JP2001149703A - パルプ又は製紙工業汚泥用両性高分子凝集剤、及びパルプ又は製紙工業汚泥の脱水方法 - Google Patents

パルプ又は製紙工業汚泥用両性高分子凝集剤、及びパルプ又は製紙工業汚泥の脱水方法

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JP2001149703A
JP2001149703A JP2000083721A JP2000083721A JP2001149703A JP 2001149703 A JP2001149703 A JP 2001149703A JP 2000083721 A JP2000083721 A JP 2000083721A JP 2000083721 A JP2000083721 A JP 2000083721A JP 2001149703 A JP2001149703 A JP 2001149703A
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pulp
sludge
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polymer flocculant
amphoteric polymer
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Yoshio Mori
嘉男 森
Minoru Atsuji
稔 阿津地
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 パルプ又は製紙工業汚泥の脱水処理において、強度、濾
過速度、及び含水率のバランス性に優れたフロックを得
る両性高分子凝集剤、及びこれを用いる汚泥の脱水方法
を提供する。 【解決手段】 アクリロイル基を有するカチオン性単量
体単位を10〜40モル%と、アニオン性単量体単位を
3〜20モル%と、その他のラジカル重合性単量体単位
を40〜87モル%とを構成単量体単位として分子中に
有し、かつ滴定によるアニオン当量Avとカチオン当量
Cvとの割合がAv/Cv<1.2であるパルプ又は製
紙工業汚泥用両性高分子凝集剤。無機凝集剤を併用する
ことにより、汚泥を更に効率よく脱水できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプ又は製紙工
業汚泥の処理に適した高分子量の両性高分子凝集剤、及
びそれを用いるパルプ又は製紙工業汚泥の脱水方法に関
する。本発明の両性高分子凝集剤を用いる脱水方法によ
れば、強度、濾過速度、含水率のバランスに優れるフロ
ックを得ることが出来る。
【0002】
【従来の技術】パルプ工業においては、スクリーニング
工程、蒸解工程、漂白工程、及び抄紙工程等といった、
水の使用を不可欠とする工程が多く含まれるため、生じ
る廃水は膨大な量となる。これらの工程で発生する廃水
は、物理的処理を経た後、活性汚泥法等の生物化学処理
により有機物が除去され、この際発生する余剰汚泥は高
分子凝集剤を添加して脱水されている。
【0003】しかしながら、前記生物化学処理により発
生する余剰汚泥は、主成分が生物体の細胞であるため非
常に脱水し難い。即ち、SS当り1重量%以上の高分子
凝集剤を添加して脱水ケーキを得ているが、ケーキ含水
率は85重量%以上であり、他の産業廃水を脱水処理す
る場合に比べ、ケーキの含水率が高くなってしまう。
又、場合によっては、SS当り3重量%以上の高分子凝
集剤を添加しないと凝集フロックが生成しないこともあ
る。
【0004】更に、得られる凝集フロックは、非常に脆
いことが多く、フロックをスクリュープレス脱水機を使
用して脱水する場合においては、スクリーンからの流出
が多く、またベルトプレス脱水機を使用して脱水する場
合においては、脱水ケーキの剥離が困難となることがあ
った。
【0005】これらの問題を解決する脱水処理方法とし
ては、通常の汚泥の脱水方法として知られている、ポリ
硫酸鉄を添加・混合した後、高分子凝集剤を添加する方
法、縮合型ポリアミンを添加・混合した後、高分子凝集
剤を添加する方法、及び無機凝集剤を添加・混合した
後、両性高分子凝集剤を添加する方法を転用することが
考えられる。
【0006】しかしながら、いずれの脱水方法も満足の
行く方法ではなく、得られるフロックが機械脱水に耐え
得る強度を有するものでなかったり、粒径が不十分であ
ったり、又濾過速度が不十分であったりするため、単位
時間当りの処理量を大きくすることが出来ず、更に得ら
れるケーキ含水率を低下させることもできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記問
題を解決するために種々検討するうちに、パルプ又は製
