JP2001169193A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JP2001169193A
JP2001169193A JP35484199A JP35484199A JP2001169193A JP 2001169193 A JP2001169193 A JP 2001169193A JP 35484199 A JP35484199 A JP 35484199A JP 35484199 A JP35484199 A JP 35484199A JP 2001169193 A JP2001169193 A JP 2001169193A
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JP
Japan
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imaging device
semiconductor
solid
photocathode
electron
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JP35484199A
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Tadashi Maruno
正 丸野
Fumio Iwase
富美雄 岩瀬
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Hamamatsu Photonics KK
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質な画像を得ることが可能な撮像装置を提
供する。 【解決手段】 EB−CCDは、電子の衝突による電子
増倍によって半導体撮像領域1iで発生した電子を転送
し、増幅器1toから画素信号を出力する撮像装置とし
て知られている。本撮像装置においては、設定パラメー
タが所定の関係(A)又は(B)を有するので、従来で
は検出できなかった単一フォトンの二次元分布を検出す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイメージを撮像する
撮像装置に関し、特に電荷転送型固体撮像素子を内蔵し
た電子衝撃型増倍管を利用した撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子衝撃型増倍管又は電子打ち込み型増
倍管(EB−CCD)を利用した従来の撮像装置は、特
開昭61−133540号公報に記載されている。同公
報に記載の撮像装置は、真空容器内に設けられた光電陰
極と、この光電陰極に対向配置され光電陰極との間に電
圧が印加される固体撮像素子(CCD)を備えている。
この撮像装置は、光(エネルギー線)像の入射に応じ
て、これを電子に変換し、変換された電子を真空中に配
置されたCCDに衝突させ、当該CCDからの画素信号
を読み出すものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の撮像装置においては、その検出感度が不十分であ
り、微弱エネルギー線像の入射に応じて光電陰極から出
射される微弱電子線像、すなわち、単位面積当たり数〜
数十個の電子からなる電子線像は到底検出することはで
きなかった。本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、微弱エネルギー線像を検出可能な撮像装
置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、エネルギー線の入射に応じて光電陰極で
発生した電子を真空容器内において加速し、光電陰極に
対向配置された半導体固体撮像素子の半導体撮像領域に
衝突させ、この電子の衝突による電子増倍によって半導
体撮像領域で発生した電子を転送して半導体固体撮像素
子に設けられた増幅器に入力することによって増幅器か
ら画素信号を出力する撮像装置において、光電陰極と半
導体固体撮像素子との間に印加される加速電圧をV
P(V)、増幅器から出力される画素信号の読み出し速
度をfR(Hz)、増幅器から出力される画素信号の読
み出し速度がfR0(Hz)の時に増幅器に入力されるノ
