JP2001162105A - 比重差分離装置及び濾過装置 - Google Patents

比重差分離装置及び濾過装置

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JP2001162105A
JP2001162105A JP35084699A JP35084699A JP2001162105A JP 2001162105 A JP2001162105 A JP 2001162105A JP 35084699 A JP35084699 A JP 35084699A JP 35084699 A JP35084699 A JP 35084699A JP 2001162105 A JP2001162105 A JP 2001162105A
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specific gravity
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Tsuyoshi Fujihashi
強志 藤橋
Hiroyasu Shirakawa
博康 白川
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過対象液体である比重差の異なる複数の液
体の混合液中に含まれる微粒子状の異物の除去及び混合
液の液体分離を可能とする比重差分離装置と、この比重
差分離装置を利用する濾過装置を提供する。 【解決手段】 フィルタ部材3により流入側領域R1と
流出側領域R2に区分されたハウジング2において、流
入側領域R1に濾過対象液体Lの流入口2aを有する領
域R4と比重差により浮上する液体(油成分O)を収容
する収容領域R3とを隔て形成する隔壁4を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油水混合した濾過
対象流体の濾過を行う比重差分離装置と、該比重差分離
装置を備えた濾過装置に関し、濾過対象流体の油成分の
除去効率を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、油成分が付着したワークの洗
浄を行う洗浄液等(水溶性)の再利用や排水処理を行う
ために用いられている濾過装置に、精密濾過膜や限外濾
過膜を利用しているものがある。
【0003】これは、濾過対象液体となる油成分を含ん
だ洗浄液を、含有する油滴の大きさよりもはるかに小さ
な微細孔を有する膜を透過させて洗浄液の濾過を行い、
油成分と洗浄液成分を分離して油成分を含まない(極め
て低濃度)洗浄液を得るものである。
【0004】図7に例示された濾過装置100では、循
環経路101中に膜利用型濾過手段として、多数本の中
空糸膜102を束ねたものを限外濾過膜として用いる中
空糸膜モジュール103を備えている。
【0005】供給経路110から供給された洗浄液(例
えば50〜200ppmの油成分を含む)は、ポンプ1
04にて中空糸膜102の膜壁の内側表面に対し平行に
流され(この循環経路101のことをクロスフロー経路
とも呼ぶ)、そのときの洗浄液の一部が膜壁を透過して
濾過され、透過液経路111より透過液(0〜1ppm
の油成分を含む洗浄液)を得る構成のものである。
【0006】一方、濾過されなかった洗浄液は循環経路
101を再循環して濃縮され、その濃縮された液は排出
経路112より油成分の多い濃縮液(例えば300pp
m程度の油成分を含む)として排出する。このようにし
て油成分と洗浄液を分離して油成分の含まれない洗浄液
を得る。
【0007】このような濾過装置100において、供給
された洗浄液には異物(微粒子状)が含まれる場合があ
り、これを除去することが中空糸膜モジュール103の
目詰まりや破損を防止する上で重要であり、供給経路1
10や循環経路101中にフィルタ手段105を備える
ことが行われている(図7では循環経路101中に配
置)。
【0008】図8はこのフィルタ手段105の構成の一
従来例を示す図であり、図8(a)はバッグフィルタ
(フィルタ手段105A)を備え、図8(b)はカート
リッジフィルタ(フィルタ手段105B)を備えたもの
である。
【0009】図8(a)のフィルタ手段105Aは、フ
ィルタハウジング121の上部に設けられた入口122
から濾過対象となる洗浄液が流入し、多孔質体や不織布