紙工業汚泥を脱水処理するに際し、カチオン単量体とア
ニオン単量体とを特定の比率で含有し、かつ滴定による
アニオン当量Avと、カチオン当量Cvの比がAv/C
v<1.2の両性高分子凝集剤を用いると、強度、濾過
速度、含水率のバランス性に優れたフロックを得ること
が出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。従
って本発明の目的とするところは、上記問題を解決する
両性高分子凝集剤、及び前記両性高分子凝集剤を用いる
汚泥の脱水方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、以下に記載するものである。
【0009】〔1〕 アクリロイル基を有するカチオン
性単量体単位を10〜40モル%と、アニオン性単量体
単位を3〜20モル%と、その他のラジカル重合性単量
体単位を40〜87モル%とを構成単量体単位として分
子中に有し、かつ滴定によるアニオン当量Avとカチオ
ン当量Cvとの割合がAv/Cv<1.2であることを
特徴とするパルプ又は製紙工業汚泥用両性高分子凝集
剤。
【0010】〔2〕 アクリロイル基を有するカチオン
性単量体単位が式(1)
【0011】
【化3】
【0012】(式(1)中、R1は水素原子、炭素数1
〜8の炭化水素基又はヒドロキシアルキル基、R2及び
3は独立に炭素数1〜8のアルキル基である。X-は陰
イオンである。)で示される単量体単位である前記
〔1〕に記載のパルプ又は製紙工業汚泥用両性高分子凝
集剤。
【0013】〔3〕 アニオン性単量体単位が式(2)
【0014】
【化4】
【0015】(式(2)中、R4は水素原子又はメチル
基である。Mは水素原子、アンモニウムイオン、又はア
ルカリ金属イオンである。)で示される単量体単位であ
る前記〔1〕又は〔2〕に記載のパルプ又は製紙工業汚
泥用両性高分子凝集剤。
【0016】〔4〕 その他のラジカル重合性単量体単
位がアクリルアミド単量体単位である前記〔1〕〜
〔3〕のいずれかに記載のパルプ又は製紙工業汚泥用両
性高分子凝集剤。
【0017】〔5〕 パルプ又は製紙工業汚泥に前記
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載された両性高分子凝集
剤を添加して脱水することを特徴とするパルプ又は製紙
工業汚泥の脱水方法。
【0018】〔6〕 パルプ又は製紙工業汚泥に無機凝
集剤を添加し、次いで前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに
記載された両性高分子凝集剤を添加して脱水することを
特徴とするパルプ又は製紙工業汚泥の脱水方法。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の両性高分子凝集剤は、前
述のようにアクリロイル基を有するカチオン性単量体単
位を10〜40モル%と、アニオン性単量体単位を3〜
20モル%と、その他のラジカル重合性単量体単位を4
0〜87モル%とを構成単量体単位として分子中に有
し、かつ滴定によるアニオン当量Avとカチオン当量C
vとの割合がAv/Cv<1.2である。
【0020】本発明の両性高分子凝集剤は、アクリロイ
ル基を有するカチオン性単量体と、アニオン性単量体
と、その他のラジカル重合性単量体とを所定の割合で共
重合させることにより製造することができる。
【0021】(アクリロイル基を有するカチオン性単量
体)アクリロイル基を有するカチオン性単量体として
は、ジアルキルアミノエチルアクリレート及びジアルキ
ルアミノプロピルアクリレート等のジアルキルアミノア
ルキルアクリレートの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩
等の3級単量体、ジアルキルアミノアルキルアクリレー
トと塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、ジメチル
硫酸、塩化ベンジル、臭化ベンジル等とを反応させた四
級塩等が例示できる。
【0022】以下、更に具体的に本発明において使用で
きるアクリロイル基を有するカチオン性単量体を例示す
る。
【0023】アクリロイルオキシエチルジメチルアミン
塩酸塩、アクリロイルオキシエチルジエチルアミン塩酸
塩、アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルジメ
チルアミン塩酸塩、またはこれらの硫酸塩。
【0024】アクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルジエチ
ルメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシ
−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、或はこれらのクロライドに代えてメチルサルフ
ェート。
【0025】特に好ましいアクリロイル基を有するカチ
オン性単量体は、下記式(3)で示されるジアルキルア
ミノエチルアクリレート塩である。
【0026】
【化5】
【0027】式(3)中、R1は水素原子、炭素数1〜
8の炭化水素基又はヒドロキシアルキル基である。炭化
水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、フ
ェニル基、ベンジル基等が好ましい。ヒドロキシアルキ
ル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル
基等が好ましい。
【0028】式(3)中、R2、R3は独立に、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の、炭素数が1
〜8のアルキル基である。Xは陰イオンで、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素等のハロゲンイオン、亜硫酸イオン、
硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、メチル硫酸イオ
ン、エチル硫酸イオン等が例示できる。
【0029】具体的には、ジメチルアミノエチルアクリ
レートの塩化メチル四級化物、ジメチルアミノエチルア
クリレートの塩化ベンジル四級化物等が好ましい。
【0030】これらは単独で用いても、2以上を併用し
てもよい。
【0031】(アニオン性単量体)アニオン性単量体と
しては、下記式(4)で示されるアクリル酸、またはメ
タクリル酸(以後両者を(メタ)アクリル酸と表すこと
がある。)、またはこれらの塩類、ビニルスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
マレイン酸、及びこれらのアルカリ金属塩等を例示で
き、(メタ)アクリル酸またはこれらの塩が好ましい。
【0032】
【化6】
【0033】式(4)中、R4は水素原子又はメチル基
である。Mは水素原子、アンモニウムイオン、又はナト
リウム、カリウム等のアルカリ金属イオンである。
【0034】これらは、単独で用いても、2以上を併用
してもよい。
【0035】(その他のラジカル重合性単量体)その他
のラジカル重合性単量体としては、カチオン性ラジカル
重合性単量体、及びノニオン性ラジカル重合性単量体が
ある。
【0036】カチオン性ラジカル重合性単量体として
は、メタクリロイルオキシエチルジメチルアミン塩酸
塩、メタクリロイルオキシエチルジエチルアミン塩酸
塩、メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルジ
メチルアミン塩酸塩、またはこれらの硫酸塩、メタクリ
ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、メタクリロイルオキシエチルジエチルメチルアンモ
ニウムクロライド、メタクリロイルオキシ−2−ヒドロ
キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、或は
これらのクロライドに代えてメチルサルフェート。
【0037】ビニルピリジン、ビニルピリジンの四級化
誘導体、ビニルイミダゾール、アリルアミン等が例示で
きる。
【0038】これらのカチオン性ラジカル重合性単量体
は単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。
【0039】ノニオン性ラジカル重合性単量体として
は、(メタ)アクリルアミド、スチレン、アクリロニト
リル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキル等を例
示できる。これらのノニオン性単量体は単独で、若しく
は2種以上を混合して使用することが出来る。
【0040】これらのうちでも、特にアクリルアミドが
好ましい。
【0041】本発明の両性高分子凝集剤は、上記各単量
体を所定の割合で配合して共重合させることにより、ア
クリロイル基を有するカチオン性単量体単位を10〜4
0モル%と、アニオン性単量体単位を3〜20モル%
と、その他のラジカル重合性単量体単位を40〜87モ
ル%とを分子内に有し、かつ滴定によるアニオン当量A
v(以下、単にAvとも言う)とカチオン当量Cv(以
下、単にCvとも言う)との割合がAv/Cv<1.2
であるようにするものである。
【0042】アクリロイル基を有するカチオン性単量体
単位の割合が10モル%に満たないと、荷電を有する汚
泥を充分に中和できず、得られるケーキの含水率が大き
くなってしまい、他方40モル%を超えると、フロック