イズ電荷数の二乗平均平方根値をn0、電子増倍が起り
始めるときの光電陰極と半導体固体撮像素子との間のし
きい値電圧をVTH(V)、半導体撮像領域における電子
正孔間結合エネルギーをE(eV)としたとき、以下の
関係を満たすことを特徴とする。
【0005】
【数3】
【0006】本発明の撮像装置は、エネルギー線(可視
光、赤外線、紫外線、X線を含む)像の入射に応じて、
これを電子に変換し、変換された電子を真空中に配置さ
れた半導体固体撮像素子の半導体撮像領域に衝突させ、
半導体固体撮像素子からの画素信号を増幅器を介して読
み出す。
【0007】微弱エネルギー線像が従来の撮像装置に入
射した場合、半導体固体撮像素子から出力される画素信
号はノイズ電荷成分に埋もれてしまうため、これを検出
することができなかったが、本発明の撮像装置において
は、上記関係を満たすことにより、微弱エネルギー線像
の入射に応じて出射された微弱電子線像よりも低くノイ
ズレベルを抑えることができ、従来では検出できなかっ
た微弱エネルギー線像を撮像することができる。
【0008】また、撮像装置は以下の関係を満たすこと
が更に好ましい。
【0009】
【数4】
【0010】上記ノイズレベルは時間的に変動し、ま
た、微弱電子線像の半導体固体撮像素子への衝突によっ
て発生した画素信号も揺らぎを有するので変動してい
る。したがって、本発明の撮像装置においては、上記関
係を満たすことにより、これらの変動によっても、ノイ
ズが画素信号に影響を与えない程度に、ノイズレベルと
画素信号レベルを離隔させる。したがって、本発明の装
置によれば、微弱エネルギー線像の検出精度を更に向上
させることができる。
【0011】特に、半導体固体撮像素子がシリコンから
なる場合には、電子正孔間結合エネルギーEは理論的に
は3.6eVに設定される。また、試行実験によれば、
E値を5eVに設定することで、更に高精度に微弱エネ
ルギー線像を検出することができる。また、このような
場合には閾値電圧VTHは4.8kVに設定されることが
好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に係る撮像装置
について説明する。同一要素又は同一機能を有する要素
には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略す
る。本実施形態の撮像装置は、電子衝撃型増倍管又は電
子打ち込み型増倍管(EB−CCD)及びその駆動回路
から構成される。
【0013】図1は、実施の形態に係る撮像装置のシス
テム構成図である。
【0014】まず、EB−CCD主要部の物理的構造に
ついて説明する。
【0015】本装置は、エネルギー線(可視光を含む)
像hνを集光する集光レンズLSと、レンズLSに対向
配置され真空容器VEの入力面板を構成する窓材WMと
を備えている。真空容器VE内は減圧されており、真空
容器VE内には半導体固体撮像素子1及び光電陰極(光
電面)PCが配置されている。なお、光電陰極PCは窓
材WMの内面に設けられており、真空容器VE、半導体
固体撮像素子1及び光電陰極PCはEB−CCD本体1
0を構成する。
【0016】光電陰極PCは、Sb、Na、K、Cs等
の材料を積層して蒸着することで形成される。また、光
電陰極PCは、予め窓材WMに接着されたGaAsP結
晶上に、真空中でCsを蒸着することによっても形成す
ることができる。光電陰極PCは、アルカリ金属等を含
有することにより仕事関数を低下させ、入射エネルギー
線hνに応じて電子を放出可能な材料(例えばCsS
b)から構成される。また、光電陰極PCには、Cr、
Ni、Cuを順番に蒸着することによって形成された電
極(図示せず)を介してバイアス電位が与えられる。
【0017】半導体固体撮像素子1は、裏面照射型の半
導体固体撮像素子であり、p型半導体基板をベースにし
て、光入射面とは反対側の表面にn型層を形成し、この
上にCCDの転送電極を形成した埋め込みチャンネル型
CCDである。半導体固体撮像素子1は、CCD(電荷
結合素子)からなる画素が二次元状に配置された撮像領
域1iと、撮像領域1iと同一構造を有し、これに隣接
してなる蓄積領域1aとを備えている。
【0018】裏面照射型の半導体固体撮像素子において
