JP2001179824A - マイクロレンズアレイ成形用金型の製造方法及び製造装置 - Google Patents

マイクロレンズアレイ成形用金型の製造方法及び製造装置

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JP2001179824A
JP2001179824A JP36613999A JP36613999A JP2001179824A JP 2001179824 A JP2001179824 A JP 2001179824A JP 36613999 A JP36613999 A JP 36613999A JP 36613999 A JP36613999 A JP 36613999A JP 2001179824 A JP2001179824 A JP 2001179824A
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punch
mold
microlens array
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die
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Hiroyuki Endo
弘之 遠藤
Hisashi Inada
久 稲田
Satoshi Kai
聡 甲斐
Susumu Cho
軍 張
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポンチでマイクロレンズアレイ成形用金型の凹
部を高精度で形成するについて、仕上げ加工などの特別
な加工工程によることなく、加工精度のバラツキが可及
的に小さくなるように、その成形加工法を工夫するこ
と。 【解決手段】ポンチ下端球状面をマイクロレンズアレイ
成形用金型の表面に押圧して多数の圧痕を形成し、上記
金型に形成された圧痕を光学素子材料に転写させるマイ
クロレンズアレイ成形用金型の製造方法を前提として、
上記ポンチを上記金型の表面に押圧するときにポンチに
軸方向の高周波振動を与えながら押圧すること。また
は、上記ポンチを上記金型の表面に押圧するときに該ポ
ンチを回転させながら押圧すること、または、上記ポン
チを上記金型の表面に押圧するときに、該ポンチに高周
波振動を与えるとともに該ポンチを回転させながら押圧
すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、マイクロレンズアレ
イ成形用金型製造方法に関するものであり、ポンチで金
型表面を押圧してマイクロレンズアレイ成形用金型に多
数の凹部を成形するについて、マイクロレンズアレイの
中の各レンズ成形面(上記凹部内面)の精度を向上さ
せ、かつ、その精度のバラツキを可及的に抑制すること
ができるものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロレンズアレイを射出成形、圧縮
成形、注型成形などで成形するためのもので、表面に微
小な多数の凹部61aを有するマイクロレンズアレイ成
形用の金型61(図6参照)の製造技術には種々のもの
があるが、その一例が特開平9ー323353号公報に
記載されている。
【0003】上記の金型製造装置は図7に示すとおりで
あり、ステージ71上の金型61に凹部61aを順次形
成するためのポンチ72を、永久磁石73,74、コイ
ル75を巻いた可動筒76からなる直動モータと板バネ
77によって軸方向に往復駆動するものである。ポンチ
72を金型61の表面に押し付けて圧痕を作り、この圧
痕によって上記の多数の凹部を成形するものであるが、
その凹部の形状は、ポンチ72の下端球状面(転写面の
一つの形態)が微視的には理想的な真球面ではなくて微
小な歪みがあり、このためにこれで形成される凹部は真
球面ではなく、微視的には若干歪んだ形状になる。この
歪みの方向が規則的であると、これによって成形された
マイクロレンズアレイを透過した光が方向性を有するこ
とになる。このため、このマイクロレンズを焦点板に利
用した場合、焦点板を見づらくしてしまう。本従来技術
は、個々の凹面を形成するためにポンチ72を金型表面
に押し付ける前に、モータ78でポンチ72のスピンド
