JP2001146170A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2001146170A
JP2001146170A JP33064599A JP33064599A JP2001146170A JP 2001146170 A JP2001146170 A JP 2001146170A JP 33064599 A JP33064599 A JP 33064599A JP 33064599 A JP33064599 A JP 33064599A JP 2001146170 A JP2001146170 A JP 2001146170A
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slide shaft
nut
electric power
power steering
torque
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JP33064599A
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English (en)
Inventor
Yasuo Shimizu
康夫 清水
Yasuharu Oyama
泰晴 大山
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Shigeru Yamawaki
茂 山脇
Atsuhiko Yoneda
篤彦 米田
Yasuhiro Terada
泰浩 寺田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵輪を操舵するためにスライドするスライ
ド軸を、精度良く生産することにより、電動パワーステ
アリング装置の動力伝達効率を高める。 【解決手段】 電動パワーステアリング装置10は、軸
長手方向へスライド可能且つ回転不能なスライド軸35
で操舵輪21,21を操舵するものである。スライド軸
35の全長にわたってねじ部34を形成した。このねじ
部34にピニオン33を噛み合わせるとともに、このピ
ニオン33とは別の位置でねじ部34にナット131を
回転可能に取付けた。操舵トルクをピニオン33を介し
てスライド軸35に伝達するとともに、操舵トルクに応
じて電動機82が発生する補助トルクを減速機構110
並びにナット131を介してスライド軸35に付加する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動パワーステアリ
ング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ステアリングハンドルの操舵力を
軽減して快適な操舵感を与えるために、電動パワーステ
アリング装置が多用されてきた。この種の電動パワース
テアリング装置は、電動機で操舵トルクに応じた補助ト
ルクを発生し、この補助トルクをステアリング系のギヤ
機構に伝達するものであって、例えば特公平5−306
66号「電気式動力操向装置」(以下、「従来の技術」
と言う。)が知られている。
【0003】上記従来の技術は、同公報の図1に示され
る通り、軸長手方向へスライド可能且つ回転不能なラッ
ク構造体40(番号は公報に記載されたものを引用し
た。以下同じ。)の一部に螺旋溝41を形成し、この螺
旋溝41にピニオン20を噛み合わせるとともに、ピニ
オン20とは別の位置で、螺旋溝41に多数のボール3
7・・・を介して中央管状ナット構造体33を回転可能に
取付けるというものである。操舵トルクをピニオン20
を介してラック構造体40に伝達することができるとと
もに、動力援助用電気モータ30で発生した補助トルク
を中央管状ナット構造体33を介してラック構造体40
にに付加することができる。ラック構造体40がスライ
ドすることで操舵輪を操舵できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、ラ
ック構造体40(スライド軸に相当)の一部分にのみ螺
旋溝41を形成したものである。螺旋溝41を形成する
には、ラック構造体40の軸長手方向の途中から螺旋溝
加工を始め、所定の溝長さに達したときに螺旋溝加工を
止めることになる。これでは加工作業が困難であり量産
性が劣る。しかも、特に螺旋溝加工の開始点と終了点で
の加工精度にバラツキが発生し易く、品質管理が容易で
ない。螺旋溝41の加工精度が電動パワーステアリング
装置の組立精度に影響を及ぼし、この結果、電動パワー
ステアリング装置の動力伝達効率に影響を与えることに
なり、改良の余地がある。
【0005】そこで本発明の目的は、操舵輪を操舵する
ためにスライドするスライド軸を精度良く生産すること
により、電動パワーステアリング装置の動力伝達効率を
高めることができる技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、軸長手方向へスライド可能且つ回転不能
なスライド軸の全長にわたってねじ部を形成し、このね
じ部にピニオンを噛み合わせるとともに、このピニオン
とは別の位置でねじ部にナットを回転可能に取付けるこ
とで、操舵トルクをピニオンを介してスライド軸に伝達
するとともに、操舵トルクに応じて電動機が発生する補
助トルクを減速機構並びにナットを介してスライド軸に
付加し、このスライド軸で操舵輪を操舵するように構成