の凝集力が低下し、フロック強度が低下してしまう。
【0043】アニオン性単量体単位の割合が3モル%に
満たないと、フロックの粒径が小さくなったり、得られ
るケーキの含水率が大きくなってしまい、他方20モル
%を超えると、フロック粒径が小さくなったり、フロッ
ク強度が低下してしまう。
【0044】その他のラジカル重合性単量体単位の割合
が40モル%に満たないと、フロックの凝集力が低下
し、フロック強度が低下してしまい、他方87モル%を
超えると、フロックが形成し難くなってしまう。また、
Av/Cvの値が1.2以上の場合は、フロックを形成
し難くなる。
【0045】本発明において、Av及びCvとは、コロ
イド滴定法により測定された値であり、AvはpH=7
の条件で測定された結果であり、CvはpH=3の条件
で測定された結果である。コロイド滴定法の詳細は、後
述する。
【0046】単量体の反応率は高いので、一般に得られ
る凝集剤の組成は仕込む単量体の配合割合とほぼ一致す
る。
【0047】特に好ましい単量体の仕込割合は、以下の
ものである。アクリロイル基を有するカチオン性単量
体:アニオン性単量体:その他のラジカル重合性単量体
=15〜35:5〜10:55〜80(モル%基準)重
合方法としては、水溶液重合、逆相懸濁重合、逆相エマ
ルジョン重合等が採用できるが、通常取扱の容易さか
ら、水溶液重合が好ましい。水溶液重合の場合、各単量
体の合計仕込み濃度は、25〜60重量%とすることが
好ましい。
【0048】重合開始剤は特に制限が無く、水溶液重合
の場合は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾ
系開始剤、レドックス系開始剤等が適宜利用できる。
【0049】単量体溶液のpHは2〜3.5に調製する
ことが好ましい。
【0050】重合開始温度は、通常0〜35℃が好まし
い。
【0051】重合時間は、通常0.1〜3時間が好まし
い。また、重合反応は酸素の存在しない不活性雰囲気で
行うことが好ましい。これらの重合条件は公知のもので
ある。
【0052】重合反応終了後は、必要に応じて公知の方
法を適宜用いて、本発明の両性高分子凝集剤を得る。
【0053】上記条件で重合することにより、平均分子
量が数百万の高分子量の両性高分子凝集剤を製造でき
る。以下、本発明の両性高分子凝集剤を用いるパルプ又
は製紙工業汚泥の脱水方法につき説明する。
【0054】本発明の脱水方法の処理対象は、パルプ又
は製紙工業から排出される廃水を処理する際に発生する
汚泥である。パルプ廃水としては、クラフトパルプ廃
水、亜硫酸パルプ廃水、晒し廃水、グランドパルプ廃
水、及びセミケミカルパルプ廃水等が挙げられる。
【0055】当該汚泥の具体例としては、パルプ又は製
紙工業廃水に対して無機凝集剤を添加し、必要に応じて
更に有機高分子凝集剤を添加するという凝沈処理で得ら
れた凝沈汚泥、凝沈処理後の廃水を活性汚泥処理して得
られる余剰汚泥、及び凝沈汚泥と余剰汚泥の混合汚泥等
が挙げられ、本発明は特に混合汚泥に好ましく適用でき
るものである。
【0056】又、汚泥には、パルプ又は製紙工場で発生
する生活廃水、その他廃水処理により発生する各種汚泥
を含んでいても良い。
【0057】脱水方法は、具体的には、例えば製紙工業
等から排出される汚泥に、必要により無機凝集剤及び/
または有機カチオン性化合物を添加し、更に必要により
pHを好ましくは4〜8に、より好ましくは5〜7に調
節した後、本発明の両性高分子凝集剤を添加し、これに
より汚泥フロックを形成させるものである。フロックの
形成方法は、公知の方法に準じる。
【0058】無機凝集剤としては、硫酸バンド、ポリ塩
化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄
等を例示できる。
【0059】有機カチオン性化合物としては、ポリマー
ポリアミン、ポリアミジン、カチオン性界面活性剤等を
例示できる。
【0060】両性高分子凝集剤、無機凝集剤、カチオン
性化合物の添加量、撹拌速度、撹拌時間等は、ほぼ従来
の脱水条件に準じる。
【0061】このようにして形成したフロックを、公知
の手段を用いて脱水し、脱水ケーキとするものである。
【0062】脱水装置としては、スクリュープレス型脱
水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水
機、スクリュウーデカンター等を例示することが出来
る。
【0063】
【実施例】以下、実施例により更に具体的に本発明を説
明する。
【0064】なお、Cv及びAvは、以下に示す方法で
測定した。
【0065】(1)カチオン当量値の測定 1.コニカルビーカーに脱イオン水90mlをとり、試
料500ppm溶液10mlを加え、塩酸水溶液でpH
