JP2001163625A - 赤外吸収ガラスの作製方法 - Google Patents

赤外吸収ガラスの作製方法

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JP2001163625A
JP2001163625A JP34725499A JP34725499A JP2001163625A JP 2001163625 A JP2001163625 A JP 2001163625A JP 34725499 A JP34725499 A JP 34725499A JP 34725499 A JP34725499 A JP 34725499A JP 2001163625 A JP2001163625 A JP 2001163625A
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copper
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Hiroaki Kinoshita
博章 木下
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Olympus Optical Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03C1/00Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels
    • C03C1/006Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels to produce glass through wet route
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    • C03B19/00Other methods of shaping glass
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅成分を高濃度に、均一に含有した赤外吸収
ガラスを提供する。 【解決手段】 SiO2 が70〜98モル%、CuOが
1〜12モル%、アルカリ金属酸化物を1〜18モル%
を含む赤外吸収ガラスの製造方法において、SiO2
主成分とするウェットゲルを、銅成分とアルカリ金属成
分を溶解させた水70モル%以上含む浸漬液に浸漬して
2価の銅イオンとアルカリ金属イオンとをウェットゲル
内にドープした後、銅とアルカリ金属成分の溶解度の低
い浸漬液に浸漬した際に、浸漬液中の水の含有量をカー
ルフィッシャー法による測定値で5〜30モル%とする
浸漬工程を少なくとも1回行った後、銅とアルカリ金属
成分の溶解度の低い浸漬液への浸漬した際に水の含有量
をカールフィッシャー法による測定値で0〜0.5モル
%とする浸漬工程を少なくとも1回行った後に乾燥、焼
結をする赤外吸収ガラスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外吸収ガラスの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CCDイメージセンサーなどの電子撮像
素子には、比視感度を補正するために近赤外域をカット
する赤外吸収フィルターが用いられている。また、医用
内視鏡の場合、YAGレーザー(1060nm付近)や
半導体レーザー(800〜900nm)のレーザー光を
電子撮像素子に導かないように、赤外吸収フィルターが
用いられている。このような赤外吸収ガラスに求められ
る特性として、前記レーザーなど700nm以上の赤外
の波長域を効果的にカットすると同時に、380〜70
0nmの可視光領域で適当な分光分布を有する必要があ
る。具体的に分光透過率の値の一例を示すと、固体レー
ザーで使用される波長付近である800nmで5%以
下、YAGレーザーで使用される波長付近である110
0nmで5%以下で、かつ画像の色再現に大きく係わる
赤の波長付近である700nm付近で約8%以下、明る
さに係わる500nmで60%以上、色再現と明るさに
係わる380nm付近で40%の分光透過率が望まれ、
特に好ましくは380nm付近で60%以上の分光透過