は、撮像領域1iの厚みは、その周縁部の厚みよりも薄
く設定されている。本例の撮像領域1iは、光入射面で
ある裏面から半導体基板をエッチングすることにより厚
さ約20μmに薄型化してある。一方、蓄積領域1aは
エッチング前の厚さ約300μmに保たれている。
【0019】半導体固体撮像素子1の撮像領域1iは、
光電陰極PCに対向しており、エネルギー線hνの入射
に応じて光電陰極PCで発生した電子像(光電子)が直
接入射する。光電子は容器内部の電界によって加速され
るため、撮像領域1iのシリコン基板中で運動エネルギ
ーを失う際に、入射電子1個に対して約200〜600
個の電子−正孔対が生成される。こうして発生した増倍
電子は、電子入射面とは反対側に形成されたCCDの転
送電極側に移動し、撮像領域1iのポテンシャル井戸に
到達する。
【0020】撮像領域1i内で発生した電荷は蓄積領域
1aに転送されるが、蓄積領域1aは、これを蓄積する
ためのCCDが二次元状に配列してなる。なお、半導体
固体撮像素子1の厚み方向に垂直であって直交する2方
向を、それぞれ垂直方向(列)及び水平方向(行)とす
る。
【0021】半導体固体撮像素子1は、蓄積領域1aに
対して撮像領域1iとは反対側に位置し蓄積領域1aか
ら垂直方向に転送されてきた電荷を水平方向に転送する
水平シフトレジスタ1hsを備えている。水平シフトレ
ジスタ1hsは一次元CCDからなる。
【0022】水平シフトレジスタ1hsの電荷転送方向
終端部には、水平シフトレジスタ1hsを介して転送さ
れた電荷を一時的に蓄積するコンデンサ1cが接続され
ている。コンデンサ1cには、リセット信号受信用トラ
ンジスタ(FET)1trが直列接続されており、リセ
ット信号受信用トランジスタ1trのゲートにリセット
信号Rが入力されると、電源VDDからコンデンサ1c
に正電荷が流入し、コンデンサ1cを構成する一方の電
極側には正電荷が一杯に蓄積される。
【0023】リセット後、水平シフトレジスタ1hsを
介して負電荷(電子)がコンデンサ1cに転送されてく
ると、コンデンサ1c内の正電荷の一部が消滅し、コン
デンサ1c内に流入した電荷に比例した電圧が、リセッ
ト時のコンデンサ1c両端間電圧から減じられて、画素
信号出力用トランジスタ1toのゲートに入力される。
画素信号出力用トランジスタ1toは、コンデンサ1c
に対しては並列に接続されており、信号入力に応じて画
素信号出力用トランジスタ1toが導通すると、電源V
DDから抵抗1rを介してグランドに電流が流れる。
【0024】抵抗1rの両端間には、画素信号出力用ト
ランジスタ1toに入力された電圧レベル、換言すれ
ば、水平シフトレジスタ1hsを介して順次転送されて
きた画素毎の電荷量に対応した出力電圧が現われ、これ
は画素信号として外部に出力される。
【0025】なお、コンデンサ1c、トランジスタ1t
r,1to及び抵抗1rは、固体撮像素子1を構成する
半導体基板内に形成されている。
【0026】次に、EB−CCDの駆動回路2について
説明する。
【0027】駆動回路2は垂直走査回路2vsを備えて
いる。垂直走査回路2vsは、撮像領域1iへの電子の
入射に応じて発生した電子群を垂直方向に転送するため
の2相の転送電圧PV1,PV2を撮像領域1iのCCDに
印加する。また、垂直走査回路2vsは、撮像領域1i
から転送された画素毎の電子群を垂直方向に転送するた
めの2相の転送電圧P’V1,P’V2を蓄積領域1aのC
CDに印加する。換言すれば、これらの領域1i,1a
においては、垂直走査回路2vsは、水平方向に配列し
た画素群が同時に垂直方向に転送されるように、垂直方
向に沿って隣接するCCD間に2相の転送電圧を印加す
る。
【0028】駆動回路2は水平走査回路2hsを備えて
いる。水平走査回路2hsは、2相の転送電圧を水平シ
フトレジスタ1hsのCCDに印加する。換言すれば、
水平方向に隣接するCCD間に2相の転送電圧PH1,P
H2を印加する。水平シフトレジスタ1hsの水平方向に
配列した各CCDには、画素電荷が蓄積されており、こ
の転送電圧の印加によって、これらの電荷は順次水平方
向に転送される。
【0029】垂直及び水平走査回路2vs,2hsは、
入力されたクロック信号Cに応じて上記転送電圧P(=
V1,PV2,P’V1,P’V2,PH1,PH2)を発生す
