JP2001143725A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JP2001143725A
JP2001143725A JP2000352239A JP2000352239A JP2001143725A JP 2001143725 A JP2001143725 A JP 2001143725A JP 2000352239 A JP2000352239 A JP 2000352239A JP 2000352239 A JP2000352239 A JP 2000352239A JP 2001143725 A JP2001143725 A JP 2001143725A
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスの拡散性の阻害や排水性の悪化を解消し
て、より優れた電池性能を実現することを目的としてい
る。 【解決手段】 セパレータの流路底面である段差面に
は、格子状に複数の直方体の凸部が形成されており、さ
らに、段差面上の幅を3等分するように本の直線状のリ
ブ片96,97が配列されている。リブ片96,97
は、一方の端部をセパレータの外縁の平面部に接続し、
他方側の端部を外縁の平面部から所定の距離S1,S2
だけ離間している。リブ片96,97により、段差面は
3つの区画に分けられるとともに、段差面上に蛇行状の
1つの大流路が形成される。また、リブ片96,97に
より形成される第1〜第3の流路幅W1,W2,W3が
順に狭くなる(即ち、W1≧W2≧W3の関係を持つ)
構成となっている。この構成により、流路における供給
ガスの流速のアップが図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料電池に関
し、詳しくは、固体高分子電解質膜を一対の電極で挟持
する接合体に供給ガスを供給する供給ガス流路に特徴を
有する燃料電池、または、冷却水を供給する冷却水流路
に特徴を有する燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料の有しているエネルギを
直接電気的エネルギに変換する装置として燃料電池が知
られている。燃料電池は、通常、電解質膜を挟んで一対
の電極を配置するとともに、一方の電極の表面に水素等
の燃料ガスを接触させ、また他方の電極の表面に酸素を
含有する酸素含有ガスを接触させ、このとき起こる電気
化学反応を利用して、電極間から電気エネルギを取り出
すようにしている。燃料電池は、燃料ガスと酸素含有ガ
スが供給されている限り高い効率で電気エネルギを取り
出すことができる。
【0003】ところで、こうした燃料電池では、電極表
面への燃料ガスや酸素含有ガスの供給を、これらガスの
流路と集電極とを兼ねるセパレータと呼ばれる部材で行
なっている。このセパレータとしては、直線状の流路溝
を複数備えたストレート型のものが一般的である。ま
た、複数の凸部を設け、その凸部間の隙間により流路を
構成した分割リブ型のものも知られている。分割リブ型
のセパレータは、水分が凝縮するいわゆるフラッディン
グ等により一つの流路が閉塞されても、流路が複数方向
に分散するため、ガスや生成水は他の流路に回り込むこ
とが可能であることから、ガスの拡散性と生成水の排水
性に優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記分
割リブ型のセパレータを用いた燃料電池では、流路が複
数方向に分散するため、ガスの流速が不足する恐れがあ
った。流速が不足すると、ガスの拡散性が阻害されて濃
度分極が起こり、燃料電池の電池性能の低下をもたらす
といった問題を生じた。また、ガスの流速が不足すると
生成水の排水性が悪化する問題も生じた。
【0005】本発明は、こうした問題に鑑みてなされた
もので、ガスの拡散性の阻害や排水性の悪化を解消し
て、より優れた電池性能を実現することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の燃料電池は、固体高分子電解質膜を一対の電極で
挟持する接合体と、該接合体に接触し、該電極の面に沿
った方向に供給ガスを流す流路を形成する流路形成部材
とを備える燃料電池において、前記流路形成部材は、前
記流路を、連通する複数の区間からなるとともに、各区
間の流路幅が、前記供給ガスの下流側に位置する区間ほ
ど狭い大きさとなるよう構成したことを要旨としてい
る。
【0007】ここで、上記供給ガスとしては、燃料電池
のアノードに送る燃料ガスであってもよいし、カソード
に送る酸素含有ガスであってもよい。
【0008】上記構成の燃料電池では、流路形成部材に
より、供給ガスの下流側方向に流路幅が漸減する複数の
区画を備えた流路が形成される。この構成の燃料電池で
は、流路幅が下流側の区画に進む程狭くなっていること
から、供給ガスの流速をアップすることができる。この
ために、供給ガスの拡散性を高めて濃度分極を低減する
ことができる。したがって、この燃料電池によれば、燃
料電池の電池性能の向上を図ることができる。また、供
給ガスの流速のアップにより、生成水の排水性の向上を
図るという効果も奏する。
【0009】上記構成の燃料電池において、前記流路形