率が望まれる。
【0003】近年では、光学系のコンパクト化の観点よ
り、薄型フィルターが必要となってきている。フィルタ
ーの厚さは、単位厚さあたりの赤外吸収能力に応じて決
まるため、薄型フィルターには、単位厚さあたりの赤外
吸収能力の高いガラスが求められている。単位厚さあた
りの赤外吸収能力は、赤外光を吸収する成分の濃度によ
って決まるので、その成分を高濃度に含有したガラスを
得ることで、薄型フィルターを実現することが可能であ
る。具体的には、赤外域の吸収を行う成分として、2価
の銅イオンがもっとも適しているため、CuOを多く含
有するガラスが求められている。
【0004】例えば、特開平5−221659号公報に
は、シリコンアルコキシド、アルコール及びシリコンア
ルコキシドを部分的に加水分解するのに十分な量の水及
び酸からなる混合物をゲル化してゲル状多孔体を調製
し、該ゲル状多孔体に少なくとも1種の金属塩を混合
し、該ゲル状多孔体中に該金属塩を沈殿させてゲル化混
合物を調製し、該ゲル化混合物を焼成させる工程からな
るガラスの作製方法が知られている。
【0005】しかしながら、円柱状のゲル状多孔体に特
定の金属塩を沈殿させると、 (1)高さ方向の中心軸と設置面が垂直になる様に金属
塩を含んだ円柱状のゲル状多孔体を、該金属塩に対する
溶解度が低く、且つ水と混和する有機溶剤有機中に静置
した場合、該有機溶剤が、円柱状のゲル状多孔体の高さ
(軸)方向に対して、該有機溶剤と水の濃度分布が生
じ、金属塩の該有機溶剤に対する溶解度が高さ(軸)方
向で異なるため、円柱状のゲル状多孔体の高さ(軸)方
向に対して金属塩の分布が生じ、その結果高さ(軸)方
向に対して不均質な多成分系ガラスが生じる。すなわ
ち、該ゲル状多孔体の高さ方向の下部は上部に比べ、該
有機溶剤中の水濃度が高くなり該金属塩が多く該有機溶
剤中に溶解することとなり、該ゲル状多孔体の下部は上
部よりも沈殿する金属塩濃度が小さくなり、上部から下
部にかけて金属成分が減少する分布をもった多成分系ガ
ラスが生じる。
【0006】(2)金属塩を含んだ円柱状のゲル状多孔
体を該金属塩に対する溶解度が低く、且つ水と混和する
有機溶剤中に浸漬して該有機溶剤を撹拌した場合、円柱
状のゲル状多孔体から金属塩が有機溶剤中に溶解すると
同時に、金属塩がゲル状多孔体中に沈殿するため、ゲル
状多孔体中の半径方向に金属塩の分布が生じ、その結果
半径方向に対して中心部分で金属成分比が高く周辺部分
で低い不均質な多成分系ガラスが生じる。
【0007】(3)金属塩を含んだ円柱状のゲル状多孔
体を該金属塩が均一になるように沈殿させると、該金属
塩は大量に有機溶剤中に溶解するため、該有機溶剤は大
量に該ゲル状多孔体から除去されてしまい、結果として
ガラス中に含有させられるドーパントの濃度に限界があ
り、ドーパントを高濃度に含有するガラスが作製困難で
ある。という問題が生じている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の問題点に鑑みてなされたもので、銅成分を含んだゲル
状多孔体を乾燥、焼成しガラス体を製造する方法におい
て、銅成分を均一にゲル状多孔体中に沈殿させ、均一な
組成のガラスの作製方法、及びガラス中に銅成分を大量
に含有したガラスの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、SiO
2 が70〜98モル%、CuOが1〜12モル%、アル
カリ金属酸化物を1〜18モル%を含む赤外吸収ガラス
の製造方法において、SiO2 を主成分とするウェット
ゲルを、銅成分とアルカリ金属成分を溶解させた水70
モル%以上含む浸漬液に浸漬して2価の銅イオンとアル
カリ金属イオンとをウェットゲル内にドープした後、銅
とアルカリ金属成分の溶解度の低い浸漬液に浸漬した際
に、浸漬液中の水の含有量をカールフィッシャー法によ
る測定値で5〜30モル%とする浸漬工程を少なくとも
1回行った後、銅とアルカリ金属成分の溶解度の低い浸
漬液への浸漬した際に水の含有量をカールフィッシャー
法による測定値で0〜0.5モル%とする浸漬工程を少
なくとも1回行った後に乾燥、焼結をする赤外吸収ガラ
スの製造方法によって解決することができる。また、ウ
ェットゲルを浸漬する銅とアルカリ金属成分の溶解度の
