JP2001153107A - 油圧シリンダ - Google Patents

油圧シリンダ

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JP2001153107A
JP2001153107A JP33678399A JP33678399A JP2001153107A JP 2001153107 A JP2001153107 A JP 2001153107A JP 33678399 A JP33678399 A JP 33678399A JP 33678399 A JP33678399 A JP 33678399A JP 2001153107 A JP2001153107 A JP 2001153107A
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bolt
piston rod
rod
face
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JP33678399A
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Akinori Ro
明徳 盧
Tomohiko Yasuoka
友彦 安岡
Mitsuhiro Yoshimoto
光宏 吉本
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油圧シリンダにおいて、ピストンロッドに特別
な高強度材を用いたり熱処理をすることなく、簡単な構
造でピストン締結部分の強度を向上できるようにする。 【解決手段】ピストン4のピストンロッド3側の端面2
0に軸方向の嵌め合い部として凹所21を形成し、ピス
トン4の凹所21にピストンロッド3の先端を嵌入して
同軸性を確保する。また、ピストンロッド3の先端の端
面23に軸方向のボルトネジ穴24を開け、ピストン4
に軸方向のボルト貫通穴25を開け、ピストンロッド3
の先端の端面23にピストン4の端面20を対面接触し
た状態で、ボルト貫通穴25からネジ穴24にボルト2
2を差し込んでピストン4を固定する。また、ボルトネ
ジ穴24の下穴30には、入口部分にロッド端面23に
向けて広がるテーパ30aが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧シリンダに係わ
り、特に油圧建設機械等の油圧作業機械に使用される油
圧シリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】油圧建設機械の代表例である油圧ショベ
ル等の油圧作業機械においては、作業部材を駆動するた
めのアクチュエータとして油圧シリンダが使用されてい
る。この油圧シリンダは、図14に示すように、シリン
ダ本体102と、シリンダ本体102内を移動するピス
トンロッド103と、ピストンロッド103の先端に設
けられ、シリンダ本体102内をロッド側のチャンバ1
07aとボトム側のチャンバ107bに区切るピストン
104とからなっている。このような油圧シリンダのピ
ストン締結構造として、一般に、ピストンロッド103
の先端部分に段差部103mを介して小径のピストン挿
入部103jを設け、ピストン挿入部103jの先端部
分に雄ネジ部103gを形成し、ピストン104をピス
トン挿入部103jに挿入し、ピストン104が段差部
103mに当接するようナット112を雄ネジ部103
gに締め込むことでピストン104を固定し、ピストン
ロッド103に締結している。
【0003】このようなピストン締結構造は例えば実公
平7−16888号公報に開示されている。図15は従
来のピストン締結構造の他の例を示すものである。この
例は実開昭57−203103号公報に示されるもので
あり、ピストン104を挿入するピストン挿入部103
jに更に環状溝103kを設け、ピストン104を段差
部103mに当接するまで嵌合した状態で、環状溝10
3kに円形リングを半径方向に2分割した半リング形状
のフランジ160を嵌合し、このフランジ160をピス
トン104にボルト170で固着することでピストン1
04を固定し、ピストンロッド103に締結している。
この場合、ピストン104によって区切られるシリンダ
本体102内のチャンバ107a,107b間を封止す
るためピストン挿入部103jとピストン104間には
Oリング180を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図14に示した油圧シ
リンダにおいては、ボトム側のチャンバ107bに圧油
が供給されるとピストンロッド103が図示左方に移動
して油圧シリンダが伸長し、ロッド側のチャンバ107
aに圧油を供給すると、ピストンロッド103が図示右
