pn(x)に対し
    てPn(x)=0の根(x1、…xn)となる複数の点
    の流速を測定する流速測定部と、 前記各水深における水平方向の管路幅と流速測定部で測
    定した複数の点の流速から、ガウスの数値積分を行い各
    水深における流速分布の面積を計算し、各水深における
    流速分布の面積を、さらに、ガウスの数値積分を行うこ
    とで、管路全体の流量を計算する流量演算部と、を備え
    る流量計。
  3. 【請求項3】 前記流速測定部は、超音波パルスを流体
    の流れに対して角度をなす方向に送信すると共に、流体
    内を流れる粒子によって反射された反射波を受信する、
    複数のパルスドップラー式超音波流速センサを有するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の流量計。
  4. 【請求項4】 各パルスドップラー式超音波流速センサ
    は、管路内投影横断面における中心点方向に向けて超音
    波を送信し、該中心点に対して点対称の関係にある複数
    の測定点を測定することを特徴とする請求項3記載の流
    量計。
  5. 【請求項5】 前記管路内投影横断面は、所定の対称軸
    に関して線対称の形状をしており、前記複数のパルスド
    ップラー式超音波流速センサは、前記対称軸に関して対
    称的に配置されるかまたは該対称軸上に配置されること
    を特徴とする請求項3または4記載の流量計。
  6. 【請求項6】 管路内を満管状態で流れる流体の流量を
    測定する流量測定方法であって、 管路内投影横断面において、直交する2座標軸(x軸、
    z軸)をとったときに、その一方の座標軸(z軸)方向
    に管路幅を−1から1に亘るものとして規格化し該一方
    の座標軸(z軸)方向に座標をとったときに、Lege
    ndreの球函数Pn(z)に対してPn(z)=0の
    根(z1、…zn)となる複数の一方の座標軸(z軸)
    上の点(z1、…zn)において、各点(z1、…z
    n)における他方の座標軸(x軸)方向の管路幅を該他
    方の座標軸(x軸)方向に−1から1に亘るものとして
    規格化し該他方の座標軸(x軸)方向に座標をとったと
    きに、Legendreの球函数Pn(x)に対してP
    n(x)=0の根(x1、…xn)となる複数の点の流
    速を測定し、 前記一方の座標軸(z軸)上の各点(z1、…zn)に
    おける他方の座標軸(x軸)方向の管路幅と流速測定部
    で測定した複数の点の流速から、ガウスの数値積分を行
    い流速分布の面積を計算し、その流速分布の面積を、さ
    らにガウスの数値積分を行うことで、管路全体の流量を
    計算する、流量測定方法。
  7. 【請求項7】 管路内を満管状態で流れる流体の流量を
    測定する流量測定方法であって、 管路内投影横断面において、その上下方向に管路幅を−
    1から1に亘るものとして規格化し上下方向に座標をと
    ったときに、Legendreの球函数Pn(z)に対
    してPn(z)=0の根(z1、…zn)となる複数の
    水深において、各水深における管路幅を水平方向に−1
    から1に亘るものとして規格化し水平方向に座標をとっ
    たときに、Legendreの球函数Pn(x)に対し
    てPn(x)=0の根(x1、…xn)となる複数の点
    の流速を測定し、 前記各水深における水平方向の管路幅と流速測定部で測
    定した複数の点の流速から、ガウスの数値積分を行い各
    水深における流速分布の面積を計算し、各水深における
    流速分布の面積を、さらに、ガウスの数値積分を行うこ
    とで、管路全体の流量を計算する、流量測定方法。
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