JP2001181046A - 無機繊維結合セラミックス及びその製造方法並びにそれを用いた高表面精度部材 - Google Patents

無機繊維結合セラミックス及びその製造方法並びにそれを用いた高表面精度部材

Info

Publication number
JP2001181046A
JP2001181046A JP36231499A JP36231499A JP2001181046A JP 2001181046 A JP2001181046 A JP 2001181046A JP 36231499 A JP36231499 A JP 36231499A JP 36231499 A JP36231499 A JP 36231499A JP 2001181046 A JP2001181046 A JP 2001181046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic
fiber
crystalline
inorganic fiber
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36231499A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Matsunaga
賢二 松永
Shinji Kajii
紳二 梶井
Toshihiko Nunogami
俊彦 布上
Toshihiro Ishikawa
敏弘 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP36231499A priority Critical patent/JP2001181046A/ja
Publication of JP2001181046A publication Critical patent/JP2001181046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 破壊抵抗が大きく、表面の平滑性に優れた材
料、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 (a)Si、M、C及びOからなる非晶質物
質、(b)β-SiC、MC及びCの結晶質微粒子と、SiO2
及びMO2の非晶質物質との集合体(MはTi又はZrを示
す)、又は(c)(a)の非晶質物質と(b)の集合体との混合物
を含有する無機質繊維と、この無機質繊維の間隙を充填
するように存在する、(d)Si及びO、場合によりMから
なる非晶質物質、(e)結晶質のSiO2及び/又はMO2
らなる結晶質物質、又は(f)上記(d)の非晶質物質と上記
(e)の結晶質物質との混合物を含有し、かつ100nm以下の
粒径のMCからなる結晶質微粒子が分散した無機物質、
又は100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子と100
nm超〜1000nmの粒径のMCからなる結晶質粒子が分散し
た無機物質とからなり、無機繊維の含有量が80体積%以
上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は極めて高い表面平滑
性、及び高い破壊抵抗を有し、さらに1300℃以上の空気
中でも優れた力学的特性を発現する無機繊維結合セラミ
ックス、及びその製造方法並びにそれを用いた高表面精
度部材に関する。特に、極めて高い表面精度を有し、か
つ高い破壊抵抗を要求される部材、たとえば、高い製品
寸法公差が必要になる、はめあい部、ねじ部、摺動部、
メカニカルシール部、あるいはガスジェネレータエンジ
ン用部品に適用出来る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】炭化ケイ素、窒化ケイ素な
どに代表される単体のセラミックス材料は、高い耐熱
性、及び硬度を有しており、かつ表面加工を施すことに
より優れた表面平滑性を示すことから、油が潤滑剤とし
て使用できない高温領域、或いは極低温領域で転がり軸
受、すべり軸受等の摺動材として使用されている。ま
た、これらの単体セラミックスは、1300℃以上の高温で
優れた強度を示すことから、高効率ガスタービン用部材
として期待されていた。しかし、単体セラミックス固有
の欠点である脆さを有しており、内在する小さな気孔、
或いはクラックに非常に敏感であり、その特性は著しく
低下する。信頼性を上げるためには、脆さを改善し破壊
時の抵抗を大きくする、すなわち破壊エネルギを上げる
必要がある。
【0003】カーボン繊維強化カーボン基複合材料(以
下、C/C複合材料と記載する)並びにセラミックス繊
維強化セラミックス基複合材料(以下、CMCと記載す
る)は、上記のような単体セラミックスの脆さを、高温
特性を低下させることなく改善した材料であり、超高温
材料として盛んに研究が進められている。
【0004】これらの複合材料は、化学蒸着気相法(CV
D法)、化学浸透気相法(CVI法)、ポリマー含浸法(PIP
法)、或いはホットプレス法により製造されている。何
れの方法においても、特に連続繊維で強化された複合材
料は、内部に気孔が残存しやすく、単体のセラミックス
に比べて緻密性が低い。そのため機械加工後の表面には
気孔が露出した部分が存在し、その周辺においては、繊
維、並びにマトリックスの欠落が発生しやすくなる。ま
た、表面に露出した気孔に異物が混入すると摺動材など
の場合は、摩擦抵抗の増大が起こる。したがって、複合
材料においては、表面の平滑性を向上させ、表面に露出
する気孔をなくす必要がある。CMCの1種であるセラ
ミックス繊維強化ガラスセラミックス基複合材料は、比
較的緻密性が高いが、マトリックス材料がガラスである
ことから、1200℃以上の高温ではマトリックスの軟化に
より、強度が低下する。よって、1300℃以上の高温での
使用は困難である。
【0005】C/C複合材料、又はSiC/SiC複合材料
の表面の緻密性を改善する手段として、表面コーティン
グが考えられるが、コーティング行程の追加はコスト高
をまねくことになる。また、熱衝撃、及び異物の衝突に
より、或いは、母材と異なる物質をコーティングした場