る。転送電圧Pの周波数は、クロック信号Cの周波数に
比例する。すなわち、クロック信号Cの周波数が高けれ
ば、転送電圧Pの周波数は高くなる。
【0030】電子の入射に応じて半導体固体撮像素子1
の撮像領域1i内では増倍電子群が発生するが、半導体
固体撮像素子1自体の電位は接地電位であり、転送電圧
Pが負の場合には、各画素上に形成された転送電極直下
の埋め込みn型領域内にポテンシャル井戸が形成され、
発生した電子群が蓄積される。
【0031】なお、この電子群は必ずしもCCDの1画
素内に全て捕らえられるわけではなく、例えば、画素サ
イズが24μm×24μmの時、8kVの加速電圧VP
を印加すると、電子群は平均して2.5画素程度に分布
する。
【0032】撮像時においては、露光(イメージ蓄積)
期間T1及び垂直転送期間T2が交互に設定される。露
光期間T1は例えば0.5sに設定され、垂直転送期間
は例えば0.5msに設定される。
【0033】露光期間T1、すなわち、電子入射時にお
いては、撮像領域1iの各画素にポテンシャル井戸が形
成されるように、これに負の一定電圧を印加し、発生し
た電荷(電子)を各画素に蓄積する。
【0034】この後の垂直転送期間T2においては、垂
直方向の転送電圧PV1,PV2,P’ V1,P’V2を撮像領
域1i及び蓄積領域1aに印加し、撮像領域1iの電荷
を蓄積領域1aに転送する。この垂直転送においては、
撮像領域1iの転送電極及び蓄積領域1aの転送電極に
Hレベルが交互に印加されるよう、転送電圧PV1,P V2
及びP’V1,P’V2を印加する。それぞれの電圧の周波
数は例えば1MHz(周期:約1μs)に設定される。
【0035】しかる後、次の露光期間T1において、転
送電圧P’V1,P’V2を蓄積領域1aに印加することに
より、蓄積領域1aの各CCDに蓄積された電荷を水平
ライン毎に水平シフトレジスタ1hsに転送すると同時
に水平方向の転送電圧PH1,PH2を水平シフトレジスタ
1hsに印加し、各CCDの電荷を水平シフトレジスタ
1hsの端部から順次出力すると共に、各CCDからの
電荷の読み出し毎にリセット信号Rを加える。
【0036】この際の転送電圧P’V1,P’V2の周波数
は例えば17kHz(周期:約60μs)に設定され、
転送電圧PH1,PH2及びリセット信号Rの周波数は14
MHz(周期:約75ns)に設定される。
【0037】したがって、垂直転送期間T2における垂
直方向の転送電圧PV1,PV2と転送電圧P’V1,P’V2
の周波数(繰り返し周波数)fV2は同一であり、露光期
間T1内に設定される読み出し期間(t1)における垂
直方向の転送電圧P’V1,P’V2の周波数fV1はこれよ
りも低い。また、読み出し期間(t1)における水平方
向の転送電圧PH1,PH2の周波数(繰り返し周波数)f
Hは、周波数fV1、fV 2よりも高く、リセット信号Rの
周波数(繰り返し周波数)fRと同一である。
【0038】駆動回路2は、垂直及び水平走査回路2v
s,2hsにクロック信号Cを出力するタイミング制御
回路2tを備えている。本例のタイミング制御回路2t
は周波数選択器であり、入力される異なる3つのベース
クロック信号CLK1,CLK2,CLK3(CLK1
の周波数<CLK2の周波数<CLK3の周波数とす
る)のうちのいずれか1つを選択して、上記クロック信
号Cとして出力する。いずれを選択するかは、タイミン
グ制御回路2tに入力されるタイミング制御信号に基づ
いて決定される。タイミング制御回路2tは、入力され
るタイミング制御信号に応じて出力周波数が可変するプ
ログラマブルデバイダによって構成することもできる。
【0039】タイミング制御回路2tは、選択されたク
ロック信号に基づいて上述のリセット信号Rも発生して
いる。リセット信号Rの周波数fRは、ベースクロック
信号CLK1,CLK2,CLK3のうちの選択された
ものの周波数に比例する。上記リセットは、コンデンサ
1cへの1画素分の電荷流入の度に行う必要があるた
め、上記水平シフトレジスタ1hsからコンデンサ1c
内に高速に信号電荷が転送されてくる場合には(クロッ
ク周波数が高い場合)、リセットの周期は短くなり、低
速に信号電荷が転送されてくる場合には(クロック周波
数が低い場合)、リセットの周期は長くなる。
