JP2001160699A - 電磁波シールド用粘着テープ若しくはシート - Google Patents

電磁波シールド用粘着テープ若しくはシート

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JP2001160699A
JP2001160699A JP34216999A JP34216999A JP2001160699A JP 2001160699 A JP2001160699 A JP 2001160699A JP 34216999 A JP34216999 A JP 34216999A JP 34216999 A JP34216999 A JP 34216999A JP 2001160699 A JP2001160699 A JP 2001160699A
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conductive
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wave shielding
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Takashi Uda
隆 宇田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用しても電磁波遮蔽性能の低下が
なく、製造中に導電層金属の酸化がなく、かつ透明な電
磁波シールド用粘着柔軟透明テープ若しくはシートを提
供する。 【解決手段】 重合後のポリマーのガラス転移点(T
g)が0℃〜40℃となるアクリル系光重合性組成物
を、導電性金属で被覆された有機繊維のネット状構造体
である導電性繊維シートに含浸させ、これに紫外線を照
射して得られた基材の片面に粘着剤層を形成させた電磁
波シールド用粘着柔軟透明テープ若しくはシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器などに使
用されている電子素子や回路から発生する電磁波を遮蔽
するために、電磁波シールド処理を要する電子機器類の
部材本体に貼り付けて電磁波シールド効果を発揮させた
り、電磁波シールド素材で構成されたハウジング等の隙
間の発生する部位などに貼り付けて用いる電磁波シール
ド用の粘着テープ若しくはシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器類の電磁波遮蔽技術とし
て、ハウジング本体に対しては、金属や導電性樹脂等を
用いたり、不導体素材の場合には本体表面の導電処理や
本体素材の導電化処理が行われている。しかしながら、
これらハウジングは必ずしも導電化処理されたものばか
りではなく、また、ハウジングは一般に複数の部材の組
み合わせで構成されることから、たとえ導電性素材で構
成されたハウジングの場合でも、その部材同士が組み合
わされる当接点においてはわずかな隙間が出来るのが普
通である。この隙間を電磁波が透過する恐れもあり、場
合によっては、この部位を電磁波遮蔽処理することが必
要となる。この方法として、導電性接着剤を用いてハウ
ジング部材を接続したり、別途導電性素材で被覆したり
することが行われている。
【0003】被覆用の導電性素材の一つとして導電性粘
着シート又はこれを長尺のストリップ状にスリットした
導電性粘着テープがある。しかしながら、例えば粘着剤
として導電性微粒子や導電性繊維等の導電材を混入した
ものを用いた導電性粘着テープの場合では、電磁波シー
ルド性を確保するためには大量の導電材の混入が必要で
あり、また、少量であれば粘着剤の塗布厚さを増したり
しなければならないという問題点がある。
【0004】又、例えば銅や銀等の金属箔を基材としそ
の少なくとも片面に粘着剤層を設けたものがあるが、金
属箔の可撓性が低く折損したり、耐クリープ性が悪く繰
り返し応力に耐えなかったりする問題点がある。
【0005】更に、プラスチックシート又はテープの少
なくとも片面に金属箔を貼り付けたり金属を蒸着させた
りした導電性シート又はテープを基材とした粘着テープ
の場合には、導電層が表面に配置されているため、導電
層自体が傷つきやすく損傷して導電性能が下がって電磁
波遮蔽効果が低下したり、透明性がなかったりする問題
点がある。
【0006】一方、特開昭60−81711号公報に