した電動パワーステアリング装置である。
【0007】スライド軸の全長にわたってねじ部を形成
した。このため、スライド軸に連続的にねじ加工をする
ことができる。ねじ加工を途中で止める必要がないの
で、ねじ部の全体にわたって加工精度が高まるととも
に、加工精度のバラツキが低減する。この結果、スライ
ド軸の品質管理は容易である。
【0008】請求項2は、スライド軸のうちねじ部の一
部に平坦部を形成し、この平坦部を押圧部材にて押すこ
とによりスライド軸を回転不能にしたことを特徴とす
る。簡単な構成でスライド軸を回転不能にすることがで
きる。
【0009】請求項3は、ねじ部とナットのいずれか一
方又は両方を、低摩擦剤からなる被膜層にて被覆したこ
とを特徴とする。「低摩擦剤からなる被膜層にて被覆す
る」ことには、低摩擦剤にてコーティングしたり低摩擦
剤を含浸させることを包含する。ねじ部とナットとの間
の滑り面の摩擦係数を、低摩擦剤にて低減させる。動力
伝達効率を高めることができる。
【0010】請求項4は、減速機構を駆動ギヤと従動ギ
ヤの組合せ構造とし、これらの駆動ギヤの歯面と従動ギ
ヤの歯面のいずれか一方又は両方を、低摩擦剤からなる
被膜層にて被覆したことを特徴とする。「低摩擦剤から
なる被膜層にて被覆する」ことには、低摩擦剤にてコー
ティングしたり低摩擦剤を含浸させることを包含する。
駆動ギヤの歯面と従動ギヤの歯面との間の滑り面の摩擦
係数を、低摩擦剤にて低減させたことにより、駆動ギヤ
と従動ギヤとの噛み合い隙間のばらつきによる作動具合
の調整が不要になる効果がある。従って、組立調整工数
を低減することができ、生産性が向上するとともに、動
力伝達効率を高めることができる。
【0011】請求項5は、減速機構を駆動ギヤと従動ギ
ヤの組合せ構造とし、この従動ギヤの回転中心にナット
を一体に形成し、これらの従動ギヤ並びにナットを樹脂
製品とするとともに、この樹脂製品の外周部に金属製枠
部材を一体に成形することで、従動ギヤを金属製枠部材
を介してハウジングに回転可能に支承させたことを特徴
とする。スライド軸が操舵輪を介して伝達される路面反
力等によってたわんでも、ナットが樹脂製品であるから
無理なくねじ部にナットが噛み合う。さらには、従動ギ
ヤとナットとが樹脂の一体成形品であるから、構造が簡
単である。さらにまた、樹脂製従動ギヤであるにもかか
わらず、支持部を金属製枠部材により構成したので、軸
方向の大荷重に対して十分な強度を有するとともに、支
持部の耐久性が向上する。
【0012】請求項6は、補助トルクを発生する電動機
と減速機構との間にトルクリミッタを介在させたことを
特徴とする。所定以上のトルクをトルクリミッタにてカ
ットすることで、電動機から歯車式減速機構へ伝達する
補助トルクを制限する。従って、スライド軸がスライド
エンドストッパに衝突したときに、電動機に反力として
過大なトルクが発生することはない。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の模式図である。電動パワーステアリング装置
10は、車両のステアリングハンドル11から操舵輪
(車輪)21,21に至るステアリング系22に介在し
た操舵機構23と、この操舵機構23に補助トルクを加
える補助トルク機構24とからなる。
【0014】操舵機構23は、ステアリングハンドル1
1にステアリングシャフト12及び自在軸継手13,1
3を介して連結した入力軸31と、入力軸31に連結し
た第1ギヤ機構32とからなる。第1ギヤ機構32は、
入力軸31に設けたピニオン33と、ピニオン33に噛
み合うためのねじ部34を形成したスライド軸35とか
らなり、このスライド軸35の両端に、左右のタイロッ
ド37,37を介して左右の操舵輪21,21を連結し
たものである。
【0015】補助トルク機構24は、ステアリングハン
ドル11で発生したステアリング系22の操舵トルクを
検出する操舵トルクセンサ70と、操舵トルクセンサ7
0の検出信号に基づき制御信号を発生する制御手段81
と、制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを
発生する電動機82と、電動機82にトルクリミッタ9
0及び減速機構110を介して連結した第2ギヤ機構1
30とからなる。操舵トルクセンサ70は、操舵機構2
3に取付けたものである。
【0016】第2ギヤ機構130は、減速機構110の
ウォームホイール113に設けたナット131と、ナッ
ト131に噛み合うねじ部34とからなる。ナット13
1は、ピニオン33とは別の位置でねじ部34に回転可
能に取付けることになる。第1ギヤ機構32のスライド
軸35が、第2ギヤ機構130のスライド軸を兼ねる。
【0017】このような電動パワーステアリング装置1
0によれば、運転者がステアリングハンドル11を操舵
することにより発生した操舵トルクを、入力軸31及び
第1ギヤ機構32を介して、スライド軸35に伝達する
ことができる。さらには、操舵トルクを操舵トルクセン
サ70で検出し、この検出信号に基づき制御手段81で
制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに
応じた補助トルクを電動機82で発生し、補助トルクを
トルクリミッタ90、減速機構110、第2ギヤ機構1
30を介して、スライド軸35に伝達することができ
る。従って、運転者の操舵トルクに電動機82の補助ト