成部材は、前記電極の面に対向する流路底面と、該流路
底面から突出する1または複数の直線状のリブ部とを備
え、前記リブ部は、前記流路底面上の領域を前記区間を
構成する複数の領域に分けて連通させることにより、屈
曲形状の前記流路を形成する構成とすることができる。
【0010】この構成の燃料電池では、直線状のリブ部
により、供給ガスの下流側方向に流路幅が漸減する複数
の領域を備えた流路が形成される。また、この直線状の
リブ部により流路を屈曲形状としたことで流路の全長が
長くなっていることから、供給ガスとして湿度の低いド
ライガスが用いられた場合に、固体高分子電解質膜のド
ライアップを防止することができる。流路の全長が長く
なると、下流に進むほど、供給ガスが次第に加湿されて
いくためであり、固体高分子電解質膜のドライアップを
防止することができる。これによっても、燃料電池の電
池性能の向上をより一層図ることができる。
【0011】上記構成の燃料電池において、前記直線状
のリブ部により形成される前記流路の折り返し部分の幅
は、当該折り返し部分より上流側に位置する領域の前記
流路幅より狭い大きさである構成とすることができる。
【0012】この構成の燃料電池によれば、流路の折り
返し部分の幅が、その折り返し部分より上流側に位置す
る領域の流路幅よりも狭まくなっていることから、流路
の折り返し部分での流速をアップすることができる。し
たがって、流速アップにより供給ガスの拡散性がより高
いものとなることから、濃度分極をより低減することが
できる。また、流速アップにより生成水の排水性の向上
をより高めることができる。
【0013】上記構成の燃料電池において、前記区画
に、前記流路底面から突出する複数の凸部を有する構成
とすることができる。
【0014】この構成の燃料電池は、流路底面上に複数
の凸部を設けた従来例(分割リブ型のセパレータ)と比
較して、凸部間の流路の幅に変わりはないが、リブ部を
形成したことにより、供給ガスの供給口と排出口とを結
ぶ流路全体の幅は狭くなる。流路幅が狭くなると、供給
ガスの流速は高くなることから、前述したように、供給
ガスの拡散性を高めて濃度分極を低減することができ、
また生成水の排水性を高めることができる。
【0015】
【発明の他の形態】本発明は、以下のような他の態様を
とることも可能である。第1の態様は、電解質膜を一対
の電極で挟持する接合体と、該接合体に接触し、該電極
の面に沿った方向に供給ガスを流す流路を形成する流路
形成部材とを備える燃料電池において、前記流路形成部
材は、前記電極の面に対向する流路底面と、該流路底面
から突出して、前記電極の面に達する複数の凸部と、前
記流路底面上の前記複数の凸部が設けられた範囲に、各
凸部間の流路の集合により形成される大流路を渦巻き状
に形成するリブ部とを備えることを特徴とする燃料電
池。
【0016】この第1の態様の燃料電池によれば、凸部
により供給ガスの拡散性を高めることができる。また、
渦巻き状の大流路により、供給ガスの流速をアップする
ことができる。これらの結果、燃料電池の電池性能の向
上を図ることができる。
【0017】第2の態様は、電解質膜を一対の電極で挟
持する接合体と、該接合体に接触し、該電極に供給ガス
を流すガス流路を形成するガス流路形成部材と、前記ガ
ス流路形成部材に接触し、該ガス流路形成部材の面に沿
った方向に冷却水を流す冷却水流路を形成する冷却水流
路形成部材とを備えた燃料電池において、前記冷却水流
路形成部材は、前記ガス流路形成部材の面に対向する流
路底面と、該流路底面から突出して、前記ガス流路形成
部材の面に達する複数の凸部と、前記流路底面上の前記
複数の凸部が設けられた範囲に、各凸部間の流路の集合
により形成される大流路を渦巻き状に形成するリブ部と
を備えることを要旨としている。
【0018】この第2の態様の燃料電池によれば、凸部
により冷却水の拡散性を高めることができる。また、渦
巻き状の大流路により、冷却水の流速をアップすること
ができる。これらの結果、燃料電池の冷却性能を高め
て、電池性能の向上を図ることができる。
【0019】第3の態様は、電解質膜を一対の電極で挟
持する接合体と、該接合体に接触し、該電極に供給ガス
を流すガス流路を形成するガス流路形成部材と、前記ガ
ス流路形成部材に接触し、該ガス流路形成部材の面に沿
った方向に冷却水を流す冷却水流路を形成する冷却水流
路形成部材とを備えた燃料電池において、前記冷却水流
路形成部材は、前記ガス流路形成部材の面に対向する流
路底面と、該流路底面から突出して、前記ガス流路形成
部材の面に達する複数の凸部とを備えることを特徴とし
ている。
【0020】この第3の態様の燃料電池によれば、流路
底面上に設けた複数の凸部により冷却水の流路が形成さ
れることから、冷却水の拡散性が向上して、冷却水の流
れ分布が均一化される。また、凸部の形状の効果により
伝熱面積を高めることができる。したがって、この態様
の燃料電池によれば、冷却性能の向上を図ることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。本発明の好適な第1実施例で
ある固体高分子型燃料電池(以下、単に燃料電池と呼
ぶ)10は、接合体としての単セル20を基本単位とし
ており、単セル20を積層したスタック構造を有してい
る。図1は、この単セル20の断面を模式的に表わす説