低い液が、銅とアルカリ金属の濃度を0.0001モル
%〜0.01モル%含有する前記の赤外吸収ガラスの製
造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の赤外吸収ガラスの製造方
法は、銅成分とアルカリ金属の塩を含む水溶液にウェッ
トゲルを浸漬して2価の銅イオンとアルカリ金属イオン
とをウェットゲル内にドープした後、銅とアルカリ金属
成分の溶解度の低い溶液に浸漬した際に、浸漬した液の
水の含有量が特定の濃度となるようにすることによっ
て、ゲル中の銅成分の濃度が高く、しかも成分の濃度分
布が小さな赤外吸収ガラスを得ることが可能であること
を見出したものである。
【0011】本発明の赤外吸収ガラスは、銅成分を大量
に導入したシリカベースのガラスであることからリン酸
系赤外吸収フィルターと同等以上の赤外吸収能力と化学
的耐久性と加工性とを持ったものである。銅をゲル中に
効果的にドープさせ、かつ軸方向、径方向について均一
になるようにするために、CuOが1〜12モル%、ア
ルカリ金属1〜18モル%の範囲となるように、銅成分
およびアルカリ金属成分を水70モル%以上含む溶液に
溶解しておき、この溶液にシリコンアルコキシドより作
製したウェットゲルを該溶液に浸漬して2価の鋼イオン
をウェットゲル内にドープする。この時、銅及びアルカ
リ金属成分はゲルの細孔中に存在する水溶液に溶解して
存在し、ゲルには水が多量に含まれている。このゲルを
銅成分の溶解度の低い浸漬液に浸漬すると、外周部から
溶媒置換が起こり、中心で銅とアルカリ金属成分が多
く、周辺で少ない濃度分布が形成される。
【0012】こうした問題を解決するために、ウェット
ゲルを銅とアルカリ金属成分の溶解度の低い浸漬液とゲ
ル内から滲出した水とが混合した際の水の含有量を特定
することによって可能としたものである。具体的には、
カールフィッシャー法による測定値で5〜30モル%の
浸漬液に浸漬することで、ゲル中の水分は減少するとと
もに、一度濃度分布が形成された径方向や軸方向への銅
イオンやアルカリイオンのゲル中に含まれる残余水分に
より比較的長い時間かけて再拡散することが可能であ
り、濃度分布が平坦化するように作用することを見出し
たものである。
【0013】以上のように、ゲル中の水と溶液中に含ま
れる水を合わせた水分量が5〜30モル%になるように
ゲルの体積と溶液の体積比を決める。5モル%より少な
いと、銅やアルカリイオンの再拡散が起こりにくく、濃
度が平坦化する時間が長くなりすぎて製造時間が長くな
ってしまう。また、30モル%より大きいと、銅やアル
カリ成分のイオン化している割合が大きく、次の溶媒交
換において濃度勾配を作る原因になってしまう。したが
って、ゲル中の水と溶液中に含まれる水を合わせた水分
量が5〜30モル%になるように設定を行えば、ゲルか
ら溶液へ拡散してきた水分を利用しても良し、浸漬液に
はあらかじめ水を入れておいても良い。
【0014】また、ドープする浸漬液には、酢酸、乳酸
などの有機酸、硝酸、塩酸などの無機酸を添加物として
加えられていても良い。その場合には、それらに含まれ
る水分量も含めて総量で判断する必要がある。以上の様
にしてゲルを浸漬した浸漬液中に含まれる水の総量は、
カールフィッシャー法で測定することができる。このよ
うにして得られたウェットゲルは、その後、乾燥工程、
あるいは超臨界乾燥工程を経た後に熱処理することでガ
ラスを得ることができる。
【0015】また、ウェットゲルを浸漬する浸漬液中
に、ゲル中に含まれる銅やアルカリ成分の濃度より小さ
い濃度の銅または銅とアルカリ金属の塩を溶解させてお
くことで、ゲルから銅イオンやアルカリイオンが流出す
ることを防ぐことができる。ゲル中に含まれる銅成分や
アルカリ成分が浸漬液中に0.0001モル%以上あれ
ばその効果を発揮する。また、銅とアルカリ金属の濃度
は、好ましくは0.0005〜0.01モル%である。
0.1モル%以上の濃度であると、以後の乾燥工程にお
いてゲルの外側に核になる物質が付着して焼成工程で結
晶化を起こして割れたり失透する原因となる。
【0016】以上のように、本発明では銅を多量にドー
プするためにゲルを浸漬する浸漬液として水溶液を用い
るが、銅の溶解度の低い溶液に浸漬して銅を固定する工