合は熱膨張差によりコーティング膜が剥離する。
【0006】
【課題を解決する技術的手段】本発明の目的は、破壊抵
抗が大きく、かつ表面コーティングをしなくても表面の
平滑性に優れた材料、及びその製造方法を提供すること
であり、極めて高い表面精度を有し、かつ高い破壊抵抗
を要求される部材、たとえば、高い製品寸法公差が必用
になる、はめあい部、ねじ部、摺動部、メカニカルシー
ル部、あるいはガスジェネレータエンジン用部品に適用
出来る。
【0007】本発明によれば、(a)Si、M、C及びOか
らなる非晶質物質、(b)β-SiC、MC及びCの結晶質微
粒子と、SiO2及びMO2の非晶質物質との集合体(MはT
i又はZrを示す)、又は(c)上記(a)の非晶質物質と上記
(b)の集合体との混合物を含有する無機質繊維と、この
無機質繊維の間隙を充填するように存在する、(d)Si及
びO、場合によりMからなる非晶質物質、(e)結晶質のS
iO2及び/又はMO2からなる結晶質物質、又は(f)上記
(d)の非晶質物質と上記(e)の結晶質物質との混合物を含
有し、かつ100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒
子が分散した無機物質、又は100nm以下の粒径のMCか
らなる結晶質微粒子と100nm超〜1000nmの粒径のMCか
らなる結晶質粒子が分散した無機物質とからなり、上記
無機繊維の含有量が80体積%以上であり、さらに、上記
の無機質繊維と上記無機物質、及び無機質繊維同士との
境界層として1000nm以下の粒径のMCからなる結晶質粒
子が分散した1〜1000nmの非晶質及び/又は結晶質の炭
素が非整合的に混在した層が存在する無機繊維結合セラ
ミックスであって、該無機繊維結合セラミックスの表面
が十点平均粗さ(Rz)5μm(基準長さ3mm)以下であ
り、また破壊試験において応力−変位曲線が非線形挙動
を示し即時破壊しないことを特徴とする無機繊維結合セ
ラミックスが提供される。
【0008】さらに、本発明によれば、主としてSiCの
結晶構造からなる無機繊維であって、2A族、3A族及び3B
族の金属原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の
金属原子を含有する無機繊維が最密充填に極めて近い構
造に結合し、繊維間には1〜50nmの炭素を主成分とする
境界層が形成されている無機繊維結合セラミックスであ
って、該無機繊維結合セラミックスの表面が十点平均粗
さ(Rz)5μm(基準長さ3mm)以下であり、また破壊試
験において応力−変位曲線が非線形挙動を示し即時破壊
しないことを特徴とする無機繊維結合セラミックスが提
供される。
【0009】さらに、本発明によれば、内面層と表面層
とからなる無機繊維であって、内面層が、(a)Si、M、
C及びOからなる非晶質物質、(b)β-SiC、MC及びC
の結晶質超微粒子と、SiO2及びMO2の非晶質物質との
集合体(MはTi又はZrを示す。)、又は(c)上記(a)の非晶
質物質と上記(b)の集合体との混合物を含有する無機質
物質で構成され、表面層が(d)Si及びO、場合によりM
からなる非晶質物質、(e)結晶質のSiO2及び/又はMO
2からなる結晶質物質、又は(f)上記(d)の非晶質物質と
上記(e)の結晶質物質との混合物を含有する無機質物質
で構成され、かつ、表面層の厚さT(単位μm)がT=aD(こ
こで、aは0.023〜0.053の範囲内の数値であり、Dは無機
繊維の直径(単位μm)である。)を満足する無機繊維の積
層物を、(g)金属又はガラス容器内に真空封入して、不
活性ガス雰囲気中、800〜1600℃の範囲の温度で1000〜1
0000kg/cm2の等方加圧下で処理するか、あるいはカーボ
ンダイスにセットして、不活性ガス雰囲気中、800〜190
0℃の範囲の温度で100〜1000kg/cm2の加圧下でホットプ
レス処理した後、金属又はガラス容器から、あるいはカ
ーボンダイスから処理した無機繊維の積層物集合体を取
出し、不活性ガス雰囲気中、1550〜2000℃の範囲の温度
で1000〜10000kg/cm2の等方加圧下で処理するか、又
は、(h)カーボンダイスにセットして、不活性ガス雰囲
気中、1500〜2000℃の範囲の温度で100〜1000kg/cm2
加圧下でホットプレス処理し、(i)得られた無機繊維結
合セラミックスを表面加工することを特徴とする表面が
十点平均粗さ(Rz)5μm(基準長さ3mm)以下である無
機繊維結合セラミックスの製造方法が提供される。
【0010】さらに、本発明によれば、(a)ケイ素原子
に対する炭素原子の割合がモル比で1.5以上であるポリ
シラン或いはその加熱反応物に、2A族、3A族及び3B族の
金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
元素含有有機ケイ素重合体を調製する第1行程、(b)金属
元素含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸して紡糸繊維を得
る第2行程、(c)紡糸繊維を酸素含有雰囲気中50〜170℃
で加熱して不融化繊維を調製する第3行程、(d)不融化繊
維、又は不融化繊維を不活性ガス中で無機化した無機化
繊維から予備形状物を製作し、これを型内に仕込み、真
空、不活性ガス、還元ガス及び炭化水素からなる群から
選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気中で、1700〜220
0℃の温度範囲で加圧する第4行程、(e)得られた無機繊
維結合セラミックスを表面加工する第5行程からなるこ
とを特徴とする表面が十点平均粗さ(Rz)5μm(基準長
さ3mm)以下である無機繊維結合セラミックスの製造方
法が提供される。
【0011】また、本発明によれば、前記載の無機繊維
結合セラミックスからなる高表面精度部材が提供され
る。
【0012】本発明では、内部構造の異なる2種類の無
機繊維結合セラミックスを提案している。まず、本発明
の請求項1の無機繊維結合セラミックスについて説明す
る。無機質繊維は(a)Si、M、C及びOからなる非晶質
