JP2001144077A - プラズマ処理装置及び方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及び方法

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JP2001144077A
JP2001144077A JP32428799A JP32428799A JP2001144077A JP 2001144077 A JP2001144077 A JP 2001144077A JP 32428799 A JP32428799 A JP 32428799A JP 32428799 A JP32428799 A JP 32428799A JP 2001144077 A JP2001144077 A JP 2001144077A
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frequency power
plasma
chamber
plasma processing
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Keiji Horioka
啓治 堀岡
Yoshio Ishikawa
吉夫 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ中のイオン密度及びイオンエネルギ
ーを個別に変更し得る制御性を向上できるプラズマ処理
装置を提供する。 【解決手段】 本発明によるプラズマ処理装置としての
エッチング装置10は、半導体基板1が収容され、プラ
ズマを形成するためのガスが供給されるチャンバ14
と、このチャンバ14内に設置され、半導体基板1を支
持するサセプタ11と、このサセプタ11に対向して配
置された対向電極13と、所定範囲の周波数から選択さ
れる任意の周波数を有する高周波電力を出力可能な高周
波電源部4とを備え、高周波電力がサセプタ11に印加
されることにより、チャンバ14内にプラズマが形成さ
れることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマ処理装置及
び方法に関し、詳しくは、被処理基体のエッチング、C
VD法又はPVD法による成膜処理に用いられるプラズ
マ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造におけるエッチン
グや化学気相成長(CVD)で使用されるプラズマ処理
装置としては、従来より図12に示す装置が一般に用い
られてきた。図12は、従来のプラズマ処理装置の構成
を示す模式断面図である。エッチング装置70は、反応
室72を有するチャンバ74を備えており、このチャン
バ74は、半導体基板1を支持するサセプタ71と、接
地された対向電極73を有している。サセプタ71には
高周波電源RF0が接続されている。このエッチング装
置70では、チャンバ74内がポンプ77によって減圧
された後、反応ガスがガス供給系76から供給され、サ
セプタ71に高周波電力が印加されて反応室72内にプ
ラズマが発生し、半導体基板1のエッチングが行われ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな装置の特性について検討した結果、以下のような問
題点を発見した。図13は、エッチング装置70におけ
る高周波電源RF0の出力に対するイオン密度ne(電
子密度に相当する。以下同様)及びイオンエネルギーE
iの変化を模式的に示すグラフである。イオン密度(直
線L0)及びイオンエネルギー(直線L1)は、高周波
電力の出力の増加とともに増大する傾向にある。一般
に、エッチング速度を上げるにはイオン密度を大きくす
ればよいが、図13より、イオン密度の高い出力ではイ
オンエネルギーも大きくなる。ところが、イオンエネル
ギーが過大であると、選択比が低下して半導体基板の下
地までスパッタされてしまい、そのスパッタされた物質
がエッチング部の周囲に堆積するおそれがある。また、
この場合には、チャンバ74の内壁やチャンバ74内の
部材が消耗してしまうことがある。一方、イオンエネル
ギーが過小であると、アンダーカットやボーイングが発
生したり、エッチング速度が低下する傾向にある。
【0004】このような困難を解決するために、電子密
度とイオンエネルギーとを独立に制御するための装置
(例えば、米国特許第4464223号公報、特開平9
−129397号公報参照)が開発された。図14は、
従来の他のプラズマ処理装置の構成を示す模式断面図で
ある。エッチング装置80は、チャンバ84内に第1電
極83及び第2電極89を有している。第1電極83は
接地されており、サセプタ71及び第2電極89には、
それぞれ高周波電源RF1,RF2がマッチングネット
ワーク41,42を介して接続されている。そして、高
周波電源RF1,RF2から異なる周波数の高周波電力
が印加されると、プラズマが形成され、かつ、半導体基
板1のエッチングが行われる。
【0005】図15(a)は、エッチング装置80にお
ける高周波電源の出力に対するイオン密度の変化を模式
的に示すグラフであり、図15(b)は、同高周波電源
RF2の出力に対するイオンエネルギーの変化を模式的
に示すグラフである。図15(a)及び(b)に示すよ
うに、高周波電源RF1,RF2の出力を個別に変化さ
せることによってイオン密度及びエネルギーを独立して
制御することを意図している。
【0006】また、図16は、従来の更に他のプラズマ
処理装置の構成を示す断面模式図である。エッチング装
置90は、導結合型プラズマを用いた装置であり、チャ
ンバ94内に対向電極93と誘電体窓99が配置され、
誘電体窓99の外周に交流電源RF3に接続されたコイ
ルアンテナ98が巻き付けられている。そして、コイル
アンテナに交流電流が印加されて反応室72内に交番磁
界によるプラズマが形成され、サセプタ71に高周波電
力が印加されると半導体基板1のエッチングが行われ
る。
【0007】しかし、エッチング装置80は、電極を二
つ備え、それらがプラズマに曝されて消耗するので、運
用コストが増大する傾向にあった。また、チャンバ内に
発生する不純物量が多くなり、半導体基板の汚染が発生
し易い傾向にあった。加えて、高周波電源が二系統必要
であり、装置構成が複雑であった。さらに、異なる周波
数の高周波電力が互いに影響を及ぼし、イオン密度及び
エネルギーを十分に独立して制御することが困難な傾向
にあった。また、エッチング装置90では、反応室内の
温度制御、及び、イオン密度及びエネルギーの十分な独
立制御が困難な傾向にあった。
【0008】そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなさ
れたものであり、簡易な装置構成で、プラズマ中のイオ
ン密度及びイオンエネルギーを個別に変更し得る制御性
(独立制御性)を向上できるプラズマ処理装置及び方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ね、高周波電力の出力、
高周波電力の周波数、プラズマ中のイオン密度及びイオ
ンエネルギーの相互関係を見出し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明のプラズマ処理装置は、被処
理基体をプラズマによって処理するものであって、被処
理基体が収容され、プラズマを形成するためのガスが供
給されるチャンバと、チャンバ内に設置され、被処理基
体を支持する支持部と、チャンバ内に設置され、支持部
に対向して配置された対向電極と、所定範囲の周波数か
ら選択される任意の周波数を有する高周波電力を出力可
能な高周波電源部とを備え、高周波電力が支持部及び対
向電極のうち少なくともいずれか一方に印加されること
により、チャンバ内にプラズマが形成されることを特徴
とする。
【0010】このように構成されたプラズマ処理装置で
は、被処理基体がチャンバ内の支持部に設置され、プラ
ズマを形成するためのガスが供給された後、支持部及び
対向電極のうち少なくといずれか一方、例えば支持部に