等から形成されたフィルタ部材123(バッグフィル
タ)を透過し、異物等がフィルタ部材123で取り除か
れた状態でフィルタハウジング121の下部に設けられ
た出口124から流出する。
【0010】図8(b)のフィルタ手段105Bは、フ
ィルタハウジング126の入口127から濾過対象とな
る洗浄液が流入し、多孔質体や不織布等から形成された
円筒状のフィルタ部材128(カートリッジフィルタ)
の外周面側から内周面側へと透過し、異物等がフィルタ
部材128で取り除かれた状態で出口129から流出す
る。
【0011】しかしながら、上記した構成の濾過装置1
00では、濾過対象となる洗浄液(濃縮された洗浄液)
の油成分濃度が高濃度であると、油成分が中空糸膜10
2の膜面に付着して離れずに油膜を形成し、膜の孔を閉
塞して濾過能力が低下するので、油成分濃度を低く抑え
て運転する必要がある。油成分濃度が所定の範囲の値以
上であると油水分離効率を向上させることが困難とな
る。
【0012】このようなことから、洗浄液中の油成分を
予め循環経路101の上流側や循環経路101とは別経
路で除去して循環経路101の油成分の濃度を所定範囲
内に管理したり、循環経路101へと供給される洗浄液
自体の流量を制限する必要がある。
【0013】そこで、洗浄液における油成分を分離する
ものとして、図9に示す浮上油回収手段130(比重差
分離装置)がある。
【0014】即ち、この浮上油回収手段130は、滞留
槽131を備えるもので、この滞留槽131内に濾過対
象となる洗浄液を供給して滞留させ、比重差によって油
成分Oを水成分W(洗浄液)から浮上させて分離し、そ
の浮上油(油成分O)を油成分排出経路132から排出
する。
【0015】図9に示す滞留槽131では、さらにコア
レッサーフィルタ等のフィルタ部材133を備え、比重
差による分離を促進させている。つまり、フィルタ部材
133を洗浄液が通過する時、油滴が凝集して浮上しや
すくなり、油成分と水成分がより効率的に分離すること
を利用している。
【0016】油成分の濃度が低下した洗浄液はフィルタ
部材133を通過して濾過液経路134から循環経路1
01に供給される。
【0017】図10及び図11は、従来技術におけるフ
ィルタ手段105と浮上油回収手段130を備えた濾過
装置150,160の回路構成を概略的に示す図であ
る。
【0018】濾過装置150では中空糸膜モジュール1
03のクロスフロー経路となる循環経路151と、循環
経路151の上流側にフィルタ手段105と浮上油回収
手段130を直列配置した濾過循環経路152を備えた
構成である。
【0019】濾過装置160では中空糸膜モジュール1
03のクロスフロー経路となる循環経路161と、循環
経路161の中空糸膜モジュール103の前後にフィル
タ手段105と浮上油回収手段130をそれぞれ並列的
に接続させる循環経路162,163を備えた構成であ
る。
【0020】このように、図10及び図11のような濾
過装置150,160で濾過対象となる洗浄液の異物の
除去と油成分の除去が行われている。
【0021】尚、実際の濾過装置においては、図には示
されていないが、クロスフロー経路となる循環経路15
1,161の流量とフィルタ手段105と浮上油回収手
段130が配置される循環経路152,162,163
の流量はそれぞれ異なることから、各循環経路の途中や
分岐部に流量調整弁等を適宜備え、流量調整が行われて
いる。
【0022】より詳細な構成は、同じ出願人による実開
平7−31129号公報や、特開平9−215901号
公報に記載されているので参照することが可能である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】このように濾過装置で
は濾過対象となる洗浄液の異物の除去と油成分の除去が
必要となるので、通常はフィルタ手段105と浮上油回
収手段130の両方が備えられることとなる。
【0024】しかしながら、従来のフィルタ手段105
と浮上油回収手段130では次のような問題があった。
【0025】フィルタ手段105のみでは油成分の除去
ができない。
【0026】浮上油回収手段130は、比重差により油
成分を浮上させるための滞留槽131が必要で大きな設
置スペースを必要としている。
【0027】また、浮上油回収手段130をクロスフロ
ー経路となる循環経路151,161に直接配置するこ