は、2〜10μmの無電解銅粉の表面に無電解メッキに
よりニッケル層を設けた銅粉を、溶剤に溶かした合成樹
脂バインダの溶液に分散させた塗料液を、片面接着剤付
の軟質塩化ビニルフィルムにスプレー塗装し、更にその
表面に保護用樹脂層が設けられた導電性粘着フィルムが
ある。
【0007】この導電性粘着フィルムは、バインダー樹
脂がアクリル系樹脂であり、Tg=0℃及びTg=32
℃の場合が例示されている。Tgが低いので導電剤層に
は可撓性があり、繰り返し折り曲げ試験でも導電層の損
傷がないので電磁波遮蔽性能の低下がなく、導電性粘着
テープとして充分な性能を有しているが、導電性付与の
ために用いられる導電剤が銅粉であるため、バインダー
液をスプレー塗布後に加温して乾燥させる時に酸化しや
すく、これを防止するためにニッケルや銀等をコーティ
ングしなければならず、又所望の導電性を得るために塗
布厚みを厚くしなければならないため透明性に劣るとい
う問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繰り返し使
用しても電磁波遮蔽性能の低下がなく、製造中に導電層
金属の酸化がなく、かつ透明な電磁波シールド用の粘着
テープ若しくはシートを提供する目的で行われたもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項1記載の電磁波シールド用の粘着テー
プ若しくはシート(発明1)は、アクリル系光重合性組
成物を導電性繊維シートに含浸させ、これに紫外線を照
射して得られる樹脂からなる基材の片面に粘着剤層を形
成させたことを特徴とする電磁波シールド用の粘着テー
プ若しくはシートである。
【0010】本発明の請求項2記載の電磁波シールド用
の粘着テープ若しくはシート(発明2)は、導電性繊維
シートが、導電性金属で被覆された有機繊維のネット状
構造体であることを特徴とする発明1の電磁波シールド
用の粘着テープ若しくはシートである。
【0011】本発明の請求項3記載の電磁波シールド用
の粘着テープ若しくはシート(発明3)は、アクリル系
光重合性組成物に紫外線を照射して得られたアクリル系
樹脂の二次転移温度が0℃〜40℃であることを特徴と
する発明1又は2の電磁波シールド用の粘着テープ若し
くはシートである。
【0012】本発明に用いられるアクリル系光重合性組
成物は、樹脂成分に光重合開始剤が混合されたものであ
り、必要に応じアミン類、柔軟性付与剤、帯電防止剤、
離型剤、着色剤等が添加されても良い。
【0013】樹脂成分は、ベース樹脂(樹脂成分1)と
これと反応して架橋する樹脂成分2とから構成される。
この樹脂成分は、得られるシート又はテープの柔軟性を
確保するために重合後のポリマーのTgが0℃〜40℃
となるものが好ましい。
【0014】そのような化合物として、樹脂成分1とし
ては、例えば一例として、アクリル酸エステル誘導体及
び不飽和ポリエステル誘導体からなる群の内から選ば
れ、特に直鎖部の長い、例えばビスフェノールA骨格の
ポリエーテル鎖の炭素数が3〜20のビスフェノールA
ジアクリレート樹脂等を好適に用いることが出来る。
【0015】その他、樹脂成分1としては、難燃性が必
要な場合には、ビスフェノールA骨格に臭素を附加させ
た臭素化ビスフェノールAジアクリレート樹脂を用いる
ことが出来る。更に柔軟性が必要な場合には、ウレタン
アクリレートオリゴマーをブレンドしたアクリル酸エス
テル系樹脂が用いられても良く、ウレタンアクリレート
オリゴマーが単独で用いられても良い。
【0016】樹脂成分2は液状架橋剤であり、樹脂成分
1と架橋させてテープ基材の強度を確保する為に用いら
れる。そのために、樹脂成分2としては、液状で長い直
鎖状の構造で、上記樹脂成分1に対して溶解性の優れた
ものが用いられる。透明性を確保するためには、樹脂成
分1より屈折率の高い芳香族系のアクリル酸エステルが
用いられることが望ましい。
【0017】樹脂成分2としては、例えば一例として、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、メトキシトリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、イソボニルアク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、末