高周波電力が印加されると、チャンバ内に主に連続グロ
ー放電によるプラズマが形成される。プラズマ中に生じ
たイオンは、支持部と対向電極との間の電位によって、
被処理基体の表面に入射し、表面の物質と反応して表面
のエッチング等が行われる。
【0011】また、支持部及び対向電極の極性、及びチ
ャンバに供給されるガスの種類によっては、プラズマ中
に生じたイオンが被処理基体上に堆積する。例えば、対
向電極に高周波電力が印加され、CVD(Chemical Vap
or Deposition;化学的気相堆積)用の原料ガスがチャ
ンバに供給される場合には、プラズマ中に生じたイオン
は、被処理基体の表面又は表面上方で反応してその表面
に堆積する。
【0012】さらに、チャンバが、スパッタリングとい
ったPVD(Physical Vapor Deposition;物理的気相
堆積)法による成膜等を行うチャンバであり、例えば不
活性ガスをチャンバ内に供給し、対向電極としてスパッ
タターゲットを有する電極に高周波電力を印加した場合
には、プラズマ中で電離されたイオンがターゲットをス
パッタし、スパッタされた物質が被処理基体表面に堆積
していく。
【0013】ここで、高周波電源部から異なる周波数を
有する高周波電力が支持部及び/又は対向電極に印加さ
れると、プラズマ中の電子及びイオンの状態が以下のよ
うに変化する。すなわち、高周波電力の出力が一定であ
れば、周波数が高いほど、イオン密度は大きくなる一方
で、イオンエネルギーが小さくなる。逆に周波数が低い
ほど、イオン密度は小さくなる一方で、イオンエネルギ
ーが大きくなる。また、高周波電力の出力を高めると、
イオン密度及びエネルギーともに増加する。
【0014】このとき、イオン密度の増加率は、周波数
が高いほど大きく、イオンエネルギーの増加率は、周波
数が低いほど大きくなる。よって、被処理基体を構成す
る物質の表面処理に適した所望のイオン密度及びイオン
エネルギーが、高周波電力の周波数を変化させることに
より適宜得られる。しかも、従来のような高周波電力の
発生部及び電極を二種類有する複雑な装置構成ではな
く、例えば平行平板電極といった簡易な装置構成によっ
て、イオン密度及びイオンエネルギーの独立性制御性が
高められる。また、従来のような周波数の異なる2つの
高周波電力を印加しないので、高周波電力相互の影響が
ない。よって、イオン密度とイオンエネルギーの制御の
独立性が高められる。また、上記のスパッタリングを行
う場合にも、スパッタされた物質の密度及び被処理基体
への入射衝撃を適宜制御することが可能となる。
【0015】さらに、支持部及び対向電極のうち少なく
ともいずれか一方と、高周波電源部との間に接続され、
支持部及び対向電極のうち少なくともいずれか一方に出
力される高周波電力の周波数を一定にした状態で、高周
波電源部よりもプラズマ側(ただし、高周波電源部を含
まない)のインピーダンスと、高周波電源部の出力イン
ピーダンスとを整合させるインピーダンス整合部を更に
備えると好ましい。
【0016】このようにすれば、グロー放電によるプラ
ズマ形成において消費される電力が高められ、放電効率
が増大される。よって、イオンを生成する際のエネルギ
ー効率を向上される。また、高周波電源部よりもプラズ
マ側、すなわちプラズマ(負荷)及びインピーダンス整
合器のインピーダンス(合成値)と、高周波電力を出力
する側である高周波電源部の出力インピーダンスとの不
整合が解消され、高周波電源部の内部回路を保護でき
る。さらに、インピーダンスの整合を行う際に、高周波
電力の周波数が一定に保持されるので、被処理基体のプ
ラズマ処理に最適な周波数を確実に維持しつつ、放電効
率が低下するおそれを十分に低減できる。
【0017】またさらに、インピーダンス整合部は、支
持部及び対向電極のうち少なくともいずれか一方に接続
され、支持部及び対向電極のうち少なくともいずれか一
方から反射される高周波成分を検知する反射波検知部
と、反射波検知部及び高周波電源部に接続され、反射波
検知部から出力される高周波成分の強度及び位相に基づ
いて自己インピーダンスを変化させるインピーダンス可
変部とを有するものであるとより好ましい。
【0018】このようにすれば、インピーダンス整合部
がプラズマ側から反射される高周波成分を検知すること
により、高周波電源部よりもプラズマ側と、高周波電源
部の出力インピーダンスとの不整合の度合いが把握され
る。そして、反射波の強度及び位相に基づいて、自己イ
ンピーダンスを変化させることにより、高周波電源部よ
りもプラズマ側全体のインピーダンスを変化させてイン
ピーダンスの整合をとることができる。よって、高周波
電力の周波数を変化させるような高周波電源部へのフィ
ードバックが行われないので、高周波電力の周波数が好
適な値に維持される。
【0019】またさらに、チャンバの周囲に配置され、
チャンバ内に磁場を誘導する磁場形成部を更に備えると
一層好ましい。この磁場形成部によりチャンバ内に磁場
が誘導されると、プラズマを形成するための放電効率が
一層高められ、エッチング、成膜等のプラズマ処理の速
度が向上される。さらにまた、高周波電源部は、1〜5
0MHzの範囲から選択される任意の周波数を有する高
周波電力を出力するものであると好適である。この周波
数が1MHz未満であると、十分なイオン密度が得られ
難い傾向にある。一方、上記周波数が50MHzを超え
ると、十分なイオンエネルギーを得難くなる傾向にあ
る。
【0020】また、本発明のプラズマ処理方法は、被処
理基体をプラズマによって処理する方法であって、本発
明のプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理に好適な方
法である。すなわち、支持部及び対向電極を有するチャ
ンバ内に被処理基体を収容し、支持部に被処理基体を設
置する第1の工程と、チャンバ内に所定のガスを供給す
る第2の工程と、第1の周波数を有する第1の高周波電
力の印加によってチャンバ内に形成されたプラズマによ
り被処理基体を処理する第3の工程と、第1の周波数と
異なる第2の周波数を有する第2の高周波電力の印加に
よってチャンバ内に形成されたプラズマにより被処理基
体を処理する第4の工程とを備えることを特徴とする。
【0021】このようなプラズマ処理方法によれば、被
処理基体を構成する各層(膜)のエッチング、被処理基
体上への成膜等に際して、各層又は膜質に適したイオン
密度及びイオンエネルギーが発現される周波数を有する
高周波電力を用いてプラズマが形成される。この場合、
まず、ある層の構成物質又は膜質に適した第1の周波数
を有する第1の高周波電力を印加し、その層のエッチン
グ、又は、成膜の一部を行う。次に、別の層の構成物
質、又は、残りの成膜に適した第2の周波数を有する第
2の高周波電力を印加して、その別の層のエッチング、
又は、残りの成膜を行う。こうすることにより、被処理
基体の連続処理を良好にかつ高速で行うことができる。
【0022】さらに、第1の工程においては、被処理基
体として、複数の物質が積層された半導体基板を用い、
上記物質が下記式(1); Ea(i)>Ea(j) …(1) (式中、Eaは、上記物質とプラズマ中で生成されるイ
オンとの反応の活性化エネルギーを示し、添字i及びj
は物質を識別するための記号である。)、で表される関
係を満たすときに、第3の工程における第1の周波数と
第4の工程における第2の周波数とが下記式(2); F(i)<F(j) …(2) (式中、F(i)は、第1又は第2の周波数のうちいず
れか一方の周波数を示し、F(j)は他方の周波数を示
し、添字i及びjは上記式(1)に示すものと同一であ
る。)、で表される関係を満たすように、第1及び第2
の高周波電力をチャンバに印加すると好ましい。
【0023】プラズマ中で生成された活性種であるイオ
ンにより被処理基体の表層をエッチングしたり除去する
といったプラズマ処理の場合、その表層を構成する物質
及び上記イオンによる反応の活性化エネルギー以上の運
動エネルギーが、活性種に付与されると、その反応が進
行する。よって、式(1)で表される活性化エネルギー
の大小に基づいて、式(2)で表される関係を満たすよ