ル79を微小に所定角度回転させて、凹部の歪みの方向
を順次変化させるものである。また、同様の金型成形技
術が特開平9ー327860号公報に記載されているも
のがある。このものの金型製造装置は上記従来技術と基
本的には異ならないが、ポンチによって金型表面に上記
圧痕を形成する際にポンチの押し込み深さを微小だけ不
規則に変え、これによってマイクロレンズを透過した光
によってモアレ縞が生じることを回避するものである。
【0004】なお、上記金型成形装置は、XYテーブル
を有し、場合によってはさらにその上に旋回テーブルを
有し、その最上にステージ71があって、このXYテー
ブル(場合によっては旋回テーブル)の位置をコンピュ
ータ制御して、ステージ71上の金型に対するポンチ7
2による加工位置を自動的に割り出し、ポンチの下降動
作をコンピュータ制御するものである。したがって、コ
ンピュータに制御データを入力するだけで、XYテーブ
ル(場合によっては旋回テーブル)が制御されて、ポン
チ72によって、所定の正確なXY方向の位置に順次自
動的に圧痕による上記凹部が形成される。特開平9ー3
23353号公報、特開平9ー327860号公報に記
載されたものは、ポンチで押圧する前にそれを微小だけ
所定角度回転させたり、その押圧深さを微小に変化させ
ることによってマイクロレンズを透過した光が方向性を
持つことを解消している。しかし、上記の問題の解決法
は、ポンチ先端による成形加工精度が極めて高く、ポン
チの先端面の上記凹面に正確に転写されることが前提で
あるが、上記各凹部の内面のポンチ先端による成形加工
精度を如何にして上げるかの技術的問題は依然として未
解決のままである。
【0005】
【解決しようとする課題】ところで、ポンチによるマイ
クロレンズアレイ成形用金型のポンチの圧痕内面の加工
精度を高めるについては、そのための加工能率を低下さ
せないこと、さらに各凹部内面の加工精度のバラツキが
ないことが必要である。そこで、本発明は、ポンチでマ
イクロレンズアレイ成形用金型の凹部を高精度で形成す
るについて、仕上げ加工などの特別な加工工程によるこ
となく、加工精度のバラツキが可及的に小さくなるよう
に、その成形加工法を工夫することをその課題とするも
のである。
【0006】
【課題解決のために講じた手段】
【解決手段1】上記課題解決のために講じた手段1は、
ポンチの転写面をマイクロレンズアレイ成形用金型の表
面に押圧して多数の圧痕を形成し、上記金型に形成され
た圧痕を光学素子材料に転写させるマイクロレンズアレ
イ成形用金型の製造方法を前提として、上記ポンチを上
記金型の表面に押圧するときにポンチに軸方向の高周波
振動を与えながら押圧することである。
【0007】
【作用】ポンチを上記金型の表面に押圧するときポンチ
は超音波振動しながら、該金型の表面に押し付けられる
ことになるから、一度にポンチ形状を転写させるわけで
はなくて、微細量づつ多段階にポンチを押圧しながら上
記凹部が形成されることになる。したがって、微小な加
工を繰り返して凹部内面が加工されるのでその加工精度
は高い。また、加工精度を高めるための高周波振動の付
加は全ての凹部について同じ条件でなされるので、個々
の凹部の加工精度はほぼ均一になる。なお、高周波振動
の振動数はポンチの下降速度、凹部の加工深さ、金型の
材質にもよるので、一概に特定することは出来ないが、
例えば加工深さ1mmにつき1000が概ねの目やすで
あり(一回の振動による加工、例えば1μm)、500
〜600でも高周波振動を与えることの効果は期待でき
る。なお、上記軸方向振動はポンチの転写面(下端面)
と金型の表面(被加工面)との間の相対的なポンチ軸方
向振動であるから、必ずしもポンチに加振しなければな
らないものではない。ステージを加振するとすれば、被
加振体の質量が大きいから問題がないではないが、高周
波振動装置の配設が容易であるなどの利点もあるから、
ポンチを加振する代わりにステージを加振するようにす
ることも可能である。
【0008】
【解決手段2】上記課題解決のために講じた手段2は、
ポンチの転写面をマイクロレンズアレイ成形用金型の表
面に押圧して多数の圧痕を形成し、上記金型に形成され
た圧痕を光学素子材料に転写させるマイクロレンズアレ
イ成形用金型の製造方法を前提として、上記ポンチを上