ルクを加えた複合トルクによって、スライド軸35及び
左右のタイロッド37,37を介して、左右の操舵輪2
1,21を操舵することができる。
【0018】図2(a),(b)は本発明に係る操舵ト
ルクセンサの原理図である。操舵トルクセンサ70は、
鉄鋼材のように磁歪特性を有する入力軸31にトルクが
作用したときに、このトルクに応じて生じる磁歪効果を
電気コイルにて電気磁気的に検出する、磁歪式トルクセ
ンサである。このような磁歪式トルクセンサは、特開平
6−221940号公報「磁歪式トルクセンサ」に示さ
れるように、公知のセンサである。以下、操舵トルクセ
ンサ70の概要について説明する。
【0019】(a)に示す操舵トルクセンサ70は、概
ね8の字状に形成した励磁コイル71と、励磁コイル7
1とほぼ同様の大きさで概ね8の字状に形成した検出コ
イル72とを、ほぼ同心上に互いに略直交させて重ね、
これらの励磁・検出コイル71,72を1組の磁気ヘッ
ド73として、入力軸31の外周面の近傍に配置したも
のである。すなわち、入力軸31の外周面に対向して、
概ね8の字状の励磁コイル71を配置し、この励磁コイ
ル71に概ね8の字状の検出コイル72を90゜位相を
変えた状態で重ね合わせた。この場合、励磁コイル71
をなす8の字状の直線部分を、入力軸31の外周にほぼ
平行又は軸方向にほぼ平行にして配置する。74は励磁
電圧供給源、75は出力電圧増幅器である。
【0020】励磁電圧供給源74から励磁コイル71に
20〜100kHz程度の高周波数の交流電圧(励磁電
圧)を供給すれば、トルクに基づく入力軸31の磁歪効
果に対応して、検出コイル72にて励磁電圧と同じ周波
数の交流電圧(出力電圧)を得ることができる。出力電
圧は、入力軸31に作用するトルクの方向によって、励
磁電圧と同相又は逆相になる。このときの出力電圧の振
幅は、トルクの大きさに比例する。従って、励磁電圧の
位相を基準として、出力電圧を同期整流すれば、トルク
の大きさと方向を検出することができる。
【0021】出力電圧は出力電圧増幅器75にて増幅さ
れ、操舵トルクセンサ70の検出信号として、制御手段
81に発することになる。なお、入力軸31の磁化力が
小さければ、励磁コイル71と検出コイル72の巻数を
増し、これらの励磁・検出コイル71,72を1巻ずつ
交互に配列することで、対応すればよい。
【0022】(b)に示す操舵トルクセンサ70は、励
磁・検出コイル71,72からなる磁気ヘッド73を2
組準備し、これら2組の磁気ヘッド73,73を、入力
軸31の外周面の近傍に且つ入力軸31の軸線の対称位
置に配置したものである。そして、出力電圧増幅器75
で、検出コイル72,72からの出力電圧の差を増幅す
ることにより、環境温度の変化に対してあまり変化しな
い操舵トルク信号を得ることができる。
【0023】上記(a)や(b)の操舵トルクセンサ7
0を採用することにより、従来の電動パワーステアリン
グ装置において操舵トルクを検出する場合のように、入
力軸31を長手方向に二分割して、これら分割軸間をト
ーションバーにて連結する必要がない。従って、入力軸
31を簡素な構成にすることができるとともに、入力軸
31を十分に長く設定することができる。しかも、図1
に示す入力軸31に設けたピニオン33を加工する場合
に、入力軸31を加工機械にセッテイングすることが容
易であり、加工精度を一層高めることができる。加工精
度が高まると、ピニオン33とねじ部34との噛み合い
精度も高まる。この結果、第1ギヤ機構32の動力伝達
効率を高めることができる。
【0024】図3は本発明に係る電動パワーステアリン
グ装置の全体構成図であり、左端部及び右端部を断面し
て表したものである。この図は、電動パワーステアリン
グ装置10のスライド軸35を、車幅方向(図左右方
向)に延びる細長いハウジング41に軸長手方向へスラ
イド可能に収容したことを示す。スライド軸35はハウ
ジング41から突出した長手方向両端にボールジョイン
ト36,36をねじ結合し、これらのボールジョイント
36,36に左右のタイロッド37,37を連結した軸
である。
【0025】ハウジング41は、長尺の主ハウジング4
1Aとこの主ハウジング41Aの右端にボルト結合にて
一体化した副ハウジング41Bとからなり、長手方向両
端部にスライドエンドストッパ42,42(以下、単に
ストッパ42,42と言う。)を取付けたものである。
主ハウジング41Aは図示せぬ車体に取付けるためのブ
ラケット43,43を備える。
【0026】スライド軸35が右へ所定量だけスライド
すると、左のボールジョイント36の当接端面38がス
トッパ42に当る。スライド軸35が左へ所定量だけス
ライドすると、右のボールジョイント36の当接端面3
8がストッパ42に当る。このようにしてスライド軸3
5の移動量を規制することで、左右の操舵輪21,21
(図1参照)の最大操舵角を制限することができる。す
なわち、スライド軸35が移動終端まで移動したとき
に、左右の操舵輪21,21の操舵角は最大になる。図
中、44はハウジング結合ボルト、45,45はダスト
シール用ブーツである。
【0027】図4(a),(b)は本発明に係るスライ
ド軸の構成図であり、(a)はスライド軸の斜視図、
(b)は(a)のb−b線断面図である。(a)は、ス
ライド軸35の全長にわたって雄ねじの「ねじ部34」
を形成するとともに、スライド軸35のうち、ねじ部3