端ビニル基を1〜3個含むアクリル酸エステルが挙げら
れ、これらは単独で若しくは2種類以上併用して用いら
れても良い。
【0018】樹脂成分2の配合量は、樹脂成分1に対し
20〜80重量%とすることが好ましい。配合量が20
重量%未満だと架橋が不十分となり基材の強度が不足
し、80重量%を超えると架橋密度が上がりすぎて柔軟
性が失われる恐れがあると共に、光硬化後に樹脂成分2
の未反応物が残り易くなり、所定の樹脂組成からずれる
恐れがある。
【0019】光重合開始剤としては、紫外線又は可視光
で活性化してラジカル若しくはカチオンを生成するもの
が用いられる。
【0020】紫外線によってラジカルを生成する光ラジ
カル重合開始剤としては、例えば、ソジウムメチルジチ
オカルバメイトサルファイド、テトラメチルチウラムモ
ノサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベン
ゾチアゾイルモノサルファイド、及びジサルファイド等
のサルファイド類;チオキサントン、2−エチルチオキ
サントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;ヒドラゾ
ン、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゼンジアゾニウ
ム等の(ジ)アゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベゾフェノ
ン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、
ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノ
ン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキ
ノン等の芳香族カルボニル化合物;4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセ
トフェノン、2,2ジメトキシアセトフェノン等のアセ
トフェノン誘導体;2−ジメチルアミノ安息香酸メチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチル
アミノ安息香酸ブチル、4−ジエチルアミノ安息香酸イ
ソプロピル等の時アルキルアミノ安息香酸エステル類;
9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェニルア
クリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベンズアク
リジン等のアクリジン誘導体;9,10−ジメチルベン
ズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、10−メ
トキシベンズフェナジン等のキノキサリン誘導体;2,
4,5−トリフェニルイミダゾール2量体、アシルフォ
スフィンオキシド、アシルフォスフォナート等のアシル
化リン化合物が挙げられる。
【0021】可視光で活性化してラジカルを生成する光
ラジカル重合開始剤としては、例えば、2−ニトロフル
オレイン、2,4,6−トリフェニルビリリウム4弗化
硼素塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−
1,2,3−トリアジン、3,3’−カルボニルビスク
マリン、チオミヒラーケトン等が挙げられる。
【0022】上記光ラジカル重合開始剤の酸素による重
合阻害を防止するため、アミン化合物を添加しても良
い。このようなアミン化合物としては、脂肪族アミンや
芳香族アミン類、不揮発性のものであれば特に限定され
ず、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノー
ルアミン等が使用され、更に上記ジアルキルアミノ安息
香酸エステル、ミヒラーケトンのようなアミノ基を含有
する光重合開始剤も上記アミノ化合物として使用可能で
ある。
【0023】紫外線で活性化してカチオンを発生する光
カチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、
芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジ
ウム塩、鉄−アレン錯体化合物、アルミニウム錯体−シ
ラノール系化合物等が挙げられる。
【0024】光重合開始剤の配合量は、樹脂成分1と樹
脂成分2との合計重量に対し0.1〜10重量%が望ま
しい。0.1重量%未満では硬化速度が遅くなって充分
な硬化反応が起こらずに実用性が低下し、10重量%よ
り大であれば硬化物の機械的強度が低下するからであ
る。
【0025】紫外線の波長、強度及び照射時間とは、配
合される光重合開始剤の種類と配合量とによって決めら
れれば良く、特に限定されるものではない。例えば、樹
脂成分1が100重量部に対し光重合開始剤としてドロ
キュアー−1173(チバスペシャリティーケミカル社
製)を2重量部使用した場合には、波長360μmの紫
外線を強度80w/cm2 、照射時間60秒間照射す
る。
【0026】重合時の温度は、加熱する必要はなくむし
ろ冷却しても良い。即ち、開始剤が熱によりラジカルや
カチオンを生成するのではないからであり、加熱の必要
なく重合させることが可能であるからである。従って、
導電性繊維シートに被覆された金属の酸化を少なくする
ことが可能となる。更に、光重合時には重合反応熱が発
生するので、冷却を行うと、導電性繊維シートに被覆さ
れた金属の酸化の進行が更に抑制され、導電性能が低下
することが更に少なくなる上、得られるシート又はテー
プに、熱による残留歪みが少なくなるという利点もあ
る。
【0027】その他、本発明に用いられるアクリル系光
重合性組成物には、必要に応じてシリコンオイル、高級
アルコール、流動パラフィン、金属石鹸等の流動性改良
剤、離型剤が添加されても良く、更に、電磁波シールド
用の粘着テープ若しくはシートの表面への特殊性能を付
与されるために、帯電防止剤、酸化防止剤が添加されて
も構わないし、必要に応じて、有機顔料、無機顔料、染
料などの着色剤が添加されても良い。
【0028】上記アクリル系光重合性組成物は、導電性
繊維シートに含浸後光硬化して得られるシート又はテー
プの厚さを所定の厚さにするために、3000cps〜
5000cpsの粘度範囲で使用することが望ましい。
そのため、樹脂成分1は適度な分子量を有するアクリレ
ートモノマー又はアクリレートオリゴマーが用いられ
る。例えば一例として、樹脂成分1のエポキシアクリレ
ートモノマーは重量平均分子量150〜3000のもの
が使用可能であり更に400〜1200がより好まし
く、樹脂成分2のウレタンアクリレートオリゴマーは、
重量平均分子量2000〜50000のものが使用可能
であり更に3000〜20000がより好ましく用いら
れる。
【0029】本発明において使用される導電性繊維シー
トは、導電性金属で被覆された有機繊維がネット状に網
目構造に組合わされた構造体が好ましい。通常、ネット
状の網目構造としては、ハニカム状網目構造とすること
が望ましく、この構造とすることで透明性を確保すると
共に、導電性繊維シートの表面に到達した電磁波は、繊
維表面に被覆された金属の表面において幾何学模様的に
吸収されて、微弱な電流を発生し、発生した電流は、金
属層を流れて放射状に拡散し、直ちに消失する。即ち、
発生した電流は電気的に一カ所に集中しないため、電気
的な干渉が起こらず、従って、新たに電磁波を誘導励起
することがないので、外部からの電磁波は、テープ又は
シートに埋設された導電性繊維シートで遮断されたこと
になるのである。
【0030】上記有機繊維としては、ナイロン繊維、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、
等が好適に用いられる。導電層である被覆金属として
は、例えば一例として、銅、銀、ニッケル等の金属類及
びこれらの窒化物、硼化物、硼窒化物、酸化物等が挙げ
られ、特に金属銅又は銀が好適に用いられる。
【0031】有機繊維に導電材を被覆する方法は特に限
定されるものではなく、例えば一例として、各種の蒸
着、メッキ、スパッタリング、イオンプレーティング等
の内から、繊維及び導電剤材料に合わせて適宜選択して
被覆加工されればよい。
【0032】本発明の電磁波シールド用の粘着テープ若
しくはシート基材の製造方法としては特に限定されない
が、例えば、光ラジカル重合開始剤を用いる場合には、
導電性繊維シートにアクリル系光重合性液状樹脂組成物
を含浸した後、その両面をPETフィルムで被覆し、2
本のゴムロールの間を通過させて脱泡し、続いて2本の