うな第1の周波数及び第2の周波数を有する高周波電力
によりプラズマを形成することにより、被処理基体を構
成する各層毎のエッチング反応を制御することができ、
選択比の高い連続処理が可能となる。
【0024】具体的には、活性化エネルギーが相対的に
小さい物質に対しては、相対的に高い周波数の高周波電
力を用いてイオンエネルギーを必要な程度に小さく抑
え、より大きな活性化エネルギーが必要な物質の反応を
抑制する。こうすれば、エッチングの選択比を高め得る
とともに、チャンバ内の他の部材をスパッタしたりエッ
チングしてしまうおそれを低減できる。また、複数層か
ら成る被処理基体の場合には、高周波電力の周波数を各
層に好適な周波数へと順次変化させたり、又は、ひとつ
の層の処理において、時間的に周波数を変化させて処理
速度を調節することもできる。
【0025】またさらに、第3及び第4の工程の工程
が、高周波電力の周波数を一定とした状態で、高周波電
力の印加によってプラズマが形成された側のインピーダ
ンスと、高周波電力を出力する側の出力インピーダンス
とを整合させる第5の工程を備えるとより好ましい。こ
うすれば、イオンエネルギー及びイオン密度を所望の値
に維持しつつ、プラズマを形成するための放電効率の低
下を十分に低減できる。さらにまた、第3及び第4の工
程の工程が、チャンバ内に磁場を誘導する第6の工程を
備えると特に好ましい。このようにすると、プラズマを
形成するための放電効率が一層高められ、処理速度が更
に向上される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の要素には
同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】図1は、本発明によるプラズマ処理装置の
第1実施形態の構成を模式的に示す断面図である。図1
に示すプラズマ処理装置としてのエッチング装置10
は、エッチングが行われる反応室12を有するチャンバ
14を備えたものである。このチャンバ14は、半導体
基板1(被処理基体)を支持するサセプタ11(支持
部)と、サセプタ11に対向して設置された対向電極1
3とを有している。サセプタ11は、導電性の部分を有
しており、この導電性の部分には、インピーダンス整合
器2(インピーダンス整合部)及び高周波電源部4がこ
の順に接続されている。高周波電源部4及び対向電極1
3は、同一電位にある接地電位に接続されている。ま
た、高周波電源部4は、所定範囲の周波数から適宜選択
される任意の周波数を有する高周波電力を発生するもの
であり、インピーダンス整合器2を通してサセプタ11
へ印加される高周波電力の周波数を連続的又は段階的に
変化させることが可能である。
【0028】図18(a)〜(c)は、高周波電源部4
の構成例を示す概略ブロック図である。図18(a)に
示す高周波電源部4は、接地され且つ高周波の基本波形
信号を発生する高周波発生部RAに増幅部3Aが接続さ
れたものであり、増幅された高周波電力が増幅部3Aか
らインピーダンス整合器2へ出力される。高周波発生部
RAは、任意の周波数の基本波信号を発生することが可
能である。一方、図18(b)に示す高周波電源部4
は、接地され且つ所定周波数の高周波電力を発生する高
周波電源RBに周波数インバータ3Bが接続されたもの
である。周波数インバータ3Bは、高周波電源RBから
出力される高周波電力を任意の周波数に変換するもので
ある。
【0029】他方、図18(c)に示す高周波電源部4
は、それぞれ接地され、互いに異なる周波数の高周波電
力を出力することが可能な複数の高周波電源RC1,R
Ci,RCn(ただし、nは2以上の整数を示し、i≠
1である。以下同様)を有するものである。各高周波電
源RC1,RCi,RCnは、高周波切替部3Cに接続
されており、高周波電源RC1,RCi,RCnのうち
一つが適宜選択されてその電源からの高周波出力がイン
ピーダンス整合器2へ出力される。このとき、他の電源
は電気的に切断される。
【0030】また、チャンバ14には、反応ガス供給系
16から配管15aを通して供給されるプラズマ形成用
のガスをチャンバ14内に導入するための供給口14a
が設けられている。さらに、チャンバ14には、反応室
12内の減圧を行うための真空ポンプ17に配管15b
を介して接続された排気口14bが設けられている。
【0031】このように構成されたエッチング装置10
によってエッチングを行う場合には、まず、半導体基板
1がサセプタ11上に載置され、その後、真空ポンプ1
7によりチャンバ14内が減圧される。反応室12が所
定の真空度になると、反応ガス供給系16からチャンバ
14内にガスが導入される。次に、反応室12内の真空
度がほぼ一定となった後、サセプタ11に高周波電力が
印加される。反応室12内には交番電界が発生し、サセ
プタ11と対向電極13との間に連続グロー放電による
プラズマが形成される。そして、反応ガスの解離によっ
て生じた活性種であるイオンが、サセプタ11と対向電
極13との間に印加された電位により半導体基板1側に
引き込まれ、半導体基板1表面のエッチングが行われ
る。
【0032】図2(a)及び(b)は、エッチング装置
10において、サセプタ11に印加される高周波電力の
周波数をパラメータにして、高周波電源部4の出力と、
プラズマ中に生成するイオンの密度及び半導体基板1に
達するイオンのエネルギー(運動エネルギー)との関係
を模式的に示すグラフである。図2(a)は、高周波電
力の周波数を3段階(例えば、2MHz、10MHz、
30MHz)とし、高周波電源部4の出力を変化させた
ときの各周波数におけるイオン密度neの変化を示し、
図2(b)は、同じくイオンエネルギーEiの変化を示
すものである。なお、図中のa.u.は任意単位である
ことを示す(以下同様)。また、図2(a)中の直線L
h1,Lm1,Ll1は、それぞれ周波数2,10,3
0MHzに対応し、図2(b)中の直線Lh2,Lm
2,Ll2も、それぞれ周波数2,10,30MHzに
対応する。
【0033】図2(a)より、高周波電源部4の出力が
一定であれば、サセプタ11に印加される高周波電力の
周波数が高いほどイオン密度は大きくなる傾向にある。
一方、高周波電力の周波数が低いほどイオン密度は小さ
くなる傾向にある。言い換えると、周波数が高いほど、
高周波電源部4の出力に対するイオン密度の増加率が大
きくなる傾向にある。これに対し、図2(b)より、高
周波電源部4の出力が一定であれば、サセプタ11に印
加される高周波電力の周波数が高いほどイオンエネルギ
ーは小さくなる傾向にある。一方、高周波電力の周波数
が低いほどイオンエネルギーは大きくなる傾向にある。
すなわち、イオン密度の場合とは逆に、高周波電力の周
波数が低いほど、高周波電源部4の出力に対するイオン
エネルギーの増加率が大きい傾向にある。
【0034】ここで、サセプタ11へ印加される高周波
電力の周波数の範囲は、特に限定されるものでないが、
1〜50MHzであると好ましい。この周波数が1MH
z未満であると、プラズマ中で十分なイオン密度が得ら
れ難い傾向にある。一方、上記周波数が50MHzを超
えると、十分なイオンエネルギーを得難くなる傾向にあ
る。
【0035】以上のような特性により、エッチング装置
10では、サセプタ11へ印加される高周波電力の周
波数、高周波電源部4の出力、を適宜選択することに
より、所望のイオン密度及びイオンエネルギーが得られ
る。すなわち、上記及びは独立な変数パラメータで
あるので、イオン密度及びイオンエネルギーを独立に選
択できる。
【0036】また、インピーダンス整合器2は、高周波
電源部4よりもプラズマ(厳密にはグロー放電部)側、
すなわち、プラズマ(負荷)のインピーダンスとインピ
ーダンス整合器2のインピーダンスとの合成インピーダ
ンスと、高周波電源部4の出力インピーダンス(例え
ば、図18(a)に示す高周波発生部RAと増幅部3A
との合成インピーダンス)との整合をとるためのもので
ある。一般に、高周波電力の周波数が固定された装置の
インピーダンス整合においては、固定された周波数に適
合するように決められた回路定数(マッチング定数)を
有するマッチングネットワークが用いられる。なかに