記金型の表面に押圧するときに該ポンチを回転させなが
ら押圧することである。
【0009】
【作用】上記ポンチを上記金型の表面に押圧するときに
ポンチの転写面がその軸心を中心にして回転しながら金
型表面に押し込まれて凹部を形成することになり、ポン
チの転写面の全面で上記凹部内面全面を加工することに
なる。したがって、ポンチ先端面の形状が理想的な形状
とはなっておらず微小に歪んでいても、その歪みがポン
チの回転によって上記凹部内面全面について平均化さ
れ、偏りのない転写がなされ、また、その内面の加工精
度も向上する。なお、ポンチの回転速度については、ポ
ンチの下降速度、凹部の加工深さ、金型の材質にもよる
ので、一概に特定することは出来ないが、加工深さ1m
mにつき毎秒100回がおよその目やすであり(一回転
する間の加工10μm)、50〜60でも回転を与える
ことの効果は期待できる。
【0010】
【解決手段3】上記課題解決のために講じた手段3は、
ポンチの転写面をマイクロレンズアレイ成形用金型の表
面に押圧して多数の圧痕を形成し、上記金型に形成され
た圧痕を光学素子材料に転写させるマイクロレンズアレ
イ成形用金型の製造方法を前提として、上記ポンチを上
記金型の表面に押圧するときに、該ポンチに高周波振動
を与えるとともに該ポンチを回転させながら押圧するこ
とである。
【0011】
【作用】この解決手段3は解決手段1、解決手段2の併
用であるから、これらの作用を同時に奏することにな
り、これらの作用の相乗作用によって、一層加工精度が
向上し、加工精度の均一化が図られる。
【0012】
【実施態様1】実施態様1は、解決手段1、解決手段2
または解決手段3によるマイクロレンズアレイ成形用金
型の製造方法について、そのポンチの転写面と上記金型
の表面との間に潤滑剤を介在させ、ポンチの転写面によ
る金型の被加工面を潤滑するようにしたことである。
【作用】押圧加工時にポンチに軸方向の高周波振動を加
えるにしても、また回転を加えるにしてもポンチの転写
面と金型の被工面との間に比較的高速の擦れ合いを生じ
ているが、この擦り合いが上記潤滑剤による潤滑膜を介
して行われるので、ポンチの転写面と金型の被加工面と
がかじり合うことはなく、したがって加工抵抗が低減さ
れ、高精度の転写がなされる。
【0013】
【実施態様2】実施態様2は、解決手段1乃至解決手段
3において、そのポンチの転写面に対しては研磨作用は
ないが金型に対して研磨作用がある研磨剤を、上記ポン
チを金型の表面に押圧するときにポンチの転写面と金型
の表面との間に介在させたことである。
【作用】押圧加工時にポンチに軸方向の高周波振動を加
えるにしても、また回転を加えるにしてもポンチの転写
面を金型の被加工面との間に比較的高速の擦れ合いを生
じているが、上記ポンチの押圧による転写加工に研磨剤
による研磨加工が付加されるので、これによって微細加
工が行われ、金型表面に形成される凹部内面がより高精
度に仕上げられる。
【0014】
【実施態様3】実施態様3は、解決手段1乃至解決手段
3におけるポンチの少なくとも下端転写面をセラミック
ス、超硬合金、サーメットのいずれかの材料で形成した
ことである。
【作用】上記の材料は高硬度であるためポンチを金型に
押圧するときにポンチの下端転写面の塑性変形がなく、
ポンチの下端転写面の摩耗も抑えることができ、ポンチ
下端転写面の耐久性が高いから高精度の転写を繰り返し
行うことが可能となり、また、使用する金型材料や研磨
剤の選択幅が広がる。
【0015】
【実施態様4】実施態様4は、上記実施態様3のポンチ
の少なくとも下端転写面の表面にダイヤモンドのコーテ
ィングを施したことである。
【作用】ポンチの少なくとも下端転写面の表面にダイヤ
モンドのコーティングを施したことで、当該ポンチを上
記金型に押圧するときにポンチの下端転写面の塑性変形
がなく、ポンチの下端転写面の摩耗が抑えられ、使用す
る金型材料や研磨剤の選択幅が広がり、また、ポンチの
下端転写面の耐久性が高いから高精度の転写を繰り返し
行うことが可能となる。
【0016】
【実施態様5】実施態様5は、解決手段1乃至解決手段
3に係るマイクロレンズアレイ成形用金型の製造方法を
実施するための金型製造装置について、回転方向及び軸
方向に駆動されるスピンドルの下端に、軸方向振動を発