とは、循環経路151,161(クロスフロー経路)で
は洗浄液の循環流量が大きいことから、油成分の浮上に
必要な時間だけ洗浄液を滞留させることが難しく、図1
0及び図11のようにクロスフロー経路とは別の循環経
路を設けて配置する必要があった。従って、循環経路1
51,161(クロスフロー経路)内の洗浄液を全量濾
過することができず、また配管や流量調節弁等が必要で
装置構成を複雑化することに繋がっていた。
【0028】本発明の目的とするところは、上記した従
来技術の問題を解決するものであり、濾過対象液体であ
る比重差の異なる複数の液体の混合液中に含まれる微粒
子状の異物の除去及び混合液の液体分離を可能とする比
重差分離装置と、この比重差分離装置を利用する濾過装
置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の比重差分離装置にあっては、濾過対象液体と
して比重差の異なる複数の液体の混合液が流入口より流
入される容器と、前記容器の内部を前記濾過対象液体の
流入側領域と流出側領域に区分するフィルタ部材と、前
記流入側領域において、濾過対象液体の流入口を有する
領域と比重差により浮上する液体を収容する領域とを隔
て形成する隔壁と、を備えることを特徴とする。
【0030】このように構成することにより、フィルタ
部材により濾過対象液体中の異物(微粒子状)を除去す
ることができる。また、容器の流入側領域において比重
差により浮上した液体を、隔壁により濾過対象液体が流
入される領域と隔てて、流入する濾過対象液体の流れの
影響を受けず攪拌されにくい状態とし、比重差により浮
上する液体を収容する領域内(収容領域と呼ぶ)に留
め、混合液を分離することが可能となる。
【0031】隔壁がほぼ直立し、比重差分離装置の容器
の流入側領域を水平方向に区分する場合には、比重差に
より浮上する液体が収容領域に直接的に導かれ、かつ収
容領域内に留まる。
【0032】また隔壁がほぼ水平あるいは多少の傾斜を
持った場合には、下方に流入口を配置することで、比重
差分離装置の容器の流入側領域の上側を収容領域として
区分し、比重差により浮上する液体が収容領域に導か
れ、かつ収容領域内に留まる。隔壁が傾斜している場合
には傾斜に沿って比重差により浮上する液体を移動させ
て集めることができる。
【0033】前記隔壁は筒状であり、濾過対象液体の流
入口を有する領域と比重差により浮上する液体を収容す
る領域を該隔壁の内側と外側に隔てることも好適であ
る。
【0034】このように構成することにより、濾過対象
液体が流入される領域に浮上した液体の流入する濾過対
象液体の流れの影響をより抑制することができる。
【0035】前記フィルタ部材は前記隔壁の外側に位置
する直立した筒状部を備えることを特徴とすることも好
適である。
【0036】濾過対象液体がほぼ垂直面となるフィルタ
部材の筒状部を通過する際に比重差により浮上する液体
の液滴をフィルタ部材の表面に一時的に留めて成長させ
ることができ、分離効率が向上する。
【0037】浮上する液体を収容する領域を筒状の隔壁
の外側に位置させることにより、フィルタ部材の直立し
た筒状部の表面で成長した液滴をより確実に浮上する液
体を収容する領域へと導くことができる。
【0038】前記容器上部に比重差により浮上する液体
を収容する領域に集められた液体を排出する排出手段を
備えることも好適である。
【0039】排出手段としては、例えば容器上部に接続
する排出経路があり、バルブを備えて必要に応じてある
いは定期的に比重差により浮上する液体を排出すること
が可能となる。
【0040】また、膜利用型濾過手段を備えた循環経路
に濾過対象液体を循環させて膜透過液を生成する濾過を
行う濾過装置において、上記記載の比重差分離装置を前
記循環経路に接続することを特徴とする。
【0041】この濾過装置では、比重差分離装置によ
り、異物の除去と濾過対象液体中の比重差により浮上す
る液体の除去を同時に行うことができる。
【0042】比重差分離装置は、循環経路に直列に接続
して循環経路内を流れる濾過対象液体の全量濾過を行う
ことが可能である。
【0043】また、循環経路から分岐して並列的に接続
することも可能であり、比重差分離装置への流入量に応
じて循環経路内の濾過対象液体の濃度を調節することが
可能である。
【0044】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の第1の