4の一部に平坦部46を形成したことを示す。平坦部4
6の長さは、左右の操舵輪21,21(図1参照)を最
大操舵角まで操舵するためにスライド軸35がスライド
可能な寸法である。(b)は、スライド軸35を軸直角
断面に見たとき、平坦部46の断面形状が若干窪んだ凹
状円弧面であることを示す。図中、47はボールジョイ
ント取付ねじ孔である。
【0028】図5は図3の5−5線断面図であり、操舵
機構23の縦断面構造を示す。操舵機構23は、入力軸
31、第1ギヤ機構32、操舵トルクセンサ70を主ハ
ウジング41Aに収納し、この主ハウジング41Aの上
部開口をリッド48で塞いだものである。入力軸31
は、下部にピニオン33を一体に形成し、上端部をリッ
ド48から外方へ突出したピニオン軸である。
【0029】ピニオン33は、ほぼ水平に延びるねじ部
34に直交しつつ噛み合うために、複数の歯を所定ピッ
チで配列した歯車である。さらにこのピニオン33は、
ねじ部34に対する噛み合い面積(接触面積)を増すた
めに、ねじ部34と噛み合う歯部の形状を概ね鼓状に形
成した歯車であって、一般に鼓形歯車(グロボイドピニ
オン)と言われているものである。
【0030】主ハウジング41Aは、入力軸31の下端
部及び長手中央部を、上下2個の軸受51,52を介し
て回転可能に支承することで、縦置きにセットしたもの
であり、ガイド部60を備える。53はオイルシール、
54は止め輪、55は止めナット、56はリッド取付ボ
ルトである。操舵トルクセンサ70は、主ハウジング4
1A又はリッド48に取付けたものである。
【0031】ガイド部60は、ピニオン33と反対側か
らスライド軸35の平坦部47に当てる押圧部材61
と、押圧部材61を取付けるホルダ62と、ホルダ62
を圧縮ばね63を介して押す調整ボルト64とからな
る。押圧部材61の先端面の形状は、凹状円弧面である
平坦部47に合せた凸状円弧面である。
【0032】このようなガイド部60によれば、主ハウ
ジング41Aにねじ込んだ調整ボルト64にて、圧縮ば
ね63及びホルダ62を介して押圧部材61を適切な押
圧力で押すことで、押圧部材61にてねじ部34に予圧
を与えて、ねじ部34をピニオン33に押し付けること
ができる。さらには、平坦部47を押圧部材61にて押
すことにより、スライド軸35は回転不能になる。この
スライド軸35は、押圧部材61の先端を滑ることによ
り、軸長手方向へスライド可能である。65はロックナ
ットである。
【0033】図6は図3の6−6線断面図であり、補助
トルク機構24のトルクリミッタ90、減速機構11
0、第2ギヤ機構130をハウジング41に収納した状
態を示す。電動機82は、出力軸83を横向きにして主
ハウジング41Aに取付け、主ハウジング41A内に出
力軸83を延したものである。減速機構110は、電動
機82で発生した補助トルクを第2ギヤ機構130に伝
達するトルク伝達手段であって、駆動ギヤと従動ギヤの
組合せ構造である、ウォームギヤ機構からなる。詳しく
は、減速機構110は、電動機82の出力軸83にトル
クリミッタ90を介して連結した伝動軸111と、伝動
軸111に形成したウォーム(駆動ギヤ)112と、ウ
ォーム112に噛み合うウォームホイール(従動ギヤ)
113とからなる。
【0034】ウォーム112の歯面とウォームホイール
113の歯面との、いずれか一方又は両方を、表面処理
することによって、低摩擦剤からなる被膜層にて被覆す
ることができる。低摩擦剤からなる被膜層にて被覆する
には、例えば、低摩擦剤にてコーティングしたり低摩擦
剤を含浸させる。低摩擦剤にて、ウォーム112の歯面
とウォームホイール113の歯面との間の、滑り面の摩
擦係数を所定値まで低減させることにより、動力伝達効
率を高めることができる。さらには、ウォーム112の
歯面とウォームホイール113の歯面との噛み合わせ精
度に若干のバラツキがあっても、滑り面の摩擦係数が小
さいので比較的円滑に動力伝達をさせることができる。
このため、噛み合い具合の調整作業は不要である。低摩
擦剤としては、例えば、ポリテトラフルエチレン(略
記;PTFE、登録商標;テフロン)等のフッ素樹脂が
ある。フッ素樹脂は摩擦係数が極めて小さい。
【0035】上記低摩擦剤を用いる表面処理方法として
は、次の第1表面処理方法や第2表面処理方法がある。 (1)第1表面処理方法は、ウォーム112やウォーム
ホイール113の材質を機械構造用炭素鋼鋼材(JIS-G-
4051)等の鉄鋼とし、所定の処理液中でウォーム112
の歯面やウォームホイール113の歯面に無電解ニッケ
ルとPTFEを共析させ、被膜の中にPTFEを容積比
で10〜30%まで均一に含ませ、被膜生成後に熱処理
(約400℃で焼成)を施すことで、歯面に無電解ニッ
ケルとPTFEの被膜を強固に密着させる処理方法であ
る。被膜の厚みは5〜20μmである。この第1表面処
理方法は、アルバックテクノ(株)の「ニフグリップ
(登録商標)」として知られている。
【0036】(2)第2表面処理方法は、ウォーム11
2やウォームホイール113の材質を機械構造用炭素鋼
鋼材(JIS-G-4051)等の鉄鋼とし、ウォーム112の歯
面やウォームホイール113の歯面に、無電解メッキ法
にてニッケル・リンの多孔性被膜を形成し、この多孔性
被膜にPTFEを含浸させ、その後に、熱処理(約40
0℃で焼成)を施すことで、歯面に被膜を強固に密着さ
せる処理方法である。歯面に密着した被膜は、粒子状に