は、プラズマの変動によりプラズマ側(負荷側)のイン
ピーダンスが変化した場合に、高周波電力の周波数を微
調整(例えば1MHz程度の範囲内)して、インピーダ
ンスの整合を行う装置もある。
【0037】しかし、エッチング装置10のように、周
波数のダイナミックレンジ(例えば、1〜50MHz)
が大きい場合には、従来の方法及び装置では十分なイン
ピーダンス整合がとれず、グロー放電で消費される電力
が低下して十分なプラズマ形成ができなかったり、高周
波電源部4の内部回路の保護が十分ではないおそれがあ
る。
【0038】これに対し、図1に示すインピーダンス整
合器2は、高周波電源部4から出力される高周波電力の
周波数が変更された場合に、サセプタ11から反射され
る高周波成分を検知するモニター機能を有している。図
17は、図1に示すインピーダンス整合器2の構成の一
例を示す概略ブロック図である。インピーダンス整合器
2は、サセプタ11に接続された反射波検知回路26
(反射波検知部)と、反射波検知回路26に接続されて
おり、容量及びコイルインダクタンスが可変であるイン
ピーダンス整合回路27(インピーダンス可変部)とを
備えるものである。また、インピーダンス整合回路27
は高周波電源部4及び接地電位に接続されている。
【0039】このように構成されたインピーダンス整合
器2では、サセプタ11に高周波電力が印加されたとき
に、サセプタ11から反射される高周波成分が反射波検
知回路26に入射し、その強度及び位相が検知される。
反射波検知回路26は、インピーダンス整合回路27に
フィードバックをかけて、インピーダンス整合回路27
の自己インピーダンスを変化させる。このとき、反射波
検知回路26は、反射波(高周波成分)のモニタを行い
ながら、反射波の強度(具体的には波高値又は実効電力
値等)が極小となったときに、インピーダンス整合回路
27のインピーダンスを固定する。これにより、サセプ
タ11へ出力される高周波電力の周波数を一定に保った
状態で、プラズマ及びインピーダンス整合器2の合成イ
ンピーダンスの共役を、高周波電源部4の出力インピー
ダンス(例えば、図18(a)に示す構成の高周波電源
部4の場合、高周波発生部RA及び増幅部3Aの合成イ
ンピーダンス)にほぼ整合させる。
【0040】以上のように構成されたエッチング装置1
0を用いた本発明によるプラズマ処理方法の好適な実施
形態について、図1及び図3〜図6を参照して説明す
る。
【0041】図3(a)〜(c)は、本発明によるプラ
ズマ処理方法の第1実施形態によって半導体基板のエッ
チングを行っている状態を模式的に示す工程図である。
この場合には、まず、図3(a)に示す半導体基板10
0(被処理基体)を、図1に示すチャンバ14内に収容
し、サセプタ11上に設置する(第1の工程)。この半
導体基板100は、Si層101の一部の上にSiO2
層が積層されており、それらSi層101及びSiO2
層102上にSiN膜103が形成され、SiN膜10
3の上にSiO2膜104が形成され、SiO2膜104
の上にレジスト105が所定のパターンで形成されたも
のである。
【0042】次に、図1に示す真空ポンプ17により反
応室12内を減圧した後、反応室12が所定の真空度と
なったら、反応ガス供給系16から反応室12内にエッ
チング用の反応ガスを導入する(第2の工程)。次い
で、反応室12内の真空度がほぼ一定となった後、サセ
プタ11に高周波電力を印加して反応室12内にグロー
放電によるプラズマを形成させる。こうすると、反応ガ
スの解離によって生じたイオンが、サセプタ11と対向
電極13との間の電位によって半導体基板1側に引き込
まれ、半導体基板100のエッチングが行われる。
【0043】このとき、まず、所定の第1の周波数を有
する第1の高周波電力をサセプタ11に印加してチャン
バ14内にプラズマを形成し、このプラズマにより半導
体基板100のエッチング処理を行う(第3の工程)。
高周波電源部4が例えば図18(a)に示す構成であれ
ば、比較的高い周波数(第1の周波数)の基本波信号を
高周波発生部RAで発生させ、この基本波形信号を増幅
部3Aで増幅して第1の高周波電力が得られる。
【0044】この第1の高周波電力により、所定の膜の
エッチングが終了した後、第1の周波数と異なる第2の
周波数を有する第2の高周波電力をサセプタ11へ印加
してチャンバ14内にプラズマを形成し、半導体基板1
00の他の膜のエッチング処理を行う(第4の工程)。
この場合、第1の周波数よりも低い周波数(第2の周波
数)を有する基本波形信号を高周波発生部RAで発生さ
せ、これを増幅部3Aで増幅して第2の高周波電力を得
る。
【0045】更に他の膜のエッチングを行う場合には、
第2の周波数と異なる周波数の基本波形信号を高周波発
生部RAで発生させ、これを増幅部3Aで増幅して更に
異なる周波数を有する高周波電力をサセプタ11へ順次
印加する。このようなステップを連続して行うことによ
り、半導体基板100の連続エッチングを実施する。な
お、反応ガスとして、膜毎に適したガスを使用すること
ができ、この場合、エッチングの順序に応じて、チャン
バ14内の減圧と反応ガスの供給を行って反応ガスを入
れ替える。
【0046】また、高周波電源部4が図18(b)に示
す構成であれば、周波数インバータ3Bにより、高周波
電源RBから出力される高周波電力の周波数を、第1の
周波数、第2の周波数、更に異なる周波数へと適宜変換
することができる。さらに、高周波電源部4が図18
(c)に示す構成であれば、異なる周波数を有する高周
波電力を出力する高周波電源RC1,RCi,RCnを
適宜切り換えて使用することができる。
【0047】ここで、図3(a)〜(c)に示すエッチ
ングの順序は、次の通りである。まず、(a)反応ガス
としてCF系ガス(例えば、C48+CO)を用いてS
iO 2膜104のエッチングを行ってホール106を形
成し、次に、(b)反応ガスをCHF系ガス(例えば、
CH22+O2)と入れ替えてホール106底壁部のS
iN膜103aをエッチングし、最後に、(c)反応ガ
スをO2を主成分とするガスに入れ替えてレジスト10
5を剥離する。これらの(a)〜(c)の各ステップで
は、サセプタ11に印加する高周波電力の周波数を、エ
ッチング及び剥離の対象であるSiO2、SiN及びレ
ジストと、プラズマ中で生成されるイオンとの反応の活
性化エネルギーに基づいて順次変化させる。
【0048】例を挙げると、シリコン酸化膜系(SiO
2等)は、結合が強固であって大きなイオンエネルギー
を必要とするので、比較的低周波数を用い、かつ、処理
速度を上げるために出力を大きくすると望ましい。ま
た、いわゆるシリコン膜系(SiN、多結晶シリコン
等)及び金属膜(Al等)は、ハロゲンを含むイオンと
の反応性がシリコン酸化膜系より高いので、イオンエネ
ルギーはより小さくてよい。よって、より高い周波数を
有する高周波電力を用いることができ、この場合、出力
を高めなくともイオン密度を増大できる。さらに、レジ
ストの剥離やクリーニングを行う場合には、異方性の成
分は殆どの場合必要なく、かつ、高速処理が望まれる。
よって、更に高い周波数の高周波電力を用い、イオン密
度を一層高めて迅速な処理を行う。この場合、イオンエ
ネルギーが十分に低く抑えられ、部材の消耗を十分に低
減することができる。
【0049】より具体的には、半導体基板100を構成
する物質とプラズマ中のイオンとの反応の活性化エネル
ギーが下記式(1); Ea(i)>Ea(j) …(1) (式中、Eaは、上記反応の活性化エネルギーを示し、
添字i及びjは物質を識別するための記号である。)、
で表される関係を満たすときに、第3の工程における第
1の周波数と第4の工程における第2の周波数とが下記
式(2); F(i)<F(j) …(2) (式中、F(i)は、第1又は第2の周波数のうちいず
れか一方の周波数を示し、F(j)は他方の周波数を示
し、添字i及びjは上記式(1)に示すものと同一であ
る。)、で表される関係を満たすように、第1及び第2
の高周波電力をチャンバに印加する。
【0050】半導体基板100のエッチング対象である
SiO2、SiN、レジストの場合には、上記式(1)