程において発生する濃度分布を、実質的に無くして銅成
分を均一にゲル状多孔体中に沈殿させることができる。
銅を再拡散させるために必要であった水は、乾燥工程で
十分取り除かないと焼成時の結晶の発生の核になってし
まう。具体的には、カールフィッシャー法で測定した際
にゲルの重量に対し0.5%以下、好ましくは0.1%
以下になるようにする必要があり、これを実現するには
例えばオーブン内で充分に乾燥させる必要がある。具体
的には、50℃で1日乾燥した後に、150℃で1日以
上、より好ましくは3日以上静置して乾燥させることが
好ましい。
【0017】十分乾燥したゲルは、焼成炉にて焼成させ
る。昇温速度、焼成温度、焼成時間等は、ガラス組成、
ゲルの大きさ等によって適宜変化させる必要があるが、
本発明の方法によって得られる赤外吸収ガラスは700
℃前後の温度で焼成することができる。以上の様な工程
を経ることで、ガラス中に銅成分を大量に含有した均一
な組成のガラスを作ることが出来る。
【0018】
【実施例】以下に実施例、比較例を示し本発明を説明す
る。 実施例1 オルトケイ酸テトラエチル42gに、エタノール92g
及び17倍希釈の酢酸38gを加えて加水分解しゾルを
調製した。内径10mmの円筒型ポリプロピレン製容器
に調整したゾルを4ml注入し密栓した後、50℃に7
日間保持してウェットゲルを45本作製した。19gの
酢酸銅、20gの酢酸カリウム、乳酸25gを純水50
0gに溶解し、ドープ液とした。この溶液に得られたウ
ェットゲルを50℃で24時間浸漬させて、ウェットゲ
ル中に銅及びアルカリ金属化合物を均一に導入した。
【0019】酢酸銅及び酢酸カリウムを均一に導入した
ウェットゲルを、10mlのアセトンを入れた内径15
mm高さ15cmのポリメチルペンテン製試験管内に挿
入し、ポリプロピレン製の蓋で密栓した。その後、該ポ
リメチルペンテン製試験管を中心軸が設置面と平行とな
るように振とう器に取り付けて、水平方向に1分間46
回平行移動(移動間隔は4cm)するように4時間振と
うさせ、ウェットゲル中に酢酸銅と酢酸カリウムを一次
沈殿させた。一次沈殿が完了したウェットゲルは、ウェ
ットゲルの半径方向に中心部分に酢酸銅が濃く周辺部で
酢酸銅が薄くなっており、中心軸付近が酢酸銅の青色が
濃くなっていることが観察されたこの時の溶液中の水の
含有量をカールフィッシャー法(三菱化学社製、カール
フィッシャー水分計 CA−07、以下もこの機器を使
用)により測定したところ、18モル%であった。
【0020】続いて、二次固定として該ゲルを新しいア
セトン3.5m1に浸漬し、5日間静置した。この後、
溶液中の水の含有量をカールフィッシャー法により測定
したところ、6モル%であった。その後、浸漬溶液を取
り除き、ゲルを新しいアセトン10mlに浸漬し、24
時間静置を2回繰り返して完全に銅とカリウム成分を固
定した。これらの溶液の水分量はカールフィッシャー法
による測定でそれぞれ0.4モル%、0.03モル%で
あった。得られたウェットゲルを50℃で24時間、1
50℃で24時間乾燥を行いドライゲルを作製した。こ
のドライゲル中の水分をカールフィッシャー法で測定し
たところ、0.06%であった。次いで得られたドライ
ゲルを酸素雰囲気で710℃まで加熱した後、ヘリウム
雰囲気で10時間710℃に保持し、その後室温まで降
温させてSiO2、CuO、K2Oからなる円柱状の多成
分ガラスを作製した。得られた複数本の円柱状の多成分
シリカガラスから、任意に3本を選び、それぞれ両端を
2.5mmづつ切り落とした残りの部分を0.4mmの
厚みとなるように半径方向に平行に6個切断し両面を平
行に鏡面研磨した。
【0021】これらの合計18枚の試料についてガラス
の組成をSiO2 をエネルギー分散型X線分光分析装置
(EDX)により組成分析を行ったところ、88モル
%、CuOが5モル%、K2O が7モル%であった。ま
た、厚さをマイクロメーター、透過率を透過率測定器
(日立製作所製U4000)で測定した。
【0022】試料を測定した結果、厚さは全て0.42
mmで、透過率の値は5.5%±0.5%と透過率の揃
っており、屈折率分布を測定したところ、波面収差とし
て1λ以内に入るものであった。これは、一時固定によ
り形成されたゲルの軸方向と径方向の濃度勾配は、二次