析出したニッケル・リンの多孔性被膜にPTFEを含浸
させたものであり、厚みは5〜20μmである。この第
2表面処理方法は、アルバックテクノ(株)の「ニダッ
クス(登録商標)」として知られている。
【0037】伝動軸111は、出力軸83と同心上に配
置し、2個の軸受114,115を介して主ハウジング
41Aにて回転可能に支承した軸である。主ハウジング
41Aは、出力軸83に近い位置にある第1軸受114
を軸方向移動不能に取付け、出力軸83から遠い位置に
ある第2軸受115を軸方向移動可能に嵌合したもので
ある。
【0038】さらには、第2軸受115の外輪の端面
を、板ばね116を介して調整ボルト117で出力軸8
3側に押している。調整ボルト117と薄板円盤状の板
ばね116の押圧力にて、第1・第2軸受114,11
5に予圧を与えることで、伝動軸111の軸方向の遊び
がないように調整する、すなわち、ガタ取りすることが
できる。しかも、ウォーム112の軸方向変位を調整し
て、ウォーム112とウォームホイール113の噛み合
いを、適切な摩擦を保ちつつガタが無いように調整する
ことができる。また、板ばね116の弾性力により、伝
動軸111の軸方向の熱膨張等を吸収することができ
る。118はロックナット、119は止め輪である。
【0039】図7は本発明に係るトルクリミッタの断面
図である。本発明は、電動機82と減速機構110との
間にトルクリミッタ90を介在させたことを特徴とす
る。トルクリミッタ90は、電動機82の出力軸83に
セレーション結合したインナ部材91を、伝動軸111
にセレーション結合した筒状のアウタ部材93に嵌合し
たトルク制限機構である。
【0040】インナ部材91は外周面92を、伝動軸1
11の先端に向って先細りテーパとした雄部材である。
アウタ部材93は内周面94を、インナ部材91の外周
面92が嵌合するべく先広がりテーパとした雌部材であ
る。テーパ状の外周面92をテーパ状の内周面94に嵌
合し、インナ部材91の後端面95を皿ばね96で弾発
しつつ止め輪97で抜け止めすることで、トルクリミッ
タ90を組立ることができる。101はスペーサ、10
2はワッシャ、103は皿ばねである。
【0041】皿ばね96の弾発力で、外周面92を内周
面94に押し付けて予圧を与えることにより、外周面9
2を内周面94に所定の摩擦力を有して、連結すること
ができる。このようなトルクリミッタ90であるから、
所定の摩擦力を上回る大きなトルクが作用すると、外周
面92と内周面94との間がスリップする。この結果、
電動機82から減速機構110へ伝達する補助トルクを
制限、すなわち、オーバートルクをカットすることがで
きる。従って、電動機82に過大なトルクが発生するこ
とはなく、また、負荷側に過大なトルクが伝わることも
ない。
【0042】さらには、インナ部材91をアウタ部材9
3にテーパにて嵌合したので、両者の組立精度は高く、
心合せも容易である。従って、出力軸83に対する伝動
軸111の組立精度は高く、心合せも容易である。ま
た、比較的高速回転する電動機82と減速機構110と
の間に、トルクリミッタ90を介在させたので、トルク
リミッタ90が小さくてすみ、トルクリミッタ90の小
型化、低コスト化を図ることができる。小型のトルクリ
ミッタ90であるから配置スペースが少なくてすむの
で、主ハウジング41Aに収納することが容易である。
【0043】図8は本発明に係る補助トルク機構の断面
図であり、上記図3に示す補助トルク機構24を拡大し
て表したものである。この図は、主ハウジング41Aと
副ハウジング41Bとによって収納空間部Sを形成し、
この収納空間部Sに補助トルク機構24の減速機構11
0及び第2ギヤ機構130を収納したことを示す。スラ
イド軸35の全長にわたってねじ部34を形成している
ので、ハウジング41の左右両端位置ではスライド軸3
5を支承していない。ねじ部34がハウジング41に擦
れるて摩耗するからである。
【0044】ところで、ウォームホイール113を樹脂
製品にすることができ、その場合には、この樹脂製品の
外周部に金属製枠部材121を一体に成形する。枠部材
121を軸受122,123を介して主ハウジング41
Aにて支承することで、ハウジング41に枠部材121
を介してウォームホイール113を回転可能に且つ軸長
手方向(図左右方向)にスライド不能に支承することが
できる。樹脂製ウォームホイール113であるにもかか
わらず、金属製枠部材121により大荷重に対して十分
な支持剛性を有する。124,125は止めナットであ
る。
【0045】ナット131はスライド軸35の中心、す
なわちウォームホイール113の回転中心Oにおいて、
ウォームホイール113に一体に形成したものである。
例えば、図に示すようにウォームホイール113にナッ
ト131としての雌ねじを形成することができる。この
場合には、ナット131も樹脂製品である。スライド軸
35が操舵輪21,21(図1参照)を介して伝達され
る路面反力等によってたわんでも、ナット131が樹脂
製品であるから無理なくねじ部34にナット131が噛
み合うことができる。従って、このため、ナット131
からねじ部34へ動力を確実に伝達できるとともに、ス
ライド軸35からの反力に対して十分に耐える。さらに
は、ウォームホイール113とナット131とを樹脂の
一体成形品とするので、構造が簡単で生産が容易であ