明図である。燃料電池10の単セル20は、電解質膜2
1と、アノード22およびカソード23と、セパレータ
24、25とから構成されている。
【0022】アノード22およびカソード23は、電解
質膜21を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス
拡散電極である。セパレータ24および25は、このサ
ンドイッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード2
2およびカソード23との間に、燃料ガスおよび酸素含
有ガスの流路を形成する。アノード22とセパレータ2
4との間には燃料ガス流路24Pが形成されており、カ
ソード23とセパレータ25との間には酸素含有ガス流
路25Pが形成されている。
【0023】セパレータ24、25は、図1ではそれぞ
れ片面にのみ流路を形成しているが、実際にはその両面
に後述するリブ(凸部およびリブ片)が形成されてお
り、片面はアノード22との間で燃料ガス流路24Pを
形成し、他面は隣接する単セルが備えるカソード23と
の間で酸素含有ガス流路25Pを形成する。このよう
に、セパレータ24、25は、ガス拡散電極との間でガ
ス流路を形成するとともに、隣接する単セル間で燃料ガ
スと酸素含有ガスの流れを分離する役割を果たしてい
る。もとより、単セル20を積層してスタック構造を形
成する際、スタック構造の両端に位置する2枚のセパレ
ータは、ガス拡散電極と接する片面にだけリブが形成さ
れている。
【0024】ここで、電解質膜21は、固体高分子材
料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導
性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性
を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)
を使用した。電解質膜21の表面には、触媒としての白
金または白金と他の金属からなる合金が、塗布されてい
る。触媒を塗布する方法としては、白金または白金と他
の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、こ
の触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散さ
せ、電解質溶液を適量添加してペースト化し、電解質膜
21上にスクリーン印刷するという方法をとる。
【0025】白金触媒を担持したカーボン粉は次のよう
な方法で作製されている。まず、塩化白金酸水溶液とチ
オ硫酸ナトリウムとを混合して、亜硫酸白金錯体の水溶
液を得、この水溶液を撹拌しながら、過酸化水素水を滴
下して、水溶液中にコロイド状の白金粒子を析出させ
る。次にこの水溶液に担体となるカーボンブラック[例
えばVulcan XC−72(米国のCABOT社の
商標)やデンカブラック(電気化学工業株式会社の商
標)]を添加しながら、撹拌し、カーボンブラックの表
面にコロイド状の白金粒子を付着させる。そして吸引ろ
過または加圧ろ過により白金粒子が付着したカーボンブ
ラックを水溶液中から分離し、脱イオン水で繰り返し洗
浄した後、室温で完全に乾燥させる。次に、この乾燥の
工程で凝集したカーボンブラックを粉砕機で粉砕し、水
素還元雰囲気中で、250℃〜350℃で2時間程度加
熱して、カーボンブラック上の白金を還元すると共に、
残留していた塩素を完全に除去して、白金触媒を担持し
たカーボン粉を完成する。
【0026】カーボンブラックへの白金の担持密度(カ
ーボンの重量に対するカーボン上の白金の重量の比率)
は、塩化白金酸の量とカーボンブラックの量との比率を
変えることにより調節することができ、任意の担持密度
の白金触媒を得ることができる。なお、白金触媒の製造
方法は、前述の方法に限らず、充分な触媒活性が得られ
る方法であれば、他の方法により製造したものであって
もよい。
【0027】以上の説明では、白金を触媒として用いる
場合について述べたが、この他にも、第1成分である白
金と、第2成分であるルテニウム、ニッケル、コバル
ト、インジウム、鉄、クロム、マンガン等のうちの1種
類あるいは2種類以上の成分との合金からなる合金触媒
を使用することもできる。
【0028】アノード22およびカソード23は、共に
炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形
成されている。なお、本実施例では、アノード22およ
びカソード23をカーボンクロスにより形成したが、炭
素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルト
により形成する構成も好適である。
【0029】上記電解質膜21とアノード22およびカ
ソード23とは、熱圧着により一体化される。すなわ
ち、白金などの触媒を塗布した電解質膜21をアノード
22およびカソード23で挟持し、120〜130℃に
加熱しながらこれらを圧着する。電解質膜21とアノー
ド22およびカソード23とを一体化する方法として
は、熱圧着による他に、接着による方法を用いてもよ
い。アノード22およびカソード23で電解質膜21を