工程により再拡散を促されて濃度勾配がほぼ無くなるま
で均等化されたと思われる。
【0023】比較例1 実施例1と同様に一次固定を終了し、続いて、二次固定
として該ゲルを内径30mm、高さ150mmのポリメ
チルペンテン製試験管内にアセトン50mlに浸漬し5
日間静置した。この後、浸漬液中の水の含有量をカール
フィッシャー法により測定したところ、0.4モル%で
あった。その後浸漬液を取り除き、ゲルをアセトン10
mlに浸漬して24時間静置の操作を2回繰り返して完
全に銅とカリウム成分を固定した。アセトンの浸漬液中
の水分量はカールフィッシャー法による測定でそれぞれ
0.03モル%、0.02モル%であった。得られたウ
ェットゲルを実施例1と同様の方法で鏡面研磨した試料
を作製した。これらの合計18枚の試料について屈折率
分布を測定したところ、波面収差として8λの大きな屈
折率分布が生じた。
【0024】平面フィルターとしては、高画質な光学系
では2λ程度に収まっている必要があり、この屈折率分
布は画像劣化の原因となるものである。これは2次固定
での銅やアルカリ金属の溶解度が低すぎたため、再拡散
する速度が極めて遅く、一次固定により形成されたゲル
の軸方向と径方向の濃度勾配がそのまま残ってしまった
ことが原因と考えられる。
【0025】実施例2 オルトケイ酸テトラエチル42gに、エタノール92g
及び17倍希釈の酢酸38gを加えて加水分解し、ゾル
を作製した。内径10mmの円筒型ポリプロピレン製容
器に調整したゾルを4ml挿入し密栓した後、50℃に
7日間保持してウェットゲルを45本作製した。20g
の酢酸銅、21gの酢酸カリウム、乳酸30gを純水5
00gに溶解し、ドープ液とした。この溶液に得られた
ウェットゲルを50℃で24時間浸漬させて、ウェット
ゲル中に銅及びアルカリ金属化合物を均一に導入した。
【0026】酢酸銅及び酢酸カリウムを均一に導入した
ウェットゲルを、10mlのアセトンを備えた内径15
mm高さ15cmのポリメチルペンテン製試験管内に挿
入し、ポリプロピレン製の蓋で密栓した。その後、該ポ
リメチルペンテン製試験管を中心軸が設置面と平行とな
るように振とう器にセットし、水平方向に1分間46回
平行移動(移動間隔は4cm)するように4時間振とう
させ、ウェットゲル中に酢酸銅と酢酸カリウムを一次沈
殿させた。一次沈殿が完了したウェットゲルは、ウェッ
トゲルの半径方向に中心部分に酢酸銅が濃く周辺部で酢
酸銅が薄くなっており、中心軸付近が酢酸銅の青色が濃
くなっていることが観察された。この時の溶液中の水の
含有量をカールフィッシャー法により測定したところ、
19モル%であった。
【0027】続いて、二次固定として該ゲルを新しいア
セトン9.7mlと水0.3mlに酢酸銅0.002g
と酢酸カリウム0.003gとを混合した溶液に浸漬
し、固定1と同じように振とう機に取り付けて1日間振
とうした。この後、溶液中の水の含有量をカールフィッ
シャー法により測定したところ、5モル%であった。そ
の後、浸漬溶液を取り除き、ゲルを新しいアセトン10
mlに浸漬し直して24時間静置を2回繰り返して完全
に銅とカリウム成分を固定した。この時の水分量はそれ
ぞれ0.3モル%、0.03モル%であった得られたウ
ェットゲルを50℃で24時間、150℃で24時間乾
燥を行いドライゲルを作製したこのドライゲル中の水分
をカールフィッシャー法で測定したところ、0.06%
であった。得られたウェットゲルを50℃で24時間、
150℃で24時間乾燥を行いドライゲルを作製した。
得られたドライゲルを酸素雰囲気で710℃まで加熱し
た後、ヘリウム雰囲気で10時間710℃に保持し、そ
の後室温まで降温させてSiO2、CuO、K2Oからな
る円柱状の多成分ガラスを作製した。
【0028】得られた複数本の円柱状の多成分シリカガ
ラスを、0.4mmの厚みとなるように半径方向に平行
に切断し両面を平行に鏡面研磨した試料Aと、円柱の中
心軸を中心に厚さが1mmとなるように両面を平行に鏡
面研磨した試料Bの2種類の測定用の試料をそれぞれ6
本のロッドから加工した。ガラスの組成をSiO2をエ
ネルギー分散型X線分光分析装置(EDX)により組成
分析を行ったところ、86モル%、CuOが6モル%、
K20が8モル%であった。また、厚さをマイクロメー