る。その他に、ウォームホイール113に別部材からな
るナット131をインサート成形により設けることもで
きる。この場合には、ナット131を樹脂製品又は金属
製品にすることができる。
【0046】ウォームホイール113が軸長手方向にス
ライド不能であるから、ナット131も軸長手方向にス
ライド不能である。電動機82で発生した補助トルク
を、ウォーム112、ウォームホイール113並びにナ
ット131を介してスライド軸35に付加することがで
きる。
【0047】以上の説明から明らかなように、ねじ部3
4のリード、すなわちナット131を1回転したときに
スライド軸35が軸長手方向へ進む進み量を小さく設定
することにより、電動機82の回転数を減速機構110
及び第2ギヤ機構130で2段減速し、減速比を大きく
することができる。所定の補助トルクを得るのに、減速
比に応じて電動機82を小型化することができる。ま
た、ねじ部34やウォーム112のリードを大きくする
ことで、進み角(ねじの傾斜角)を摩擦角よりも大きく
設定することにより、電動機82の停止中に、操舵トル
クだけでスライド軸35を軸長手方向へスライドさせる
ことができる。
【0048】ところで、ねじ部34とナット131のい
ずれか一方又は両方を、表面処理することによって、低
摩擦剤からなる被膜層にて被覆することができる。低摩
擦剤からなる被膜層にて被覆するには、例えば、低摩擦
剤にてコーティングしたり低摩擦剤を含浸させる。低摩
擦剤にて、ねじ部34の歯面とナット131の歯面との
間の、滑り面の摩擦係数を所定値まで低減させることに
より、動力伝達効率を高めることができる。さらには、
ねじ部34の歯面とナット131の歯面との噛み合わせ
精度に若干のバラツキがあっても、滑り面の摩擦係数が
小さいので比較的円滑に動力伝達をさせることができ
る。このため、噛み合い具合の調整作業は不要である。
【0049】低摩擦剤としては、例えば、ポリテトラフ
ルエチレン(略記;PTFE、登録商標;テフロン)等
のフッ素樹脂がある。低摩擦剤を用いる表面処理方法と
しては、ウォーム112の歯面並びにウォームホイール
113の歯面の表面処理方法と同じ方法を採用すること
ができる。この場合には、ねじ部34とナット131の
材質を機械構造用炭素鋼鋼材(JIS-G-4051)等の鉄鋼に
する。
【0050】図9(a)〜(c)は本発明に係るスライ
ド軸の製造手順図である。スライド軸35を製造するに
は、次の(a)〜(c)の手順による。先ず(a)にお
いて、鉄鋼材からなる丸棒35Aを転造機151に連続
的に供給する。転造機151は、周速V1,V2が異な
る2個の丸形ダイス152,153を備えた差速式転造
機である。周速V1,V2の差の半分の速度で丸棒35
Aを移動させつつ、転造によって丸棒35Aにねじ部3
4を連続的にねじ加工することができる。次に、ねじ部
34を形成した丸棒35Aを所定長さ毎にカッタ154
にて切断して軸半完成品35Bを得る。
【0051】その後(b)のように、軸半完成品35B
の両端にボールジョイント取付ねじ孔47,47を開け
る。最後に(c)のように、ねじ部34の一部に平坦部
46を形成してスライド軸35を得る。このようにし
て、全長にわたってねじ部34を形成したスライド軸3
5を製造することができる。なお、上記製造手順につい
ては、上記構成のスライド軸35の構成を明確にするた
めに説明したものであり、製造方法並びに製造手順は任
意である。例えば、切削機によってねじ加工を行っても
よい。
【0052】このように、スライド軸35の全長にわた
ってねじ部34を形成するものであるから、ねじ加工を
連続的に行うことができる。このため、ねじ加工作業が
極めて容易である。しかも、ねじ加工を途中で止めるこ
とがないので、加工精度を容易に高めることができると
ともに、加工精度のバラツキを抑制することができる。
この結果、スライド軸35の品質管理が容易である。
【0053】図10(a)〜(e)は電動パワーステア
リング装置の作用説明図であり、(a),(b)は本発
明の電動パワーステアリング装置10を示す模式図、
(c)〜(e)は比較例の電動パワーステアリング装置
200を示す模式図である。
【0054】(c)は比較例の電動パワーステアリング
装置200の平面模式図であり、上記従来の技術の欄に
おいて説明した、特公平5−30666号「電気式動力
操向装置」の同公報の図1を再掲したところの模式図で
ある。なお、符号は従来の技術と相違する。電動パワー
ステアリング装置200は、スライド軸201(ラック
構造体)の両端にタイロッド202,202を介して操
舵輪203,203を連結し、また、スライド軸201
の一端部にボールナット機構204(中央管状ナット構
造体)を組付け、スライド軸201の軸長手方向の途中
でねじ部205(螺旋溝)にピニオン206を噛み合わ
せ、スライド軸201の他端部をピニオン206の反対
側からガイド部207で押し付けたものである。
【0055】(d)は上記(c)に示すスライド軸20
1回りの更なる模式図である。この模式図によると、ス
ライド軸201をボールナット機構204の位置と、ピ
ニオン206並びにガイド部207の位置とで支持した
ものである。(e)は上記(d)に示すスライド軸20
1回りの模式的作用図である。
【0056】(c)〜(e)において、運転者の操舵ト
ルクがピニオン206からねじ部205に伝達されると
き、スライド軸201には軸長手方向の力と軸直角方向