生する高周波振動装置を介して上記ポンチを設けたこと
である。
【作用】駆動モータによって回転方向に駆動され、軸方
向駆動装置によって軸方向に駆動されるスピンドル下端
に軸方向振動を発生する高周波振動装置を介して上記ポ
ンチを設けたことで、上記回転方向駆動力、軸方向駆動
力は高周波振動装置を介して上記ポンチに伝達されるこ
とになるが、他方、高周波振動装置は回転方向及び軸方
向の駆動力を支障なくポンチに伝達することができるも
のである。したがって、回転方向、軸方向の駆動力と、
軸方向の駆動力を単純な機構によってポンチに伝えるこ
とができる。
【0017】
【実施例1】図1に示す実施例1は、ステンレス製の金
型の加工に請求項1に係る発明を適用した例である。こ
の実施例1のステージの位置決め駆動機構はXYテーブ
ルによるものである。また、そのポンチ1の軸方向駆動
機構は、上記従来例と同様の直動型の電磁駆動でよい。
実施例1に限らず、この発明の実施例の金型加工装置全
体は、図5に概念的に示すようなものであって、機台上
にXY方向の位置決め駆動モータ52,53を有するX
Yテーブル54があり、この上に被加工物である金型5
5を載置し、固定している。XYテーブル54の上方に
ポンチ1のスピンドル2を軸受Bで上下に摺動自在かつ
回転自在に支承しており、これを駆動装置56(直動駆
動装置3、回転駆動装置22)によって駆動するように
している。ポンチ1の下端面(転写面)を適宜の形状
(図示の例では球面形状)に加工されたポンチ1の材料
を超硬合金製としており、スピンドル2は軸受によって
上下方向に摺動自在に案内されており、電磁式の直動駆
動装置3で下方に駆動される。さらにスピンドルの下端
に、軸方向振動を発生する従来周知の高周波振動装置4
を介してポンチ1の上端を接続している。この高周波振
動装置4は特別な物である必要はないが、振動振幅、振
動周波数、振動力を調整できるものであればよい。振動
周波数は金型の加工性、ポンチによる圧痕の深さなどを
勘案して、所望の加工精度が得られるように適宜調整す
ればよい。しかし、振動力については直動駆動装置3に
よる駆動力に打ち勝つだけの駆動力に調整しなければな
らない。また、この実施例1においては、金型55の表
面に潤滑剤を塗布しておいてポンチによる押圧加工を行
うときに、ポンチ1の下端面(球状の転写面)と金型5
5の被加工面との間に潤滑剤が介在するようにしてい
る。この潤滑剤は、粘度が低く、金型55の被加工面か
らの洗浄除去が容易であるものであれば、特に問題はな
いが、この実施例においては、金型55がステンレス製
でポンチが超硬合金であることを勘案して、潤滑剤とし
ては水溶性圧延油剤を使用する。この実施例1によっ
て、ポンチ下降速度1mm/秒、加振周波数950H
z、加振振幅0.1μmとして、直径2mm、深さ0.
1mmの圧痕を縦横に2mmピッチで上記金型に形成し
た。この金型を用いて、射出成形によってマイクロレン
ズアレイを作成した。そのマイクロレンズアレイにおけ
る各レンズの精度は従来技術によるものに比して著しく
高く、当該精度のバラツキが極めて微小であることが確
認された。
【0018】
【実施例2】図2に示す実施例2は、解決手段2による
発明を適用した実施例である。この実施例2は、適宜の
形状に加工されたポンチ21をSiC セラミックス製とし
たもので、スピンドル2を実施例1と同様に、軸受によ
って上下方向に摺動自在に案内し、上記スピンドルの上
端に回転駆動モータ22を設けてあり、下端にポンチ2
1を直接接続している。この実施例2においては、金型
55の表面に潤滑剤を塗布して、ポンチによる押圧加工
時に、ポンチ1の下端面と金型55の被加工面との間に
潤滑剤が介在するようにしている。この潤滑剤は、粘度
が低く、金型55の被加工面からの洗浄除去が容易であ
るものであれば特に問題はないが、この実施例において
は、金型55がステンレス製で、ポンチの転写面がSiC
セラミックス製であることを勘案して、潤滑剤としては
水溶性圧延油剤を使用する。ポンチ21を下降させて金
型表面を押圧加工するときに、駆動装置56(図5参
照)の回転駆動モータ22によってスピンドル2を回転
させるのであるが、この回転速度は金型55の加工性、
ポンチによる圧痕の深さなどを勘案して、所望の加工精
度が得られるように適宜調整すればよい。実施例2によ