方に移動して油圧シリンダは収縮する。油圧ショベル等
の油圧作業機械ではこのような油圧シリンダの伸縮が頻
繁に行われ、その都度ピストン104にチャンバ107
a又は107bの圧力が作用する。
【0005】ところで、図14に示した従来のピストン
締結構造では、チャンバ107a又は107bの圧力が
ピストン104に作用するとき、ピストン104はピス
トン挿入部103jに設けた雄ネジ部103gにナット
112を閉め込むことにより締結されているため、チャ
ンバ107a又は107bの圧力はピストン挿入部10
3jの雄ネジ部103gの断面にかかることとなり、ピ
ストンロッド103はこの雄ネジ部103gより破損し
やすかった。
【0006】図16にピストン挿入部103jの雄ネジ
部103gに作用する最大主応力とネジ山数との関係を
示す。ここで、ネジ山数はナット112の締め付け時の
荷重点、即ちピストン104とナット112の接触面か
ら数えたものである。この図から分かるように雄ネジ部
103gには第1ネジ山部に最大の引張応力がかかり、
かつその引張応力はロッド側加圧時とボトム側加圧時と
で繰り返し増減し、雄ネジ部103gの破損は第1ネジ
山部で起こる。このため、ピストンロッド103の材質
を高強度材としたり、雄ネジ部103gに熱処理を施し
たりして雄ネジ部103gの第1ネジ山部の強度をアッ
プする必要があった。
【0007】また、図15に示した従来のピストン締結
構造では、ピストン104にかかる圧力はピストン挿入
部103jの環状溝103k部の断面で受けることにな
り、この部分から破損しやすく図14のものと同様にピ
ストンロッド103の強度アップが必要である。また、
この構造では、2個の半リング形状のフランジ160が
必要となり、部品点数が多くなるという問題もあった。
【0008】本発明の目的は、ピストンロッドに特別な
高強度材を用いたり熱処理をすることなく、簡単な構造
でピストン締結部分の強度を向上できるピストン締結構
造を備えた油圧シリンダを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、ピストンロッドの先端にピストン
を締結し、シリンダ本体内をロッド側のチャンバとボト
ム側のチャンバに区分した油圧シリンダにおいて、前記
ピストンロッドの先端の端面にピストンのロッド側の端
面を少なくとも部分的に対面接触させた状態で、ピスト
ンのロッド側の端面に開けられたボルト貫通穴からピス
トンロッドの先端の端面に開けられたに設けられたボル
トネジ穴にボルトを差し込んで締め込み、このボルトで
ピストンをピストンロッドに直接固定すると共に、前記
ピストンロッドの先端の端面に開けられたボルトネジ穴
の下穴の入口部分に当該端面に向けて広がるテーパを形
成したものとする。
【0010】このようにピストンをピストンロッドにボ
ルトで直接固定することにより、油圧シリンダの動作
時、ピストンにかかる力はボルトで受けることとなり、
ボルトに引張応力が作用するが、基本的にはボルトに通
常の高強度のボルトを使用でき、かつその材質をより強
いものにすることは容易であるため、引張応力に対して
十分な強度が得られる。また、ピストンロッドのボルト
ネジ穴側は、基本的にはネジ部が雌ネジでありかつこの
ネジ部に圧縮応力が作用するため、通常のピストンロッ
ドの材質で十分な強度が得られる。このため、ピストン
ロッドに高強度材を用いる必要が無く、熱処理による強
度アップも必要無くなるので、低コストな材料で安価に
ピストンロッドを作れる。また、ボルトで直接固定する
ので、外力に対する疲労強度も向上し、簡単な構造でピ
ストン締結部分の強度を向上し、ピストンロッドの寿命
を向上できる。
【0011】また、ボルトで直接固定するので、最少部
品点数で構成できる。
【0012】更に、従来の小径のピストン挿入部が不要
となるため、ピストンロッドに余分な段差を付ける必要
がなく、段差部での破損の問題も低減する。
【0013】以上は特願平10−149467号の提案
による先願発明の構成に基づく作用である。本発明は、
この先願発明を改良し、ピストン締結構造の強度を更に
向上するものである。
【0014】つまり、ピストンをピストンロッドにボル
トで直接固定した場合、上記のようにボルトには引張応
力が作用し、ボルトネジ穴には圧縮応力が作用するが、
それらの応力はボルトネジ穴の開口部でのボルトのネジ
山、つまりピストンロッドの先端の端面から数えてボル
トの第1山部分で最大となり、この部分に応力集中が起
こる。この集中応力に対し、上記のようにピストンロッ
ドの先端の端面に開けられたボルトネジ穴の下穴の入口
部分に当該端面に向けて広がるテーパを形成することに
より、ボルト及びボルトネジ穴のボルトネジ穴開口部で
の応力集中が緩和され、ピストン締結部分の強度を一層
向上できる。