挟持する際、各電極と電解質膜21との間をプロトン導
電性固体高分子溶液(例えば、Aldrich Che
mical社、Nafion Solution)を用
いて接合すれば、プロトン導電性固体高分子溶液が固化
する過程で接着剤として働き、各電極と電解質膜21と
が固着される。
【0030】セパレータ24、25は、ガス不透過の導
電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とし
た緻密質カーボンにより形成されている。セパレータ2
4、25はその両面に、既述したように、アノード22
の表面とで燃料ガス流路24Pを形成し、隣接する単セ
ルのカソード23の表面とで酸素含有ガス流路25Pを
形成する。こうしたセパレータ24,25の詳しい構成
については後ほど説明する。
【0031】以上、燃料電池10の基本構造である単セ
ル20の構成について説明した。実際に燃料電池10と
して組み立てるときには、図2に示すように、セパレー
タ24、アノード22、電解質膜21、カソード23、
セパレータ25をこの順序で複数組積層し(本実施例で
は3組)、その複数組積層する毎に1個の冷却プレート
30を挿入する。こうした3個の単セル20と1個の冷
却プレート30の組合せを複数組積層することにより、
単セル20を例えば、100組積層し、その両端に緻密
質カーボンや銅板などにより形成される集電板(図示せ
ず)を配置することによって、スタック構造を構成す
る。
【0032】なお、冷却プレート30は、直線状の流路
溝を複数備えたストレート型のもので、セパレータ2
4,25と同じ素材により形成されている。冷却プレー
ト30は、外部からの冷却水を給排することにより、燃
料電池10の温度調整を図る。
【0033】こうした構成の燃料電池10のセパレータ
24,25の形状は次のようなものである。セパレータ
24,25は同一の形状であることから、ここでは、セ
パレータ24を例にあげて説明する。図3は、セパレー
タ24の平面図である。図4は、セパレータ24の半分
の斜視図である。図3および図4に示すように、セパレ
ータ24は、4角形の板状部材として形成されており、
対向する2つの辺の縁付近には、大口径の4角形の孔4
1(43)がそれぞれ設けられ、他の2つの辺の縁付近
には、小口径の4角形の2つの孔45,46(47,4
8)がそれぞれ設けられている。
【0034】大口径の孔41,43は、積層した際、燃
料電池10を積層方向に貫通する2つの冷却水給排流路
を形成する。対角線に対向する2つの小口径の孔45,
48は、積層した際、固体高分子型燃料電池10を積層
方向に貫通する2つの燃料ガス給排流路を形成し、他の
小口径の孔46,47は、同じく積層方向に貫通する2
つの酸素含有ガス給排流路を形成する。
【0035】セパレータ24のこれら孔41,43,4
5,46,47,48が設けられた外縁の平面部より内
側には、該平面部より一段下がった段差面51が形成さ
れており、この段差面51には、規則正しく格子状に配
列された幅2[mm]、長さ2[mm]、高さ1[m
m]の直方体の凸部53が複数形成されている。
【0036】また、段差面51には、段差面51の幅を
3等分するように配列された2本の直線状のリブ片5
5,56が形成されている。リブ片55,56は、凸部
53と同じ高さ1[mm]で、幅1[mm]であり、長
さは段差面51の横幅より短い。リブ片55,56は、
互いに逆方向の端部55a,56aをセパレータ24の
外縁の平面部に接続することで、他方側の端部55b,
56bがその外縁の平面部から所定の距離Sだけ離間す
るようになっている。なお、この距離Sは、この実施例
では、リブ片55,56により形成される流路の幅Wと
等しい大きさである。
【0037】リブ片55,56により、段差面51は3
つの領域に分けられ、これら領域は連通しており、その
結果、段差面51上に、蛇行状(屈曲形状)の1つの大
きな流路が形成されることになる。なお、この流路の両
端は、対角線に配置された孔45,孔48のある位置に
接しており、流路の端部と孔45,48との間には隔壁
はないことから、上記蛇行状の流路は、孔45,48に
連結される。この結果、孔45,48からなる燃料ガス
給排流路からの燃料ガスが段差面51上の上記流路に供
給または排出されることになる。
【0038】こうしたセパレータ24の構成により、大
きくは、リブ片55,56、段差面51およびアノード
22の表面とで、蛇行状の燃料ガスの流路(大流路)を
形成し、さらに、細かくは、凸部53、段差面51およ
びアノード22の表面とで、複数方向に分散する燃料ガ
スの流路(小流路)を形成する。これら燃料ガスの流路
が、図1で示した燃料ガス流路24Pに相当することに
なる。
【0039】また、セパレータ24の積層面の他方(図
2の裏面)にも、上記段差面51、凸部53およびリブ
片55,56と同一形状の段差面、凸部およびリブ片
(図示せず)が形成されている。この段差面、凸部およ
びリブ片とカソード23の表面とで酸素含有ガスの流路
を形成する。この酸素含有ガスの流路には、上記孔4
6,47により形成される酸素含有ガス給排流路からの
酸素含有ガスが供給または排出される。なお、こうした
酸素含有ガスの流路が図1で示した酸素含有ガス流路2
5Pに相当することになる。