って、ポンチ下降速度0.5mm/秒、回転速度60回
/秒として、直径1mm、深さ0.5mmの圧痕を縦横
に1.2mmピッチで上記金型に形成した。この金型5
5を用いて、射出成形によってマイクロレンズアレイを
作成した。このものは、マイクロレンズアレイにおける
各レンズの精度が従来技術によるものに比して著しく高
く、当該精度のバラツキが極めて微小であることが確認
された。
【0019】
【実施例3】図3に示す実施例3は、解決手段3による
発明を適用した例である。この実施例3は、スピンドル
2を軸方向に駆動する電磁式の直動駆動装置3及び回転
方向に駆動する回転駆動装置22を有し、さらに、スピ
ンドル2の下端に高周波振動装置4を介してポンチ31
の上端を接続している。直動駆動装置3によってスピン
ドル2を下降させて、そのポンチ31の下端球状面(転
写面)を金型55の表面(被加工面)に押し付けて圧痕
を形成するとき、回転駆動装置22によってスピンドル
2を回転させてポンチ31を回転させるとともに、高周
波振動装置4によってポンチ31に高周波軸方向振動を
与える。ポンチ31を下降させて金型55の表面を押圧
加工するときに、駆動装置56(図5参照)の回転駆動
モータ22によってスピンドル2を回転させ、さらに高
周波振動装置4によってポンチ31を軸方向に加振する
のであるが、この回転速度及び加振振幅、加振振動数は
金型55の加工性、ポンチによる圧痕の深さなどを勘案
して、所望の加工精度が得られるように適宜調整すれば
よい。ポンチ下降速度0.1mm/秒、加振周波数3K
Hz、加振振幅1μm、回転速度10回/秒として、直
径3mm、深さ2mmの圧痕を縦横に2.8mmピッチ
で上記金型に形成した。この金型55を用いて、射出成
形によってマイクロレンズアレイを作成した。このもの
は、マイクロレンズアレイにおける各レンズの精度が従
来技術によるものに比して著しく高く、当該精度のバラ
ツキが極めて微小であることが確認された。また、実施
例1、実施例2によるものに比しても精度が若干高く、
精度のバラツキも若干小さいことが確認された。なお、
図4は実施例3で使用したポンチの模式的な拡大図であ
る。このポンチ31は、その下端面にCVD法によるSi
C コーティング層31aを形成し、このSiC コーティン
グ層31aの下面を所定の形状に加工し、その転写面に
ダイヤモンドのSiC コーティングを施し研磨加工(仕上
げ加工)して所要の精度に仕上げたものである。SiC コ
ーティング層31aの厚さは最0.1mm程度あれば
よいが、この例では0.15mmである。このポンチは
実施例1、実施例2のポンチとして使用することもでき
る。実施例3において、ポンチ31を金型55の表面に
押圧するときにポンチ31と金型55の表面との間に研
磨剤を介在させる。研磨剤はポンチに対して研磨作用が
なく、金型に対して研磨作用があるもので、具体的には
アルミナ砥粒と水溶性の溶液とを混合した研磨剤であ
る。この他に、研磨材としてはシリカなども使用するこ
とができる。
【0020】
【その他】以上実施例1、実施例3における高周波振動
装置4をスピンドルとポンチとの間に介在させている
が、高周波振動装置4は要するにポンチに軸方向の振動
を加振すればよいのであるから、直動駆動装置3、回転
駆動装置22を内包する駆動装置56に内包させること
もできる。この場合は、スピンドルの上部に、軸方向駆
動力及び回転力の他に、軸方向駆動力よりも強い軸方向
振動力をこれと同時に加えられるような特別の伝動機構
を工夫することが必要である。
【0021】
【効果】本発明の効果を、主な請求項に係る発明毎に効
果の要点を整理すると、次のとおりである。 1.請求項1に係る発明について ポンチをマイクロレンズアレイ成形用金型の表面に押圧
するときにポンチに軸方向の高周波振動を与えながら押
圧することによって、一度にポンチ形状が転写されるの
ではなくて、微細量づつ多段階に押圧加工が進められる
ので、高い転写精度が得られる。
【0022】2.請求項2に係る発明について ポンチをマイクロレンズアレイ成形用金型の表面に押圧
するときにポンチを回転させながら押圧することによっ
て、ポンチの先端形状が理想的な形状とはなっておらず
微小に歪んでいる場合であっても、その歪みがポンチの