実施の形態を図に基づいて説明する。図1は比重差分離
装置1の断面構成図である。
【0045】この比重差分離装置1の概略構成は、濾過
対象液体Lとして比重差の異なる複数の液体の混合液
(例えば油成分を含む洗浄液)が流入される容器として
の有底円筒状のハウジング2の内部に、フィルタ部材3
と隔壁4が配置され、上部開口が蓋部材5により封止さ
れている。
【0046】ハウジング2の上部側壁面には、濾過対象
液体Lが流入する流入口2aが備えられ、ハウジング2
の底には流出口2bが備えられている。
【0047】流入口2aよりも下側にドーム状(上下逆
向き)となるフィルタ部材3が開口部(ドームの下部)
を上側にして配置されている。このフィルタ部材3は、
ハウジング2内部を濾過対象液体Lの流入側領域R1と
流出側領域R2に区分している。
【0048】フィルタ部材3の材質や開口径等は、濾過
対象液体L中に含まれる微粒子の材質や大きさ、濾過抵
抗等を考慮して適宜なものが選択可能である。例えばセ
ラミックス系や不織布を開口を損なわないように固めた
ものなどである。
【0049】フィルタ部材3は直立した筒状部3aと筒
状部3aの底を塞ぐ端面部3bと、上部のハウジング2
の内側に固定される固定部3cとを備えた構成となって
いる。
【0050】隔壁4は筒状であるところの円筒形状であ
り、上部が蓋部材5に固定され、下部は開放状態となっ
ている。隔壁4の内側は濾過対象液体Lの流入側領域R
1において比重差により浮上する液体を収容する収容領
域R3となり、収容領域R3に接続する排出手段として
の排出経路6と排出経路6から排出される液体の排出を
制御するバルブ7が蓋部材5に設けられている。尚、隔
壁4の外側が流入口を有する領域R4となっている。
【0051】隔壁4は、流入側領域R1における濾過対
象液体Lの流れが安定するハウジング2の略中央部まで
延出している。
【0052】このように構成された比重差分離装置1で
は、濾過対象液体Lが流入口2aからハウジング2内部
の流入側領域R1に流入すると、矢印で示される流路の
通り全体的には上部から下部へと流れ、透過液となり流
出口2bから流出する。
【0053】より詳細には、フィルタ部材3の筒状部3
aと隔壁4の間の環状部を下方に移動しつつ流入側領域
R1から外側に向かって流出側領域R2へとフィルタ部
材3を透過する。また、ハウジング2の中央部では、フ
ィルタ部材3の端面部3bを下方に透過する。
【0054】このような濾過対象液体Lのフィルタ部材
3の透過に伴い、フィルタ部材3により濾過対象液体L
中の異物(微粒子状)を除去することができる。
【0055】また、ハウジング2の流入側領域R1にお
いて比重差により浮上した液体(油成分O)を、隔壁4
により濾過対象液体Lが流入される流入側領域R1と隔
てられた収容領域R3へと収容する。
【0056】収容領域R3へと収容された濾過対象液体
Lは、流入する濾過対象液体Lの流れの影響を受けず攪
拌されにくい状態となり、比重差により浮上する液体
(油成分O)が再び濾過対象液体L中に分散することな
く収容領域R3内に留まり、混合液である濾過対象液体
L(の油成分O)を分離することが可能となる。
【0057】収容領域R3に収容された比重差により浮
上した液体(油成分O)は、バルブ7を開き排出経路6
から排出する。
【0058】比重差により浮上する液体(油成分O)
は、ほぼ垂直面となるフィルタ部材3の筒状部3aを通
過する際に、フィルタ部材3の表面に一時的に留まる液
滴となり、筒状部3aでは水平部よりも液滴の成長が大
きく、比重差により浮上する液体(油成分O)の分離効
率が向上する。
【0059】尚、この実施の形態では隔壁4がほぼ直立
し、比重差分離装置1のハウジング2の流入側領域R1
を水平方向に区分しているので、比重差により浮上する
液体(油成分O)が収容領域R3に直接的に導かれ、か
つ収容領域R3内に留まる。
【0060】また、図示はしないが、隔壁4がほぼ水平
あるいは多少の傾斜を持った場合には、下方に流入口2
aを配置することで、比重差分離装置1のハウジング2
の流入側領域R1の上側を収容領域R3として区分し、
比重差により浮上する液体(油成分O)が収容領域R3
に導かれ、かつ収容領域R3内に留まる。
【0061】隔壁4が傾斜している場合には傾斜に沿っ
て比重差により浮上する液体(油成分O)を移動させて