金属製クリアランスロールの間を通して規定の厚さに整
え、所定の強度の紫外線を所定時間照射する事によりア
クリル系光重合性液状樹脂組成物を硬化させる。PET
フィルムは、空気中の酸素による重合阻害を防止するた
めに用いられるものであり、樹脂が硬化後PETフィル
ムは剥離される。
【0033】更に、光ラジカル重合開始剤の場合には、
上記の通りPETフィルムにより空気中の酸素による重
合阻害を防ぐ工夫がなされるが、PETフィルムによる
空気遮断だけでなく例えば重合雰囲気を窒素ガス等でイ
ナート化しても良い。更に重合開始剤が光カチオン重合
開始剤である場合には、特に酸素遮断の工夫をする必要
はない。
【0034】電磁波シールド用の粘着テープ若しくはシ
ート基材は、所定の幅のストリップ状にスリットされ、
この基材の片面に粘着剤層を、必要があれば他の片面に
離型剤を塗布し、乾燥させた後巻き取られて製品とされ
る。
【0035】片面に粘着剤層を形成する方法は、一般の
粘着テープの製造方法が適用できる。即ち、通常のアク
リル系、ウレタン系、ゴム系等の粘着剤は、溶剤に溶解
されたり水エマルジョン液とされて基材上に塗布され、
加熱して乾燥される。この場合、導電性繊維シートに被
覆された金属は、基材に埋没された状態となっているの
で空気に触れることがなく、従って粘着剤や離型剤を乾
燥させる時の加熱によって酸化されることがない。
【0036】(作用)本発明の電磁波シールド用の粘着
テープ若しくはシートは、導電性繊維シートがハニカム
状の網目構造であり、かつ、テープ又はシートの製造方
法が光重合法によるので導電シートの金属の酸化を引き
起こさないため、電磁波により発生した電流が拡散して
消滅し、再び電磁波を発生する事がなく、電磁波を効果
的に遮断することが可能であり、しかも、常温で十分軟
質の合成樹脂素材を用いた粘着シート又はテープであ
り、特にテープ状にされたものでは、複雑な形状の表面
にも追随して貼り付けることが可能であり、取り扱い性
に優れる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の電磁波シールド
用の粘着テープ若しくはシートの実施の形態を、非限定
的な実施例をもって説明する。
【0038】(実施例1〜8)表1に、実施例1から8
に使用した材料等の配合を示す。
【0039】表1における材料として、以下のものを使
用した。 臭素化ビスフェノールAジアクリレート(樹脂成分
1):商品名「EBR−100」、マナック社製 ウレタンアクリレートオリゴマー(樹脂成分1): ビスフェノールAジアクリレート(樹脂成分1):商品
名「エポキシエステル3002A」、共栄社製 ベンジルメタアクリレート(樹脂成分2):商品名「ア
クリエステルBZ」、三菱レーヨン社製 ポリエチレングリコールジアクリレート(樹脂成分
2):商品名「14EG−A」、共栄社製 フェノキシエチルアクリレート(樹脂成分2):商品名
「ライトアクリレートPO−A」、共栄社製 ラウリルアクリレート(樹脂成分2):商品名「サート
マーSR−335」、日本化薬社製 ネオペンチルジアクリレート(樹脂成分2):商品名
「ライトアクリレートNP−A」、共栄社製 フェニル2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン(光重合
開始剤):商品名「ドロキュアー−1173」、チバス
ペシャリティーケミカル社製 特殊アルキルアルコール(離型剤):商品名「EQ−
6」、モールドウィズ社製 ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(耐電防止
剤) 商品名「エレガンFDA」、日本油脂社製 導電性繊維:6−6ナイロン繊維に銀被覆を施したハニ
カム状編組物 商品名「サンダーローンDB−Mesh」、日本蚕毛染
色社製。 繊維太さ:約50μm、導電材質:銀被覆量:0. 17
g/g、 繊維間隔:1. 5mmの網状。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1から8においては、いずれも、導
電性繊維シートに樹脂を含浸した後、ガラス板に挟み、
実験用万力にて四方を圧狭時して空気泡を除き厚みを設
定した後、紫外線照射器で80W/cm2 の強度で60
秒間照射して硬化させ、硬化後ガラス板を取り外して厚
さ300μmの平膜状電磁波シールド用の基材を作成し