【0040】こうした構成の燃料電池10は、前述した
ようにして、水素を含む燃料ガスを燃料ガス流路24P
に、酸素を含む酸素含有ガスを酸素含有ガス流路25P
にそれぞれ流すことにより、アノード22とカソード2
3とで、次式(1)および(2)に示した電気化学反応
を行ない、化学エネルギを直接電気エネルギに変換す
る。
【0041】 カソード反応(酸素極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O …(1) アノード反応(燃料極):H2→2H++2e- …(2)
【0042】以上詳述したように、この実施例の燃料電
池10では、各セルへの燃料ガスの給排口である孔45
と孔48の間に、蛇行状の燃料ガスの流路が形成されて
おり、この流路には、複数の凸部53が設けられてい
る。このため、従来の分割リブ型のセパレータと比較し
て、リブ片55,56を設けたことにより、燃料ガスの
給排口である孔45と孔48とを結ぶ流路全体の幅が狭
くなる。流路の幅が狭くなると、燃料ガスの流速は高く
なることから、燃料ガスの拡散性を高めて濃度分極を低
減することができる。また、酸素含有ガスについても、
同様の構成により、ガスの拡散性を高めて濃度分極を低
減することができる。
【0043】また、この燃料電池10では、前述したよ
うにガス流路を蛇行形状としたことで、流路の全長が長
くなっていることから、燃料ガスや酸素含有ガスといっ
た供給ガスにドライガスが用いられた場合であっても、
電解質膜のドライアップを防止することができる。カソ
ード23では、その電極反応により水が生成されるが、
従来のリブ型のセパレータでは、その生成水の排水性が
過多となって、電解質膜がドライアップとなりがちであ
ったが、この燃料電池10では、前述したように流路の
全長が長くなると、下流に進むほど、供給ガスが次第に
加湿されていくことから、電解質膜21のドライアップ
を防止することができる。したがって、上記濃度分極を
低減する作用と電解質膜21のドライアップ防止の作用
とから、燃料電池10の電池性能の向上を図ることがで
きる。
【0044】第1実施例の燃料電池10と従来の燃料電
池との電池性能を比較したので、次に説明する。ここで
は、従来の燃料電池として、分割リブ型のセパレータを
使用したものと、蛇行状の流路溝を備えた、いわゆるサ
ーペンタイン型のセパレータを使用したものとを2種類
用意した。また、運転条件として、ウェットな供給ガス
(燃料ガスの湿度が100[%]、酸素含有ガスの湿度
が90[%])を用いた第1の条件と、ドライな供給ガ
ス(燃料ガスの湿度が100[%]、酸素含有ガスの湿
度が30[%])を用いた第2の条件との2つを採用し
た。
【0045】図5は、ウェットな供給ガスを用いた第1
の条件下で燃料電池10と従来の燃料電池とを運転した
ときの電圧と電流密度との関係を示したグラフである。
図6は、ドライな供給ガスを用いた第2の条件下で燃料
電池10と従来の燃料電池を運転したときの電圧と電流
密度との関係を示したグラフである。図5および図6
中、曲線Aは燃料電池10について電圧と電流密度との
関係を示し、曲線Bは分割リブ型の従来例についての電
圧と電流密度との関係を示し、曲線Cはサーペンタイン
型の従来例についての電圧と電流密度との関係を示す。
【0046】図5に示すように、ウェットな供給ガスの
条件下においては、第1実施例の燃料電池10は、サー
ペンタイン型のセパレータを用いた燃料電池はもとより
分割リブ型のセパレータを用いた燃料電池に比較して、
測定範囲の総ての電流密度に亘ってその特性が優れてい
た。特に、高電流密度領域(0.5[A/cm2 ]以
上)での電圧低下が小さく、ガス拡散性の向上が認めら
れた。
【0047】また、図6に示すように、ドライな供給ガ
スの条件下においては、第1実施例の燃料電池10は、
サーペンタイン型のセパレータを用いた燃料電池および
分割リブ型のセパレータを用いた燃料電池に比較して、
測定範囲の総ての電流密度に亘ってその特性が優れてい
た。特に、ドライな供給ガスの条件下においては、分割
リブ型のセパレータと比して、大きく電圧低下が小さい
ことから、電解質膜21のドライアップ防止の向上が認
められた。
【0048】次に、この発明の第1実施例の変形例につ
いて説明する。第1実施例では、リブ片55,56によ
り形成される蛇行状の流路の折り返し部分の幅(前述し
たリブ片55,56の端部55b,56bと外縁の平面
部との間の距離Sに相当する)は、その流路の幅Wと等
しい構成であったが、これに替えて、次のような構成と
した。
【0049】図7は、変形例のセパレータ90の平面図
である。図示するように、セパレータ90は、第1実施
例のセパレータ24と比較してほぼ同じ形状をしてお
り、相違するのは、リブ片91,92の全長が、第1実
施例のリブ片55,56に比較して1.5[mm](凸
部の幅の1.5倍)だけ長い点にある。かかる構成によ
り、リブ片91,92の端部91b,92bと外縁の平
面部との間の距離Saに相当する流路幅は、リブ片9
1,92により形成される流路の幅Wより狭い大きさと
なる。
【0050】したがって、この変形例によれば、流路の
折り返し部分の幅が狭いことによって、流路の折り返し
部分での流速をアップすることができる。このため、供