回転によって金型の転写面全面に平均化され、偏りのな
い転写が実現される。
【0023】3.請求項3に係る発明について ポンチをマイクロレンズアレイ成形用金型の表面に押圧
するときにポンチに超音波振動を与えるとともに回転さ
せながら押圧することによって、一度にポンチ形状を転
写させるのではなく微細量づつ多段階に押圧加工が進め
られるので高い転写精度が得られ、また、ポンチの先端
形状が理想的な真球形状とはなっておらず微小に歪んで
いる場合であっても、その歪みがポンチの回転によって
金型の凹部内面全体に平均化され、偏りのない転写が実
現され、この両効果の相乗効果によって、一段と高い転
写精度が得られる。
【0024】4.請求項4に係る発明について ポンチをマイクロレンズアレイ成形用金型の表面に押圧
するときにポンチと金型の表面との間に潤滑剤を介在さ
せて、ポンチによる金型の被加工面を潤滑したことによ
り、ポンチの転写面と金型の被加工面とがかじり合うこ
とはなく、したがって加工抵抗が低減され、高精度の転
写がなされる。
【0025】5.請求項5に係る発明について ポンチをマイクロレンズアレイ成形用金型の表面に押圧
するときにポンチと金型表面との間に、ポンチの転写面
に対して研磨作用はないが金型に対して研磨作用がある
研磨剤を、金型の被加工面に介在させたことによって、
上記ポンチの押圧による転写加工に研磨剤による研磨加
工が付加されるので、これによって微細加工が行われ、
金型表面の凹部内面がより高精度に仕上げられる。
【0026】6.請求項6に係る発明について ポンチの少なくとも下端転写面がセラミックス、超硬合
金、またはサーメットのいずれかの材料で形成されてい
ることによって、これら材料は高硬度であるためポンチ
を金型に押圧するときにポンチの塑性変形がなく、ポン
チの下端転写面の摩耗も抑えることができ、ポンチの下
端転写面の耐久性が高いから高精度の転写を繰り返し行
うことが可能であり、また、金型の材料や研磨剤につい
ての選択幅が広がる。
【0027】7.請求項7に係る発明について ポンチの少なくとも下端表面にダイヤモンドのコーティ
ングを施したことによって、ポンチの下端転写面を金型
の表面に押圧するときにポンチの下端転写面の塑性変形
がなく、ポンチの摩耗も抑えることができ、したがっ
て、金型の材料や研磨剤についての選択幅が広がり、ま
た、ポンチの耐久性が高いから高精度の転写を繰り返し
行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例1の模式的な要部正面図である。
【図2】は実施例2の模式的な要部正面図である。
【図3】は実施例3の模式的な要部正面図である。
【図4】は実施例3におけるポンチの模式的な拡大図で
ある。
【図5】は実施例のマイクロレンズアレイ成形用金型の
製造装置の模式的な正面図である。
【図6】は圧痕が形成されたマイクロレンズアレイ成形
用金型の斜視図である。
【図7】はマイクロレンズアレイ成形用金型製造装置の
従来例の要部断面図である。
【符号の説明】
1,21,31:ポンチ 2:スピンドル 3:直動駆動装置 4:高周波振動装置 22:回転駆動装置 31a:SiC コーティング層 55,61:マイクロレンズアレイ成形用金型 61a:マイクロレンズアレイ成形用金型の上面に多数
形成された凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲斐 聡 東京都大田区中馬込1丁目3番6号株式会 社リコー内 (72)発明者 張 軍 東京都大田区中馬込1丁目3番6号株式会 社リコー内 Fターム(参考) 4F202 AH74 CA01 CA09 CA11 CB01 CD02 CD25 CD30 4F209 AH74 PB01 PC05 PQ11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポンチの転写面をマイクロレンズアレイ成
    形用金型の表面に押圧して多数の圧痕を形成し、上記金
    型に形成された圧痕を光学素子材料に転写させるマイク
    ロレンズアレイ成形用金型の製造方法において、 上記ポンチを上記金型の表面に押圧するときにポンチに
    軸方向の高周波振動を与えながら押圧するマイクロレン
    ズアレイ成形用金型の製造方法。