【0015】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記テーパの角度は8〜10゜の範囲にある。
【0016】これによりボルトネジ穴の下穴の入口部分
におけるネジ山の高さをある程度確保しつつ、ボルトネ
ジ穴開口部での応力集中を緩和できる。
【0017】(3)また、上記(1)において、前記テ
ーパは前記端面から数えて前記ボルトネジ穴の雌ネジの
第1山から第2〜4山の範囲に形成されている。
【0018】これによりボルトネジ穴のネジ山でネジ山
高さの完全なネジ山数を最大限残しつつ、ボルトネジ穴
開口部での応力集中を緩和できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。
【0020】図1は本発明の第1の実施形態による油圧
シリンダのピストン締結構造を示しており、油圧シリン
ダ1は、シリンダ本体2、ピストンロッド3、ピストン
4を有し、シリンダ本体2は、一端5a側が閉塞し他端
5b側が開口した円筒形のチューブ5と、このチューブ
5の開口端部5bに固着して設けられたロッド側シリン
ダヘッド6とで構成されている。ピストンロッド3はロ
ッド側シリンダヘッド6を貫通してチューブ5の内外に
伸びており、シリンダ本体2内に位置するピストンロッ
ド3の先端に、チューブ5内を摺動可能でありかつシリ
ンダ本体2内をロッド側のチャンバ7aとボトム側のチ
ャンバ7bとに区分するピストン4が締結されている。
ピストン4の外周にはシールリング13、ウエアリング
14a,14b、コンタミシール15a,15bが設け
られている。ロッド側シリンダヘッド6にはチャンバ7
aに対する作動油の給排ポート8が設けられ、チューブ
5の閉塞端部5aにはチャンバ7bに対する作動油の給
排ポート9が設けられている。
【0021】給排ポート9よりボトム側のチャンバ7b
に圧油を供給し、ロッド側のチャンバ7aに通じる給排
ポート8をタンクに接続すると、ピストン4が図示左方
のロッド側シリンダヘッド6側に摺動変位してピストン
ロッド3をシリンダ本体3から突出するよう移動し、油
圧シリンダ1が伸長する。また、給排ポート8を介して
ロッド側のチャンバ7aに圧油を供給し、ボトム側のチ
ャンバ7bに通じる給排ポート9をタンクに接続する
と、ピストン4が図示右方のチューブ5の閉塞端部5a
側に摺動変位してピストンロッド3をシリンダ本体2内
に引き込むよう移動し、油圧シリンダ1が収縮する。シ
リンダ本体2のチューブ閉塞端部5aに設けた取付部1
0とピストンロッド3の外側の先端に設けた取付部11
の一方を固定側部材に枢着し、他方を可動側部材に枢着
することにより当該動側部材を駆動することができる。
【0022】次に、本発明の特徴であるピストン締結構
造を説明する。
【0023】ピストン4のピストンロッド3側の端面2
0には軸方向の嵌め合い部として凹所21が形成され、
ピストン端面20が凹所21の底面21aとロッド側の
チャンバ7aに面する端面部分20aに分割されると共
に、凹所21にピストンロッド3の先端を嵌入すること
によりピストン4が装着されかつピストンロッド3との
同軸性を確保している。また、ピストンロッド3の先端
の端面23に軸方向のボルトネジ穴24が開けられ、ピ
ストン4の凹所底面21aの部分に軸方向のボルト貫通
穴25が開けられ、ピストンロッド3の先端の端面23
にピストン4の端面20の凹所底面21aを対面接触し
た状態で、ボルト貫通穴25からボルトネジ穴24にボ
ルト22を差し込んで締め込むことでピストン4を固定
し、ピストンロッド3に締結されている。ボルト22の
数は適当数でよいが、本実施形態では図2に示すように
6本のボルト22を使用している。また、ボルト22は
丸頭ボルトの例を示したが、六角頭ボルトであっても良
い。
【0024】図3にピストンロッド3の先端の端面23
に開けられたボルトネジ穴24の拡大図を示す。図3に
おいて、符号30はボルトネジ穴24のドリルの下穴で
あり、31がボルトネジ穴24のネジ部、即ち雌ネジの
ネジ山である。ボルトネジ穴24の下穴30には、その
入口部分に端面23に向けて広がるテーパ30aが形成
され、それに伴って雌ネジのネジ山31の先端がカット
され、低くなってなっている。テーパ30aの角度は好
ましくは8〜10゜の範囲にあり、かつ端面23から数
えて第1山から第2〜4山の範囲に形成されていること
が好ましく、図示の例では、テーパ30aの角度が8
゜、第1山から第3山に形成されている。
【0025】本実施形態のピストン締結構造では、ま
ず、上記のようにボルト22で直接ピストン4をピスト
ンロッド3に締結しており、これにより通常のピストン
ロッドの材質で十分な強度が得られるものとなる。
【0026】つまり、ボルト22で直接ピストン4をピ
ストンロッド3に締結することにより、ピストン4にか