に示す関係は、下記式(3)に示すようになる。 E(SiO2)>E(SiN)>E(レジスト) …(3) したがって、これらの各物質から成る膜のエッチングに
際して印加される高周波電力は、下記式(4)に示す関
係を満たすようにする。 F(SiO2)<F(SiN)<F(レジスト) …(4)
【0051】すなわち、(a)のステップ(第3の工
程)では、比較的低周波数であるF(SiO2)、例え
ば1〜15MHz(第1の周波数)を有する高周波電力
(第1の高周波電力)を用いて高イオンエネルギー(カ
ソードシースの降下電圧として、例えば300〜700
V)とし、出力を例えば2kWとしてSiO2膜104
の高速エッチングを可能とする。この場合、反応ガスの
種類をSiO2に適したものを用いることも相俟って、
SiN膜103に対するSiO2膜104の選択比が高
められる。よって、SiN膜103に対するエッチング
ダメージを低減できる(図3(a)参照)。また、高イ
オンエネルギーなので極めて異方性の高いエッチングが
可能となり、レジスト105下のSiO2膜104のア
ンダーカットやボーイングの発生を抑制できる。
【0052】次に、(b)のステップ(第4の工程)で
は、比較的高周波数であるF(SiN)、例えば25〜
30MHz(第2の周波数)を有する高周波電力(第2
の高周波電力)を用いて低イオンエネルギー(カソード
シースの降下電圧として、例えば10〜100V)でS
iN膜103のエッチングを行う。このとき、高周波電
源部4の出力を、例えば、500W程度とすれば、十分
なイオン密度が得られる。ここで、SiN膜103の下
層であるSi層101のエッチングには、比較的低周波
数(例えば、15〜25MHz)の高周波電力が適して
いる。また、同じく下層のSiO2層102のエッチン
グには、上述の如く高イオンエネルギーが必要である。
よって、Si層101及びSiO2層102に対するS
iN膜103の選択比が高められる。よって、Si層1
01及びSiO2層102のエッチングダメージを十分
に低減できる(図3(b)参照)。
【0053】次いで、(c)のステップ(第4の工程)
では、更に高周波数のF(レジスト)、例えば35〜5
0MHz(第2の周波数)を有する高周波電力(第2の
高周波電力)用いることにより、極端に低イオンエネル
ギー(極めて0に近い値)でレジストを剥離することが
できる。したがって、SiO2膜104にダメージを与
えるおそれが殆どない(図3(c)参照)。このような
周波数では、異方性成分が殆ど無視でき、ほぼ等方性成
分のみとなり、かつ、イオン密度が十分に高められる。
よって、処理速度を格段に向上させることが可能とな
る。
【0054】また、図3(a)〜(c)に示す各ステッ
プ(第3の工程、第4の工程)では、サセプタ11に印
加する高周波電力の周波数を一定にした状態で、第1又
は第2の高周波電力の印加によってプラズマが形成され
た側のインピーダンス、すなわち、インピーダンス整合
器2及びプラズマ(負荷)と、高周波電力を出力する高
周波電源部4の出力インピーダンスとの整合を、上述し
たインピーダンス整合器2によって行う(第5の工
程)。
【0055】以上のように構成されたエッチング装置1
0、及び、それを用いたプラズマ処理方法によれば、高
周波電力の周波数を変化させることにより、プラズマ中
のイオン密度及びイオンエネルギーを個別に変更し得る
独立制御性を向上させることができる。よって、エッチ
ング処理の対象物質とイオンとの反応性に応じた所望の
周波数を有する高周波電力を適宜選択することにより、
選択比を高めてエッチングダメージを十分に低減でき
る。また、このようなイオンの制御が、対向して設置さ
れた一対の電極(サセプタ11及び対向電極13)、す
なわち平行平板電極といった極めて簡易な構成で達成で
きるので、消耗部品の低減及び設備費の軽減によりコス
トの削減を図ることができる。
【0056】また、消耗部品から発生する不純物が低減
されるので、半導体基板の汚染を抑制できる。さらに、
高周波電源部4から出力される高周波電力の周波数を連
続的又は段階的に随時変更できるので、積層体から成る
半導体基板の高速な連続エッチングが可能となる。した
がって、プラズマ処理の効率を格段に向上させることが
できる。またさらに、高周波電力の周波数が変化した場
合に、インピーダンス整合器2によって、プラズマが形
成された側のインピーダンスと、高周波電力を出力する
側の出力インピーダンスとの整合がフィードバック制御
によってリアルタイムで行われ得る。よって、放電効率
の低下が抑制されてプラズマを良好な状態に維持でき
る。しかも、高周波電力の周波数を一定に保持した状態
でインピーダンス整合を行うので、イオンエネルギー及
びイオン密度が変動することなく、好適なプラズマ処理
を良好に維持できる。
【0057】図4(a)〜(c)は、本発明によるプラ
ズマ処理方法の第2実施形態によって半導体基板のエッ
チングを行っている状態を模式的に示す工程図である。
本実施形態のエッチング処理は、半導体基板100を図
3(a)〜(c)とは異なる手順でエッチングするもの
である。すなわち、図4(a)に示すステップでは、図
3(a)に示すのと同様に、周波数F(SiO2)、例
えば1〜15MHzの高周波電力を出力2kWで用い、
高イオンエネルギーでSiO2膜104の高速エッチン
グを行う。
【0058】次に、図4(b)に示すステップでは、周
波数F(レジスト)、例えば35〜50MHzの高周波
電力を用いて、極めて低イオンエネルギーでレジストを
剥離する。こうして、SiO2膜104及びSiN膜1
03に対するレジスト105の選択比を高め、SiO2
膜104及びSiN膜103にエッチングダメージを殆
ど与えることなくレジストを剥離できる。次いで、図4
(c)に示すステップでは、周波数F(SiN)、例え
ば25〜30MHzの高周波電力を出力500Wで用
い、低イオンエネルギーでSiN膜103のエッチング
を行う。このような一連の手順を連続して行うことによ
り、選択比が高められてエッチングダメージが極めて少
ない良好なエッチング処理を、高い処理速度で実施する
ことが可能となる。
【0059】図5は、本発明によるプラズマ処理方法の
第3実施形態によって半導体基板のエッチングを行って
いる途中の状態を示す模式断面図である。図5に示す半
導体基板110(被処理基体)は、Si層111上にゲ
ート部116が形成されており、このゲート部116を
被覆するようにSiN膜113が成膜され、SiN膜1
13上にSiO2膜114が被覆され、SiO2膜114
上にレジスト115が形成されたものである。この場合
には、まず、CF系の反応ガスを用い、比較的低周波数
である上述したF(SiO2)、例えば1〜15MHz
の高周波電力を用いて高イオンエネルギーでSiO2
114の高速エッチングを行い、図5に示す状態を得
る。このとき、SiN膜113に対するSiO2膜11
4の選択比が高められるので、SiN膜113のオーバ
ーエッチング、及び、レジスト115下のSiO2膜1
14のアンダーカットを十分に抑制できる。
【0060】次に、反応ガスをCHF系ガスに入れ替
え、比較的高周波数である上述したF(SiN)、例え
ば25〜30MHzの高周波電力を用いて低イオンエネ
ルギーでSiN膜113のエッチングを行う。その後、
反応ガスをO2を主成分とするガスに入れ替えて、更に
高周波数である上述したF(レジスト)、例えば35〜
50MHzの高周波電力を用いて更に低イオンエネルギ
ーでレジストを剥離する。この場合にも、図3及び図4
に示したエッチング処理と同様に、選択比が高められて
エッチングダメージが極めて少ない良好なエッチング処
理を、高い処理速度で実施することが可能となる。
【0061】図6(a)〜(d)は、本発明によるプラ
ズマ処理方法の第4実施形態によって半導体基板のエッ
チングを行っている状態を模式的に示す工程図である。
本実施形態におけるエッチング処理は、半導体基板12
0のエッチングによりゲートの加工を行うものである。
半導体基板120は、Si層121の上に多結晶シリコ
ン(ポリシリコン;以下、「p−Si」と記す)膜12