効率的に集めることができる。
【0062】(実施の形態2)図2(a)は第2の実施
の形態における比重差分離装置11の断面構成を説明す
る図である。図2(b)は隔壁4Aの斜視図である。比
重差分離装置11において、第1の実施の形態の比重差
分離装置1と同様の構成には同じ符号を付し、重複する
説明を省略する。
【0063】比重差分離装置11の特徴的な構成として
は、蓋部材5の中央部に流入口5aを備え、濾過対象液
体Lはこの流入口5aから隔壁4の内側の流入口を有す
る領域R4を経て流入側領域R1に流入する。
【0064】流入側領域R1において比重差により浮上
する液体を収容する収容領域R3は、円筒状の隔壁4A
とハウジング2の上部内側の環状領域となり、この収容
領域R3に排出経路6と排出経路6から排出される液体
の排出を制御するバルブ7が接続している。
【0065】ここで、隔壁4Aは円筒部4A1と円筒部
4A1から放射状に延出した保持部4A2と保持部4A
2の先端に固定される環状部材4A3とを備えた構成と
なり、環状部材4A3が固定部3cの上面により担持さ
れ、円筒部4A1の上端部が蓋部材5の下面に当接する
ことで位置決め固定されている。
【0066】このように構成された比重差分離装置11
では、濾過対象液体Lが流入口5aからハウジング2内
部の流入側領域R1に流入すると、矢印で示される流路
の通り全体的には上部から下部へと流れ、透過液となり
流出口2bから流出する。
【0067】濾過対象液体Lのフィルタ部材3の透過に
伴い、フィルタ部材3により濾過対象液体L中の異物
(微粒子状)を除去することができる。
【0068】また、ハウジング2の流入側領域R1にお
いて比重差により浮上した液体(油成分O)を、隔壁4
Aにより濾過対象液体Lが流入される流入側領域R1と
隔てられた収容領域R3へと収容する。
【0069】収容領域R3へと収容された濾過対象液体
Lは、流入する濾過対象液体Lの流れの影響を受けず攪
拌されにくい状態となり、比重差により浮上する液体
(油成分O)が再び濾過対象液体L中に分散することな
く収容領域R3内に留まり、混合液である濾過対象液体
L(の油成分O)を分離することが可能となる。
【0070】収容領域R3に収容された比重差により浮
上した液体(油成分O)は、バルブ7を開き排出経路6
から排出する。
【0071】比重差により浮上する液体(油成分O)
は、ほぼ垂直面となるフィルタ部材3の筒状部3aを通
過する際に、フィルタ部材3の表面に一時的に留まる液
滴となり、筒状部3aでは水平部よりも液滴の成長が大
きく、比重差により浮上する液体(油成分O)の分離効
率が向上する。
【0072】特にこの実施の形態では、浮上する液体
(油成分O)を収容する収容領域R3が、筒状部3aの
表面で成長した液滴が筒状部3aに沿って浮上する位置
になり、より確実に浮上する液体(油成分O)を収容領
域R3へと導くことができる。
【0073】(確認実験)図3に示されるような実験装
置21(比重差分離装置)により、隔壁4を設けた効果
を確認した。ハウジング2は直径D1が70mm、高さ
H1が130mmの密閉円筒状の容器であり、上部に直
径D2が40mm、高さH2が30mmの円筒形状の隔
壁4を取り外し可能に設けた。
【0074】濾過対象液体Lの流入口2aの中心位置は
ハウジング2の上部から18mm下がった位置であり、
流出口2bの中心位置はハウジング2の下部から10m
m上がった位置である。このハウジング2の中にはフィ
ルタ部材は備えなかった。
【0075】実験は、隔壁4を設けた状態と隔壁4がな
い状態のそれぞれに関し行い、浮上する液体(油成分
O)の回収量を比較した。
【0076】油成分の濃度が1%の分散油を含む濾過対
象液体Lを1.8(l/min)の流量で流入口2aか
らハウジング2内に10分間流入させ、流出口2bから
吐出させた。
【0077】図4はハウジング2内で分離された浮上す
る液体(油成分O)の回収量の比較結果を示す表図であ
る。隔壁4を備えたものは37.6(g)であり隔壁4
を備えないものは3.8(g)であった。この条件では
隔壁4を設けることで約10倍も回収量を増加すること
ができ、その効果が確認された。
【0078】(実施の形態3)図5は膜利用型濾過手段
としての中空糸膜モジュール52を備えた循環経路51
に濾過対象液体Lを循環させて、中空糸膜モジュール5