かる力は複数のボルト22で受けることとなる。このと
き、ボルト22には引張応力が作用するが、基本的には
ボルト22に通常の高強度のボルトを使用できる、かつ
その材質をより強いものにすることは容易であるため、
引張応力に対して十分な強度が得られる。また、ピスト
ンロッド3のボルトネジ穴24側は、基本的にはネジ部
が雌ネジでありかつこのネジ部に圧縮応力が作用するた
め、通常のピストンロッドの材質で十分な強度が得られ
る。
【0027】また、ボルトネジ穴24の下穴30の入口
部分にテーパ30aを形成しており、これによりピスト
ン締結構造の強度が更に向上するものとなる。
【0028】図4にボルトネジ穴24の下穴30の入口
部分にテーパ30aを形成しない場合のボルト22に作
用する最大主応力とネジ山数との関係を示す。ここで、
ネジ山数はボルト22の締め付け時の荷重点、即ちピス
トンロッド3の端面23から数えたものである。この図
から分かるようにボルト22には第1ネジ山部、つまり
図3の符号32で示される部分に最大の引張応力がかか
り、この部分に応力集中が起こる。
【0029】図5はボルトネジ穴24の下穴30の入口
部分にテーパ30aを形成した場合のボルト22に作用
する最大主応力とネジ山数との関係を示す。この図か
ら、テーパ30aを形成すると、ボルト22の第1ネジ
山部の最大引張応力は低減し、集中応力が緩和されてい
ることが分かる。
【0030】つまり、ピストン4をピストンロッド3に
ボルト22で直接固定した場合、上記のようにボルト2
2には引張応力が作用し、ボルトネジ穴24のネジ部
(雌ネジ)には圧縮応力が作用するが、それらの応力は
ボルトネジ穴24の開口部でのボルト22のネジ山、つ
まりピストンロッド3の先端の端面23から数えてボル
ト22の第1山部分32で最大となり、この部分に応力
集中が起こる。この集中応力に対し、上記のようにボル
トネジ穴24の下穴30の入口部分に当該端面23に向
けて広がるテーパ30aを形成することにより、ボルト
23及びボルトネジ穴24のボルトネジ穴開口部での応
力集中が緩和され、ピストン締結構造の強度を一層向上
できる。
【0031】ここで、検討の結果、テーパ30aの角度
は8〜10゜の範囲にあれば、ボルトネジ穴の下穴の入
口部分におけるネジ山の高さをある程度確保しつつ、ボ
ルトネジ穴開口部でのトネジ穴開口部での応力集中を緩
和できること、またテーパ30aが端面23から数えて
第1山から第2〜4山の範囲に形成されていれば、ボル
トネジ穴のネジ山でネジ山高さの完全なネジ山数を最大
限残しつつ、ボルトネジ穴開口部でのトネジ穴開口部で
の応力集中を緩和できることが分かった。
【0032】本実施形態によれば次の効果が得られる。
【0033】1)図14に示した従来の一般的なピスト
ン締結構造では、ピストンロッドに雄ネジ部103g
(図14参照)を設ける必要があり、この雄ネジ部10
3gに引張応力が作用するためピストンロッドに高強度
材を用いなければならなかった。これに対し、本発明の
ピストン締結構造では、ピストンロッド3に雄ネジ部を
設ける必要が無いので、ピストンロッド3に高強度材を
用いる必要が無く、熱処理による強度アップも必要無く
なるので、低コストな材料で安価にピストンロッド3を
作れる。
【0034】2)従来は引張応力はピストンロッドの雄
ネジ部に作用したが、本発明ではボルト22にかかる。
ボルト22には通常の高強度のボルトを使用でき、かつ
その材質をより強いものにすることは容易であるので、
簡単な構造でピストン締結部分の強度を向上でき、ピス
トンロッドの寿命を格段に向上できる。
【0035】3)ボルトネジ穴24の下穴30の入口部
分にテーパ30aを形成することにより集中応力が緩和
され、ピストン締結構造の強度が更に向上できる。
【0036】4)ボルト22を用いて固定することで、
外力に対する疲労強度も向上する。
【0037】5)図15に示した従来のピストン締結構
造では、2個のフランジ160が必要となり、部品点数
が多かったが、本発明ではそのような部品は不要であ
り、最少部品点数で構成できる。
【0038】6)従来の小径のピストン挿入部が不要と
なるため、ピストンロッドは段差の無い丸棒で良くな
り、段差部での破損の問題もなくなる。
【0039】7)ロッド全体の長さはボルト22の頭ま
での長さで決まり、従来のように大きなナット112を
用いる場合に比べて油圧シリンダ1の有効ストロークを
長くできる。
【0040】8)複数のボルト22を用いるので、一つ
一つのボルトの締付トルクを小さくでき、組立、分解が
容易である。
【0041】9)従来、サービス時にピストンロッド・
ピストンのアセンブリを分解し、メンテナンスを行うこ
とが多いが、例えば、ロッド側シリンダヘッドの交換
や、このシリンダヘッドに装着されているロッドシール