ター、透過率を透過率測定器(日立製作所製U400
0)で測定した。試料Aを測定した結果、厚さは全て
0.4mmで、透過率の値は4.5%±0.5%と透過
率の揃った試料を得ることが出来た。これは、一時固定
により形成されたゲルの軸方向と径方向の濃度勾配は、
二次工程により再拡散を促されて濃度勾配がほぼ無くな
るまで均等化されたと思われる。
【0029】比較例2 実施例2と同様にゲルを作製した。得られたゲルを、二
次固定として、該ゲルをアセトン9.7mlと水0.3
mlに酢酸銅0.055gと酢酸カリウム0.06gと
を混合した溶液に浸漬し、一次固定と同様にして振とう
機によって1日間振とうした。次いで、溶液中の水の含
有量をカールフィッシャー法により測定したところ、5
モル%以下であった。その後、浸漬液を取り除き、ゲル
をアセトン10mlに浸漬して24時間放置する操作を
2回繰り返して完全に銅とカリウム成分を固定した。そ
の後、実施例2と同様の方法によってガラスを作製しよ
うとしたが、得られたガラスの表面にはカリウム、シリ
コンおよび酸素原子からなる結晶が析出し、ひび割れを
生じてしまった。これは二次固定での銅とカリウムの濃
度が過剰であったため、これが核となって熱処理中での
結晶化の原因となったと考えられる。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明は、銅とアルカリ成
分を固定する浸漬液中の水分量を特定の値として複数回
繰り返し浸漬処理した後に乾燥して焼成したので、銅成
分が均一に分布した銅成分濃度が高い赤外吸収ガラスを
得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G014 AH04 4G062 AA04 BB01 CC01 CC05 CC10 DA07 DB01 DC01 DD01 DE01 DF01 EA01 EA02 EA03 EA04 EA10 EB01 EB02 EB03 EB04 EC01 EC02 EC03 EC04 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM02 MM04 NN10 NN12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2 が70〜98モル%、CuOが
    1〜12モル%、アルカリ金属酸化物を1〜18モル%
    を含む赤外吸収ガラスの製造方法において、SiO2
    主成分とするウェットゲルを、銅成分とアルカリ金属成
    分を溶解させた水70モル%以上含む浸漬液に浸漬して
    2価の銅イオンとアルカリ金属イオンとをウェットゲル
    内にドープした後、銅とアルカリ金属成分の溶解度の低
    い浸漬液に浸漬した際に、浸漬液中の水の含有量をカー
    ルフィッシャー法による測定値で5〜30モル%とする
    浸漬工程を少なくとも1回行った後、銅とアルカリ金属
    成分の溶解度の低い浸漬液への浸漬した際に水の含有量
    をカールフィッシャー法による測定値で0〜0.5モル
    %とする浸漬工程を少なくとも1回行った後に乾燥、焼
    結をすることを特徴とする赤外吸収ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 ウェットゲルを浸漬する銅とアルカリ金
    属成分の溶解度の低い液が、銅とアルカリ金属の濃度を
    0.0001モル%〜0.01モル%含有することを特
    徴とする請求項1に記載の赤外吸収ガラスの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100365093C (zh) * 2005-10-25 2008-01-30 上海师范大学 一种红外吸收材料及其制备方法
WO2008054342A2 (en) * 2005-06-20 2008-05-08 J.M. Huber Corporation Method of producing metal-doped silicon-based gel materials

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