の力Pが作用する。軸直角方向の力Pはねじ部205が
後退してピニオン206から離れる方向の力であり、歯
型の圧力角に応じて生じる分力である。力Pによって、
スライド軸201は(c)の太線で示すようにたわみ量
δだけたわむ。このため、スライド軸201の剛性を高
める必要があり、改良の余地がある。
【0057】これに対して、本発明の電動パワーステア
リング装置10の作用は次のようになる。(a)は上記
図1のシステムに図3の電動パワーステアリング装置1
0を組合せた、平面的な模式図である。なお、符号は上
記図1及び図3に示すものと同一であり、その説明を省
略する。(b)は上記(a)に示すスライド軸35回り
の更なる模式図であり、スライド軸35をピニオン33
とナット131とで支持するとともに、ピニオン33の
反対側から押圧部材61で押し付けていることを示す。
【0058】(a),(b)において、ピニオン33は
スライド軸35を車体前方から支持し、押圧部材61は
スライド軸35を車体後方から押し付けたものである。
また、ハウジング41に支持されたウォームホイール1
13にナット132を設け、このナット132をスライ
ド軸35に組付けたので、ナット132によってスライ
ド軸35を車体前方並びに車体後方(図面では上下方
向)から支持することになる。操舵トルクがピニオン3
3からねじ部34に伝達されるとき、スライド軸35に
軸直角方向の力が作用しても、スライド軸35に曲げモ
ーメントが生じることはなく、たわむこともない。この
ため、スライド軸35は上記(c)のスライド軸201
のように剛性を高める必要がなく有利である。
【0059】なお、上記実施の形態並びに変形例におい
て、トルクリミッタ90は、摩擦式トルクリミッタに限
定されるものではない。また、減速機構110は、ウォ
ームギヤ機構に限定されるものではなく、例えば、ベベ
ルギヤ機構や平歯車機構であってもよい。
【0060】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、軸長手方向へスライド可能且つ回転
不能なスライド軸の全長にわたってねじ部を形成したの
で、スライド軸に連続的にねじ加工することができる。
このため、ねじ加工作業が極めて容易であり量産性が高
まる。しかも、ねじ加工を途中で止めることがないの
で、ねじ部の全体にわたって加工精度を容易に高めるこ
とができるとともに、加工精度のバラツキを抑制するこ
とができる。この結果、スライド軸の品質管理が容易で
ある。
【0061】これによりナットを直接、ねじ部に嵌合可
能となり、ナットにより直接電動機の回転をスライド軸
の軸方向変位の推力に変換できるので、複数個のボール
や、これらのボールを循環して一巡するボール循環ユニ
ットなどの部品が不要となり、部品数が少なくなるばか
りか、構造が単純になり、高い要求加工精度、組立精度
に対して製作、組立、検査が容易になり、しかも、作動
音も静粛にできる。
【0062】さらに、ナットにボール循環ユニットを必
要としないために、大歯車(従動ギヤ)の取付け又は一
体加工が容易であることから、ナットに大歯車を取付け
又は一体化し、小歯車(駆動ギヤ)と噛み合わせた減速
装置を設けることで、電動機の動力を大きく減速してナ
ットに作用させることができ、電動機の大きな発生トル
クが不要となり、電動機を小型化できる効果を有する。
【0063】さらにまた、スライド軸を精度良く生産す
ることにより、電動パワーステアリング装置の動力伝達
効率を高めることができる。
【0064】請求項2は、スライド軸のうちねじ部の一
部に平坦部を形成し、この平坦部を押圧部材にて押すよ
うにしたので、簡単な構成でスライド軸を回転不能にす
ることができる。
【0065】請求項3は、ねじ部とナットのいずれか一
方又は両方を、低摩擦剤からなる被膜層にて被覆したの
で、ねじ部とナットとの間の滑り面の摩擦係数を、低摩
擦剤にて低減させることにより、ねじ部とナットとの嵌
合隙間のばらつきによる作動具合の調整・検査が不要に
なる。従って、調整・検査工数を削減することができ、
組立性が向上するとともに、第2ギヤ機構の動力伝達効
率を高めることができる。
【0066】請求項4は、減速機構を駆動ギヤと従動ギ
ヤの組合せ構造とし、これらの駆動ギヤの歯面と従動ギ
ヤの歯面のいずれか一方又は両方を、低摩擦剤からなる
被膜層にて被覆したので、駆動ギヤの歯面と従動ギヤの
歯面との間の滑り面の摩擦係数を、低摩擦剤にて低減さ
せることにより、駆動ギヤと従動ギヤとの噛み合い隙間
のばらつきによる作動具合の調整・検査が不要になる。
従って、組立・調整・検査工数を削減することができ、
組立性が向上するとともに、減速機構の動力伝達効率が
高まる。
【0067】請求項5は、減速機構を駆動ギヤと従動ギ
ヤの組合せ構造とし、この従動ギヤの回転中心にナット
を一体に形成し、これらの従動ギヤ並びにナットを樹脂
製品とするとともに、この樹脂製品の外周部に金属製枠
部材を一体に成形することで、従動ギヤを金属製枠部材
を介してハウジングに回転可能に支承させたので、スラ
イド軸が操舵輪を介して伝達される路面反力等によって
たわんでも、ナットが樹脂製品であるから無理なくねじ
部にナットが噛み合うことができる。従って、ナットか
らねじ部へ動力を確実に伝達できるとともに、スライド
軸からの反力に対して十分に耐える。さらには、従動ギ
ヤとナットとを樹脂の一体成形品としたので、構造が簡