物質、(b)β-SiC、MC及びCの結晶質微粒子と、SiO
2及びMO2の非晶質物質との集合体(MはTi又はZrを示
す)、又は(c)上記(a)の非晶質物質と上記(b)の集合体と
の混合物で構成される。(b)におけるβ-SiCとMCとは
それらの固溶体として存在することもでき、またMCは
炭素欠損状態であるMC1-x(xは0以上で1未満の数であ
る。)として存在することもできる。無機質繊維を構成
する各元素の割合は、通常、Si:30〜60重量%、M:0.5〜
35重量%、好ましくは1〜10重量%、C:25〜40重量%、O:
0.01〜30重量%である。無機質繊維の相当直径は一般に5
〜20μmである。
【0013】無機質繊維は本発明の無機繊維結合セラミ
ックス中に80体積%以上、好ましくは85〜91体積%存在す
る。それぞれの無機質繊維の表面には、非晶質及び/又
は結晶質の炭素が、1〜1000nmの範囲、好ましくは10〜3
00nmの厚さで境界層として非整合的に層状に生成してい
る。そして、この無機質繊維の間隙を充填するように緻
密に、(d)Si及びO、場合によりMからなる非晶質物
質、(e)結晶質のSiO2及び/又はMO2からなる結晶質
物質、又は(f)上記(d)の非晶質物質と上記(e)の結晶質
物質との混合物の無機質物質が存在している。即ち、無
機質繊維同士の境界、及び無機質物質と無機質繊維の境
界に非晶質及び/又は結晶質の炭素が非整合に層状に存
在している。
【0014】さらに、上記無機物質中には、100nm以下
の粒径のMCからなる結晶質微粒子、又は100nm以下の
粒径のMCからなる結晶質微粒子と100nm超〜1000nmの
粒径のMCからなる結晶質粒子が分散している。また、
上記炭素層には、1000nm以下の粒径のMCからなる結晶
質粒子が分散している。上記無機物質中及び炭素層に含
まれる100nm超〜1000nmの粒径のMCからなる結晶質粒
子は0.01〜5体積%混在させることが好ましい。また、10
0nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子は0.1〜5体
積%混在させることが好ましい。
【0015】次に、本発明の請求項2の無機繊維結合セ
ラミックスについて説明する。請求項2の無機繊維結合
セラミックスを構成する繊維材は、主としてSiC結晶の
焼結構造からなり、良好に焼結した領域ではSiC結晶間
で強固な界面強度を発現しており、破壊はSiCの結晶粒
内で進行する。この結合体を構成する繊維材の破面観察
では、このようなSiCの粒内破壊が繊維材断面の少なく
とも30%以上の領域で認められる。なお、上記繊維材の
破断面では、SiC結晶間の粒内破壊により観察される良
好な焼結領域と、粒内破壊領域が混在している場合もあ
る。
【0016】前記繊維材は、2A族、3A族及び3B族の金属
元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子
を含有する。繊維材を構成する元素の割合は、通常、S
i:55〜70重量%、C:30〜45重量%、M(2A族、3A族及
び3B族の金属元素):0.05〜4.0重量%、好ましくは、0.
1〜2.0重量%である。2A族、3A族及び3B族の金属元素の
中では、特にBe、Mg、Y、Ce、B、Alが好ましく、こ
れらはいずれもSiCの焼結助剤として知られているもの
で、また有機ケイ素ポリマーのSi−H結合と反応し得る
キレート化合物やアルキシド化合物が存在するものであ
る。この金属の割合が過度に少ないと繊維材の十分な結
晶性が得られず、その割合が過度に高くなると、粒界破
壊が多くなり力学的特性の低下を招くことになる。
【0017】上記繊維材の全て或いは大部分は多角形状
に変形し、最密充填構造に極めて近い状態に充填されて
いる。また、繊維と繊維との境界領域には1〜50nmの炭
素を主成分とする境界層が形成されており、上記に示し
た構造を反映して、1600℃における強度が室温強度の80
%以上の極めて高い力学的特性を発現する。
【0018】また、上記繊維材は、1方向に引き揃えら
れたシート状物の積層状態と同様の配向状態、2次元織
物の積層状態と同様の配向状態、3次元織物の状態と同
様の配向状態、或いはランダム配向状態のいずれか又は
それらの複合組織からなることができる。これらは、目
的とする形状物に要求される力学的特性により暫時選択
されるものである。
【0019】本発明の請求項1並びに2の無機繊維結合
セラミックスに共通して重要なことは、無機繊維結合セ
ラミックスの気孔率が2%以下と極めて緻密であることか
らホーニング加工、或いはラッピング加工等の機械加工
により表面を十点平均粗さ(Rz)5μm(基準長さ3mm)
以下に仕上げることが可能であり、表面に気孔等のボイ
ドが露出していないということである。またこれに加え
て、破壊試験において応力(荷重)−変位(ひずみ)曲
線が非線形挙動を示し即時破壊することなく、万が一表
面にクラックが発生しても一機に最終破壊にまでいたら
ないということである。
【0020】次に、本発明の無機繊維結合セラミックス
の製造方法について説明する。本発明では2種の無機繊
維結合セラミックスを提案しているので、それぞれにつ
いて説明する。まず、請求項1の無機繊維結合セラミッ
クスの製造方法について説明する。本発明の原料として
使用される無機質繊維は、例えば特開昭62-289641号公
報に記載の方法に従って、無機質繊維を酸化性雰囲気下
に500〜1600℃の範囲の温度で加熱することによって調
製することができる。この無機質繊維(M:Ti)は宇部興
産株式会社からチラノ繊維(登録商標)として市販されて
いる。無機質繊維の形態については特別に制限はなく、
連続繊維、連続繊維を切断したチョップ状短繊維、或い
は連続繊維を一方向に引き揃えたシート状物又は織物で
あることができる。
【0021】上記の繊維を空気、純酸素、オゾン、水蒸
気、炭酸ガスなどの酸化性雰囲気で加熱処理することに
よって無機質繊維の表面層が形成される。無機質繊維の
表面層の厚さT(μm)が、T=aD(ここで、aは0.023〜0.053
の範囲内の数値であり、Dは無機質繊維の直径(単位μm)