給ガスの拡散性はより高いものとなることから、流速ア
ップによる排水性の向上をより高めることができる。
【0051】他の変形例について次に説明する。第1実
施例および上記変形例では、リブ片91,92により形
成される3つの流路は等間隔の幅Wを備える構成であっ
たが、これに替えて、この他の変形例では、図8に示す
ように、リブ片96,97により形成される第1ないし
第3の流路の幅W1,W2,W3が順に狭くなる(即
ち、W1≧W2≧W3の関係を持つ)構成となってい
る。なお、この変形例のセパレータ95は、第1の流路
からの折り返し部分の幅S1は第1の流路の幅W1より
狭い大きさであり、第2の流路からの折り返し部分の幅
S2は第2の流路の幅W2より狭い大きさである。
【0052】したがって、この変形例によれば、流路の
幅が下流に進む程狭くなっていることと、流路の折り返
し部分の幅がその直前の流路幅より狭くなっていること
の双方によって、流速のアップを一層図ることができ
る。このため、供給ガスの拡散性は一層高いものとなる
ことから、流速アップによる排水性の向上をより一層高
めることができる。
【0053】第2実施例について、次に説明する。この
第2実施例は、第1実施例の燃料電池10と比較してほ
ぼ同じ構成の固体高分子型燃料電池に関するもので、セ
パレータ24,25と冷却プレート30の形状だけが第
1実施例と比べて相違する。セパレータ(図示せず)
は、従来より一般に用いられる分割リブ型のものであ
る。冷却プレートの形状は次のようなものである。
【0054】図9は、この第2実施例で用いられる冷却
プレート130の平面図である。図9に示すように、冷
却プレート130は、4角形の板状部材として形成され
ており、第1実施例のセパレータ24と同様に、対向す
る2つの辺の縁付近には、大口径の4角形の孔131
(133)がそれぞれ設けられ、他の2つの辺の縁付近
には、小口径の4角形の2つの孔135,136(13
7,138)がそれぞれ設けられている。
【0055】大口径の孔131,133は、積層した
際、燃料電池を積層方向に貫通する2つの冷却水給排流
路を形成する。対角線上に対向する2つの小口径の孔1
35,138は、積層した際、燃料電池を積層方向に貫
通する2つの燃料ガス給排流路を形成し、他の小口径の
孔136,137は、同じく積層方向に貫通する2つの
酸素含有ガス給排流路を形成する。
【0056】冷却プレート130のこれら孔131,1
33,135,136,137,138が設けられた外
縁の平面部より内側には、該平面部より一段下がった段
差面151が形成されており、この段差面151には、
規則正しく格子状に配列された幅2[mm]、長さ2
[mm]、高さ1[mm]の直方体の凸部153が複数
形成されている。なお、段差面151と大口径の孔13
1,133からなる冷却水給排流路との間には隔壁はな
く、孔131,133からの冷却水が、段差面151上
の凸部153により形成される流路に供給または排出さ
れることになる。
【0057】以上のように構成された、この第2実施例
の燃料電池では、冷却プレート130に形成された複数
の凸部153により、複数方向に分散する冷却水の流路
が形成される。これによれば、冷却水の拡散性が向上し
て、冷却水の流れ分布が均一化されるまた、凸部153
の形状の効果により電熱面積を高めることができる。
【0058】したがって、この第2実施例の燃料電池に
よれば、冷却(温調)性能の向上を図ることができるこ
とから、ガス拡散電極のフラッディングや電解質膜のド
ライアップを抑制することができ、延いては、電池性能
の向上を図ることができる。
【0059】この第2実施例の燃料電池における電圧と
電流密度との関係を、図10に示した。図中、曲線Aは
第2実施例の燃料電池について電圧と電流密度との関係
を示し、曲線Bは従来の燃料電池について電圧と電流密
度との関係を示す。ここで、従来の燃料電池とは、直線
状の流路溝を複数備えた従来のストレート型の冷却プレ
ートを使用した燃料電池である。
【0060】図10に示するように、第2実施例の燃料
電池は、従来例の燃料電池に比して、測定範囲の総ての
電流密度密度に亘って、電圧低下が小さく、電池性能の
向上が認められた。
【0061】この発明の第3実施例について、次に説明
する。この第3実施例は、第2実施例と同様、冷却プレ
ートの形状に特徴を備えるもので、それ以外について
は、従来の固体高分子型燃料電池と同一の構成を備え
る。この第3実施例の燃料電池で用いられる冷却プレー
トは、第1実施例で説明したセパレータ24の形状をほ
ぼそのまま適用したものである。以下、冷却プレートに
ついて詳細に説明する。
【0062】図11は、この第3実施例で用いられる冷
却プレート230の平面図である。図11に示すよう
に、冷却プレート230は、4角形の板状部材として形
成されており、第2実施例の冷却プレート130と同様
に、対向する2つの辺の縁付近には、大口径の4角形の
孔231(233)がそれぞれ設けられ、他の2つの辺
の縁付近には、小口径の4角形の2つの孔235,23
6(237,238)がそれぞれ設けられている。
【0063】この実施例の冷却プレート230は、第1
実施例のセパレータ24と比して各孔231,233,
235〜238に流す流体が異なっている。この冷却プ