【0040】すなわち、リセット信号Rの周波数をfR
(Hz)とすると、これは画素信号の読み出し速度であ
り、本装置においては画素信号の読み出し速度fR(H
z)をタイミング制御信号に基づいて変化させることが
できる。
【0041】ここで、光電陰極PCと半導体固体撮像素
子1との間には、高圧発生回路2hvから高電圧VP
印加されており、この電圧に比例して光電陰極PCで発
生した電子が加速される。高圧発生回路2hvは可変電
圧源であり、高圧発生回路2hvに入力される高圧制御
信号に基づいて加速電圧VPを変化させることができ
る。
【0042】光電陰極PCで発生した電子は、加速電圧
Pによって加速され、撮像領域1iへ入射する。この
電子入射によって発生した電子群は、上述の如く転送さ
れ、画素毎にリセットされつつ画素信号として出力され
る。ここで、リセットおいてはコンデンサ1cに蓄積さ
れる電荷量に揺らぎが生じ、これがノイズ電圧として画
素信号出力用トランジスタ1toに入力される。、従来
の撮像装置においては、このようなノイズが原因で、単
位面積当たり数〜数十個の電子からなる電子線像を検出
することは到底できなかった。この単位面積は1画素の
面積に対応する。
【0043】本実施形態の撮像装置は、以下の関係
(A)を満たす。
【0044】
【数5】
【0045】本撮像装置は、エネルギー線像の入射に応
じて、これを電子に変換し、変換された電子を真空中に
配置された半導体固体撮像素子1の半導体撮像領域1i
に衝突させ、半導体固体撮像素子1からの画素信号を増
幅器1toを介して読み出すものである。
【0046】微弱エネルギー線像が従来の撮像装置に入
射した場合、半導体固体撮像素子1から出力される画素
信号はノイズ電荷成分に埋もれてしまうため、これを検
出することができなかったが、本撮像装置においては、
上記関係を満たすことにより、微弱エネルギー線像の入
射に応じて出射された微弱電子線像よりも低くノイズレ
ベルを抑えることができるため、従来では検出できなか
った微弱エネルギー線像を撮像することができる。
【0047】また、本撮像装置は以下の関係(B)を満
たすことが更に好ましい。
【0048】
【数6】
【0049】(i)上記ノイズレベルは時間的に変動
し、また、(ii)微弱電子線像の半導体固体撮像素子
1への衝突によって発生した画素信号も揺らぎを有する
ので変動している。
【0050】(i)について詳説すれば、例えば、fR
が150kHzの時に発生するノイズ電荷数n0を平均
で15個とすると、fRが300kHzの時のノイズ電
荷数は平均で15×(300/150)1/2≒21個分
の電子に相当し、この平均値の3倍(21×3=63
個)の値以下に、ノイズの99%が存在するようにノイ
ズ電荷数は揺らぐこととなる。
【0051】(ii)について詳説すれば、撮像領域1
iのCCDに打ち込まれた1個の光電子によって、例え
ば約640個の電子が発生するが、640個の電子は電
子濃度勾配を有して約2.5画素に分布するので、電子
照射位置における画素には、少なくとも300個以上の
電子が取り込まれ、単位画素当たり平均的には(30
0)1/2≒17個のショットノイズが発生し、この平均
値の3倍(17×3=51個)の値以下に、ショットノ
イズの99%が存在するようにショットノイズのレベル
は揺らぐこととなる。
【0052】したがって、本撮像装置においては、これ
らの変動によっても、ノイズが画素信号に影響を与えな
い程度に、すなわち、ノイズの99%以上が画素信号レ
ベル以下となるように、関係(B)を満足させて、これ
らを離隔させる。したがって、本装置によれば、微弱エ
ネルギー線像の検出精度を更に向上させることができ
る。
【0053】特に、半導体固体撮像素子1がシリコン
(Si)からなる場合には、電子正孔間結合エネルギー
Eは理論的には3.6eVに設定される。また、試行実
験によれば、E値を5eVに設定することで、更に高精
度に微弱エネルギー線像を検出することができる。ま
た、このような場合には閾値電圧VTHは4.8kVに設
定されることが好ましい。
【0054】なお、上記半導体固体撮像素子1は、FT
(Frame Transfer)型のCCDであるが、本発明はイン
ターライン転送(IT)型のCCD、FFT(Full Fra