である。)を満足するように、加熱処理条件を選択する
ことが必要である。表面層の厚さを上記範囲に厳密に制
御することにより、気孔率が2%以下の極めて緻密な無機
繊維結合セラミックスを調製することが可能になる。
【0022】これにより、内面層と表面層とからなる無
機繊維であって、内面層が、(a)Si、M、C及びOから
なる非晶質物質、(b)β-SiC、MC及びCの結晶質超微
粒子と、SiO2及びMO2の非晶質物質との集合体(MはT
i又はZrを示す。)、又は(c)上記(a)の非晶質物質と上記
(b)の集合体との混合物を含有する無機質物質で構成さ
れ、表面層が(d)Si及びO、場合によりMからなる非晶
質物質、(e)結晶質のSiO2及び/又はMO2からなる結
晶質物質、又は(f)上記(d)の非晶質物質と上記(e)の結
晶質物質との混合物を含有する無機質物質で構成され、
かつ、表面層の厚さT(単位μm)がT=aD(ここで、aは0.02
3〜0.053の範囲内の数値であり、Dは無機繊維の直径(単
位μm)である。)を満足する無機繊維が得られる。
【0023】本発明においては、上記の無機質繊維から
なる積層物を作製し、ついで所定の形状に成形した後
に、Ti及びその合金、Ta及びその合金、ステンレス鋼及
び軟鋼等の金属又はシリカガラス、パイレックス、及び
結晶化ガラス等のガラス容器に真空封入し、熱間等方加
圧下で第一段目の処理をすることにより、無機質繊維か
らなる積層物が完全に緻密化した半製品が得られる。熱
間等方加圧処理の温度は800〜1600℃の範囲内であり、
等方圧力は1000〜10000kg/cm2の範囲内である。あるい
は、本発明においては、上記の無機質繊維からなる積層
物を作製し、カーボンダイスにセットし、800〜1900℃
の範囲の温度で、100〜1000kg/cm2の範囲の圧力により
ホットプレスすることにより、無機質繊維からなる積層
物が完全に緻密化した半製品が得られる。
【0024】次いで、容器あるいはカーボンダイスより
無機質繊維からなる積層物が完全に緻密化した半製品を
取出し、不活性ガス雰囲気中、1550〜2000℃の範囲の温
度で1000〜10000kg/cm2の熱間等方加圧下で再び処理す
る。
【0025】或いは、上記の無機質繊維からなる積層物
をカーボンダイスにセットして、不活性ガス雰囲気中、
1500〜2000℃の範囲の温度で100〜1000kg/cm2の加圧下
でホットプレス処理する。
【0026】その後、得られた無機繊維結合セラミック
スを所定の形状に切断し、表面をホーニング加工、或い
はラッピング加工等により表面を十点平均粗さ(Rz)5
μm(基準長さ3mm)以下に仕上げる。
【0027】次に、請求項2の無機繊維結合セラミック
スの製造方法について説明する。この製造方法は、(a)
ケイ素原子に対する炭素原子の割合がモル比で1.5以上
であるポリシラン或いはその加熱反応物に、2A族、3A族
及び3B族の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも
1種の金属元素含有有機ケイ素重合体を調製する第1行
程、(b)金属元素含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸して
紡糸繊維を得る第2行程、(c)紡糸繊維を酸素含有雰囲気
中50〜170℃で加熱して不融化繊維を調製する第3行程、
(d)不融化繊維、又は不融化繊維を不活性ガス中で無機
化した無機化繊維から予備形状物を製作し、これを型内
に仕込み、真空、不活性ガス、還元ガス及び炭化水素か
らなる群から選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気中
で、1700〜2200℃の温度範囲で加圧する第4行程、(e)得
られた無機繊維結合セラミックスを表面加工する第5行
程からなる。
【0028】第1行程 第1行程では、前駆重合体である金属含有有機ケイ素重
合体を調製する。ポリシランは、例えば「有機ケイ素化
合物の化学」化学同人(1972年)に記載の方法に従い、1
種類以上のジクロロシランを、ナトリウムを用いた脱塩
素反応させることにより得られる、鎖状又は環状の重合
体であり、その数平均分子量は通常300〜1000である。
本発明におけるポリシランは、ケイ素の側鎖として、水
素原子、低級アルキル基、フェニル基又はシリル基を有
することができるが、何れの場合も、ケイ素原子に対す
る炭素原子の割合がモル比で1.5以上であることが必要
である。この条件を満足しないと、繊維中の炭素の全て
が不融化の際に導入された酸素と共に、焼結に至るまで
の昇温過程で炭酸ガスとして脱離し、繊維間の境界炭素
層が形成されないので好ましくない。
【0029】本発明におけるポリシランは、上記の鎖状
又は環状のポリシランを加熱して得られる、ポリシラン
結合単位に加えて一部にカルボシラン結合を含む有機ケ
イ素重合体を包含する。このような有機ケイ素合体はそ
れ自体公知の方法で調製することができる。調製法の例
としては、鎖状又は環状のポリシランを400〜700℃の比
較的高い温度で加熱反応する方法、このポリシランにフ
ェニル基含有ポリボロシロキサンを加えて250〜500℃の
比較的低い温度で加熱反応する方法を挙げることができ
る。こうして得られる有機ケイ素重合体の数平均分子量
は通常1000〜5000である。
【0030】フェニル含有ポリボロシロキサンは、特開
昭53-42300号公報及び同53-50299号公報に記載の方法に
従って調製することができる。例えば、フェニル含有ポ
リボロシロキサンは、ホウ酸と1種類以上のジオルガノ
クロロシランとの脱塩酸縮合反応によって調製すること
ができ、その数平均分子量は通常500〜10000である。フ
ェニル基含有ポリボロシロキサンの添加量は、ポリシラ
ン100重量部に対して通常15重量部以下である。
【0031】ポリシランに対して、2A族、3A族及び3B族
の金属元素を含有する化合物の所定量を添加し、不活性
ガス中、通常250〜350℃の範囲の温度で1〜10時間反応
することにより、原料である金属元素含有有機ケイ素重
合体を調製することができる。上記金属元素は、最終的