単で生産が容易である。さらにまた、樹脂製従動ギヤで
あるにもかかわらず、支持部を金属製枠部材により構成
し軸方向を支持したので、軸方向の大荷重に対して十分
な強度を有するとともに、支持部の耐久性が向上する。
【0068】請求項6は、電動機と減速機構との間にト
ルクリミッタを介在させたので、所定以上のトルクをト
ルクリミッタにてカットすることにより、電動機から減
速機構へ伝達する補助トルクを制限することができる。
従って、スライド軸がスライドエンドストッパに衝突し
たときに、電動機に反力として過大なトルクが発生する
ことはなく、また、負荷側に過大なトルクが伝わること
もない。特に、ねじ部やナットに過大なトルクが伝わら
ないので、これらの部材の耐久性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の模
式図
【図2】本発明に係る操舵トルクセンサの原理図
【図3】本発明に係る電動パワーステアリング装置の全
体構成図
【図4】本発明に係るスライド軸の構成図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】本発明に係るトルクリミッタの断面図
【図8】本発明に係る補助トルク機構の断面図
【図9】本発明に係るスライド軸の製造手順図
【図10】電動パワーステアリング装置の作用説明図
【符号の説明】
10…電動パワーステアリング装置、21…操舵輪(車
輪)、31…入力軸、32…第1ギヤ機構、33…ピニ
オン、34…ねじ部、35…スライド軸、41…ハウジ
ング、46…平坦部、61…押圧部材、70…操舵トル
クセンサ、82…電動機、90…トルクリミッタ、11
0…減速機構、112…駆動ギヤ(ウォーム)、113
…従動ギヤ(ウォームホイール)、121…金属製枠部
材、130…第2ギヤ機構、131…ナット、R1…従
動ギヤの回転中心。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 勝治 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 山脇 茂 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 米田 篤彦 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 寺田 泰浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D033 CA04 CA05 CA16 CA27 CA28 JB01 JB03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸長手方向へスライド可能且つ回転不能
    なスライド軸の全長にわたってねじ部を形成し、このね
    じ部にピニオンを噛み合わせるとともに、このピニオン
    とは別の位置でねじ部にナットを回転可能に取付けるこ
    とで、操舵トルクをピニオンを介してスライド軸に伝達
    するとともに、操舵トルクに応じて電動機が発生する補
    助トルクを減速機構並びにナットを介してスライド軸に
    付加し、このスライド軸で操舵輪を操舵するように構成
    した電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記スライド軸のうち前記ねじ部の一部
    に平坦部を形成し、この平坦部を押圧部材にて押すこと
    によりスライド軸を回転不能にしたことを特徴とする請
    求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記ねじ部と前記ナットのいずれか一方
    又は両方を、低摩擦剤からなる被膜層にて被覆したこと
    を特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装
    置。
  4. 【請求項4】 前記減速機構を、駆動ギヤと従動ギヤの
    組合せ構造とし、これらの駆動ギヤの歯面と従動ギヤの
    歯面のいずれか一方又は両方を、低摩擦剤からなる被膜
    層にて被覆したことを特徴とする請求項1記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記減速機構を、駆動ギヤと従動ギヤの
    組合せ構造とし、この従動ギヤの回転中心に前記ナット
    を一体に形成し、これらの従動ギヤ並びにナットを樹脂
    製品とするとともに、この樹脂製品の外周部に金属製枠
    部材を一体に成形することで、従動ギヤを金属製枠部材
    を介してハウジングに回転可能に支承させたことを特徴
    とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 【請求項6】 前記電動機と前記減速機構との間にトル
    クリミッタを介在させたことを特徴とする請求項1記載
    の電動パワーステアリング装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007504408A (ja) * 2003-09-06 2007-03-01 シャエフラー カーゲー 機械要素

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