me Transfer)型のCCDにも適用することができる。
【0055】なお、n0=15、fR0=150kHz、
TH=4.8kV、E=5eVとした場合の設定パラメ
ータの一例について説明しておく。
【0056】例えば、fR=300kHzに設定した場
合、上記関係(A)を満たすためのVPは5.12(k
V)よりも大きい。
【0057】例えば、fR=300kHzに設定した場
合、上記関係(B)を満たすためのVPは5.27(k
V)よりも大きい。
【0058】このような設定により、単一光子の入射に
応じて光電陰極PCから電子が1個出力された場合にこ
れを検出することが可能となる。
【0059】次に、上記撮像装置を備えた撮像システム
の構成について説明する。
【0060】図2は、本撮像システムのブロック図であ
る。撮像装置は、EB−CCD本体10を撮像素子とし
て収めたカメラヘッド30、EB−CCD本体10等を
制御するカメラコントローラ40、カメラコントローラ
40にコマンドを与えると共に映像出力が入力されるコ
ンピュータ50からなる。
【0061】カメラヘッド30には、EB−CCD本体
10、駆動回路(固体撮像素子駆動回路)2、半導体固
体撮像素子1からの出力信号を増幅する初段映像アンプ
(プリアンプ)3、高電圧VPを印加する高圧発生回路
2hvが収められ、カメラヘッド30の被写体光像入射
側にはレンズLSが設けられている。
【0062】CCD駆動回路2は、上述の2相又は3相
の転送電圧Pを半導体固体撮像素子1の転送電極に印加
するが、このタイミングはカメラヘッド30に設けられ
たタイミング発生回路2t1及びカメラコントローラ4
0内に設けられたタイミング発生回路2t2によって生
成される。換言すれば、図1に示したタイミング制御回
路2tは、タイミング発生回路2t1及び2t2に分離
されており、タイミング発生回路2t2は、タイミング
発生回路2t1に同期信号を送信し、タイミング発生回
路2t1は、この同期信号とCPU24からのタイミン
グ制御信号に基づいてCCD駆動回路2で生成される転
送電圧Pに用いられるクロックを発生している。なお、
タイミング発生回路2t2は、システム内全体のベース
クロックを発生している。
【0063】また、カメラコントローラ40は、高圧制
御信号によって高圧発生回路2hvを制御する高圧制御
回路23とを備えており、高圧発生回路2hv及び高圧
制御回路23は高電圧印加回路を構成する。高電圧印加
回路はCPU24によって制御され、その電圧は可変で
ある。CPU24から出力された数ボルト(例えば0〜
6ボルト)の直流電圧信号は高電圧印加回路によって約
1000倍の電圧に変換される。
【0064】更に、カメラコントローラ40は、プリア
ンプ3の出力を増幅する映像アンプ(メインアンプ)2
2と、メインアンプ22の出力をデジタル信号に変換す
るA/D変換器25と、このA/D変換器25から出力
された1画面分の画像出力信号を蓄積するフレームメモ
リ27と、フレームメモリ27で蓄積又は生成されたデ
ジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD/A変
換器29とを備えている。
【0065】D/A変換器29の映像出力は表示器又は
表示器付コンピュータ50に入力され、表示器上にはE
B−CCD本体10への入力像が表示される。コンピュ
ータ50には、装置制御のための種々のコマンドが入力
され、CPU24はコンピュータ50から入力されるコ
マンドに応じて、加速電圧VPと信号読出速度fRをそれ
ぞれ独立に設定し、この調整によって高精度の画素信号
をEB−CCD本体10から出力させる。
【0066】次に、本システムの動作について説明す
る。
【0067】図1に示した面板WMを透過して光電陰極
PCに光が入射すると、上述のようにしてEB−CCD
本体10から画素信号が出力される。この信号は、プリ
アンプ3、メインアンプ22で増幅されたうえでA/D
変換回路25に送られてデジタル信号に変換され、フレ
ームメモリ27内に一時的に格納され、しかる後、D/
A変換回路29を介して映像出力としてコンピュータに
入力される。アナログの映像出力は、コンピュータ50
内で再びデジタル信号に変換して映像情報をメモリに格
納する。このアナログの映像信号は、直接テレビなどに
出力してもよい。