2の透過液経路52aから膜透過液を生成する濾過を行
う濾過装置50の模式図である。
【0079】循環経路51には、濾過対象液体Lを循環
させるポンプ53と第1の実施の形態で説明したものと
同様の比重差分離装置1が直列的に配置されている。
【0080】この濾過装置50では、中空糸膜モジュー
ル52により油成分のほぼ完全に分離された(極めて低
濃度)膜透過液が得られると共に、比重差分離装置1に
より、微粒子状の異物の除去と濾過対象液体L中の比重
差により浮上する液体の除去を同時に行うことができ
る。
【0081】中空糸膜モジュール52をクロスフロー方
式で利用する場合には、循環経路51に多量(例えば1
00(l/min))の濾過対象液体Lを流す必要があ
り、比重差分離装置1では、この実施の形態のように濾
過対象液体Lを全量通過させることができ、中空糸膜の
目詰まり防止効果が高い。
【0082】尚、比重差分離装置1と同じ程度の容積の
滞留槽を有する従来の浮上油回収手段では、少量(例え
ば10(l/min))の流量に制限されてしまう。
【0083】従って、従来技術のように、フィルタ手段
と浮上油回収手段を別々に備える構成ではなく、従来の
浮上油回収手段では必要であった大きな滞留槽も不要と
なり簡易で設置スペースの小さいコンパクトな構成とな
る。
【0084】また、クロスフロー方式の循環経路51に
直接配置することができるので、流路構成を複雑化させ
ることがない。
【0085】尚、この実施の形態では、クロスフロー方
式の濾過装置に比重差分離装置を備えたものとして説明
したが、もちろんクロスフロー方式以外の濾過方式の濾
過装置に適用することも可能である。
【0086】(実施の形態4)図6は膜利用型濾過手段
としての中空糸膜モジュール52を備えた循環経路51
に濾過対象液体Lを循環させて、中空糸膜モジュール5
2の透過液経路52aから膜透過液を生成する濾過を行
う濾過装置60の模式図である。
【0087】この実施の形態では、第1の実施の形態で
説明したものと同様の比重差分離装置1が中空糸膜モジ
ュール52と並列的に循環経路51に備えられている。
中空糸膜モジュール52を備えた経路61は、中空糸膜
モジュール52の上流側の分岐部S1からと下流側の合
流部S2に接続する。
【0088】尚、分岐部S1からの濾過対象液体Lの流
入量を調節する場合には、分岐部S1と比重差分離装置
1との間に流量制御バルブ(不図示)等を設けることが
良い。
【0089】このような構成でも、第3の実施の形態と
同様に、この濾過装置50では、中空糸膜モジュール5
2により油成分のほぼ完全に分離された(極めて低濃
度)膜透過液が得られると共に、比重差分離装置1によ
り、微粒子状の異物の除去と濾過対象液体L中の比重差
により浮上する液体の除去を同時に行うことができる。
【0090】比重差分離装置1を循環経路51に並列的
に設けることにより、比重差分離装置1への濾過対象液
体Lの流入量を調節することができる。
【0091】この構成は、比重差分離装置1の流量が中
空糸膜モジュール52の流量よりも小さく設定されてい
る場合に好適なものであり、中空糸膜モジュール52と
比重差分離装置1の処理能力(流量の違い)のバランス
とることができる。
【0092】あるいは、比重差分離装置1の処理能力が
高い場合は、循環経路51内の濾過対象液体の濃度を最
適な値に調節することが可能で、濾過効率の向上が可能
である。
【0093】従来技術のように、フィルタ手段と浮上油
回収手段を別々に備える構成ではなく、従来の浮上油回
収手段では必要であった大きな滞留槽も不要となり簡易
で設置スペースの小さいコンパクトな構成となること
は、第3の実施の形態と同様である。
【0094】
【発明の効果】上記のように説明された本発明の比重差
分離装置によると、濾過対象液体である混合液中に含ま
れる微粒子状の異物の除去と、混合液の液体分離を同時
に行うことが可能であり、また設置スペースの小さいコ
ンパクトな構成とすることができる。
【0095】隔壁は筒状とすることにより、濾過対象液
体が流入される領域に浮上した液体の流入する濾過対象
液体の流れの影響が抑制され、分離効率がより向上す
る。
【0096】濾過対象液体がほぼ垂直面となるフィルタ
部材の筒状部を通過する際に比重差により浮上する液体
の液滴をフィルタ部材の表面に一時的に留めて成長させ
ることができ、分離効率が向上する。