を交換する場合は、ナット112(図14参照)を外さ
なければならず、その度にナットを緩めるのに専用の機
械に載せ、この専用の機械を使用してナットを緩めねば
ならなかった。ナット112の締付トルクは約1000
kgf・mである。本発明では、1本のボルト22の締
付トルクは約70kgf・m程度と小さい。このため、
人力でボルト22を緩めることができ、大掛かりな専用
の機械も必要なくボルトを緩められ、サービス性が高
い。
【0042】以上のように本実施形態によれば、ピスト
ンロッド3に特別な高強度材を用いたり熱処理をするこ
となく、簡単な構造でピストン締結部分の強度を向上で
きる(上記1)〜5))。また、有効ストローク長の確
保、分解・組立性及びサービス性の向上の効果が得られ
る(上記6)〜8))。
【0043】本発明の他の実施形態を図6〜図10によ
り説明する。図中、図1に示す部分と同等の部分には同
じ符号を付している。
【0044】図6は本発明の第2の実施形態を示すもの
であり、ピストンロッド3Aにピストン4Aを1本のボ
ルト22Aで締結したものである。この場合、ボルト2
2Aは、ボルト1本で締結に必要な大きな締め付け力を
加える必要があるため、図示のように六角頭ボルトとす
るのが好ましい。
【0045】また、第1の実施形態と同様、ボルトネジ
穴24Aの下穴30には、その入口部分にピストンロッ
ド3の先端の端面23に向けて広がるテーパ30a(傾
きは図示せず)が形成されている。
【0046】図7は本発明の第3の実施形態を示すもの
であり、ピストンロッド3Bの端面23の中心部に軸方
向の嵌め合い部の穴30を開け、ピストン4Bの端面2
0側の中心部に軸方向の嵌め合い部の突出部31を設
け、この突出部31を穴30に嵌入することでピストン
ロッド3Bとピストン4Bの同軸性を確保したものであ
る。また、ピストン4Bのボルト貫通穴25のチャンバ
7b側開口部にボルト22の頭を収納するざぐり穴32
を形成し、ボルト22の頭がピストン4Bの端面から突
出しないようにしている。
【0047】また、第1の実施形態と同様、ボルトネジ
穴24の下穴30には、その入口部分にピストンロッド
3の先端の端面23に向けて広がるテーパ30a(傾き
は図示せず)が形成されている。
【0048】図8は本発明の第4の実施形態を示すもの
であり、図7に示した嵌め合い部の穴30及び突出部3
1を拡大してそれぞれ穴30C及び突出部31Cとし、
ボルト22のボルトネジ穴24及び貫通穴25をその穴
30C及び突出部31Cに形成したものである。
【0049】また、第1の実施形態と同様、ボルトネジ
穴24の下穴30には、その入口部分にピストンロッド
3の先端の端面23に向けて広がるテーパ30a(傾き
は図示せず)が形成されている。
【0050】図9は本発明の第5の実施形態を示すもの
であり、ピストンロッド3Dとピストン4Dとの同軸性
を確保するための位置決めを嵌め合い部に代えピン35
により行うものである。ここで、ピン35は図10に示
すように直径線上に対称に2本使用する。また、組立に
際しては、ピストンロッド3Dとピストン4Dの同軸性
を確保した状態でそれぞれの端面20,23にピン穴3
6,37を予め開けておき、ピン穴36,37の一方に
ピン35を圧入した後、そのピン35に他方のピン穴を
圧入して位置決めし、この状態でボルト22により固定
する。
【0051】また、第1の実施形態と同様、ボルトネジ
穴24の下穴30には、その入口部分にピストンロッド
3の先端の端面23に向けて広がるテーパ30a(傾き
は図示せず)が形成されている。
【0052】図6に示した第2の実施形態によっても上
記1)〜7)の効果が得られる。
【0053】また、図7〜図9に示した各実施形態によ
れば、上記1)〜9)の効果が得られると共に、上記
7)の効果に関しては、ロッド全体の長さはピストン端
面までとなるので、油圧シリンダの有効ストロークを更
に長くできる。
【0054】なお、油圧シリンダとしてはピストンロッ
ドのストロークエンドでの衝撃を緩和するクッション装
置を備えたものがあり、以上の実施形態はそのようなク
ッション装置を備えない油圧シリンダのピストン締結構
造に本発明を適用したものであるが、特願平10−14
9467号の図8〜図12にはクッションリング(ロッ
ド側のクッション装置)を備えた油圧シリンダのピスト
ンをピストンロッドにボルトで直接固定した実施形態が
示され、特願平11−515号にはピストンロッドにピ
ストンをボルトで直接固定したものにクッションプラン
ジャ(ボトム側のクッション装置)を設けた油圧シリン
ダが示され、このようなクッション装置を備えたものに
本発明を適用しても良いことは勿論であり、この場合
も、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、ピストンロッドに特別