に得られる焼結SiC繊維結合体中の金属元素の含有割合
が0.05〜4.0重量%になる割合で使用され、具体的割合は
本発明の教示に従って当業者が適宜に決定することがで
きる。また、上記の金属元素含有有機ケイ素重合体は、
ポリシランのケイ素原子の少なくとも一部が、金属原子
と酸素原子を介してあるいは介さずに結合された構造を
有する、橋かけ重合体である。
【0032】第1工程で添加される2A族、3A族及び3B族
の金属元素を含有する化合物としては、前記金属元素の
アルコキシド、アセチルアセトキシド化合物、カルボニ
ル化合物、シクロペンタジエニル化合物等を用いること
ができ、例えば、ベリリウムアセチルアセトナ−ト、マ
グネシウムアセチルアセトナ−ト、イットリウムアセチ
ルアセトナ−ト、セリウムアセチルアセトナ−ト、ほう
酸ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナ−ト等を
挙げることができる。これらはいずれも、ポリシラン或
いはその加熱反応物との反応時に生成する有機ケイ素ポ
リマ−中のSi−H結合と反応して、それぞれの金属元素
がSiと直接あるいは他の元素を介して結合した構造を生
成し得るものである。
【0033】第2工程 第2工程においては、金属元素含有有機ケイ素重合体の
紡糸繊維を得る。前駆重合体である金属元素含有有機ケ
イ素重合体を溶融紡糸及び乾式紡糸のようなそれ自体公
知の方法によって紡糸し、紡糸繊維を得ることができ
る。
【0034】第3工程 第3工程においては、紡糸繊維を酸素含有雰囲気中50〜1
70℃で加熱して不融化繊維を調製する。不融化の目的
は、紡糸繊維を構成するポリマ−間に酸素原子による橋
かけ点を形成させて、後続の無機化工程において不融化
繊維が溶融せず、かつ隣接する繊維同士が融着しないよ
うにすることである。酸素含有雰囲気を構成するガスと
しては、不融化時間は不融化温度に依存するが、通常、
数分〜30時間である。不融化繊維中の酸素の含有量は8
〜16重量%になるようにコントロ−ルすることが望まし
い。この酸素の大部分は、次工程の無機化後も繊維中に
残存し、最終の焼結に至るまでの昇温過程において、無
機繊維中の余剰炭素をCOガスとして脱離させる重要な
働きをする。尚、酸素含有量が8重量%より少ない場合
は、無機繊維中の余剰炭素が必要以上に残存し、昇温過
程においてSiC結晶の回りに偏析して安定化するためSi
Cの焼結を阻害し、また、16重量%よりも多い時は、無
機繊維中の余剰炭素が完全に脱離して繊維間の境界炭素
層が生成しない。これらは、いずれも得られる材料の力
学的特性に悪影響を及ぼす。
【0035】前記不融化繊維は、さらに不活性雰囲気中
で予備加熱することが好ましい。不活性雰囲気を構成す
るガスとしては、窒素、アルゴンなどを例示することが
できる。加熱温度は通常150〜800℃であり、加熱時間は
数分しかないし20時間である。不融化繊維を不活性雰囲
気中で予備加熱することによって、繊維への酸素の取り
込みを防止しつつ、繊維を構成するポリマ−の橋かけ反
応をより進行させ、前駆体重合体からの不融化繊維の優
れた伸びを維持しつつ、強度をより向上させることがで
きる、これにより、次工程の無機化を作業性よく安定に
行うことができる。
【0036】第4工程 第4工程においては、不融化繊維を、連続式又は回分式
で、アルゴンのような不活性ガス雰囲気中、1000〜1700
℃の範囲内の温度で加熱処理して、無機化する。
【0037】次いで、無機化繊維をシ−ト形状物、織物
形状物又はチョップ形状物に成形後、それらの少なくと
も1種からなる予備形状物を作製する。次いで、予備形
状物を型内に仕込み真空、不活性ガス、還元ガス及び炭
化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる
雰囲気中で、1700〜2200℃の温度範囲で加圧する。尚、
第4工程で加圧するまでの昇温過程において、上記CO
の脱離速度に合わせた加圧プログラムを組み込んでも良
い。
【0038】また、第4工程においては、不融化繊維か
ら予備形状物を製作し、これを加圧用の型内に仕込み、
同型内で無機化も行う以外は、上記と同様の方法を行っ
てもよい。
【0039】第5工程 第4工程終了後、型内より結合体を取り出し、所定形状
に切断し、ホーニング加工、或いはラッピング加工等に
より結合材表面を十点平均粗さ(Rz)5μm(基準長さ3m
m)以下に仕上げる。
【0040】
【実施例】以下に本発明を更に詳しく説明するために実
施例及び比較例を示す。以下において、最終製品の力学
的特性は次のように測定した。 [力学的特性の評価]島津製オートグラフを用いて応力
(荷重)−変位(ひずみ)曲線を測定すると共に、最大
曲げ強さを求めた。試験片は、幅4mm、高さ3mm、長さ40
mmとした。また、破壊抵抗を評価するために、シェブロ
ンノッチ入り試験片(幅4mm、高さ3mm、ノッチ:0.8mm<
リガメント先端>-2.8mm)を用いた3点曲げ試験(クロス
ヘッド速度0.05mm/min)により応力−変位曲線を測定
し、その面積から破壊エネルギーを算出した。
【0041】[表面平滑性の評価]Tokyo Seimitsu製
表面粗さ計を用いて、基準長さ3mmで十点平均粗さ(R
z)を測定した。
【0042】実施例1 繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社
製)を950℃の空気中で15時間加熱処理し表面層と内面層
からなる無機質繊維を作製した。繊維表面にはa=0.030
に相当する平均約300nmの均一な表面層が形成されてい
た。次に、この無機質繊維を1方向に配向させたシート
を作製し、100mm×100mmに切断した後、0/90°に50枚を
交互積層して、カーボンダイス中にセットし、アルゴン
雰囲気下、温度1800℃、500kgf/cm2の圧力でホットプレ
ス処理し、無機繊維結合セラミックスを得た。その後、
本結合体を所定の試験片サイズに切断し、表面をラッピ
ング加工し、請求項1の無機繊維結合セラミックスを得
た。
【0043】得られた無機繊維結合セラミックスの表面
を観察した。無機繊維結合セラミックスの表面の写真を