レート230においては、大口径の孔231,233
は、積層した際、燃料電池を積層方向に貫通する2つの
酸素含有ガス給排流路を形成する。対角線上に対向する
2つの小口径の孔235,238は、積層した際、燃料
電池を積層方向に貫通する2つの冷却水給排流路を形成
し、他の小口径の孔236,237は、同じく積層方向
に貫通する2つの燃料ガス給排流路を形成する。
【0064】冷却プレート230のこれら孔231,2
33,235,236,237,238が設けられた外
縁の平面部より内側には、該平面部より一段下がった段
差面251が形成されており、この段差面251には、
規則正しく格子状に配列された幅2[mm]、長さ2
[mm]、高さ1[mm]の直方体の凸部253が複数
形成されている。
【0065】また、段差面251には、段差面251の
幅を3等分するように配列された2本の直線状のリブ片
255,256が形成されている。リブ片255,25
6は、凸部253と同じ高さ1[mm]で、幅1[m
m]であり、長さは段差面251の横幅より短い。リブ
片255,256は、互いに逆方向の端部255a,2
56aを冷却プレート230の外縁の平面部に接続する
ことで、他方側の端部255b,256bがその外縁の
平面部から所定の距離Xだけ離間するようになってい
る。なお、この距離Xは、この実施例では、リブ片25
5,256により形成される流路の幅Yより狭い大きさ
である。なお、この距離Xと幅Yとの大小関係は、幅Y
の方が必ずしも大きい必要はないが、その大小関係によ
り冷却性能に差異が生じる。この冷却性能の差異につい
ては後述する。
【0066】上述したリブ片255,256により、段
差面251は3つの領域に分けられて、これら領域は連
通しており、その結果、段差面251上に、蛇行状(屈
曲形状)の1つの大きな流路が形成されることになる。
なお、この流路の両端は、対角線に配置された孔23
5,孔238のある位置に接しており、流路の端部と孔
235,238との間には隔壁はないことから、上記蛇
行状の流路は、孔235,238に連結される。この結
果、孔235,238からなる冷却水給排流路からの冷
却水が段差面251上の上記流路に供給または排出され
ることになる。
【0067】こうした冷却水プレートの構成により、大
きくは、リブ片255,256、段差面251およびガ
ス拡散電極の電解質膜と反対側の表面とで、蛇行状の冷
却水の流路(大流路)を形成し、さらに、細かくは、凸
部253、段差面251およびガス拡散電極の電解質膜
と反対側の表面とで、複数方向に分散する冷却水の流路
(小流路)を形成する。
【0068】以上のように構成された、この発明の第3
実施例の燃料電池では、冷却プレート230に形成され
た複数の凸部253により、冷却水は複数方向に分散し
て、冷却水の拡散性が向上する。しかも、リブ片25
5,256により、冷却水の吸入口と排出口とを結ぶ流
路全体の幅が狭められて、冷却水の流速がアップされ
る。
【0069】したがって、この第3実施例の燃料電池に
よれば、冷却水の拡散性と流速アップとにより、冷却
(温調)性能の向上をより図ることができる。このた
め、電池性能をより優れたものとすることができる。
【0070】さらに、この第3実施例の燃料電池によれ
ば、冷却水流路の蛇行状の折り返し部分の幅に相当する
上記距離Xは、その流路の幅Yより狭い大きさとなって
いることから、この折り返し部分により冷却水の流速を
よりアップすることができる。したがって、冷却(温
調)性能の向上をより一層図ることができ、電池性能を
より一層優れたものとすることができる。
【0071】この第3実施例の燃料電池において、上述
した冷却水流路の折り返し部分の幅(上記距離Xに対応
し、以下この折り返し部分の幅についてもXで示す)を
変更して得られる燃料電池の電池性能を比較したので、
次に説明する。ここでは、比較対象として、冷却水流路
の折り返し部分の幅Xがその流路の幅Yより狭い大きさ
である第1の構成(この第3実施例の場合)と、その折
り返し部分の幅Xがその流路の幅Yと等しい大きさであ
る第2の構成と、その折り返し部分の幅Xがその流路の
幅Yより広い大きさである第3の構成との3種類を用意
した。
【0072】図12は、上記各構成の燃料電池について
の電圧と電流密度との関係を示したグラフである。図
中、曲線Fは第1の構成の燃料電池についてのもので、
曲線Gは第2の構成の燃料電池についてのもので、曲線
Hは第3の構成の燃料電池についてのものである。
【0073】図11に示すように、冷却水流路の折り返
し部分の幅Xがその流路の幅Yより狭い大きさの第1の
構成の燃料電池は、他の2つの構成に比較して、測定範
囲の総ての電流密度に亘ってその特性が優れていた。特
に、高電流密度領域(0.5[A/cm2 ]以上)での
電圧低下が小さいことがわかる。次に電池特性の優れて
いるのが幅Xと幅Yとが等しい構成の燃料電池である。
【0074】したがって、図12に示した結果からも、
この第3実施例のように、冷却水流路の折り返し部分の
幅Xがその流路の幅Yより狭い大きさとすることで、燃
料電池の電池性能が向上することが認められた。
【0075】前記第1および第3実施例の変形例につい
て、次に説明する。前記第1および第3実施例の燃料電
池に備えられるセパレータ24,25または冷却プレー