2が成膜され、その上にSiO2膜123が成膜されて
おり、SiO2膜123上の所定の部分にレジスト12
4が形成されたものである(図6(a)参照)。
【0062】この場合のエッチング手順としては、ま
ず、(a)SiO2膜123をエッチングし(図6
(b)参照)、次に(b)レジストを剥離した後(図6
(c)参照)、(c)p−Si膜122をエッチングす
る(図6(d)参照)。このとき、SiO2、レジス
ト、p−Siとプラズマ中のイオンとの反応の活性化エ
ネルギーに基づいて、使用する高周波電力の周波数を変
化させる。本実施形態においては、先述の式(1)に示
す関係は、下記式(5)に示すようになる。 E(SiO2)>E(p−Si)>E(レジスト) …(5) したがって、各物質から成る膜に対して印加する高周波
電力は、先述の式(2)に従い、下記式(6)に示す関
係を満たすようにする。 F(SiO2)<F(p−Si)<F(レジスト) …(6)
【0063】すなわち、図6(b)に示すステップで
は、比較的低周波数であるF(SiO 2)、例えば1〜
15MHzの高周波電力を用いて高イオンエネルギーで
SiO2膜123のエッチングを行う。次に、図6
(c)に示すステップでは、より高周波数であるF(レ
ジスト)、例えば35〜50MHzの高周波電力を用い
て、極めて低イオンエネルギーでレジストを剥離する。
そして、図6(d)に示すステップでは、F(Si
2)とF(レジスト)との中間の周波数であるF(p
−Si)、例えば25〜30MHzの高周波電力を用
い、言わば中間のイオンエネルギーでp−Si膜122
のエッチングを行ってゲートを形成させる。
【0064】こうすると、Si層121及びSiO2
123に対するp−Si膜122の選択比が高めら、S
i層121及びSiO2膜123にエッチングダメージ
を殆ど与えない。また、異方性のあるエッチングが可能
となるので、図6(d)に示すSiO2膜(層)123
下のp−Si膜122にアンダーカットやボーイングが
発生することを抑制できる。このように、本実施形態に
よれば、選択比が高められてエッチングダメージが極め
て少ない良好なエッチング処理を行えるので、ゲートを
良好に形成できる。また、高速な連続エッチングが可能
となるので、ゲート加工の処理効率を格段に向上させる
ことができる。
【0065】図7は、本発明によるプラズマ処理装置の
第2実施形態の構成を模式的に示す断面図である。ま
た、図8は、図7に示すプラズマ処理装置の斜視図(一
部断面)である。プラズマ処理装置としてのエッチング
装置20は、図1に示すエッチング装置10に、更にソ
レノイドコイルといったコイル電磁石24a,24b,
25a,25b(磁場形成部)が設けられたものであ
る。図8に示すように、チャンバ14は、密閉蓋22で
覆われる開口部23を有する筐体21内に設けられてい
る。コイル電磁石24a,24b、25a,25bは、
筐体21の外面に設置されており、それぞれ図示しない
電源に接続されている。なお、コイル電磁石は、24a
及び24b、並びに、25a及び25bが、それぞれ対
になっている。
【0066】このように構成されたエッチング装置20
では、チャンバ14内に、反応室12に配置された半導
体基板1面と平行な磁場が誘導される。このとき、電源
が直流電源であれば直流磁場となり、電源が交流電源で
あれば交流磁場となって反応室12内に交番磁界が発生
する。このような磁界が反応室12内に発生すると、高
周波電源RFからの高周波電力の印加によるグロー放電
の効率が高められ、プラズマの形成が促進される。ま
た、形成されたプラズマの閉じ込め性が向上されて、プ
ラズマが良好に維持される。その結果、エッチング等の
プラズマ処理の処理速度を向上させることができる。
【0067】次に、このエッチング装置20を用いたエ
ッチング処理方法(プラズマ処理方法)の一例について
説明する。上記の如く、磁場の導入によってエッチング
速度を向上させることができるが、チャージダメージが
起こり易くなるおそれがある。このチャージダメージ
は、エッチングにおける全行程で生じるよりは、むしろ
エッチングが終了する間際、すなわちオーバーエッチン
グが心配される時点で顕著となる傾向にある。
【0068】そこで、エッチング装置20を用いたエッ
チング処理では、例えば、半導体基板上の所定膜のエッ
チングにおける工程初期から工程終了間際まで、反応室
12内にコイル電磁石24a,24b,25a,25b
による磁場を誘導しつつ(第6の工程)、サセプタ11
に高周波電力を印加して(第3の工程、第4の工程)エ
ッチングを行う。そして、その膜厚が当初の例えば1/
10の厚さとなった時点で、コイル電磁石24a,24
b,25a,25bへの電力供給を止めて磁場の誘導を
なくし、その状態で高周波電力を印加し続けて残りの膜
のエッチングを行う。
【0069】一例として、図6(c)に示すp−Si膜
122をエッチングするステップでは、周波数25〜3
0MHz(出力500W)の高周波電力を印加すると同
時に、図7に示す反応室12内に、例えば5〜10mT
(50〜100G)の磁束密度の直流磁場を誘導する。
そして、p−Si膜122のエッチングが終了する間際
に、この磁場の誘導を停止する。こうすれば、図6
(d)に示すSi層121のオーバーエッチングを十分
に抑制しつつ、p−Si膜122のエッチング速度を一
層向上させることができる。このような磁場の制御を、
エッチング対象の各膜に対して実施することにより、オ
ーバーエッチングが十分に防止できる連続エッチングを
行うことができる。したがって、良好なエッチングを行
いつつ、エッチングの処理速度を一層向上させることが
可能となる。また、高周波電力の周波数を変化させるこ
とに加えて磁場を誘導することによって、より広い範囲
でイオンエネルギーの制御が可能となる。
【0070】図9は、本発明によるプラズマ処理装置の
第3実施形態の構成を模式的に示す断面図である。図9
に示すプラズマ処理装置としてのCVD装置30は、サ
セプタ11と、サセプタ11に対向して設置された対向
電極33とを有するチャンバ34を備えたものである。
チャンバ34には、半導体基板1上にCVD法による成
膜を行うための反応室32が設けられている。また、対
向電極33には、インピーダンス整合器2を介して対向
電極33に高周波電力を印加するための高周波電源部4
が接続されている。この高周波電源部4及びサセプタ1
1は、同一電位にある接地電位に接続されている。
【0071】このように構成されたCVD装置30を用
い、CVD法による半導体基板1上への成膜を行うに
は、まず、半導体基板1を、チャンバ34内に設置し
(第1の工程)、チャンバ34内を減圧して所定の真空
度とした後、チャンバ34内に反応ガス供給系36から
成膜材料である原料ガスを供給する(第2の工程)。そ
して、反応室32内を所定の真空度(原料ガス分圧)と
し、対向電極33に所定の周波数を有する高周波電力を
印加して反応室32内にプラズマを形成させる。こうす
ることにより、原料ガスが電離又は解離して生じたイオ
ンが、半導体基板1の表面又はその上方の気相で反応し
て半導体基板1上へ堆積していき、成膜が行われる。
【0072】このとき、高周波電源部4が例えば図18
(a)に示す構成であれば、成膜の初期には、比較的高
周波数(第1の周波数)の基本波信号を高周波発生部R
Aで発生させ、この基本波形信号を増幅部3Aで増幅し
て得られる第1の高周波電力を対向電極33に印加して
プラズマを形成する(第3の工程)。これにより、プラ
ズマ中のイオン密度が高められるので、半導体基板1上
への物質の堆積量が増大され、成膜速度が高められる。
そして、成膜の最終段階(ステップ)では、第1の周波
数よりも低い周波数(第2の周波数)を有する基本波形
信号を高周波発生部RAで発生させ、これを増幅部3A
で増幅して得られる第2の高周波電力を対向電極33に
印加してプラズマを形成する(第4の工程)。こうする
と、プラズマ中のイオンのエネルギーが増大されるの
で、既に成膜された部分へのイオンの入射衝撃が、それ
までに比して大きくなる。その結果、半導体基板1に対
するカバレッジ(被覆性)及び膜の緻密性が向上され、
膜質の改善を図ることができる。