【0068】なお、フレームメモリ27に、暗状態での
画像出力信号を1画面(1フレーム)分蓄積し、フレー
ムメモリ27内に格納されたデジタル画像データから上
記暗状態の画像データを減算すれば、バックグラウンド
ノイズを低減することができる。フレームメモリ27
は、カメラコントローラ40の電源投入時あるいはCP
U24を介して外部からの制御により更新することが可
能であり、撮像素子の経年変化等による暗状態の出力変
化に対応することが可能である。フレームメモリ27か
らのオーバーフローが検出した場合に、フィードバック
制御を行ってクロックCを低下させる等の制御を行って
もよい。
【0069】以上、説明したように、上記撮像装置は、
エネルギー線の入射に応じて光電陰極PCで発生した電
子を真空容器VE内において加速し、光電陰極PCに対
向配置された半導体固体撮像素子1の半導体撮像領域1
iに衝突させ、この電子の衝突による電子増倍によって
半導体撮像領域1iで発生した電子を転送して半導体固
体撮像素子1に設けられた増幅器1toに入力すること
によって増幅器1toから画素信号を出力する撮像装置
において、上述の関係(A)又は(B)を有する。本撮
像装置においては、上記関係を満たすことにより、従来
では検出できなかった微弱エネルギー線像を撮像するこ
とができる。
【0070】
【発明の効果】本発明の撮像装置によれば、従来では検
出できなかった微弱エネルギー線像を撮像することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】撮像装置のシステム構成図である。
【図2】撮像システムのブロック図である。
【符号の説明】
PC…光電陰極、VE…真空容器、1…半導体固体撮像
素子、1i…半導体撮像領域、1to…増幅器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M118 AA01 AB01 BA12 BA13 DA03 DB06 DB07 DC07 FA06 GA02 GA10 5C024 AX16 CX03 CX41 CY16 EX42 GY03 HX17 HX23 HX46 HX58 JX23 5C037 AA09 EE01 EE06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギー線の入射に応じて光電陰極で
    発生した電子を真空容器内において加速し、前記光電陰
    極に対向配置された半導体固体撮像素子の半導体撮像領
    域に衝突させ、この電子の衝突による電子増倍によって
    前記半導体撮像領域で発生した電子を転送して前記半導
    体固体撮像素子に設けられた増幅器に入力することによ
    って前記増幅器から画素信号を出力する撮像装置におい
    て、 前記光電陰極と前記半導体固体撮像素子との間に印加さ
    れる加速電圧をVP(V)、 前記増幅器から出力される画素信号の読み出し速度をf
    R(Hz)、 前記増幅器から出力される画素信号の読み出し速度がf
    R0(Hz)の時に前記増幅器に入力されるノイズ電荷数
    の二乗平均平方根値をn0、 前記電子増倍が起り始めるときの前記光電陰極と前記半
    導体固体撮像素子との間のしきい値電圧をVTH(V)、 前記半導体撮像領域における電子正孔間結合エネルギー
    をE(eV)、としたとき、以下の関係を満たすことを
    特徴とする撮像装置。 【数1】
  2. 【請求項2】 前記撮像装置は、以下の関係を満たすこ
    とを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【数2】
  3. 【請求項3】 前記半導体固体撮像素子はシリコンから
    なり、前記電子正孔間結合エネルギーEは3.6eVで
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装
    置。
  4. 【請求項4】 前記電圧VTHは4.8kVであることを
    特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
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