を3.0とし、約1分間攪拌する。トルイジンブルー指
示薬2〜3滴をこれに加えた後、N/400−ポリビニ
ル硫酸カリウム試薬(N/400−PVSK)で滴定す
る。
【0066】滴定速度は2ml/分とし、検水が青から
赤紫色に変色し、10秒間以上その状態が保持される時
点を終点とする。
【0067】2.試料500ppm水溶液の調製 試料0.2g(乾品換算しない)を精秤して共栓付三角
フラスコにとり、脱イオン水100mlで溶解する。こ
の25mlを100mlのメスフラスコに入れ、イオン
交換水を用いて100mlにメスアップする。
【0068】3.計算法
【0069】
【数1】Cv(meq/g)=(N/400-PVSK滴定量×N/400-PVS
Kの力価)/2 (2)アニオン当量値の測定 1.コニカルビーカーに蒸留水90mlをとり、これに
N/200−メチルグリコールキトサン試薬をメスピペ
ットにて5.0ml加え、1分間攪拌後、試料500p
pm溶液10mlを加え、N/10NaOHにてpH=
7.0に調整後、5分間攪拌する。その後、トルイジン
ブルー指示薬2〜3滴を加え、N/400−ポリビニル
硫酸カリウム試薬(N/400−PVSK)で滴定す
る。
【0070】滴定速度は、2ml/分とし、検水が青か
ら赤紫色に変色し、この変色が10秒間以上持続する時
点を終点とする。
【0071】なお、上記操作において、試料を添加しな
い場合をブランク試験とする。
【0072】2.試料500ppm水溶液の調製 試料0.1g(乾品換算しない)を精秤して共栓付三角
フラスコにとり、脱イオン水100mlに溶解する。こ
の50mlを100mlのメスフラスコに入れ、脱イオ
ン水で100mlにメスアップする。
【0073】3.計算法
【0074】
【数2】Av(meq/g)=Cv+av av=(ブランクの滴定量−試料の滴定量)×N/400-PV
SKの力価/2 (実施例1)ステンレススティール製デュワー瓶にジメ
チルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩水溶液
(以下DACと表す)、アクリル酸、及びアクリルアミ
ド水溶液(以下AMと表す)を入れ、それぞれが25.
0モル%、68.0モル%、7.0モル%の組成で、全
重量が1Kg、全単量体濃度が28重量%になるように
蒸留水を加えた。この溶液のpHを2.9に調節した。
窒素ガスを60分間溶液に吹込みながら溶液温度を35
℃に調節し、これにより重合用単量体混合物水溶液を得
た。
【0075】次いで、全単量体重量を基準として、塩化
第二銅を銅イオンとして0.3ppm、重合開始剤とし
て、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩(和光純薬(株)
商品名V−50)を60ppm、及び亜硫酸水素ナトリ
ウム(NaHSO3)を30ppmとなるように加え
て、重合を開始した。
【0076】静置状態で3時間重合を続けた。その後、
得られた含水ゲル状の重合体をデュワー瓶から取出し、
細断した。これを80℃で5時間乾燥後、粉砕して目的
の両性高分子凝集剤Aを得た。
【0077】(実施例2、比較例1)重合開始剤量、及
び単量体量を表1に記載する通りに変更する以外は、実
施例1と同様にして重合を行い、実施例2の両性高分子
凝集剤B、及び比較例1の両性高分子凝集剤Cを得た。
【0078】実施例1、2、比較例1で得られた各両性
高分子凝集剤を用いて、以下の物性を測定した。その結
果を表1に示す。
【0079】不溶解分量: 両性高分子凝集剤を純水に
溶解し、400mlの0.1重量%(固形分換算)溶液
を調製した。この溶液全量を直径20cm、83メッシ
ュの篩いで濾過し、篩上に残った不溶解分を集めてその
容量を測定した。
【0080】0.5%塩粘度: 上記両性高分子凝集剤
を4重量%の塩化ナトリウム水溶液に溶解し、0.5重
量%凝集剤溶液を調製した。B型粘度計を用いて、25
℃、60rpm、5分後の凝集剤溶液粘度を測定した。
【0081】
【表1】
【0082】表1 両性高分子凝集剤 (実施例3、4、比較例2)製紙工場廃水の凝沈汚泥及
び活性汚泥処理により発生した余剰汚泥の混合汚泥(p
H=6.8、TS=36600mg/l、SS=334
00mg/l、VSS(対SS)=61.7%)200
mlを300mlのビーカーに採取した。これに硫酸バ
ンド2重量%(対SS)を添加した後、pHを5.5に
調節した。これに、実施例1、2、及び比較例1で製造
した両性高分子凝集剤の何れかを添加後、ジャーテスタ
ーを用いて汚泥を150rpmで2分間攪拌して汚泥フ
ロックを生成させた。
【0083】続いて、ハンディミキサーを用いて汚泥を
560rpmで15秒間攪拌した後、生成したフロック
の粒径を測定した。本実施例のフロック径はいずれも表
2に示すように10mmを超える大きなものであった。