図1に示す。本結合体は、非常に緻密であり、気孔は観
察されなかった。また、試験片表面の粗さは、Rz=4.08
μmであった。
【0044】この無機繊維結合セラミックスの室温、並
びに1400℃における曲げ試験での応力−変位曲線を図2
示す。無機繊維結合セラミックスの応力−変位曲線は、
非線形挙動を示しており、即時破壊は起こしていない。
また、シェブロンノッチ入り試験片を用いて3点曲げ試
験により求めた破壊エネルギは、2350J/m2であった。
【0045】窒化ケイ素、又は炭化ケイ素の平滑材での
破壊試験では、応力−変位曲線が線形挙動を示し、最大
荷重で即時に破断する。また、「ファインセラミック
ス、p.981(1993)ファインセラミックス技術研究組合、
深澤孝幸ら」によると、破壊抵抗の向上を目的としてウ
イスカを添加した複合化炭化ケイ素の破壊エネルギー
は、200J/m2以下と報告されている。請求項1の無機繊
維結合セラミックスの破壊抵抗が優れていることがわか
る。
【0046】実施例2 まず、ナトリウム400gを含有する無水キシレンに、窒素
ガス気流下にキシレンを加熱環流させながら、ジメチル
ジクロロシラン1Lを滴下し、引き続き10時間加熱環流し
沈殿物を生成させた。この沈殿をろ過し、メタノール、
次いで水で洗浄して、白色のポリジメチルシラン420gを
得た。次に、ジフェニルジクロロシラン750g、及びホウ
酸124gを窒素ガス雰囲気下にn-ブチルエーテル中、100
〜120℃で加熱し、生成した白色樹脂状物をさらに真空
中400℃で1時間加熱処理することによって、フェニル基
含有ポリボロシキサン530gを得た。前述で得られたポリ
ジメチルシラン100部にこのフェニル基含有ポリボロシ
ロキサン4部を添加し、窒素ガス雰囲気中、350℃で5時
間熱縮合して、高分子量の有機ケイ素重合体を得た。こ
の有機ケイ素重合体100部を溶解したキシレン溶液にア
ルミニウム-トリ-(sec-ブトキシド)を7部加え、窒素ガ
ス気流下、310℃で架橋反応させることによって、ポリ
アルミノカルボシランを合成した。これを245℃で溶融
紡糸し、空気中140℃で5時間加熱処理した後、更に窒素
中300℃で10時間加熱して不融化繊維を得た。この不融
化繊維を窒素中1500℃で連続焼成し、炭化ケイ素系連続
無機繊維を合成した。この繊維を1方向に引き揃えた積
層体を作製し、カーボンダイス内に仕込んだ後、圧力50
MPa、温度2000℃でホットプレス成形した。得られた成
型品を所定形状に切断し、表面をラッピング加工して請
求項2の無機繊維結合セラミックスを得た。
【0047】得られた無機繊維結合セラミックスの表面
を観察した。無機繊維結合セラミックスの表面の写真を
図3に示す。本結合体は、非常に緻密であり、気孔は観
察されなかった。また、試験片表面の粗さは、Rz=1.05
μmであった。
【0048】この無機繊維結合セラミックスの室温、並
びに1600℃における曲げ試験での応力−変位曲線を図4
示す。無機繊維結合セラミックスは、最大荷重を示した
後も応力を負担しており、即時破壊は起こしていない。
また、シェブロンノッチ入り試験片を用いて3点曲げ試
験により求めた破壊エネルギは、1200J/m2であった。
【0049】比較例1 大和田製C/C複合材料を所定寸法に切断し、本発明の
無機繊維結合セラミックスと同様に表面をラッピング加
工した。
【0050】得られたC/C複合材料の表面を観察し
た。C/C複合材料の表面の写真を図5に示す。本複合
材料は、気孔、クラックを含んでおり、試験片表面に
は、それらが露出していた。表面の粗さは、Rz=5.72μm
であり、気孔部においては測定範囲を大きく超えた。ま
た、このC/C複合材料の室温における曲げ試験での応
力−変位曲線を図6示す。このC/C複合材料は、最大
荷重を示した後も応力を負担しており、即時破壊は起こ
していない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1で得られた無機繊維
結合セラミックスの表面組織を示す図面に代える電子顕
微鏡写真である。
【図2】図2は、本発明の実施例1で得られた無機繊維
結合セラミックスの応力と変位の関係を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施例2で得られた無機繊維
結合セラミックスの表面組織を示す図面に代える電子顕
微鏡写真である。
【図4】図4は、本発明の実施例2で得られた無機繊維
結合セラミックスの応力と変位の関係を示す図である。
【図5】図5は、本発明の比較例1で得られたC/C複
合材料の表面組織を示す図面に代える電子顕微鏡写真で
ある。
【図6】図6は、本発明の比較例1で得られたC/C複
合材料の応力と変位の関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 石川 敏弘 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 Fターム(参考) 4G001 BA77 BA86 BB04 BB13 BB14 BB22 BB25 BB26 BB60 BB67 BB86 BC42 BC43 BC54 BE03 BE22 BE35 4L037 CS29 CS30 FA01 FA03 FA05 FA17 PA49 PS02 PS10 UA17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)Si、M、C及びOからなる非晶質物
    質、(b)β-SiC、MC及びCの結晶質微粒子と、SiO2
    及びMO2の非晶質物質との集合体(MはTi又はZrを示
    す)、又は(c)上記(a)の非晶質物質と上記(b)の集合体と
    の混合物を含有する無機質繊維と、この無機質繊維の間
    隙を充填するように存在する、(d)Si及びO、場合によ
    りMからなる非晶質物質、(e)結晶質のSiO2及び/又は
    MO2からなる結晶質物質、又は(f)上記(d)の非晶質物
    質と上記(e)の結晶質物質との混合物を含有し、かつ100
    nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子が分散した無
    機物質、又は100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微
    粒子と100nm超〜1000nmの粒径のMCからなる結晶質粒
    子が分散した無機物質とからなり、上記無機繊維の含有
    量が80体積%以上であり、さらに、上記の無機質繊維と
    上記無機物質、及び無機質繊維同士との境界層として10
    00nm以下の粒径のMCからなる結晶質粒子が分散した1
    〜1000nmの非晶質及び/又は結晶質の炭素が非整合的に
    混在した層が存在する無機繊維結合セラミックスであっ
    て、該無機繊維結合セラミックスの表面が十点平均粗さ
    (Rz)5μm(基準長さ3mm)以下であり、また破壊試験
    において応力−変位曲線が非線形挙動を示し即時破壊し
    ないことを特徴とする無機繊維結合セラミックス。
  2. 【請求項2】主としてSiCの結晶構造からなる無機繊維
    であって、2A族、3A族及び3B族の金属原子からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有する無機繊
    維が最密充填に極めて近い構造に結合し、繊維間には1
    〜50nmの炭素を主成分とする境界層が形成されている無
    機繊維結合セラミックスであって、該無機繊維結合セラ
    ミックスの表面が十点平均粗さ(Rz)5μm(基準長さ3m
    m)以下であり、また破壊試験において応力−変位曲線
    が非線形挙動を示し即時破壊しないことを特徴とする無
    機繊維結合セラミックス。
  3. 【請求項3】内面層と表面層とからなる無機繊維であっ
    て、内面層が、(a)Si、M、C及びOからなる非晶質物
    質、(b)β-SiC、MC及びCの結晶質超微粒子と、SiO
    2及びMO2の非晶質物質との集合体(MはTi又はZrを示
    す。)、又は(c)上記(a)の非晶質物質と上記(b)の集合体
    との混合物を含有する無機質物質で構成され、表面層が
    (d)Si及びO、場合によりMからなる非晶質物質、(e)結
    晶質のSiO2及び/又はMO2からなる結晶質物質、又は
    (f)上記(d)の非晶質物質と上記(e)の結晶質物質との混
    合物を含有する無機質物質で構成され、かつ、表面層の
    厚さT(単位μm)がT=aD(ここで、aは0.023〜0.053の範囲
    内の数値であり、Dは無機繊維の直径(単位μm)であ
    る。)を満足する無機繊維の積層物を、(g)金属又はガラ
    ス容器内に真空封入して、不活性ガス雰囲気中、800〜1
    600℃の範囲の温度で1000〜10000kg/cm2の等方加圧下で
    処理するか、あるいはカーボンダイスにセットして、不
    活性ガス雰囲気中、800〜1900℃の範囲の温度で100〜10
    00kg/cm2の加圧下でホットプレス処理した後、金属又は
    ガラス容器から、あるいはカーボンダイスから処理した
    無機繊維の積層物集合体を取出し、不活性ガス雰囲気
    中、1550〜2000℃の範囲の温度で1000〜10000kg/cm2
    等方加圧下で処理するか、又は、(h)カーボンダイスに
    セットして、不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の範囲
    の温度で100〜1000kg/cm2の加圧下でホットプレス処理
    し、(i)得られた無機繊維結合セラミックスを表面加工
    することを特徴とする表面が十点平均粗さ(Rz)5μm
    (基準長さ3mm)以下である無機繊維結合セラミックス
    の製造方法。
  4. 【請求項4】(a)ケイ素原子に対する炭素原子の割合が
    モル比で1.5以上であるポリシラン或いはその加熱反応
    物に、2A族、3A族及び3B族の金属元素からなる群から選
    ばれる少なくとも1種の金属元素含有有機ケイ素重合体
    を調製する第1行程、(b)金属元素含有有機ケイ素重合体
    を溶融紡糸して紡糸繊維を得る第2行程、(c)紡糸繊維を
    酸素含有雰囲気中50〜170℃で加熱して不融化繊維を調
    製する第3行程、(d)不融化繊維、又は不融化繊維を不活
    性ガス中で無機化した無機化繊維から予備形状物を製作
    し、これを型内に仕込み、真空、不活性ガス、還元ガス
    及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種か
    らなる雰囲気中で、1700〜2200℃の温度範囲で加圧する
    第4行程、(e)得られた無機繊維結合セラミックスを表面
    加工する第5行程からなることを特徴とする表面が十点
    平均粗さ(Rz)5μm(基準長さ3mm)以下である無機繊
    維結合セラミックスの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2記載の無機繊維結合
    セラミックスからなる高表面精度部材。
JP36231499A 1999-12-21 1999-12-21 無機繊維結合セラミックス及びその製造方法並びにそれを用いた高表面精度部材 Pending JP2001181046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36231499A JP2001181046A (ja) 1999-12-21 1999-12-21 無機繊維結合セラミックス及びその製造方法並びにそれを用いた高表面精度部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36231499A JP2001181046A (ja) 1999-12-21 1999-12-21 無機繊維結合セラミックス及びその製造方法並びにそれを用いた高表面精度部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001181046A true JP2001181046A (ja) 2001-07-03