【0073】このように、CVD装置30及びそれを用
いた成膜方法によれば、高周波電力の周波数を適宜変化
させることにより、CVD法による半導体基板1上への
成膜において、プラズマ中で原料ガスから生成されるイ
オンの密度とエネルギーを個別に独立して制御できる。
したがって、成膜される膜質の改善を確実かつ簡易に実
施することが可能となる。しかも、成膜速度の向上が図
られるので、処理効率を高めることができる。なお、本
実施形態における高周波数から低周波数への変換(第3
の工程から第4の工程)は、高周波電力を対向電極33
へ印加した状態で行い、周波数の変更を行いながらイン
ピーダンスの整合を実施する(第5の工程)と、周波数
を変更する間に放電効率が低下することを抑制でき、プ
ラズマを良好に維持できるので好適である。
【0074】図10は、本発明によるプラズマ処理装置
の第4実施形態の構成を模式的に示す断面図である。図
10に示すプラズマ処理装置としてのスパッタリング装
置40は、サセプタ11と、サセプタ11に対向して設
置されたターゲット電極43(対向電極)とを有するチ
ャンバ44を備えるものである。チャンバ44には、半
導体基板1上に高周波スパッタリングによる成膜を行う
ための反応室42が設けられている。また、ターゲット
電極43は、導電性を有する電極部にスパッタターゲッ
トとしてのSiO2が設けられたものであり、 SiO2
が半導体基板1に対向するように設置されている。この
ターゲット電極43の電極部には、インピーダンス整合
器2及び高周波電源部4がこの順に接続されており、高
周波電源部4及びサセプタ11は、同一電位にある接地
電位に接続されている。また、チャンバ44にはプラズ
マを形成するためのArガス等の不活性ガスを導入する
ためのガス導入系(図示せず)が接続されている。
【0075】このスパッタリング装置40を用いた本発
明によるプラズマ処理方法の一例について、図11
(a)及び(b)を参照して説明する。図11(a)及
び(b)は、本発明によるプラズマ処理方法の第5実施
形態によって半導体基板上への成膜を行っている状態を
模式的に示す工程図である。図11(a)に示す半導体
基板130は、トレンチ又は接続孔が加工されたSi層
131から成っている。この場合、まず、半導体基板1
をサセプタ11上に載置し(第1の工程)、チャンバ4
4内を減圧して所定の真空度とした後、チャンバ14内
にArガスを供給する(第2の工程)。反応室42内が
所定の真空度となった後、図10に示すターゲット電極
43に、所定の周波数を有する高周波電力を印加してプ
ラズマを形成させる。プラズマ中に生成したArイオン
は、ターゲット電極43のSiO2をスパッタし、スパ
ッタされたSiO2が半導体基板130に堆積してい
き、 SiO2膜を成膜させる。
【0076】高周波電力の周波数としては、まず、例え
ば25〜30MHz(第1の周波数)を有する第1の高
周波電力を印加することによりプラズマを形成させる
(第3の工程)。こうすると、プラズマ中に生成される
Arイオンの密度は、高周波電力の周波数が数MHz程
度の場合に比して高められ、スパッタされるSiO2
量が比較的多くなってSiO2膜132が高速で成膜さ
れていく。この場合、SiO2膜のうちSi層131に
形成されたトレンチ上方に成膜される部分には、シーム
が発生した溝部133aが形成されることがある(図1
1(a)参照)。
【0077】次に、高周波電源部4から出力される高周
波電力の周波数を、例えば、1〜15MHz(第2の周
波数)の範囲に低下させ、この第2の周波数を有する第
2の高周波電力によりプラズマを形成させる(第4の工
程)。こうすることにより、Arイオンのイオンエネル
ギーが高められ、スパッタされて半導体基板130近傍
に到達するSiO2の運動エネルギーが高められる。そ
の結果、スパッタにおける異方性の成分が多くなり、溝
部133aのシーム近傍の鋭い溝が緻密に埋められ、傾
斜の緩やかな溝部133bを形成させるといった膜質の
改善を図ることができる。
【0078】このように構成されたスパッタリング装置
40及びそれを用いた成膜方法によれば、高周波電源部
4から出力される高周波電力の周波数を適宜選択するこ
とにより、スパッタリングといったPVD法による半導
体基板1,130上への成膜において、ターゲット電極
43のスパッタターゲットをスパッタするイオンの密度
とエネルギーを個別に変更し得る制御性を向上できる。
その結果、スパッタされた物質の堆積速度や入射衝撃を
制御して膜質の改善を図ることが確実かつ簡易に実施で
きる。しかも、成膜速度の向上が図られるので、処理効
率を高めることができる。なお、本実施形態における高
周波数から低周波数への変更は、高周波電力を出力した
状態で行い、周波数の変更を行いながらインピーダンス
の整合を実施する(第5の工程)と、周波数変換の間に
放電効率が低下することを抑制でき、プラズマを良好に
維持できるので好適である。
【0079】なお、上述したエッチング装置20は、チ
ャンバ内に磁場を誘導するためにコイル電磁石24a,
24b,25a,25bを用いているが、永久磁石を用
いてもよい。また、本発明のエッチング装置10,20
をエッチング処理におけるドライクリーニング工程に用
いてもよい。この場合、エッチング工程を比較的低周波
数で行い、ドライクリーニング工程では、高周波数の高
周波電力を用いる。こうすれば、クリーニングガスの解
離効率が高められてクリーニングの効率が向上されると
ともに、クリーニングガスのプラズマに曝される電極、
チャンバ内の他の部品等に対するイオンの衝撃エネルギ
ーを十分に低下させることができる。よって、クリーニ
ングにおける部材の消耗を抑制できる。
【0080】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のプラズマ処
理装置及び方法によれば、プラズマ中のイオン密度及び
イオンエネルギーを個別に変更し得る独立制御性を向上
させることができるので、エッチングにおける各膜の選
択比が高められてエッチングダメージを十分に低減でき
る。また、高速なエッチングが可能であり、半導体基板
といった被処理基体の処理速度を向上させることができ
るので、プラズマ処理された被処理基体の生産性を格段
に向上させることができる。さらに、CVD法、PVD
法等による成膜処理においても、プラズマ中のイオン密
度及びイオンエネルギーを個別に独立して制御できるの
で、膜質の改善を図りつつ、処理効率を向上させること
ができる。またさらに、本発明のプラズマ処理装置は、
プラズマに曝される部品点数が従来に比して削減される
ので、それらの部品から発生する生成物による被処理基
体の汚染を低減できる。またさらに、プラズマによる部
品の消耗を低減でき、かつ、装置構成が簡略なので、コ
ストを削減できて経済性を向上させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマ処理装置の第1実施形態
の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示すエッチング装置において、サセプタ
に印加される高周波電力の周波数をパラメータにして、
高周波電源の出力と、プラズマ中に生成するイオンの密
度及び半導体基板に達するイオンのエネルギーとの関係
を模式的に示すグラフである。
【図3】本発明によるプラズマ処理方法の第1実施形態
によって半導体基板のエッチングを行っている状態を模
式的に示す工程図である。
【図4】本発明によるプラズマ処理方法の第2実施形態
によって半導体基板のエッチングを行っている状態を模
式的に示す工程図である。
【図5】本発明によるプラズマ処理方法の第3実施形態
によって半導体基板のエッチングを行っている途中の状
態を示す模式断面図である。
【図6】本発明によるプラズマ処理方法の第4実施形態
によって半導体基板のエッチングを行っている状態を模
式的に示す工程図である。
【図7】本発明によるプラズマ処理装置の第2実施形態
の構成を模式的に示す断面図である。
【図8】図7に示すプラズマ処理装置の斜視図(一部断
面)である。