ト230は、リブ片55,56(255,256)を用
いて1本の連続する流路を形成していたが、これに替え
て、次のような形状のセパレータもしくは冷却プレート
の構成としてもよい。即ち、図13に示すように、この
変形例のセパレータもしくは冷却プレートでは、両端が
外縁の平面部から離れて形成されるリブ片355,35
6を流路底面上に有しており、リブ片355,356と
両外縁の平面部との間隙を介して流路が分岐するように
する。この構成によっても、供給ガスまたは冷却水の供
給口358と排出口359との間に、複数の凸部353
を有する屈曲形状の大流路を形成することができること
から、第1実施例および第3実施例と同様に燃料電池性
能の向上を図ることができる。
【0076】また、他の変形例のセパレータもしくは冷
却プレートとして、図14に示すように、流路底面上に
複数の凸部453を有し、さらに、その流路底面上に、
渦巻き状の大流路を形成する渦巻き状のリブ部455を
有する構成としてもよい。この構成によっても、供給ガ
スまたは冷却水の供給口458と排出口459との間
に、複数の凸部453を有する渦巻き形状の大流路を形
成することができることから、第1実施例および第3実
施例と同様に燃料電池性能の向上を図ることができる。
【0077】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である燃料電池10を構成
する単セル20の構造を模式的に表わす断面図である。
【図2】燃料電池10の全体構造を模式的に表わす断面
図である。
【図3】セパレータ24の平面図である。
【図4】セパレータ24の半分の斜視図である。
【図5】ウェットな供給ガスを用いた第1の条件下で燃
料電池10と従来の燃料電池とを運転したときの電圧と
電流密度との関係を示すグラフである。
【図6】ドライな供給ガスを用いた第2の条件下で燃料
電池10と従来の燃料電池を運転したときの電圧と電流
密度との関係を示すグラフである。
【図7】第1実施例の変形例としてのセパレータ90の
平面図である。
【図8】他の変形例としてのセパレータ95の平面図で
ある。
【図9】第2実施例で用いられる冷却プレート130の
平面図である。
【図10】第2実施例の燃料電池と従来の燃料電池につ
いての電圧と電流密度との関係を示すグラフである。
【図11】第3実施例で用いられる冷却プレート230
の平面図である。
【図12】冷却水流路の折り返し部分の幅を変更して得
られる各燃料電池についての電圧と電流密度との関係を
示すグラフである。
【図13】変形例としてのセパレータまたは冷却プレー
トを表わす平面図である。
【図14】他の変形例としてのセパレータまたは冷却プ
レートを表わす平面図である。
【符号の説明】
10…固体高分子型燃料電池 20…単セル 20…燃料電池 21…電解質膜 22…アノード 23…カソード 24,25…セパレータ 24P…燃料ガス流路 25P…酸素含有ガス流路 30…冷却プレート 41,43,45,46,47,48…孔 51…段差面 53…凸部 55,56…リブ片 90…セパレータ 91,92…リブ片 91b,92b…端部 95…セパレータ 96,97…リブ片 130…冷却プレート 131,133,135,136,137,138…孔 151…段差面 153…凸部 230…冷却プレート 231,233,235,236,237,238…孔 251…段差面 253…凸部 255,256…リブ片 353…凸部 355,356…リブ片 358…供給口 359…排出口 453…凸部 455…リブ部 458…供給口 459…排出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜を一対の電極で挟持
    する接合体と、 該接合体に接触し、該電極の面に沿った方向に供給ガス
    を流す流路を形成する流路形成部材と を備える燃料電池において、 前記流路形成部材は、 前記流路を、連通する複数の区間からなるとともに、各
    区間の流路幅が、前記供給ガスの下流側に位置する区間
    ほど狭い大きさとなるよう構成したことを特徴とする燃
    料電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料電池において、 前記流路形成部材は、 前記電極の面に対向する流路底面と、 該流路底面から突出する1または複数の直線状のリブ片
    とを備え、 前記リブ片は、 前記流路底面上の領域を前記区間を構成する複数の領域
    に分けて連通させることにより、屈曲形状の前記流路を
    形成する構成である燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記直線状のリブ部により形成される前
    記流路の折り返し部分の幅は、当該折り返し部分より上
    流側に位置する領域の前記流路幅より狭い大きさである
    請求項2に記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記区画に、前記流路底面から突出する
    複数の凸部を有する請求項1ないし3のいずれかに記載
    の燃料電池。
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