【0097】また、比重差分離装置を膜利用型濾過手段
を備えた循環経路に接続することで、膜利用型濾過手段
の濾過効率を上げることと寿命延長を図ることができ
る。
【0098】循環経路に比重差分離装置を直列に接続し
た場合には循環経路内を流れる濾過対象液体の全量濾過
を行うことが可能であり、また流路構成も複雑化するこ
とがなく、装置が簡易な構成となり信頼性も高まる。
【0099】循環経路から分岐して比重差分離装置を並
列的に接続した場合には、比重差分離装置への流入量に
応じて循環経路内の濾過対象液体の濃度を調節すること
が可能となり、濾過効率が向上可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の比重差分離装置の断面構成
図。
【図2】第2の実施の形態の比重差分離装置の図。
【図3】実験装置の図。
【図4】浮上する液体(油成分O)の回収量の比較結果
を示す表図。
【図5】膜利用型濾過手段を備えた濾過装置の図。
【図6】膜利用型濾過手段を備えた濾過装置の図。
【図7】従来の濾過装置の図。
【図8】従来のフィルタ手段の構成を示す図。
【図9】従来の浮上油回収手段を示す図。
【図10】フィルタ手段と浮上油回収手段を備えた従来
の濾過装置。
【図11】フィルタ手段と浮上油回収手段を備えた従来
の濾過装置。
【符号の説明】
1 比重差分離装置 2 ハウジング 2a 流入口 2b 流出口 3 フィルタ部材 3a 筒状部 3b 端面部 3c 固定部 4,4A 隔壁 5 蓋部材 6 排出経路 7 バルブ 50 濾過装置 51 循環経路 52 中空糸膜モジュール 53 ポンプ L 濾過対象液体 R1 流入側領域 R2 流出側領域 R3 収容領域 R4 流入口を有する領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月14日(1999.12.
14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA02 HA02 HA18 JA51A JA59A KA02 KA16 KA41 KA63 KB30 MA01 PA01 PB14 PC23 4D051 AA01 BA03 BA07 BA08 BA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過対象液体として比重差の異なる複数
    の液体の混合液が流入口より流入される容器と、 前記容器の内部を前記濾過対象液体の流入側領域と流出
    側領域に区分するフィルタ部材と、 前記流入側領域において、濾過対象液体の流入口を有す
    る領域と比重差により浮上する液体を収容する領域とを
    隔て形成する隔壁と、 を備えることを特徴とする比重差分離装置。
  2. 【請求項2】 前記隔壁は筒状であり、濾過対象液体の
    流入口を有する領域と比重差により浮上する液体を収容
    する領域を該隔壁の内側と外側に隔てることを特徴とす
    る請求項1に記載の比重差分離装置。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ部材は前記隔壁の外側に位
    置する直立した筒状部を備えることを特徴とする請求項
    2に記載の比重差分離装置。
  4. 【請求項4】 前記容器上部に比重差により浮上する液
    体を収容する領域に集められた液体を排出する排出手段
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載の比重差分離装置。
  5. 【請求項5】 膜利用型濾過手段を備えた循環経路に濾
    過対象液体を循環させて膜透過液を生成する濾過を行う
    濾過装置において、 前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載の比重差分離
    装置を前記循環経路に接続することを特徴とする濾過装
    置。
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JP2011088106A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Hoei Kogyo Kk 浄化装置
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