【図9】本発明によるプラズマ処理装置の第3実施形態
の構成を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明によるプラズマ処理装置の第4実施形
態の構成を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明によるプラズマ処理方法の第5実施形
態によって半導体基板上への成膜を行っている状態を模
式的に示す工程図である。
【図12】従来のプラズマ処理装置の構成を示す模式断
面図である。
【図13】図12に示す従来のプラズマ処理装置におけ
る高周波電源の出力に対するイオン密度及びイオンエネ
ルギーの変化を模式的に示すグラフである。
【図14】従来の他のプラズマ処理装置の構成を示す模
式断面図である。
【図15】従来の他のプラズマ装置における高周波電源
の出力に対するイオン密度及びイオンエネルギーの変化
を模式的に示すグラフである。
【図16】従来の更に他のプラズマ処理装置の構成を示
す断面模式図である。
【図17】図1に示すインピーダンス整合器の構成の一
例を示す概略ブロック図である。
【図18】本発明のプラズマ処理装置を構成する高周波
電源部の構成例を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
1,100,110,120,130…半導体基板(被
処理基体)、2…インピーダンス整合器(インピーダン
ス整合部)、4…高周波電源部、10,20…エッチン
グ装置(プラズマ処理装置)、11…サセプタ(支持
部)、13,33…対向電極、14,34,44…チャ
ンバ、24a,24b,25a,25b…コイル電磁石
(磁場形成部)、26…反射波検知回路(反射波検知
部)、27…インピーダンス整合回路(インピーダンス
可変部)、30…CVD装置(プラズマ処理装置)、4
0…スパッタリング装置(プラズマ処理装置)、43…
ターゲット電極(対向電極)、Ei…イオンエネルギ
ー、ne…イオン密度。
フロントページの続き (72)発明者 堀岡 啓治 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 (72)発明者 石川 吉夫 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 Fターム(参考) 5F004 AA05 AA06 AA16 BA20 BB11 BC08 DA00 DA15 DA27 DB02 DB03 DB07 DB26 DB27 EA28 EB01 EB02 5F045 AA08 BB09 BB16 DP03 EH14 EH16 EH19 GB08 GB20 5F103 AA08 BB09 BB60 NN10 RR02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基体をプラズマによって処理する
    プラズマ処理装置であって、 被処理基体が収容され、前記プラズマを形成するための
    ガスが供給されるチャンバと、 前記チャンバ内に設置され、前記被処理基体を支持する
    支持部と、 前記チャンバ内に設置され、前記支持部に対向して配置
    された対向電極と、 所定範囲の周波数から選択される任意の周波数を有する
    高周波電力を出力可能な高周波電源部と、を備え、 前記高周波電力が前記支持部及び前記対向電極のうち少
    なくともいずれか一方に印加されることにより、前記チ
    ャンバ内にプラズマが形成される、ことを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部及び前記対向電極のうち少な
    くともいずれか一方と、前記高周波電源部との間に接続
    され、前記支持部及び前記対向電極のうち少なくともい
    ずれか一方に出力される前記高周波電力の周波数を一定
    にした状態で、前記高周波電源部よりも前記プラズマ側
    のインピーダンスと、前記高周波電源部の出力インピー
    ダンスとを整合させるインピーダンス整合部を更に備え
    ることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記インピーダンス整合部は、 前記支持部及び前記対向電極のうち少なくともいずれか
    一方に接続され、該支持部及び該対向電極のうち少なく
    ともいずれか一方から反射される高周波成分を検知する
    反射波検知部と、 前記反射波検知部及び前記高周波電源部に接続され、前
    記反射波検知部から出力される前記高周波成分の強度及
    び位相に基づいて自己インピーダンスを変化させるイン
    ピーダンス可変部と、を有するものであることを特徴と
    する請求項2記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記チャンバの周囲に配置され、該チャ
    ンバ内に磁場を誘導する磁場形成部を更に備えることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズ
    マ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記高周波電源部は、1〜50MHzの
    範囲の周波数から選択される任意の周波数を有する高周
    波電力を出力するものであることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 被処理基体をプラズマによって処理する
    プラズマ処理方法であって、 支持部及び対向電極を有するチャンバ内に前記被処理基
    体を収容し、前記支持部に該被処理基体を設置する第1
    の工程と、 前記チャンバ内に所定のガスを供給する第2の工程と、 第1の周波数を有する第1の高周波電力の印加によって
    前記チャンバ内に形成されたプラズマにより前記被処理
    基体を処理する第3の工程と、 前記第1の周波数と異なる第2の周波数を有する第2の
    高周波電力の印加によって前記チャンバ内に形成された
    プラズマにより前記被処理基体を処理する第4の工程
    と、を備えることを特徴とするプラズマ処理方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の工程においては、前記被処理
    基体として、複数の物質が積層された半導体基板を用
    い、 前記物質が下記式(1); Ea(i)>Ea(j) …(1) (式中、Eaは、前記物質とプラズマ中で生成されるイ
    オンとの反応の活性化エネルギーを示し、添字i及びj
    は前記物質を識別するための記号である。)で表される
    関係を満たすときに、前記第3の工程における前記第1
    の周波数と前記第4の工程における前記第2の周波数と
    が下記式(2); F(i)<F(j) …(2) (式中、F(i)は、前記第1又は前記第2の周波数の
    うちいずれか一方の周波数を示し、F(j)は他方の周
    波数を示し、添字i及びjは上記式(1)に示すものと
    同一である。)で表される関係を満たすように、前記第
    1及び第2の高周波電力を前記チャンバに印加する、こ
    とを特徴とする請求項6記載のプラズマ処理方法。
  8. 【請求項8】 前記第3及び第4の工程の工程は、 前記高周波電力の周波数を一定とした状態で、前記高周
    波電力の印加によって前記プラズマが形成された側のイ
    ンピーダンスと、前記高周波電力を出力する側の出力イ
    ンピーダンスとを整合させる第5の工程を備える、こと
    を特徴とする請求項6又は7に記載のプラズマ処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記第3及び第4の工程は、前記チャン
    バ内に磁場を誘導する第6の工程を備えることを特徴と
    する請求項6〜8のいずれか一項に記載のプラズマ処理
    方法。
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