Family

ID=18476535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36231499A Pending JP2001181046A (ja) 1999-12-21 1999-12-21 無機繊維結合セラミックス及びその製造方法並びにそれを用いた高表面精度部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001181046A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150271A (ja) * 2006-11-22 2008-07-03 Ube Ind Ltd 繊維強化セラミックス複合材料の製造方法
WO2010143608A1 (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 株式会社超高温材料研究所 複合化無機繊維及びその製造方法、並びに複合化無機繊維加工品及びその製造方法
JP2012201566A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Ube Industries Ltd 無機繊維結合セラミックス部品及びその製造方法
JP2013203610A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Ube Industries Ltd 無機繊維質セラミックス多孔体の製造方法
JP2015067458A (ja) * 2013-09-26 2015-04-13 宇部興産株式会社 無機繊維結合型セラミックスからなる高耐熱性摩擦材及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150271A (ja) * 2006-11-22 2008-07-03 Ube Ind Ltd 繊維強化セラミックス複合材料の製造方法
WO2010143608A1 (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 株式会社超高温材料研究所 複合化無機繊維及びその製造方法、並びに複合化無機繊維加工品及びその製造方法
JPWO2010143608A1 (ja) * 2009-06-08 2012-11-22 株式会社超高温材料研究センター 複合化無機繊維及びその製造方法、並びに複合化無機繊維加工品及びその製造方法
JP2012201566A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Ube Industries Ltd 無機繊維結合セラミックス部品及びその製造方法
JP2013203610A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Ube Industries Ltd 無機繊維質セラミックス多孔体の製造方法
JP2015067458A (ja) * 2013-09-26 2015-04-13 宇部興産株式会社 無機繊維結合型セラミックスからなる高耐熱性摩擦材及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4106086B2 (ja) セラミックス基繊維複合材料
JPH0239468B2 (ja)
JPH05105521A (ja) 炭素繊維強化窒化珪素質ナノ複合材及びその製造方法
JP4458192B2 (ja) SiC繊維結合セラミックス及びその製造方法
JP2001181046A (ja) 無機繊維結合セラミックス及びその製造方法並びにそれを用いた高表面精度部材
JP4239684B2 (ja) 高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材及びその製造方法
EP0351113B1 (en) Fiber-reinforced and particle-dispersion reinforced mullite composite material and method of producing the same
JP3767170B2 (ja) 焼結SiC繊維結合体及びその製造方法
JP3969106B2 (ja) 高耐熱性無機繊維結合セラミックス接合体及びその接合方法
JP3141512B2 (ja) 炭化ケイ素系無機繊維強化セラミックス複合材料
EP0893420B1 (en) Sintered silicon carbide fibers bonded material
JP3941455B2 (ja) 高耐熱性無機繊維結合セラミックス接合体の接合方法
JP2004067481A (ja) 高耐熱性無機繊維結合セラミックス及びその製造方法
JPH0881275A (ja) SiC基繊維複合材料の製造方法
JPH03109269A (ja) 炭素繊維強化サイアロン基セラミックス複合材料
JP4427914B2 (ja) 層間方向強化型無機繊維結合セラミックス及びその製造方法
JP2704475B2 (ja) 無機繊維強化セラミックス複合材料
JP3001128B2 (ja) 炭素系複合繊維強化セラミックス複合材料
JP2004067482A (ja) 高耐熱性無機繊維結合セラミックスの補修方法
JP4238620B2 (ja) 表面剥離を抑制した無機繊維結合セラミックスの製造方法
JP2000007453A (ja) 高耐熱性繊維強化セラミックス複合材料
JPH08169761A (ja) 炭化珪素基繊維複合材料の製造方法
JP3617092B2 (ja) 無機繊維強化セラミック複合材料
JPH11171658A (ja) 結晶性炭化ケイ素系繊維強化セラミック複合材料
JP3097894B2 (ja) 無機繊維強化セラミック複合材料の製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090630