【0084】その後、60メッシュの網をフィルターと
して用いて、前記汚泥フロック分散液を重力濾過した。
10秒後の濾過容量を測定し、これを濾過速度として示
した。更に、遠心分離器を使用し、2000rpmで1
0分間の条件で濾過後の汚泥を脱水し、得られたケーキ
の含水量を測定した。これらの測定結果を表2に示す。
【0085】
【表2】
【0086】
【発明の効果】本発明の両性高分子凝集剤は、分子中に
アクリロイル基を有するカチオン性単量体単位と、アニ
オン性単量体単位と、その他のラジカル重合性単量体単
位とを必須構成として所定の割合で有し、且つアニオン
当量/カチオン当量の値を1.2未満にしているので、
これをパルプ又は製紙工業汚泥の脱水用に用いると、極
めて能率良く凝集作用を発揮し、強度、濾過速度、及び
含水率のバランス性に優れたフロックを得ることが出来
る。また、一般に高分子凝集剤は分子量が大きいものほ
ど良い凝集効果を示す。本発明の両性高分子凝集剤は、
アクリル酸等のアニオン性単量体単位の含有量が少な
い。このため、本両性高分子凝集剤を製造する際の仕込
モノマー中のアニオン性単量体の含有量も少なくなり、
この結果、高分子量の両性高分子凝集剤を製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/34 C08F 220/34 220/56 220/56 D21C 11/00 D21C 11/00 Z //(C08F 220/56 (C08F 220/56 220:34 220:34 220:06) 220:06) Fターム(参考) 4D015 BA06 BA10 BA19 BB05 BB09 BB12 CA11 DA06 DB07 DB13 DB15 DC06 EA35 FA03 FA19 4D059 AA05 AA06 BE08 BE13 BE16 BE26 BE38 BE55 BE56 BE61 DA17 DB24 DB25 DB26 DB28 4J100 AB02P AG04P AJ02R AJ09R AK03R AK08R AK13R AK18R AL02P AL08P AL08Q AM02P AM15P AM21R AN03P AP01R AQ12P AQ20P BA03P BA03Q BA31P BA32P BA32Q BA56R CA05 JA18 4L055 AG07 AG08 AG71 AG72 AG73 AG89 AH09 AH18 AH44 AH50 BC12 BG04 EA29 EA32 FA20 FA30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロイル基を有するカチオン性単量
    体単位を10〜40モル%と、アニオン性単量体単位を
    3〜20モル%と、その他のラジカル重合性単量体単位
    を40〜87モル%とを構成単量体単位として分子中に
    有し、かつ滴定によるアニオン当量Avとカチオン当量
    Cvとの割合がAv/Cv<1.2であることを特徴と
    するパルプ又は製紙工業汚泥用両性高分子凝集剤。
  2. 【請求項2】 アクリロイル基を有するカチオン性単量
    体単位が式(1) 【化1】 (式(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜8の炭化水
    素基又はヒドロキシアルキル基、R2及びR3は独立に炭
    素数1〜8のアルキル基である。X-は陰イオンであ
    る。)で示される単量体単位である請求項1に記載のパ
    ルプ又は製紙工業汚泥用両性高分子凝集剤。
  3. 【請求項3】 アニオン性単量体単位が式(2) 【化2】 (式(2)中、R4は水素原子又はメチル基である。M
    は水素原子、アンモニウムイオン、又はアルカリ金属イ
    オンである。)で示される単量体単位である請求項1又
    は2に記載のパルプ又は製紙工業汚泥用両性高分子凝集
    剤。
  4. 【請求項4】 その他のラジカル重合性単量体単位がア
    クリルアミド単量体単位である請求項1乃至3のいずれ
    かに記載のパルプ又は製紙工業汚泥用両性高分子凝集
    剤。
  5. 【請求項5】 パルプ又は製紙工業汚泥に請求項1乃至
    4のいずれかに記載された両性高分子凝集剤を添加して
    脱水することを特徴とするパルプ又は製紙工業汚泥の脱
    水方法。
  6. 【請求項6】 パルプ又は製紙工業汚泥に無機凝集剤を
    添加し、次いで請求項1乃至4のいずれかに記載された
    両性高分子凝集剤を添加して脱水することを特徴とする
    パルプ又は製紙工業汚泥の脱水方法。
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