  2. 【請求項2】ポンチの転写面をマイクロレンズアレイ成
    形用金型の表面に押圧して多数の圧痕を形成し、上記金
    型に形成された圧痕を光学素子材料に転写させるマイク
    ロレンズアレイ成形用金型の製造方法において、 上記ポンチを上記金型の表面に押圧するときにポンチを
    回転させながら押圧するマイクロレンズアレイ成形用金
    型の製造方法。
  3. 【請求項3】ポンチの転写面をマイクロレンズアレイ成
    形用金型の表面に押圧して多数の圧痕を形成し、前記金
    型に形成された圧痕を光学素子材料に転写させるマイク
    ロレンズアレイ成形用金型の製造方法において、 上記ポンチを上記金型の表面に押圧するときに、ポンチ
    に高周波振動を与えるとともに当該ポンチを回転させな
    がら押圧するマイクロレンズアレイ成形用金型の製造方
    法。
  4. 【請求項4】上記ポンチと上記金型の表面との間に潤滑
    剤を介在させ、ポンチの転写面による金型の被加工面を
    潤滑するようにした請求項1、請求項2又は請求項3の
    マイクロレンズアレイ成形用金型の製造方法。
  5. 【請求項5】上記ポンチの転写面に対しては研磨作用は
    ないが上記金型に対して研磨作用がある研磨剤を、上記
    ポンチを上記金型の表面に押圧するときにポンチと金型
    の表面との間に介在させた請求項1、請求項2又は請求
    項3のマイクロレンズアレイ成形用金型の製造方法。
  6. 【請求項6】上記ポンチの少なくとも下端転写面をセラ
    ミックス、超硬合金、サーメットのいずれかの材料で形
    成した請求項1、請求項2又は請求項3のマイクロレン
    ズアレイ成形用金型の製造方法。
  7. 【請求項7】上記ポンチの少なくとも下端転写面の表面
    にダイヤモンドのコーティングを施した請求項6のマイ
    クロレンズアレイ成形用金型の製造方法。
  8. 【請求項8】XYテーブルによる金型位置決め機構を有
    するものであって、請求項1乃至請求項3に係るマイク
    ロレンズアレイ成形用金型の製造方法を実施するための
    金型製造装置において、 回転方向及び軸方向に駆動されるスピンドルに軸方向振
    動を加振する高周波振動装置を設けた金型製造装置。
  9. 【請求項9】スピンドルの下端に、上記高周波振動装置
    を介して上記ポンチを設けた請求項8の金型製造装置。
  10. 【請求項10】少なくとも下端転写面をセラミックス、
    超硬合金、サーメットのいずれかの材料で形成した請求
    項1、請求項2又は請求項3のマイクロレンズアレイ成
    形用金型製造装置に用いるポンチ。
  11. 【請求項11】少なくとも下端転写面の表面にダイヤモ
    ンドのコーティングを施した、マイクロレンズアレイ成
    形用金型の製造装置に用いるポンチ。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項3の金型製造方法で
    製造したマイクロレンズアレイ成形用金型。
  13. 【請求項13】請求項12の金型で製造したマイクロレ
    ンズアレイ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008168503A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Nikon Corp 光学素子製造用金型の製造方法及び光学素子の製造方法
JP2008213348A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Ricoh Co Ltd 微細形状形成方法とその装置、および金型と光学素子
JP2010111041A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Towa Corp 光学成形品の成形用金型の加工方法及び金型
CN110539273A (zh) * 2019-06-23 2019-12-06 江苏同胜光电科技有限公司 一种光学镜片镜片组装设备

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