た。
【0042】得られた基材の片面に表2に記載した粘着
剤溶液をナイフコーターで塗布し、熱風乾燥機にて12
0℃、2分間乾燥して粘着層厚さ25μmの粘着剤層を
形成して導電性粘着テープとした。他の片面について
は、特に離型処理は施さなかった。
【0043】
【表2】
【0044】(比較例1)粒度2〜10μm、85重量
%以上の電解銅粉に無電解メッキにより、銀5重量%以
上を着けた銅粉80重量部及びバインダーとしてエチル
アクリレート、ブチルアクリレート、メチロール化アク
リルアミドの3元共重合体(ガラス転移点32℃)20
重量部をトルエン100重量部と酢酸ブチル100重量
部の混合溶剤に溶解分散させ、フィルムコーターで片面
粘着剤付きの軟質塩化ビニルフィルム(厚さ1mm、大
きさ15×15cm)の粘着剤のない片面にスプレー塗
装し、実施例1〜5と同様の方法で乾燥させて導電性粘
着テープを得た。
【0045】(比較例2)実施例1に用いたと同じ導電
性繊維シートを、トータル厚さ300μmになるように
ポリエチレン樹脂にサンドイッチし、温度150℃で1
分間加熱プレスし導電性繊維シートを埋設したフィルム
を作成した。樹脂層が薄いために加工中の熱履歴により
導電繊維中の金属が酸化し、所望の電磁波シールド性能
が得られなかった。
【0046】実施例及び比較例で得られた電磁波シール
ド用の導電性粘着テープの特性を測定した結果を、表3
に示す。全光線透過率は、可視光の透過率とし、電界減
衰率は、10MHz及び100MHzにおける電界減衰
率をアドバンテス法を用いて測定し、ヘイズは、JIS
K−6714により測定し、Tgは、粘弾性スペクト
ロメーターによるtanδのピーク温度とした。なお、
電界減衰率は、製造直後と1000回屈曲試験後とに測
定した。屈曲試験は、屈曲点における屈曲半径2mmで
曲げ角度90度を繰り返して行った。また、表中、−印
は評価を行っていないことを示している。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】このように、本発明の電磁波シールド用
の粘着テープ若しくはシートは、その製造方法が光重合
法によるので導電性繊維シートに被覆された金属の酸化
を引き起こさず、粘着剤塗布後乾燥時に加熱する場合で
も、導電性繊維シートは柔軟透明シート又はテープ中に
埋設されて空気に触れていないため、被覆された金属が
酸化することがなく導電性が確保されており、かつ導電
性繊維シートがハニカム状の網目構造であるため、電磁
波により発生した電流が拡散して消滅し再び電磁波を発
生する事がなく、電磁波を効果的に遮断することが可能
である。
【0049】しかも、常温で十分柔軟性を有する合成樹
脂からなるシート又はテープを基材として用いた粘着テ
ープであれば、複雑な形状の表面にも追随して貼り付け
ることが可能であり、かつ透明であるので被着体の様子
をテープを通して観察することができ貼り付け状態の確
認が容易となったり、例えば、広幅の粘着シート又はテ
ープ若しくはテープであれば、カソードレイチューブの
表面に貼り付けて電磁波障害の防止を図る用途にも適用
が可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系光重合性組成物を導電性繊維
    シートに含浸させ、これに紫外線を照射して得られる樹
    脂からなる基材の片面に粘着剤層を形成させたことを特
    徴とする電磁波シールド用粘着テープ若しくはシート。
  2. 【請求項2】 導電性繊維シートが、導電性金属で被覆
    された有機繊維のネット状構造体であることを特徴とす
    る請求項1記載の電磁波シールド用粘着テープ若しくは
    シート。
  3. 【請求項3】 アクリル系光重合性組成物に紫外線を照
    射して得られたアクリル系樹脂のガラス転移点(Tg)
    が0℃〜40℃であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の電磁波シールド用粘着テープ若しくはシート。
JP34216999A 1999-12-01 1999-12-01 電磁波シールド用粘着テープ若しくはシート Pending JP2001160699A (ja)

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