な高強度材を用いたり熱処理をすることなく、簡単な構
造でピストン締結部分の強度を向上できると共に、有効
ストローク長の確保、分解・組立性及びサービス性の向
上の効果が得られる。
【0056】また、ボルトネジ穴の下穴の入口部分にテ
ーパを形成したので、ピストン締結構造の強度を更に向
上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるピストン締結構
造を備えた油圧シリンダの断面図である。
【図2】図1に示したピストン締結部分の正面図であ
る。
【図3】ピストンロッドの先端の端面に開けられたボル
トネジ穴の拡大図である。
【図4】ボルトネジ穴の下穴の入口部分にテーパを形成
しない場合のボルトに作用する最大主応力とネジ山数と
の関係を示す図である。
【図5】ボルトネジ穴の下穴の入口部分にテーパを形成
した場合のボルトに作用する最大主応力とネジ山数との
関係を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による油圧シリンダの
ピストン締結構造の断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による油圧シリンダの
ピストン締結構造の断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態による油圧シリンダの
ピストン締結構造の断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態による油圧シリンダの
ピストン締結構造の断面図である。
【図10】図9に示したピストン締結部分の正面図であ
る。
【図11】従来技術による油圧シリンダのピストン締結
構造の断面図である。
【図12】他の従来技術による油圧シリンダのピストン
締結構造の断面図である。
【図13】ピストンロッドの雄ネジ部に作用する応力状
態を示す図である。
【符号の説明】
1 油圧シリンダ 2 シリンダ本体 3 ピストンロッド 4 ピストン 5 チューブ 6 ロッド側シリンダヘッド 7a,7b チャンバ 8,9 給排ポート 20 ピストンのロッド側の端面 20a ロッド側チャンバに面するピストン端面 21 凹所 21a 底面 21b ピストン凹所の内周面 22 ボルト 23 ピストンロッドの端面 24 ボルトネジ穴 25 ボルト貫通穴 30 ボルトネジ穴の下穴 30a テーパ 31 ボルトネジ穴のネジ山 32 ボルトの第1ネジ山部分
フロントページの続き (72)発明者 吉本 光宏 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3H081 AA03 BB02 CC24 DD02 EE27 HH01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンロッドの先端にピストンを締結
    し、シリンダ本体内をロッド側のチャンバとボトム側の
    チャンバに区分した油圧シリンダにおいて、 前記ピストンロッドの先端の端面にピストンのロッド側
    の端面を少なくとも部分的に対面接触させた状態で、ピ
    ストンのロッド側の端面に開けられたボルト貫通穴から
    ピストンロッドの先端の端面に開けられたボルトネジ穴
    にボルトを差し込んで締め込み、このボルトでピストン
    をピストンロッドに直接固定すると共に、 前記ピストンロッドの先端の端面に開けられたボルトネ
    ジ穴の下穴の入口部分に当該端面に向けて広がるテーパ
    を形成したことを特徴とする油圧シリンダ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の油圧シリンダにおいて、前
    記テーパの角度は8〜10゜の範囲にあることを特徴と
    する油圧シリンダ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の油圧シリンダにおいて、前
    記テーパは前記端面から数えて前記ボルトネジ穴の雌ネ
    ジの第1山から第2〜4山の範囲に形成されていること
    を特徴とする油圧シリンダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010082551A1 (ja) * 2009-01-13 2010-07-22 カヤバ工業株式会社 流体圧シリンダ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010082551A1 (ja) * 2009-01-13 2010-07-22 カヤバ工業株式会社 流体圧シリンダ

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